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  • 2026年F1マシンを先取り “ピットストップ対応”公式ショーカーが公開

    2026年F1マシンを先取り “ピットストップ対応”公式ショーカーが公開

    2026年F1シーズンを前に、新レギュレーションに基づいた“ピットストップ対応”ショーカーが公開された。これは、F1公式ショーカーサプライヤーを務める英国の記念品メーカー、Memento Exclusivesが製作したもので、2026年F1マシンの外観と構造をこれまでにない精度で再現している。

    今回公開されたショーカーは、実車さながらの構造を持つ点が最大の特徴だ。

    本物のカーボンファイバー製コンポーネントを採用し、ピレリの公式タイヤを装着。ステアリングは機能し、4輪は可動式となっている。外観だけでなく、触れて体感できるレベルで2026年F1マシンの姿を提示する存在となっている。

    商業用として初の“ピットストップ対応”仕様
    このショーカーは、商業用途としては初めて“ピットストップ対応”仕様を実現した。フロントウイングとリアのクラッシュ構造は補強されており、フロントおよびリアジャッキを使用した実際のピットストップデモンストレーションが、F1公式イベント以外の場でも可能となっている。ジャックポイントも実車同様の位置と構造を持つ。

    床下のフロアは2分割構造となっており、設置や輸送の柔軟性を高めているほか、クレーンでの吊り上げを想定した隠しトーイングポイントも備える。これにより、大規模イベントや展示会場での取り回しも考慮された設計となっている。

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    2026年F1レギュレーションを忠実に反映したディテール
    細部の再現性も徹底されている。ヘイローは新設計となり、壁面展示を想定したマウント機構を採用。リアライトシステムは最新仕様にアップデートされ、排気系にはリアリズムを高めるための熱処理が施されている。さらに、ノーズコーンとフロントウイングはカムロック機構によって迅速かつ確実に脱着可能となっている。

    空力サーフェスは、2026年F1テクニカルレギュレーションを正確に反映した形状で設計されており、F1チームから提供されたCADデータを用いて開発された。視覚的な再現にとどまらず、技術的にも新世代F1マシンの輪郭を忠実になぞっている。

    「これまでで最もエキサイティングな時代」
    Memento Exclusivesの創設者兼CEOであるバリー・ゴフは、2026年レギュレーションと新たなショーカーについて次のように語った。

    「2026年に新レギュレーションが導入され、新チームもグリッドに加わる。このタイミングは、F1に関わる上でこれまでで最もエキサイティングな時代だ」

    「2026年に向けてショーカーに施した数々の革新により、これまでで最も本格的な体験を提供できると約束できる」

    「チームやパートナー、コレクターが、この瞬間を自分のものとして、私たち史上最も革新的なショーカーに触れてくれるのが待ちきれない」

    さらに、これらのショーカーはVIP向けイベントやホスピタリティ、コレクター市場を主なターゲットとしており、パドックの外で体験できる“最も実車に近いF1体験”を目指している。すべての車両は英国本社で製作され、技術的完成度と視覚的インパクトの両立が図られている。

    なお、F1は今年、Memento Exclusivesとの公式パートナーシップを2030年まで延長しており、同社は2019年からF1の公式ショーカーサプライヤーを務めている。今回の“ピットストップ対応”ショーカーは、2026年F1時代の到来を象徴する存在として、ファンに新たな視点を提示することになりそうだ。

    2026年のF1世界選手権 フォーミュラ1カー2026年のF1世界選手権F1 フォーミュラ1カー

  • 2026年F1マシン:各チームの新車&リバリー発表スケジュール

    2026年F1マシン:各チームの新車&リバリー発表スケジュール

    2026年のF1世界選手権は、4年間続いたグラウンドエフェクト規則が終了し、完全に新しい技術レギュレーションへ移行する節目の年となる。パワーユニットも大きく刷新され、キャデラックの新規参戦とザウバーのアウディ化により、全11チームが新時代のマシン開発に挑む。

    冬季テストは1月26日から30日までスペイン・バルセロナのカタルーニャ・サーキットで行われ、その後2月11日から13日、18日から20日にかけてバーレーン・インターナショナル・サーキットで実施される。

    これらのテストを前に、各チームは新車または新リバリーを披露するチームプレゼンテーションを順次開催する。

    1月15日 レッドブル・レーシング/レーシングブルズ
    レッドブル・レーシングとレーシングブルズは、2026年シーズンに向けたチームプレゼンテーションを、アメリカ・ミシガン州デトロイトで合同開催する。

    レッドブル・レーシングではマックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーが新リバリーを披露し、姉妹チームであるレーシングブルズではリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドが2026年のカラーリングを公開する予定だ。

    この発表の舞台にデトロイトが選ばれたのは偶然ではない。デトロイトはフォードの本拠地であり、レッドブル・パワートレインズがフォードと共同開発を進めている2026年用F1パワーユニットプロジェクトの正式発表も、このイベント内で行われる。

    1月20日 ホンダ
    ホンダは、2026年F1シーズンに向けたパワーユニットを、1月20日に東京で開催される特別イベントで発表する。この発表は、アストンマーティンとのパートナーシップによるF1正式復帰を前に行われる。

