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  • ホンダF1 新スペックPUをオランダGP投入「最大の弱点はパワー性能」

    ホンダF1 新スペックPUをオランダGP投入「最大の弱点はパワー性能」

    ホンダは、2026年F1第12戦オランダGPで待望の新スペック・パワーユニット(PU)を投入する。アストンマーティンとの新たなワークス体制で苦しいシーズン前半を過ごしたホンダにとって、競争力を引き上げるための重要なアップデートとなる。

    ホンダF1のトラックサイド兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、新スペックPUで最優先したのは明確に「パワー性能」だと説明した。

    そのうえで、燃焼特性の変化に合わせてドライバビリティを再構築し、実戦を通じてさらに仕上げていく方針を明らかにしている。

    ホンダが新スペックPUで最優先した「パワー性能」
    ホンダとアストンマーティンは、2026年から新たなワークスパートナーシップを開始したが、シーズン前半は期待通りの結果を残せていない。

    アストンマーティンは7月のハンガリーGPでAMR26Bに大規模なアップデートを投入し、マシンの競争力に改善の兆しを見せた。次に注目されるのが、オランダGPで実戦投入されるホンダの新スペックPUだ。

    折原伸太郎はRacingNews365の独占インタビューで、これまでのPUで最大の弱点となっていた部分を率直に説明した。

    「我々の最大の弱点はパワー性能です。そのため、新しいエンジンではエンジン性能の向上に重点を置きました」

    新スペックでは、まず純粋な出力性能を高めることを最優先している。

    「新スペックのエンジンでは、純粋にエンジン性能を向上させることに集中しました。そして、燃焼特性をベースにドライバビリティを作り上げています」

    2026年のF1パワーユニットは、内燃機関だけでなく電動側とのエネルギーマネジメントもラップタイムを左右する。そのなかでホンダは、まず根本的なパワー不足への対応を優先した形だ。

    従来型PUで得た知見を新スペックへ移行
    新スペックPUは燃焼特性そのものが変化するため、単純に従来型のセッティングを引き継げるわけではない。それでも、シーズン前半に蓄積したデータや経験は大きな財産になると折原伸太郎は説明する。

    「このスペックのエンジンから多くのことを学びました。その知識の一部は新しいエンジンにも移すことができます」

    「ただ、新しいエンジンには新しい燃焼特性があります。そのため、ドライバビリティのクオリティをもう一度作り上げていく必要がありますが、すでに多くのことを学んでいます」

    「ゼロからスタートするわけではありません。最初に重点を置くのはパフォーマンスで、その後、イベントを通じてドライバビリティを継続的に改善していきます」

    つまり、オランダGPに持ち込まれる仕様が完成形というわけではない。まずパワー向上を実現し、その新たな燃焼特性に合わせてサーキット上で細かな制御を最適化していくことになる。

    ホンダF1 F1 オランダGP

    アロンソとストロールのフィードバックも開発に反映
    ホンダにとってもうひとつ重要なのが、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールから得られるフィードバックだ。

    アストンマーティンは今季ここまで厳しい戦いを強いられており、ドライバーからはマシンとPUの双方について改善要求が寄せられてきた。ホンダは、その要求すべてに個別対応するのではなく、根本的な性能向上とのバランスを取る必要があると考えている。

    「ドライバーからの要求や不満にどう対応するのか、そして我々の開発プログラムをどこに集中させるのか、その妥協点を見つけることが重要です」

    折原伸太郎は、ファクトリーとサーキットで担う役割にも違いがあると説明する。

    「繰り返しになりますが、我々の主な弱点はパフォーマンスです。そのため、ファクトリー側ではエンジン性能の開発に集中しています。一方、トラックサイドでは、ドライバーからの要求に合わせてドライバビリティやエネルギーマネジメントを改善するためにパラメーターを調整できます」

    サーキットで確認された問題は、ファクトリー側にもフィードバックされ、将来的な開発へとつなげられる。

    「ファクトリー側ともコミュニケーションを取っています。ドライバーがラップタイムを見つけるうえで重要な項目があれば、ファクトリーがその問題を解決するために対応します。そうやって妥協点を見つけていきます」

    オランダGPは新スペックPUの重要な実戦評価
    ホンダの新スペックPUは、単なる出力向上だけでなく、燃焼特性の変更に伴うドライバビリティやエネルギーマネジメントの再構築も伴う。

    そのため、ザントフォールトでのオランダGPは、新スペックの純粋な性能を確認すると同時に、アロンソとストロールのフィードバックを受けながら制御面を最適化していく重要な実戦評価の場となる。

    ハンガリーGPでシャシー側に大規模な改良を投入したアストンマーティンに続き、今度はホンダがPU側から競争力向上を狙う。シーズン後半に向けて巻き返しを図る両者にとって、オランダGPで新スペックPUがどこまで弱点だったパワー性能を改善できるかが大きな焦点となる。

