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  • ヘルムート・マルコ、F1復帰を完全否定「レッドブル以外では考えられない」

    ヘルムート・マルコ、F1復帰を完全否定「レッドブル以外では考えられない」

    ヘルムート・マルコが2025年シーズン末をもって表舞台から退いたことは、レッドブル内部で続いてきた大きな人事の動きにおける、ひとつの区切りとなった。20年以上にわたりチームの中枢を担ってきた82歳のオーストリア人は、2026年シーズンを初めて「当事者ではない立場」で迎えることになる。

    現在のマルコは、ミルトンキーンズのチームの動向や、愛弟子であるマックス・フェルスタッペンのパフォーマンスを注意深く見守る“観察者”の立場にある。

    その距離感こそが、F1のパドックへの復帰が完全に否定される理由なのかもしれない。

    マルコは、レッドブル創設者ディートリッヒ・マテシッツの盟友であり、右腕としてチームを一から築き上げてきた人物だ。その長いキャリアを経て、今さら新たな職を求めるつもりはないという。

    ついに迎えた“本当の引退生活”
    その胸中を明かしたのが、オーストリア公共放送ORFの長時間インタビューだった。マルコ自身、ようやく引退生活を楽しむ準備ができたと語っている。

    「もうF1に完全に関わっているわけではないが、何が起きているかは把握している。いい点は、いまは一切のプレッシャーを感じないことだ。『エンジンが壊れたらどうしよう』『何かがうまくいかなかったらどうしよう』といった考えで夜眠れなくなることもない。直接的な責任はもうない。もちろん、レッドブルが最高の結果を出してくれることには関心があるが、今の自分にとってはずっとリラックスした状況だ」

    常に結果と責任に縛られてきたこれまでとは、明らかに異なる心境がにじむ言葉だ。

    レッドブル・レーシングで多くの成功を収めたヘルムート・マルコ

    他チームでのF1復帰は「完全にあり得ない」
    マルコはさらに、他チームでF1に戻る可能性についても、明確に否定した。

    「別のチームでF1に戻る? それは完全に議論の余地もない。時々、声がかかったり、水面下でかなり興味深い話をしたこともあったが、F1で成功を収めたのはレッドブルと共にだった。その記憶をこのまま残したい。他の何ものも、それに取って代わることはできない」

    この発言は、2024年から2025年にかけて、ミルトンキーンズのチームが大きく揺れていた時期に流れた噂を想起させる。当時、トト・ヴォルフ率いるメルセデスが、マルコを迎え入れることで、将来的なフェルスタッペン獲得への布石にしようとしていたのではないか、という観測もあった。

    しかし、マルコ本人の言葉によって、そうした可能性は完全に否定された。ヘルムート・マルコにとって、F1はすでに一区切りを迎えた存在だ。今後は距離を保ち、後悔も未練もなく、その世界を見つめ続けていくことになる。

  • レッドブルF1、2026年版レーシングスーツを公開 RB22同様ブルーの差し色

    レッドブルF1、2026年版レーシングスーツを公開 RB22同様ブルーの差し色

    レッドブル・レーシングは、2026年F1シーズンに向けた新しいレーシングスーツを公開した。F1が新レギュレーション時代へと移行する中、チームの新章を象徴するビジュアルが明らかになった。

    2026年版レーシングスーツは、ダークネイビーを基調にエンジンパートナーであるフォードのブルーのアクセントを配したデザインを採用。胸部と脚部にはレッドブルのロゴが大きく配置され、オラクル、フォードなど主要パートナーのロゴも整理されている。

    このレーシングスーツは、2026年シーズンのドライバーであるマックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーが着用して公式ビジュアルとして披露された。新時代に向けたチームの継続性と刷新を同時に印象づける構図となっている。

    またフェルスタッペンは、2026年F1シーズンに向けて公開されたレッドブル・レーシングの新リバリーについても言及した。F1が新時代へと移行するなか、レッドブルはデトロイトでレーシングブルズと合同イベントを開催し、鮮やかなブルーを基調とした2026年リバリーを初披露している。

    新リバリーは、2005年のデビューシーズンを想起させる光沢感のある大胆なブルーが特徴で、従来のイメージを踏襲しつつも刷新された印象を与えるものだ。フェルスタッペンは、この変更を以前から望んでいたと明かした。

