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  • ハミルトンのフェラーリF1初勝利を支えた3ストップ戦略 ピレリが勝因分析

    ハミルトンのフェラーリF1初勝利を支えた3ストップ戦略 ピレリが勝因分析

    2026年F1バルセロナ・カタルーニャGPでは、タイヤ戦略が勝敗を大きく左右した。

    53℃に達した路面温度と高いデグラデーションのなか、各チームは2ストップから4ストップまで異なるアプローチを採用。そのなかでフェラーリはルイス・ハミルトンに3ストップ戦略を選択し、見事に今季初勝利、そしてフェラーリ移籍後初優勝を手にした。

    ピレリのモータースポーツディレクターであるダリオ・マラフスキは、今回のレースを今季屈指の戦略戦と評価。タイヤマネジメントとピットタイミングが、ドライバーのパフォーマンスだけでなくチームの判断力をも試す「チェスゲーム」だったと振り返った。

    ハミルトンの3ストップ戦略が勝負を決定づける
    ハミルトンはソフトタイヤでスタートすると、11周目にハードへ交換。さらに27周目にミディアムへ履き替え、41周目のVSC(バーチャル・セーフティカー)中に再びハードへ交換してチェッカーまで走り切った。

    一方、ジョージ・ラッセルとランド・ノリスはミディアムとハードのみを使用する2ストップ戦略を採用。理論上は十分に競争力のある作戦だったが、フェラーリは早めのピットインによるアンダーカットを積極的に仕掛け、ライバル陣を戦略的に追い込んでいった。

    マラフスキは、フェラーリが推奨ピットウインドウより大幅に早く最初のストップを行ったことで戦局を動かしたと説明。「ライバルに同じ戦略への対応を強いることに成功した」と評価した。

    バルセロナ・カタルーニャGP タイヤ

    フェラーリはハミルトンとルクレールで戦略を分けた
    フェラーリは2台に異なる戦略を与えた。10番グリッドからスタートしたシャルル・ルクレールには2ストップを選択する一方で、ハミルトンには3ストップを託した。

    結果として、この判断が大きな差を生んだ。ルクレールはレース終盤まで表彰台争いに加わったものの、リタイアするまでチームメイトのペースに匹敵することはできなかった。マラフスキは、ミディアムタイヤの競争力が際立っていたことを指摘しながらも、ハミルトンの戦略とタイヤマネジメントが優勝の決め手だったと分析している。

    また、VSC中のピットストップによるタイムロス削減も勝利を後押しした重要な要素だった。

    タイヤ F1 バルセロナ・カタルーニャGP

    3種類のタイヤすべてがレースの鍵を握る
    今回のレースでは、ソフト、ミディアム、ハードの3種類すべてが幅広く使用された。週末に選択されたコンパウンドは2025年より柔らかい組み合わせとなっており、高温コンディションも相まってタイヤ性能の低下が顕著に表れた。

    特にミディアムタイヤはグリップと耐久性のバランスに優れ、決勝で最も競争力の高いコンパウンドだったとピレリは評価している。一方でソフトタイヤもスタートや終盤のスティントで活用され、戦略の幅を広げる役割を果たした。

    マラフスキは「2ストップ戦略も非常に有効だったが、日曜日に3ストップを選択したチームの判断力こそが勝負を決めた」と総括。フェラーリが見せた柔軟な戦略判断と実行力が、ハミルトンのフェラーリ初勝利という歴史的な結果につながったと強調した。

    タイトル争いにも大きな影響
    この勝利によってハミルトンは選手権首位のアンドレア・キミ・アントネッリとの差を縮めた。レース終盤にリタイアしたアントネッリは156ポイントでランキング首位を維持しているものの、ハミルトンは115ポイントまで積み上げ、その差は41ポイントとなった。

    ランキング3位には106ポイントのラッセルが続いており、タイトル争いは中盤戦に向けてさらに激しさを増している。タイヤ戦略が勝敗を左右したバルセロナ・カタルーニャGPは、今後の選手権を占う上でも重要な一戦となった。

  • ピレリ F1単独タイヤサプライヤー契約を2028年まで延長

    ピレリ F1単独タイヤサプライヤー契約を2028年まで延長

    ピレリのF1単独タイヤ供給契約が2028年まで延長された。FIAが現行契約のオプションを行使し、F1およびピレリとの相互合意によって決定したもので、F1、FIA F2、FIA F3、F1 ACADEMYの全カテゴリーで供給が継続される。

