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  • F1スペインGPで酷評のマドリンク 設計者が反論「自由に設計できたわけではない」

    F1スペインGPで酷評のマドリンク 設計者が反論「自由に設計できたわけではない」

    F1スペインGPの新たな舞台として初開催を迎えたマドリンクについて、コース設計を手掛けた企業のCEO、ヤルノ・ザッフェリが、オーバーテイクの少なさをめぐる批判に反論した。今後レイアウトを変更することは可能だとしながらも、都市計画や環境上の制約から「最小限」にとどまると説明している。

    マドリンクでは先週末、初のF1スペインGPが開催された。

    しかし、決勝ではオーバーテイクがほとんど見られず、サポートカテゴリーでも同様の傾向が続いたことから、ファンを中心にレイアウト改善を求める声が上がっている。

    「変更は可能だが最小限」
    マドリンクの設計を担当した企業を率いるザッフェリは、motorsport.comに対し、コースを大幅に作り替えることは難しいと説明した。

    「いくつか変更できる部分はあるが、それは最小限だ」

    「公に語られている内容を見る限り、議論されている選択肢の一部は、もともと我々の当初案に盛り込まれていたものに近いように思う。当初のプロジェクトには、ターン5でオーバーテイクの機会を作ることも含まれていた」

    ザッフェリによれば、現在のターン5からターン6にかけての区間は、当初の設計とは異なる形になったという。

    「ターン5はもっとタイトで、コーナリング区間を短くする予定だった」

    「そして我々の設計では、ターン6の内側はアスファルトのランオフではなく、グラベルにする予定だった。ドライバーにより遅いラインを通らせ、直線的に走ることがラップタイム上の不利益になるようにするためだ」

    「この一連の区間の狙いは、バンクを利用してタイムを稼ぐことではなく、それぞれ異なるメリットを持つ2つのラインを作り出すことだった」

    マドリンク F1 スペイングランプリ

    「白紙から自由に設計できたわけではない」
    マドリードはF1と10年間の長期契約を結んでいるだけに、初開催後には将来に向けたコース変更の可能性も注目されている。

    一方、ザッフェリは、マドリンクが何もない土地にゼロから自由に設計されたサーキットだったとの見方を否定。実際には高度に都市化された地域であり、利用できる土地には数多くの制約が存在していたと説明した。

    「『白紙の状態から設計した』と表現されているが、実際にはF1に適したサーキットを設計するうえで明確な制約が存在する、高度に都市化された地域だ」

    「詳細な地図を見れば、レイアウトが多くの場所で非常に厳しい制約を受けていたことが分かる。新しい展示ホールはすでに設計され、都市計画当局から承認を受けていたし、道路網についても、あらかじめ定められたルートに沿って計画されていた」

    制約のなかで「独自性を持つサーキット」を追求
    ザッフェリは、こうした制約があったからこそ、マドリンクの設計には多くの創造性が必要だったと主張する。

    「だからこそ、多くの創造性が必要だった。制約によって設計の自由度は限られていたが、だからといって答えがひとつに決められていたわけではない」

    「構造上の制限とFIAの安全規則による制約のなかで、独自のアイデンティティを持つサーキットを生み出すため、ジオメトリーやコーナーの連続性、走行ラインを考え出さなければならなかった」

    初開催のF1スペインGPでは追い抜きの難しさが大きな課題として浮き彫りになったマドリンク。設計者側は当初案にオーバーテイクを促す仕掛けが存在していたことを明かした一方、都市部という立地上、大幅なレイアウト変更には限界があるとの認識を示している。

  • リアム・ローソン F1デビューでフェルスタッペンに衝撃「まだ無理だと思った」

    リアム・ローソン F1デビューでフェルスタッペンに衝撃「まだ無理だと思った」

    リアム・ローソンが、2023年F1オランダGPで突然巡ってきたF1デビューを振り返り、初めてのフリー走行でマックス・フェルスタッペンの走りを目の当たりにした際の衝撃を明かした。

    当時21歳だったローソンは、FP2で手を骨折したダニエル・リカルドの代役としてアルファタウリAT04をドライブすることになった。しかも、初めてF1マシンで公式セッションを走るFP3は雨。十分な準備時間もないまま、難しいザントフォールトでF1デビューを迎えることになった。

    突然決まったF1デビュー「よりによってザントフォールトで雨」
    F1 TVの『Off The Grid』に出演したローソンは、リカルドの代役を務めることを知らされたとき、長年待ち望んでいたチャンスがついに訪れたという喜びと同時に、その状況の厳しさをすぐに理解したと振り返った。

    「リザーブをやっていたころは毎週末、『走るためなら何だってする。F1を走るチャンスがほしい』と思っていた。そして、ついに自分が本当に走るんだという実感が湧いてきた」

    「でも、その直後に『なんてことだ』ってなった。ザントフォールトのFP3で、しかも雨だった。よりによって、どうしてここなんだって思ったよ」

    それでも、自分が待ち望んできたチャンスである以上、状況に不満を言うわけにはいかなかった。

    「それから『ずっとこのチャンスを願ってきたんだから、文句を言っている場合じゃない』と思った。だからチームと一緒に12時間を使って、できる限りの準備をした」

    フェルスタッペンの走りを目の前で見て実感した差
    ローソンにとって最大の問題は、初めて乗るF1マシンをウエットコンディションで限界までプッシュしなければならないことだった。

    「F1マシンを走らせるには、ものすごく高いレベルのコミットメントが必要なんだ」

    「本当に思い切っていかなければならない。でも、あのセッションではすごく居心地が悪かった。マシンを一度も走らせたことがなかったし、路面は濡れていた。自信がまったくない状態だったから、ちゃんとプッシュすることができなかった」