    2026年から導入される新たなパワーユニット規則の下で、ホンダはエンジンサプライヤーとしてF1に復帰する。ホンダは2021年末をもってレッドブルとの提携から正式に撤退していたが、その後は方針を事実上修正し、2025年シーズン終了までレッドブル・パワートレインズに対して技術支援を継続してきた。ただし、この期間においても日本の自動車メーカーとしてF1に正式参戦する立場ではなかった。

    新パワーユニットの発表は、2026年1月20日13時(現地時間)に東京で行われる。イベントには、ホンダ代表執行役社長の三部敏宏、F1のCEOであるステファノ・ドメニカリ、そしてアストンマーティンのエグゼクティブチェアマンであるローレンス・ストロールが登壇する予定となっている。

    1月20日 アウディ
    アウディは2026年からF1に新規参戦するメーカーだが、チームの母体は30年以上F1を戦ってきたザウバーである。

    一方で、F1用パワーユニットを自社開発するのは初の試みとなる。そうした大きな挑戦の第一歩として、アウディは1月20日にドイツ・ベルリンで公式チームプレゼンテーションを開催する。

    この場では、ニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトがドライブする2026年マシンの新リバリーが初披露される予定となっている。

    1月22日 メルセデス
    メルセデスは1月22日に、2026年型マシン「W17」のレンダリング画像をオンラインで公開する。

    この段階では実車は披露されず、あくまでデザインイメージのみの公開となる。

    実際のマシン発表は2月2日に予定されているシーズンローンチイベントで行われ、ジョージ・ラッセル、アンドレア・キミ・アントネッリ、そしてチーム代表トト・ヴォルフが登壇する。このイベントはオンラインで配信される予定だ。

    1月23日 ハースF1チーム
    ハースF1チームは、スペイン・バルセロナでの最初の冬季テスト開始を目前に控えた1月23日、オンライン形式で2026年シーズンの新リバリーを発表する。

    2026年はトヨタとの協力関係がさらに強化されることから、新しいカラーリングにはトヨタの存在感がより強く反映されると見られている。

    一方で、エステバン・オコンとオリバー・ベアマンがドライブする新車そのものの公開時期については、現時点では明らかにされていない。

    1月23日 フェラーリ
    フェラーリは1月23日、イタリア・マラネロで2026年型F1マシンを正式に発表する。

    発表後は、フェラーリの専用テストコースであるフィオラノ・サーキットで、恒例のシェイクダウン走行が行われる予定だ。

    ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールがドライブする新車の名称については、チーム代表フレデリック・バスールが「それはローンチの一部であり、当日まで明かさない」と語っており、発表当日まで伏せられる。

    1月23日 アルピーヌ
    アルピーヌも1月23日に2026年シーズン用リバリーを発表する。

    ただし、発表の具体的な場所や形式については現時点で明らかにされていない。

    また、2026年からメルセデス製パワーユニットを初めて搭載する新車については、この時点では公開されず、実車発表は後日あらためて行われる予定となっている。

    2月3日 ウィリアムズ
    ウィリアムズは、2026年型F1マシン「FW48」のリバリーを2月3日に公開する。

    この発表は、バルセロナで行われる最初の冬季テスト終了後、バーレーンテスト前に行われる形となる。

    なお、ウィリアムズはバルセロナテストではファン投票によって選ばれた特別カラーリングを使用することが決まっており、本番リバリーはこの日が初公開となる。

    2月8日 キャデラック
    2026年からF1に参戦するキャデラックF1チームは、他チームとは一線を画す方法でリバリー発表を行う。

    キャデラックは、アメリカ・カリフォルニア州サンタクララで開催されるNFLスーパーボウルのテレビCM枠を購入し、その中で2026年リバリーを世界初公開する。

    セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスという経験豊富なドライバーラインアップを擁する新チームにとって、極めて象徴的なデビュー演出となる。

    2月9日 アストンマーティン
    アストンマーティンは2月9日、2026年型F1マシン「AMR26」を正式に発表する。

    発表場所は現時点では明らかにされていないが、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールが新車のアンベールを行う予定だ。

    このAMR26は、ホンダ製パワーユニットを搭載する最初のアストンマーティンF1マシンとなり、チームにとって新たな時代の象徴的存在となる。

    F1 自動車 フォーミュラ1カー 2026年のF1世界選手権

    2026年F1 チームプレゼンテーション日程
    ■ 1月15日
    ・レッドブル・レーシング
     発表内容:リバリー
     場所:アメリカ・デトロイト

    ■ 1月15日
    ・レーシングブルズ
     発表内容:リバリー
     場所:アメリカ・デトロイト

    ■ 1月20日
    ・ホンダ
     発表内容:パワーユニット
     場所:日本・東京

    ■ 1月20日
    ・アウディ
     発表内容:リバリー
     場所:ドイツ・ベルリン

    ■ 1月22日
    ・メルセデス
     発表内容:レンダリング公開
     場所:オンライン

    ■ 1月23日
    ・ハースF1チーム
     発表内容:リバリー
     場所:オンライン

    ■ 1月23日
    ・フェラーリ
     発表内容:新車発表+シェイクダウン
     場所:イタリア・フィオラノ

    ■ 1月23日
    ・アルピーヌ
     発表内容:リバリー
     場所:未定

    ■ 2月3日
    ・ウィリアムズ
     発表内容:リバリー
     場所:未定

    ■ 2月8日
    ・キャデラック
     発表内容:リバリー
     場所:アメリカ・サンタクララ

    ■ 2月9日
    ・アストンマーティン
     発表内容:新車発表
     場所:未定

    冬季テスト日程
    ■ 1月26〜30日:バルセロナ(Circuit de Barcelona-Catalunya)
    ■ 2月11〜13日:バーレーン(Bahrain International Circuit)
    ■ 2月18〜20日:バーレーン(同上)