    ピレリは1950年のF1創設シーズンから選手権に関わり、2011年からはF1の単独タイヤサプライヤーを務めてきた。

    今回の延長により、2026年に導入された新世代レギュレーションのもとでも、少なくとも2028年末まで同社のタイヤがF1の競争環境を支えることになる。

    今回の発表は、単なる供給契約の延長にとどまらない。F1にとってタイヤはパフォーマンス、戦略、安全性、そしてレースの見せ場を左右する重要な技術要素であり、ピレリとの継続は競技面と開発面の安定を意味する。

    ピレリが2028年までF1単独タイヤ供給を継続
    F1とFIAは、ピレリとのグローバル・タイヤ・パートナーシップを2028年末まで延長したことを発表した。FIAが現行契約に含まれていた延長オプションを行使し、F1およびピレリとの相互合意によって実現した。

    これにより、ピレリはFIA F1世界選手権に加え、FIA F2、FIA F3、F1 ACADEMYでも単独タイヤサプライヤーを継続する。

    ピレリはF1創設初年度の1950年から選手権に関わってきたブランドであり、2011年以降はF1の独占タイヤサプライヤーを務めている。今回の延長は、F1における最も長く重要な技術パートナーシップのひとつをさらに継続させるものとなる。

    2026年新規則下で安定性を確保
    F1は2026年から新世代の技術レギュレーションに移行しており、マシン、パワーユニット、空力の考え方が大きく変化した。そうした転換期において、タイヤ供給体制が2028年まで固定されることは、チームやドライバーにとって重要な安定材料となる。

    タイヤは単なる消耗品ではなく、レース戦略、マシンバランス、ドライバーのアプローチ、そしてオーバーテイクの発生に大きく影響する。複数のコンパウンド、極端な路面条件、高い負荷のもとで得られるデータは、ピレリの研究開発にも反映される。

    F1側は、サーキットで得られた知見がタイヤ設計、持続可能性、素材、製造プロセスの進化につながり、将来の市販タイヤにも波及すると説明している。

    ドメニカリ「技術的な輝きと持続可能性に信頼」
    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、ピレリとの関係継続を歓迎した。

    「我々はピレリと素晴らしい歴史とパートナーシップを築いてきた。長年にわたって彼らの技術力、パフォーマンス、イノベーション、持続可能性への姿勢に頼ってきたので、FIAと我々がこの関係をさらに1年続けられることを嬉しく思う」

    「技術レギュレーションの枠組みの中で限界を押し広げ続けるなか、ピレリの品質への取り組みは、供給を受けるすべてのチームとシリーズに安心感を与えている。彼らは世界で最も先進的なタイヤの一部とともに仕事をしていると分かっているからだ」

    「FIA会長のモハメド・ビン・スライエム閣下、そしてピレリ副会長のマルコ・トロンケッティ・プロヴェラに感謝したい。この延長は、経験によって卓越性を生み出し、コース上で最高のスペクタクルを提供する専門的なパートナーと協力する素晴らしい例だ」

    FIAは安全性と競技の安定を強調
    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、ピレリが長年にわたりF1に高水準のパフォーマンス、革新性、安全性を提供してきたと評価した。

    「ピレリは長年にわたり、FIA F1世界選手権にとって重要なパートナーだった。モータースポーツの最高峰において、一貫して高い水準のパフォーマンス、イノベーション、安全性を提供してきた」

    「2028年末までの延長は選手権に安定性をもたらすものであり、FIA、フォーミュラ・ワン・グループ、ピレリの強固な協力関係を示している。我々は共に革新を推進し、世界中の競技者、チーム、ファンに向けてエキサイティングなレースを届け続ける」

    ピレリ F1 タイヤ

    ピレリ「F1は明日の市販タイヤのための最高の実験室」
    ピレリ副会長のマルコ・トロンケッティ・プロヴェラは、FIAとF1との合意により、同社のF1での活動を2028年まで延長できたことを歓迎した。

    「FIA、そしてモハメド・ビン・スライエム会長のリーダーシップ、さらにF1との合意により、我々はF1での活動をさらに1年、2028年まで延長できることを嬉しく思う。昨年、我々はグランプリ参戦500戦という節目を超え、長年の関わりの中で大きな技術的・革新的課題に挑み、それを乗り越えてきた」

    「ピレリは単なるサプライヤーではなく、戦略的パートナーだ。FIAとプロモーターの共同作業によって成長を続ける選手権を支えてきた」

    「F1は、我々にとって革新を進め、最先端の技術ソリューションを試し、研究開発プロセスを継続的に改善するための最高の実験室だ。それは明日の市販タイヤにも利益をもたらす」

    F1の成長と技術開発を支える契約延長
    今回の契約延長により、F1は2028年までピレリという既存の技術パートナーとともに競技運営を継続することになった。2026年規則導入後の数年間は、チーム、FIA、F1、サプライヤーにとって開発と調整の重要な時期となる。

