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  • アストンマーティンF1に警鐘 シュタイナー「ストロールはホンダを動かせない」

    アストンマーティンF1に警鐘 シュタイナー「ストロールはホンダを動かせない」

    アストンマーティンF1の低迷に対し、ギュンター・シュタイナーはオーナーのローレンス・ストロールについて「忍耐が欠けている」と指摘し、「ホンダを動かすことはできない」と警鐘を鳴らした。巨額投資を続けながらも結果が出ない現状に対し、その限界を明確に示した形だ。

    2026年シーズンのアストンマーティンF1は未だポイント獲得がなく、開幕3戦で5度のリタイアと苦戦が続く。

    ホンダのパワーユニットも課題を抱えるなか、短期的な巻き返しは見通せず、プロジェクト全体の“時間軸”が改めて問われている。

    「成功には時間が必要」短期志向に疑問
    シュタイナーは、ストロールが約10億ポンド規模の投資を行い、ファクトリー建設やトップエンジニアの招聘を実現してきた点は評価しつつも、最大の問題は“時間の与え方”にあると指摘した。

    「ローレンスは自分がやると言ったことはやっている。ただ成功していないだけだ」

    「素晴らしいファクトリーをシルバーストンに建設し、最高の人材を集めた」

    「ただ、F1に必要な忍耐を持っていないと思う。6か月や12か月でうまくいかなければ変えてしまう」

    「だがF1のサイクルは12か月ではない。何かが機能するまで待つ必要がある」

    実際、アストンマーティンはここ5年で5人目のチーム代表を探している状況にあり、組織の継続性という面でも課題を抱えている。

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダには圧力をかけられない現実
    現在の低迷の一因としてホンダ製パワーユニットへの批判も集まっているが、シュタイナーはこの点について現実的な見方を示した。

    「彼はホンダをプッシュすることはできないと思う」

    「ホンダは正しい状態にするために必要な時間をかける。そこに彼が口出しする余地はない」

    「プレッシャーをかけて急がせることはできるが、彼らは自分たちのペースでやるだろう。前回復帰したときと同じように」

    ホンダは過去にも時間をかけて立て直し、最終的にはタイトルを獲得した実績がある。今回も同様に時間が必要とされるが、それを許容できるかが問われる。

    問われるプロジェクトの時間軸
    ストロールの5カ年計画は2027年で一区切りを迎えるが、現状のパフォーマンスを見る限り、その達成は極めて厳しい状況にある。

    新代表候補としてジョナサン・ウィートリーの名前も挙がるなか、組織再編は続いているが、頻繁な変更がさらなる混乱を招く可能性もある。

    巨額投資とトップ人材を揃えた体制はすでに整っている。残されているのは、それを機能させるための“時間”をどこまで許容できるかという一点に集約されつつある。

    Source: F1 OVERSTEER

  • ホンダF1 新エンジン投入へ 現行PUに限界「これが今のパフォーマンス」

    ホンダF1 新エンジン投入へ 現行PUに限界「これが今のパフォーマンス」

    ホンダF1は2026年F1日本GPで深刻なパフォーマンス不足を露呈し、現行パワーユニットの限界を認めた。アストンマーティンは予選で2台ともグリッド後方に沈み、母国レースで現状の競争力が明確に示された。

    開発はすでに次の段階に入っており、ホンダは将来的な「新エンジン」投入の可能性に言及した。ただし、現行レギュレーションの複雑さから短期的な改善は難しく、数カ月単位で同様の状況が続く見通しとなっている。

    武石伊久雄「これが今のパフォーマンス」
    ホンダ・レーシングの武石伊久雄は、現状を次のように説明した。

    「これはファンにお見せしたかったものではありません。我々が望んでいたものでもありませんが、これが今のパフォーマンスです。我々にはやるべきことが多くあると分かっています」

