カテゴリー: F1オランダGP

  • ピエール・ガスリー アルピーヌF1大型アップデートに手応え「大きな前進」

    ピエール・ガスリー アルピーヌF1大型アップデートに手応え「大きな前進」

    ピエール・ガスリーは、2026年F1オランダGPでアルピーヌが投入した大型アップデートに確かな手応えを感じている。スプリント予選ではSQ3進出を果たして8番手を獲得し、「パフォーマンスという点では間違いなく大きな前進」と評価した。

    アルピーヌは今季序盤こそコンストラクターズ選手権5位につけていたものの、ライバル勢とのアップデート投入時期のずれによって徐々に競争力を失い、サマーブレイク前には安定してポイントを重ねたレーシングブルズに抜かれて6位へ後退。

    今回のザントフォールトでは、その流れを変えるための重要なアップデートが投入された。

    モンツァ予定の大型アップデートを1戦前倒し
    アルピーヌがザントフォールトに持ち込んだ新パッケージには、フロア、ディフューザー、リアウイング、サイドポッドの改良が含まれている。

    当初は次戦F1イタリアGPで投入される予定だったが、エンストンのスタッフによる作業によって1戦前倒しで実戦投入が実現した。

    ただし、短期間で準備したため現時点で用意できた新パーツは1セットのみ。オランダGPではガスリー車だけに搭載され、チームメイトのフランコ・コラピントは従来仕様で走行している。コラピントには次戦モンツァからアップデートが与えられる予定だ。

    ガスリーは走行開始前から、今回のアップデートがコンストラクターズ選手権5位奪還に向けて重要になると説明していた。

    「パフォーマンスという意味では、もちろんシーズン終了までの目標はコンストラクターズ選手権5位を取り戻すことだ」

    「シーズン序盤は良かったけど、サマーブレイク前の数戦は全体的なペースという点で明らかに厳しくなっていた。僕たちが戦っている他のチームと比べると、開発計画が少しずれていたと思う」

    シミュレーション段階では、新パッケージから期待できる数字が確認されていたという。

    「この戦いの最前線に戻るためのパフォーマンスを得るという意味で、僕たちにとって重要なアップデートになると思う。データやシミュレーションでは期待できるものだった」

    A526は「あらゆるタイプのコーナー」でペース不足
    アルピーヌが抱えていた問題は、特定のコーナーだけに限定されたものではなかった。

    ガスリーによれば、シーズン前半の途中からいくつかの問題が表面化し、直近のレースではA526が幅広い条件で純粋なペースを失っていた。

    「いくつか問題がある。シーズン前半の途中から出てきたものもある。最近の数レースを見ると、ほぼすべてのタイプのコーナーでペースが不足していたと思う」

    「新しいレギュレーションの最初の年だから、まだ引き出せるポテンシャルはたくさんある。僕たちの開発計画では、他のチームより少し時間がかかってしまった」

    「このパーツは本来モンツァで投入する予定だった。でもチームが頑張って、ザントフォールトに1セット持ってくることができた」

    「改善しなければならないことはいくつもある。シーズン序盤は今ほど大きな差ではなかったからね。今回のアップデートで間違いなく近づけることを期待している」

    ピエール・ガスリー(アルピーヌF1チーム)

    ガスリーが中団トップの8番手
    新パッケージの最初の実戦データは、ポジティブなものとなった。

    ガスリーはFP1を8番手で終え、従来仕様のコラピントに0.915秒差をつけた。ただし、両者の走行プログラムが異なっていたため、この差をそのままアップデートによる改善幅と判断することはできない。

    スプリント予選ではSQ1で0.641秒、SQ2では0.719秒の差がついた。今季を通じてガスリーがコラピントを上回る場面が多いことに加え、SQ2ではガスリーがより有利なタイミングでアタックできたため、単純比較には注意が必要だ。

    それでも、新仕様のA526が競争力を増したことを示す材料は揃っていた。

    ガスリーはSQ3へ進出すると8番手を獲得。アウディのガブリエル・ボルトレトとレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドを上回り、トップ4チームに続く中団勢の先頭に立った。

    「グリップが増えて反応も良くなった」
    実際にマシンを走らせたガスリーも、アップデートによる変化をはっきりと感じている。

    「間違いなくポジティブだ。マシンのフィーリングはかなり良くなった。グリップが増えたし、僕がやろうとしていることや、コックピットでのドライビングに対する反応も良くなった」

    「まだ2セッションしか走っていないから、理解しなければならないことはたくさんある。でもパフォーマンスという点では、間違いなく大きな前進だ。それはポジティブだし、ここからさらに積み上げていければと思う」