    2026年のF1は、プレゼンテーションの段階から“新時代”を強く印象づける流れとなっている。どのチームが最もインパクトある第一歩を踏み出すのか、注目が集まる。

  • FIAが認めたグラウンドエフェクト時代のF1マシンの“見落とし”

    FIAが認めたグラウンドエフェクト時代のF1マシンの“見落とし”

    2022年から2025年にかけて続いたF1のグラウンドエフェクト時代が幕を閉じるなか、FIAは、この技術規則期間を振り返り、異例とも言える自己検証を行った。

    このレギュレーションはマシンの形状を一新し、当初はレース改善にも一定の成果をもたらした。一方で、FIAは現在、いくつかの重要な要素を過小評価していたことを認めている。その中でも最大のものが、マシンが最終的にどれほど低いライドハイトで走ることになるかという点だった。

    ここ2シーズンでダーティエアは再び問題視されるようになったが、静かに時代を規定するパフォーマンス要素となっていったのはライドハイトだった。最大のダウンフォースを得るため、チームはマシンを極端に低く、かつ硬くセットアップするようになり、快適性、信頼性、そしてレギュレーション順守の限界を押し広げていった。

    しかし、その事実に気づいた時には、簡単に修正できる段階を過ぎていた。FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスも、その点を率直に認めている。

    「マシンの最適なライドハイトが、これほどまでに低い方向へ動いたという事実は、2022年レギュレーションにおける我々の見落としだった」とトンバジスは先月、Motorsport.comに対して語っている。

    遅すぎた気付きと、その代償
    この見落としは、FIA単独の問題ではなかったとトンバジスは説明する。設計段階で誰もその点を強く問題視せず、実際にマシンが走行に近づいた段階になって初めて明らかになったという。

    「それは我々だけでなく、チームも含めて見落としていた点だ。あらゆる議論の中で、誰もその問題を提起しなかった。選手権開幕の本当に直前になってようやく明白になったが、その時点では規則を変更するには遅すぎた」

    「最初に起きたポーパシングも、完全には消えていないが、大きく改善されたとはいえ、当初は予想されていなかった。そこについても、もっと良い仕事ができていればと思う」

    2022年はポーパシングが大きな話題となったが、技術指令やチーム側の対策によって激しい振動が抑えられた後も、不快感は残り続けた。ドライバーたちはパフォーマンスを追求する代償として、高速域でアスファルトに叩きつけられるような走行を強いられていた。

    フォーミュラ1カー F1 国際自動車連盟

    サスペンション規制では解決しなかった理由
    一部では、サスペンションの自由度を制限すれば、極端なライドハイト追求を防げたのではないかという声もあった。しかしFIAは、その見方に懐疑的だ。

    「サスペンションの変更が、一次的な効果をもたらしたとは考えていない」

    とトンバジスは語る。

    「異なる選択肢を与えることにはなったかもしれないが、サスペンション規則の簡素化が決定的な影響を与えたとは思っていない」

    その結果、チームは限界をさらに攻め、プランクやスキッドの摩耗が厳しく監視されるようになった。2023年のアメリカGPや、マクラーレンの2025年ラスベガスGP週末などの事例は、パフォーマンスと失格の境界線がいかに細くなっていたかを象徴している。

    プランクの検査は複雑で時間もかかり、各チームでフロアやスキッドの設計が異なることが、その難しさに拍車をかけた。さらなる標準化を求める声も上がったが、トンバジスはそこに伴う代償についても言及している。

    「私の考え全体を切り取らないでほしいが、より標準車両に近づけば、こうした問題の多くは解消される」

    「少し性能を上げたF2のようなマシンであれば、ポーパシングもなく、抜け道もなく、プランクの問題もない」

    「より規定を厳しくすれば、こうした問題は解決できる。しかし、F1は技術的な戦いでもありたい。我々は、ステッカーだけが違う同一のマシンにはしたくない。そのため、デザイナーには一定の裁量を残している」

    さらにプランクについては、信頼性という別の要素も絡んでいたという。

    「常に路面に叩きつけられるマシンの信頼性に対し、各チームは異なる対処法を持っていた。『この設計が正解で、非常に剛性が高い』と決め打ちすれば、『そこにエンジンが当たったら壊れてしまう』と主張するチームも出てくる」

    「ERSシステムなども含め、標準化を導入する前には、さまざまな問題を考慮する必要がある」

    2026年は本当に違うのか
    将来に目を向けると、FIAは次のレギュレーション周期では同じ問題は起きにくいと見ている。ただし、その姿勢は慎重だ。2026年のマシンもグラウンドエフェクトの概念は維持するが、フロアは大幅に簡素化され、より高いライドハイトへとチームを誘導する設計になるという。