  • ホンダF1 F1プロジェクト経験者を呼び戻し反撃へ「体制は回復できる状態」

    ホンダF1 F1プロジェクト経験者を呼び戻し反撃へ「体制は回復できる状態」

    ホンダF1が、2026年シーズン前半の苦戦から巻き返しへ向け、開発体制を強化していることが明らかになった。

    ホンダ・レーシング(HRC)のトラックサイドマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原慎太郎氏は、以前のF1プロジェクトを経験した技術者を呼び戻し、組織の立て直しを進めていることを明かした。

    RacingNews365の独占インタビューで折原氏は、問題が悪化していく過程や現在までの改善状況を詳しく説明。シーズン後半に投入されるアップグレードへの自信も明かした。

    「競争力があると思っていました」 想定外だった開幕の苦戦
    2026年レギュレーションに合わせて開発されたホンダの新型PUは、アストンマーティンとの新プロジェクトとして大きな期待を集めていた。

    しかし実際には、バッテリー由来の激しい振動、信頼性不足、エネルギーマネジメントの問題が重なり、アストンマーティンはシーズン前半をキャデラックと争うほど苦しい状況で過ごした。

    エイドリアン・ニューウェイは後に、この振動がフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの手に神経障害を引き起こす可能性まで懸念していたことを明かしている。

    折原慎太郎氏は、その状況について率直に語った。

    「大きな衝撃だったと言えると思います。通常であれば、私たちは競争力があることを期待しています」

    「それがF1に復帰した理由でもあります。ですから、自分たちのパフォーマンスが良くないと分かった時は、本当に大きな衝撃でした。ある程度は予想していた部分もありましたが、実際にそうだと分かった時は衝撃でした」

    実は1月には異変を察知していた
    折原氏によれば、問題はバーレーンテストや開幕戦メルボルンで突然発生したものではなかった。

    2025年シーズン終了後から徐々に状況は悪化しており、2026年1月には危機感を抱いていたという。

    「状況は突然悪くなったわけではなく、少しずつ悪化していました」

    「今年の1月になって、状況が悪化していることに気付きました。昨年はトップコンテンダーではありませんでしたが、ウインターテストのような状態ではありませんでした」

    「ですから状況は徐々に悪化していて、年明けには『あまり良いポジションではないかもしれない』と感じていました」

    この証言は、ホンダがバルセロナで初めて問題の深刻さを認識したと以前説明していた内容とも一致しており、開幕前から危機的状況だったことが改めて裏付けられた。

    振動問題を克服 「誇りに思っています」
    その後、ホンダとアストンマーティンは原因究明を最優先事項として開発を進めた。

    マイク・クラックは「まず問題を理解することが最優先」と繰り返し説明し、アロンソも前半戦を「学習期間」と表現していた。

    その成果が表れたのがハンガリーGPだった。アストンマーティンは大規模なシャシーアップデートを投入し、空力性能と車体バランスを改善。さらにホンダもPU側で振動対策や耐久性向上を進めてきた。

    まもなく迎えるオランダGPでは、ホンダも2026年最初のアップグレードを投入する予定となっている。

    折原氏はここまでの成果について強い自信を示した。

    「冬季テストから現在まで、そしてファクトリーのメンバーが成し遂げたことを誇りに思っています」

    「大きな振動の問題は解決しました。そして耐久性とエネルギーマネジメントの面でも大きく前進しました」

    「今年ここまで達成してきたことを考えれば、今後についてもかなり自信を持っています」

    ホンダF1  / ホンダ・レーシング

    ザントフォールトでPUアップデート投入へ
    ハンガリーGPでは、アストンマーティンが大規模なシャシーアップデートを投入し、空力性能と車体バランスを大幅に改善した。

    次戦オランダGPでは、ホンダも2026年最初のADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)を投入する予定となっている。

    2026年のPUレギュレーションでは、性能面で基準に達していないメーカーに対し、ホモロゲーション期間中でも一定範囲の性能改善が認められている。

    ホンダはこの制度を活用し、内燃エンジンを中心としたアップグレードを投入する計画だ。

    経験者を呼び戻し体制も強化
    折原氏は、技術体制そのものも強化が進んでいると説明した。

    以前、ニューウェイはレッドブル時代を知る経験豊富なホンダのF1エンジニアが数多く離れていたことが、新プロジェクトに影響したと語っていた。

    これに対しホンダは、経験豊富な技術者を現場へ呼び戻すとともに、新世代エンジニアも半年間で大きく成長したという。

    「今年は、以前のF1プロジェクトを経験した専門家を何人か呼び戻しました」

    「また、このプロジェクトで初めてF1に携わった若いエンジニアたちも、冬季テストから前半戦までで多くの経験を積みました」

    「ですので、現在の体制はパフォーマンスと信頼性を回復できる状態にあると考えています」

    ホンダとアストンマーティンの新プロジェクトは、期待とは程遠いスタートとなった。しかし折原慎太郎氏の証言からは、最大の課題だった振動問題を克服し、組織体制も着実に立て直しつつあることがうかがえる。

