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  • レッドブルF1の“歴史的巻き返し” メキースが明かす鍵は「見えない2000人」

    レッドブルF1の“歴史的巻き返し” メキースが明かす鍵は「見えない2000人」

    レッドブル・レーシングは、2025年F1シーズン終盤にかけて著しい復調を見せ、マックス・フェルスタッペンが5年連続タイトルにあと一歩まで迫る展開となった。シーズン中盤には勢いを失い、タイトル争いから脱落したと見なされていた中での劇的な巻き返しだった。

    レッドブルF1代表に就任したローラン・メキースは、昨季終盤を成功と呼べる形で締めくくれた理由について、チーム内部の“見えない存在”に最大限の賛辞を送った。

    「この巻き返し、あの驚くべきパフォーマンス回復の功績は、とてもシンプルだ」とメキースは語った。

    「ミルトンキーンズにいる、我々が普段目にすることのない2000人の人々だ。彼らは決して諦めなかった」

    「シーズン前半がどれほど厳しかったか、シーズン途中に行われた変化がどれほど消化の難しいものだったか、それは関係なかった」

    「彼らはただ、諦めたくなかった。それこそが、彼らが成し遂げた“歴史的な巻き返し”の正体だ」

    シーズン中盤、レッドブルの失速によってマクラーレンが勢いを増し、フェルスタッペンはタイトル争いの圏外と見られるようになった。8月末のオランダGP終了時点で、フェルスタッペンはドライバーズランキング首位から104ポイント差をつけられていた。

    しかしその後、フェルスタッペンは10戦連続表彰台という快進撃を見せ、そのうち6勝を挙げるなど猛追。最終的には、5年連続王座までわずか2ポイント差に迫るところまで巻き返した。

    レッドブル・レーシング

    メキースは、こうした復活劇の裏にあったのは、現場に姿を見せないスタッフたちの結束力だと強調する。

    「すべてが噛み合い始めた背景には、彼らがいる。表に出ない“彼らこそ”が、この流れを作った」

    レッドブルはシーズン終盤にかけてもマシン開発を継続し、フェルスタッペンに最大限の武器を与えるため、セットアップ面でも果敢なトライを続けた。

    その判断は常に成功したわけではなかったが、メキースはそのリスクを取る姿勢こそが、チームの本質だと語る。

    「少しのパフォーマンスを引き出し、そこからさらにリスクを取る。そうすると、転ぶこともある」とメキースは述べた。

    「ブダペストを覚えているだろうし、ブラジルの予選も覚えているはずだ」

    「リスクはタダではない。何事もタダではない。リスクを取れば転ぶこともある。でも、立ち上がって、またレースを愛する。それが我々だ」

    「マックスも同じ船に乗っているし、2000人のスタッフも同じ船に乗っている。株主も同じだ」

    「そこにこそ秘密がある。諦めない、ひとつにまとまった集団。それがすべてだ」

  • ウィリアムズF1代表、レッドブルPUの信頼性を絶賛「本当に圧倒的だ」

    ウィリアムズF1代表、レッドブルPUの信頼性を絶賛「本当に圧倒的だ」

    ウィリアムズは2026年F1レギュレーション初年度に向けた最初のバルセロナ・テストウィークに参加できなかった唯一のチームとなった。だが、チーム代表のジェームス・ボウルズは、サイドラインから他チームの動向を注意深く見ており、ライバル勢の仕上がりには強い印象を受けたという。

    2025年シーズンを早い段階で切り上げ、2026年F1新レギュレーションに全振りする判断を下したウィリアムズだったが、準備は決して順風満帆とは言えない状況にある。

    テスト不参加は計画的な判断だったものの、理想的とは言えず、他チームの走りを外から眺める形となった。

    そうした中でボウルズが最も強い賛辞を送ったのがレッドブルだった。

    「まず言いたいのは、レッドブルには本当に感銘を受けている。特にパワーユニットだ。ゼロから作り上げて、あの段階ですでにこれほどの信頼性を見せているのは本当に圧倒的だ。本当によくやっている」

    フェラーリについても、安定感という点で高く評価している。

    「フェラーリは非常に安定しているように見える。究極のペースについてはまだ疑問が残るかもしれないが、コンスタントさという意味では、今回もとても印象的だ」

    メルセデスに関しては、驚きはなかったとしつつ、その完成度の高さを強調した。

    「メルセデスについては正直、驚きはない。私自身、長くあのチームにいたから分かる。彼らはレギュレーション変更を正しく解釈し、最初から信頼性の高いパッケージを作るのが本当にうまい。テスト初日からいきなりレースシミュレーションを走らせたのは、非常に印象的だった」