    そんなローソンの後方から、アタックラップ中のフェルスタッペンが迫ってきた。

    「セッション終盤、マックスが僕の後ろからプッシュラップで来たのを覚えている。彼はマシンをスライドさせながら縁石を越えていった」

    その光景を間近で見たローソンは、F1マシンを限界まで攻めるために必要な自信が、当時の自分にはまだ備わっていないことを痛感したという。

    「それを見ながら、『こんなに早い段階で、僕には絶対にあんなことはできない』と思ったのを覚えている」

    次の周にプッシュしてスピン
    それでもローソンは、フェルスタッペンの走りを見た次の周に、自分もペースを上げようと試みた。

    「そして、その次の周に戻ってきて、僕も思い切って攻めようとした。でも、その時点ではまだ、それに必要なレベルの自信がなかった」

    結果としてローソンはコース上でスピン。AT04が動けなくなり、マシン回収のためFP3には赤旗が提示された。

    それでも、ローソンはその翌日の決勝でF1初レースを完走。難しいウエットコンディションも経験したレースを13位でフィニッシュし、急きょ決まったデビュー戦を走り切った。

    わずか12時間ほどの準備で初めてF1マシンに乗り、雨のザントフォールトでフェルスタッペンの走りを目の当たりにしたローソン。現在ではF1のレギュラードライバーとなった彼にとって、そのFP3はトップレベルで戦うために必要な「コミットメント」を最初に思い知らされたセッションだった。

  • メルセデスF1 2027年開発に軸足 ヴォルフ「愚かにライバルへポイントを与えるな」

    メルセデスF1 2027年開発に軸足 ヴォルフ「愚かにライバルへポイントを与えるな」

    メルセデスF1は現在、コンストラクターズ選手権で2番手に145ポイント差をつける大きなリードを築いている。ドイツのチームはすでに次のシーズンに向けた準備を本格化させているが、チーム代表のトト・ヴォルフは2026年のタイトルが決まったとは考えていない。

    新レギュレーション時代の序盤を圧倒してきたメルセデスF1は、すでにリソースの一部を2027年型マシンの開発へと移行している。

    一方でW17には今季最後となるアップデートも予定されており、ヴォルフはジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリに対し、不必要な接触でライバルにポイントを与えないよう釘を刺した。

    メルセデスF1はすでに2027年型マシンの開発を本格化
    グラウンドエフェクト時代に苦しい時期を経験したメルセデスF1だが、2026年は一転してシーズンを支配している。コンストラクターズ選手権ではフェラーリに大差をつけ、ドライバーズ選手権でもキミ・アントネッリが首位に立っている。

    メルセデスは今季ここまで行われた14戦のうち10戦で勝利を挙げている。ライバルも追撃を続けており、特にマクラーレンとフェラーリはメルセデスとの差を縮めるため、2026年型マシンに相次いでアップデートを投入してきた。

    メルセデスは5月のF1カナダGPで大規模なアップデートを導入したほか、来月マレーシアのセパンで行われるF1バーレーンGPでも新たなパッケージを投入する予定だ。

    その間にもサーキット特性に合わせた細かな変更は行ってきたが、開発ペースそのものはフェラーリやマクラーレンほど積極的ではなかった。

    そして、この傾向はシーズン終了まで続くことになりそうだ。トト・ヴォルフは、すでにチームのリソースの一部を2027年プロジェクトへ移していることを明らかにした。

    「2027年の開発はかなり前、夏よりも前から始まっている」

    「夏の間に来年へ向けてリソースを移した。そして、それは選手権での我々のポジションとは関係なく、計画通りに進んでいる」

    W17には今季最後の「強力なアップデート」
    それでも、メルセデスF1が2026年の戦いを緩めるわけではない。チームはマレーシアで「強力」と表現するアップデートを投入する予定だ。

    ただしヴォルフは、新しいパーツを投入したからといって、必ずしもサーキット上で期待通りのパフォーマンス向上につながるとは限らないと認める。ファクトリーで得られたデータと、実際のコース上での挙動との相関が問題になることもあるからだ。

    「マレーシアでは強力なアップデートを投入できると思っている。その前にまずバクーを乗り越えなければならないし、その後どうなるかを見ていく。ただ、新しいものがサーキットで期待したほど機能しないこともある」

    「だから、うまく機能してくれることを願っている。それによってアップデートという面でも他のチームと同じレベルに到達できればと思う。ただ、それは実際に走らせるまで分からない」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    145ポイント差でもヴォルフはタイトル確定と考えず
    コンストラクターズ選手権で145ポイントのリードを持つメルセデスだが、ヴォルフはタイトル獲得を当然のものとは考えていない。

    フェラーリは依然として大きな差を埋める必要がある一方、マクラーレンもランド・ノリスが2勝を挙げて勢いを取り戻している。F1スペインGPでも、VSCのタイミングが不利に働かなければ、ノリスが3勝目を手にしていた可能性があった。

    「リタイアすることもあるし、クラッシュすることもある。それが2戦続けて起きれば、それまで十分に見えていたリードが突然そうではなくなる。まだ8戦か9戦が残っているからだ」

    「私としては、他のチームが選手権を獲得することが数学的に現実的ではなくなる、あるいは不可能になるまでは、ポイントのことを考えるべきではないと思っている。それまでは毎週の仕事に集中し、可能な限り最高の仕事をするだけだ」

    フェラーリ同士の接触寸前を受けドライバーに警告
    ヴォルフはF1イタリアGPのスタートで起きたフェラーリ勢の一件についても言及した。

    シャルル・ルクレールはレース後、1周目のターン2でチームメイトのルイス・ハミルトンをコース外へ押し出すべきではなかったと認めている。

    ヴォルフは、チームメイト同士でこのような状況を作ることに明確な否定的見解を示した。

    「シャルル自身が認めた。だから今なら私も意見を言えるが、2コーナーでチームメイトをコース外へ押し出すことは受け入れられない」

    しかし、メルセデス自身も同じレースの終盤に似たような事態に陥る寸前だった。

    タイヤが大きく摩耗したジョージ・ラッセルにキミ・アントネッリが追いつき、2人がコース上で争う状況になった。

    アントネッリはターン2の外側に落ちたタイヤかすに片輪を乗せ、そのままワイドになった。結果的に、ルクレールに押し出されたハミルトンが通ったのと同じグラベルエリアを横切ることになった。