    「フロアがよりフラットになることで、同様の特性になる可能性は非常に低いと考えている」

    「低くすることで得られるダウンフォースの増加は、昨年までのマシンほど顕著ではない。それによって、ポーパシングの可能性は下がるはずだ」

    それでも、FIAは過去の経験から、早々に結論を出すことを避けている。

    「最初にマシンが走った時に何らかの問題が出る可能性を、完全には否定しない」

    「ただ、規則自体は明らかにその方向性が弱まっている。前世代のマシンでチームがこの問題をかなりうまく解決したことを考えれば、次ははるかに対処しやすい課題になるはずだ」

    F1が再び大きなリセットを迎えようとする中で、FIAの率直な自己評価は、教訓であると同時に警鐘でもある。どれほど野心的なレギュレーションであっても、意図せぬ結果は避けられず、それが明らかになるのは、しばしばマシンが実際にサーキットを走り出してからなのだ。

  • FIAが予測する2026年F1マシンの性能差 最重要ファクターは内燃エンジン

    FIAが予測する2026年F1マシンの性能差 最重要ファクターは内燃エンジン

    大幅なレギュレーション変更は、常にF1の勢力図に大きな差を生み出してきた。チーム、そしてFIAの双方は、2026年F1シーズン開幕当初、2025年よりもフィールドのばらつきが大きくなると見ている。ただし、FIAは2014年のような長期的な一強支配を防ぐため、複数の“セーフティネット”を規則に組み込んだ。

    2014年に始まったハイブリッド時代では、メルセデスが圧倒的に優れたパワーユニットを投入し、その優位性が何年にもわたって固定化された。

    2026年のリセットでも理論上は同様の事態が起こり得るが、FIAは過去の教訓を踏まえて対策を講じている。

    ICEが初期の主役になる理由
    パワーユニット面で最大の対策となるのがADUOシステムだ。6戦ごと(第1~6戦、第7~12戦、第13~18戦)にFIAが内燃エンジン(ICE)の出力を評価し、最強のICEから2〜4%遅れているメーカーには追加アップグレード1回、4%以上遅れているメーカーには2回の追加アップグレードが認められる。

    今回のリセットが特別なのは、パワーユニットだけでなく、シャシー規則も含めた全面刷新である点だ。新エンジン規則、アクティブエアロを含む新シャシー規則、そして完全持続可能燃料への移行が同時に行われる。

    こうした中で、2026年の最大の性能差要因は何になるのか。FIAシングルシーター部門責任者のニコラス・トンバジスは、次のように語っている。

    「最初はエンジン、特にICEが主な要因になると予想している。新規参入メーカーもいて、ICE規則も新しいため、初期には差が出るだろう」

    「ただし、段階的に追いつける仕組みも用意している。性能差は一時的なものになると考えている」

    さらにトンバジスは、空力面でも完全に新しい規則が導入される点を強調する。

    「空力規則も全面的に新しくなる。当然、良い解決策も悪い解決策も出てくる。最初の半年から1年で、ある程度の収束が起きるだろう」

    2022年規則が示した“収束”の前例
    この流れは2022年レギュレーションでも見られた。当初は、レッドブルのダウンウォッシュ、フェラーリのインウォッシュ、メルセデスのゼロポッドという、3つの異なるサイドポッド概念が存在した。しかし時間の経過とともに、多くのチームがレッドブル型へと近づきつつ、独自の解釈を加えていった。

    国際自動車連盟 フォーミュラ1カー フォーミュラ1エンジン

    2026年のギャップは本当に拡大するのか
    チーム間の差について、FIAの見方は二段構えだ。開幕当初は2025年より差が大きくなるが、規則が意図通り機能すれば、長期的には前サイクルよりもむしろ接近したグリッドになるという。

    「2026年に、昨年と同じレベルでグリッドが接近するとは思っていない。ただし、収束後のグリッドは、2025年よりも近くなると予想している」

    タイヤサプライヤーのピレリは、各チームの初期ダウンフォースシミュレーションに大きな差があったことを示唆している。一方で、12月に提出された2026年末を想定した最新シミュレーションでは、その差はかなり縮まっていたという。

    これについてトンバジスは慎重だ。

    「ある程度の自信にはなるが、詳細なデータを持っているわけではない。各チームが現在どれほどのダウンフォースや馬力を持っているかは分からない。初期には差が出るかもしれないが、最終的に収束した性能は、よりコンパクトなグリッドを生むと確信している」

    “面白さ”を決めるのは何か
    最後にトンバジスは、ファンにとってのエンターテインメント性は、必ずしも最速と最遅の差で決まるものではないと強調した。

    「グリッドの近さを決めるのは、必ずしも1位と最下位の差ではない。1、2チームが序盤で苦しんだからといって、それが選手権の面白さを左右するわけではない」

    「多くの場合、重要なのは上位半分、つまりポイントや勝利を争うチーム同士がどれだけ接近しているかだ。その点では、十分に接戦になると考えている」

    ICEが主役となる2026年F1の幕開けは、短期的な差と長期的な収束、その両方を内包したシーズンになりそうだ。

  • 2026年F1ミュールカーで可動式フロントウイング試作機が初披露

    2026年F1ミュールカーで可動式フロントウイング試作機が初披露

    アブダビで行われているポストシーズンテストで、来季導入される可動式フロントウイングシステムを模擬した試作機が姿を現した。

    2026年F1マシンは前後ウイングにアクティブエアロを搭載し、ストレートでドラッグを低減する仕様となる。火曜日のテストで使用されている“ミュールカー”は、モンツァのイタリアGPで使用されたウイングレベルのみを用いる形で、その効果を近似している。