    そのなかでタイヤ供給体制が安定することは、競技の公平性、安全性、技術開発の継続性を確保するうえで大きな意味を持つ。

    ピレリにとっても、F1は極限環境で技術を検証できる開発の場であり、ブランド価値を高める世界的なショーケースでもある。2028年まで続くこの関係は、F1の競技面だけでなく、タイヤ技術の進化にも影響を与えることになる。

  • ピレリF1 マリオ・イゾラが今夏退社 ダリオ・マラフスキが後任に就任

    ピレリF1 マリオ・イゾラが今夏退社 ダリオ・マラフスキが後任に就任

    2026年F1シーズン開幕を目前に控える中、ピレリはモータースポーツ部門トップの交代を発表した。長年にわたりF1のタイヤ供給を率いてきたマリオ・イゾラが今夏に退社し、後任にはダリオ・マラフスキが就任する。

    組織体制の移行は段階的に進められ、マラフスキは3月1日付でモータースポーツ・ビジネスユニット責任者に就任。イゾラは7月1日まで在籍し、円滑な引き継ぎを行う。

    3月1日付で体制変更
    ピレリは公式声明で、3月1日付でダリオ・マラフスキがモータースポーツ部門ビジネスユニットの責任者に就任すると発表した。マラフスキはピレリのサステナビリティ、新モビリティ&モータースポーツ担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるジョヴァンニ・トロンケッティ・プロヴェラの直属となる。

    「ピレリは、来る3月1日よりダリオ・マラフスキがピレリのモータースポーツ・ビジネスユニット責任者の役割を担うことを発表する」

    さらに、F1関連業務については円滑な引き継ぎを目的に、マリオ・イゾラが7月1日までマラフスキをサポートするとしている。

    「F1の活動については、役割の最良かつ最も効果的な移行を確実にするため、マリオ・イゾラが7月1日までダリオ・マラフスキを支援する。その後、イゾラは新たなプロフェッショナルとしての挑戦に向けて会社を離れる」

    ピレリ F1 マリオ・イゾラ

    F1開発を支えたイゾラ体制に幕
    マリオ・イゾラはこれまで長年にわたりピレリ・モータースポーツ部門を率い、F1タイヤ開発を主導してきた人物だ。

    ピレリは声明の中で、イゾラの功績に感謝の意を示している。

    「当社は、マリオ・イゾラが長年にわたりモータースポーツ・ビジネスユニットの発展に献身と大きな情熱をもって貢献してきたことに感謝する」

    一方、後任となるダリオ・マラフスキは2008年にピレリへ入社。F1関連の研究開発部門を経て、近年はミラノ本社で市販タイヤ開発を率いてきた。

    今回の発表は、3月6日から8日に開催される開幕戦オーストラリアGPを前に行われたものだ。2026年は大幅なレギュレーション変更が導入され、タイヤも新仕様に切り替わる。ホイール径は18インチを維持する一方で、幅と外径が縮小され、よりナローな設計となる。

    2026年F1新タイヤ体制と移行の意味
    2026年はパワーユニットだけでなく、車両全体の設計思想が大きく変わる節目のシーズンとなる。タイヤはマシン性能や戦略に直結する要素であり、その責任者交代は象徴的な意味を持つ。

    マラフスキはF1開発現場での経験に加え、市販製品の統括経験も持つ。サステナビリティや効率性が重視される新時代において、技術的視点とビジネス視点の両立が求められる中、今回の人事は次世代体制への明確なシフトといえる。

    2026年F1レギュレーション初年度を迎えるタイミングでのトップ交代は、ピレリにとって重要な節目となる。イゾラは7月までの移行期間を経て退任する予定であり、今後は国内モータースポーツ分野で新たな役割を担う可能性があるとみられている。

    2026年F1開幕まで残りわずか。ピレリの新体制が、レギュレーション刷新初年度をどう支えるのか注目される。

  • マリオ・イゾラ、2026年F1シーズン前にピレリ離脱の噂

    マリオ・イゾラ、2026年F1シーズン前にピレリ離脱の噂

    2026年F1バルセロナ・シェイクダウン週に合わせて浮上した噂として、マリオ・イゾラが2026年F1シーズン開幕前にピレリを離れる見通しだと伝えられている。

    9シーズンにわたりピレリのF1レース運営を統括し、その後レーシングディレクターを務めてきたイゾラは、現行契約の満了後、イタリア自動車クラブ(ACI)のスポーツ部門に加わる可能性が高いとされている。

    在任中のイゾラは、タイヤ特性を巡る批判にさらされながらも、チームやドライバーとのオープンな対話姿勢で知られ、F1パドックで最も認知度が高く、尊敬を集める人物の一人となった。ピレリが抱える技術的制約と、F1およびFIAが求めるエキサイティングなレース演出との間で、常にバランスを取る役割を担ってきた。