    「とても良くなったと思う。これはしばらく前からお願いしていたことだから、本当にうれしい」

    「この光沢が好きだし、ブルーも好きだ。ブルーは僕の好きな色だからね。レッドブルのロゴのアウトラインも気に入っている。すごくフレッシュだ」

    2026年はリバリーだけでなく、マシンそのものも大きく変わるシーズンとなる。F1は新たなテクニカル時代を迎え、マシンはより小型・軽量・高機動化される。RB22には、レッドブル・パワートレインズがフォードと共同開発した、チーム初の自社製パワーユニットが搭載される。

    レッドブル・レーシング

  • レッドブルF1、2026年の両ドライバーのチーフメカニックを確定

    レッドブルF1、2026年の両ドライバーのチーフメカニックを確定

    レッドブル・レーシングは、2026年F1シーズンに向け、ガレージ体制の要となるチーフメカニック人事を固めた。マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーは、それぞれの陣営を率いるチーフメカニックが正式に決定している。

    フェルスタッペン側では、アウディへの移籍が決まったマット・コーラーに代わり、兄弟のジョン・コーラーが新たにチーフメカニックを務める。ジョン・コーラーは2025年シーズンまで角田裕毅の担当として知られており、その異動によってハジャー側のポジションが空いていた。

    この空席を埋める形で、レッドブルは新たな人材を外部から獲得した。RacingNews365の取材によれば、アストンマーティンからマイク・ペインが加入し、アイザック・ハジャーのチーフメカニックに就任する。ペインは2021年5月から2025年末までアストンマーティンに在籍し、それ以前にはウィリアムズで6年間、複数の役職を経験してきたベテランだ。ペインは今月付でレッドブルF1に正式加入している。

    一方、レースエンジニア体制については変更はない。マックス・フェルスタッペンは引き続きジャンピエロ・ランビアーゼとコンビを組み、アイザック・ハジャーはリチャード・ウッドが担当する。

    ハジャーはアブダビで行われたポストシーズンテスト以降、すでにウッドと仕事を共にしており、2026年に向けた準備は進行中だ。ウッドは2012年にレッドブルF1へ加入したベテランで、シミュレータ・パフォーマンスエンジニア、レースサポートエンジニア、戦略アナリスト、パフォーマンスエンジニアなど幅広い役割を歴任してきた。2024年にはセルジオ・ペレスの代役として一部レースでレースエンジニアを務め、2025年はリアム・ローソンと角田裕毅をフルタイムで担当している。

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    2026年F1レギュレーションという大きな転換点を前に、レッドブルF1はフェルスタッペンとハジャーの両陣営で安定した作業体制を構築した形だ。ガレージの要であるチーフメカニック人事は、来季に向けた準備が本格化していることを示している。

  • レッドブルF1、2026年は「エンジンより空力が最大リスク」と認識

    レッドブルF1、2026年は「エンジンより空力が最大リスク」と認識

    レッドブル・レーシングは、2026年F1レギュレーションで最大の性能差リスクになるのはパワーユニットではなく空力だと認識している。

    新世代エンジンでは内燃エンジン(ICE)が重要な要素になるとの見方を共有しつつも、2014年のような一強時代が再来する可能性は低いとし、むしろマシン全体がリセットされる空力面こそが決定的な差を生む要因になり得ると警戒を強めている。

    2026年F1の新時代を前に、各チームとマニュファクチャラーがどこに位置しているのか、そして今季の最大の性能差要因は何になるのかという点が注目されている。

    FIAのシングルシーター部門ディレクターであるニコラス・トンバジスは、2026年に向けた序列は内燃エンジン(ICE)が大きく左右するとの見通しを示している。これに対し、レッドブル・フォード・パワートレインズのパワーユニット責任者ベン・ホジキンソンも、その見解を一部では共有しつつ、異なる視点を示した。

    オートスポーツ誌から「2026年における最大の性能差要因はICEになるのか」と問われたホジキンソンは、新しいパワーユニットにおいては、電動比率が高まったとはいえ、その可能性は高いと認めた。一方で、空力レギュレーションの重要性を過小評価すべきではないと強調している。