    2026年仕様テストと「異例の速度制限」
    DRSは2011年以降、通常は長いストレート上の2〜3カ所のゾーンでのみ使用され、レース中は前車との差が1秒以内という条件が課されてきた。

    しかし2026年仕様では、FIAが「トラクション制限がない」と指定した区間に入ると、前後ウイングが開く仕組みに変わる。

    火曜日のアブダビテストでは、メルセデスがキミ・アントネッリのミュールカーに、フロントウイング上段エレメントの作動機構を装着した試作デザインを投入。大型のチューブでノーズ内部のシステムと接続された、やや粗削りな構造が見られた。

    チームにはこの種のシステムを開発し、今回のテストで使用することが許可されており、ドラッグレベルやタイヤ負荷の影響を把握する初期評価を行う狙いがある。通常仕様のミュールカーとの比較データも得られる。

    こうしたフロントウイングアクティブエアロを備えたミュールカーはこれが初の“可視化された”例で、ピレリによるミュールカーでの2026年テストの大半は、フロントウイングにアクティブエアロを搭載しない状態で実施されてきた。

    ただし、フェラーリも同様のシステムを開発しており、非公開でのピレリテストで使用され、アブダビでも再び投入される見通しだという。すでに運用経験があるため、メルセデスより「侵襲性が低い」成熟したデザインとされている。

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    “300km/h制限”を受けない試作ウイング仕様
    今回のテストで可動式フロントウイングを搭載するミュールカーは、直線速度300km/h(186mph)の上限を守る必要がない。

    この速度制限は、ミュールカー計画においてピレリが採用してきた方式で、ほとんどのストレートでDRSを作動させつつ、車両フロントのオーバーロードを防ぐための措置だった。

    2026年には前後ウイングが“開いた”状態となるため、前後軸ともロードが減少する。その状況に近づけるため、速度制限が設定されている。

    ホイールリムにも実験要素
    今回のアブダビテストではホイールリムにも新たな実験項目がある。

    ミュールカーの走行では標準サプライヤーが手を加えたリムが主に使用されてきたが、2026年からはチーム側の設計自由度が大きく広がる。アブダビでは、2026年型に近いリムを用いた限定的な走行も許可されている。

  • F1の“ダーティエア”が限界に…FIA最新データで判明した衝撃の「4倍悪化」

    F1の“ダーティエア”が限界に…FIA最新データで判明した衝撃の「4倍悪化」

    2025年シーズン終盤、F1ドライバーたちが繰り返し訴えてきた「前車を追走しにくい」という問題が、ついにFIAの詳細データで裏付けられた。

    FIAが最新のCFD解析(流体解析)を公開し、今のマシンがどれほど“汚れた乱流=ダーティエア”を後方へ放出し、追走性能を損なっているかが数値として明確になった。その一方で、新空力レギュレーションが導入される2026年には、この問題が大きく改善される見通しも示されている。

    2025年シーズン終盤、F1ドライバーたちが繰り返し訴えてきた「前車を追走しにくい」という問題が、ついにFIAの詳細データで裏付けられた。

    FIAが最新のCFD解析(流体解析)を公開し、今のマシンがどれほど“汚れた乱流=ダーティエア”を後方へ放出し、追走性能を損なっているかが数値として明確になった。その一方で、新空力レギュレーションが導入される2026年には、この問題が大きく改善される見通しも示されている。

    2022年と比べて“4倍悪化”した追走性能
    FIAが2022年の新レギュレーションで目指したのは、「前の車に近づきやすいF1」。初年度はその狙いが明確に反映されており、2台が2台分の車間距離(約20m)で走行した際のダウンフォース喪失量は わずか5% ほどだった。

    しかし開発が進んだ2025年には、この値が 約4倍悪化。現在のマシンは、2022年初年度の理想から大きく遠ざかっている。

    FIAが示した主な数値は以下の通り:

    ■ 1台分=約10mの距離
    ・2019年:前車のダウンフォースの 55%
    ・2022年(開発前の想定モデル“UNIFORM”): 85%
    ・2025年実測: 65%

    ■ 2台分=約20mの距離(実戦で最も重要)
    ・2019年: 65%
    ・2022年: 95%
    ・2025年: 80%

    2022年に大幅改善されたはずの“追走性”は、開発競争の中で 2019年レベルに近づきつつある。これが近年のレースが“プロセッショナル(行列)”に見える最大要因といえる。

    フォーミュラ1カー

    2026年は再び改善へ。FIAが目指す「劣化を防ぐ空力」
    FIAが2026年用に設計した新しいベースモデル(コード名“FANGIO”)では、
    ・10mで 80%
    ・20mで 90%
    のダウンフォース保持を達成している。

    数字だけを見ると「2022年より悪いのでは?」と思えるが、実は意図的だ。

    2026年車では重量削減のためにホイールアーチやホイールカバーといった“乱流抑制アイテム”を廃止しており、その分の差が含まれている。その上で 空力マップの形状を最適化し、ドラッグロス(スリップストリーム効果)を強める設計 がなされている。

    また2026年車は現在の極端な“低車高ベタベタ”でもなく、旧世代のハイレーキでもない、 中間的な車高 で走るよう設計される。これにより、前車の乱流による挙動変化に強くなるとFIAは説明している。