    イタリアの情報筋によれば、近年のピレリ社内における経営体制の変化により、イゾラの裁量や長期的な方向性に疑問が生じ、これが新たな機会を模索するきっかけになったという。こうした動きが表面化すると、ACI側がスポーツ部門の上級管理職ポストを提示したとされている。

    ACIはすでに、正式な人事が確定するまでの暫定措置として、ジャンカルロ・ミナルディがスポーツ部門を統括することを確認している。

    一方、ピレリ側では現時点で後任は指名されておらず、社内昇格によって後継者を選ぶ見通しだとみられている。

  • 2025年のF1世界選手権:ピレリのF1タイヤが地球8周半分を走破

    2025年のF1世界選手権:ピレリのF1タイヤが地球8周半分を走破

    2025年F1シーズンを通じて、ピレリのF1タイヤは、地球を8周半する距離に相当する総走行距離34万1,099kmを記録した。

    メルボルンでの最初のフリー走行からアブダビでのチェッカーフラッグまで、ミラノを拠点とする同社が供給したタイヤは、過酷さを増す現代F1を象徴する数字を刻んだ。

    この数字は、昨年カレンダーが24戦に拡大されたことで、F1史上でも特に過酷なシーズンのひとつであったことを反映している。5大陸にまたがる24のサーキットにおいて、ピレリは、アラビア砂漠の極端な暑さからネバダの厳しい寒さに至るまで、さまざまな条件下でパフォーマンス、信頼性、適応力を提供しなければならなかった。

    スリックが96%、主役はC3とC4
    6種類のコンパウンドで構成される2025年のスリックタイヤレンジは、総走行距離の96%を占めた。最も多く使用された2種類のコンパウンドは、その汎用性と戦略的重要性を裏付ける形で、C3(9万3,493キロメートル)とC4(9万1,595キロメートル)だった。これに続いたのが、C5(6万6,255キロメートル)、C2(3万5,012キロメートル)、C6(2万2,419キロメートル)、C1(1万7,368キロメートル)である。ウェットタイヤは残りの4%を占め、インターミディエイトで1万2,893キロメートル、フルウェットで2,064キロメートルが記録された。

    タイヤ F1 2025年のF1世界ン主権

    周回数とピットストップの実像
    タイヤが走行した周回数は合計で6万7,094周に達し、その内訳はスリックが6万4,519周、ウェットが2,578周(約4%)と、走行距離とほぼ同様の割合となった。全レースを通じて行われたピットストップは720回で、最多はバルセロナで行われたスペインGPの53回、最少はマイアミの18回だった。

    タイヤ F1 ピットストップ

    最長スティントとタイヤマネジメント
    年間最長のスティントを記録したのはハースのエステバン・オコンで、ジェッダにおいてC3タイヤ1セットで303キロメートルを走行し、周回数にして49周に相当した。このフランス人ドライバーはバクーでもC4で294キロメートルを走行し、タイヤマネジメント能力の高さを示した。

    アルピーヌのピエール・ガスリーは上海でC2を用いて251キロメートルを走破し、アストンマーティンのランス・ストロールはバクーでC5を使い222キロメートルを走行した。マクラーレンのランド・ノリスとザウバーのニコ・ヒュルケンベルグは、シルバーストンでそれぞれインターミディエイトタイヤを用いて194キロメートルを走行した。フルウェットタイヤの最長連続使用距離はラスベガスの週末に記録された61キロメートルで、アストンマーティンの2人のドライバーとヒュルケンベルグがそれぞれ10周ずつ走行した。

    タイヤ F1 スティント

    供給セット数が示す物流の複雑さ
    2025年シーズンを通じてピレリが供給したタイヤセット数は、モータースポーツ最高峰における物流の複雑さを浮き彫りにしている。2025年には、チームは合計6,120セットのスリックタイヤを使用でき、その内訳はC5が1,800セット、C4が1,580セット、C3が1,400セットで、これに約1,900本のウェットタイヤが含まれていた。週末のフォーマットによって異なる各車へのタイヤ割り当て数は、技術規則によって明確に定められている。

    タイヤ F1 セット数

    極端な温度域での戦い
    例年通り、気温もタイヤの挙動に影響を与えた。セッション中に記録された最高路面温度は、ジェッダのFP2での58.2度で、最高気温はバーレーンのFP1での39.1度だった。最も寒い条件となったのはラスベガスで、予選中の路面温度は12度、気温は11.8度だった。決勝レース中では、最高路面温度がシュピールベルクでの55.2度、最高気温がテキサスでの34.4度となった。最低温度はラスベガスの路面15度、メルボルンの気温14.3度だった。