    また、エイドリアン・ニューウェイが指摘した人員配置についても、自社の開発方針であると強調した。

    「それは我々の哲学です。モータースポーツと他のプロジェクトの間で時間を分けています。今はこのプロジェクトに適したエンジニアが揃っていると確信しています」

    新エンジン開発も「時期は示せない」
    武石伊久雄は、現状の問題解決が容易ではないことを認めた。

    「レギュレーションが非常に複雑なため、時期を示すのは難しいです。ガレージに入るたびに改善を考えていますし、さくらでもパフォーマンス向上に取り組んでいます」

    「時期について語るのは難しいですが、いずれ新しいエンジンを投入することになります」

    Source: GMM

  • ホンダ振動問題はなぜ複雑なのか アストンマーティンF1が直面する構造課題

    ホンダ振動問題はなぜ複雑なのか アストンマーティンF1が直面する構造課題

    アストンマーティンとホンダは、2026年シーズン序盤から深刻な振動問題に苦しんでいる。初期対策によって一定の改善は見られたものの、依然としてバッテリーの信頼性を損ない、ドライバーにも大きな身体的負担を与えている。

    この問題が厄介なのは、単一の原因ではなく、複数の要素が絡み合う「構造的問題」である点にある。振動は単純な不具合ではなく、パワーユニット、シャシー、路面条件が複雑に相互作用することで発生している。

    振動は単体ではなく“相互作用”で増幅される
    内燃エンジンにはクランクシャフト、バルブ、ピストン、コンロッドなど多くの可動部が存在し、それぞれが振動の発生源となる。理論上はシミュレーションやベンチテストで予測可能だが、実際にはそれほど単純ではない。

    マシン全体には、サスペンションや路面入力、縁石の衝撃など、さまざまな外部要因からの振動が加わる。これらは単独で存在するのではなく、互いに干渉し合う。

    特に重要なのが「共振」だ。異なる振動が特定の周波数で重なることで振幅が増大し、想定以上の振動へと発展する。このため問題解決には、単に発生源を特定するだけでなく、それぞれの振動がどのように伝達・増幅されているかを理解する必要がある。

    さらに、パワーユニットとシャシーの接合部など、振動の伝達経路も重要な要素となる。問題の一部は実走行時にしか顕在化しないため、解析は一層困難になる。

    バッテリーとドライバーに直撃する影響
    アストンマーティンにとって最大の課題は、振動の発生源を切り分け、その伝達メカニズムを把握することにある。

    ホンダのトラックサイド責任者である折原伸太郎は、問題の特定がまだ進行中であることを認めている。

    「中国では振動を低減したことでバッテリーの信頼性は改善しましたが、ドライバーに影響を与えている振動の原因はまだ特定できていません」

    振動の影響はパワーユニット内部にも及び、特にバッテリーが最も大きなダメージを受けている。電気・電子部品は振動に対して非常に敏感であり、この領域のトラブルは避けにくい。

    また、ドライバーへの影響も深刻だ。上海でのフェルナンド・アロンソのリタイアは、身体的な不快感が要因であるとチームが説明している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1 本田技研工業

    走れないことで解決が遅れる悪循環
    問題をさらに複雑にしているのが、走行距離不足という現実だ。

    振動の解析には多くのデータが必要だが、信頼性問題によって走行距離が制限され、十分な検証ができていない。つまり、問題を解決するために必要な周回数を積めないという「悪循環」に陥っている。

    今後は4月のインターバル期間が重要な転機となる可能性がある。レギュレーションでは、信頼性に問題がある場合に限りパワーユニットへの介入が認められており、この例外規定の活用も鍵となる。

    振動問題は単なるセットアップの問題ではなく、マシン全体の設計・統合に関わる根深い課題だ。短期間での解決は難しく、アストンマーティンとホンダにとっては長期戦となる可能性が高い。

  • ホンダF1 日本GPの振動対策は応急処置 本格アップデートはマイアミ

    ホンダF1 日本GPの振動対策は応急処置 本格アップデートはマイアミ

    ホンダとアストンマーティンは、2026年シーズン序盤で直面している深刻な信頼性問題に対し、日本GPで追加の対策を投入する。だが、真の意味での“本格修正”は、早ければ次戦マイアミGPで導入される可能性がある。