    「パワーユニットという枠の中では、内燃エンジンが最大の差別化要因になるというのは事実かもしれない」とホジキンソンは語った。

    「ERSの面では、パワーエレクトロニクスやモーターの効率は、どのメーカーも99%程度まで到達するはずだと思っている」

    その上で、ICE側こそが性能差を生みやすい領域であり、燃料パートナーとの協業が重要になると説明した。

    「最大の違いはおそらくICEの部分に出るだろうし、そこでは燃料パートナーとの連携が大きく影響する。我々の場合、エクソンモービルはICEから可能な限りのパフォーマンスを引き出すうえで、非常に重要な存在になっている」

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    もっとも、ホジキンソンは2014年のような一方的な支配が再来するとは考えていない。当時、彼が所属していたメルセデスはパワーユニットで圧倒的な先行を果たし、その優位性は長年にわたって固定化された。

    「パワーユニット間の差は、2014年ほど大きくはならないと思っている。なぜなら、特にICEは非常によく似たものだからだ」と彼は説明する。

    「持続可能燃料の導入やMGU-Hの廃止、圧縮比の制限など、燃焼技術を意図的にリセットするための変更は多く入っているが、まったく別物というほどではない」

    一部の点では、今回のレギュレーションは以前よりも参入しやすくなっており、これはアウディのような新規参戦メーカーを見据えた意図でもある。

    「突然まったく違うコンフィギュレーションを開発するわけではない。V6であることは変わらないし、基本的には同じだ」とホジキンソンは指摘する。

    「圧縮比やブースト圧といった要素が引き下げられたことで、各部品にかかる負荷はむしろ小さくなり、部品が受けるストレスは少し楽になっている」

    そのため、パワーユニット同士はかなり近い性能になる可能性があるという。

    「もしかすると、我々がレッドブル・パワートレインズとして技術的には新参者だから、そう言っているのかもしれない。ただ、スタッフの多くはF1で豊富な経験を持っているので、自分自身はあまり新参者だと感じていない。その感覚が、こうした発言につながっているのかもしれない」

    「他チームがどこにいるのかを見るのは興味深いが、リスクが大きいのは空力のほうだと思っている」

    FIAも空力面で差が出る可能性は認めているが、2022年と同様に数か月のうちに急速な収束が進むだろうとも付け加えている。それでもホジキンソンは、2026年において空力が主要な性能差要因になり得ると考えている。

    「ただし、空力は私の専門分野ではないから、公式見解だと思わないでほしい」と彼は笑いながら前置きした。

    「でも、今回はパワーユニットだけでなく、マシン全体が完全にリセットされる。そういう意味では、違いは確実に出るはずだし、それがどんなものになるのかは、実際に走り出してから分かるだろう」

  • レッドブル、メルセデスの2026年F1エンジン優位説に異議

    レッドブル、メルセデスの2026年F1エンジン優位説に異議

    2026年F1に向けて、メルセデスのパワーユニットが「打ち負かすべき存在」になるとの噂が広がっている。しかし、レッドブル・パワートレインズ(RBPT)の技術責任者ベン・ホジキンソンは、その多くはメルセデス自身によって作られたものではないかとの見方を示した。

    2026年からF1は新世代パワーユニット時代に突入する。1.6リッターV6という基本アーキテクチャは維持されるものの、バッテリーとエネルギー回生システムは大幅に強化され、内燃機関と電動要素の出力比はほぼ50/50に近づく。

    パドックでは、この新レギュレーション初年度において、再びメルセデスが主導権を握るのではないかという憶測が飛び交っている。

    「空き缶ほどよく音を立てる」
    ホジキンソンは、米デトロイトで行われたレッドブルのローンチイベントに先立つメディアラウンドテーブルで、次のように語った。

    「多くの話は、メルセデス自身から始まったのだと思う。祖母がよく言っていた。『空き缶ほどよく音を立てる』と」

    ホジキンソンは、イルモア時代からメルセデスHPPに在籍し、約20年にわたって同社のパワーユニット開発に携わってきた人物だ。2022年にHPPを離れ、RBPTに加わった彼は、メディアで語られる「メルセデス有利論」の背景について、次のように説明した。

    「本当の意見は、あまり口にできない部分もある。ただ、メルセデスがベンチマークになると信じられているという報道はかなり多い。その多くは、彼ら自身から始まったのだと思う」

