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  • アービッド・リンドブラッド F1ルーキーとして攻めの姿勢「ミスは許されている」

    アービッド・リンドブラッド F1ルーキーとして攻めの姿勢「ミスは許されている」

    レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドは、F1スペインGPのフリー走行で喫したクラッシュについて、「ミスをすることは許されている」と語り、ルーキーとして限界を追求する過程では避けられないものだと強調した。

    リンドブラッドはマドリンクで行われたFP2で4番手タイムを記録したものの、ターン13でクラッシュ。マシン右側にダメージを負い、その影響でFP3のほぼすべてを失った。それでも予選では10番手に入り、今季14戦で10度目となるQ3進出を果たした。

    FP2クラッシュで失った自信
    リンドブラッドは、ストリートサーキットで重要となる自信をクラッシュによって大きく失ったと振り返った。

    「かなり自信を失った。ストリートサーキットでは自信がすごく重要だし、FP3もほぼ全部走れなかった。予選でも満足できる状態ではなかったけど、なんとか1周をまとめてQ3に入ることができた」

    「クラッシュがなければ、予選までの流れはまったく違っていたと思うし、もっと満足できる状態で臨めていたはずだ」

    一方で、自身のミスを必要以上に引きずるつもりはないという。

    「これは学ばなければならないことだ。でも結局のところ、クラッシュしたからといって自分を責め続けるつもりはない。こういうことは避けられないからね」

    「今年はずっと限界まで攻めてきたし、速さもあった。今季10回目のQ3進出だった」

    「僕にはミスをすることも許されている。そして、そこから学んでいく」

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    逆境から立て直す力に自信
    スペインGP決勝では9位に入り、ルーキーシーズン9度目のポイント獲得を果たした。カナダGPでDNSとなって以降では、直近9戦のうち8戦で入賞している。今季最高位はF1モナコGPで記録した6位だ。

    リンドブラッドは、今回の週末でもトラブルのあとに立て直す力を示せたことを前向きに捉えている。

    「良かったと思う。今年ずっと示してきたことだけど、状況が難しくなっても僕は立て直すことができる。それを今回も示せたと思う」

    「日本でもそうだったし、ブダペストでも問題があった。今回も同じだった。ただ、今回はもう少し僕自身のミスだったけどね」

    「それでも、そこから立て直せたことには満足している。簡単ではなかった」

    リンドブラッドはF1参戦初年度ながら、14戦で10度のQ3進出と9度の入賞を記録している。マドリンクでのクラッシュは週末の流れを大きく損なったものの、その後に予選10番手、決勝9位まで挽回したことを、自身の成長を示す経験として受け止めている。

  • ホンダF1 フェルナンド・アロンソのマドリンクでの検証を経て開発方針を転換

    ホンダF1 フェルナンド・アロンソのマドリンクでの検証を経て開発方針を転換

    ホンダF1は、2026年型パワーユニット(PU)の開発で重要な段階をクリアしたとみている。第2仕様PUの投入後に課題となっていたドライバビリティの改善が進み、今後は純粋なパフォーマンス向上へ開発の重点を移す方針だ。

    F1スペインGPではアストンマーティン・ホンダが再び厳しい週末を過ごしたものの、ホンダF1はマドリンクで収集したデータに前向きな兆候を確認。フェルナンド・アロンソが決勝中に行った複数のテストも、開発の方向性が正しいことを裏付ける材料になったという。

    第2仕様PUのドライバビリティ改善に手応え
    ホンダF1はF1オランダGPで第2仕様のパワーユニットを投入し、アストンマーティンAMR26のパフォーマンス改善を図った。

    ザントフォールトではアロンソが9位に入り、アストンマーティンとホンダのパートナーシップ開始後では当時のベストリザルトを記録した。しかし、その後のモンツァでは、エンジンパワーへの要求が特に高いサーキット特性によってアストンマーティン・ホンダは大きく苦戦した。

    初開催となったマドリンクでのF1スペインGPでも、チームはポイントに届かなかった。アロンソは優勝者から2周遅れの17位でフィニッシュし、ランス・ストロールはブレーキペダルの問題によってリタイアした。

    ストロールにとっては週末を通じて厳しい展開だった。アストンマーティンはパワーユニット交換を決断したため、ストロールは40グリッド降格ペナルティを抱えて予選を迎えたが、AMR26に水圧の問題が発生し、タイムを記録できなかった。それでもFIAスチュワードから決勝への出走を許可された。

    結果だけを見れば、ホンダF1にとって満足できるF1スペインGPではなかった。しかし、パワーユニット開発という観点では重要な前進があった。

    第2仕様PUの投入時、アロンソはそのドライバビリティと扱いやすさについて懸念を示しており、この部分ではホンダが事実上「振り出しに戻った」と感じるほどだった。

    それから3戦を経て、ホンダF1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、この問題について十分な改善が進み、今後はより多くのリソースをパフォーマンス向上に振り向けられる段階に入ったと説明した。