    シーズン開幕2戦でアストンマーティン勢は完走扱いにすら至っていない。オーストラリアではランス・ストロールが15周遅れでフィニッシュし、中国ではストロールとフェルナンド・アロンソの両名がリタイアした。

    問題の中心にあるのは、ホンダのパワーユニットに起因する激しい振動だ。この振動は当初バッテリーを損傷させ、スペア不足を招くなど、開幕戦から深刻な影響を及ぼしていた。

    現在はバッテリーへのダメージ軽減について一定の進展が見られており、中国GPでのストロールのリタイアは別のバッテリー関連トラブルによるものとされている。

    ただし根本的な問題は未解決であり、ドライバーに伝わる振動は依然として大きいままだ。

    ホンダのトラックサイド責任者である折原伸太郎は、原因については完全に把握しているとしつつも、具体的な対策内容については明かしていない。

    「バッテリーの信頼性という観点では、第1戦と第2戦を通じて大きな進展がありました」

    「レースは完走できると確信しています」

    一方で、完走できるかどうかと“最後まで耐えられるか”は別問題だ。ストロールは鈴鹿で「現状ではレース距離の半分程度しか耐えられない」と語っており、ドライバーへの負担は依然として大きい。

    アロンソが中国でリタイアしたのも、まさにその限界点に達したタイミングだった。

    鈴鹿では“ドライバー側”の対策をテスト
    アストンマーティンは鈴鹿で、ドライバーが感じる振動を軽減するためのマシン側の対策を試す予定だ。

    マイク・クラックは、これは「ドライバー側に影響する」変更であると説明しており、ステアリングを通じて伝わる振動への対処が焦点とみられる。

    ただし具体的な変更内容については明かされていない。

    本格的な解決はマイアミGPか
    より抜本的な改善については、4月のレース間隔が大きな鍵となる。

    この期間を活用し、ホンダは信頼性向上のための仕様変更を準備する可能性があり、最初の“本格的アップデート”はマイアミGPで投入される可能性が高い。

    性能向上のアップグレードは制限されているが、信頼性改善についてはFIAの承認を得れば実施可能だ。

    ただし、十分な検証期間が必要となるため、マイアミ投入も確定ではない。

    折原伸太郎はその点について次のように語っている。

    「必要であれば導入できます」

    「現時点では難しいですが、マイアミでどうなるか見ていきます」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム F1 本田技研工業

    FIAは現時点で介入せず
    中国GPでは、アロンソが走行中に手を振るような仕草を見せるなど、安全面への懸念も浮上した。

    一部ではFIAが調査に乗り出したとの見方もあったが、実際には正式な介入は行われていない。

    レース中に無線や状況を確認する軽微なやり取りはあったものの、最終的にはチームが自主的にリタイアを判断した。

    クラックはこの件について次のように説明している。

    「ドライバーが『続けられない』と言えば、それに従うのが我々の責任だ」

    「彼は明らかに不快な状態にあった」

    さらに外部の介入については否定的な見解を示した。

    「我々はまず自分たちで問題を解決したい。他から言われる必要はない」

    「中国の後にはレビューを行った。技術面だけでなく、運用面でもどう対応したかを見直した」

    日本GPでは短期的な対策が試される一方で、真の転機はマイアミになる可能性が高い。

    ホンダとアストンマーティンにとって、この“振動問題”の克服がシーズンの流れを左右する重要な分岐点となりそうだ。

  • アストンマーティンF1 ダブルDNFの苦戦「日本GPに向けてホンダと改善」

    アストンマーティンF1 ダブルDNFの苦戦「日本GPに向けてホンダと改善」

    アストンマーティン・ホンダは2026年F1第2戦中国GPでフェルナンド・アロンソ、ランス・ストロールともにリタイアに終わり、ダブルDNFという厳しい結果となった。