    タイヤ F1 ピレリ

    F1用のP Zeroだけがピレリのタイヤではなかった。ピレリ装着のスーパーカーが世界各地のグランプリサーキットを走る「ピレリ・ホットラップス」プログラムは、今年7大会で実施された。幸運な同乗者たちは、7メーカー12車種を用い、32セッションで合計2,528周を走行した。

    ステアリングを握ったのは、フェルナンド・アロンソ、マックス・フェルスタッペン、ジョージ・ラッセル、オスカー・ピアストリ、キミ・アントネッリ、オリバー・ベアマンといった現役スターから、ポール・アロン、アーサー・ルクレール、クロエ・チェンバース、ジャック・クロフォードといった若手有望株まで、計69人のドライバーだった。さらに、ミカ・ハッキネン、ジェンソン・バトン、ラルフ・シューマッハ、ペドロ・デ・ラ・ロサといった元世界王者やレースウイナーに加え、耐久やGTのスペシャリストも参加し、このプログラムの幅広さと格式の高さを示した。

    もうひとつの重要な数字は、サーキット外での取り組みから生まれた。ピレリが提供し、複数のF1ドライバーのサインが入ったショータイヤが、アブダビ最終戦週末に行われた「アブダビ・コレクターズ・ウィーク」の一環としてRMサザビーズで競売にかけられ、3万1,200米ドルで落札された。収益の全額は、重い病を患う子どもたちの夢を叶える活動を行うMake-A-Wish® UAE財団に寄付された。

    極端な温度条件、戦略の複雑さ、物流上の課題、そしてホットラップス・プログラムに至るまで、2025年シーズンは改めて、ピレリがF1のグローバルパートナーとして果たす重要な役割を浮き彫りにした。

  • ピレリ メキシコで2026年F1タイヤ開発テスト完了 ボッタスがメルセデス担当

    ピレリ メキシコで2026年F1タイヤ開発テスト完了 ボッタスがメルセデス担当

    ピレリは、2026年シーズンに向けたF1タイヤの最終開発テストを10月28日(火)と29日(水)の2日間にわたり、メキシコシティのエルマノス・ロドリゲス・サーキットで実施した。

    今回のテストは、12月のアブダビGP後に全チームが参加して行われる合同テストを前にした“最終個別テスト”であり、来季に向けたタイヤ仕様確定に向けた重要なセッションとなった。

    初日はザウバーのルーキー、ガブリエル・ボルトレトがドライバーを務め、現行C45をベースにしたミュールカーで走行した。テストでは2026年仕様のソフトレンジにあたるC3からC6までの4種類を評価。午前中はC6などの柔らかいコンパウンドを中心にパフォーマンスランを行い、各タイヤ間のラップタイム差や初期グリップの特性を確認。午後は温度上昇を利用してよりハードなコンパウンドを試し、15周規模のロングランを重ねてデグラデーション(劣化)挙動を重点的に分析した。ボルトレトはこの日合計136周・585.3kmを走破し、ベストラップは1分19秒089(45周目)を記録。終日晴天で路面温度は最大51℃に達し、安定したデータ収集環境が得られた。

    F1 タイヤ ピレリ

    2日目はメルセデスが担当し、同チームのテスト兼リザーブドライバーであるバルテリ・ボッタスが現行W16をベースとしたミュールカーで走行を開始。ピレリは初日と同様にC3〜C6レンジのソフト系タイヤを中心にテストを行い、とくにボルトレトが注目したC3コンパウンドでのロングラン評価を継続した。ボッタスは各コンパウンドでパフォーマンスランを繰り返しながら、ウォームアップラップを経て温度管理と摩耗傾向の確認を実施。午前から午後にかけて112周・約581kmを走破し、ベストタイムは1分18秒204(109周目)を記録した。

    午後遅くには、メキシコGPのFP1でメルセデスから出走したフレデリック・ベスティがステアリングを引き継ぎ、10周スティント単位で複数構造のテストタイヤを比較評価。走行中のベストは1分19秒657(41周目)で、49周・約112kmを走行した。ボッタスとベスティ合わせて合計161周、693kmを走破。路面温度は前日とほぼ同じく49℃前後で推移し、2日間合計の走行距離は1,278kmに達した。

    今回のメキシコテストでは、C3〜C6レンジにおけるグリップ特性と耐久性、そして新しい構造の温度安定性に関するデータが収集された。ピレリはこれらの情報をもとに2026年用コンパウンドの最終仕様を確定させる見通しで、次回テストは12月9日(火)にアブダビで開催されるシーズン後公式テストにて、全10チームが実車で同仕様タイヤを初走行する予定となっている。

