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  • アストンマーティンF1の2028年PU変更構想 メルセデスとレッドブルは消極的

    アストンマーティンF1の2028年PU変更構想 メルセデスとレッドブルは消極的

    アストンマーティンが将来的なF1パワーユニット供給先の変更を検討するなか、メルセデスは同チームへの再供給に消極的な姿勢へと転じているという。ローレンス・ストロールはメルセデスとレッドブル・パワートレインズに接触したと報じられているが、いずれも前向きな反応を示していないとされる。

    アストンマーティンは2026年からホンダF1とワークス体制を構築したものの、新レギュレーション初年度は厳しい戦いが続いている。

    オランダGPで待望のアップデートが投入された後も、ホンダF1のパワーユニットによってラップあたり約1秒を失っているとの見方もあり、ストロールは2028年以降を視野に代替案を探っているという。

    メルセデスはアストンマーティンへの再供給に消極的
    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、2026年シーズン開幕戦オーストラリアGPを前に行われたチーム代表会見で、メルセデスとしてはアストンマーティンとのパートナーシップを2026年以降も継続する用意があったと説明していた。

    メルセデスは、アストンマーティンの前身であるフォース・インディア時代の2009年からパワーユニットを供給してきた。しかし、ローレンス・ストロールはカスタマーチームではなく事実上のワークスチームになる道を選択し、ホンダF1との提携に踏み切った。

    一方、アルピーヌは自社製パワーユニットによるワークス体制を終了し、メルセデスとのカスタマー契約を締結した。

    「アストンマーティンは長年にわたってメルセデスのカスタマーであり、パートナーでもあった。現在もロードカー部門にはエンジンやその他のコンポーネントを供給している。だから、アストンマーティンとの関係を終わらせるというのはメルセデス側の決定ではなかった」とヴォルフは語っている。

    「彼らはホンダ、そしてパートナーのアラムコとともにワークスチームになるという意識的な決断をしたのだと思う。だから我々は彼らを手放さなければならなかった」

    しかし、その後の状況は変化したようだ。

    イタリア版Motorsport.comのジャーナリスト、フランコ・ヌニェスによれば、現在のヴォルフはアストンマーティンとの新たなパートナーシップに積極的ではなく、レッドブル側も供給契約を結ぶ「意思」を示していないという。

    メルセデスは次のレギュレーションサイクルでカスタマーチームを2チームに限定したい意向とされており、ここからアストンマーティンを供給先に追加することは、その方針と一致しない。

    ストロールは2028年を視野に他メーカーへ接触
    ヌニェスは、ホンダF1側も現状を受けて大幅な改善が必要だと認識したと説明する。

    「私が把握しているところでは、ホンダはクオリティ面で大きな飛躍が必要だと認識した」

    「リスクとしてあったのは、ローレンス・ストロールが別のエンジンを探しに行く可能性だ。2027年ではない。すでにマシンの開発段階に入っており、すぐにエンジンを変更することは問題外だからだ。しかし、2028年を見据えた動きだ」

    「ストロールはあらゆるドアをノックしてみたが、他のメーカー側にはエンジンを供給しようという意思がそれほどなかった」

    仮にアストンマーティンがホンダF1との関係を終了し、新たな供給元を確保できなかった場合、レギュレーション上の仕組みによってパワーユニットメーカーが割り当てられる可能性もある。

    ヌニェスによれば、その場合には供給チーム数が最も少ないメーカーとしてアウディが候補になるという。ただし、アウディのパワーユニットについても現時点では競争力の面で大きく遅れているとの見方を示している。

    「レギュレーション上では、アストンマーティンにエンジンを供給する役割はアウディに回ることになる。供給しているチーム数が最も少ないメーカーだからだ。ただし、ドイツのエンジンもかなり遅れている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    メルセデスとレッドブルへの接触はホンダへの圧力だった可能性
    一方で、ストロールがメルセデスやレッドブル・パワートレインズと接触した背景には、実際のパワーユニット変更だけでなく、ホンダF1にプレッシャーをかける狙いがあったとの見方も出ている。

    その動きが一定の効果をもたらした可能性もある。ホンダF1では最近、F1プロジェクトの責任者を務めてきた角田哲史氏が退任し、副責任者だった深尾洋一郎氏が10月から後任を務めることが発表された。

    ヌニェスは、シーズン終了を待たずに行われる今回の人事変更は、ホンダF1のさくら拠点における組織文化にも変化をもたらす可能性があると指摘する。

    「これは非常に重要なニュースだと思う」

    「通常、彼らがシステムや組織構造を変更するのはシーズン終了後だ。チャンピオンシップがまだ続いている段階で責任者を交代させたという事実は、明確な戦略変更を示している」

    さらに、前任者のマネジメントスタイルにも言及した。

    「前任の責任者は、あらゆることを完全にコントロールしたい人物だったと言われていたことも覚えておくべきだ。副責任者を昇格させることで、組織内部のエネルギーを解放し、新たなアイデアの波を生み出すことができるかもしれない。それはホンダにとってプラスになる可能性がある」

    アストンマーティンとホンダF1の契約は、2026年から始まったばかりだ。フェルナンド・アロンソもホンダF1の施設、人材、プロジェクトへの投資を挙げて「100%」信頼していると強調している。一方で、現在のパフォーマンス不足が長期化することへの懸念から、ストロールが2028年以降に向けた選択肢を探っているとの報道は続いている。

    かつてアストンマーティンとの関係継続に前向きだったメルセデスも、現在はカスタマー数を絞る方針から再提携に消極的とされ、レッドブル・パワートレインズも供給に前向きではないという。ホンダF1が組織変更と今後の開発によって性能差をどこまで縮められるかは、アストンマーティンの長期的なF1計画を左右する重要な要素になりそうだ。