    両車はハードタイヤでスタートし、アロンソは好スタートから10番手まで浮上したが、その後は後退。ストロールは10周目にバッテリー関連とみられるトラブルでマシンを停止しセーフティカーの原因となった。アロンソもコクピット内の振動に苦しみ、完走することなくリタイアを選択した。

    クラック「ホンダとともに改善に取り組んでいる」
    トラックサイド責任者のマイク・クラックはレースを振り返った。

    「今日はどちらのマシンも完走できなかった」とクラックは語った。

    「ランスのマシンはバッテリー関連とみられる問題で10周目に停止した」

    「フェルナンドは34周目に振動による不快感のためリタイアさせた」

    「この問題についてはホンダとともに改善に取り組んでいる」

    「今回のレースから多くのデータと学びを得ており、日本に向けてそれを活かしていく」

    アロンソ「振動が大きすぎた」
    フェルナンド・アロンソはリタイアの原因を説明した。

    「スタートはまた楽しく、我々のマシンの強みのひとつだと思う。10番手まで上げることができた」とアロンソは語った。

    「しかし20周目あたりから振動に苦しみ始め、すでに1周遅れにもなっていた」

    「最終的にはリタイアする判断を下した」

    「振動は週末の中でも今日が最もひどかったように感じるので、原因を調査する必要がある」

    「すべてを解決するには時間が必要だが、日本で再び挑戦する」

    アストンマーティン F1

    ストロール「改善の余地は大きい」
    ランス・ストロールはトラブルに見舞われたレースを振り返った。

    「ターン1に入るところでマシンの電源が落ちた」とストロールは語った。

    「バッテリー関連の問題だと考えているが、詳しく調べる必要がある」

    「それでもこの週末は周回数を重ね、多くのデータを収集できた」

    「マシンとエンジンについて理解を深めることができたのはポジティブだ」

    「全体的にやるべきことは多く、あらゆる分野で改善が必要だ」

    「厳しい状況ではあるが、チーム全員で取り組んでおり、大きなポテンシャルがあると信じている」

    アストンマーティンは信頼性と快適性の両面で課題を抱える結果となり、日本GPに向けた改善が急務となる。

  • ホンダF1 中国GP2日目 振動問題に改善の兆し「正しい方向に前進」

    ホンダF1 中国GP2日目 振動問題に改善の兆し「正しい方向に前進」

    2026年F1第2戦中国GPが上海インターナショナル・サーキットで開幕し、スプリント形式で行われる週末の2日目にはスプリントレースと決勝レースの予選が実施された。アストンマーティンにパワーユニットを供給するホンダにとっても、信頼性の改善状況を確認する重要な週末となっている。

    オーストラリアでの開幕戦ではパワーユニット関連の問題が露呈したが、ホンダはバッテリー振動対策などの改良を導入。中国GPでは走行距離を重ねながらデータ収集を進め、決勝に向けた信頼性確認を続けている。

    ホンダのトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、週末の進捗について次のように説明した。

    「昨日のフリー走行ではスムーズにセッションを進めることができ、走行距離を重ねながら多くのデータを収集できました。その結果をもとに、本日のスプリントレースおよび予選に向けたデータの最適化を行いました。」

    「スプリントレースではフルディスタンスを走り切ることができ、我々が正しい方向に前進していることを示す一日となりました。これはホンダとして信頼性向上に向けた重要な一歩であり、引き続き改善に向けて全力で取り組んでいきます。」

    ホンダ F1 中国GP / 本田技研工業

    振動対策と走行距離の積み重ねが鍵
    開幕戦のメルボルンでは、エネルギーストアに関する振動問題への対策が導入された。中国GPでもその改善策の検証が続けられている。

    「メルボルンではバッテリーへの振動を低減するための新たな対策を導入し、週末を通して約300〜400kmを走行しました。中国でも走行距離を重ねることができたことで、一定の自信につながっています。」