    ウィリアムズ・レーシング F1 レッドブル・レーシング

    さらに、バルセロナで多くの視線を集めたアストンマーティンにも言及した。

    「アストンマーティンもただただ印象的だ。エイドリアン・ニューウェイは本当に創造的なデザイナーだし、彼がやったことを見るのは純粋に楽しい。ウィッシュボーンが『本当にそこにあっていいのか?』と思うような位置に付いていたりする。でも、結局のところ、彼はまたやってのけた」

    もっとも、ボウルズは現時点での評価には慎重な姿勢も崩していない。

    「今の段階で勢力図を判断するのは、誰にとっても難しい。なぜなら、我々が今見ているマシンは、メルボルンで走るマシンそのものではないからだ。だからこそ、シーズン序盤は面白い。どのチームも印象的ではあるが、現時点で正確な立ち位置を見極めるのは難しい」

    テストに参加できなかったウィリアムズにとっては歯がゆい立場ではあるが、ボウルズの言葉からは、2026年F1新時代の序盤戦がいかに予測不能で、刺激的なものになるかが強く伝わってくる。

  • レッドブルF1代表、RB22初走行を回顧「歴史的な瞬間だった」

    レッドブルF1代表、RB22初走行を回顧「歴史的な瞬間だった」

    レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるローラン・メキースは、2026年F1バルセロナ・シェイクダウンを終え、RB22と自社製パワーユニットの初走行を「歴史的な瞬間」と表現し、ミルトンキーンズのスタッフ全員に感謝の言葉を送った。

    「この機会に、シャシーとPUの両面でミルトンキーンズにいる全員に、心からの感謝と労いを伝えたい。あのマシンがコースに出ていくのを見られたのは、まさに歴史的な瞬間だった」とメキースはコメント。

    「RB22を自分たちのPUとともに初めて走らせることになると分かっていたので、月曜日はガレージに特別な雰囲気があった。ここ数カ月、そして数週間は、このシェイクダウンに間に合わせるため本当に慌ただしかったが、最終的に我々は朝9時にガレージからロールアウトする準備ができていた。だからこそ改めて言いたい。シャシーとPUの両面でミルトンキーンズにいる全員に、心からありがとう、そしてよくやってくれたと」

    月曜日にはアイザック・ハジャーが100周以上を走行し、順調な一日となった一方で、火曜日は難しい展開となった。

    「火曜日は少し厳しい一日だった。午前中はマックスが走ったが、雨が降る前にロングランを1回こなしただけだった。ただ、この新世代のマシンをウエットで走らせるのは、学びとしても興味深いと感じていた」

    「午後はアイザックに交代したが、ドライタイヤを履くチャンスはなかった。それでもウエットで良いデータを得ることができた。終盤に彼はオフになったが、非常にトリッキーなコンディションで、マシン側にもまだ多くの課題が残っている状況だった。不運ではあったが、こういうことは起こり得るし、彼にとっては月曜日の非常にポジティブな一日の後だった」

    その後の復旧作業についても、チームの奮闘を強調した。

    「アイザックが走った周回数、そして彼とチームが得た開発と学習の量は、過小評価できない。RB22を金曜日に再び走らせるために、現地とキャンパスの両方で信じられない仕事をしてくれた。3日目の走行を実現するため、長い夜が続いた」

    レッドブル・レーシング

    金曜日はマックス・フェルスタッペンが終日走行し、100周以上を記録した。

    「マックスも100周以上を走り、非常に洞察に富んだ、そして計り知れないほど価値のあるフィードバックを与えてくれた。この新しいマシンとPUを理解していく上で、我々にとって大きな助けになっている」

    今後に向けては、冷静な姿勢を崩していない。

    「この1週間から多くを持ち帰ることができたし、マックスの経験とエンジニアリングに対する細部への理解は、バーレーン、そしてその先に向けた準備を形作る助けになる。最初の3日間で期待していたPUの姿について言えば、ベースでこのPUを作り上げた全員をどれだけ誇りに思っているかを強調したい」

