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  • ホンダF1 さくらで“24時間開発”続行 マイアミGPへ総力対応

    ホンダF1 さくらで“24時間開発”続行 マイアミGPへ総力対応

    ホンダF1が、日本GP後も開発の手を緩めていない。ホンダ・レーシング(HRC)とアストンマーティンは、日本のさくら研究所で連携し、問題解決に向けた対策作業を継続している。

    次戦マイアミGPを前に、現状の改善には時間がかかることを認めつつも、現場は“24時間体制”で開発を進めている。ホンダ側の技術責任者がその舞台裏を明かした。

    さくらで続く“24時間体制”の対策開発
    ホンダF1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、現在の開発状況について次のように説明した。

    「みなさんご存知の通り、バーレーンGPとサウジアラビアGPは延期となりましたが、それでも作業が止まったわけではありません」

    「日本GPの後、アストンマーティン・アラムコF1チームのメンバーとホンダ・レーシングは、日本のさくらにあるHRC研究開発センターで共同作業を続けています」

    「東京から約3時間の場所にあるこの施設で、私たちは対策強化に向けて24時間体制で取り組んでいます」

    ホンダ(本田技研工業) メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    改善には時間も マイアミGPへ継続対応
    折原伸太郎は、現状の課題が短期で解決するものではないとしながらも、チームとしての取り組み姿勢を強調した。

    「この問題の解決には時間がかかることは理解していますが、私たちは引き続き協力して懸命に取り組んでいきます」

    「次のF1レースであるマイアミでお会いしましょう。2回目のスプリントウィークエンドとなる“サンシャインステート”でお会いできるのを楽しみにしています。ではまた」

  • ホンダF1に逆風?2026年F1レギュレーション修正で不利拡大の可能性

    ホンダF1に逆風?2026年F1レギュレーション修正で不利拡大の可能性

    2026年F1レギュレーションに対する不満を受け、FIAはマイアミGPからエネルギーマネジメントに関する重要な修正を導入する。スーパークリッピング時間の短縮や回生レートの引き上げなど、これまで問題視されてきた“奇妙な減速”や速度差の是正を狙った措置だ。

    しかし、この変更はすべてのメーカーにとって同じ意味を持つわけではない。特にパワーユニット性能に依存する回生領域では差が顕在化する可能性があり、ホンダにとってはむしろ不利が拡大するとの見方も出ている。

    マイアミで導入される主な変更点
    スーパークリッピング(エネルギー回収)時間は1周あたり2〜4秒に短縮され、ピーク回生レートは250kWから350kWへと引き上げられる。また、バッテリー上限は8MJから7MJへ引き下げられた。

    これらの変更は、これまで問題視されてきたリフト・アンド・コーストの頻発や、速度差の拡大といった課題の軽減を目的としている。

    ホンダにとっての懸念点
    一方で、この「350kW回生」という変更がすべてのメーカーにとって有利とは限らない。

    ベテランジャーナリストのマーク・ヒューズは、Motor Sport Magazineのポッドキャストで次のように指摘している。

    「すべてはリアアクスルの逆トルク低減に関係していて、それが回生の速さを決める。だからホンダにとっては、さらに不利になる可能性がある」

    新レギュレーションではMGU-Hが廃止されており、回生とエネルギー制御の負担はMGU-Kに集中している。これにより、ターボラグ補填や出力制御も同時に担う必要がある。

    その中で、内燃エンジン(ICE)の性能が重要な鍵となる。

    ICE性能差が生む影響
    現在、ホンダのICEはメルセデス勢と比較して出力面で劣ると見られている。

    出力が低いエンジンは、回生に使えるエネルギーも限られる。その結果、350kWという高い回生レートに到達するまでに時間がかかる、あるいは維持できない可能性がある。

    つまり、同じバッテリー量を充電するために、より長いスーパークリッピング時間が必要となる可能性がある。

    これは本来「短縮」を狙った規則変更の意図と逆行する。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    勢力図への影響とメルセデス優位の可能性
    この変更は、結果として各メーカーに異なる影響を与える。

    メルセデスのように高出力ICEを持つ陣営は、350kWで効率的に回生できるため、短時間でバッテリーを充填できる。一方でホンダや、トルクに余裕のないメーカーは同じ恩恵を受けられない可能性がある。

    つまり、今回の調整は“中立的な修正”ではなく、勢力図を動かす要因になり得る。

    それでも一定の改善は期待される
    ただし、すべての変更が偏った影響をもたらすわけではない。

    バッテリー容量の削減(8MJ→7MJ)や、エネルギー展開制御の見直しは、メーカーを問わずリフト・アンド・コーストの減少に寄与する見込みだ。

    また、ブースト制限の調整も、鈴鹿でのオリバー・ベアマンのクラッシュのような危険な速度差の抑制を狙ったものだ。

    結果として、今回の規則変更は一定の改善をもたらしつつも、その中核である「回生レート引き上げ」は、チーム間の格差を広げる可能性を孕んでいる。実際の影響は、マイアミでの走行を経て初めて明らかになることになる。

  • メルセデスF1代表「問題は1社だけ」 ADUO巡りホンダ支援示唆で他陣営牽制

    メルセデスF1代表「問題は1社だけ」 ADUO巡りホンダ支援示唆で他陣営牽制

    メルセデスのチーム代表が、2026年F1のパワーユニット開発を巡るADUO(追加開発・アップグレード機会)について、「問題があるのは1社だけ」との認識を示した。この発言は名指しこそしていないものの、現状で最も苦戦が指摘されているホンダを念頭に置いたものと受け止められている。