    「ドライバー市場は非常に厳しく、当時はマシンが十分に競争力を発揮していなかった。そうした状況で人材を引き寄せるため、ポジティブな話を広めようとしたのだろう」

    「誰もが政治的なポジショニングをしなければならない。噂を何度も繰り返せば、やがて事実のように信じられ、人々はその理由を探し始める。そうやって話が出来上がったのだと思う」

    RBPT初の本格成果に向けて
    2026年のRBPT製パワーユニットは、ホジキンソンにとって約5年ぶりに本格的に関与したエンジンとなる。レッドブルが完全自社開発メーカーとして臨む初の挑戦に、彼は静かな意欲を示している。

    「とにかく目の前の仕事に集中したい。結果がすべてを語ってくれると思っている」

    「メルセデスは非常に優秀なパワーユニットメーカーだ。私は20年間そこで働いてきたから、内部をとてもよく知っている」

    「ここでは、過去よりもすべてを良くすることを意識してきた。自分自身を歴史と比較してベンチマークできるし、今どこにいるのかも分かっている」

    「4年間レースをしていないような感覚だった。ただ走り出すのが楽しみだ。あとは結果を見るだけだ」

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    メルセデス側は噂を一蹴
    一方、メルセデスHPPは2026年に向けて、ワークスのメルセデスF1に加え、マクラーレン、ウィリアムズ、アルピーヌへパワーユニットを供給する体制を整えている。

    2025年末に配信されたポッドキャスト「Beyond the Grid」で、メルセデスのCEO兼チーム代表であるトト・ヴォルフは、メルセデスが“本命”と見なされている現状について問われ、次のように語っている。

    「決して自信過剰にはならない。我々は常にグラスは半分空だと考える人間だ」

    「家の中に敵がいるところから始まる。今年は同じメルセデス製パワーユニットを使うマクラーレンの方が優れたチームだった」

    「仮にパワーユニットが優れていたとしても、ウィリアムズ、マクラーレン、アルピーヌを倒さなければならない。だから、こうした噂話に惑わされることはない」

    さらに、メルセデスHPPのマネージングディレクターであるハイウェル・トーマスも、噂に対して慎重な姿勢を示した。

    「序列について言えば、我々は十分なパワーがあるとも、信頼性が足りているとも、最高だとも思ったことはない」

    「常に少し遅れていると考え、もう一歩を求め続けるのは悪いことではない」

    「正直なところ、開幕戦までにどれだけのパワーを得られるのか私自身も分かっていない。なぜ他のチームがそれを知っているのか、不思議でならない」

    2026年F1の新レギュレーション初年度を前に、再びパドックでは噂が先行している。しかし、真の序列が明らかになるのは、サーキットで結果が示されたときだ。

  • レッドブルF1代表が2026年序盤の苦闘を警告「我々はナイーブではない」

    レッドブルF1代表が2026年序盤の苦闘を警告「我々はナイーブではない」

    レッドブル・レーシングのチーム代表のローラン・メキースは、2026年F1シーズンに向けて、チームが「頭痛や眠れない夜、そして苦闘」に直面することになると率直に語った。一方で、最終的にはレッドブルが頂点に立つとの確信も示している。

    2026年F1シーズンは、マシンとパワーユニットの両面で全面的な技術刷新が行われ、F1史上最大級のレギュレーション変更となる。

    マシンには初めてアクティブエアロが導入され、パワーユニットは電動エネルギーと内燃機関を50/50で使用する構成となる。

    レッドブルにとっては、その挑戦はさらに大きい。2026年型マシンRB22には、レッドブル・パワートレインズがフォードの技術支援を受けて開発した、チーム初の自社製パワーユニットが搭載されるからだ。フォードがF1に参戦するのは2004年以来となる。

    「我々全員にとって歴史的な瞬間だ」とメキースは語った。

    「我々はF1にとっての歴史的瞬間に足を踏み入れている。これはF1史上最大のレギュレーション変更になる」

    「これはクレイジーな挑戦だ。おそらく、レッドブルとフォードのような企業だけが決断できる挑戦かもしれないが、それこそが我々がここにいる理由だ」

    さらにメキースは、初年度から即座に競争力を発揮できると考えるのは現実的ではないと強調した。

    「ゼロからすべてを立ち上げるという、この挑戦の規模を考えれば、初年度の最初のレースから、90年近くこの分野に携わってきた競合と同じレベルに立てると考えるのはナイーブだと思う」