  • アストンマーティンF1 AMR26Bで劇的改善 カルディレ「以前のマシンは壊れていた」

    アストンマーティンF1 AMR26Bで劇的改善 カルディレ「以前のマシンは壊れていた」

    アストンマーティンF1は、2026年シーズン途中に投入したAMR26Bによってマシンの性格を大きく変えることに成功した。テクニカルディレクターのエンリコ・カルディレは、従来型のAMR26について、ドライバーの視点では「ある意味で壊れていた」と表現している。

    AMR26Bの進歩は単純なダウンフォース増加だけではない。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがセットアップ変更に対して予測可能な反応を得られるようになり、ドライバビリティそのものが大幅に改善されたという。

    1ポイントから巻き返したアストンマーティンF1
    アストンマーティンは2025年のコンストラクターズ選手権を7位で終え、5位だった2024年から後退した。そして、新しいF1レギュレーションが導入された2026年は、さらに厳しいスタートを切った。

    エイドリアン・ニューウェイの設計思想のもとで開発され、カルディレが技術面を統括したAMR26は、重量超過に加えてダウンフォースが不足。さらにホンダF1のパワーユニットも出力不足と振動の問題を抱えていた。

    ハンガリーGPを迎えるまで、アストンマーティンが獲得していたポイントはわずか1点。アロンソがF1モナコGPで記録した10位が唯一の入賞だった。

    そこでアストンマーティンは、複数のレースにわたって小規模から中規模のアップデートを投入するのではなく、リソースをひとつの大規模パッケージに集中させる方針を選択した。

    カルディレ自身が「勇気のある決断」と表現したこの計画では、シャシーを再ホモロゲーションして新たなクラッシュテストを受ける必要があり、ノーズ、空力サーフェス、リアサスペンションなどにも大幅な変更が加えられた。

    その結果として誕生したのがAMR26Bだった。

    「僕たちは、いわば2つのステップを同時に踏み出した。純粋なパフォーマンスを大きく向上させると同時に、ドライバビリティも大幅に改善した」

    「以前のマシンはある意味で壊れていた」
    カルディレは、シーズン序盤にアロンソとストロールが直面していた問題の深刻さを隠そうとはしない。

    「以前は、彼らの視点からすれば、ある意味でマシンが『壊れていた』。一貫した反応をしてくれなかった」

    AMR26ではセットアップを変更しても、その効果が予測できないケースがあり、ドライバーが自分の好みに合わせてマシンを仕上げることが難しかった。

    AMR26Bでは、まさにその部分が改善されたという。

    「今のマシンはより予測しやすくなっている。セットアップ変更に対して正しく反応するので、彼らはその変更を使って自分の好みに合わせてマシンを調整できる」

    カルディレにとって、それは単なるラップタイム以上に重要な進歩だった。

    「率直に言って、彼らのためにも本当にうれしく思っている。彼らが望むようにドライブできるマシンに近づけることは、我々にとって重要だった」

    シーズン序盤、カルディレはアロンソとストロールの苦悩を間近で見ていた。

    「シーズン序盤には、彼らのフラストレーションを見たし、私自身もそれを感じていた。このレベルでは簡単なことではない」

    F1では、ドライバーがマシンを信頼できるかどうかがパフォーマンスに大きく影響する。また、挙動に一貫性がなければドライバーから得られるフィードバックの精度も低下し、開発そのものが難しくなる。

    しかし、現在ではドライバーとの会話の内容も変化しているという。

    「今では、彼らとの会話の多くが将来についてのものになっている。2026年型マシンにはどんな制約があり、2027年に向けてどうすればもう一度大きなステップを踏み出せるのか。それを考えている」

    2025年のアップデートとは根本的に違うAMR26B
    カルディレは、今回のアップデートと2025年に投入した大型パッケージには決定的な違いがあると説明する。

    「昨年、大規模なアップデートパッケージを投入したときは、その限界も分かっていた。改善幅という意味では、根本的な変化ではなかった」

    2025年のアップデートでも競争力は向上したが、マシンそのものの性格までは変えられなかったという。

    「少し競争できるようにはなったが、マシンのキャラクターを根本的に変えるものではなかった。ドライバーにとっては基本的に同じマシンで、ただ少しダウンフォースが増えただけだった。ドライブする楽しさが本当に変わったわけではなかった」

    だが、AMR26Bは違う。

    「今回は違う。全体的なダウンフォースという意味でも、このパッケージはベース車両と比較して非常に大きなステップになっている」

    さらに重要なのは、単に空力性能が向上しただけではないことだ。

    「マシンの挙動も変わっている。ドライバーへの情報の伝え方、コーナー中盤での反応、荷重変化への対応も変わった」

    「だから、いわば2つのステップを踏み出した。純粋なパフォーマンスが大幅に向上し、それと同時にドライバビリティも大きく改善した。それがドライバーにとって感覚が大きく違う理由であり、彼らから非常にポジティブなフィードバックが得られている理由でもある」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    シャシー改善でも隠せないホンダF1の出力不足
    AMR26Bの進歩は、空力性能やメカニカルバランスが重要になるサーキットでは明確に表れている。

    テクニカルなレイアウトでストレートが比較的短いザントフォールトでは、アロンソが9位に入り、シーズン2度目のポイント獲得を果たした。

    一方、パワーユニットへの依存度が高いモンツァとマドリンクでは、シャシーでは補えない弱点が露呈した。

    F1イタリアGPではアストンマーティンの2台が予選最後列に沈み、ポールポジションから約4秒遅れとなった。ストレートでは、トップチームだけでなくキャデラックなどに対しても大きなタイムを失った。

    続くF1スペインGPでは、アロンソが17位でフィニッシュ。優勝したアンドレア・キミ・アントネッリから2周遅れとなり、ストロールはブレーキトラブルによってリタイアした。

    原因のひとつがホンダF1のRA626Hだ。

    ホンダF1のパワーユニットは、FIAが基準としているレッドブルのパワーユニットに対して推定約70馬力の出力差を抱えているとされる。

    さらにレースではエネルギーマネジメントの問題も加わる。アロンソは上海で、予選では1周の約75%でパワーユニットの性能を最大限使用できる一方、ロングランではそれが約半分にまで低下すると説明していた。