    同時にこの発言は、ADUOの適用範囲を巡って他メーカーの動きを牽制する狙いもにじむ。

    支援はあくまで限定的であるべきとの立場を強調しつつ、制度の運用次第では競争秩序を揺るがしかねないとの懸念も示し、FIAに対して透明性と厳格な判断を求めた。

    ADUOは“救済”か、それとも勢力図を動かす装置か
    「ADUOの導入は、我々にとってその差を縮めるチャンスになる」とフェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールはコメント。

    「ADUOの原則は、パワーユニットで後れを取っているチームが追いつくことを可能にするためのものだ。しかし、順位を飛び越えるためのものではない」とトト・ヴォルフは語った。

    ADUOは、2026年レギュレーション導入初期における性能格差を是正するために導入された制度で、パワーユニット性能で後れを取るメーカーに対し、ホモロゲーション変更の柔軟化、コストキャップの緩和、ダイノ開発時間の追加といった支援が与えられる。

    FIAはその目的を「大きく遅れているメーカーに開発機会を提供すること」としているが、実際の適用を巡っては各メーカーの思惑が交錯している。ホンダが現時点で最も支援対象に近いと見られる一方で、フェラーリも自らのデータを根拠に適用を求めているとされる。

    最初の判断は第6戦(現在はモナコGP)後に行われ、その後も第12戦、第18戦後に再評価が予定されている。

    フェラーリの主張と“本当に遅れているのか”という論点
    フェラーリは2026年序盤、メルセデスに対して最大で0.8秒の差があると認識しており、エンジン面での改善に加え、SF-26の空力アップデートも並行して進められていることから、ADUOによる支援が加わればタイトル争いに本格参入する可能性もある。

    一方でライバル陣営からは、フェラーリの出力差は設計選択に起因する側面もあると指摘されており、「本質的な遅れではない」との見方も出ている。こうした評価の違いが、制度の公平性を巡る議論を一層複雑にしている。

    ホンダF1のADUO救済を示唆しつつ他陣営を牽制するトト・ヴォルフ

    ヴォルフ「支援は1社に限るべき」
    こうした状況を踏まえ、トト・ヴォルフはADUOの運用に明確な線引きを求めた。

    「私の見方では、問題を抱えているエンジンメーカーは1社だけであり、そこは支援が必要だ。しかし、それ以外はほぼ同じパフォーマンスレンジにある」とヴォルフはコメント。

    「現時点の競争順位に干渉するようなADUOの決定が下されるなら、私は非常に驚くだろうし、失望もする」

    「ここにゲームマンシップが入り込む余地はあってはならない。重要なのは、FIAが正しい精神でADUOを運用することだ」とヴォルフは語った。

    「我々は自分たちの解析データを持っており、競合との性能差を把握している。そしてFIAも同じデータを見ているはずだ」

    「彼らには、このスポーツの整合性を守る役割がある。突然誰かが順位を飛び越えるようなことを許してはいけない」

    「ADUOはあくまで“キャッチアップのための仕組み”であり、“リープフロッグのための仕組み”ではない」

    FIAはマイアミGP後に各メーカーの性能差を評価し、2%以上遅れている場合は1回、4%以上であれば複数回のアップグレード機会を与える可能性がある。

    その判断は2026年シーズンの勢力図だけでなく、2027年の開発戦略にも直結する重要な分岐点となる。ヴォルフが示した通り、この制度が“救済”にとどまるのか、それとも“勢力図を動かす要因”となるのかは、FIAの運用に委ねられている。

  • ホンダF1計画を断った1999年の悲劇 ヨス・フェルスタッペンの分岐点

    ホンダF1計画を断った1999年の悲劇 ヨス・フェルスタッペンの分岐点

    1999年4月15日、F1界は最も優れた技術者のひとりを失った。ハーベイ・ポスルスウェイトの急死は、ホンダが進めていたワークス参戦計画に決定的な打撃を与え、その余波はヨス・フェルスタッペンのキャリアにも及ぶことになった。

    この計画は、ホンダが単なるエンジンサプライヤーとしてではなく、自らシャシーを開発してF1へ復帰しようとしていた時期のものだった。

    テストでは有望な速さも示していたが、中心人物を失ったことでプロジェクトは急速に失速し、ついにはグランプリ出走を果たさぬまま幕を下ろした。

    ホンダがコンストラクター復帰を目指した背景
    物語は1991年シーズン末にさかのぼる。当時のホンダはエンジンサプライヤーとして絶頂期にあり、1986年から1991年にかけてウィリアムズとマクラーレンとともに6度のコンストラクターズ選手権を獲得していた。

    だが、その支配的な成功こそが、当時のホンダ社長だった川本信彦に「F1はもはや自社のエンジニアにとって十分な技術的挑戦ではない」と考えさせる要因になった。この判断は重みを持ち、ホンダは1992年限りでF1から撤退した。

    その後、日本のメーカーはエンジニア陣を再活性化し、創業者・本田宗一郎への敬意を示す意味も込めて、自社のシングルシーター用シャシー開発へと軸足を移した。

    最初のシャシーであるRC100は成功しなかったが、開発は止まらず、1993年レギュレーションに合わせた新バージョンが作られた。

    これらのシャシーのテストは、ホンダがコンストラクターとしてF1へ復帰するのではないかという憶測を呼んだ。RC101はFIAのクラッシュテストにも合格し、グランプリ参戦が可能な状態にあった。