    「我々はナイーブではない」

    「相当な苦労、相当な頭痛、眠れない夜が待っていると思うが、それこそが我々がここにいる理由だ」

    「人生を通して、これほどの規模の挑戦に関われる機会を求めてきた。モータースポーツに情熱を注ぐ人間なら、誰もが関わりたいと思う挑戦であり、我々はいまそれを手にしている」

    「信じられないほどの挑戦であり、それに関われること自体が特権だ」

    「確かに頭痛も眠れない夜もあるが、根本的にはそれが我々を突き動かす。苦闘を乗り越え、最終的にはトップに立つ」

    「最初の数か月は我慢してほしい。その初期の困難は、最終的に頂点に立つまでにどれほどの道のりを歩んだのかを思い出させてくれるはずだ」

    レッドブル・レーシング

    レッドブル・パワートレインズ初のパワーユニットは、2022年に亡くなったレッドブル共同創業者ディートリッヒ・マテシッツにちなんで「DM01」と名付けられた。

    「彼のビジョン、彼の大胆さ、そしてレッドブルのスピリットこそが、我々が今日ここにいる理由だ」とメキースは述べた。

    「シャシーとパワーユニットの両方で完全な独立路線に進むという、あの信じられない決断を彼は下した。彼はこの挑戦を恐れなかった」

    「今日、我々は彼に敬意を表し、そして彼を誇りに思ってもらえるような結果を残すチャンスを手にしている」

  • レッドブル、F1のエンジン救済制度ADUOの有効性に疑問

    レッドブル、F1のエンジン救済制度ADUOの有効性に疑問

    レッドブル・フォード・パワートレインズのテクニカルディレクターであるベン・ホジキンソンは、F1が導入する新たなエンジン救済制度「Additional Development and Upgrade Opportunities(追加開発・アップグレード機会、ADUO)」について、懐疑的な見解を示している。

    2026年F1シーズンから、内燃機関と電動出力がおよそ50:50となる新しいエンジンレギュレーションが導入される。

    F1は、ターボ・ハイブリッド初期にメルセデスが築いたような支配的状況が再び生まれ、それが固定化されることを避けたい考えだ。

    ADUOの仕組みでは、シーズン中に6戦目、12戦目、18戦目終了後にパワーユニットの性能評価が行われる。2026年の場合、それぞれ5月のマイアミGP、7月のスパ・フランコルシャン、10月のシンガポールGPに該当する。

    この評価で、最も優れたエンジンに対して2%〜4%劣っているメーカーには追加アップグレードが1回認められ、4%以上劣っている場合は2回の追加アップグレードが与えられる。

    レッドブルが2026年マシンのリバリーを公開した場で、ホジキンソンは次のように語った。

    「個人的には、ホモロゲーションをすべて廃止して、完全に“グローブ・オフ”の戦いをやりたい。正直、それが本音だ。ただ、現実はそうではない。コストキャップがあり、ダイナモの稼働時間制限もある。だから、この制度がなくても、すでに十分すぎるほどの制限があると思っている」

    ADUOという制度そのものが必要かどうかという点とは別に、ホジキンソンは、そもそも開発のリードタイムなど、さまざまな要因によって勢力均衡を図るのは容易ではないとも指摘している。

    「正しくやった人たちを十分に報いる仕組みになっているか? その点については、そうだと思う」とホジキンソンは続けた。

    「ただ、ルールを作る側が完全には理解していないと思う点がある。それは、パワーユニットにおけるアイデアの“熟成期間”が、シャシーよりもはるかに長いということだ」

    「変更を加えようとした場合、単に2台のマシンをアップデートすればいいわけではない。エンジンプール全体を対象にしなければならない。12基のパワーユニットをアップデートしなければならないこともあるし、それには時間がかかる」

    「さらに、ホモロゲーションされている以上、十分に実証されていないものに賭けるようなことはできない。そんなことをすれば、取り返しのつかない事態に陥る可能性があるからだ。我々は新しいパーツや新しいアイデアについて、最低限クリアすべき耐久性の基準を設けている」

    「我々の部品は、ほとんどが非常に高精度な金属部品で、製造に時間がかかる。中には製造に12週間かかる部品もある。その後、同じくらいの期間をかけて検証を行い、さらに同程度の時間をかけてレース用エンジンプールに反映させる必要がある」