    「フォードも現地にいて、すべてが形になる瞬間を見届けてくれた。この特別なストーリーにおける彼らの役割とサポートにも、大きな感謝を伝えたい」

    「もちろん、まだ初期段階で完璧なものは何もない。ただ、我々はすでに学び始め、ひとつのチームとして作業を進めている。大きな満足感はあるが、これで旅の大きさが変わるわけではない。我々はやるべき宿題が山ほどあり、一歩ずつ進んでいく必要があると分かっている」

  • レッドブルF1代表が明かすセカンドシート問題の核心「心理的影響は巨大」

    レッドブルF1代表が明かすセカンドシート問題の核心「心理的影響は巨大」

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、姉妹チームへの降格がドライバーに与える心理的影響から、チームがどのように彼らを守ろうとしているのかを説明した。

    ミルトンキーンズを拠点とするレッドブルF1は、4度のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンの隣に座る“セカンドシート”を巡り、長年にわたって安定したドライバーを見つけられずにきた。

    2025年シーズンにはリアム・ローソンがセルジオ・ペレスの後任として起用されたが、わずか2戦後にレーシングブルズへと戻され、日本GPを前に角田裕毅がレッドブルF1のシートに昇格した。

    その後、角田裕毅は2026年シーズンに向けてリザーブ役へ回り、アイザック・ハジャーがフェルスタッペンのチームメイトという注目のシートを獲得した。メキースは当時レーシングブルズのチーム代表を務めており、ローソンが降格を告げられた際の心理的影響を間近で見ていた人物だ。

    「我々は、その心理的影響が非常に大きいということを十分に理解している」とローラン・メキースは、ロンドンで開催された英オートスポーツ誌主催のAutosport Business Exchangeで語った。

    「だが、これはセカンドカーにまつわる状況だけの話ではない。すべてのトップアスリートに当てはまることだ。パフォーマンスの最後の数パーセントは、自分がどう感じているか、どのようなサポートを受けているか、そして頭の中で何が起きているかと密接に結びついている」

    「だからこそ、我々は両ドライバーが自分の才能を発揮できる、可能な限り良い環境を整えようとしている。そして同じ精神は、すべてのスタッフにも当てはまる。ドライバーが自分を表現でき、速く走れる環境を作る必要があるのと同じように、エンジニアやメカニック、すべてのスタッフが自分のポテンシャルと才能を最大限に発揮できる環境を整えなければならない。原理は同じだ」

    レッドブル・レーシング

  • レッドブルF1、2026年型『RB22』はゼロポット+ブロウンディフューザー?

    レッドブルF1、2026年型『RB22』はゼロポット+ブロウンディフューザー?

    レッドブル・レーシングの2026年F1マシン『RB22』がバルセロナで初走行を行い、アイザック・ハジャーが最速タイムを記録した。ただし、昨年のF1マシンのペースからは大きく離れている。だが、すべてはここから始まる。マシンに関しては、非常に限られた枚数の、しかも画質の高くない画像しか確認できていないが、現時点で見えた範囲について整理していく。

    レッドブルが最初に公開した「コンセプト」レンダーと、スタジオ撮影の画像を比較すると、サイドポッドのサイズや上面形状に明確な違いが見て取れる。

    サイドポッドは“ゼロポッド”なのか
    初期コンセプトレンダリングとスタジオ撮影画像を比較すると、サイドポッドのサイズと上面形状に明確な違いが見て取れる。

    これを「ゼロサイドポッド」と呼べるかと言えば、確かに多くのマシンより小さいが、完全なゼロというわけではない。

    ラジエーターインテークのサイズや考え方自体は、他チームのマシンと大きくは変わらない。

    レッドブル・レーシング

    フロントサスペンションの構成
    RB22のフロントサスペンションは、ほぼ標準となりつつあるプッシュロッド式(赤で示されている部分)に変更された。上側ウィッシュボーンは、前側の脚が紫、後側の脚が水色で示されている。後側の脚はかろうじて確認できる程度だが、レッドブルは依然としてアンチダイブを持たせているものの、その量は減っているように見える。

    下側ウィッシュボーン(前側の脚は緑)とトラックロッド(黄色)は分離されており、他チームの一部が両者を近接させているのとは対照的だ。

    場合によっては、わずかな分離がかえって流れの干渉を生み出すこともあるが、十分な距離を取って分離することで、それぞれの周囲の流れが互いに悪影響を与えにくくなり、結果的に有利になることもある。