    一方、ザントフォールト特有のバンクやバンピーな路面によって、ドライバーが感じるフィーリングだけでは評価しにくい部分もあるという。

    「かなり特殊なサーキットだよね。バンクも大きいし、バンプも多い。F1マシンの中では必ずしも最高の感触というわけではない」

    「でも結局、重要なのはパフォーマンスとラップタイムだ。僕たちとしては、ここ数戦より明らかに良くなった。それについては満足している」

    「まだもっと引き出す必要があるし、完璧ではない。でも全体としては間違いなく良いステップだ」

    アルピーヌが再びコンストラクターズ5位争いへ
    今回の結果だけでアルピーヌが完全に勢力図を逆転したと判断するのは早い。ライバルチームも今後のレースでアップデートを投入するため、中団の力関係は再び変化する可能性がある。

    それでも、サマーブレイク前にトップ10から徐々に遠ざかっていたアルピーヌにとって、ザントフォールトでの初日は明確な前進となった。

    ガスリー自身も、シーズン前半の終盤には競争力低下にフラストレーションを感じていたことを認めている。

    「僕は競争力を持つために本当に一生懸命取り組んでいる。シーズン前半の終盤には、少しずつトップ10から離れていくのを見て、がっかりしたし、少しフラストレーションも感じていた」

    「でも同時に、開発競争になることは最初から分かっていた。僕たちは自分たちのプロセスを信頼しなければならないし、まだ戦えると信じている」

    ガスリーは2024年F1サンパウロGPでアルピーヌが2位と3位を獲得した例を挙げ、シーズン終盤まで状況を変えるチャンスは残されていると強調した。

    「まだポイントを獲得できるレースはたくさんある。こういう状況に直面するのは初めてではないし、大量ポイントを獲得するチャンスはこれからもたくさんある。2024年のブラジルで何が起きたかも覚えている」

    「最終戦まで何が起きるか分からない。でもチームとしては、今回のアップデートでパフォーマンスを大きく引き上げることが本当に重要だ」

    オランダGP初日の段階では、その狙いはラップタイムにも表れている。ガスリーがトップ4チームに続く8番手を確保したことで、アルピーヌは少なくともザントフォールトではレーシングブルズとアウディを上回る位置につけた。

    コラピントにも同じパッケージが投入されるモンツァ以降、この改善が異なる特性のサーキットでも再現されるかが、アルピーヌのコンストラクターズ選手権5位奪還を左右する重要なポイントとなる。

  • シャルル・ルクレール F1オランダGPスプリント予選3番手「今年最高の予選ラップ」

    シャルル・ルクレール F1オランダGPスプリント予選3番手「今年最高の予選ラップ」

    シャルル・ルクレールは、2026年F1オランダGPのスプリント予選で3番手を獲得し、最終アタックについて「今年最高の予選ラップだったと思う」と手応えを語った。

    フェラーリはルクレールが3番手につけた一方、チームメイトのルイス・ハミルトンは7番手。サマーブレイク明け最初の週末、しかもフリー走行が1時間しかないスプリントフォーマットのなかで、2台は対照的な予選となった。

    ルクレール ポールまで0.055秒の接戦
    ルクレールはSQ3の最終アタックで上位争いに加わり、ポールポジションを獲得したジョージ・ラッセル、2番手ランド・ノリスとの3台がわずか0.055秒差に収まった。

    ポールには届かなかったものの、ルクレールはマシンから十分な感触を得られたことを高く評価している。

    「もちろん1番手からスタートしたかった。でも、今日は本当に満足している。正直、今年の僕の予選ラップのなかでは一番良かったと思う」

    「それは、フィーリングの面でも僕たちが何か正しいことをできているということだ。もちろん、この状態がずっと続くという意味ではないけど、少なくとも正しい方向への良いステップだと思う」

    長いサマーブレイクを終え、シーズン後半戦のスタートで好感触を得られたこともルクレールにとって重要だった。

    「特に長い休みのあとだから、後半戦のスタートではこういう感触を得たいものだ」

    「良い仕事ができたと思う。残念ながらポールにはほんの少し届かなかったけど、少なくとも僕たちはだいたい争いの中にいる」

    ザントフォールトでは金曜日のフリー走行が1時間しかなく、その後すぐにスプリント予選へ移行した。セットアップを煮詰める時間が限られるなかで上位争いに加われたことは、フェラーリにとってもポジティブな材料となる。

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    ハミルトンはセットアップ変更後に「完全に違うマシン」
    一方、ハミルトンはFP1で感じていた好感触をスプリント予選で再現できず、7番手にとどまった。