    「マドリードの結果は我々が望んでいたものではありませんが、今後のレースに向けて、そこから得られる学びや改善点をしっかり確認する必要があります」

    「過去3戦を通じて、F1オランダGPで投入した第2仕様パワーユニットのドライバビリティを改善してきました。その問題を軽減できたことで、これからはパフォーマンス面に集中できるようになります」

    アロンソが決勝中にエンジン設定を検証
    ホンダF1の取り組みはマドリンクでも続けられた。折原伸太郎によれば、週末を通じてパワーユニットのキャリブレーションを変更し、その効果をセッションごとのデータで確認していったという。

    「例えば今週末も、その部分を改善するためにいくつかのキャリブレーションを変更しました。セッションを重ねるごとに、データから良い兆候を確認することができました」

    「フェルナンドも決勝中に別のテストを行い、それを確認してくれました。これは我々全員にとって、正しい方向に進んでいることを示すものです」

    アストンマーティン・ホンダにとってF1スペインGPの決勝はポイント争いから大きく離れた展開となったが、その状況を逆に利用して、パワーユニットに関するさまざまな検証を実施した。

    アロンソ自身も、マドリンクでレース終盤まで異なるエンジン設定やエネルギーのデプロイメント戦略を試し、今後につながるデータ収集を続けていたことを明らかにしている。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    バクーはパワーユニットの新たな試金石
    一方、次戦F1アゼルバイジャンGPは、ホンダF1にとって現在地を測る新たなテストとなる。

    バクー市街地サーキットはパワーユニットへの要求が非常に高く、約2.2kmに及ぶ長い全開区間を持つ。最高速とエンジンパワーがラップタイムに大きく影響するため、モンツァに続いてホンダF1のパワーユニット性能が明確に試される舞台となる。

    アロンソは、バクーでも再び厳しい週末になる可能性について問われたが、先を決めつけることはせず、1戦ずつ取り組む姿勢を強調した。

    「週末ごとに進んでいかなければならない」

    「ザントフォールトのようにポイントを獲得できる可能性が少しでもあれば、それを生かさなければならない。でも、難しくなることは分かっている」

    さらにアロンソは、結果を狙うだけでなく、2026年シーズン終盤までパワーユニットとマシンへの理解を深め続ける必要があると語った。

    「学び続けなければならない。マドリードでも争えるものは何もなかったけど、いろいろなことを試した。異なるエンジン設定や、最後の数周ではデプロイメント戦略も試して、学習のプロセスを続けた。それをシーズン終了まで続けなければならない」

    第2仕様PU投入後の大きな課題だったドライバビリティについて、ホンダF1は改善に手応えを得た。マドリンクでアロンソが行った実走テストでもデータとの相関が確認され、開発の焦点はいよいよ純粋なパフォーマンス向上へと移る。次戦バクーは、その進歩がどこまで結果につながるかを測る重要な機会となる。

  • キャデラックF1筆頭オーナーに集団訴訟 詐欺的隠蔽など複数の疑惑

    キャデラックF1筆頭オーナーに集団訴訟 詐欺的隠蔽など複数の疑惑

    キャデラックF1チームの筆頭株主であるTWGグローバルのオーナー、マーク・ウォルターが、詐欺的隠蔽、契約違反、詐欺の幇助、民事共謀などを主張する集団訴訟に直面している。

    訴訟は米フロリダ州南部地区連邦地方裁判所に提起されたもので、ウォルター本人だけでなく、デラウェア・ライフ・インシュアランス・カンパニー、グループ1001、TWGグローバル、グッゲンハイム・パートナーズなども被告として名を連ねている。

    保険会社の資産配分をめぐり「組織的な隠蔽」を主張
    訴訟は法律事務所ロビンス・ゲラー・ラドマン&ダウドが、マイアミ在住の67歳、アイラ・ロズナーを代表して提起したもので、デラウェア・ライフを通じて購入された年金保険をめぐる問題が中心となっている。

    USA Todayによると、訴状ではウォルターと被告企業が「ウォルターと関係する、あるいはウォルターが支配する事業体への保険会社資産の配分について、隠蔽および虚偽表示を行う組織的な計画」を実行したと主張している。

    訴訟の焦点のひとつとなっているのが、ウォルターが率いるインディアナ州拠点のグループ1001をめぐる情報開示である。

    訴状では、デラウェア・ライフが2月に大陪審から召喚状を受け取っていたにもかかわらず、グループ1001が6月に規制当局への開示が義務付けられるまで、その事実を意図的に公表しなかったと主張している。

    さらに、デラウェア・ライフの投資資産のうち、関連当事者への投資として開示されていたのは約3%にすぎなかった一方で、訴状では「実際の数字はその1,000%以上だった」としている。

    これらはいずれも訴訟を提起した原告側の主張であり、現時点で裁判所が事実として認定したものではない。

    TWGグローバルはキャデラックF1の筆頭株主
    ウォルター率いるTWGグローバルは近年、モータースポーツへの関与を急速に拡大している。その中心となっているのがTWGモータースポーツで、キャデラックF1チームを運営する事業体でもある。

    キャデラックはTWGモータースポーツとゼネラルモーターズ(GM)のパートナーシップによって2026年にF1へ参戦。11番目のコンストラクターとしてグリッドに加わり、ウォルターはチームの筆頭株主となっている。