    サイドポッド周辺の気流処理
    サイドポッドの画像を見ると、レッドブルはメルセデスやフェラーリと同様に、バージボード周辺にかなり力を入れていることが分かる。これらのスロット状の隙間(黄色の矢印)を通る気流は、上方かつ後方へと向きを変え、フロア前方コーナー下部(オレンジの矢印)から流れを引き抜く役割を果たす。

    この部分には比較的大きなフットプレートがあり、その下面を流れる空気の速度を高めることでグラウンドエフェクトが発生し、ダウンフォースが生み出される。

    小型化されたサイドポッドに加えて、サイドポッド上部コーナーから「耳」のような突起(白で示されている部分)が見える。これは2022年のメルセデスと同様、サイドインパクト構造の位置と幅に関するレギュレーションを満たすための、法規上の要件だ。

    レッドブル・レーシング 2026年のF1世界選手権

    リアサスペンションとフロア後端
    リアサスペンションは昨年と同様にプッシュロッド式(赤)で、上側ウィッシュボーンは前側の脚が濃い青、後側の脚が水色で示されている。アンチリフト量も、昨年とほぼ同程度に見える。

    下側ウィッシュボーン(前側の脚は緑)とドライブシャフトのシュラウド(マゼンタで示されている部分)は、下側ウィッシュボーン構造の一部である可能性もあるが、それ以上の詳細は確認できない。

    リアタイヤ前方のフロア(オレンジの楕円で示されている部分)には、いくつかのルーバーが設けられているように見えるが、他車で見られるものよりは小さい。

    より興味深いのは、その少し内側の領域だ。メルセデスのシルバーストンでのシェイクダウン写真の一部で、ディフューザー側面に切り欠きのようなものが見えていたが、すべての写真に写っていたわけではなかったため、当時は銀色のテープか何かだろうと深く考えなかった。

    しかし、このレッドブルの同じエリア(オレンジのラインで示されている部分)を見ると、ここには明確な切り欠きが存在しているように見える。

    タイヤスクワートを利用した“新しいブロウンディフューザー”
    このことから、レッドブルはその領域でディフューザーの側壁を後方に向かって持たず、代わりに外側に配置されたターニングベーン(薄い青のライン)を使って、ディフューザー内の流れを引き出そうとしている可能性がある。

    これは、タイヤが路面に接触しながら回転することで生じる、いわゆる「タイヤスクワート」と呼ばれる気流と接続する形になる。

    この流れはエネルギーが高く、うまく制御して閉じ込めることができれば、ディフューザー性能を大きく向上させる可能性がある。

    これは、かつて「ブロウンディフューザー」と呼ばれていたものの新しいバージョンなのか。そう言えるかもしれない。高エネルギーの流れを使って、ダウンフォースを生み出す低エネルギー領域の流れを最適化するという点では、まさにブロウンディフューザーが行っていたことと同じだからだ。

    限界を突いたレッドブル、答えは時間が示す
    現時点で、レッドブルについて言えることはこれくらいだ。興味深いマシンであり、さまざまな領域で限界に挑んでいるように見える。

    ただし、2026年F1テクニカルレギュレーション全246ページを枕元に置き、他チーム以上にそれを読み解き、極めて重要なグレーゾーンを見つけ出したのが誰なのかは、時間が経てば明らかになるだろう。

  • レッドブルF1新体制をフォードが評価 ホーナーの遺産とメキースの技術力

    レッドブルF1新体制をフォードが評価 ホーナーの遺産とメキースの技術力

    フォード・パフォーマンスのトップであるマーク・ラッシュブルックは、レッドブルとフォードのパートナーシップ成立において、クリスチャン・ホーナーが果たした役割を高く評価した。今週バルセロナで初の走行を行ったレッドブル・フォード・パワートレインズは、イモラでのレーシングブルズの撮影日と並び、実戦に向けた最初の一歩を刻んでいる。

    レッドブルとフォードの協業は、ポルシェとの交渉が決裂したことをきっかけに動き出した。

    対等な立場での参画を求めたポルシェに対し、別の可能性を探っていた中で、ラッシュブルックがホーナーに直接メールを送り、対話が始まったという。ホーナー自身は後に、ディアボーンでの会談でジム・ファーリーがセルジオ・ペレスのキャップをかぶって現れたことを冗談交じりに振り返っている。