    ホンダF1はザントフォールトで第2仕様のパワーユニットを投入したものの、トラックサイドのチーフエンジニアを務める折原伸太郎も、依然としてライバルに対して総合的なパワーで遅れていることを認めている。

    つまりAMR26Bによってダウンフォースが増え、ドライバビリティが改善され、以前の「壊れていた」状態から予測可能なマシンへと変貌しても、パワーが支配的なサーキットではその進歩が覆い隠されてしまう。

    シャシーは改善した。しかし、そのシャシーだけでパワーユニットの不足分を埋めることはできない。

    HRCの渡辺康治社長も、パワーユニットの問題を今シーズン中に完全に解決することは難しいとの認識を示している。

    AMR26Bを土台に2027年型マシンを開発
    アストンマーティンはすでに視線を2027年へと移している。

    カルディレによれば、ドライバーからも2027年型マシンについての質問が出るようになり、チームの開発リソースも来季プロジェクトへと重点が移されている。

    ハンガリーで投入されたAMR26Bの大型パッケージと、ザントフォールトで加えられた小規模な修正が、AMR26に予定されている最後の空力アップデートになるという。

    2027年型マシンは、AMR26Bによって確立された方向性を発展させるものになる。ただし、単純に現在のマシンを継続使用するのではなく、各コンポーネントは新たに設計される。

    その意味でAMR26Bには2つの役割がある。

    ひとつは、アロンソとストロールが自分の好みに合わせてセットアップできる予測可能なマシンを提供し、2026年シーズンの競争力を改善すること。そしてもうひとつは、2027年型マシンにつながる技術的な方向性を実戦で検証することだ。

    「これは我々にとって大きな意味を持っている。数字が変わっただけでなく、フィーリングそのものが変わったことを示している」

    シーズン序盤にはAMR26の挙動に苦しみ、フラストレーションを募らせていたアロンソとストロールだが、現在の議論はすでに2027年へと移っている。

    AMR26BによってアストンマーティンF1は、単なるダウンフォース増加以上の成果を手にした。予測不能だったマシンをドライバーが調整できるマシンへと変え、その方向性を次のF1マシンへとつなげようとしている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 2027年型は「完全に新しいマシン」全パーツを刷新

    アストンマーティン・ホンダF1 2027年型は「完全に新しいマシン」全パーツを刷新

    アストンマーティンF1は、2027年型マシンの開発を本格化させている。最高技術責任者(CTO)のエンリコ・カルディレは、来季マシンについて「すべてのパーツが新しくなる」と明言し、2026年型AMR26から何かを引き継ぐことを前提としない「完全に新しいマシン」になると説明した。

    ただし、すべてを白紙に戻すわけではない。2026年シーズン途中に大幅な改良を受けたAMR26で見いだした開発の方向性は正しいと判断しており、そのコンセプトを進化させながら、さらに大きなステップを目指す。

    2026年から得られる情報を2027年型へ
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤に苦戦したものの、ハンガリーGPで大規模なアップデートを投入。カルディレによれば、チーム史上最大規模となる改良によってシャシーのパフォーマンスを大きく引き上げた。

    ザントフォールトでは、そのパッケージがハンガロリンクとは異なる特性のコースでも機能することを確認。CFD、風洞、実際のコースという3つの領域で相関関係が取れていることも、今後の開発にとって重要な成果になった。

    そして現在、チームの視線はすでに2027年へ向けられている。

    「今の我々の仕事は、2026年からできる限り多くの情報を引き出すことだ。そのすべてが2027年のプロジェクトを導くことになる」

    「これからはあらゆる領域で毎日がチャレンジになる。より多くのダウンフォースを見つけ、重量を削減し、エンジニアリンググループが風洞を使える時間を増やし、コンセプトを再検討し、コンポーネントを磨き上げていく」

    カルディレは、シーズン終了時には2026年の結果そのものより、そこから何を学び、それが2027年型マシンにどう反映されているかが最大のテーマになっているはずだと語る。

    「年末までには、我々の会話のほとんどが、何を学び、それが2027年型マシンをどのように形作っているのかという話になっていると思う」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「すべてのパーツが新しくなる」
    では、2027年型マシンは現在のAMR26からどの程度変わるのか。

    カルディレの答えは明確だった。

    「すべてのパーツが新しくなる。すべてが改善される」

    一方、基本的な開発思想については、現在のマシンで見いだした方向性を発展させる。

    「ただ、コンセプトとしては今年のマシンで採った方向性を進化させたものになる」

    「我々は今、正しい道を進んでいる。ただし、その道に縛られているわけではない」

    アストンマーティンは2026年型マシンの大規模アップデートによって、単純なダウンフォース量だけでなく、マシンの挙動そのものを改善した。

    カルディレは、アップデート後のAMR26について「生のパフォーマンス」と「ドライバビリティ」の両方で大きな前進を果たしたと評価。セットアップ変更に対してマシンがより一貫して反応するようになり、ドライバーが自分の好みに合わせて調整できるようになったことを重要視している。

    こうした特性が2027年型マシンの出発点になる。

    AMR26からの流用を前提とせず
    ただし、現在の方向性を進化させることと、AMR26の設計をそのまま受け継ぐことは別だ。

    カルディレは、2027年プロジェクトでは既存マシンから何かを流用しなければならないという制約を設けていないと強調した。

    「こう言えばいいだろう。2027年のプロジェクトに取り組むにあたって、以前のマシンから何かを引き継ごうという点で、我々は自分たちに何の制約も設けていない」

    「そういう意味では、完全に新しいマシンになる。それによって、我々が望むものを実現するための自由と考え方を手にすることができる」

    つまり、AMR26で確認した開発方向を土台としながらも、既存部品やレイアウトを残すこと自体を目的にはしない。必要であれば、あらゆる領域を変更できる自由度を確保して2027年型を設計するということだ。