  • 2026年F1マシン ピレリが直面するタイヤ新難題「スプリットエアロ」

    2026年F1マシン ピレリが直面するタイヤ新難題「スプリットエアロ」

    2026年のF1マシンは、ストレートでの挙動が大きく変わることで、タイヤサプライヤーであるピレリに新たな課題をもたらす見込みだ。

    新レギュレーションにより、エンジン出力は内燃機関とバッテリーの50/50分担となり、これまでとは異なるパフォーマンスプロファイルが生まれる。

    エネルギーマネジメントの制約から、ドライバーはストレート全域で最大出力を維持できず、従来のようにコーナー進入時に最高速へ到達することはなくなる。

    シミュレーションでは、バッテリーの出力が尽きるタイミングによって数百メートル手前で最高速に達し、その後ブレーキング時に可動式エアロがロードラッグモードからハイダウンフォースモードへ切り替わることで、タイヤにこれまでにないピーク荷重が発生することが判明している。

    ピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベッラは「これまでの最もクリティカルな状況はストレートエンドで最高速に達した瞬間だった。しかし次世代マシンでは、最高速はブレーキングの約300メートル手前で記録される。その後、エアロモードを切り替えてブレーキを踏むときに荷重が大幅に増す。これが我々にとって最も重要な状況になる」と説明した。

    F1 タイヤ フォーミュラ1カー

    こうした新たな負荷に対応するため、ピレリは2026年用に全く新しい構造のタイヤを設計。既に複数の旧型車テストを経て仕様を確定しており、さらに最低空気圧を引き上げることで耐性を確保する考えだ。

    ベッラは「構造やサイズが変われば、コンパウンドのメカニカル的・熱的な耐性も異なる話になる。現時点でのテストでは現行車両と同程度のカーカステンパーだが、実際の2026年仕様ではやや上昇すると予想している」と語った。

    また、シーズンを通じて使用されるコンパウンドの開発も継続中で、性能差をより明確化し、戦略の幅を広げる狙いがある。

    「我々は、どこでも明確なワンストップレースにならないよう、一般的に求められるより高いデグラデーションを設定したい」とベッラは締めくくった。

  • ピレリ ルイス・ハミルトンの「もっと良いF1ウェットタイヤを」に返答

    ピレリ ルイス・ハミルトンの「もっと良いF1ウェットタイヤを」に返答

    ピレリは、悪天候により予選が延期されたF1ブラジルグランプリの後、ルイス・ハミルトンのもっと良いレインタイヤの提供を求める訴えに応えた。

    サンパウロでの予選は、激しい雨と雷雨により、サーキットの各所で水たまりが発生したため、まず延期され、最終的に日曜の朝まで延期された。

    マーシャルの最善の努力にもかかわらず、さらなる雨により、現地時間18:20の日没までに予選セッションを完了することができず、予選は代わりに日曜の朝7:30に延期された。

    さらに雨が降る可能性もあったため、レース時間を12時30分に早め、レースコントロールがレースを成立させる可能性を最大限に高めることとなった。

    F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、ファンに遅延について謝罪し、「このようなコンディションでのレースは不可能だ」と理解を求めた。

    F1 TVのインタビュー中、7度のワールドチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンがドメニカリに割り込み、F1首脳陣にピレリがもっと良いウェットタイヤを用意し、昨年廃止されたばかりのブルーウォールコンパウンド用のタイヤブランケットの使用を復活させるよう強く求めた。

    「コースに出すべきだった。こんなの馬鹿げている。コースに出すべきだ!」とハミルトンはドメニカリに親しみを込めて冗談めかして言った。

    「もしもっといいウェットタイヤかブランケットを用意してくれるなら、これでも走れる。今、君を困らせているんだ」

    ピレリのウェットタイヤの性能については、F1ドライバーの間で以前から批判の的となっている。インターミディエイトコンパウンドがより高性能であるため、ピレリのフルウェットタイヤは、インターミディエイトコンパウンドよりも好まれる条件が一般的にF1マシンの走行には厳しすぎるため、使用が制限されている。

    ピレリ F1 タイヤ

    改善の兆しは見えているのか?
    ピレリのモータースポーツ部門の責任者であるマリオ・イゾラは、来年に向けて開発を継続しながら、レインタイヤの性能を向上させる必要があると認めた。しかし、大きな飛躍を遂げるには、最も要求レベルの高いサーキットでのウェットタイヤのテストデータが不足しており、ウェットタイヤのテストを計画するのは非常に難しいと説明した。