    ホーナーは、ルノー、そしてホンダの突然の撤退を経験したことで、外部に依存しない体制の重要性を強く意識するようになった。パワーユニットをシャシーにより深く統合できれば、長期的な競争力につながるという考えのもと、社内エンジンプロジェクトを推し進めた中心人物でもある。ラッシュブルックは、「彼は20年にわたってチームを築き、タイトルと技術的な厚みをもたらした。その功績には最大限の敬意を払うべきだ」と述べ、最初の協議を主導した人物がホーナーだったことを改めて強調した。

    エンジニア出身代表という強み
    一方で、現在レッドブルを率いるローラン・メキースについて、フォードはそのエンジニアリングのバックグラウンドを大きな資産と捉えている。マックス・フェルスタッペンを含むチーム内部でも、その技術的理解力は高く評価されており、昇格理由のひとつとして公式にも挙げられていた。

    ラッシュブルックは、「彼自身が細かな設計を行うわけではないが、ピエール・ワシェやポール・モナハンらが必要とする支援を理解し、的確に後押しできる」と語る。プロジェクトの承認や方向性の判断において、技術を理解する代表がいることは、開発を円滑に進める上で大きな意味を持つという見方だ。

    この考え方は、F1全体の潮流とも一致している。近年はエンジニア出身者が要職に就く例が増えており、ラッシュブルック自身もフォード・パフォーマンスを技術畑から率いている。「マーケティングや広報の力も不可欠だが、レースチームとしては技術を理解したリーダーがいることが確実に助けになる」と述べ、メキースの立場に自身を重ね合わせた。

    レッドブル・レーシング フォード エンジン

    既知の関係性が支える移行期
    メキースの就任がスムーズに受け入れられた背景には、レーシングブルズ時代からフォードと関係を築いていた点もある。ファエンツァを拠点とする姉妹チームも、2026年から同じレッドブル・フォード・パワートレインズを使用するため、準備段階での接点は多かった。

    ラッシュブルックは、「2026年に向けた準備の中で、彼の仕事ぶりはよく分かっていた。だからこそ、レッドブルでの役割が決まったときも、リーダーとして、そしてエンジニアとして信頼できる人物だと確信していた」と語る。メキースはチームの能力を信じ、引き出すための支援に徹しており、その姿勢が新体制の安定につながっているとフォードは見ている。

    ホーナーが築いた土台への敬意と、メキースがもたらす技術的視点。その両輪が、レッドブルとフォードの新時代を形作ろうとしている。

  • レッドブルF1、RB22初走行もメキース警鐘「期待値は抑える必要がある」

    レッドブルF1、RB22初走行もメキース警鐘「期待値は抑える必要がある」

    レッドブル・レーシングは、2026年型マシンRB22でバルセロナのコースに姿を現した。2026年F1プレシーズンテスト初日、アイザック・ハジャーがサーキット・デ・バルセロナ=カタルーニャで最初の周回を担当し、新時代の第一歩を踏み出した形だ。

    ただし、チーム代表のローラン・メキースは楽観論を戒めている。フォードとの新たなパートナーシップは始まったばかりであり、最初の数カ月は非常に厳しいものになると率直に認めた。

    寝不足の夜、頭を悩ませる問題、そして時にはマシンをガレージから出すことすら難しい場面も覚悟しているという。

    バルセロナで行われる最初のテストは、F1プレシーズンの出発点となる。ここで各チームが重視するのは純粋なパフォーマンスではなく、より基本的で決定的な要素である信頼性だ。走行距離を稼ぎ、すべてが正しく機能しているかを確認することが最優先事項であり、この点についてはどのチームも共通認識を持っている。

    レッドブルは時間を無駄にしない選択をしたチームのひとつだ。ミルトンキーンズのチームは、モンメロで与えられた5日間のうち初日から走行を開始した。各チームが走行できるのは任意に選択した3日間のみという制限がある中で、1周1周、1キロメートルごとが特に繊細な2026年のプレシーズンでは重要になる。

    現時点では、ガレージ内で何が起きているかの詳細は外からは分からないものの、アイザック・ハジャーが実際に走行できたこと自体はポジティブな兆候だ。ただし、それはレッドブル自身が「複雑」と認識している状況の中での話である。メキースはテスト開始前から、最初の数カ月は簡単ではないと警告してきた。

    チーム代表は、新時代ならではの厳しいシーズン序盤になると明言する。その難しさは二重だ。ひとつはF1が直面する大幅なレギュレーション変更、もうひとつはフォードとの新たな協業が始まったばかりであり、プロジェクトにさらなる複雑さをもたらしている点である。