    2026年型AMR26については、予定されていた空力開発がすでに終了し、今後は軽量化プログラムを進めながらシーズンを戦う。一方、ファクトリーでは2027年型マシンの開発が中心になりつつある。

    大幅改良によってAMR26でようやく見つけた「正しい道」を維持しながら、それに縛られることなく全パーツを刷新する。アストンマーティンにとって2026年シーズン後半は、目の前の結果を追うだけでなく、2027年に向けた実戦での検証期間という意味合いを強めていく。

  • アストンマーティン・ホンダF1 マドリンクで最高速苦戦 アロンソは11.3km/h差

    アストンマーティン・ホンダF1 マドリンクで最高速苦戦 アロンソは11.3km/h差

    アストンマーティン・ホンダは、2026年F1第14戦スペインGPの舞台となったマドリンクで、最高速の面で苦しい数字を記録した。予選までのスピードトラップではフェルナンド・アロンソが298.0km/hで16番手、ランス・ストロールは296.8km/hで19番手にとどまった。

    トップはアウディのガブリエル・ボルトレトが記録した309.3km/h。アロンソは11.3km/h、ストロールは12.5km/hの差をつけられており、アストンマーティン・ホンダにとってストレートスピードが厳しい状況にあることを示すデータとなった。

    アロンソはトップから11.3km/h差
    マドリンクのスピードトラップはセクター1終盤、高速で駆け抜けるターン4付近に設置されている。最高速が伸びるポイントで、各マシンの空力設定や直線での速度特性の違いが表れた。

    最速だったボルトレトは309.3km/hを記録。チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグも307.3km/hで2番手となり、アウディ勢がスピードトラップの上位2台を占めた。

    3番手はメルセデスのジョージ・ラッセルで306.7km/h。ハースのエステバン・オコンが306.5km/h、アルピーヌのピエール・ガスリーが304.9km/hで続いた。

    これに対してアロンソは298.0km/hで16番手。ボルトレトとの差は11.3km/hだった。ストロールはさらに低い296.8km/hで19番手となり、下回ったのはキャデラックのバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスだけだった。

    レーシングブルズの角田裕毅は302.6km/hで10番手。アロンソより4.6km/h、ストロールより5.8km/h高い最高速を記録している。

    フィニッシュラインでもアストンマーティン勢は下位
    スタート/フィニッシュラインを通過した際の速度でも、アストンマーティン勢は下位に並んだ。

    アロンソは218.8km/hで20番手、ストロールは208.4km/hで21番手。トップはレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンで236.2km/hだった。

    ただし、フィニッシュライン通過速度はスピードトラップとは意味合いが異なる。スピードトラップが高速区間に設置された計測地点での速度なのに対し、フィニッシュラインの数値は最終コーナーからの立ち上がりや加速、ERSの使い方、計測時の走行状況などにも左右される。

    そのため、アロンソの218.8km/hやストロールの208.4km/hを、そのままマシンの「最高速」として比較することはできない。それでも、異なる計測地点でアストンマーティンの2台がともに下位に位置したのは興味深いデータだ。

    ポールのノリスは最高速9番手
    一方、マドリンクでは最高速がそのままラップタイムに直結しているわけではない。

    ポールポジションを獲得したマクラーレンのランド・ノリスは302.9km/hで9番手。ボルトレトより6.4km/h低い最高速ながら、コーナリングを含めたラップ全体では最速タイムを記録した。

    マックス・フェルスタッペンも302.4km/hで12番手、ルイス・ハミルトンは300.6km/hで14番手、オスカー・ピアストリは300.4km/hで15番手だった。

    マドリンクは高速区間に加え、中低速コーナーや90度コーナーが組み合わされたレイアウトであり、ダウンフォースを削って最高速を伸ばすことが必ずしも最速のセットアップになるわけではない。

    また、F1は開催前にマドリンクで340km/h前後の最高速に達する可能性を示していたが、実際のスピードトラップではトップでも309.3km/h。シミュレーションから実走へ移るなかで、各チームが実際のグリップやタイヤの挙動などに合わせた空力設定を選択した結果、事前予測には届かなかった。

    アストンマーティン・ホンダは今回、2台ともスピードトラップで下位に沈んだ。最高速だけでマシンやホンダF1パワーユニットの性能を切り分けることはできないものの、アロンソがトップから11.3km/h差という数字は、マドリンクで直線速度が強みになっていなかったことを示している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ■ F1スペインGP スピードトラップ
    1.ガブリエル・ボルトレト(アウディ)- 309.3km/h
    2.ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)- 307.3km/h
    3.ジョージ・ラッセル(メルセデス)- 306.7km/h
    4.エステバン・オコン(ハース)- 306.5km/h
    5.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)- 304.9km/h
    6.フランコ・コラピント(アルピーヌ)- 304.2km/h
    7.リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)- 303.4km/h
    8.キミ・アントネッリ(メルセデス)- 303.3km/h
    9.ランド・ノリス(マクラーレン)- 302.9km/h
    10.角田裕毅(レーシングブルズ)- 302.6km/h
    11.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)- 302.6km/h
    12.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)- 302.4km/h
    13.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)- 301.2km/h
    14.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)- 300.6km/h
    15.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)- 300.4km/h
    16.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)- 298.0km/h
    17.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)- 297.4km/h
    18.シャルル・ルクレール(フェラーリ)- 297.2km/h
    19.ランス・ストロール(アストンマーティン)- 296.8km/h
    20.バルテリ・ボッタス(キャデラック)- 289.8km/h
    21.セルジオ・ペレス(キャデラック)- 289.5km/h