    その後継となるRC101Bはさらに注目を集めたが、ローランド・ラッツェンバーガーとアイルトン・セナの死亡事故、さらにその後のレギュレーション変更を受けて改修が必要となった。

    1998年デビュー計画から2000年参戦へ
    ホンダが公にF1復帰の意思を示したのは1995年になってからだった。

    川本は当初、1998年のデビューを目標にしていた。1997年にブリヂストンがF1タイヤサプライヤーとして参入することもその判断に影響しており、同社はRC100をテストシャシーとして使用していた。

    ホンダはまた、無限ホンダV10エンジンを使って独自のF1構想を進めていた日本のドームの経験も取り込もうとしていた。

    しかし、計画された復帰時期は2000年へと後ろ倒しされた。ホンダは、自社がまだ準備不足だと認めていたためだ。ドーム支援やティレルへの出資が噂される時期もあった。

    一方で、無限ホンダはジョーダン・グランプリへエンジン供給を開始しており、これは広くホンダ復帰への布石と受け止められていた。

    1998年末になると、ホンダが少なくとも5年間、ワークスチームとしてF1に参戦するというニュースは正式なものとなった。

    目標は野心的だった。2000年の時点で表彰台争い、そして3年以内の勝利だった。年間予算は2億ドルと報じられたが、その数字には異論もあり、プロジェクト規模を巡る社内の温度差も示していた。

    ティレル人脈とポスルスウェイトの存在
    不透明さを抱えつつも、チームの形は整い始めていた。ホンダは、ティレルがブリティッシュ・アメリカン・レーシング(BAR)へ移行する流れのなかで、同チームから積極的に人材を集めた。

    技術部門の中心に据えられたのがポスルスウェイトだった。彼には、新生BARに残ることを望まなかった元ティレルスタッフも加わった。

    この体制は、ホンダが単なる実験ではなく、本気でF1復帰を目指していたことを示していた。

    ホンダ F1

    ヨス・フェルスタッペンが託した復帰への道
    同じ頃、ホンダはテストドライバー探しを進めていた。当初の候補は野心的で、ジャック・ビルヌーブや高木虎之介の名が挙がっていた。アレッサンドロ・ザナルディやジョニー・ハーバートも候補として検討された。

    だが、それらの選択肢が消えると、ミカ・サロにも声がかかった。しかしサロはBAR加入を選び、その結果としてフェルスタッペンに道が開けた。

    スチュワート・グランプリのシートを失っていたオランダ人ドライバーは、ホンダと3年契約を結んだ。これは2000年、2001年のグリッド復帰への道筋を与えるものだった。フェルスタッペンはその機会を歓迎していた。

    「本当にうれしい。これでF1に戻る道ができたし、それもポイントを獲得できるチームにまっすぐ入る道だ」

    RA099はすぐに有望さを示した。ヘレスで行われた冬季テストでは、フェルスタッペンが最速タイムを記録し、BARのジャック・ビルヌーブより1秒以上速かった。

    数週間後のバルセロナでは、ヤルノ・トゥルーリから1.4秒差の11番手タイムを記録した。一部チームはマシンの合法性に疑問を投げかけたが、別の陣営はその速さと信頼性に感銘を受けていた。

    ポスルスウェイト急死がもたらした転機
    しかし舞台裏では緊張が続いていた。特に北米市場では、F1プログラムへの投資規模に対する懸念が強まりつつあった。

    さらに、BARがスーパーテック製エンジンに不満を抱き、無限ホンダへのスイッチに関心を示していたことも状況を複雑にした。

    これに対し、ポスルスウェイトら上層部は、ホンダのレーシング部門の60%を買い取り、独立チームとして運営する案を提案していた。

    その体制でホンダエンジンを使い続け、将来的にはホンダが原価でチームを買い戻せるようにする構想だった。

    そして転機が訪れる。

    4月14日、バルセロナでのテスト中に、ポスルスウェイトが胸の痛みを訴えた。彼はホテルへ戻ったが、その後病院に搬送され、夜のうちに心臓発作で亡くなった。

    ホンダは直ちに進行中だったテストプログラムを中止した。これが終焉の始まりとなった。

    本田技研工業

    RA099計画はなぜ消えたのか
    ポスルスウェイトの死は大きな空白を残した。ホンダ・レーシング・ディベロップメンツは計画継続を試み、その後のテストも予定し、6月からはサロをテストドライバーとして起用する契約まで進めていた。

    その一方で、ホンダ首脳部はバーニー・エクレストンやマックス・モズレーと交渉し、プロジェクトの引き取り先を探っていた。

    2000年シーズンの参戦枠を確保していたため、撤退すればFIAから多額の罰金を科され、評判も傷つく恐れがあった。ホンダは、エクレストンがチームを買い取り、別の買い手へ転売する可能性に期待していた。

    それでもテストは続けられた。5月19日のバルセロナでは、フェルスタッペンがマクラーレンのミカ・ハッキネンから1.5秒差の6番手タイムを記録した。

    ところが3日目、計画は突然打ち切られた。ホンダの取締役がサーキットに現れ、フェルスタッペンをピットへ呼び戻し、プログラムは即時終了すると通告した。

    ジョン・マクドナルドやフラビオ・ブリアトーレら複数の買い手候補も現れたが、RA099がグランプリを走ることはなかった。

    この撤退は、より広い影響も及ぼした。10年ぶりの復帰を目指していたザクスピードの計画を事実上塞ぐことになり、2000年シーズンのエントリーは11チーム、22人にとどまった。