    「残り3周か4周のところで、2人のドライバーの間にはかなり怖い瞬間があった。我々もあのような展開になるとは予想していなかった。ジョージのタイヤが完全に終わっていて、キミの方が1秒速かったからだ」

    「彼らがあのように争うことを想定していたか? あれは1台がグラベルに入って終わっていてもおかしくなかった。そうなれば、最終的にフェラーリがそう見えたように、我々もあっという間に愚か者に見えていただろう。その境界線は非常に薄い」

    「愚かにポイントを与えてはいけない」
    アントネッリとラッセルには、W17のマシンとパワーユニットにもう一段階のアップデートが用意されている。しかし、それが2026年シーズン最後の本格的な開発になる。

    「キミとジョージには、マシンとエンジンでもう一度アップデートがある。ただ、先ほど言ったようにリソースは今や2027年に向けられているので、それが最後になる」

    「それでもマクラーレンがどれだけ強いかは見てきたし、フェラーリもすべてを最適化できればそこにいる。我々としては、愚かな形でライバルにポイントを与えないことだ」

    メルセデスF1は大きなリードを築きながら、すでに2027年型マシンへ開発の重点を移し始めている。それでも2026年の戦いは終わっておらず、最後のアップデートを控えるW17で確実にポイントを積み重ねることが求められる。特にラッセルとアントネッリにとっては、チーム内バトルで不必要なリスクを冒さないことも、タイトル獲得へ向けた重要な課題となる。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ 40歳以降もF1継続へ「ストップウォッチは嘘をつかない」

    ニコ・ヒュルケンベルグ 40歳以降もF1継続へ「ストップウォッチは嘘をつかない」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、F1キャリアを終える時期について期限を設けていない。2027年もアウディで戦い、そのシーズン中に40歳を迎えるドイツ人ドライバーは、自身のパフォーマンスとモチベーションだけが今後を決める基準になると考えている。

    高齢になってもF1グリッドに立ち続けるフェルナンド・アロンソのように、ヒュルケンベルグも今後さらに数シーズンにわたって現役を続ける可能性がある。ただし、何歳まで走るという具体的な目標を設定するつもりはないという。

    40歳を迎える2027年もアウディF1で参戦
    ニコ・ヒュルケンベルグは先月39歳の誕生日を迎えた。現在のF1グリッドでは、フェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンに次いで3番目に年齢が高いドライバーである。

    2027年もアウディでF1参戦を続ける予定で、そのシーズン中に40歳を迎えることになるが、ヒュルケンベルグは現役引退について年齢による制限を設けていない。

    Mundo Deportivoから、アロンソのように45歳までキャリアを続ける可能性について尋ねられたヒュルケンベルグは、最終的には自分のパフォーマンスレベル次第だと説明した。

    「本当にすごいことだと思う」

    ヒュルケンベルグはアロンソのF1での長いキャリアについてそう語り、2度のF1ワールドチャンピオンが現在も高い競争力を維持していることにも言及した。

    「彼は今でも非常に高いパフォーマンスを発揮している。モータースポーツのいいところは、ストップウォッチは決して嘘をつかないということだ」

    ヒュルケンベルグにとって、期待される結果を出し続け、最高峰で戦う意欲を維持できている限り、年齢そのものは決定的な要素ではない。

    「そうだね! ストップウォッチが自分にとっていい数字を示している限り、この仕事をすることに幸せを感じ、モチベーションを持ち続けている限りはね。なぜなら、このレベルのパフォーマンスに到達して、必要なことをすべてやり遂げるには、多くの努力とものすごいエネルギーが必要だからだ」

    ただし、そうした状況がいつ変化するのかについては、自分自身にも分からないと認めた。

    「それが続いている限り、僕は喜んで続ける。でも、いつそれが変わるのかは分からない」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)

    過去のF1マシンを過度に懐かしまず
    ヒュルケンベルグは、自身のキャリア初期にドライブしていたF1マシンについても質問を受けた。以前の世代のマシンは現在より小さく、軽量で、エンジンサウンドも大きかった。

    しかし、ヒュルケンベルグはそうした過去のマシンへのノスタルジーについて冷静な見方を示し、ドライバーは最終的に与えられたマシンに適応していくものだと語った。

    「どんなマシンにも慣れるものだ」

    「常に適応していくことは、このカテゴリーに本質的に備わっている現実なんだ。それが僕たちの現実だ。ドライバーとしては、単純に適応して、自分たちに与えられたものに慣れていく。そして、毎年この仕事をすることができるのは世界でたった22人しかいないということを、決して忘れてはいけない」

    ヒュルケンベルグはまた、過去の世代のF1マシンに対する記憶は、時間の経過とともに美化されがちだとも指摘する。

    「僕たちは少し理想化する傾向もあると思う。当時はオーバーテイクが本当にひどかった。似たようなものに戻ることが現実的だとは思わない」

    「それに、まず安全面を考えれば、さまざまな装置が必要になり、その分の重量も必要になる。F1でそれを手放したいと思う人はいない」

    近年のF1マシンは大型化と重量増加が進み、過去の軽量なマシンを懐かしむ声も少なくない。一方、ヒュルケンベルグは安全性を維持しながら過去と同じ方向へ戻ることは現実的ではないとの考えを示した。

    「だから、あのマシンが戻ってくることを夢見ても意味はない。ただ、F1がようやく少しずつ重量を減らす方向へ進み始めたことは確かだ」

    2027年に40歳を迎えるヒュルケンベルグだが、現時点でF1引退の期限を決める考えはない。ストップウォッチが競争力を証明し、自身のモチベーションが続く限り、年齢にかかわらずアウディでF1キャリアを続けていく構えだ。

  • コルトン・ハータ F1昇格に暗雲も2027年のF2残留を否定「もう1年やる気はない」

    コルトン・ハータ F1昇格に暗雲も2027年のF2残留を否定「もう1年やる気はない」

    コルトン・ハータは、F1参戦への道を切り開くために今季F2へ挑戦しているが、2027年にもう1シーズンF2を戦う考えはないと明言した。

    インディカーで9勝を挙げたハータは今季、ハイテックからF2に参戦するとともに、新規参戦したキャデラックF1で開発ドライバーを務めている。しかし、欧州での挑戦は厳しいものとなっており、残り3ラウンドの時点でドライバーズランキング19位。F1昇格に向けて難しい状況に置かれている。