    ■ F1スペインGP フィニッシュライン通過速度
    1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)- 236.2km/h
    2.リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)- 235.4km/h
    3.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)- 234.7km/h
    4.フランコ・コラピント(アルピーヌ)- 234.0km/h
    5.ランド・ノリス(マクラーレン)- 233.8km/h
    6.ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)- 233.5km/h
    7.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)- 233.3km/h
    8.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)- 233.2km/h
    9.エステバン・オコン(ハース)- 232.6km/h
    10.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)- 232.6km/h
    11.シャルル・ルクレール(フェラーリ)- 232.4km/h
    12.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)- 232.4km/h
    13.角田裕毅(レーシングブルズ)- 232.3km/h
    14.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)- 232.2km/h
    15.ガブリエル・ボルトレト(アウディ)- 231.6km/h
    16.バルテリ・ボッタス(キャデラック)- 231.5km/h
    17.セルジオ・ペレス(キャデラック)- 229.9km/h
    18.ジョージ・ラッセル(メルセデス)- 224.0km/h
    19.キミ・アントネッリ(メルセデス)- 223.5km/h
    20.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)- 218.8km/h
    21.ランス・ストロール(アストンマーティン)- 208.4km/h

  • アストンマーティンF1 バクーで追加軽量化へ ニューウェイ「最適化を続ける」

    アストンマーティンF1 バクーで追加軽量化へ ニューウェイ「最適化を続ける」

    アストンマーティンF1のチーム代表エイドリアン・ニューウェイは、2026年F1スペインGP決勝を「残念な午後」と総括した。ランス・ストロールのリタイアとフェルナンド・アロンソの接触によるダメージによって、アップデートされたマシンの「真のペースを示すことができなかった」と語った。

    一方で、ニューウェイはアロンソがレースを走り切ったことで、新しいパッケージを分析するための有用なデータを収集できたことを収穫に挙げた。

    次戦アゼルバイジャンGPでは、さらなる軽量化策を投入することも明らかにしている。

    ニューウェイ「真のペースを示すことができなかった」
    初開催となったマドリンクでのF1スペインGPは、アストンマーティンにとって厳しい週末となった。

    ストロールは序盤にマシンへダメージを負い、その後ブレーキにも問題が発生。ペダルが長くなったことでロックアップを喫し、ランオフエリアでマシンを止めた。このストロールの停止によってVSC(バーチャル・セーフティカー)が導入され、レース展開にも大きな影響を与えた。

    アロンソもカルロス・サインツJr.との接触でフロントウイングを損傷し、交換のために予定外のピットストップを強いられた。サインツJr.にはこの接触についてペナルティが科され、アロンソは17位でレースを終えた。

    ニューウェイは、2台ともダメージに見舞われたことで、本来のパフォーマンスを確認する機会を失ったと説明した。

    「マドリードでは残念な午後になった。ランスはダメージによって早い段階でリタイアし、フェルナンドもカルロス・サインツとの接触でダメージを負った。そのため、我々の真のペースを示すことができなかった」

    それでも、アロンソが最後まで走行を続けたことには意味があった。アストンマーティンはスペインGPでアップデートされたパッケージの理解を進めており、ニューウェイは今回得られたデータを今後の改善につなげる考えだ。

    「フェルナンドはスペインのファンの前で堅実なレースをしてくれた。それによって、この新しいマシンについて分析するための有用なデータを収集することができた」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アゼルバイジャンGPでさらなる軽量化
    ニューウェイはさらに、次戦アゼルバイジャンGPに向けて追加の軽量化策を投入することを明らかにした。

    「これからはバクーに集中する。そこではさらなる軽量化策を持ち込み、引き続きパッケージの最適化を進めていく」

    2026年からホンダF1のパワーユニットを搭載するアストンマーティンは、シーズンを通じてマシンの改善を続けている。今回のマドリンクでは結果につなげることはできなかったものの、アップデートされたパッケージのデータ収集は進めることができた。

    次戦バクーでは軽量化によってマシンの完成度をさらに高められるかが焦点となる。ニューウェイにとって、スペインGPは結果以上に、現在のパッケージを理解し、次の改善につなげるための一戦となった。

  • アストンマーティン・ホンダ F1スペインGP初日はトラブル続出「それでも良い一日」

    アストンマーティン・ホンダ F1スペインGP初日はトラブル続出「それでも良い一日」

    アストンマーティン・ホンダは、2026年F1スペインGP初日のフリー走行でフェルナンド・アロンソがFP2を17番手、ランス・ストロールが20番手で終えた。新設されたマドリンクでデータ収集を進めた一方、両車にトラブルが発生し、十分な走行距離を確保することはできなかった。

    アロンソはFP1終盤にクラッチの問題が発生。その修復によってFP2の走行開始が約20分遅れた。ストロールもFP2終盤にバッテリー系とみられる問題が発生し、予定より早くセッションを切り上げている。

    アロンソはクラッチ問題でFP2を約20分ロス
    アロンソはFP1で1分36秒473を記録して15番手。セッション終了後のスタート練習でクラッチに問題が発生し、FP2開始時刻までに修復が間に合わなかった。

    アストンマーティンのチームアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、初日の走行について次のように説明した。

    「素晴らしいコースで、本当に興味深い初日だった。ドライバーにとってもチームにとってもチャレンジングだし、多くのデータを集めることができた。それはポジティブなことだ」

    「ただ、フェルナンドはFP1の最後にクラッチの問題があり、それがFP2にも影響した。約20分を失ってしまったからね」

    修復を終えたアロンソはFP2途中からコースインしたものの、他車とは走行プログラムがずれることになった。

    「フェルナンドは少し周囲とタイミングがずれてしまった。ミディアムとソフトを試していたが、彼がソフトを履いたころには、他のドライバーは高燃料での走行に入っていた」

    「だから最後のラップはかなり良かったものの、トラフィックに遭遇してしまった。セッションの一部を失っていた以上、仕方のない部分でもある」

    アロンソはソフトタイヤでのアタック中にトラフィックに阻まれ、皮肉を込めるように親指を立てる場面もあった。最終的には1分36秒780で17番手となった。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ストロールにはバッテリー系トラブル
    一方のストロールはFP1を19番手で終え、FP2では予定されたプログラムを進めていたが、終盤にマシンの問題が発生した。