    レッドブル・レーシング

    こうした事情から、ホジキンソンは、仮に一部のメーカーが他をリードする状況になったとしても、ADUOが決定的なゲームチェンジャーになるとは考えていない。

    特に、メルセデスとレッドブルが内燃機関の圧縮比に関する抜け穴を見つけたと見られている点を踏まえれば、その可能性は十分にあるという。

    「もし、あるチームが開幕戦でパワーユニットにおいてアドバンテージを持っていた場合、他が追いつくまでには時間がかかると思う」とホジキンソンは語る。

    「その優位性を抑え込む手段は、ある意味で必要だし、ADUOはその点で一定の役割を果たしている。ただ、6レース後に評価が行われるので、理論上は7戦目からアップデートを投入できることになる」

    さらに、現実的な難しさについて、次のように締めくくった。

    「数週間でアップデートを用意するのは、かなり厳しい。もし今すぐエンジンに20キロワット追加できるなら、私は迷わずそうする」

  • レッドブル・フォードの2026年F1初年度をマルコが展望「1勝できれば驚異的」

    レッドブル・フォードの2026年F1初年度をマルコが展望「1勝できれば驚異的」

    レッドブル・レーシングは2026年F1シーズンから、フォードと共同開発した自社初のパワーユニットを投入し、F1における新たな重要な章を迎える。シャシーとエンジンの両規則が同時に刷新されるなか、各チームやマニュファクチャラーの勢力図を予測するのは困難だ。

    そうした状況について、レッドブルの元シニアアドバイザーでありドライバープログラム責任者でもあったヘルムート・マルコは、2026年F1でレッドブル・フォードが1勝でも挙げられれば、それは「信じられない」成果になると語っている。

    2026年F1でレッドブル・フォードは勝てるのか
    マルコは、もしレッドブルとフォードがその偉業を成し遂げることができれば、大いに祝うべき理由になると考えている。

    ホンダが当初F1撤退を発表し、その後に方針を転換するという経緯を経て、レッドブルは独自のエンジンプログラムに踏み切った。そして、その開発パートナーとしてアメリカの自動車大手フォードと手を組んだ。

    レッドブルはこれまで、世界的な自動車メーカーを打ち破ってF1タイトルを獲得してきたが、今度はエンジン開発という全く異なる挑戦に直面している。

    レッドブル離脱直前に出演した「ビヨンド・ザ・グリッド」ポッドキャストで、マルコは2026年F1においてミルトンキーンズのチームにとって成功とは何かを問われ、次のように語っている。

    「我々がエンジンを作るのは初めてだ。最初に考えていた以上に大きな投資になったが、幸いにも会社はそれを可能にしてくれた」

    「もちろん我々は新参者だが、もしエンジンがフロントランナーになれれば、それだけでも大きな成功だと思う」

    「シャシー面については、遅れているという話は聞いていない。だから本当に、待ってみるしかない」

    「しかし、もし初年度に自分たちのエンジンで勝てたとしたら、それは信じられないことだ」

    レッドブル・レーシング

    エンジンメーカーとしての挑戦
    さらにマルコは、なぜレッドブルがメルセデスやフェラーリのように、何十年にもわたって複数のレギュレーション下でエンジンを手がけてきた自動車大手と渡り合えると考えているのかを問われた。2026年からは、ザウバーを買収してワークスチームとして参戦するアウディも、自社エンジンでこの戦いに加わる。

    これに対し、マルコは次のように答えている。

    「一つは、我々が少しクレイジーだからだ」

    「そしてもう一つは、何かをやると決めたら、きちんとやるということだ。すべての努力と情熱をそこに注ぎ込む」

    「モータースポーツはチームスポーツだ。成功するためには、チーム全体にその情熱が必要になる」

    2026年に向けたレッドブルの体制
    レッドブルの4度のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンは、2025年シーズンにランド・ノリスに僅差でタイトルを奪われたことを受け、2026年に雪辱を期すことになる。

    またフェルスタッペンには、2026年シーズンから新たなチームメイトが加わる。レーシングブルズでのルーキーシーズンが評価され、アイザック・ハジャーがレッドブル・レーシングに昇格することになった。