    F1参戦初年度となる2026年は、セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスをレースドライバーに起用。周冠宇がリザーブドライバーを務め、コルトン・ハータもテストドライバーとしてチームに加わっている。

    また、先月グレアム・ロードンの後任としてマルチン・ブドコウスキーがチーム代表に就任し、日々のレース活動を統括している。

    キャデラックF1売却の可能性は否定
    ウォルター個人をめぐる法的および規制上の問題が注目を集めたことで、TWGモータースポーツがキャデラックF1への出資を見直すのではないかとの憶測も浮上している。

    しかし、TWGモータースポーツはキャデラックF1チームについて売却する意思はなく、保有する株式から撤退する考えもないと公に表明している。

    今回の訴訟はキャデラックF1チームの活動そのものを対象としたものではなく、ウォルターやTWGグローバルなどを被告として、保険会社の資産運用や情報開示をめぐって提起されたものだ。今後の訴訟の進展とともに、モータースポーツ界で存在感を強めるTWGグループへの影響も注目される。

  • シャルル・ルクレール F1最終戦イモラ開催を示唆「年末にまた会えたら」

    シャルル・ルクレール F1最終戦イモラ開催を示唆「年末にまた会えたら」

    F1の2026年シーズン終盤を巡る不透明な状況のなか、シャルル・ルクレールがイモラで発した一言が注目を集めている。カタールGPとアブダビGPの開催に不確実性が残るなか、イモラが12月6日に最終戦を開催する候補地として浮上している。

    フェラーリのルクレールは、ピレリの2027年用タイヤテストに参加する前日の月曜日、エミリア・ロマーニャ州を訪問。2023年の洪水被害からの復興を支援する施設の開所式に出席し、その最後に「年末にまたここで皆さんに会えたらと思う」と意味深な言葉を残した。

    2023年の洪水被害からの復興を支援
    ルクレールは月曜日、イモラ近郊のスパッツァーテ・サッサテッリを訪れ、新たに完成した多目的市民センターの開所式に出席した。

    この施設には、2023年にエミリア・ロマーニャ州を襲った洪水を受け、ルクレールが実施したチャリティーオークションによって集められた資金も投入されている。

    ルクレールは、大きな被害を受けた当時を振り返り、この地域への思いを語った。

    「2023年、僕が大好きなこのエミリア・ロマーニャという地域が、あれほど大きな被害を受けるのを見て、本当に胸が痛んだ」

    一方で、災害に直面した地元住民の結束についても強く印象に残っているという。

    「みんなが信じられないほど団結していた。それが本当に大きな助けになったと思う」

    さらに、自身が復興活動に貢献できたことについて次のように続けた。

    「僕としては、とても大切に思っているこの地域に、少しでも何かを残すことができてうれしい」

    「年末にまたここで会えたら」意味深な一言
    しかし、現在のF1カレンダーを巡る状況を考えると、最も注目を集めたのはルクレールが最後に口にした言葉だった。

    「そして、年末にまたここで皆さんに会えたらと思う」

    この発言は、イモラが2026年F1シーズン最終戦の開催地になる可能性が取り沙汰されているタイミングで飛び出した。

    現行カレンダーでは、シーズン終盤にカタールGPとアブダビGPが予定されている。しかし、両レースの開催には依然として不確実性があり、F1はシーズン終盤の日程を変更する複数のシナリオを検討しているとされる。

    仮にカタールGPとアブダビGPがカレンダーから外れることになった場合、その代替として最終戦を開催する候補地に繰り返し名前が挙がっているのがイモラだ。開催日は12月6日になるとみられている。

    イモラ・サーキット

    F1チームはすでにイモラ周辺のホテルを確保か
    もちろん、ルクレールの発言だけでイモラ開催が正式に決まったと判断することはできない。

    ただし、パドックではすでに公然の秘密に近い状況になっているとも伝えられており、F1と各チームはイモラ周辺のホテルの大部分をすでに確保しているという。

    そうした状況を踏まえれば、ルクレールの「年末にまたここで会えたら」という言葉が注目を集めたのも不思議ではない。

    フェラーリはピレリの2027年タイヤをイモラでテスト
    偶然にもフェラーリは翌日、イモラ・サーキットで走行を行った。

    ルクレールとルイス・ハミルトンがフェラーリのマシンをドライブし、ピレリが実施した2027年F1シーズン向けタイヤの開発テストに参加した。

    ただし、このテストと12月のF1開催の可能性に直接的な関係はない。ピレリのテストはカレンダー変更を巡る議論とは別に、以前から予定されていたものだ。

    それでも、シーズン終盤にイモラでレースが開催されることになれば、直前に同地で走行経験を積めたことはフェラーリにとって一定のメリットとなる可能性がある。同じくイモラでピレリのテストを行うレーシングブルズにも同様のことが言える。

    カタールGPとアブダビGPの扱いを含め、2026年F1シーズン終盤の日程はまだ正式に確定していない。しかし、イモラが12月6日の最終戦候補として浮上するなか、ルクレールが地元で残した「年末にまたここで会えたら」という一言は、その可能性をさらに意識させるものとなった。