    F2参戦は1年限りと明言
    キャデラックF1は将来的にアメリカ人ドライバーを起用したい意向を示しており、その候補のひとりとしてハータの名前が挙げられてきた。

    しかし、24歳のハータは今季のF2で苦戦。シーズン序盤には何度かポイントを獲得したものの、直近13レースではわずか1度しかポイントを獲得できていない。

    さらにF1スペインGPと併催されたマドリードでの前戦では、予選中のクラッシュによって週末の2レースを欠場することになった。

    こうした状況から、2027年にはアメリカへ戻る可能性も取り沙汰されている。今後についてまだ結論を出していないハータだが、少なくともF2に残る選択肢については明確に否定した。

    「どうなるかは待ってみないと分からないと思う」

    ハータは『F1 Insider』にそう語った。

    「でも、もう1年F2をやることにはまったく興味がない」

    コルトン・ハータ FIA フォーミュラ2選手権

    苦戦してもF2への敬意はさらに深まる
    自身にとって厳しいシーズンとなっている一方、ハータはF2そのものに対する評価を下げてはいない。カテゴリーを離れた後もレースを見続けるつもりだと語った。

    「間違いなく見るよ。レーシングカテゴリーとして、これからもF2を追いかけるのを楽しむと思う」

    「たぶん過去10年くらいF2のレースを見てきたし、これからも見続ける。レースのスタイルもレースそのものも本当に好きなんだ」

    「ここで戦っているドライバーたちには大きな敬意を持っている。彼らに何ができるのかを知っているからね」

    「それは以前から分かっていたけど、自分自身が実際に経験したことで、今はさらによく分かる。みんながどれだけ高いレベルで戦っているのかも理解している」

    2027年にはF2で新たなマシンが導入される予定であり、ハータは自身が参戦しなくても、その技術面にも関心を持っているという。

    「もちろんマシンには興味がある。どんなものになるのか、ダウンフォースの数値がどうなるのか、来年どれだけレースに適したマシンになるのかを見てみたい」

    「間違いなくこれからも追いかけるよ」

    F1昇格を目指してインディカーからF2へと活動の場を移したハータだが、現時点では期待した成績を残せていない。2027年の進路はまだ決まっていないものの、本人の発言によって少なくともF2での2年目という選択肢は消えたことになる。

  • マックス・フェルスタッペン F1王座迫るアントネッリに助言「考えすぎるな」

    マックス・フェルスタッペン F1王座迫るアントネッリに助言「考えすぎるな」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年のF1ドライバーズ選手権で首位を独走するキミ・アントネッリに対し、「ストレスを感じすぎる必要はない」とアドバイスした。現在のアントネッリについて「絶好調だ」と評価し、今やっていることをそのまま続ければいいと語った。

    20歳のアントネッリは今季ここまで8勝を挙げ、メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセルに81ポイント差をつけてランキング首位に立っている。

    8勝は、ラッセルがF1通算166戦で記録している7勝をすでに上回る数字だ。フェラーリのルイス・ハミルトンには101ポイント差をつけている。

    フェルスタッペン「キミは今やっていることを続ければいい」
    自身初のF1ワールドチャンピオン獲得へ近づいているアントネッリに何かアドバイスはあるかと尋ねられたフェルスタッペンは、若きイタリア人の現在の戦い方を高く評価した。

    「キミは今やっていることをそのまま続ければいい。素晴らしいし、本当にうまくいっている。あまりストレスを感じすぎる必要はないし、実際に彼がそうしているとも思わない」

    「彼はただ結果を出し続けている。自信もあるし、どんどん経験を積んでいる」

    「まだ若いし、キャリアも本当に始まったばかりだけど、今は絶好調だ。すべてがうまく機能している」

    フェルスタッペンは、タイトルを意識するあまり、それまで機能していたアプローチを変える必要はないと考えている。

    「だから、物事を複雑に考えすぎる必要はない。実際、彼はそうしていない。周囲には彼に何が必要なのかを理解している優秀な人たちがたくさんいる。だから、すべてがうまくいっている」

    マックス・フェルスタッペンとアンドレア・キミ・アントネッリ

    ヴォルフ「4度の王者と比較すべきではない」
    フェルスタッペンの発言は、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが繰り返してきた考えとも重なる。ヴォルフは、まだF1参戦2年目のアントネッリをフェルスタッペンのような実績ある王者と比較し、過度な期待を背負わせることに慎重な姿勢を示している。

    「4度のワールドチャンピオンと、F1参戦2年目で、まだ勝利数も一桁のドライバーを比較することはできない。それに、キミに過度なプレッシャーをかけるべきではない」

    またヴォルフは、タイトル争いの先頭に立ちながらアントネッリが冷静さを保っている理由として、その若さと生まれ持った気質を挙げた。

    「20歳という若さは彼にとって大きな助けになっている。このスポーツであと20年走ることだってできるし、これから非常に多くのチャンスがある」

    「彼は我々の期待も、自分自身の期待もはるかに上回っている。ただ流れに乗っているんだ。そこには遺伝的な要素もあると思う。生まれつき冷静な人間なのか、そうではないのかということだ」

    昨年の経験から「プレッシャーを受け入れる」
    アントネッリ自身も、F1でタイトルを争う重圧との向き合い方について語っている。

    ルーキーだった2025年には、ヨーロッパラウンドで苦しい時期を経験した。その経験を踏まえ、今季はプレッシャーから逃れようとするのではなく、受け入れることを意識しているという。

    「できる限りプレッシャーを受け入れるようにしている。昨年のヨーロッパラウンドのように、プレッシャーに自分を壊されたくないからだ」

    8勝を挙げてランキング首位を走るアントネッリに対し、4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンが伝えたのは、タイトルを意識して何かを変えるのではなく、現在のアプローチを貫くことだった。残るシーズンでアントネッリが重圧をどうコントロールするかも、初タイトル獲得に向けた焦点となる。