    FIAシングルシーター部門責任者のニコラス・トンバジスは「2026年車はこれまでで最も良い追走特性になると信じている」と語る。

    なぜ追走性能は“劣化”したのか? 2022年レギュレーションの教訓
    2022年の新レギュレーションは、もともと“ダーティエアの抑制”を主目的としていたが、チーム側が数多くの抜け道を発見し、開発を進めたことで、結果的に乱流は年々悪化した。

    主な原因領域は以下の通り:

    ■ フロントウイングエンドプレート
    ■ フロントブレーキダクト内のエアロ
    ■ フロア外縁部
    ■ ディフューザーのエッジ形状

    特に2022年のメルセデスは、本来想定されていなかった“アウトウォッシュ方向の流れ”を作るエンドプレート形状を導入。これを受け、FIAは2023年に規則を厳格化したが、依然として別の手法で類似効果を生み出すことが可能だった。

    この“イタチごっこ”を防ぐため、FIAは2026年レギュレーションで各領域を大幅に厳格化。開発の自由度が減る分、汚れた乱流(dirty wake)が再び急激に悪化するリスクが抑えられると見られている。

    2026年は改善確実。ただし“劣化スピード”が最大の焦点に
    F1の根本的な空力原理として「乱流を完全になくすことは不可能」である。

    メルセデスのジェームス・アリソンが「風車に突撃するドン・キホーテのような戦い」と表現したように、ルールでどこまで抑え込めるかには限界がある。

    重要なのは、2026年に改善されても、その後どれだけ“劣化”するか。

    2022年の轍を踏まないため、FIAは“劣化しにくい”レギュレーションを設計している。

    ただ、レースの面白さは空力だけで決まらず、
    ・2026年に刷新されるPU(電力比率50/50)
    ・ピレリタイヤの性質
    ・車重の変化
    など、複数の要素が絡む。

    それでもFIAの解析結果は、2026年の開幕時点では明確に“追走しやすいF1”に戻る ことを示している。

    あとは開発競争が再びどれだけ乱流を増やすか——F1の永遠のテーマである“空力との戦い”は、これからも続くことになる。

  • FIAが断言「2026年F1マシンはダーティエア問題を大幅改善」

    FIAが断言「2026年F1マシンはダーティエア問題を大幅改善」

    FIA(国際自動車連盟)は、近年のF1でレース品質が悪化しており、マシン同士が接近して走れなくなっていることを認めている。2022年に導入した新レギュレーションでは“ダーティエア”削減に大きく踏み込んだが、その効果はシーズンを経るごとに薄れていったとニコラス・トンバジスは説明する。

    FIAは2026年に大幅な技術規則変更を導入するが、2022年の反省点を踏まえ、マシン同士がより接近して走行できる“好ましい空力特性”をより長期的に維持できると自信を示した。

    2022年の改善は“劣化した”。原因は各チームが生んだ設計の抜け穴
    トンバジスは、2022年マシンが当初は「前世代のクルマより大幅に良い“後方乱気流(ウェイク)特性”」を持っていたことを認める。

    「20メートル後方でのダウンフォース損失は、前世代では約50%だったが、2022年マシンは80〜85%ほどに改善された」とし、しかしその後「規則サイクルの中で徐々に悪化した」と述べる。

    その理由は、チームが追加したエアロデバイスや、意図せぬ形で生まれた“アウトウォッシュ”を発生させるパーツ設計だという。

    ・フロントウイングエンドプレート
    ・フロントブレーキダクト内部
    ・フロア外側部

    これらが小さな変化として積み上がり、現在のマシンの“ダーティエア特性”を悪化させた、とトンバジスは説明した。

    2026年は「90%前後」で過去最高の接近戦性能を実現できる
    FIAは2026年に導入される新レギュレーションの初年度で、2022年を上回る“追従性能”を実現できるとみている。

    「2026年の新サイクルでは、20メートル後方でのダウンフォース保持率は90%前後になると考えている」とトンバジスは語る。

    また今回の規則では、下記の特徴により接近戦を促進する。

    ・シンプル化されたエアロサーフェス
    ・アクティブエアロ(コーナーでダウンフォース最大化、ストレートでドラッグ最小化)
    ・DRS廃止 → ボタン式オーバーテイクパワーブーストへ移行

    これらが“2026年のレースをより面白くする要素”になるとしている。

    フォーミュラ1カー F1 国際自動車

    性能差は一時的に拡大へ。ただし“レースの質”は確実に向上するとFIA
    トンバジスは「新規則の導入初期は、当然グリッドの性能差が広がる」としつつも、後続車が前走車に近づきやすくなる点を強調した。

    「ウェイク特性は大幅に改善されており、2022年規則から多くを学んだ。その学びを2026年の空力規則に反映している」と述べる。

    さらに、DRSからエネルギーシステムへのオーバーテイク手段の切り替えにより、「レースの性質が変わり、より予測しづらい展開になる」とし、エアロと合わせて「最終的にレースはよりエキサイティングになる」と結論づけた。