    「明日の決勝では約300kmを走行しますが、レースを最後まで走り切ることで、これらの対策が十分に機能していることを確認していきたいと考えています。ホンダおよびアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームにとって、一周一周が重要な意味を持っています。」

  • ホンダF1 アロンソの予選での走りを評価「重要なデータを得られた」

    ホンダF1 アロンソの予選での走りを評価「重要なデータを得られた」

    2026年F1開幕戦オーストラリアGPの予選で、アストンマーティンは厳しい状況の中でも一定の前進を見せた。信頼性問題に悩まされるAMR26だが、フェルナンド・アロンソはフリー走行3回目から予選まで走行を続け、チームにとって重要なデータを持ち帰った。

    ホンダ・レーシング(HRC)はアロンソの走行を高く評価しており、サーキット担当マネージングディレクター兼チーフエンジニアの折原慎太郎は、予選を通じてマシンの改善を確認できたと説明した。

    一方でランス・ストロールは内燃エンジンのトラブルにより土曜日は走行できず、チームはアロンソ1台でデータ収集を行う形となった。

    折原慎太郎が進歩を強調
    ホンダ・レーシング(HRC)のサーキット担当マネージングディレクター兼チーフエンジニアである折原慎太郎は、アロンソの走行によってマシンの改善を確認できたと語った。

    「アストンマーティンとの初めての予選を終えて、アロンソ選手のマシンでは前向きな結果を出すことができました」

    「金曜から今日にかけての改善は、トラックサイドとHRC Sakuraのハードワークの結果です。」

    さらに折原慎太郎は、プレシーズンテストから問題となっていたバッテリー振動についても改善の兆候が見えていると明かした。

    「データ上でも、バーレーンテストと比較してバッテリー周辺の振動を軽減できていることを確認しており、引き続き改善を目指します」

    ホンダF1 本田技研工業 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ストロールのマシンは走行できず
    しかしストロールのマシンについては厳しい状況だった。

    「一方、ストロール選手のマシンについては、FP3前にICE関連の問題が判明し、チームと連携して全力で対応したものの、残念ながら予選開始までに走行可能な状態に戻すことができませんでした」

    「内燃エンジンの問題を特定していたが、チームと協力して最大限の努力をしたにもかかわらず、予選までにマシンを準備することができなかった」

    「まずは、全力で準備と改善に取り組み、明日の決勝に挑みます」

    チームは日曜レースに向けて両車の出走を目指して作業を続けており、FIAは最終的にランス・ストロールの決勝出走を特例で認める判断を下した。

  • ホンダF1復帰に誤算 渡辺康治「活動停止期間の影響が出ている」

    ホンダF1復帰に誤算 渡辺康治「活動停止期間の影響が出ている」

    2026年F1シーズンの開幕を目前に控える中、アストンマーティンとホンダの新たなワークス体制は厳しいスタートを迎えている。プレシーズンテストでは信頼性問題が発生し、バルセロナとバーレーンでの走行距離は合計約400周にとどまった。

    その背景には、ホンダがF1復帰に向けたエンジン開発を開始するまでに生じた“空白期間”があったことが明らかになっている。

    ホンダ復帰プロジェクトに影響した“活動停止期間”
    ホンダは2021年をもってF1のフルワークス活動を終了したが、2026年F1レギュレーションをきっかけに再参戦を決断し、アストンマーティンとパートナーシップを結んだ。

    しかし、開発体制の再構築には時間を要した。ホンダ・レーシング(HRC)社長の渡辺康治は、東京で行われた年次会見で次のように説明した。

    「2021年にフルワークス参戦を終了し、エンジニアたちは量産部門など別の部署に戻りました。2022年3月には多くのエンジニアが離れ、RBをサポートするためにメカニックと少数のエンジニアだけが残る体制でした」