    フェルスタッペン自身は、その後アロウズへ加入し、2000年にフルタイムのレースシートへ復帰した。彼は2003年までF1に残り、最後はミナルディでキャリアを終えた。

    RA099が残した評価と現在の位置づけ
    ホンダが開発したRA099は、実戦投入には至らなかったものの、当時のテスト関係者や他チームからはその完成度の高さを評価する声もあった。

    短期間で開発されたマシンでありながら、安定した走行と一定の速さを示していたことは、ホンダの技術的ポテンシャルを示す材料ともなっていた。

    このプロジェクトの中断は、単なる一計画の終了にとどまらず、その後のホンダのF1復帰の形にも影響を与えたと考えられている。

    ホンダF1 本田技研工業

    フェルスタッペンとホンダに残された“もしも”
    RA099の物語は、F1史に残る大きな「もしも」のひとつであり続けている。

    もしポスルスウェイトがあの致命的な心臓発作に見舞われていなければ、プロジェクトは継続していたのか。続いていたとして、潤沢な予算と技術陣を背景に、どこまで成功できたのか。

    フェルスタッペンは何を失ったのか。2000年以降、ホンダとともに自身最大の成功をつかんでいた可能性はあったのか。マシンは表彰台、あるいは勝利を狙えるだけの力を備えていたのか。

    その答えは、今も分からないままだ。

    ホンダはその後、エンジンサプライヤーとしての活動を経て、2006年にBARを引き継ぐ形でF1へ復帰した。しかし短い低迷ののち、2008年に再び撤退し、チームは象徴的な1ポンドでロス・ブラウンへ売却された。

    歴史が別の方向へ動いていた可能性を示す一件として、1999年4月15日は今も重い意味を持ち続けている。

    Source: RacingNews365

  • ホンダF1に追い風 FIAが信頼性改善を容認 マイアミGPで性能向上の可能性

    ホンダF1に追い風 FIAが信頼性改善を容認 マイアミGPで性能向上の可能性

    ホンダとアストンマーティンにとって、2026年F1シーズン序盤の苦境を和らげる可能性が出てきた。スペイン紙『MARCA』の報道によれば、FIAがマイアミGPからの改善導入を認めたとされている。

    今回の措置は純粋な性能向上を目的としたものではなく、安全性と信頼性の確保を理由とした例外的な対応だが、結果としてパフォーマンス面にも好影響を及ぼす可能性がある。

    信頼性改善が性能向上につながる構図
    今回認められるのは、あくまで信頼性に関わる変更であり、レギュレーション上の性能開発プログラムであるADUOとは別枠の扱いとなる。

    報道によれば、ホンダは早ければマイアミGPで仕様変更を導入する可能性があるとされる。これは振動問題の解消を目的としたもので、エンジンや関連コンポーネントの破損リスクを低減する狙いがある。

    また専門メディア『The Race』も、ホンダが信頼性改善仕様を投入する可能性を報じている。

    重要なのは、この「信頼性改善」が結果的に性能の解放につながる点だ。現在のホンダPUは振動対策のため保守的な運用を強いられており、回転数を抑えた状態で走行しているとみられる。

    その上限は約11,500rpmとされ、ライバル勢の12,500rpmに対して大きな差がある。この制限が緩和されれば、一気に40〜50馬力程度の出力向上が見込まれる可能性がある。

    “応急処置”と本格アップデートの違い
    ただし、今回の変更はあくまで応急的な対策に過ぎない。根本的な性能改善は、FIAのレギュレーションに基づくADUOプログラムを通じて行われる見通しであり、本格的な進化はさらに先になる。

    現時点では、ホンダの真のアップデートはシルバーストンで予定されているとされる。そこではADUOによる性能開発が適用され、ようやくライバル勢とのギャップを本格的に縮める段階に入る可能性がある。

    つまり、マイアミでの変更は「新エンジン」ではなく、信頼性確保を目的とした暫定仕様に過ぎない。それでも現状のラップタイム差を縮める第一歩としては大きな意味を持つ。

    苦境打開への現実的な一手
    現在、アストンマーティンはトップ勢に対して平均で約3.5秒の差を抱えているとされる。この差を一気に埋めることは難しいが、まずは完走率と安定性を確保することが最優先となる。

    振動問題が解消されれば、バッテリーなど周辺システムへの悪影響も軽減され、車両全体のポテンシャルを引き出しやすくなる。

    今回のFIAの判断は、厳格な開発制限の中でも安全性を最優先する姿勢を示したものだ。同時に、苦戦する陣営にとっては限られた範囲で巻き返しの余地を与える現実的な対応ともいえる。

    マイアミでの一手は劇的な逆転をもたらすものではないが、停滞を打破するきっかけにはなり得る。ホンダとアストンマーティンがここからどこまで立て直せるか、その最初の試金石となる。

  • ホンダF1 メルセデス比5%差 ADUO強化はイギリスGP投入へ 2027年に照準

    ホンダF1 メルセデス比5%差 ADUO強化はイギリスGP投入へ 2027年に照準

    アストンマーティンとホンダのパートナーシップは、2026年F1シーズン序盤で深刻なパフォーマンス不足に直面している。特にパワーユニットの競争力不足が顕著で、開幕からチームの低迷を招く要因となっている。