    オランダGPで投入されるPUアップグレードは、その再建プロジェクトが本格的な反撃へ転じるかを占う重要な一戦となりそうだ。

  • ホンダF1 折原慎太郎が明かす苦戦の真相「問題の深刻さは1月に判明」

    ホンダF1 折原慎太郎が明かす苦戦の真相「問題の深刻さは1月に判明」

    2026年から導入されたF1新レギュレーションで、アストンマーティンとのワークス体制をスタートさせたホンダ。しかし、シーズン序盤はパフォーマンス不足や信頼性トラブルに苦しみ、期待された船出とはならなかった。

    ホンダF1のトラックサイドマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原慎太郎が『Autosport』の独占インタビューで、問題の深刻さを本格的に認識したのは2026年1月だったことを明かした。

    なぜ開発段階では見抜けなかったのか、その経緯と現在の改善状況を説明している。

    昨年末は「問題ない」と判断も 1月に状況が一変
    2026年に向けた新世代パワーユニットの開発は、2025年末の時点では順調に見えていたという。

    折原慎太郎は、当初の状況について次のように振り返った。

    「おそらく昨年末の時点では、それほど悪い状況ではありませんでした。性能やドライバビリティはまだ開発段階でしたが、見た限りでは問題ないように思えました」

    しかし、年が明けた2026年1月になると状況は急変した。

    「1月になって、一部の領域で問題というより、性能が上がったり下がったりを繰り返していることが分かりました。性能向上が見つかっても、同時に信頼性の問題も見つかるという状態でした」

    ホンダは信頼性を最優先したため、得られた性能向上の一部をあえて後退させざるを得なくなり、その結果として開発スピードも鈍化した。

    「1月の段階で、自分たちの性能と信頼性では競争力がないと認識しました。バルセロナで走り始めると、他メーカーと比べて性能面で明らかに劣っていることが分かりました。また、バッテリー側にも問題が見つかりました」

    バッテリートラブルで貴重なテスト時間も失う
    バッテリー関連の不具合は、冬季テストにも大きな影響を与えた。

    アストンマーティンとホンダはライバルとの差を縮めるため、多くの走行データを必要としていたが、トラブルによってその機会を失うことになった。

    「今年の初めには、自分たちが良い状況ではないことを認識していました。昨年末の段階でも競争力不足は感じていましたが、ここまで深刻だとは予想していませんでした」

    最大の課題は「すべてが同時に変わったこと」
    折原慎太郎によれば、今回の苦戦には単一の原因があるわけではない。

    2026年レギュレーションでは、パワーユニットのあらゆる要素が一斉に変更されており、その複雑さが最大の課題になっているという。

    「どのコンポーネントが最も難しいかを一つ挙げるのは難しいです。今回のレギュレーションでは、すべてが大きく変わりました」

    「例えばMGU-Kは約120kWから350kWへと大幅に出力が増えました。それだけでも非常に大きな変化です」

    「さらに内燃エンジン側でも燃料流量が変更されています。つまり、すべてが大きく変わったこと、その組み合わせこそがホンダにとって最大の難しさでした」

    現在のホンダ製パワーユニットは内燃エンジンの出力不足が大きな課題となっており、ザントフォールトで投入予定のアップグレードは、この弱点を改善することを主目的としている。

    ホンダF1 / ホンダ・レーシング

    MGU-H廃止がドライバビリティに大きく影響
    一方、電動系では効率向上だけでなく、ドライバビリティの改善も重要なテーマとなっている。

    折原慎太郎は、その大きな要因としてMGU-H廃止を挙げた。

    「MGU-Hがなくなったことも、パワーユニットメーカーにとって非常に大きな課題です」

    「これはパワーユニットメーカーにとって最も興味深いポイントかもしれません。私がこれまで何度も話してきたドライバビリティですが、その大部分はMGU-Hがなくなったことに起因しています」

    「目標とする過給圧を維持することが、パワーユニットサプライヤーとして非常に難しくなりました。どれか一つの部品が最大の課題というより、やはりすべての変更が同時に起きたことが最大の難しさでした」

    ザントフォールトで反撃開始へ
    ホンダは競争力を完全に取り戻すには時間がかかると認めているが、その第一歩としてザントフォールトで新仕様エンジンを投入する予定だ。

    このアップグレードは内燃エンジン性能の改善に特化したもので、すでにハンガロリンクで実施されたフィルミングデーで初走行を終えている。

    開発責任者自らが明かした今回の証言からは、ホンダが苦戦した理由は単なる設計ミスではなく、新レギュレーションでパワーユニット全体の設計思想が一変したことにあったことが浮き彫りになった。ザントフォールトでのアップグレードが、その巻き返しの第一歩となるか注目される。

  • ホンダF1 新型PUは順調 折原慎太郎「遅れを取り戻す」

    ホンダF1 新型PUは順調 折原慎太郎「遅れを取り戻す」

    ホンダの2026年仕様アップグレード版パワーユニット(PU)が、ハンガロリンクで実施されたアストンマーティンF1のフィルミングデーで初走行を完了した。大きなトラブルは確認されず、夏休み明けのF1オランダGPで予定される実戦投入へ向けて期待が高まっている。