  • 角田裕毅 F1シート喪失時のヘルムート・マルコを回想「彼もかなり落胆していた」

    角田裕毅 F1シート喪失時のヘルムート・マルコを回想「彼もかなり落胆していた」

    角田裕毅が、2025年限りでF1のレギュラーシートを失うことをヘルムート・マルコから直接告げられた当時を振り返った。長年にわたって自身のキャリアを支えてきたマルコも、その決定に「かなり落胆していた」という。

    2021年にアルファタウリからF1デビューを果たした角田裕毅にとって、マルコは単なるレッドブルのモータースポーツアドバイザーではない。17歳の頃から自身を見いだし、レッドブル・ジュニアチーム、そしてF1へと導いた人物だった。

    マルコ本人から告げられたF1シート喪失
    角田裕毅は2025年、開幕時にはレーシングブルズから参戦していたが、リアム・ローソンがわずか2戦でレッドブル・レーシングのシートを失ったことで、第3戦からその後任として昇格した。

    しかし、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして苦戦を強いられ、レッドブルで獲得したポイントは30点にとどまった。シーズン終了後、チームは2026年にアイザック・ハジャーを昇格させることを決定。角田はレギュラーシートを失うことになった。

    『Beyond The Grid』で角田裕毅は、その決定をマルコ本人から直接伝えられたと明かした。

    「今でもその瞬間を覚えています。僕に直接伝えたのはヘルムートでした」

    「ヘルムートは僕をF1に連れてきてくれた人ですし、その前にレッドブルのジュニアプログラムにも入れてくれた人です。17歳の頃からずっと一緒でした」

    レッドブルの若手育成を長年率いてきたマルコと角田の関係は、F1に昇格する以前から続いていた。それだけに、レギュラーシート喪失を告げる場面では、マルコ自身にも複雑な感情があったという。

    「そのとき、彼もかなり落胆していたのを覚えています。そして、それを伝えられたとき、僕自身はそこまで大きな落胆とか、打ちのめされたような感覚はありませんでした」

    「2025年はこれまで以上に戦った」
    もちろん、角田裕毅にとってF1シートを失うことが何でもなかったわけではない。ただ、その結末はある程度予想していたという。

    「もちろん、翌年にレースをできないことには落胆していましたし、かなり悲しかったです。でも、予想していなかったわけではありませんでした。なぜなのかは分からないですけど、何となく……」

    角田は2025年を、自身のキャリアの中でも特に厳しく戦ったシーズンだったと振り返る。

    「本当に懸命に戦いました。2025年は、それまで以上に戦ったと思います。今振り返っても、それほど後悔はありません。すべてを出し切りました」

    「もちろん、カタールで聞かされた結果は僕が望んでいたものではありません。でも、本当にすべてを出し切ったので、それが結果なのであれば、受け入れなければならないと思いました」

    角田にとって重要だったのは、結果そのものだけではなく、自分にできることをやり切ったという感覚だった。レッドブルではフェルスタッペンとの差に苦しみ、厳しい評価にもさらされたが、それでも2025年を振り返って大きな後悔はないと語っている。

    角田裕毅(レッドブル・レーシング)

    ハース移籍の可能性も実現せず
    角田裕毅は2026年もF1に残ることを望み、ハースから関心を寄せられていた。しかし当時、レッドブル側が翌年のドライバーラインアップをまだ確定させていなかったこともあり、移籍は実現しなかった。

    結果として角田は2026年をレッドブル・レーシングのリザーブドライバーとしてスタートした。

    それでも、F1への道が完全に閉ざされたわけではなかった。夏休み中に手首を負傷したアイザック・ハジャーが欠場したことでドライバーの入れ替えが発生し、リアム・ローソンがレッドブル・レーシングへ移動。角田はレーシングブルズからF1復帰を果たした。

    ザントフォールト、モンツァ、マドリンクでのF1スペインGPと3戦に出場し、再びグリッド上で自身の力を示す機会を得た。

    2027年のF1シート獲得を目指す角田裕毅
    一度はレギュラーシートを失った角田裕毅だが、F1でのキャリアを終える考えはない。

    2026年の代役参戦を経て、現在は2027年のレギュラーシート獲得を目指している。レッドブル陣営での今後だけでなく、他チームの候補としても名前が取り沙汰されており、キャデラックのシートをめぐる動向でも候補のひとりとして報じられている。

    17歳の頃から自身を支え、F1への道を開いたマルコから告げられた2025年末のシート喪失。角田裕毅にとって厳しい瞬間だったことは間違いないが、「すべてを出し切った」と振り返るその経験を経て、現在は再びF1のレギュラーシートを取り戻すことに照準を合わせている。

  • ランド・ノリス F1モナコGP初スプリントに警戒「1回の練習で即予選は挑戦」

    ランド・ノリス F1モナコGP初スプリントに警戒「1回の練習で即予選は挑戦」

    ランド・ノリスは、2027年F1モナコGPで初めて導入されるスプリントについて、わずか1回のフリー走行からすぐに予選へ臨むことが最大の難しさになると指摘した。

    2027年のF1カレンダーでは全24戦のうち10大会でスプリントが実施され、モナコGPも初めて対象に加わる。通常以上に準備時間が限られるモンテカルロでは、ドライバーがどこまで早い段階から限界に迫れるかが重要になりそうだ。