  • F1史上最多勝のPUメーカーランキング メルセデスがフェラーリに並ぶ251勝

    F1史上最多勝のPUメーカーランキング メルセデスがフェラーリに並ぶ251勝

    2026年F1スペインGPでアンドレア・キミ・アントネッリが勝利を飾ったことで、メルセデスはエンジン/パワーユニットメーカーとして通算251勝に到達。フェラーリと並び、F1史上最多勝の座に立った。

    1950年に始まったF1世界選手権では、数多くのエンジンメーカーが勝利を記録してきた。現在も参戦を続けるフェラーリやメルセデス、ホンダから、コスワース、コベントリー・クライマックス、BRMといった歴史的メーカーまで、通算勝利数トップ10を振り返る。

    1位タイ:フェラーリ 251勝
    フェラーリは1950年のF1世界選手権創設初年度から参戦し、現在まで一度もシーズンを欠場していない唯一のチームである。アルベルト・アスカリ、ニキ・ラウダ、ミハエル・シューマッハなど、数々の伝説的ドライバーとともに成功を築いてきた。

    フェラーリ製エンジンはこれまでに251勝を記録している。2026年F1イギリスGPではシャルル・ルクレールがフェラーリに通算250勝目をもたらした。

    ただし、エンジンメーカーとしての251勝にはフェラーリのワークスチーム以外で挙げた1勝も含まれる。2008年F1イタリアGPで、フェラーリエンジンを搭載していたトロロッソのセバスチャン・ベッテルが記録した初優勝である。

    フェラーリ自身のF1初勝利は1951年F1イギリスGPだった。「パンパスの雄牛」の異名を持つホセ・フロイラン・ゴンザレスがシルバーストンで勝利し、フェラーリの長大な成功の歴史をスタートさせた。

    1位タイ:メルセデス 251勝
    メルセデスがワークスチームとしてF1に参戦したのは当初1954年と1955年のわずか2シーズンだった。その後は長期間F1から離れたが、1990年代半ばにザウバーやマクラーレンへのエンジン供給という形で復帰。後にはブラウンGPやレーシングポイントなどもカスタマーとなった。

    最初のワークス活動ではファン・マヌエル・ファンジオが2度のドライバーズタイトルを獲得したが、現代におけるメルセデスの成功には、1998年と1999年に王者となったマクラーレンのミカ・ハッキネン、2009年王者となったブラウンGPのジェンソン・バトン、そして2010年から始まったメルセデスのワークス参戦が大きく貢献している。

    2010年にミハエル・シューマッハとニコ・ロズベルグを擁してコンストラクターとして復帰したメルセデスは、勝利まで2年を要し、最初のタイトル獲得まではさらに2年を必要とした。

    その頃にはルイス・ハミルトンが加入しており、ハミルトンだけでメルセデス製パワーユニットによる85勝を記録。そのほかロズベルグ、アントネッリ、バルテリ・ボッタス、ジョージ・ラッセルらも勝利数を積み重ねた。

    そして2026年F1スペインGPでアントネッリが優勝したことで、メルセデスは通算251勝に到達。フェラーリとF1史上最多勝で並んだ。

    3位:フォード・コスワース 176勝
    コスワースDFVは、F1史上最も成功したエンジンのひとつである。チーム・ロータス、ブラバム、ティレル、ウィリアムズなど数多くのチームに搭載され、DFVだけで155勝を記録した。

    1960年代から1980年代にかけて独自エンジンを持たないチームにとって、DFVは最も魅力的な選択肢だった。

    最初の勝利は1967年F1オランダGP。ジム・クラークがロータス49を駆り、8番グリッドから逆転優勝を飾った。その圧倒的な存在感を象徴するのが1969年と1973年で、両シーズンでは全レースをDFV搭載車が制している。

    ターボ時代への移行に伴ってフォード・コスワースも進化し、その後のエンジンでさらに21勝を追加。その大半をベネトンとマクラーレンが記録した。

    最後の勝利は2003年F1ブラジルGPで、ジョーダンを駆ったジャンカルロ・フィジケラが挙げたものだった。

    4位:ルノー 169勝
    F1におけるターボエンジンの歴史を語るうえでルノーは欠かせない。ターボを本格的に導入した先駆者であり、初期には信頼性不足に苦しんだ。最初の完走まで14レースを必要としたほどだった。

    転機となったのは1979年F1フランスGP。ジャン=ピエール・ジャブイーユがルノーに初勝利をもたらした。

    1981年にアラン・プロストが加入すると潜在能力がさらに引き出され、3年間で9勝を記録した。しかしプロストの離脱後はワークスチームとして勢いを失い、1986年に一度F1から撤退した。

    皮肉にも、ルノーがさらに大きな成功を収めたのはターボエンジンが禁止された1989年以降だった。ウィリアムズへのエンジン供給を開始し、その後はベネトンやレッドブル・レーシングとの提携によって勝利を積み重ね、最終的に169勝に到達した。

    ルノー製パワーユニットによる最後の勝利は、エステバン・オコンが制した2021年F1ハンガリーGPである。

    ルノーは2025年末で再びF1エンジン供給から撤退。アルピーヌは2026年の新レギュレーション導入に合わせてメルセデス製パワーユニットへ切り替えた。

    5位:ホンダ 89勝
    ホンダもルノーと同様、F1への参戦と撤退を繰り返してきたメーカーである。最初の参戦は1964年で、自社製シャシーとエンジンによるフルワークス体制を構築した。

    1965年F1メキシコGPではリッチー・ギンサーがホンダにF1初勝利をもたらした。

    その後、ホンダは市販車事業に集中するためF1から撤退したが、1983年にエンジンサプライヤーとして復帰。スピリット、ウィリアムズ、ロータス、マクラーレン、ティレルなどにエンジンを供給した。

    すべてのチームが同じレベルのワークス支援を受けたわけではなかったものの、ナイジェル・マンセル、ネルソン・ピケ、アイルトン・セナ、アラン・プロストらの活躍によって、ホンダエンジンはF1を代表する存在となった。