    ハンガリーGPで投入された大規模なBスペック仕様のシャシーが好感触を示したことに続き、新型PUも順調なデビューを果たしたことで、アストンマーティンF1はシーズン後半の巻き返しへ大きな追い風を得ることになりそうだ。

    新型ホンダPUが初走行 振動問題も解消か
    ハンガロリンクで行われたFIA規定の200kmフィルミングデーでは、アストンマーティンF1のサードドライバーを務めるジャック・クロフォードがAMR26をドライブ。ハンガリーGPで投入されたBスペック仕様のマシンに、新型ホンダPUを組み合わせた初めての走行が実施された。

    新仕様は従来型から約40馬力向上したとの見方もあるほか、シーズン序盤にアストンマーティンを悩ませた深刻な振動問題も確認されなかったと報じられている。

    一方で、「なぜハンガリーGPでシャシーと同時投入しなかったのか」と疑問視する声もあった。新型PUはすでにサーキットへ搬入されていたためだ。

    しかし、ホンダ・レーシング(HRC)の折原慎太郎チーフエンジニアは、そのタイミングは開発の進捗によるものだったと説明した。

    「アストンマーティンのアップグレードと意図的に時期をずらしたり、合わせたりすることはありません」

    「一方が準備できているのに、もう一方を待つ理由はありません。基本的には準備が整い次第、投入します」

    さらに折原は、開発を急ぐ必要性も強調した。

    「我々は大きく遅れていますから、待っている余裕はありません」

    「オランダGPまで待ったのは、大規模なアップグレードが必要で、その開発に時間を要したからです」

    ホンダF1 ホンダ・レーシング

    デ・ラ・ロサ「決勝の方がさらに好感触だった」
    アストンマーティンF1のアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、ハンガリーGPで投入された新型空力パッケージについて、予選以上に決勝で進歩を感じたと振り返った。

    「予選では大きく前進した」

    「だが、私は決勝の方がさらに良かったと思う。予選以上にレースペースが改善していた」

    アストンマーティンは13位と14位でフィニッシュ。デ・ラ・ロサは、その結果はマシンの実力を反映したものだったと評価する。

    「最終的に13位と14位でフィニッシュしたが、それは実力どおりだった。我々より速いマシンで完走できなかったのはオスカー・ピアストリだけだった。これは期待できる内容だ」

    未知数だったロングランでも好結果
    デ・ラ・ロサによると、新しい空力パッケージは実戦前に十分なロングランテストを行えておらず、多くの未知数を抱えたままレースウイークを迎えていたという。

    「タイヤのデグラデーションも良く、レースペースも良かった。期待できる内容だった」

    「この新しい空力パッケージではロングランを行っていなかった。完全に新しい仕様なので、エンジンやブレーキの冷却特性も変わっていた」

    「『トラフィックの中でも適切に冷却できるのか』など、多くの疑問があった。だが、信頼性も良好だった」

    さらに、ダウンフォース増加によるタイヤ性能の改善も確認できたという。

    「ダウンフォースが増えればタイヤにも恩恵がある。以前はタイヤのデグラデーションが大きかったが、この点も改善されたようだ」

    シミュレーションとの相関改善が最大の収穫
    デ・ラ・ロサが最も高く評価したのは、サーキットで得られたデータとファクトリーのシミュレーション結果が高い精度で一致したことだった。

    「相関は良好だった。それは単なる感覚ではなく、将来に向けて大きな自信を与えてくれる」

    「以前は必ずしもそうではなかった。シーズン序盤を考えれば、ここまでアップグレードを完成させられたことは非常に前向きだし、これからにも期待できる」

    ハンガリーGPでシャシーの大幅アップグレードが一定の成果を示し、今回のフィルミングデーでは新型ホンダPUも順調な初走行を終えた。オランダGPでは空力とパワーユニットの両面が強化されたAMR26が投入される見通しで、アストンマーティンF1が中団争いでさらに存在感を高められるか注目される。n

  • ホンダF1 PUアップデートに自信「1周あたりのタイムは確実に短縮」

    ホンダF1 PUアップデートに自信「1周あたりのタイムは確実に短縮」

    ホンダF1は、アストンマーティンがハンガリーGPで投入したシャシーアップデートに続き、今後予定しているパワーユニット(PU)のアップデートによってさらなるパフォーマンス向上を実現できるとの自信を示した。

    アストンマーティンはF1ハンガリーGPでフェルナンド・アロンソが14位、ランス・ストロールが13位とポイント獲得には届かなかったものの、11戦ぶりに投入した「AMR26B」とも呼べる大規模アップデートは確かな前進をもたらした。

    シャシー性能の改善が確認されたいま、チームの視線はホンダ製PUの進化へと向けられている。

    16項目のアップデートでシャシーは前進
    アストンマーティンはハンガリーGPでFIAに申告した16項目のアップデートを投入し、実質的な「AMR26B」仕様へ進化させた。

    シーズン序盤のAMR26はダウンフォース不足に苦しみ、シャシー性能が大きな課題となっていた。しかし今回のアップデートによって中団トップを争うレーシングブルズやアウディに迫る競争力を見せ、ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンも「彼らのアップデートが羨ましい」と語るほどの進歩を遂げた。