    「インターミディエイトとの適切なクロスオーバーを生み出すために、ウェットタイヤの性能を向上させる必要があるのは事実だ」とイゾラは語った。

    「それが我々の目標だ。残念ながら、我々はウェットタイヤで過酷なサーキットで適切なテストを行う機会を持てなかったため、来年は若干の修正を加えた新しいウェットタイヤを用意する。まさにそれが我々には欠けている」

    「トレッドパターンを少し変更し、構造と新しいコンパウンドに取り組んだ。改善が見られた。それが十分かどうかは言えないが」

    また、イゾラは、土曜日の予選中止の決定を下したFIAレースディレクターのニールス・ヴィティッチの代理として話すことはできないが、ピレリのタイヤの性能よりも、予選が延期されたことには他にもいくつかの安全上の要因があった可能性が高いと指摘した。

    「ニールスがなぜセッションの開始を許可しなかったのかはわからない」とイゾラは付け加えた。

    「視界の問題なのか、水たまりなのか、アクアプレーニング現象のリスクなのか、あるいはその他の要因なのか、私にはわからない。私はニールスと話をしていないので、その件については何も知らない」

    「もしウェットタイヤの性能だけが問題だとしたら、それは単に遅いということだ。つまり、遅いマシンの中で最速のマシンが最速のタイムを記録したということだ」

    「我々はウェットタイヤのパフォーマンスを改善しなければならないことは十分に理解している。しかし、このウェットタイヤで走れないわけではない」

    ピレリのウェットタイヤ開発プログラムの一環として、メルセデスは先月、マニクールで行われたテストに参加した。テストはリザーブドライバーのミック・シューマッハとジョージ・ラッセルが担当し、ハミルトンは参加していない。

    テスト初日、コース上での有意義な走行には路面が濡れすぎていたため、シューマッハは29周にとどまった。これは、F1のウェットコンディションでの長年の問題をさらに浮き彫りにするものだった。

    ピレリがウェットコンパウンドをテストする他の選択肢としては、コース上に散水設備が設置されているフィオラノとポールリカールという2つのサーキットに向かうことだ。

  • ピレリ F1タイヤを「腹立たしい」と批判されたジョージ・ラッセルと会談

    ピレリ F1タイヤを「腹立たしい」と批判されたジョージ・ラッセルと会談

    ピレリは、異なるタイヤ間のパフォーマンス変動を「腹立たしい」と批判したメルセデスドライバーのジョージ・ラッセルとの問題は解決したと述べた。

    ラッセルは、ペースの乱高下が激しいため、ピレリの現行製品は「十分ではない」とアゼルバイジャングランプリ後に発言した。

    ミディアムコンパウンドでは苦戦したが、ハードでは非常に強さを発揮し、表彰台を獲得したバクーでのレースを経験したラッセルは、F1公式チャンネルに次のように語った。「正直に言って、これほどまで変化するのは本当に腹立たしい」

    「メルセデスだけでなく、すべてのチームとドライバーに言えることだ。あるセッションでは速く、次のセッションでは速くない。そして、変わる要素はただ一つしかない」
    「まるで黒魔術だ。タイヤを作っている人たちでさえ、タイヤを理解していないと思う」

    「おそらく、何が起こっているのかについて、また真剣な話し合いが必要だろう。なぜなら、最速の車を届けるために2,000人のスタッフが必死に働いているのだから」

    「レースの20周は、勝利を争うのに十分な快適さを持った車だったが、残りの20周はポイント圏内に入るべきではなかった車だった。そして、唯一の違いはタイヤであり、それは十分ではなかった」

    この発言を受けて、ピレリのF1およびカーレース部門の責任者であるマリオ・イゾラはシンガポールでラッセルと話し合い、なぜこのような結果になったのかを説明した。

    オートスポーツ誌の独占インタビューに応じたイゾラは次のように語った。「私はジョージと話をし、楽しくおしゃべりをした。なぜなら、レース後のインタビューの熱気の中で、アドレナリンがまだ高ぶっている状態で、彼がメディアに対して何かを言ったことは明らかだからだ」

    「それに加えて、我々はタイヤの挙動を理解するために、レースの後にいつもするように、いくつかの調査も行った」

    バクーの答え
    アゼルバイジャンGPで起こったことについていくつかの分析を行った後、イゾラはラッセルがハードタイヤでこれほどまでに好調だった理由には、多くの要因が絡んでいると述べた。

    「確かにジョージのミディアムタイヤでのペースは良くなかったが、ハードタイヤでははるかに速かった」とイゾラは付け加えた。

    「しかし、我々はペースがさまざまな要素の組み合わせであることを知っている。車のセットアップは本当に重要であり、トラックの進化も本当に重要であり、ドライバーが最初の数ラップでタイヤをどう扱うかも、バクーでははっきりと目に見える非常に重要な要素だ」