    その差は単なる調整レベルではなく、構造的な遅れとも言える規模に達している。短期的な改善は見込まれているものの、チームはすでに中長期戦略へと舵を切り始めている可能性が高い。

    メルセデス比で約5%のパフォーマンス差
    ホンダの2026年型パワーユニットは、現時点でグリッドの基準となっているメルセデスと比較して大きな性能差を抱えていると報じられている。

    スペインメディアの推計では、その差は約5%。これはF1において“別カテゴリー”に近い開きであり、シーズン中の改善で埋めるには極めて困難な水準だ。

    ADUOとは何か
    こうした格差是正のために導入されたのが、FIAの「ADUO(追加的開発・改善機会)」だ。

    これは、性能面で大きく遅れているパワーユニットメーカーに対し、開発と改良の機会を追加的に与える救済措置である。各PUのパフォーマンスは継続的に評価され、シーズン中(第6戦・第12戦・第18戦後)に見直しが行われる仕組みとなっている。

    基準となるのはトップとの差で、
    ・2%以上4%未満 → 1段階の改善
    ・4%以上 → 2段階の改善

    が認められる。さらに、開発時間の追加やホモロゲーション制限の緩和なども含まれる。

    つまり、今回報じられている“5%差”が事実であれば、ホンダは最大枠の支援対象に該当する可能性が高い。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ADUOによる強化はイギリスGP投入が有力
    レギュレーション上はモナコGP以降に改善導入が可能とされるが、実際に準備が整うかは別問題だ。

    モナコはエンジン依存度が低く、テスト効果も限定的であることから、より実戦的な評価が可能なサーキットでの投入が現実的とみられている。

    現時点で有力視されているのが、7月のイギリスGPだ。アストンマーティンの本拠地シルバーストンであり、開発・輸送の面でも最も合理的なタイミングとなる。

    ただし、このアップデートが即座に勢力図を塗り替える可能性は低い。差が大きすぎる以上、効果は“改善”にとどまる見通しだ。

    焦点はすでに2027年へ
    こうした状況を踏まえ、チームの戦略はすでに次のフェーズへ移行しつつある。

    今季型パワーユニットは、振動問題や性能不足など複合的な課題を抱えており、全面的な作り直しなしにトップ争いへ復帰するのは現実的ではない。

    そのため、リソースの大半を2027年プロジェクトに振り向ける判断が現実味を帯びている。実際、シーズン序盤の段階で次世代エンジンへの移行が示唆されている。

    2026年を“延命”ではなく“準備期間”と位置づけるのか──ホンダとアストンマーティンの判断が、次の勢力図を左右することになる。

  • ホンダF1 レッドブルと旧型PU供給契約報道 TPC継続へ

    ホンダF1 レッドブルと旧型PU供給契約報道 TPC継続へ

    レッドブル・レーシングとレーシングブルズが、ホンダから旧型F1エンジンの供給を受ける新たな契約を締結したと報じられた。これにより、両チームは今後2シーズンにわたり、過去のマシンを使ったテストを継続できる見通しとなった。

    現在のF1では現行車による無制限のテストは認められていない。一方で、2年以上前のマシンを用いるTPC(Testing of Previous Car/旧型車テスト)は実施可能であり、その際には当時のシャシーに適合する同年代のパワーユニットが必要になる。

    今回の契約は、その継続的な運用を可能にするものだ。

    TPC継続に必要だったホンダ製パワーユニット
    F1では、少なくとも2年前のマシンを使ったTPC(Testing of Previous Car/旧型車テスト)が長く認められている。ただし、このテストを実施するには、そのマシンが走っていた当時のエンジンが必要になる。別世代のパワーユニットは通常、シャシーに適合しないためだ。

    レッドブル・レーシングとレーシングブルズは、これまでホンダ製パワーユニットを使用してきたが、ワークスチームではないため、シーズン終了後にはそれらのエンジンがメーカー側へ戻される。そのため、現在は異なるエンジン体制にあるチームが再びTPCを行うには、あらためて供給契約を結ぶ必要があった。

    2025年から続いていた交渉が合意に到達
    この契約をめぐっては、2025年12月の時点で、レッドブル・レーシングとレーシングブルズがホンダと協議を進めていることが明らかになっていたという。

    焦点になっていたのは、F1チーム側が支払う金額だったとみられる。こうしたケースでは、メーカー側が価格を自由に設定できるためだ。交渉には時間を要したものの、今回の報道によれば、最終的に両者は合意に達した。

    2027年まではホンダ製旧型PUでテスト継続へ
    この合意によって、レッドブル・レーシングとレーシングブルズは今後2年間、旧型マシンを用いたテストを継続できることになる。2026年時点では、2024年型以前のマシンを使用した走行が可能になるという。

    一方で、2026年シーズンから導入されるレッドブル・フォードのパワーユニットを使ったTPCが可能になるのは2028年からになる。つまり、それまではホンダ製の旧型パワーユニットが、両チームのテストプログラム維持において重要な役割を果たすことになる。

    Source: GPblog

  • ホンダF1 95馬力差の正体 なぜ出力を使い切れないのか

    ホンダF1 95馬力差の正体 なぜ出力を使い切れないのか

    ホンダの2026年F1パワーユニットに関して、最大で約70kW(約95馬力)の出力差が存在する可能性が報じられ、序盤戦の競争力に影響しているとの見方が広がっている。アストンマーティンを含む関係者の間でも、この差がストレートスピードやバトル時の加速性能に現れていると指摘されている。