    予選でも改善は数字に表れている。スパ・フランコルシャンではポールタイムとの差が5.405%だったのに対し、ハンガリーでは3.369%まで縮小。コース特性は異なるものの、トップとの差を着実に縮めたことが確認された。

    フェルナンド・アロンソも「僕たちは6か月遅れている。だから今はアップデート競争に勝たなければならない」と語り、今回のアップデートを今後の開発の土台として評価している。

    ホンダF1「PU改善でタイムは確実に縮まる」
    シャシーの改善が確認された一方で、アストンマーティン最大の課題は依然としてホンダ製PUにある。エンジン面でのハンディキャップは依然として大きく、後半戦の競争力を左右するのは、今後投入予定のPUアップデートだ。

    ホンダF1の折原慎太郎トラックサイドエンジニアは、その効果について自信を示している。

    「パワーユニットの改善によって、1周あたりのタイムは確実に短縮できるでしょう」

    アストンマーティンはシャシー性能を向上させたことで、PUの改善効果をより引き出せる環境を整えた。折原も、アップデートによる上積みがラップタイムに直結するとの見通しを示しており、ホンダにとっても後半戦は真価が問われる戦いとなる。

    ホンダF1 / ホンダ・レーシング

    相関も改善し開発は次の段階へ
    今回のアップデートでは、シミュレーションと実車データの相関が改善されたことも大きな成果となった。

    アロンソは「アップデートでどれだけ改善が必要なのかを数値化できるようになった」と語り、開発の方向性に確かな手応えを得ている。

    エイドリアン・ニューウェイが明かした計画では、ザントフォールトでホンダ製PUのアップデートと追加パーツを投入し、その後モンツァまたはバクー、あるいは両大会でさらなる改良を実施する予定だ。

    シャシーがようやく開発の土台に到達した今、次に問われるのはホンダ製PUの進化である。PUアップデートが期待どおりの成果をもたらせば、アストンマーティンは中団上位争いへ本格的に加わる可能性を大きく高めることになりそうだ。

  • ホンダF1 初コンストラクターズ王座40周年 名車FW11がグッドウッドで復活走行

    ホンダF1 初コンストラクターズ王座40周年 名車FW11がグッドウッドで復活走行

    ホンダは、F1で初めてコンストラクターズタイトルを獲得してから40周年を迎えたことを記念し、2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで伝説的マシン「ウィリアムズ・ホンダ FW11」を走行させた。

    1986年の黄金時代を築いたFW11は、デイモン・ヒルと道上龍がステアリングを握り、「The Rivals – Epic Racing Duels(ライバルたちの壮絶な戦い)」をテーマに開催された今年のイベントで往年の雄姿を披露した。

    ホンダ初タイトルをもたらしたFW11
    FW11は、ホンダのF1参戦史における大きな転換点となったマシンだ。

    ホンダは25年ぶりにF1へ復帰し、世界最高峰の舞台で再び頂点を目指す挑戦を開始。当時パートナーとなったのが、1978年から本格参戦を開始し、1980年と1981年にコンストラクターズ王者となっていたウィリアムズだった。

    当時のウィリアムズはカスタマーエンジンの限界を感じており、ホンダのワークスターボエンジンプログラムに将来を託した。

    しかし、この決断がすぐに結果へ結びついたわけではない。1980年代前半は各メーカーが出力競争を繰り広げる一方で、信頼性確保が最大の課題だった。

    1984年のダラスGPで初優勝を飾ったものの、度重なるリタイアが課題の大きさを物語っていた。

    「Eスペック」が流れを変えた
    転機となったのが、シーズン途中に投入されたRA165Eエンジン、通称「Eスペック」だった。

    改良型パワーユニットによって競争力は大きく向上し、翌1986年のタイトル獲得へ向けた土台が築かれた。

    そして1986年、ウィリアムズ・ホンダはシーズン9勝を挙げてコンストラクターズチャンピオンを獲得。ホンダにとってF1初の世界タイトルとなり、創業者・本田宗一郎の悲願も達成された。

    ポルトガルGPでタイトル獲得を決めた後、当時のホンダF1責任者だった桜井淑敏はレースレポートに次のように記している。

    「本田宗一郎さんがどんな表情をされるのか、早く見たい」

    デイモン・ヒルと道上龍がFW11をドライブ
    グッドウッドでは1996年F1ワールドチャンピオンのデイモン・ヒルがFW11をドライブした。

    ヒルは1990年代にウィリアムズで活躍し、1996年にドライバーズタイトルを獲得。今回の走行は、1980年代の黄金期と1990年代の成功をつなぐ象徴的なイベントとなった。

    走行後、ヒルは40年前のF1マシンならではの魅力について次のように語った。

    「40年の間にF1マシンは大きく進化した。でも、このFW11は本当に特別なマシンだ。『あのマシンさえあれば世界チャンピオンになれたのに』と言うドライバーにも会ったことがあるけれど、その理由がよく分かる。ターボが効き始めると一気に加速し、丘を駆け上がるスピードは本当に恐ろしいほどだ。素晴らしい体験だった。ホンダ、このプロジェクトに携わったすべての皆さん、そしてウィリアムズに感謝したい」