    「そのため、実際には活動停止の期間がありました」

    2023年にF1復帰が正式承認されたことで、ホンダは再びエンジニアの再招集を開始したが、その空白期間の影響は現在の開発にも及んでいるという。

    「2023年から人員を戻し始めましたが、確かに活動停止期間があり、その影響が今になって出ています」

    「2022年に新しいレギュレーションの大枠が決まった時点で、我々には必要な人員が揃っていませんでした」

    ホンダF1 本田技研工業

    コストキャップ導入も開発再始動の足かせに
    さらに問題を複雑にしたのが、F1のコストキャップ制度だった。

    2022年にはパワーユニット開発にコスト制限がなかったが、ホンダがエンジニアを呼び戻し始めた2023年にはすでにコストキャップが適用されていた。

    渡辺康治はその影響について次のように語った。

    「正確に言えば、エンジニアを呼び戻すまでにタイムラグがありました」

    また、ホンダ・レーシングの伊久雄マネージングディレクターも同様の認識を示している。

    「人員を戻すまでに実際に時間の遅れがありました。そしてコストキャップの影響もあり、構造的に我々は後れを取っていました」

    「このタイミングの問題とコストキャップの制約が、開発スタートの遅れにつながりました。これは私自身も振り返っている点です」

    AMR26の振動問題とオーストラリアGP
    アストンマーティンの新車AMR26はプレシーズンテストで振動問題に見舞われ、走行プログラムが大きく制限された。ホンダは現在、この問題の解決に取り組んでおり、その成果は開幕戦オーストラリアGPで明らかになる見通しだ。

    ホンダは過去にも2014年のターボハイブリッド時代の初期に苦戦を経験したが、その後レッドブルとの提携で6度の世界タイトル獲得に貢献するまでに発展した。

    新たなパートナーであるアストンマーティンとの2026年プロジェクトも、現在は困難なスタートを切っているが、その進化がどこまで早く進むのかが注目されている。

  • エイドリアン・ニューウェイ ホンダF1のPUに皮肉「80馬力不足」発言の波紋

    エイドリアン・ニューウェイ ホンダF1のPUに皮肉「80馬力不足」発言の波紋

    2026年F1開幕を目前に控え、アストンマーティンが深刻な信頼性問題に直面している。ホンダとのワークス体制初年度として期待を集めたが、バーレーンテストでは走行距離を十分に重ねることができず、開幕戦オーストラリアGPに向けても状況は不透明だ。

    テストではバッテリー系統のトラブルが頻発し、エイドリアン・ニューウェイがホンダ製パワーユニットに対し皮肉を交えた発言を行ったと伝えられている。

    ホンダPUの“80馬力不足”を巡る皮肉
    報道によれば、ニューウェイはホンダの新型V6エンジンがバッテリー充電時に十分な出力を発揮できていない点について「80馬力不足している」と皮肉を込めて言及したという。充電時に出力が大きく削がれる構造が、パフォーマンスとエネルギー回生効率の両面に影響していると見られている。

    ホンダ側は、バーレーンで発生したトラブルの原因について、V6内燃エンジンの振動が想定以上に大きく、テストベンチでは検出されなかった振動がバッテリーにダメージを与えたと説明している。現在は急ピッチで対策を進めている状況だ。

    開幕戦での完走可否すら不透明
    アストンマーティンは、バーレーンでの3日間テストを2回行ったものの、全チーム中最少周回数にとどまった。十分なロングランデータを得られなかったため、AMR26の真のパフォーマンスレベルも把握できていない。

    一部では、107%ルールを満たせない可能性や、決勝で最低周回数のみ走行してリタイアする案が検討されているとの報道もあった。ただし別の報道では、ホンダ側がデータ取得を強く求めており、早期撤退は現実的ではないとも伝えられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    ニューウェイとホンダの緊張関係
    ニューウェイは2025年3月にマネージング・テクニカル・パートナーとして加入。到着直後から自身のコンセプト導入を進め、ホンダ側にも大幅な設計変更を求めたとされる。

    しかし、バルセロナのシェイクダウンでも準備は遅れ、バーレーンでは信頼性問題が噴出。さらにマシン自体もグリップ不足やダウンフォース不足が指摘されており、問題はパワーユニットだけにとどまらない可能性もある。