    この問題は単なるエンジン性能の差ではなく、2026年F1レギュレーションにおける電動化依存とエネルギーマネジメントの複雑さに起因する構造的なものだ。

    95馬力差の正体は“エンジン出力”ではない
    指摘されている約95馬力差は、内燃エンジン単体の性能差ではなく、電気エネルギーの展開(デプロイメント)と回収効率の違いによって生じているとみられる。

    2026年のパワーユニットでは電動出力の比率が大きく引き上げられており、バッテリーの使用方法や回生効率がラップタイムに直結する。どの区間でエネルギーを使うか、どれだけ回収できるかが、そのまま最高速や立ち上がり加速に影響する構造となっている。

    そのため、ピーク出力の数値以上に「ラップ全体で実際に使えるエネルギー量」の差が、結果として約95馬力規模のパフォーマンス差として現れている。

    振動とバッテリー制約が“使えない出力”を生む
    ホンダの課題として指摘されているのが、パワーユニットにおける振動とバッテリー運用の制約だ。

    新レギュレーションに対応した設計変更により、特定の回転域で振動が発生しているとされ、この影響がMGU-Kやバッテリー系の安定動作に制限を与えている可能性がある。

    その結果、エネルギーを最大限に展開することが難しくなり、安全マージンを取った制御が必要となる。本来であれば発揮可能な出力があっても、それを継続的に使い切ることができない状況が生まれている。

    さらに、バッテリーの熱管理や耐久性の観点からも保守的な運用が求められており、回収と放出の両面で制約がかかっている。これにより、ラップ中に使用できる総エネルギー量が制限され、他メーカーとの差が拡大しているとみられる。

    ホンダF1(本田技研工業) アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    信頼性優先が初期のパフォーマンスを抑制
    ホンダは新パワーユニット初年度において、信頼性を重視した設計と運用を選択しているとみられる。過去の新レギュレーション導入時のトラブルを踏まえ、シーズン序盤でのリタイアリスクを避ける意図がある。

    しかしその一方で、出力を抑えたセッティングや保守的なエネルギー運用が、結果としてパフォーマンス差として表面化している可能性がある。特に電動制御の領域では、どこまで攻めるかがそのまま競争力に直結する。

    ADUOが勢力図を変える可能性
    こうした状況を受け、FIAが検討しているパフォーマンス補正措置「ADUO」が重要な焦点となっている。

    出力面で不利なメーカーが対象となる可能性があり、ホンダもその候補のひとつと見られている。適用されれば、電動出力やエネルギー展開の制限が緩和され、約95馬力とされる差の縮小につながる可能性がある。

    ただし、その範囲や導入タイミングによっては勢力図を大きく左右する可能性があり、各メーカー間の駆け引きも含めた判断が求められる。

    この差は一時的か構造的か
    現時点で指摘されている約70kW(約95馬力)の差は固定的なものではなく、エネルギーマネジメントや制御の最適化によって縮小する余地があるとみられる。

    一方で、2026年F1がエネルギー依存型の設計である以上、「出力を持っていても使い切れない」という問題は各メーカーに共通する構造的課題でもある。

    ホンダにとっては、振動対策と電動制御の最適化をどのタイミングで進めるかが、シーズン全体の競争力を左右する鍵となる。

  • ホンダF1エンジン改善は数カ月遅れ 信頼性問題で性能向上は後回し

    ホンダF1エンジン改善は数カ月遅れ 信頼性問題で性能向上は後回し

    ホンダは2026年F1パワーユニットの信頼性改善を最優先しながら、出力不足の解消に向けた開発も並行して進めている。ただし、エンジン性能を大きく引き上げるアップグレードは短期では実現できず、実戦投入までには数カ月を要する見通しだ。

    The Raceによると、ホンダの開発は現在も初期トラブル対応が中心であり、本格的な性能向上は夏以降になる可能性が高いとされている。

    アストンマーティンとホンダのワークス体制は、2026年シーズン序盤の3戦で1台が1度完走しただけと厳しい立ち上がりとなっている。ホンダのホームレースとなった日本GPでも、アストンマーティンは予選で全10チーム中最下位に沈み、パワーユニットとシャシーの両面で課題を抱えている現状が改めて浮き彫りになった。

    エンジンとシャシーの両面で苦戦
    ホンダのパワーユニットは出力不足に加え、信頼性の確保にも苦しんでいる。さらに、アストンマーティン側もシャシーに問題を抱えており、新たな提携は現時点で期待や本来のポテンシャルを大きく下回っている。

    ホンダの不足分がどれほど大きいかは正確には分かっていない。ただ、内燃エンジンの出力が不足しているだけでなく、バッテリーのエネルギー運用効率も低く、1周の中でどれだけMGU-Kを使い、どれだけ回生できるかにも制約があるとみられている。

    鈴鹿の予選では、アストンマーティンはラップ前半の長いストレートでライバル勢より20〜30km/h遅かった。さらに、3〜6コーナーではMGU-Kが使われていなかった可能性があり、極めて低調だったセクター1の一因になった可能性もある。