    「だからこそ、シーズン前半は期待値を抑える必要がある。そしてシャシーとエンジンが確実に機能することを確認しなければならない。その後、進歩していくはずだ。少なくとも私はそう期待しているし、このチームは長年それを証明してきた」とメキースはデ・テレグラーフ紙に語った。

    「この挑戦の規模は本当に巨大だ。ゼロから自分たちのエンジンを開発するということが何を意味するのか、決して過小評価してはいけない。90年もエンジンを作り続けてきたメーカーと、最初から同じレベルに立てると考えるなら、それは起こらない。だから、最初の数カ月が厳しいものになることは想定している。頭を悩ませる問題や眠れない夜もあるだろうし、時にはガレージからクルマを出すのが難しいこともある。それは事実だ。ただし、我々には適切な人材、適切なパートナー、そして適切な施設があると信じている。上に向かう道を見つけられるはずだ。忍耐強く、時間を与えてほしい」と続けた。

    この発言は、今回の最初のテストの位置づけを理解するための文脈にもなる。プレシーズンはモンメロから始まるが、これが唯一の走行機会ではない。バルセロナのテスト後、チームは2月11日からバーレーンで再び走行を行う。11日から13日、そして18日から20日までの2回に分けて、それぞれ3日間ずつテストが予定されている。

    「今説明した通り、最初から最高レベルにいると考えるのは非常にナイーブだ。それは狂気に近い。マックスがそれを理解していないと考えるのもおかしい。彼は完全に理解している。現状を客観的に説明することは、ナンバーワンになる野心がないという意味ではない」とメキースは語った。

    レッドブル・レーシング

    フェルスタッペンの役割
    「それこそがレッドブルにふさわしい唯一のメンタリティだ。最終目標が何であるかについて、疑いの余地はない。マックスはすべての議論、すべての分析、そしてどのようにリスクを取るかという点に関わっている。あらゆる場面で彼の意見が考慮されている」とメキースは強調した。

    チームには決定的な要素がある。それがマックス・フェルスタッペンだ。4度のワールドチャンピオンである彼は、今なおグリッドで絶対的な基準であり続けている。その隣には、F1でまだ1年目という若いアイザック・ハジャーが並び、最も支配的なドライバーとともに成長する機会を得ることになる。フェルスタッペン自身は、5度目のタイトルを目指している。それが少なくとも、チームにとっての根本的な目標だ。

    「私も完全に同意する。我々はマックスとともに三つの大きなアドバンテージを持っている。第一に、彼の関与の深さ。第二に、ステアリングを通じた感覚の鋭さと、こうしたあらゆる要素に対処できる追加的な精神的能力だ。新しいレギュレーションでは、ドライバーがパフォーマンスに与える影響はより大きくなる」

    「そして最後に、マックスは誰よりもチームを正しい方向に押し出すことができる。そのおかげで、クルマとエンジンからさらに多くを引き出すことができる。その意味で、彼は我々にとって非常に大きな推進力になっている」とメキースは締めくくった。

  • レッドブルF1、2026年F1マシン「RB22」の実車イメージを初公開

    レッドブルF1、2026年F1マシン「RB22」の実車イメージを初公開

    レッドブル・レーシングは、2026年F1シーズンに向けた新車「RB22」の実際のマシンに近い姿を、初のプレシーズンテスト前夜となる1月26日に公開した。

    レッドブルは1月15日、姉妹チームであるレーシングブルズと合同でシーズンローンチイベントを実施し、2026年仕様のカラーリングを披露していた。ただし、その際に使用されたのはショーカーであり、2026年F1レギュレーションをイメージした外観にとどまるもので、実際にテストやレースに投入されるマシンとは異なるものだった。

    今回公開されたのは、慎重に演出されたレンダー画像による「RB22」の一端だ。照明や角度が意図的に制限され、細部の多くは隠されているが、これは新車発表シーズンにおける常套手段でもあり、チームの技術的な秘密主義を反映したものとなっている。

    RB22は、1月26日(月)に開幕するバルセロナでの非公開プレシーズンテスト初日に、コース上での初走行を迎える予定だ。このテストは5日間にわたって行われるが、各チームが走行できるのは最大3日間に制限されている。

