フォーミュラE:ストフェル・バンドーン 東京E-Prixで雨中の赤旗戦略勝ち

フォーミュラE:ストフェル・バンドーン 東京E-Prixで雨中の赤旗戦略勝ち フォーミュラE

マセラティMSGレーシングのストフェル・バンドーンが、雨に見舞われた2025年FIAフォーミュラE世界選手権第8戦・東京E-Prixで優勝を飾った。モナコ2022以来となる久々の勝利は、赤旗中断と完璧なタイミングでのPIT BOOST実行が決め手となった。

ベルギー出身の元王者は、今季マセラティにとって初めてとなるラップリードを記録しながらチェッカーフラッグを受けた。ピットストップを終えた時点で、2位のオリバー・ローランド(ニッサン)に対して30秒以上のリードを築いていた。

チームはあらかじめ、使用可能エネルギーを急速に消費しながら早期にPIT BOOST義務消化を狙う作戦を立てていた。これにより、悪天候によりレースが一時中断すれば、他車がPIT BOOSTを済ませる前に赤旗となり、再スタートでのタイム損失を帳消しにできる――そんな読みがあった。

そして13周目、昨年の東京ウィナーであるマキシミリアン・ギュンターのマシンに技術的トラブルが発生し、回収のために赤旗が提示されたことで、バンドーンの読み通り、再スタート時には彼のピット作業が「無償」で完了したかたちとなった。

ポールポジションからスタートしたローランドは、序盤から圧倒的なペースでレースをリードしていたが、マセラティの巧妙な戦略により、悲願のホーム勝利には手が届かなかった。

波乱のレースを制したのは戦略と決断力
マクラーレンのテイラー・バーナードは、FP1で激しくクラッシュしたターン16の外側から果敢なオーバーテイクを決め、3位表彰台を獲得した。

モナコを制したセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)は4位に入り、ダン・ティクタム(クプラ・キーロ)は今季ベストの5位でフィニッシュ。エドアルド・モルタラが6位に入り、復調著しいマヒンドラに再び貴重なポイントをもたらした。

この結果、ローランドはドライバーズランキングでアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)に対して60ポイント差をつけ、フォーミュラE史上最大の中盤戦リードを築いた。チームランキングではニッサンがポルシェに144対139で首位を維持し、マニュファクチャラーズ争いでもニッサンが225対179でトップを走る。

明日も引き続き、東京で第9戦が開催される。

レース詳細:混乱の東京で読み勝ったバンドーン
スタート直前には25mmもの雨が降り、セーフティカー先導のもとでレースは始まった。

4周目にフィールドが整列し、スタンディングスタートでレースは再開。ローランドがターン1~2のシケインでモルタラをリードし、バーナードはターン1でモルタラのイン側に仕掛けていった。

ATTACK MODE(50kWの四輪駆動モード)を最初に使用した上位ドライバーはブエミで、そのトラクションにより一気に8番手から4番手へと浮上。そのままターン1でバーナードを交わして3位、さらに同ラップでモルタラも抜いて2位に浮上した。

モルタラとバーナードもATTACK MODEを発動し、モルタラはブエミを抜き返して2位に復帰。ただし、ローランドとの差は3秒に開いていた。バーナードはターン16で前戦王者デ・フリースを豪快にオーバーテイクし、P4を奪取した。

10周目にはローランドがエネルギー的にも優位に立ち、モルタラ、ブエミ、バーナード、デ・フリース、ナトー、フラインス、ベルニュ、ティクタム、ギュンターと続いた。

13周目、ギュンターのマシンが停止し赤旗。15周目に再スタートが切られ、ローランドが再びリードを奪った。

その後ATTACK MODEを使いながらPIT BOOSTの準備を進める中、バーナードが18周目にPIT BOOSTへ。だが、すでにバンドーンは赤旗前に完了しており、タイム損失が帳消しとなっていた。

その後、ピット作業が各車に波及する中で、バンドーンがトップへ浮上。ローランド、バーナード、モルタラ、ブエミが追い、ティクタムが一時トップを走るなど健闘したが、27周目時点で5位に収まった。

28周目、ターン2でバンドーンがコースオフからスピンを喫するも、ローランドとの25秒差を保っており、勝利に影響はなかった。

その後はバンドーンが独走態勢に入り、後方ではブエミがATTACK MODEを活用して33周目にモルタラをパスして4位に浮上。マヒンドラはATTACK MODE中でもフルパワーが出ないという問題に直面していた。

2025年FIAフォーミュラE世界選手権 第8戦 東京E-Prix

順位 ドライバー チーム ギャップ
1 ストフェル・バンドーン マセラティMSGレーシング
2 オリバー・ローランド ニッサン +25.893秒
3 テイラー・バーナード NEOMマクラーレン +29.012秒
4 セバスチャン・ブエミ エンビジョン・レーシング +30.221秒
5 ダン・ティクタム CUPRA KIRO +31.645秒
6 エドアルド・モルタラ マヒンドラ・レーシング +33.430秒
7 ニック・デ・フリース アンドレッティ +34.100秒
8 ノーマン・ナトー DSペンスキー +34.711秒
9 ロビン・フラインス アプト・クプラ +35.200秒
10 ジャン=エリック・ベルニュ DSペンスキー +36.002秒
11 サッシャ・フェネストラズ ニッサン +36.400秒
12 フレデリック・ヴェスティ タグ・ホイヤー・ポルシェ +37.500秒
13 ルーカス・ディ・グラッシ アプト・クプラ +38.200秒
14 ジェイク・デニス アンドレッティ +39.400秒
15 ケルヴィン・ファン・デル・リンデ エンビジョン・レーシング +40.003秒
16 パスカル・ウェーレイン タグ・ホイヤー・ポルシェ +40.550秒
17 ネフュー・エバンス ジェネシス・ドラゴン +41.782秒
18 セルジオ・セッテ・カマラ ジェネシス・ドラゴン +42.304秒
19 フェリペ・ドルゴヴィッチ マヒンドラ・レーシング +43.820秒
20 ルネ・ラスト NEOMマクラーレン +1Lap
21 マキシミリアン・ギュンター マセラティMSGレーシング リタイア
タイトルとURLをコピーしました