    FP1から即予選「モナコではおそらく前例がない」
    モナコGPにスプリントが導入される理由のひとつとして、週末に2回の予選セッションを設けられることが挙げられる。オーバーテイクが難しいモナコでは、予選が週末最大の見どころになることも少なくない。

    一方、スプリントフォーマットでは、金曜日のスプリント予選までにドライバーが走行できるフリー走行は60分間のFP1だけとなる。通常のグランプリでは3回のフリー走行を経て予選に臨むため、その違いは大きい。

    2025年F1モナコGPの勝者であるノリスも、この点に真っ先に注目した。

    「興味深いね。面白そうだ」

    ノリスはSky Sports F1にそう語り、続けた。

    「一番大きいのは、金曜日にFP1をやって、そのまま予選になることだと思う。そこがチャレンジだ。それに、日曜日のレースでもスプリントでも、当然それほど多くのことは起こらない」

    「でも、チャレンジになるのは、フリー走行が1回しかなくて、そのまま予選に入ることだと思う。モナコでは、おそらくこれまで一度もなかったことじゃないかな」

    ランド・ノリス(マクラーレン) モナコグランプリ

    限界を探る時間なし リスクとリターンの判断が鍵
    モナコの予選では、リスクとリターンをどのようにバランスさせるかがドライバーの技量を測る大きな要素となる。

    市街地コースでは限界を超えれば即座にウォールへの接触につながる。その一方で、予選では限界まで攻めなければ上位グリッドを獲得できない。

    スプリント導入によって準備時間が減れば、その判断はさらに難しくなるとノリスは考えている。

    「今年のデータにこれまで以上に頼ることになるだろうし、もちろん僕たちドライバーにとってはさらに難しくなる」

    「徐々にペースを上げていくための時間があまりない。だから、おそらくもっと早い段階から少しリスクを取らなければならなくなる」

    「そこでドライバーによる違いがもっと見えるかもしれない。快適なところまで持っていって、いろいろ試して99%で走る人と、103%や104%まで行こうとする人の違いだ」

    「モナコでは、その限界を超えてしまったらゲームオーバーだからね」

    モナコでは通常でも、ドライバーがセッションを重ねながらマシンとコースへの自信を高め、予選で限界に迫っていく。2027年はその準備がわずか60分に圧縮されることになり、初のスプリント開催はモナコ特有のリスクと予選の重要性をさらに際立たせる週末となりそうだ。

  • フェルナンド・アロンソ ホンダF1のPU問題に不満「エンジンは非常に悪かった」

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1のPU問題に不満「エンジンは非常に悪かった」

    フェルナンド・アロンソは、F1スペインGPの決勝でホンダF1のパワーユニット(PU)に深刻な問題を抱えたとして、アストンマーティンに原因を詳しく調査するよう求めた。

    マドリンクで行われた決勝で、アロンソは優勝したアンドレア・キミ・アントネッリから2周遅れの17位でフィニッシュ。レース後には「今日のエンジンは非常に悪かった」と語り、特にブースト制御や低速からのパワー回復に問題があったことを明かした。

    アロンソ「エンジンは非常に悪かった」
    アストンマーティンは、パワー不足が課題となっているホンダF1のPUにとって高速のモンツァでは苦戦を予想していた。一方、初開催となったマドリンクでのF1スペインGPは、チームにとって未知数の部分が多い週末だった。

    ザントフォールトでポイントを獲得した勢いを再現することはできず、アロンソは17位。決勝ではホンダF1のPUに複数の問題を感じていたという。

    「今日のエンジンは非常に悪かった。ブーストコントロールが難しかったと思うし、ピットストップでは危うくエンストしそうになった」

    「ブルーフラッグで他のマシンを先に行かせるために減速したときも同じだった。その後、エンジンがなかなか回復してくれなかったので、ブルーフラッグのたびにかなりタイムを失っていた」

    「何が起きていたのか分析する必要がある」

    ホンダF1はスペインGP後、ドライバビリティ面で十分な進歩を遂げたことで、今後はPUのパフォーマンス向上に全面的に集中できる段階に入ったとの認識を示している。しかし、今回アロンソが訴えた症状については、アストンマーティンとホンダF1にとって新たな検証項目となる。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) ホンダF1

    ストロールはデブリでダウンフォースを大幅に喪失
    一方、もう1台のアストンマーティンAMR26を駆るランス・ストロールは完走できなかった。

    ストロールはスタート直後にデブリを踏み、その影響で大幅なダウンフォースを失ったと説明。さらにレース中にはブレーキペダルが奥まで入る問題も発生し、エスケープロードでマシンを動かせなくなったことでリタイアを余儀なくされた。