    その後、ホンダは再びF1から撤退。後にBARを買収してワークスチームとして復帰したものの、2008年の世界金融危機を背景に再度撤退し、チームはブラウンGPへと引き継がれた。

    そして2019年からはレッドブルとのパートナーシップで成功を収め、マックス・フェルスタッペンがV6ターボハイブリッド時代におけるホンダの初勝利を記録した。

    ホンダ名義での勝利数は最終的に89勝に到達。2021年F1アブダビGPが、この区分における最後の勝利となった。ただし、ホンダとF1の関係はそこで完全に終わったわけではなかった。

    6位:コベントリー・クライマックス 40勝
    コベントリー・クライマックスは20世紀初頭からエンジンを製造していたが、レーシングカーへの本格進出は1950年代だった。

    スターリング・モスが1958年F1アルゼンチンGPで初勝利を挙げたものの、当初の2リッターエンジンではライバルと継続的に戦うにはパワーが不足していた。

    状況が変わったのは1959年。2.5リッター仕様がジャック・ブラバムをワールドチャンピオンへ導いた。

    その後もロータス、クーパー、ブラバム、ローラなどで使用され、1958年から1965年までに40勝を記録した。

    最後の時期にも成功を収め、ジム・クラークは1965年F1ドイツGPでキャリア3度目にして最後のグランドスラムを達成し、そのシーズンのタイトルを獲得。3リッター規定の導入に伴ってコベントリー・クライマックスはモータースポーツの第一線から退いた。

    F1パワーユニット

    7位:ホンダRBPT 38勝
    フェルスタッペンが激闘の末に2021年のドライバーズタイトルを獲得したシーズンを最後に、ホンダはF1活動を終了した。しかし、レッドブルが独自のエンジン部門「レッドブル・パワートレインズ(RBPT)」へ移行するための支援は継続された。

    新たな契約のもと、レッドブル側がホンダのエンジンIPを引き継ぎ、2025年末までホンダが必要なサポートを提供する体制が構築された。

    この時期には近年のF1でも屈指の支配的シーズンとなった2023年が含まれる。レッドブルはこの年、わずか1戦を除いてすべてのグランプリで勝利し、860ポイントを獲得した。

    2024年と2025年は2023年ほど圧倒的ではなかったものの、「ホンダRBPT」名義では最終的に38勝を記録し、歴代7位となっている。

    8位:TAGポルシェ 25勝
    活動期間こそ短かったものの、TAGポルシェは極めて高い成功率を残した。1983年から1987年までマクラーレンが使用したこのエンジンは、ポルシェが開発し、TAGが資金を提供したものだった。

    当初は1984年のデビューが予定されていたが、ニキ・ラウダが事前テストの必要性を訴えたことで計画が前倒しされ、1983年F1オランダGPから実戦投入された。

    1984年の開幕戦ブラジルGPではプロストが勝利し、その年のドライバーズタイトルはチームメイトのラウダが獲得した。

    プロストとラウダを中心にTAGポルシェは合計25勝を記録。ウィリアムズと組んだホンダの高い競争力を受け、マクラーレンが1988年からホンダエンジンへ切り替えたことで、その役割を終えた。

    9位:BMW 20勝
    F1初期にもBMWの支援を受けたプライベート参戦は存在したが、メーカーとして本格的にF1へ参入したのは1980年代だった。ルノーのターボエンジンに対抗するため、BMWも独自のターボエンジンを投入した。

    当初はブラバムとの独占契約を巡って関係が不安定になったが、チーム代表のバーニー・エクレストンがBMWにチャンスを与えることを決断。その成果が1982年F1カナダGPで表れ、ネルソン・ピケがBMWエンジンに初勝利をもたらした。

    その後も勝利を重ねたが、1989年からのターボ禁止によってBMWの活動はいったん終了した。

    BMWは後にウィリアムズと提携してF1へ復帰。2000年からエンジンを供給し、より攻撃的に進化したパワーユニットによって2001年F1サンマリノGPで復帰後初勝利を記録した。

    2003年にはウィリアムズが継続的に勝利を争えるまでになったものの、シューマッハとフェラーリの強さを打ち破るには至らず、両者のパートナーシップは2005年を最後に終了した。

    その後、BMWはザウバーを買収してワークス参戦したが、この体制での勝利は2008年F1カナダGPにおけるロバート・クビサの1勝のみ。BMWは最終的にチームをペーター・ザウバーへ売却した。

    10位:BRM 18勝
    ブリティッシュ・レーシング・モータース(BRM)のF1参戦は、決して順調なスタートではなかった。野心的すぎるエンジン開発は期待された成果につながらず、長期間にわたって苦戦した。

    しかし開発が進むと、1959年F1オランダGPでヨアキム・ボニエがBRMに初勝利をもたらした。

    会社のパートナーだったアルフレッド・オーウェンは、結果が改善しなければプロジェクトそのものを中止すると警告し、元ロールス・ロイスのトニー・ラッドを主任開発エンジニアに昇格させた。

    この人事が転機となり、ラッドは長年チームを苦しめていた基本的な問題を解決。1962年にはグラハム・ヒルがドライバーズチャンピオンに輝いた。

    BRMはプライベーターへのエンジン販売も開始したが、その後は競争力が低下。1977年にF1から撤退するまでに18勝を記録した。その内訳はBRMワークスチームによる17勝と、チーム・ロータスによる1勝だった。

    F1エンジン/パワーユニットメーカー歴代勝利数トップ10
    1位タイ フェラーリ:251勝
    1位タイ メルセデス:251勝
    3位 フォード・コスワース:176勝
    4位 ルノー:169勝
    5位 ホンダ:89勝
    6位 コベントリー・クライマックス:40勝
    7位 ホンダRBPT:38勝
    8位 TAGポルシェ:25勝
    9位 BMW:20勝
    10位 BRM:18勝