  • 2026年F1マシンは“史上最も複雑” ハース技術責任者が明かす「怖さと課題」

    2026年F1マシンは“史上最も複雑” ハース技術責任者が明かす「怖さと課題」

    F1で2026年に導入される大規模なレギュレーション変更は、ファンにとってはワクワクさせる要素であふれている一方、マシンを設計する側にとっては不安要素の塊だ。

    新シャシーと新パワーユニットを併せ持つ“完全なクリーンシート”規則は、勢力図を覆すチャンスであると同時に、判断を一つ誤れば深刻な後れを取るリスクも孕んでいる。

    各チームが深くルールに取り組み始めるにつれ、複雑さがより明らかになり、「自分たちの判断は正しいのか」という不安が現実味を帯びてきていると、ハースF1チームのテクニカルディレクター、アンドレア・デ・ゾルドは語る。

    可変ウイングとPU特性の同期が最大の悩み
    2026年の最大の難所のひとつは、可変ウイングのダウンフォースとドラッグを新PUの出力特性にどう合わせるかという点だ。

    ストレートでドラッグが多すぎればバッテリーのエネルギーを使い切ってしまう可能性がある。一方でダウンフォース不足はコーナーで大きなロスとなる。

    しかも、その“最適解”は他チームのアプローチを見て初めて浮かび上がる可能性が高く、チームは“手探り状態”を強いられている。

    「おそらく、我々や他のみんなを怖がらせている部分だ」とデ・ゾルドは認める。

    「実際に走らせるまでに学ぶことは多いし、この段階で何かを見落とすのは本当に簡単なんだ。PUメーカーもまだ理解を深めている最中で、とても大きなチャレンジだよ」

    初期フェーズは“総学習モード” アップデート計画も固められず
    2026年序盤は全チームが急激な学習フェーズに入り、どの程度のアップデートをどのタイミングで投入すべきかすらまだ見えていないという。

    「来年に向けて多くを準備してきたが、現時点で明確な計画を立てることは不可能だ」とデ・ゾルド。

    そのため、レース1に向けたパッケージは「できるだけ遅くまで生産を引き延ばす」という攻めの姿勢を取っている。初テスト後に作り直す時間はなく、事前に出したものをベースに戦うしかないからだ。

    「すべてはテストで見えてくる。まだ未知の世界なんだ」

    フォーミュラ1カー F1 自動車競技

    “予想外の罠”は必ずある──メルセデスが語る過去の教訓
    2022年にグラウンドエフェクト規則が導入された際、多くのチームがポーポイズ現象に苦しんだ。特にメルセデスは深刻だったが、彼ら自身も「準備したつもりだった」と振り返る。

    同チームのトラックサイドエンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショヴリンはこう語る。

    「予測できなかったものに足をすくわれたんだ。新しいレギュレーションには常に“罠”があるし、失望するチームも必ず出てくる」

    シミュレーターでどれだけ準備しても、実際に走らせて初めて見える挙動は多い──2026年も同じだという。

    2026年マシンは“過去最も複雑” ハースが直面する設計の難しさ
    デ・ゾルドによれば、2026年マシンは近年のどの規則よりも複雑で、特にシャシーのホモロゲーション作業が非常に難しかった。

    「シャシーは我々が手掛けた中で最も複雑なプロジェクトだった。そこに多くの労力を割いたあと、ようやく性能面の作業に移っているところだ」

    可変フロントウイングの機構設計も時間を要し、コンパクトさと信頼性の両立に苦労したという。

    さらに、ハースはフェラーリから受け取るパーツに依存しているため、アップデートが突然届くことで設計方針を変更せざるを得ないケースもある。

    「考えていた方向性があっても、フェラーリから新しいアップデートが届くと“さて、どうする?”となる。作業量は減るが、反応する時間も減るんだ」

  • 2026年F1でポーパシングは消える?メルセデスが警告する“新たな落とし穴”

    2026年F1でポーパシングは消える?メルセデスが警告する“新たな落とし穴”

    2026年シーズンのF1は、空力レギュレーションが大幅に刷新され、現在の世代を悩ませてきたポーパシング問題が「ほぼ解消される」と期待されている。しかしメルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショブリンは“安心は禁物”だと警告する。

    フロア形状の変更によって車体下の気流構造が大きく見直される一方で、新しい空力規則には別の“落とし穴”が潜んでいる可能性があるという。

    シミュレーションでは見えない挙動が実走行で露わになる可能性を指摘し、ショブリンは「誰かは必ずつまずく」と強い言葉で新時代のリスクを示唆した。

    ショブリン「ポーパシング再発の可能性は低いが、罠は必ずある」
    ショブリンは、2026年マシンが現在のようなポーパシングやバウンシングに苦しむ可能性は低いとしながらも、新規則に完全な安全地帯は存在しないと語る。

    「常に罠はあるし、必ずどこかのチームは“思っていたのと違う”という状況になる。新レギュレーションに入るときに『今回こそ楽だろう』と思うようなことは絶対にない」

    2026年のフロアは2022年以前の構造に近づき、フロア前方からディフューザーまでの大半がフラット化される。これにより、現在の世代で問題視された“渦の破綻”をきっかけとするポーパシングは起きにくいという。

    「規則が以前の世代のマシンに近い方向へ戻っている以上、今のようなポーパシングが発生するとは考えにくい」

    さらにショブリンは、仮に似たような現象が現れたとしても、チームはすでに対処するための知見やツールを備えていると説明する。

    「問題が起きたとしても、この期間で学んだことや、空力理解のために開発してきたツールがあるおかげで、はるかに正しく対処できるだろう」

    ただし、新レギュレーションで最も難しいのは「実走行まで真の挙動が分からない」点だと強調する。

    「シミュレーションでどれだけ作業をしても、実際にサーキットで走らせてみるまではどう振る舞うか分からない。そこが新フォーミュラのバランス取りの難しさだ」

    フォーミュラ1カー F1 自動車競技

    エネルギー不足が“オーバーテイクの新時代”を生む?
    ショブリンは、ジョージ・ラッセルが語った「2026年は奇妙な場所でオーバーテイクが発生するかもしれない」という見解にも触れた。