    「1周目の後にダメージがあった。デブリに当たって、40~50ポイントくらいのダウンフォースを失った」

    「それからレース中にブレーキの問題も出た。ペダルがものすごく奥まで入るようになって、それでロックアップした。長いブレーキペダルの問題があって、ダメージもあった」

    「マシンの向きを変えようとしたけど、回転させるだけのパワーがなかった。そこから僕たちのレースは徐々に悪化していった」

    マドリンクではフェラーリのルイス・ハミルトンも同様にブレーキペダルが長くなる症状を訴え、最終的にリタイアしている。

    ストロールは予選でも水圧系の問題が疑われるトラブルによってタイムを記録できなかった。また、アストンマーティンがPUを交換したことで40グリッド降格ペナルティを抱えており、今回が今季9度目のリタイアとなった。

    「大幅にパワーが足りず、信頼性の問題もあって、ダウンフォースも望んでいるレベルに達していない。そういう状況なら、常に難しくなる」

    「これらすべてを改善するまでは、厳しい状況が続くだろう」

    アストンマーティンは現在、コンストラクターズ選手権で3ポイントの最下位10位。ホンダF1がPUのパフォーマンス開発へ重点を移すなか、アロンソがマドリンクで経験したブースト制御とパワー回復の問題についても、原因究明が急がれる。

  • メルセデスF1代表 アントネッリの攻撃性に苦笑「この白髪は彼のせい」

    メルセデスF1代表 アントネッリの攻撃性に苦笑「この白髪は彼のせい」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、2026年F1タイトル争いで大きなリードを築くアンドレア・キミ・アントネッリについて、その速さを生み出している攻撃性に苦笑しつつ、シーズン終盤には予想外の出来事によって状況が一変する可能性があると警戒している。

    F1スペインGPで今季8勝目を挙げたアントネッリは、ランキング2位のチームメイト、ジョージ・ラッセルに81ポイント差をつけて首位に立っている。

    それでもヴォルフは、タイトルが決まったかのように考えることを避け、「ブラックスワン」のような予測困難な事態を念頭に置く必要があると語った。

    「白線を越えるな」と何度も念押し
    アントネッリはF1スペインGP終盤、十分なリードを築いていたにもかかわらずプッシュを続け、エンジニアのピーター・ボニントンに無線でウォールに接触した可能性を伝え、マシンにダメージがないか確認を求めた。

    ヴォルフによれば、こうした限界まで攻め続ける姿勢はアントネッリにとって珍しいものではないという。

    「ちょうど彼の父親とその話をしていたんだが、それがキミなんだ」

    「我々は彼に、白線を越えてはいけないと何度も頭に叩き込まなければならなかった。2024年のモンツァのFP1でも、白線を越えてクラッシュしたからね」

    「私は彼に『マシンから外が見えていないのか? トラックリミットが分かるように、もっと高い位置から見えるようにする必要があるのか?』と言ったんだ」

    「それについては一緒に笑った。そして今回のスペインGPでも、残り6周かそのくらいのところで『マシンをチェックしてくれ。ウォールに擦った』と言ってきた」

    アントネッリの大胆なドライビングは、チーム代表にとって気が気ではない部分もある。

    「この白髪は彼のせいだよ。でも、おそらく彼はそういうドライバーなんだろうし、それが彼をあれほど速くしている理由なのかもしれない」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    81ポイント差でもタイトルを意識せず
    アントネッリはF1スペインGP終了時点で267ポイントを獲得し、201ポイントのラッセルに81ポイント差をつけている。

    20歳のアントネッリが2026年のF1ワールドチャンピオンに輝けば、セバスチャン・ベッテルが2010年に記録した史上最年少F1王者の記録を3年以上更新することになる。

    しかし、ヴォルフによれば、本人はタイトル争いをほとんど意識していない。

    「もちろん、彼はそれについて考えていない。この子には物事を切り分ける能力がある。普段は若者として過ごし、マシンに乗れば成熟したレーシングドライバーになる」

    「だからキミが『チャンピオンシップのことは考えていない』と言うなら、本当に考えていないんだ」

    ヴォルフが警戒する「ブラックスワン」
    一方でヴォルフは、現在のポイント差だけを見てタイトル獲得を当然視することには慎重な姿勢を示した。

    そこで持ち出したのが「ブラックスワン」という言葉だ。一般的には、事前にはほとんど予測できず、発生すると大きな影響を及ぼす出来事を意味する。

    「ブラックスワンのような出来事はある。それは起こり得る。そして最後になって、失う可能性などないと思っていたものを失うことだってある」

    アントネッリは今季、速さだけでなく安定した結果を積み重ねてポイントリードを拡大してきた。一方で、限界まで攻め続ける姿勢はヴォルフを悩ませる要素でもあり、その攻撃性こそが20歳の速さを支えている可能性もある。

    残る2026年F1シーズンでメルセデスに求められるのは、アントネッリの持ち味を損なうことなく、不測の事態による大量失点を避けることになる。

  • セルジオ・ペレス キャデラックF1新拠点に驚嘆「こんな施設は見たことがない」

    セルジオ・ペレス キャデラックF1新拠点に驚嘆「こんな施設は見たことがない」

    セルジオ・ペレスは、キャデラックF1がシルバーストンに新設したファクトリーを訪問し、自身のF1キャリアで「こんなファクトリーは見たことがない」と、その設備と環境を絶賛した。