    また、道上龍もFW11でデモンストレーション走行を行い、イベントへの喜びを口にした。

    「グッドウッドに来られて本当に興奮しています。このマシンは完璧で、本当に素晴らしいです。明日はもっと攻めて走りたいと思います」

    40周年が示すホンダF1の原点
    ウィリアムズ・ホンダが頂点に立つまでの道のりは決して平坦ではなかった。

    エンジントラブルに苦しみながらも改良を積み重ね、ワークス体制としてチームと密接に協力し続けたことで、1986年にはF1最強コンビへと成長した。

    今回の40周年記念は、単なる過去の栄光を振り返るものではない。継続的な技術開発、強固なパートナーシップ、そして失敗を乗り越える粘り強さが、ホンダをF1初戴冠へ導いたことを改めて示す機会となった。

    40年前に世界の頂点へ上り詰めたFW11は、ホンダF1が築いた栄光と挑戦の歴史を象徴する存在として、今なお多くのファンを魅了し続けている。

  • ホンダF1 2台完走で信頼性改善に手応え「正しい方向に進んでいる」

    ホンダF1 2台完走で信頼性改善に手応え「正しい方向に進んでいる」

    ホンダF1は2026年F1第9戦イギリスGPを、フェルナンド・アロンソが18位、ランス・ストロールが19位で終えた。結果としてポイント獲得には届かなかったものの、パワーユニットの信頼性とエネルギーマネジメントの面では前向きな収穫を得た週末となった。

    直近2戦では信頼性の問題に苦しんできたホンダだが、イギリスGPでは2台揃って完走を果たし、今後の開発へ向けた重要なデータを持ち帰ることに成功した。

    ホンダF1 2台完走で信頼性改善に前進
    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、イギリスGPで2台が揃って完走したことを前向きに評価した。

    「昨日のスプリントレースに続き、今日の決勝レースでも2台とも完走を果たすことができました。2台揃ってレースディスタンスを走り切ったのはマイアミGP以来です。直近2戦ではパワーユニットの信頼性に課題を抱えていただけに、この結果は前向きに受け止めています」

    近年のホンダは性能向上だけでなく信頼性確保も重要課題となっており、今回の完走は開発面でも意味のある結果となった。

    シルバーストン特有の課題に対応
    折原氏は、シルバーストン特有のエネルギーマネジメントの難しさについても言及した。

    「シルバーストンはエネルギーマネジメントが難しいサーキットで、特に高速コーナーではドライバーのスロットル操作を予測することが容易ではありません。フリー走行とスプリントレースで得たデータをもとに、現在のパワーユニットパッケージに合わせたデータセッティングをさらに最適化し、予選に臨みました」

    高速コーナーが連続するシルバーストンでは、回生とエネルギー放出の制御がラップタイムを左右する重要な要素となる。ホンダは週末を通じて蓄積したデータを活用し、セッティングの最適化を進めた。

    ホンダF1 本田技研工業

    アロンソのフィードバックにも改善の兆し
    予選後には、フェルナンド・アロンソからパワーユニットのドライバビリティやエネルギーマネジメントについて前向きな評価が得られたという。

    折原氏は、その手応えについて次のように説明した。

    「予選後には、アロンソ選手からドライバビリティの一貫性やエネルギーマネジメントについて、オーストリアGPに続いて手応えを感じられるフィードバックが得られました。まだ私たちが目指すレベルには達していませんが、Aston Martin Aramco Formula One Teamとの取り組みが正しい方向に進んでいることを示すものだと考えています」

    ドライバーから継続して改善を実感するコメントが得られていることは、開発が着実に前進していることを示す材料となっている。

    オランダGP投入予定の新スペックへ弾み
    ホンダは今後、オランダGPで新スペックのパワーユニット投入を予定している。

    折原氏は今回の週末について、「オランダGPで新スペックのパワーユニットを投入する前に、その手応えを確認できたことは非常に重要だと感じています」と語り、今回得られたデータとフィードバックが次期アップデートへ向けた重要な判断材料になったことを明かした。

    ポイント獲得には届かなかったものの、イギリスGPはホンダにとって信頼性の改善とエネルギーマネジメントの成熟度向上を確認する週末となった。オランダGPで予定される新スペック投入に向け、今回の成果をどこまでパフォーマンスへ結び付けられるかが注目される。

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    ・F1イギリスGP 決勝展開:ルクレール今季初勝利 幻となった最終ラップ決戦

  • ホンダF1 イギリスGP予選で再び最後尾「決勝へ向けた準備も進めている」

    ホンダF1 イギリスGP予選で再び最後尾「決勝へ向けた準備も進めている」

    ホンダF1は、2026年F1第9戦イギリスGPの土曜日、アストンマーティンとともにスプリントレースと予選を戦った。予選ではランス・ストロールが21番手、フェルナンド・アロンソが22番手となり、厳しい結果で決勝を迎えることになった。