    2026年F1スペインGPでメルセデスがフェラーリに追いついたことで、F1史上最多勝エンジン/パワーユニットメーカーの座は251勝で2社が並ぶ形となった。一方、日本メーカーではホンダが89勝で歴代5位に位置し、ホンダRBPTとして記録された38勝を含めれば、その技術がF1の勝利に関わってきた歴史はさらに大きなものとなる。

  • アイザック・ハジャー F1復帰を阻む手首骨折の負担 ロズベルグ「想像以上に過酷」

    アイザック・ハジャー F1復帰を阻む手首骨折の負担 ロズベルグ「想像以上に過酷」

    アイザック・ハジャーは、夏休み中のトレーニングで左手首を骨折して以来、レッドブル・レーシングのF1マシンに戻れていない。F1アゼルバイジャンGPでの復帰が期待されるなか、2016年F1王者のニコ・ロズベルグが、手首の負傷がF1ドライバーにとって特に厄介な理由を説明した。

    ハジャーは夏休み中に手首を負傷し、F1オランダGPを欠場。その後も復帰には至らず、イタリアGP、スペインGPと3戦連続で欠場した。

    レッドブルは「100%」を復帰の条件に
    スペインGPが行われたマドリンクで、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、ハジャーの状態と本人の感覚を最優先していると説明した。

    「簡単な判断だった。彼は100%だと感じていなかった。それが我々が用いた唯一の基準だ。100%なのか? そこから先の判断は簡単だった」

    「我々は常に、100%健康な状態での復帰を最優先すると言ってきた。それに基づいて判断した」

    レッドブルは現在、ハジャーが次戦F1アゼルバイジャンGPに出場できるまで回復することを期待している。

    最終的な判断を下す前にはシミュレーターを使用し、F1マシンをドライブする際にかかる身体的な負荷に耐えられるかを確認する予定だ。

    現時点でバクーでの復帰は確定していない。市街地コースであるバクーはコース脇にウォールが迫り、ミスをした際の衝撃も考慮する必要がある。

    ロズベルグ「手首を負傷した状態でF1を運転するのは本当にひどい」
    ロズベルグは、ハジャーの復帰に時間がかかっている理由について、F1マシン特有の身体的な負荷を挙げた。

    比較対象となるのがランス・ストロールだ。ストロールは2023年、サイクリング中の事故で右手首を骨折したものの、わずか2週間後にはF1マシンに復帰した。

    ただし、ストロールは2025年にも手首の問題を抱え、詳しい内容は明らかにされなかったものの、再び手術を受けてスペインGPを欠場している。

    「手首を負傷した状態で運転するのは本当にひどい」とロズベルグは語った。

    「数年前にランス・ストロールがやってのけたのを見た。信じられないことだった。でも、ダウンフォースによる負荷などを考えると、本当に過酷なんだ。彼は痛みを乗り越えて走っていて、みんなが驚いていた」

    特に大きな問題になるのがブレーキングだという。ドライバーは減速時に大きな前後方向のGを受け、その力に対抗するためステアリングを強く支える必要がある。

    「そして、あまり考えないかもしれないけど、ブレーキングでは身体がシートベルトに対して前方へ押し出される」

    「そこでステアリングを使って身体を支えなければならない。そうしなければ身体が前へ行ってしまうし、当然ながらシートベルトだけに身体を預けたくはない」

    「だからステアリングにものすごく強い力をかけなければならない。でも、手首を骨折していたらそれはできない。痛みがあまりにも強すぎるからだ」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    バクー復帰はシミュレーターで最終判断
    F1スペインGPの週末にはハジャー本人もマドリンクを訪れていたが、負傷の回復状況について公の場ではコメントしなかった。レッドブルはメディアに対し、ハジャーの負傷について本人へ質問しないよう求めていた。

    一方、メキースは回復そのものに問題はなく、この種の負傷として通常の経過をたどっていると説明している。

    「アイザックの回復には何の問題もない。この種の負傷として、基本的には通常の回復期間だと理解している」

    「だから我々は同じアプローチを続ける。バクーに向けて状態を評価し、彼がどう感じているかを確認したうえでシミュレーターに乗せ、実際に近い負荷をかける」

    「100%に近いと感じられれば、挑戦する。まだ回復が完了していないと本人が感じるのであれば、我々はこれまでの方針を貫き、回復を最優先する」

    ハジャーにとって重要なのは、単に骨折箇所が回復することだけではない。強烈なブレーキングやステアリング操作を繰り返しても痛みなく走り切れる状態まで戻す必要がある。レッドブルはシミュレーターでその状態を確認したうえで、F1アゼルバイジャンGPでの復帰可否を決めることになる。

  • キミ・アントネッリ F1スペインGP勝利を呼んだメルセデスの「秘密の暗号」

    キミ・アントネッリ F1スペインGP勝利を呼んだメルセデスの「秘密の暗号」

    F1スペインGPでアンドレア・キミ・アントネッリが挙げた勝利の裏には、メルセデスがVirtual Safety Car(VSC)の発動を見越して使った「秘密の暗号」があった。わずか1秒ほどの時間を稼ぐための事前準備とドライバーの対応が、マドリンクでの勝敗を左右した。

    アントネッリの勝利にはVSCという幸運が味方したことは間違いない。しかし、単純にタイミングに恵まれただけではなかった。

    メルセデスはランス・ストロールのマシンがストップした直後からVSCの可能性を予測し、アントネッリに通常以上にペースを落とさせていた。

    VSC発動前にアントネッリが稼いだ「1秒」
    決定的な場面は14周目だった。レースエンジニアから黄旗について知らされたアントネッリは、ターン18からターン20にかけて意図的にペースを落とし、VSCが発動された場合に備えた。

    13周目と比較すると、アントネッリはターン19を29km/h低い速度で通過。ストロールのマシンが止まっていたターン20のブレーキングポイントにも24km/h低い速度で到達しており、かなり早い段階でアクセルを戻していた。

    同じ黄旗区間でマックス・フェルスタッペンは、ターン19をアントネッリより15km/h速く通過。ターン20のブレーキングポイントでも18km/h速く、アクセルを戻したタイミングもアントネッリより遅かった。