    ドライバーズランキング2番手で後半戦を迎えたハミルトンは、首位キミ・アントネッリを50ポイント差で追っているが、今回のスプリント予選ではラッセルから0.6秒以上離された。

    「残念ながら良いセッションではなかった。そういうこともある」

    ハミルトンによれば、FP1後に施した小さなセットアップ変更によって、マシンのフィーリングが大きく変わってしまったという。

    「FP1では感触が良かった。そこからマシンにほんの少し調整を加えたけど、予選に入ったら完全に違うマシンになっていた」

    「何がうまくいかなかったのかを突き止める必要がある。それから明日はベストを尽くす」

    フェラーリにとっては、ルクレールがポール争いに加われたことでSF-26の速さを確認できた一方、わずかなセットアップ変更でハミルトンのバランスが崩れた点は検証すべき課題となった。

    土曜日の24周のスプリントでは、ルクレールが2台の先頭争いに割って入れるか、そしてハミルトンが7番手からどこまで挽回できるかが焦点となる。

  • ランド・ノリス F1オランダGPスプリント予選で0.041秒差の2番手「少し残念」

    ランド・ノリス F1オランダGPスプリント予選で0.041秒差の2番手「少し残念」

    ランド・ノリスは、2026年F1オランダGPのスプリント予選で2番手となり、ポールポジションをわずか0.041秒差で逃した。マクラーレンの競争力には手応えを感じる一方、トップに届かなかった結果については「少し残念」と率直に振り返った。

    前戦ハンガリーGPでポール・トゥ・ウインを飾ったノリスは、アップデートが投入されたMCL40でも好調を維持。ザントフォールトではメルセデス、フェラーリとの接戦となり、週末に向けてさらなる改善の余地があるとみている。

    わずか0.041秒差でスプリントポールを逃す
    ノリスはSQ1、SQ2をともに2番手で通過。SQ3では1分11秒608を記録して暫定トップに立ったが、最後はメルセデスのジョージ・ラッセルが0.041秒上回り、フロントロウ2番手となった。

    セッション後、その僅差を知らされたノリスは結果を前向きに受け止めつつも、悔しさを隠さなかった。

    「そうなんだ。それでも何かはあるね! まずまず満足していると思う。まだいいポジションだ」

    「まずまずのラップだったし、これだけ僅差だったことを考えれば、簡単に1番手にもなれたし、4番手や5番手にもなり得た。いいスプリント予選だった」

    「どのチームも接近していて、まさに僕たちが予想していた通りだった。でももちろん、1番手ではなく2番手だったのは少し残念だ」

    実際、上位争いは極めて僅差だった。ポールのラッセルとノリスとの差は0.041秒。3番手シャルル・ルクレール、4番手オスカー・ピアストリまでを含めても、その差はわずかだった。

    ソフトタイヤで「もう少し攻められた」
    ノリスが改善点として挙げたのは、SQ3で使用したソフトタイヤへの対応だった。ミディアムからソフトへ切り替えた際、増加したグリップを完全には引き出せなかったという。

    「SQ3でミディアムからソフトに替えたとき、グリップがもう少し増えていたと思うけど、そこを十分に引き出せなかった」

    「もう少し攻められたかもしれない。でも、それ以外ではマシンはしっかり機能しているし、ブダペストで見せた強さをそのまま継続できているように思う」

    前戦ハンガリーGPで速さを見せたマクラーレンにとって、ザントフォールトでもメルセデスやフェラーリとトップ争いを演じられたことは重要な材料となった。異なる特性を持つサーキットでもMCL40が競争力を維持していることを示した形だ。

    「ポジティブなことはたくさんあるし、このまま週末の残りも続いてほしい。僕自身が改善できるところもあるし、明日の予選に向けてマシンからもう少し引き出せる部分もあるかもしれない」

    「週末をいい形でスタートできたので、それについては満足している」

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    ピアストリもソフトタイヤへの切り替えに苦戦
    チームメイトのオスカー・ピアストリはSQ2でミディアムタイヤを履いて好タイムを記録したものの、SQ3では4番手。1分11秒666を記録し、3番手ルクレールとは0.044秒、ノリスとは0.058秒差だった。

    ピアストリもノリスと同様、ソフトタイヤに履き替えた際のバランス変化を課題に挙げた。

    「ソフトでのラップが少し良くなかっただけだと思う。今年はよくあることだけど、ソフトタイヤを履くと、ミディアムで得られていたバランスほど良く感じられないことがある」