  • レッドブルF1 フォードとの自社PU時代が始動「非常に重要な旅の始まり」

    レッドブルF1 フォードとの自社PU時代が始動「非常に重要な旅の始まり」

    レッドブルF1は、フォードとの提携によって迎える2026年F1シーズンを前に、新リバリーをデトロイトで披露した。

    自社開発シャシーと自社製パワーユニットを初めて組み合わせる節目の年を前に、レッドブルF1代表を務めるローラン・メキースは、この瞬間がチームにとって極めて重要な転換点であることを強調した。

    2026年F1レギュレーション初年度を目前に控え、レッドブルとフォードが歩み始める自社PU時代。その象徴として公開された新リバリーには、チームの原点への敬意と、新たな時代への決意が込められている。

    新リバリーについてメキースは、第一印象から強い高揚感を覚えたと語る。

    「新しいリバリーを初めて目にする瞬間は、いつも特別なものだ。新シーズンへの高揚感を強く感じさせてくれる。我々はトラック上で本当に壮観な姿になるはずだ」

    メキースは、2026年がF1全体にとっても、チームにとっても大きな節目の年になると強調する。

    「このスポーツ全体、そして我々のチームにとって、新しく非常に重要な時代の始まりだ。だからこそ、その変化をリバリーで表現したかった。同時に、レッドブル・レーシングの原点にも敬意を払っている」

    今回のリバリーは、チーム創成期を支えた精神を称えることを意図してデザインされたという。

    「このリバリーは、初期のスピリットを祝うためにデザインされた。そしてグリッドで最も目を引く存在になることを目指している」

    2026年はまた、レッドブルがフォードとともに開発したパワーユニットを、初めて実戦で使用する年でもある。その歴史的な節目を、リバリーに反映させたことは必然だったと語る。

    「オラクル・レッドブル・レーシングのマシンが、初めてレッドブル・フォード・パワートレインズのPUで走る年だ。その節目に、我々の歴史をリバリーに反映させるのは当然のことだった」

    レッドブル・レーシング

    デトロイトで示された“新章”とワン・レッドブルの始まり
    さらにメキースは、フォードの本拠地であるデトロイトで新リバリーを披露できたこと自体が、チームの新章を象徴していると振り返った。

    「フォードの本拠地であるデトロイトでリバリーを披露できたことは本当に素晴らしかった。この新しい章にふさわしい特別なタッチとしてグロス仕上げを選んだ。ファンの皆さんにも楽しんでもらえればと思っている」

    レッドブル・テクノロジー・キャンパスで働く約2000人のスタッフの努力にも言及し、2026年に向けた準備が結実した瞬間であることを強調する。

    「自分たちのシャシーと、自分たちのパワーユニットで初めてバルセロナのシェイクダウンに臨める。これは我々全員にとって極めてエキサイティングな旅の始まりだ。ワン・レッドブルとしてトラックに向かう」

    レッドブルとフォードがともに歩み出す自社PU時代。その第一歩となる2026年F1シーズンに向け、今回披露された新リバリーは、チームの過去と未来をつなぐ象徴的な存在となっている。

  • レッドブルF1 2026年のチームウエアはフォードブルーを融合

    レッドブルF1 2026年のチームウエアはフォードブルーを融合

    レッドブル・レーシングは、2026年F1シーズンに向けた新チームウエアを披露した。最大の特徴は、パートナーであるフォードを象徴するブルーを明確に取り入れた点だ。

    新ウエアは、レッドブル・レーシングのアイデンティティであるレッドブルのロゴや、主要スポンサーの配置を維持しつつ、胸元からボディにかけてブルーの表情を強めたデザインを採用。2026年から本格化するフォードとの技術パートナーシップを、視覚的にも強く印象づける仕上がりとなった。

    このフォードブルーはチームウエアにとどまらず、2026年型マシンのカラーリングにも反映されている。RB22は、サイドポッド周辺を中心にブルーの配色が拡大し、レッドブルのロゴ、フォードのエンブレム、オラクルのスポンサーロゴが一体感のある構成で配置されている様子が確認できる。

    従来のダークトーン主体のレッドブルF1マシンに対し、2026年仕様ではブルーが視覚的なアクセントとして存在感を強めており、フォードとのパワートレイン提携をデザイン面でも強く印象づける仕上がりとなった。

    新レギュレーション元年となる2026年に向け、レッドブル・レーシングはチームウエアとマシンの双方でフォードブルーを取り入れ、技術パートナーシップを明確に打ち出す姿勢を示している。

    レッドブル・レーシング フォード