    ペレスはチームメイトのバルテリ・ボッタスとともに、F1スペインGPを前に新ファクトリーを訪問。エンジニアやプロジェクト関係者との技術ミーティングに参加し、キャデラックF1が構築を進める新たな開発拠点を直接確認した。

    ペレス「すべてが新しく、とてもよく組織されている」
    キャデラックF1は、シルバーストンのオペレーション拠点に加え、米インディアナ州フィッシャーズに建設中の本拠地、さらにノースカロライナ州のパワートレイン関連施設を組み合わせた複数拠点体制を構築している。

    その中でも、新たに稼働を開始したシルバーストンのファクトリーは、ペレスに強烈な印象を与えたという。

    「ファクトリーに行ったけど、本当に印象的だった。僕のキャリアでこんなファクトリーは見たことがない。本当に、本当にすごかった」

    「実際に見ることができて、とてもよかった。エンジニアやプロジェクトに関わっているすべての人たちと話をして、計画についてもいろいろ話した。みんなと会って話せたのはよかった」

    これまでザウバー、マクラーレン、フォース・インディア、レーシングポイント、レッドブル・レーシングと複数のF1チームを経験してきたペレス。それでも、キャデラックF1の新施設にはこれまでとは異なるものを感じたという。

    何がそれほど印象的だったのかと問われると、ペレスは設備だけではなく、ファクトリー全体がゼロから設計されたことによる完成度を挙げた。

    「まず、すべてが新しい。設備もそうだし、彼らが持っているプラットフォーム、それぞれの部門がどれだけうまくつながっているかもそうだ」

    「新しい家みたいな感じで、とてもよく組織されている。実際に見ることができて本当によかった」

    キャデラックF1チーム

    ブドコウスキー「一時的な施設ではない」
    ペレスの評価は、キャデラックF1のチーム代表を務めるマルチン・ブドコウスキーの主張とも一致している。

    シルバーストンの拠点については、将来的にチームの活動が全面的に米国へ移されるまでの「一時的な施設」にすぎないとの見方も出ていた。しかし、ブドコウスキーはそうした見方を明確に否定した。

    「我々はシルバーストンに新しいファクトリーをオープンしたばかりだ。これが一時的な施設だと疑っている人がいるなら、ぜひ見に来てもらいたい。かなり印象的な施設だからね」

    「バルテリとチェコにも来てもらい、そこで技術ミーティングを行い、スタッフとも話してもらった。2人とも非常に感銘を受けていた。私自身も初めて足を踏み入れた日は同じだった」

    一方、キャデラックF1は米国でも施設の整備を進めており、将来的には米国内での活動規模を段階的に拡大していく計画だ。

    「我々は米国でもいくつかの施設を建設している。製造能力であれ、それ以外の機能であれ、米国での拠点は段階的に発展させていくことになる」

    ただし、それはシルバーストンから近い将来に全面撤退することを意味するものではないとブドコウスキーは強調した。

    「だが現時点で、チームが近いうちに米国へ移転するといった噂にはまったく根拠がない」

    「繰り返しになるが、それを疑っている人がいるなら、シルバーストンに来て我々の施設を見てもらいたい。本当に印象的なファクトリーを造り上げたからね」

    キャデラックF1は米国を軸としながらも、F1の技術人材やサプライヤーが集中する英国のモータースポーツ産業圏を重要な開発基盤として活用している。ペレスとボッタスが揃って高く評価したシルバーストンの新ファクトリーは、その複数拠点体制を支える重要な施設となっている。

  • レーシングブルズF1 2027年ドライバー選考でツォロフも候補「うれしい悩み」

    レーシングブルズF1 2027年ドライバー選考でツォロフも候補「うれしい悩み」

    レーシングブルズF1のチーム代表アラン・パーメインは、2027年のドライバー候補としてニコラ・ツォロフが「我々の検討対象に入っている」と認めた。一方で、リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドについても「素晴らしいドライバー」と高く評価しており、決定を急ぐ必要はないとの考えを示している。

    F2参戦1年目のツォロフは2026年のタイトル争いをリードしており、すでに6勝を記録。レッドブル・ジュニアの有力株としてF1昇格への期待が高まっている。

    ローソンとリンドブラッドもレーシングブルズで結果を残しており、2027年のシート争いは激しくなりそうだ。ただし、最新の情報では2027年にF1へ直接昇格せず、レッドブルのリザーブドライバーを務めながらスーパーフォーミュラに参戦する育成プランも浮上している。

    ツォロフも2027年の候補 パーメイン「検討対象に入っている」
    F1スペインGPで2027年のドライバーラインアップについて質問されたパーメインは、PlanetF1.comなどに対し、まだ判断を下す段階ではないと説明した。

    「正直なところ、我々にとってはまだ少し早い。我々は伝統的にもう少し待つ。来年どうするのかを今発表しなければならないようなプレッシャーはない」

    そのうえで、F2で好成績を残しているツォロフが候補であることを認めた。

    「もちろん、ニコラは我々の検討対象に入っている。彼は信じられないようなシーズンを送っている。F2参戦1年目で選手権をリードしている。すべてが彼にとって良い方向に進んでいる」