    2026年の新レギュレーションは、ホンダとのファクトリーパートナーシップを軸にアストンマーティンが頂点を目指すための転換点となるはずだった。しかし開幕前の現実は厳しく、メルボルンではまず「完走できるか」が最大の焦点となりそうだ。

    Source: F1 OVERSTEER

  • ホンダF1構造問題の核心 ニューウェイの低重心思想とバッテリー分割の代償

    ホンダF1構造問題の核心 ニューウェイの低重心思想とバッテリー分割の代償

    アストンマーティンとホンダが直面しているのは、単なる信頼性トラブルではない。AMR26を襲う振動問題の本質は、設計思想そのものに根差した構造課題にある。

    重心を極限まで下げるというエイドリアン・ニューウェイの思想。その実現のために選ばれたバッテリー分割構造とMGU-Kの低位置配置が、いまホンダF1パワーユニット全体を揺らしている。解決、あるいは緩和までに半年を要するとの見立ても出ている。

    テストで露呈した“想定内”の異変
    プレシーズンテストで見られた不具合は、完全な不意打ちではなかった。さくらのバーチャルテストトラック段階から、振動に関する兆候は存在していたという。

    幹部が日本へ足を運んだのも、状況が設計想定と一致していなかったからだ。机上では成立していたパッケージが、実走行で別の表情を見せ始めていた。

    低重心化が生んだ二層バッテリー構造
    ニューウェイは重心を可能な限り下げることを求めた。そのためMGU-Kを極端に低い位置へ配置する必要が生じ、結果としてバッテリーは上下二層に分割された。

    この変更は初期設計段階には存在していなかった後発の決断だった。取り付け方法や固定構造も再設計され、PU内部のレイアウトは他メーカーとは大きく異なるものとなった。

    振動連鎖のメカニズム
    ホンダのMGU-Kは約3万回転で作動し、熱機関部とともに強い振動を発生させる。問題は、その振動が極めて近接したバッテリーへ直接伝達される点にある。

    最初に損傷するのはOリングとされる。シールが破れ冷却水が漏れ、セル内部へ侵入。水冷式バッテリーにとってそれは致命的であり、化学反応が連鎖的に発生する。

    振動の原因は出力そのものではなく、配置と固定方法にあると見られている。設計思想が振動を吸収する余地を与えなかった。

    シャシーとの哲学的衝突
    AMR26のシャシーはミニマル設計を徹底している。これは空力と重量配分の面で利点を持つが、振動を“逃がす”余裕を持たない。

    ホンダ側は補強を求めたが、シャシー思想を崩すことへの抵抗があったとされる。バッテリー分割は後から加わった変更であり、構造全体との整合性が十分に確保されていなかった。

    本田技研工業 ホンダF1 / アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    燃料が緩衝材になる異例の現象
    興味深いのは、燃料満載時には振動が軽減される点だ。ガソリンが一種のダンパーとして作用し、共振を抑える。

    しかし軽量状態では問題が顕在化する。特に予選シミュレーションでは振動が増幅される傾向にあり、エンジン回転数を上げるほど損傷リスクは高まる。

    出力を追求するほど耐久性が削られるという構図に陥っている。

    構造修正か設計再考か
    ギアボックスや電気系統、ソフトウェア面にも再検討課題はあるが、それらは比較的対処しやすい領域とされる。真の問題は構造的な配置思想だ。

    短期的には振動緩和策でしのぐことになるが、根本解決には設計再考が必要になる可能性がある。完全な修正には時間を要する。

    ニューウェイの低重心思想は、理論上は大きな武器となる。しかし現段階では、その挑戦はホンダF1パワーユニットに重い代償を課している。

    半年後、この極端な設計思想は革新として結実するのか。それとも2026年F1シーズンを通じて試練を抱え続けるのか。構造問題の行方が、両者の未来を左右する。

    Source: motor.es