    一方で、ラップ全体を通して多くのコーナーで最低速度が低かったことは、AMR26そのものの限界も示している。アストンマーティン自身も鈴鹿でその点を隠しておらず、車体側の改善余地は明確に存在している。

    車体改善よりエンジン改善のほうが時間がかかる
    マシン側の改善も大仕事ではあるが、軽量化プログラムやシーズン中の広範な開発が計画されている。これに対し、ホンダがエンジン性能だけでどこまで改善できるかは見通しづらく、その工程はより長く厳しいものになる可能性が高い。

    ホンダが2026年シーズン序盤の危機の中で最優先しているのは、まず信頼性を正常化することだ。性能改善に向けた作業も並行して進められているが、たとえ研究開発がかなり進んでいたとしても、アップグレード版のエンジンを実際に用意するまでには数カ月を要する見込みだ。

    その前提として、まずFIAがホンダの遅れの度合いを確定し、どの種のアップグレードが認められるかを判断する必要がある。

    ADUOが初の性能改善時期を左右
    2026年の新レギュレーションでは、開発・アップグレード機会を管理するADUO制度が導入されている。これは各メーカーのパフォーマンスを監視し、劣勢にあるメーカーに対して、どれだけ遅れているかに応じた開発機会を与える仕組みだ。

    ホンダは最大限の救済対象となる可能性が高く、その場合は今季2回の性能アップグレードが認められる。また、それを実施するためにコストキャップ上の支出枠やダイノ使用制限も緩和される。

    ただし、最初のADUO期間がいつ設定されるかは、今週行われる関係者会議で決まる見通しだ。バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止により、24戦前提で定められていた当初のタイムラインに影響が出ているためだ。

    それでも、最初の判定は5月まで行われない見通しとなっている。しかも、そこから新しいエンジン仕様を設計し、試験し、妥当性を確認し、生産するにはさらに数カ月を要する。

    ホンダが暫定的なアップグレードを投入する計画でもない限り、夏休み前に大きな性能改善が実現する可能性は低い。仮に何かを投入できたとしても、その効果は限定的になるとみられている。

    当面はエネルギーマネジメント改善が中心
    より早い段階で見込める進展は、エネルギーマネジメントの最適化と信頼性向上に関する部分に限られる可能性が高い。

    ホンダのF1トラックサイド・リードエンジニアである折原真太郎は次のように説明した。

    「バッテリーの信頼性改善に取り組んでいますが、一方で、さくらの施設でもエンジン性能の改善に懸命に取り組んでいます」

    「さらに、エネルギーマネジメントの最適化にも取り組んでいます。いまはそれを並行して進めています」

    「そして、メカニカルな意味でエンジン性能を開発するのは短期的な仕事ではないので、バックグラウンドでエンジン性能改善に向けて懸命に取り組み続けています」

    「ただ、鈴鹿ではレース距離を通じて多くのデータを集めることができました。それによって、ドライバビリティやエネルギーマネジメントを改善するためのデータが得られました」

    「それは、マイアミまでの今後4週間に向けて良いデータになります」

    ホンダF1 / 本田技研工業 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソが経験した“マクラーレン・ホンダ時代”を下回る現状
    フェルナンド・アロンソが経験してきた過去の苦境と比較しても、2026年の状況はより厳しいものとなっている。

    The Raceのデータによれば、マクラーレン・ホンダ時代の開幕3戦と比べても、現在のアストンマーティン・ホンダは複数の指標で下回っている。

    まず予選での平均タイム差(Average Q deficit)は、2015年が2.94%、2016年が2.42%、2017年が2.75%だったのに対し、2026年は4.05%と大きく悪化している。

    平均グリッド位置も、2015年の16.67、2016年の12.00、2017年の13.33に対して、2026年は18.67とさらに後退している。

    さらに完走率(Laps completed)も、2015年の77.65%、2016年の72.94%、2017年の80.59%に対し、2026年は62.87%にとどまっている。

    これらの数値が示しているのは、単なるパフォーマンス不足ではなく、信頼性と運用の両面で深刻な問題を抱えているという現実だ。

    かつて“GP2エンジン”と揶揄された時代と比べても、2026年はより複合的で、かつ構造的な難しさを抱えた状況にある。

    マイアミでの信頼性対策が最初の節目か
    フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンの競争力が夏休み前に大きく変わることはないと見ており、このパッケージが最後尾集団から抜け出すまでには数カ月かかる可能性がある。

    信頼性が著しく低いことは、シャシーとエンジンの両方の性能、そして開発可能性に直接影響している。そのため、まずこの明白な弱点への対応を優先せざるを得なかった。

    その結果、本来なら性能アップグレードに回せたはずの時間と資金も信頼性対策に割かれている。ここまでの対策は応急処置にとどまっているが、4月はレース間隔が空くため、ホンダが次戦マイアミに向けて、まず信頼性目的の仕様変更を持ち込む現実的な可能性があるようだ。

    性能アップグレードはADUOの枠外では認められないが、信頼性改善を目的とした変更はFIAの許可を得れば別枠で実施できる。

    ただし、バーレーンテスト後の短期間では、信頼性確保のための検証に長い準備期間を要する本格的な変更を間に合わせることはできなかった。マイアミ投入も簡単ではないが、変更の規模次第であり、ホンダ自身もそこを目標のひとつとして示唆している。

    保守的な運用が続く中で性能解放も課題
    こうした変更が実現すれば、結果的にわずかな性能向上にもつながる可能性がある。現状のホンダは、明らかに保守的な状態で運用しており、回転数も約1000rpm低く抑えているとされるからだ。