    レッドブル・レーシングは、アウディと同様に初日から走行を開始する方針で、マクラーレンやフェラーリのように後半から合流するチームとは異なるアプローチを取る。

    なお、このRB22は、レッドブルにとって初となる自社開発パワーユニットを搭載したマシンでもある。技術面および商業面でフォードの支援を受けながらも、事実上の“自家製PU”として開発されたユニットが、今回のテストで本格的な評価を受けることになる。

    レッドブル・レーシング RB22

  • レッドブルF1の2026年スタッフ向け新ボーナス制度が示す不安材料

    レッドブルF1の2026年スタッフ向け新ボーナス制度が示す不安材料

    レッドブル・レーシングは、2026年F1シーズンに向けて他チームとの立ち位置を、プレシーズンテストが始まるまで正確には把握できない状況にある。

    もっとも、そのプレシーズンですら勢力図を正確に映し出すとは限らない。フェラーリはオーストラリアGPのフリー走行が始まる直前までマシンに手を入れると見られており、序列は流動的だ。

    レッドブルは2008年のように姉妹チームの後塵を拝する事態だけは避けたいと考えているだろうが、メルボルンでチェッカーが振られるまで、何が起きても不思議ではない。

    2023年以降、レッドブルのチーム体制は大きく変化してきた。果たして、その変化を不安視すべきなのか。

    2026年の大幅なレギュレーション変更は、グリッド全体の序列を根底から揺るがす可能性があり、マックス・フェルスタッペンの5度目のワールドチャンピオン獲得への道のりも決して安泰ではない。

    特に注目を集めるのが、フォードとの提携によって生まれるレッドブルの新パワーユニットだ。この成否は、チームの競争力を左右する決定的な要素になる。

    しかし、シーズンを前にチーム内部から聞こえてくるスタッフ向けボーナス制度に関する話は、レッドブルが来季のタイトル争いを前提にしていない可能性を示唆している。

    ミスト・エイペックス・ポッドキャストに出演したアレックス・ヴァンジーンは、次のように語っている。

    「レッドブルがあまりうまくいっていないのでは、と感じさせる唯一の材料が、内部から聞いたボーナス制度の話だ」

    「全盛期、つまり勝っていた頃は、コンストラクターズ選手権で1位か2位になることが、ボーナスの基準だった」

    「それが今は、5位に引き下げられているという話だ」

    「これは、来季に向けた自信の低下を示している」

    「悪いというわけではない。ただ、彼らの自信がそれほど高くないということだ」

    レッドブル・レーシング

    コンストラクターズ順位とスタッフの報酬
    多くのF1ファンにとって最も重要なのはドライバーズ選手権だが、チームスタッフにとって現実的に影響が大きいのはコンストラクターズ選手権である。ボーナスは主に、この順位によって左右される。

    レッドブルでは、過去にもこの点が問題になってきた。フェルスタッペンを最優先するチーム方針のもと、チームメイトの成績が振るわず、コンストラクターズ争いで不利になるケースがあったからだ。

    2024年、クリスチャン・ホーナーがセルジオ・ペレスとの契約を更新した際、スタッフの間には不満が広がった。結果的にペレスは契約を全うできなかったものの、彼の不振がチームの選手権争いに影響を及ぼしたという見方は根強い。

    2025年には角田裕毅でも同様の事態を繰り返すことが懸念されたが、フェルスタッペンが終盤9戦で6勝を挙げる快進撃を見せ、最終的にフェラーリを逆転した。

    それでも、もしレッドブルが「ランキング上位半分」でのフィニッシュを前提にボーナスを設定しているのであれば、それはチームの期待値が下がっていることを意味する。

    5位が精一杯のマシンでは、たとえ長期契約を結んでいたとしても、フェルスタッペンが満足することはないだろう。

    Source: F1 OVERSTEER

  • エクソンモービルとレッドブルF1が挑む2026年サステナブル燃料の最前線

    エクソンモービルとレッドブルF1が挑む2026年サステナブル燃料の最前線

    100年以上にわたりモータースポーツに関わってきたエクソンモービル(ExxonMobil)にとって、2026年F1レギュレーションは前例のない技術的挑戦となった。

    内燃機関と電動の出力比がほぼ50対50となり、さらに燃料は完全サステナブル化。F1創設期から関わる同社でさえ、これまで使ったことのない素材から最高性能の燃料を作り出す必要に迫られている。