    2026年はバッテリーエネルギー管理が今よりもシビアになり、周回中のエネルギー残量の差がドライバー同士の駆け引きを大きく左右する可能性がある。

    「確かに、エネルギー不足はかなり重要な要素になる。最大限回生しなければならないが、この状況はグリッド全体で同じだ」

    エネルギー不足が生む新たなレース展開の一例として、ショブリンは“序盤に抜いても後半で抜き返される”状況を挙げる。

    「序盤の区間では簡単に追い抜ける場面があっても、そこで使い切ってしまえば後で抜き返される。それは十分に起こり得る」

    ショブリンは、エネルギーの使いどころが2026年のレース戦略の中心になると予測する。

    「大きな純粋性能差を生むわけではないが、レースの戦略面では非常に大きな要素になると思う」

  • ジョージ・ラッセルが断言「2026年はF1が変わる。抜けない場所で抜ける」

    ジョージ・ラッセルが断言「2026年はF1が変わる。抜けない場所で抜ける」

    メルセデスのジョージ・ラッセルは、2026年に導入される新レギュレーションによってF1のレースがより改善されると自信を示した。来年はパワーユニットが内燃と電力がほぼ50:50となり、マシンはアクティブ・エアロダイナミクスを装備することで、ストレートではすべての車両が低ドラッグ状態に移行できる。これに伴ってDRSは廃止され、インディカーのプッシュ・トゥ・パスに似た「マニュアル・オーバーライド・モード」が新たなオーバーテイク手段として導入される。

    ラッセルはオーバーライド・モードそのものの効果については判断を保留しつつも、2026年マシンが生む走りの軽快さこそがレースを変えると強調した。彼は「来年はオーバーテイクが増えると思う。そして、これまで見たことがないような“意外な場所”でのオーバーテイクが起きると思う」と述べ、前を走るドライバーのバッテリーが尽きたタイミングと、後ろのドライバーが電力を残している状況が重なれば、従来では不可能だったコーナーで追い抜きが起き得ると説明した。また「ただのDRSの直線オーバーテイクは好きじゃなかった。2026年のレギュレーションはより良いレースにつながる」と語った。

    一方、ピレリは2026年仕様のタイヤ開発を進めているものの、より細くなるタイヤに対して耐久性と戦略性の両立という難しさが依然として存在するとされた。ラッセルは「僕たちはドライバーだから、最高で最速で楽しいクルマを求めてしまう。でも僕たちは20人のうちの1人にすぎない。毎週このスポーツを追っている1億人以上のファンがいることを理解しなくてはならない」と語ったうえで、60周レースならハードが30周、ミディアムが20周、ソフトが10周で性能が急激に落ちるような“理想的な落ち幅”を持つタイヤが作れれば戦略の幅が広がると理想像を示した。ただし「ピレリにとって簡単ではない。路面はサーキットごとに異なるし、開発は本当に難しい。もし全サーキットで路面が同じならもっとやりやすいのに」と述べ、タイヤメーカーの難しさも理解を示した。

    メルセデスは現在、コンストラクターズ選手権でフェラーリ(356点)、メルセデス(355点)、レッドブル(346点)が激しい2位争いを展開している。しかしラッセルは、チームの焦点はすでに2026年に完全移行していると明言した。「チームの95%は2026年に向けて動いている。レースに来ているメンバーは今年のマシンに集中している“最後の戦士”だけど、開発に関しては全員が来年のマシンに向かっている」と語り、自身のシミュレーター走行もすでに2026年マシンのみになっていると付け加えた。

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    2026年レギュレーションがもたらす“レースの質の変化”
    ラッセルの発言は、2026年が単なる規則変更ではなく、レース展開そのものの質が変わる転換点になるという見方を示している。ストレートで全車が低ドラッグ状態になるため、従来のようなDRS依存のオーバーテイクは姿を消し、エネルギーマネジメントの差が新しいレースの主役になる可能性が高い。

    バッテリー残量の違いによる“局所的な性能差”は、従来ではオーバーテイクの対象にならなかった中速コーナーなどでも追い抜きが発生する状況を生む。ラッセルの言う“意外な場所”とは、まさにそうしたコーナーでの一撃を指すものだ。

    タイヤに関しては、戦略の幅を広げるための急激な性能落ち込みという理想と、各サーキットで大きく異なる路面条件という現実が対立する。ピレリがどこまで2026年タイヤで統一性を持たせられるかが、レース戦略の自由度を左右する大きな要素になる。

    メルセデスの“2026年全集中”が示すもの
    ラッセルが「95%が来年に向いている」と語ったことは、メルセデスが2026年を新たなスタート地点と捉えている強い証拠だ。レギュレーション初年度は勢力図が大きく変わる可能性が高く、過去には2014年にメルセデスがハイブリッド元年で圧倒的優位を築いた例もある。現状の競争ではタイトル争いに絡むのが難しい中、2026年に勝機を見出す姿勢は極めて明確だ。