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、パワーユニットの最適化を進めながらチームとの連携を深めた一日だったと説明。決勝に向けた準備を着実に進めたことを明かした。

    予選はストロール21番手 アロンソ22番手
    2026年シーズン第9戦イギリスGPは大会2日目を迎え、シルバーストン・サーキットでスプリントレースと予選が行われた。

    アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームは、ランス・ストロールが21番手、フェルナンド・アロンソが22番手となり、両車ともQ1敗退。厳しいグリッドから決勝に臨むことになった。

    ホンダF1はPUの最適化を継続
    ホンダF1は、スプリントレースと予選を通じてアストンマーティンと連携し、パワーユニットの最適化を継続した。

    折原伸太郎は、エネルギーマネジメントのデプロイメントやドライバビリティの改善に取り組み、パッケージ全体の性能を引き出しながら決勝への準備も進めたと説明している。

    折原伸太郎「決勝へ向けた準備も進めている」
    「今日は走行セッションを通じてアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームのメカニックやエンジニア、ドライバーたちと密に連携して、着実に前進することができました」と折原伸太郎はコメント。

    「パワーユニットについては、エネルギーマネジメントのデプロイメントやドライバビリティを含めた最適化を進めました。スプリントと予選でパッケージの性能を最大限に引き出すと同時に、明日の決勝に向けた準備も進めています」

    「シルバーストンにはいつも特別な雰囲気があり、明日は大観衆の前でレースができることを楽しみにしています」

    決勝では巻き返しを目指す
    ホンダF1とアストンマーティンは、スプリントと予選で得られたデータをもとにセットアップとパワーユニットの最適化を進め、厳しいグリッドから決勝での巻き返しを目指す。シルバーストン特有の高速レイアウトで、改善の成果をどこまで発揮できるかが注目される。

    ホンダF1 イギリスグランプリ

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  • ホンダF1 初タイトル獲得40周年記念 道上龍がグッドウッドでFW11デモ走行

    ホンダF1 初タイトル獲得40周年記念 道上龍がグッドウッドでFW11デモ走行

    ホンダは、1986年にF1で初のコンストラクターズタイトルを獲得してから40周年を迎えることを記念し、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2026」で歴史的マシン「Williams Honda FW11」のデモ走行を実施する。

    デモランでは1996年F1ワールドチャンピオンのデイモン・ヒルと、ホンダのレーシングドライバーとして活躍した道上龍がステアリングを握る。

    また、「PRELUDE HRC Concept」のデモ走行も予定され、アストンマーティンF1のドライバー育成プログラムにも所属するジェシカ・ホーキンスがドライブを担当する。

    FW11でホンダF1初タイトル40周年を祝う
    今回のデモ走行は、1986年にホンダがF1初のコンストラクターズタイトルを獲得してから40周年を迎えることを記念したグローバルプログラムの一環として実施される。

    1986年のWilliams Honda FW11は、1.5リッターV6ツインターボエンジンを搭載し、シーズン16戦で9勝を記録。圧倒的な速さでホンダ悲願の初コンストラクターズタイトル獲得に貢献し、その後のF1黄金時代の幕開けを告げる歴史的マシンとなった。

    FW11のステアリングを握るデイモン・ヒルは、1990年代にウィリアムズで活躍し、1996年にF1ドライバーズチャンピオンを獲得したレジェンドドライバー。一方の道上龍も長年ホンダのモータースポーツ活動を支えてきたドライバーとして、名車の走りを披露する。

    また、イベントでは「PRELUDE HRC Concept」のデモ走行も予定されており、アストンマーティンF1のドライバー育成プログラムにも所属するジェシカ・ホーキンスがステアリングを担当する。

    道上龍

    Goodwood 2026はライバルたちの激闘がテーマ
    グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、1993年にチャールズ・マーチ卿が創設した世界最大級のモータースポーツイベントで、自動車とモータースポーツの過去・現在・未来が交差する祭典として知られている。

    当時活躍したレーシングマシンがレストアされ、そのマシンにゆかりのあるドライバーが実際に走らせることでも知られ、世界中のモータースポーツファンを魅了している。

    2026年のテーマは「The Rivals – Epic Racing Duels(歴史に名を刻むライバルたちの競演)」。モータースポーツ史を彩った数々のライバル対決にスポットライトが当てられ、ホンダもF1、MotoGP、インディカーなどで繰り広げてきた数々の激闘を振り返る。

    40周年記念プログラムは世界3か国で展開
    ホンダはFW11によるデモ走行を世界各地で実施しており、4月19日には静岡県・富士スピードウェイで開催された「シン・モーターファンフェスタ」でプログラムがスタートした。

    今回のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(7月9日~12日)に続き、8月には米国カリフォルニア州で開催される「Rolex Monterey Motorsports Reunion」でもFW11のデモ走行を予定している。