    「ランスは非常に順調にプログラムを進めていたが、バッテリーの問題が疑われたため、予定より早く走行を終えなければならなかった」

    ストロールのFP2ベストタイムは1分37秒273で20番手。アストンマーティン・ホンダにとっては、2台ともトラブルによって走行時間を削られる初日となった。

    デ・ラ・ロサは、新しい市街地コースでは周回を重ねることが通常以上に重要だとして、走行距離を伸ばせなかったことを惜しんだ。

    「ドライバーにはもっと多くのラップを走らせたかった。新しい市街地コースでは、走れば走るほど限界に近づいていけるからだ。それでも、かなり良いセッションだったと思う」

    ドライバーからマドリンクに好評価
    一方、初めて実車で走ったマドリンクそのものについては、アロンソとストロールの双方から好意的な反応が得られたという。

    「ドライバーが何も文句を言わないということは、そのコースを気に入っているということだ。彼らは楽しんでいたよ」

    「特にレーシングライン上のグリップレベルについて非常に高く評価していた。他の市街地コースと比べても、とても高いグリップがある」

    デ・ラ・ロサはレイアウトについても「チャレンジングで素晴らしいコースだ。率直に言って、本当にいいサーキットだ」と評価した。

    「マシンから降りてきたとき、みんな笑顔だった。それがすべてを物語っていると思う」

    アストンマーティン・ホンダは初日にクラッチとバッテリーという異なる問題に見舞われたものの、マドリンクでの最初の実走データを収集した。予選に向けてはトラブルへの対処に加え、限られた走行のなかでセットアップをどこまで煮詰められるかが焦点となる。

  • アストンマーティン・ホンダF1 初開催マドリンクは慎重策「Q3を語るのは傲慢」

    アストンマーティン・ホンダF1 初開催マドリンクは慎重策「Q3を語るのは傲慢」

    アストンマーティン・ホンダF1は、初開催となる2026年F1スペインGPの舞台マドリンクで、慎重なアプローチを取る。マイク・クラックは、過去の実走データが存在しない新サーキットでは、まず走行距離を確保して知識を積み上げることが最優先だと強調した。

    全チームがほぼ白紙の状態からスタートすることで勢力図が変化する可能性もあるが、クラックはアストンマーティンに過度な期待を抱くことを戒める。今季の予選で苦戦している現状を踏まえれば、いきなりQ3進出を期待するのは「傲慢」だと語った。

    「Q3を語るのは傲慢」 現状を冷静に見るクラック
    マドリードに新設されたマドリンクは、今週末にF1世界選手権の舞台としてデビューする。全チームにとって過去のグランプリデータが存在しないため、シミュレーションと事前準備の精度によって通常とは異なる勢力図が生まれる可能性もある。

    しかし、アストンマーティンのトラックサイドオペレーションを率いるマイク・クラックは、それを理由に大きな目標を掲げることを避けた。

    「我々は地に足をつけていなければならない」

    「我々の現在地は現在地だ。新しいサーキットに来て、それを把握しなければならない。どうなるかを見ていく必要がある。我々は準備をしてきたが、Q1を突破したのは一度だけだということを忘れてはいけない。今年Q2に進んだのは一度だけだ。だからQ3について話すのは、少し傲慢ですらあると思う」

    未知のサーキットだからこそチャンスが生まれる可能性はあるものの、まず現在のマシンの競争力を正しく認識する必要があるという考えだ。

    モンツァでドライバビリティ改善「いいステップ」
    一方、アストンマーティンには前戦イタリアGPから持ち込めるポジティブな要素もある。クラックは、ホンダとともに取り組んできたドライバビリティの改善について、モンツァで明確な前進があったと評価している。

    「モンツァで踏み出したステップには満足している。以前にも言ったが、ドライバビリティは非常に重要なテーマだ。エンジンだけの問題でもなければ、シャシーだけの問題でもない。本当に両方の組み合わせなんだ」

    ドライバビリティは単純にパワーユニットの出力特性だけで決まるものではない。

    「シフトダウン、ブレーキ、タイヤの状態、どのくらいの速度で進入するか、スーパークリップなど、さまざまな要素が関係してくる。だから多くのものが絡んでいる。ただ、モンツァで一緒に踏み出したステップには本当に満足している」

    ただし、これはアストンマーティンの純粋なパフォーマンスそのものが大幅に向上したという意味ではない。

    「もちろん、モンツァでのパフォーマンスが素晴らしかったわけではない。それは明らかだ。ただ、このようなサーキットでは、それを手にしていることはいいことだ。自信につながるからだ」

    「壁がこれほど近いところでプッシュするには、自信が必要になる。だから、これはいいステップだった」

    F3で19回の赤旗 波乱にも備える
    マドリンクでは、壁が近い高速区間など一部の特徴がジェッダと比較されている。事前に行われたF3の走行では、バリアへの接触などによって19回もの赤旗が出たとされ、F1でも波乱の週末になる可能性が注目されている。

    クラックは、混乱が発生した場合にはアストンマーティンがその機会を逃さないよう準備しておく必要があると認める。

    「通常の予選について話しているなら、もし混乱などが起きれば、それに備えていなければならないということだ」

    「我々は可能な限り準備しようとしている。ただ、自分たちの知識の基盤がすべてシミュレーションと、実際にサーキットを歩いて確認したことだけなら、保守的に始めて、一歩ずつ知識を積み上げていかなければならない」