    「とはいえ、私にはリアムとアービッドという2人の素晴らしいドライバーもいる。だから、これはうれしい悩みだ」

    レーシングブルズは2026年、ローソンとリンドブラッドを起用。ルーキーのリンドブラッドが印象的なパフォーマンスを見せる一方、ローソンもシーズンを通じて評価を高めてきた。

    ただし、ローソンは現在、夏休み中のトレーニングで左手首を負傷したアイザック・ハジャーの代役としてレッドブル・レーシングに乗っている。オランダGPからイタリアGP、スペインGPまで3戦にわたってRB22をドライブしており、レーシングブルズ復帰のタイミングはハジャーの回復状況に左右されている。

    ローソンは2台を同時に準備「理想的ではない」
    ローソンにとって難しいのは、自身の2027年の去就だけではない。各グランプリを前に、レッドブルとレーシングブルズのどちらで出場する可能性にも備えなければならない状況が続いている。

    ローソンはイタリアGPで、どちらのマシンをドライブすることになるのか直前まで不透明な状況について「理想的ではない」と認めていた。

    レッドブルRB22とレーシングブルズVCARB 03についても、「ドライブの仕方がまったく違う。だから理想的ではない」と説明している。

    それでも、ローソンに対するレーシングブルズの評価は変わっていない。ツォロフの台頭によって2027年のシートをめぐる憶測が強まっているものの、パーメインは今回もローソンを高く評価していることを強調した。

    ニコラ・ツォロフ(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    F2首位ツォロフ イモラでF1マシン690kmを走行
    一方、ツォロフは2025年からレッドブル・ジュニアチームに所属し、2026年はF2にステップアップ。ルーキーイヤーながら選手権をリードし、ここまで6勝を挙げている。レッドブルリンクからシルバーストンにかけては3レース連続優勝も達成した。

    さらに8月にはイモラでレーシングブルズの2025年型マシン「VCARB 02」を使ったTPC(Testing of Previous Cars)に参加。690kmを走り込み、初めてF1マシンを本格的に経験した。

    そのテストについてツォロフは、さまざまな感情が入り交じっていたと振り返った。

    「正確にどんな感覚だったのかは、ちょっと思い出すのが難しいくらいだった。いろいろなことが同時に起きていたからね」

    「もちろん良いパフォーマンスを見せたい。でも同時にクラッシュしたくないし、楽しみたいとも思う。いろいろな感情が混ざっていた」

    「最初の走行で数周すると、どんどんリラックスできるようになった。その瞬間に自分の夢を実現できたことに、ほっとしたという感じだった」

    事前のシミュレーター作業も実車への適応に大きく役立ったという。

    「最初からかなり自信があった。シミュレーターが実際に経験したものと本当に近かったからだ。そのコースでは事前にシミュレーターで3回か4回セッションをやっていたので、かなり走り込んでいた」

    2027年はリザーブ+スーパーフォーミュラ案も浮上
    もっとも、レーシングブルズの候補に入っていることが、そのまま2027年のF1昇格を意味するわけではない。

    9月16日には、ツォロフを2027年にF1へ直接昇格させるのではなく、レッドブルのリザーブドライバーを務めながら日本のスーパーフォーミュラに参戦させる案が検討されていると報じられた。

    レッドブルは過去にも、F1昇格を控えた若手の育成にスーパーフォーミュラを活用している。ピエール・ガスリーは2017年、ローソンは2023年に日本でフル参戦し、ともにランキング2位を獲得。その後F1でレギュラーシートを手にした。

    ツォロフについても、スーパーフォーミュラで実戦経験を積ませながら、F1ではリザーブ業務、TPC、シミュレーター、FP1などを組み合わせ、2028年以降の昇格に備えるプランが考えられる。

    この育成策が実現すれば、レーシングブルズはローソンとリンドブラッドを2027年も継続起用しながら、ツォロフを将来のF1候補として育てる余地が生まれる。ローソンにとっても、ツォロフの即時昇格によってシートを失う可能性が低下することになる。

    ツォロフ「F1に行く準備はできている」
    注目が集まる2027年について、ツォロフ自身は具体的な話し合いが進んでいるわけではないと明かしている。

    「僕はまだF2に完全に集中している。まずシーズンを終えなければならないから、レースごと、1日ごとに取り組んでいる。それが自分にとっても一番いいことだと思う」

    「それ以上のことについて話し合いはない。良い結果を出し続ければ、チームが僕にとってベストなことをしてくれると思っている。だから、正しい決断をしてくれるとレッドブルを完全に信頼している」

    そして、F1昇格のチャンスが訪れた場合には「準備はできている」と自信を示した。

    レーシングブルズにとって2027年の選択肢は豊富だ。現在のラインアップを構成するローソンとリンドブラッドに加え、F2で急速に評価を高めているツォロフも候補に入っている。一方でツォロフにはリザーブとスーパーフォーミュラを組み合わせた育成案も浮上しており、レッドブルがF1昇格を急がない可能性も出てきた。パーメインが「うれしい悩み」と表現するドライバー選考は、ローソンの将来も含めて今後さらに注目を集めそうだ。