    さらにアントネッリは、黄旗区間を抜けてグリーンフラッグが提示された後も、すぐには加速しなかった。

    メルセデスのピットウォールでは、正式なVSC発動前からレースがニュートラル化される可能性が高いと判断していた。その情報をレースエンジニアのピーター・ボニントン、通称“ボノ”がアントネッリへ伝えていた。

    メルセデスが使った「秘密の暗号」
    メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、チームがこうした状況に備えてドライバーとの間にコードを設定していることを明かした。

    「レース中にセーフティカーが出た場合、ピットに入る可能性があることをドライバーに知らせるため、我々は秘密のコードを使っている」

    「ただ、他のチームにそのコードが何を意味するのか知られないようにしている。そのため、毎週変更している」

    今回も、そのコードが重要な役割を果たした。

    「黄旗が出て、ボノがそれを確認した。キミは実際に少しペースを落とし、さらに1秒ほど稼いだ。おそらく……それがなくてもピットには入れたと思う。ただ、その1秒によって可能になった」

    「彼のオンボードを見れば分かるが、キミにとってピットに入るのは決して簡単ではなかった。そして彼が自分のピットボックスに止まろうとしているまさにその瞬間、タイヤが運ばれてきていた。あの短い時間の中で実行するのは難しいピットストップだった」

    アントネッリはVSCが発動された時点ですでにピット入口のすぐ近くまで来ていた。

    仮に事前に稼いだ約1秒がなかったとしても、白線を越える直前でピットへ飛び込めた可能性はある。しかし、そのわずかな余裕によってアントネッリには判断する時間が生まれ、同時にメルセデス側もピットストップの準備を整えることができた。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    わずか50秒でドライバーとピットが連動
    黄旗が提示されてからVSCが正式に発動されるまでは35秒。そしてVSC発動からアントネッリがメルセデスのピットボックスに到着するまでは、さらに15秒しかなかった。

    しかも、チームがしなければならなかったのはアントネッリをピットへ呼び込むことだけではない。

    交換用タイヤを用意し、メカニックを配置する必要があり、さらにメルセデスはアントネッリだけでなくジョージ・ラッセルもピットインさせることを決断していた。メカニックにも早い段階で準備の指示が出されていたことになる。

    ショブリンは、こうした状況を想定した準備は決勝日の朝から行われていたと説明する。

    「日曜の朝は、どんなインシデントが起きても対応できるようにすることに集中していた。レースの各段階でVSCやセーフティカーが出た場合に何をするのか、それを確実に把握しておく。これは普通のことで、すべてのチームが同じようにやっている」

    ただし、事前に戦略を決めていても、実際にその状況が訪れた際に迷いが生じることはあるという。

    「計画があったとしても、『本当にこれをやるのか?』というような議論が生じる状況はある」

    「今回良かったのは、きちんと計画があったことだ。キミは自分がVSCのウインドウに入っていることを分かっていた。そしてインシデントが起きると、ボノがすぐにそれを確認した」

    追い抜きが極めて難しいマドリンクでは、このVSCを利用したピットストップがレースの流れを大きく変えた。アントネッリはミディアムからハードへ交換して実質的な首位に浮上し、そのままF1スペインGP優勝につなげた。

    VSCという偶然の要素だけでなく、その発動を予測したピットウォール、暗号を理解して即座にペースを調整したアントネッリ、そして短時間でタイヤを準備したメカニックまで、メルセデスの一連の連携が勝利を引き寄せる重要な要素となった。

  • シャルル・ルクレール 大クラッシュでフェラーリF1新型PU損傷の懸念「まだ確認中」

    シャルル・ルクレール 大クラッシュでフェラーリF1新型PU損傷の懸念「まだ確認中」

    シャルル・ルクレールは、F1イタリアGPでの大クラッシュに巻き込まれたフェラーリのアップグレード版パワーユニット(PU)について、再使用できることを願っていると明かした。

    モンツァで行われた決勝の2周目、ルクレールはパラボリカで激しくクラッシュ。フェラーリのマシンは大破し、レースは赤旗中断となった。

    事故の衝撃はPUにも及んでおり、フェラーリは現在もその状態を詳しく調査している。

    アップグレード版PUをフェラーリが継続調査
    ルクレールはフェラーリのホームレースとなったモンツァで、ADUOによるアップグレードが施された新仕様のPUを初めて投入していた。

    しかし、大クラッシュから1週間後にマドリンクで開催されたF1スペインGPでは、このPUはマシンに搭載されなかった。フェラーリのエンジニアは現在もユニットを再使用できるかどうか評価を続けている。

    もし修復不能と判断された場合、ルクレールはADUOアップグレード仕様の新たなPUコンポーネントを投入する必要があり、年間使用基数の上限を超えることでグリッド降格ペナルティを受ける可能性がある。

    ルクレールはRacingNews365を含むメディアからPUの状況について質問され、次のように答えた。

    「現時点で僕が知っている限りでは、まだチェックしているところだ。どうなるか見てみよう」

    「つまり、僕にもまだ分からない。もし救うことができれば、それは素晴らしいことだ」

    「できなければ、おそらくどこかの段階でペナルティを受けることになるだろう」

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    ルクレールが指摘するフェラーリF1の課題
    ルクレールはフェラーリのPU全体についても言及し、決勝でより良い結果を得るためには、予選での1周のパフォーマンスを改善する必要があると指摘した。

    「間違いなく僕たちのマシンはレースでは強いと思う。でも、予選でもっとパフォーマンスを引き出す方法を理解する必要がある」

    「デプロイメントについては、日曜日より土曜日の方がさらに苦戦していると感じている。それについて、すぐに使える解決策がないことも分かっている」

    「それでも、土曜日に少しでもパフォーマンスを上げるためにできることがあれば、それは決勝の結果にとって非常に大きな助けになる」

    モンツァで投入したばかりのアップグレード版PUを失えば、ルクレールにとって今後のF1シーズンを戦ううえでグリッド降格という新たな問題につながる。フェラーリがクラッシュしたユニットを再使用できる状態まで回復させられるかが焦点となる。