    「それをライバルよりもうまくやろうとしなければならないが、ライバルも非常に強い」

    それでも、未知のコースだからといって大幅な勢力図の変化を期待しているわけではない。

    「最終的には、大きなサプライズが起きるとは思っていない。ただ、物事が混乱すれば、そこにいて、得られるものをつかまなければならない。日曜日についても同じだ」

    FP1とFP2は「タイヤを回し続ける」ことが最優先
    初開催のマドリンクで最も重要になるのが、金曜日のFP1とFP2で可能な限り多くの周回を重ねることだ。

    過去のF1開催データが存在しない以上、実際のグリップレベルや路面の進化、セットアップに対するマシンの反応を実走によって確認する必要がある。

    「我々全員にとって最も重要なこと、そしてライバルを含めてすべてのチームに当てはまることは、タイヤを回し続けることだ」

    「FP1とFP2ではタイヤを回し続けなければならない。そうすることでマシンを最適化し、グリップについていい感触を得て、サーキットについていい感触を得て、路面がどのように変化していくのかを理解できる」

    タイヤについても同様だ。日曜日の決勝に向け、どのコンパウンドが最適なのか、そのタイヤをどのように扱うべきなのかを金曜日から把握していく必要がある。

    「タイヤについても同じだということを忘れてはいけない。日曜日に向けてどのタイヤがベストなのか、どのタイヤをどのように管理する必要があるのかを見極めなければならない」

    「だから、走行を開始するときには、ある程度保守的である必要があると思う。それはセットアップだけではない」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    攻めすぎて走行時間を失うことを避ける
    未知のサーキットでは、最初からマシンを限界まで攻めたセットアップにすることもリスクになる。

    「マシンについても同じだ。最初から地面すれすれの車高で走らせることはできない。どこかでコースアウトするかもしれないし、ドライバーがマシンを失って、セッションそのものを失う可能性があるからだ」

    そのためクラックは、各チームともFP1序盤では一定の安全マージンを確保すると予想する。

    「全員が少し保守的に始め、そこから一歩ずつ積み上げていくと思う」

    そして、初開催のマドリンクでアストンマーティンが徹底しなければならないのが、予期せぬ事態が起きても冷静さを失わないことだ。

    「私はいつも、タイヤを回し続けなければならないと言っている。黄旗が出ても、赤旗が出ても、戻ってきて冷静でいなければならない。『パニックにならない』というのがいい言葉だ」

    「少し時間を失ったとしても、冷静さを保つことが本当に重要だ。コース上で何かが起きる可能性もあるし、FIAが何かを変更しなければならないこともあるかもしれない。当然、我々にはまだ分からない」

    「現時点では未知の要素がたくさんある。だからこそ、最初は保守的に進めることが重要だと思う」

    初開催のF1スペインGPでアストンマーティンが狙うのは、金曜日からいきなり限界を追求することではない。まずマドリンクで確実に周回を重ね、路面、タイヤ、マシンへの理解を深める。そのうえで一歩ずつ限界を引き上げ、予選と決勝に備えることになる。

    波乱が起きれば、そのチャンスを逃さない。ただし、未知のサーキットだからこそ焦らない――クラックが掲げる「パニックにならない」という姿勢が、マドリンクでのアストンマーティンF1の週末を左右することになりそうだ。

  • アストンマーティンF1 キャデラックに直線だけで1秒差 ホンダPUに約50馬力不足説

    アストンマーティンF1 キャデラックに直線だけで1秒差 ホンダPUに約50馬力不足説

    アストンマーティンF1は、2026年F1イタリアGPでホンダ製パワーユニット(PU)の深刻なパワー不足を露呈した。モンツァではストレートだけでキャデラックに1秒以上を失っていたとされ、その出力差は約50馬力に達するとの推測まで浮上している。

    ハンガリーGPとオランダGPで投入されたホンダPUのアップグレードによって一時は改善の兆しを見せていたものの、パワー感度の高いモンツァでは再び弱点が表面化。

    フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは予選で最後列に沈み、アストンマーティンにとって厳しい現実を突きつけられる週末となった。

    キャデラックにストレートだけで1秒以上の遅れ
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤、完走することさえ難しい状況に苦しんだ。その後、ブダペストとザントフォールトでホンダPUのアップグレードを投入し、オランダGPではアロンソが9位に入り、チームの今季最高成績を記録した。

    しかし、高速のモンツァでは状況が一変した。

    イタリアGP予選でアロンソとストロールはともに最後列。ポールポジションを獲得したピエール・ガスリーからは約4秒もの差をつけられた。

    さらに深刻だったのがキャデラックとの比較だ。アロンソはキャデラック勢最速だったバルテリ・ボッタスから0.8秒遅れ、ストロールは約1秒遅れだった。

    スペイン人ジャーナリストのアントニオ・ロバトは、アストンマーティンがキャデラックに対し、ストレート区間だけで1秒以上を失っていたと指摘した。

    「アストンマーティンについて言えば、少しトンネルの先に光が見えた2レースのあとでモンツァに来た。カレンダー上で最もパワー感度が高いサーキットで、完全な悪夢になった」

    「アストンマーティンのストレートスピードはひどいものだった。予選ではフェルナンドがキャデラックに対してストレートだけで1秒以上、メルセデスに対しては3秒以上失っていた。信じられない状況だ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    ホンダPUは「約50馬力不足」との推測
    さらにロバトは、パドックではホンダPUの出力不足について具体的な数字まで語られていると明かした。

    「ここではパワー差が50馬力ほどあるのではないかと推測している人たちもいる。50馬力だ。そして何より悪いのは、これには解決策がないということだ。今年については解決策がない」

    2026年からアストンマーティンのワークスパートナーとなったホンダは、ADUO(追加開発・アップグレード機会)の仕組みを利用してPUの性能向上を進めている。

    しかしロバトは、アップグレードによって出力そのものは改善していても、根本的な問題は残されていると説明した。

    「これは僕だけが言っていることではない。渡辺も言っている。確かにADUOによって改善している。つまりパワーユニットは改善されているが、以前と同じアーキテクチャを維持しているため、問題そのものはまだ存在している」