    「F1は本当に、私たちにとって驚くほど大きなエンジニアリング上の課題を与えてきました」と語ったのは、エクソンモービルのマーケティングサービスおよびスポンサーシップ担当マネージャーであるケイティ・ハウエルだ。

    「私たちは110年間モータースポーツに携わってきました。1950年のシルバーストンで行われた最初のF1レースにも立ち会っていますし、75年にわたってチャンピオンを勝たせるための燃料や潤滑油を開発してきました。その私たちが、今年はこれまで使ったことのない素材から、同じレベルの性能を持つ燃料を作る機会を得たのです」

    「家畜の糞や食品廃棄物、スイッチグラスのような非食用作物も含まれています。そうした作物から、どうやって高性能なF1燃料を作り出すのか、という点が大きな問いでした」

    「幸いなことに、75人の科学者とエンジニアが3年以上この課題に取り組みました。彼らはほぼ100種類の配合を開発し、その中から実際にレースで使う仕様にたどり着いています。燃料はすでにブレンドされ、ドラム缶に詰められ、準備は整っています」

    レッドブル・パワートレインズとの“毎日の電話”
    この燃料開発は、エクソンモービル単独では進められていない。2017年からパートナーシップを結ぶレッドブル・レーシング、そして英国に拠点を置くレッドブル・パワートレインズと極めて密接に連携している。

    「私たちは本当にチームの一員として活動しています」とハウエルは説明する。

    「モータースポーツ技術ディレクターのマッティ・アレマイエフは、レッドブル・パワートレインズのベン・ホジキンソンと、1日に1回か2回は電話でやり取りをしています。仕様の変更について話し合い、次に何をすべきかを一緒に考えています」

    「エンジンに変更が入るたびに、燃料はそのエンジン専用に調合し直されますし、モーターオイルも燃料と連携して機能しなければなりません。そのため、私たちはパワートレインズの施設内にラボを構えています」

    「さらに、2名の技術者がチームとともにレースを転戦し、サーキットにもラボを設置しています。週末ごとに燃料と潤滑油のサンプルを約90点採取し、FIAの要件を満たすためだけでなく、レース週末の重要な戦略判断に役立つ知見をチームに提供しています」

    「また、エクソンモービルは燃料と潤滑油だけの会社ではありません。グラファイトやリチウム、ゴムといった分野も手がけています。チーム全体で支援が必要になれば、適切な専門家をすぐにつなぐようにしています。その結果、レッドブルとの提携以来、78回のグランプリ勝利を挙げることができました」

    レッドブル・レーシング

    ローラン・メキースが語る“俊敏さ”
    レッドブル・レーシングのチーム代表であるローラン・メキースも、この協業体制を高く評価している。

    「彼女が言ったように、彼らは100種類以上の燃料とオイルを開発してきた。それらを我々はダイノでテストし、1キロワット、あるいは0.5キロワットの改善や特性の違いを見つける」とメキースは述べた。

    「すると我々はすぐに電話をして、『前の仕様は忘れて、最新バージョンを作ってほしい』と依頼する」

    「巨大な企業でありながら、これほどモータースポーツ的な柔軟性を持ち、極限の性能追求に応えてくれる。夜遅くになっても『ここで小さな性能向上を見つけた。対応できるか』と電話すれば、彼らは本当に反応してくれる。それ以上を望むことはできない」

    サーキットから市販車へ
    2026年F1レギュレーションは、市販車との関連性を強く打ち出すことで既存メーカーを引き留め、新規参入も呼び込んだ。その“ロードレリバンス”は、エクソンモービルにとっても重要な要素だ。

    「トラックからロードへの技術移転は、私たちにとって非常に重要です」とハウエルは語る。

    「モータースポーツで生まれたイノベーションは、最終的に必ず消費者向け製品に反映されます。モーターオイルについて学んでいることは、近い将来、市販用の製品に影響を与えますし、サステナブル燃料で得られた知見も将来に活かされていきます」

    「科学者たちがこのプロジェクトに強い関心を示すのは、それだけ難易度が高く、かつ最も過酷な環境で仕事ができるからです。F1だけでなく、世界ラリー選手権や世界耐久選手権など、さまざまなカテゴリーで得られる学びが、最終的に最高の製品開発につながっています」

    「私たちは常に革新を続け、チャンピオンを勝たせ、その成果を消費者の皆さまに届けたいと考えています。それこそが、私たちがモータースポーツに関わり続ける理由です」