    折原真太郎は次のようにも語った。

    「我々はまだ、走行を完了するために少しマージンを取っていますが、そこまで大きくはありません」

    「我々が集中しなければならないのは、エネルギーマネジメントを改善することです」

    「我々のエンジンの運転条件は限界に近いので、それほど大きなマージンは取れません」

    「我々はデータ設定の改善、そしてダイノ上でエンジン性能そのものを改善することに集中しています」

    「そこが我々の主な焦点です」

  • ホンダF1振動問題の核心 渡辺康治「実車で大幅増幅」

    ホンダF1振動問題の核心 渡辺康治「実車で大幅増幅」

    ホンダの2026年F1パワーユニットを巡る振動問題が、アストンマーティンの車体に搭載した段階でさらに深刻化していることが明らかになった。

    日本GPのメディアブリーフィングで、ホンダの渡辺康治が説明した内容から、単体試験では許容範囲だった振動が、実車に組み込むと大幅に増幅される実態が浮き彫りとなった。

    アストンマーティンは、2026年シーズン開幕前から信頼性不足に苦しんでおり、プレシーズンテストでは十分な走行距離を確保できなかった。ホンダにとっても、複数チームへ供給するメルセデスやフェラーリに比べ、実走データの蓄積で不利な立場に置かれている。

    問題はパワーユニット単体では完結せず、車体側との統合そのものに及んでいる。ホンダとアストンマーティンが共同で対策を進めている現状は、2026年F1シーズンにおける苦戦の核心が、マシン全体のパッケージングにあることを示している。

    実車搭載で振動が増幅 渡辺康治が明かした現状
    渡辺康治は、2025年までの経験がありながら今回のような問題に直面している理由について、開発開始の遅れと、実車搭載時に振動が想定以上に増える点を挙げた。

    「2025年までは十分な経験がありました。これまでお話ししてきた通り、最も難しい点は、他と比べて少し遅れて開発を始めたことです」

    「また、ダイノ上でのテストでは振動は許容できるレベルでしたが、実際のシャシーに組み込むと、その振動はダイノ試験よりもかなり大きくなってしまいます」

    「ですので、パワーユニット単体だけでこの問題を解決することはできません。PUだけの問題ではありませんので、アストンマーティン・アラムコと非常に密接に連携しながら、パワーユニットだけでなくシャシーも含めて一緒に解決に取り組んでいます」

    この発言は、課題が単なるエンジン不調ではなく、車体との統合設計にあることを示している。

    プレシーズンから続く苦戦 バッテリー問題も発生
    アストンマーティンAMR26は、1月のバルセロナ走行開始以来、信頼性の確立に苦しんできた。特にプレシーズンテストでは、パワーユニット由来の振動がバッテリーパックへ深刻な影響を及ぼし、バーレーン終盤にはバッテリー在庫の不足もあって走行を制限せざるを得なかった。

    こうした事情により、アストンマーティンは基礎的な信頼性確認に多くの時間を割かれ、性能開発へ十分に移れなかった。ホンダを搭載するのが1チームのみであることも、学習速度の面で不利に働いている。

    状況はわずかに改善しつつあるものの、依然として問題は解決していない。日本GPではフェルナンド・アロンソが18位で今季初完走を果たしたが、他陣営と比較すれば大きく出遅れている状況だ。

    ニューウェイ関与説を補強する内容
    今回の説明は、プレシーズン段階から取り沙汰されていた「エイドリアン・ニューウェイが車体との統合方法に変更を求めた」との見方に一定の現実味を与える内容でもある。

    ダイノでは問題が軽微でも実車では振動が増幅されるという構造は、単なるパワーユニットの問題ではなく、シャシーとの結合条件に起因する可能性を示唆している。

    現時点でこの点について明確な公式説明はないものの、少なくとも問題の中心が「統合」にあることは、渡辺康治の発言から明確になった。

    ホンダF1/本田技研工業

    信頼性と性能の両立という難題
    渡辺康治は今後について、アストンマーティンと共同で回復計画を進めているとしつつ、詳細は明かさなかった。

    「アストンマーティンと一緒に回復プランはございますが、現時点ではお話しすることはできません」

    また、今後の開発方針についても、信頼性と性能の両立が必要であると強調した。

    「難しい状況ではありますが、信頼性だけでなくパフォーマンスも改善していく必要があります」

    「現行レギュレーションの下では性能そのものを大きく改善するのは簡単ではありませんので、まずは信頼性をしっかり改善し、そのうえでルールの範囲内でパフォーマンス向上にも取り組んでいきます」

    アストンマーティンは開発継続
    一方のアストンマーティンも、ホンダの問題解決を待つだけではない。日本GPでは改良型フロントウイングとフロアを投入しており、車体側の開発も並行して進めている。

    マイク・クラックは、信頼性と性能の両面で課題が残っている現状を認めた。

    「確かに信頼性に集中する必要がある。しかし同時に、たとえ完走できたとしても、我々はまだ十分に速くない」

    「PUについてはレギュレーション上、好きなタイミングでどんな変更でもできるわけではないので、待たなければならない」

    「シャシー側では、我々は全力でマシンを速くしようとしている」

    信頼性の回復とパフォーマンス向上。この二つを同時に達成できるかが、アストンマーティンとホンダの2026年シーズンを左右する最大の焦点となっている。