    「ハードコンパウンドでの最後のスティントを見ると、例えばシャルル・ルクレールのように、後続のドライバーがハードコンパウンドに負担をかけていたため、プッシュせざるを得なかったドライバーもいた。最後の数周では、トップを走るオスカー(ピアストリ)のペースをキープできなかった」

    「ジョージは最初の数周はハードコンパウンドを温存してあまりプッシュせず、終盤ははるかに速かった。ミディアムではそうではなかった」

    「正直に言って、大半のマシンを見ても、コンパウンドの挙動に何かおかしいところを見つけることはできなかった。マクラーレン、レッドブル、フェラーリといったトップチームのタイヤのデグラデーションレベルを比較してみたが、非常に僅差だった。同等だ」

    「ラップタイムの差は確認されたし、ミディアムとハードの両方のコンパウンドの挙動も確認された。だから、私は何もおかしなところを見つけることができない。バクーで使用された2種類のコンパウンドは期待通りに機能していたと思う」

    タイヤの特性
    イゾラは、異なるコンパウンドで車のパフォーマンスが同一にならないのは普通のことであり、ドライバーのフィーリングもまったく異なるだろうと述べた。

    「一般的にハードとミディアムについて言えば、ハードコンパウンドの方がより寛容です」とイゾラは付け加えた。

    「タイヤに負荷がかかればかかるほど、タイヤはより安定する。つまり、タイヤをオーバーヒートさせても、コンパウンドの使用範囲が広いため、その影響はあまり目立たない」

    「ミディアムやソフトでは、この(オーバーヒート)効果は明らかにかなり高まり、サーキットによっては、このデルタ効果はさらに広がる可能性がある」

    「また、少なくとも4チームが非常に接近している選手権では、レースでは1000分の1秒が重要であり、どんな違いもより顕著になる」

    「つまり、あるコンパウンドと別のコンパウンドで異なるパフォーマンスが現れることがあるのは、あるコンパウンドに最適な方法で車をセットアップした場合、もう一方のコンパウンドでは同じ結果が得られないリスクがあるからだ。タイヤに負担がかかり、オーバーヒートし、デグラデーションが加速し、グレイニングが発生する」

  • ピレリ F1ベルギーGP後のスパで2日間の2025年タイヤテストを終了

    ピレリ F1ベルギーGP後のスパで2日間の2025年タイヤテストを終了

    ピレリの2025年シーズンに向けたタイヤ開発プログラムは続いている。今週はスパ・フランコルシャン・サーキットで2日間のテストが行われ、アストンマーティンとアルピーヌの協力した。

    技術的な課題は、タイヤ構造の最終調整と、最も硬いコンパウンドに関するさまざまなソリューションの比較を継続すること。初日となる7月30日(火)は晴天で、トラックの温度は50℃を超えた。

    初日はストフェル・バンドーン(アストンマーティン)とエステバン・オコン(アピーヌ)が走行した。

    バンドーンは合計92周を走り、最速タイムは1分45秒561でした。一方、オコンは97周を走り、最速タイムは1分44秒445だった。これらのタイムは、先週末のベルギーグランプリでこのトラックで記録されたタイムとは比較にならない。

    ピレリ F1 タイヤ

    2日目はバンドーンがテストを継続するとともに、アルピーヌはジャック・ドゥーハンが担当した。

    アルデンヌの夏の予測不可能な天候がまたもや襲いかかった。予報では2日目もドライコンディションになるはずで、2025年の新しいスリックコンパウンドの開発作業が中断することなく進むはずでした。しかし、午前8時頃から空が徐々に曇り始め、10時には雨が降り始め、時にはかなり激しく降った。

    そのため、ピレリのエンジニアたちは、アストンマーティンとアルピーヌの2チームと協議し、その日の走行計画を変更した。このテスト用に選ばれたアストンマーティンのリザーブドライバー、ストフェル・バンドーンだけが、事前に合意されていたバックアッププログラムを実行し、エクストリームタイヤとインターミディエイトタイヤの開発に焦点を当てた。バンドーンは、主にウェットコンディションのトラックで71周を走り、最速タイムはドライコンディションで記録した1分48秒342だった。

    このテストは、スパのような特に過酷なトラックでの構造やトレッドパターンに関するさまざまなソリューションの比較を行うものだった。雨が降る前に、オーストラリア出身のジャック・ドゥーハンもアルピーヌでコース上での走行を行い、15周を走り、最速タイムは1分45秒569だった。

    2025年をターゲットにした次のテストセッションは、イタリアグランプリの翌週、9月3日と4日に開催される。レッドブル・レーシング、RB、メルセデスの3チームがモンツァ・サーキットに集結し、ピレリをサポートする。