    ホンダF1 初タイトル獲得40周年記念

    ホンダF1の歴史は新たな時代へ
    ホンダは1964年にオールホンダ体制でF1へ初参戦し、1965年のメキシコGPで初優勝を達成。1983年にエンジンサプライヤーとして復帰すると、1986年にWilliams Hondaで初のコンストラクターズタイトルを獲得した。

    その後は1987年にダブルタイトルを達成し、1988年から1991年にかけてはMcLaren Hondaとして4年連続でドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを獲得。近年ではレッドブルとのパートナーシップで2021年にマックス・フェルスタッペンのドライバーズタイトル獲得を支え、2022年、2023年にはダブルタイトル達成に貢献した。

    2026年からはアストンマーティンへのワークスパワーユニット供給を開始し、新たなF1プロジェクトがスタートしている。

    1986年に始まったホンダのF1黄金時代を象徴するFW11は、40年の時を経て世界各地で再びその勇姿を披露する。グッドウッドでのデモ走行は、輝かしい歴史を振り返るとともに、アストンマーティンとの新たな挑戦へと続くホンダF1の歩みを世界のモータースポーツファンへ発信する機会となる。

  • ホンダF1 折原伸太郎がオーストリアGP総括 高地対策とバッテリー異常を説明

    ホンダF1 折原伸太郎がオーストリアGP総括 高地対策とバッテリー異常を説明

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、2026年F1第8戦オーストリアGPを総括し、ランス・ストロールのリタイアはバッテリーに通常とは異なるデータが確認されたことが原因だったと明らかにした。

    バッテリーはイギリス・ミルトン・キーンズのHRC UKへ送り、原因の調査を進めるとしている。

    一方で、フェルナンド・アロンソからはドライバビリティとエネルギーマネジメントについて「一貫性が出てきている」と前向きな評価を得られたことを明かし、結果こそ伴わなかったものの、トラックサイドでのオペレーションには前進があったと振り返った。

    ストロール車のバッテリー異常をHRC UKで調査
    決勝は路面温度が60度を超える酷暑の中で行われ、パワーユニットにとっても非常に厳しいコンディションとなった。

    折原は、ホンダとアストンマーティンが密に連携しながらレースを戦ったことを説明した一方、ストロールのマシンに異常が発生したことを明かした。

    「今日のレースは、路面温度が60度を超える非常に厳しい暑さの中で行われました。パワーユニットの冷却の面でも厳しい一戦でしたが、Aston Martin Aramco Formula One Teamと密に連携して対応することができました」

    「残念ながらストロール選手のマシンでバッテリーに通常と異なるデータが見られたため、リタイアせざるを得ませんでした。バッテリーは、イギリスのミルトン・キーンズにあるHRC UKへ送って調査を行います」

    ストロールはレース終盤まで走行を続けていたものの、電気系統の異常が疑われたことでマシンを止める判断が下された。

    高地サーキットに備えターボを事前検証
    レッドブル・リンクは標高約700メートルの高地に位置し、ターボチャージャーへの負荷が大きいサーキットとして知られる。

    折原は、週末を迎える前からベンチテストでターボチャージャーの挙動を確認していたことを明らかにした。

    「今週末のレッドブル・リンクは他のサーキットに比べて標高の高い山岳地帯に位置し、ターボチャージャーへの負荷が非常に大きいコースです。事前にベンチでターボチャージャーの挙動を確認して臨みましたが、サーキットで実際にどう機能するかを見極めることが重要でした」

    その結果、金曜日のフリー走行では想定どおりの挙動が確認できたという。

    「金曜日のフリープラクティスでは想定どおりに機能していることが確認できましたし、エネルギーマネジメント戦略とドライバビリティの最適化にも時間を充てることができました」

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソからは「一貫性が出てきている」と評価
    ホンダは今季、パワーユニットのドライバビリティやエネルギーマネジメントの改善を継続して進めている。

    オーストリアGPでは、その取り組みに対してアロンソから前向きな評価を得られたことも収穫だった。

    「土曜日にはアロンソ選手からドライバビリティとエネルギーマネジメントに前向きなフィードバックがありました。『一貫性が出てきている』というコメントで、それは我々がターゲットとしていた点です」

    折原は、新スペックのパワーユニットが投入されるまでの間は、現行仕様でオペレーションを磨き上げていくことが重要だと説明した。

    「新スペックのエンジンが投入できるまでの間は、トラックサイドのオペレーションを最大化するために、こういった改善の積み重ねが不可欠です」

    結果は厳しくも運用面には前進
    アストンマーティンは決勝でアロンソが18位、ストロールがリタイアと厳しい週末となった。

    折原もパフォーマンス面では目標に届かなかったことを認めた一方、週末を通じて積み重ねた改善には一定の手応えを感じているという。

    「週末を通じてのパフォーマンスは我々が目指すレベルには届きませんでしたが、トラックサイドのオペレーションには進歩がありました。この前進を来週末のシルバーストンにも繋げていきたいと思います」

    結果には結び付かなかったものの、高地サーキットで得られたデータや運用面での改善、そしてストロール車に発生したバッテリー異常の原因究明は、次戦イギリスGP以降へ向けた重要な材料となりそうだ。