    キャデラックはフェラーリ製PUを搭載しており、現状ではホンダPUより高いパフォーマンスを発揮している。それでも、F1参戦初年度のキャデラックに対してアストンマーティンがストレートでこれほど大きな差をつけられていることは深刻だ。

    エイドリアン・ニューウェイが率いる車体開発陣が改善を進めても、PUそのものの出力不足を空力だけで補うことには限界がある。

    アロンソとストロールはイタリアGPでホンダPUへの不満を表に出した。ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長はドライバーから公然と批判される状況を避けたい考えを示していたが、モンツァではパワー不足が改めて浮き彫りになった。

    ホンダはADUOによる追加開発の機会を得ており、今後どこまで差を縮められるかが焦点となる。アストンマーティンにとって、モンツァでキャデラックにストレートだけで1秒以上を失ったという事実は、2026年型パッケージが抱える課題の大きさを象徴する結果となった。

  • アストンマーティン・ホンダF1 トラブルでイタリアGPを2台リタイア

    アストンマーティン・ホンダF1 トラブルでイタリアGPを2台リタイア

    アストンマーティン・ホンダは、2026年F1イタリアGP決勝でフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの2台がリタイアする厳しいレースとなった。

    アロンソはマシンにダメージが発生した疑いからレースを終え、その後、ストロールも油圧系の問題が疑われるトラブルによってマシンを止めた。これによりアストンマーティン・ホンダは2台ともチェッカーを受けることなくイタリアGPを終えることになった。

    アロンソはマシンダメージの疑いでリタイア
    アロンソはパルクフェルメ下でパワーユニット(PU)コンポーネントを交換したため、モンツァでの決勝をピットレーンからスタートした。

    後方から追い上げるレースとなったアロンソだったが、レース中盤を迎える前に戦列を離れることになった。

    アストンマーティンはアロンソについて「マシンにダメージがある疑いがあるため、フェルナンドのマシンをリタイアさせた」と発表した。

    F1公式のライブタイミングでも27周目の時点でアロンソがダメージによってリタイアしたことが伝えられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ストロールは油圧系トラブルの疑い
    さらにアストンマーティンをトラブルが襲った。ストロールは28周目にチームからマシンを止めるよう指示を受け、コース上にストップ。この影響でバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。

    チームはその後、「油圧系の問題が疑われるため、ランスはイタリアGPをリタイアした」と説明した。

    アロンソに続いてストロールもレースを終えたことで、アストンマーティン・ホンダはモンツァでダブルリタイアとなった。

    今週末のアストンマーティンは予選から苦戦を強いられており、アロンソはPU交換によってピットレーンスタートを選択。決勝でも2台にそれぞれ異なる問題が発生し、ポイント獲得の可能性を残すことなくレースを終える厳しい結果となった。

    なお、チームはいずれのトラブルについても現時点では「疑い」としており、アロンソのマシンダメージの詳細や、ストロールに発生した油圧系トラブルの原因については今後の調査で明らかになるとみられる。

  • アストンマーティン・ホンダF1 モンツァで苦戦「今のパッケージには合わない」

    アストンマーティン・ホンダF1 モンツァで苦戦「今のパッケージには合わない」

    アストンマーティン・ホンダは、2026年F1第13戦イタリアGPの予選で厳しい結果に終わった。フェルナンド・アロンソが21番手、ランス・ストロールが22番手となり、マイク・クラックはモンツァの高速特性が「今の我々のパッケージには合っていない」と認めた。

    アップデート投入後はパフォーマンス向上を示してきたアストンマーティン・ホンダだが、長いストレートと高速区間が特徴のモンツァではその勢いを維持できなかった。

    特にストレートでのペース不足が大きな弱点となり、2台ともQ1敗退を喫した。

    マイク・クラック「高速サーキットの特性が今のパッケージには合っていない」
    アストンマーティンのチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは、現在のマシンがモンツァの特性に適していないことが予選結果に表れたと説明した。

    「モンツァでは厳しい土曜日になった。この高速サーキットの特性は、現時点の我々のパッケージには合っていない」

    アストンマーティンはQ1を通じて、アロンソとストロールの双方にスリップストリームを利用させることでタイムを稼ごうとした。しかし、それでもQ2進出に必要なペースには届かなかった。

    「Q1を通して両方のマシンでトウを得ようとしたが、単純にQ2へ進出するだけのペースがなかった」

    アロンソは1分25秒150で21番手。Q1終盤にはマシンに問題が発生し、ガレージにとどまったことで新品タイヤを使った最後のアタックを行うことができなかった。

    「現在、Q1終盤にガレージから出られなくなったマシンの問題を調査している。新品タイヤを使う機会を逃したことで予選が早く終わってしまい、ラップタイムを更新するチャンスがなかった」とアロンソは説明した。

    「僕たちがライバルより後ろにいることは分かっている。特にストレートでペースが不足していて、それがこのサーキットを非常に厳しいものにしている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ストロールも1分25秒222で22番手に終わり、「今日の結果は予想していた通りだった。このコースが本当に大きなチャレンジになることは最初から分かっていた。ここで必要になるパワーが不足している。明日のレースも僕たちにとって難しいものになるだろう」と語った。

    クラックも決勝で状況が劇的に変化するとは考えていない。それでも、自分たちがコントロールできる部分を最大限に生かし、レース展開によって生まれるチャンスを逃さないことが重要だと強調した。

    「明日も同じようなチャレンジになるだろう。だからこそ、我々がコントロールできることを最大限に生かし、巡ってくるあらゆるチャンスをつかんでいく」

    予選では最後列を占めたアストンマーティン・ホンダだが、パワーユニット交換によるグリッド降格を受けるドライバーがいるため、決勝では順位を繰り上げてスタートする。ストレートでの弱点を抱えるモンツァで、チームは難しい条件の中からレースで得られる機会を最大限に生かすことを目指す。