    それでも、フリー走行からマシンを改善できたことには手応えを感じている。

    「今朝のプラクティスと比べれば、かなり満足している。いくつか変更して、ずっと良くなった。そこがポジティブなところだし、朝から進歩できた」

    「もちろんかなり僅差だったし、もっといいラップをまとめられていればポールを取れたかもしれない。でも、僕は学んで改善している。それが一番大事だ」

    ピアストリはスプリントでの勢力図について「僕たちとフェラーリ、メルセデスの間でかなり接戦になると思う」と予想。「最後の細かな部分やギャップを埋めて、何ができるかを見ることになる」と語った。

    マクラーレンはスプリント予選でノリスが2番手、ピアストリが4番手につけ、ハンガリーGPから続く競争力を示した。一方、2人ともソフトタイヤで最大限のパフォーマンスを引き出せなかったとの認識で一致しており、その改善がスプリントと決勝予選でメルセデス、フェラーリを上回る鍵となりそうだ。

  • 角田裕毅のF1復帰にレーシングブルズCEO「プレッシャーより大きなチャンス」

    角田裕毅のF1復帰にレーシングブルズCEO「プレッシャーより大きなチャンス」

    レーシングブルズCEOのピーター・バイエルが、2026年F1オランダGPで急きょ実戦復帰を果たした角田裕毅について語った。

    約8カ月ぶりのF1実戦、しかも2026年型マシンを初めてサーキットで走らせる難しい状況の角田裕毅に対し、レーシングブルズはプレッシャーをできる限り軽減する方針を取っている。

    アイザック・ハジャーの手首負傷によってリアム・ローソンがレッドブル・レーシングへ移り、その穴を埋める形でレーシングブルズから出場することになった角田裕毅。バイエルによれば、チームがハジャーの負傷を把握したのは前週後半で、火曜日にオランダGPでのドライバー体制が正式に決まったという。

    ギリシャから呼び戻された角田裕毅
    「先週後半に負傷のことを知った。その後、当然ながら電話が鳴り始めて、何本か話をした。そして火曜日に、この週末をどの体制で戦うか決定した」とバイエルは説明した。

    「こういうことが起きるのはもちろん望んでいないけれど、ひとたび起きれば何をすべきかは分かっている。ある意味、チェックリストに従って進めるようなものだ」

    そのなかで最も大きな変更を強いられたのが、角田裕毅の予定だった。

    「一番大きく変わったのは裕毅の旅行計画だった。ギリシャから戻してシミュレーターに乗せ、できる限り最大限のサポートを提供した」

    角田裕毅は休暇先から急きょ呼び戻され、シミュレーターで準備したうえでザントフォールトへ向かった。

    「彼にとってはホームカミング」
    角田裕毅は2026年型F1マシンを実戦で走らせた経験がなく、しかもスプリント週末のため走行時間も限られている。

    それでもバイエルは、レーシングブルズへの復帰にはプラス材料もあると考えている。

    「確かにその通りだ。ただ一方で、裕毅にとっては少しホームカミングのようなものでもある」

    「彼はチームを知っているし、メカニックたちのことも知っている。ガレージのことも分かっている。そしてフィットネスも維持してきた。正直に言って、フィジカル面でもメンタル面でも非常によく準備できている」

    角田裕毅は実戦から離れている間も旧型車テストのTPCに参加しており、完全にF1マシンから離れていたわけではない。

    スプリント週末を逆に利用
    一般的には準備時間が短くなるスプリント週末だが、バイエルは角田裕毅に対して、それを逆に利用するよう助言したという。

    「昨夜、彼にはこう話した。『スプリント週末は普通、とても忙しくて慌ただしい。でも君にとっては、むしろアドバンテージになるかもしれない』とね」

    「『土曜日と日曜日のセッションに集中すればいい。フリー走行があって、予選シミュレーションがあって、何周かレースも走れる。それによって正しいマインドセットに入り、マシンにも慣れていける』と伝えた」

    そしてバイエルは、角田裕毅が最初の走行から堅実な仕事をしたと評価した。

    「FP1では非常に堅実な仕事をしてくれた」

    角田裕毅について語るビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チームのピーター・バイエルCEO

    メディア対応も最小限に
    角田裕毅には急なF1復帰による注目が集まっているが、レーシングブルズは不要な負担を減らすための対応も取っている。

    「レーシングドライバーはみんなF1マシンに乗ることを切望しているし、子どもの頃からプレッシャーへの対処を学んでいる。だから、その点についてはそれほど心配していない」

    「我々としては、すでに週末から少しプレッシャーを取り除いている。『メインの予選と決勝に集中して、それ以外はFP1、FP2、FP3のようなものだと思えばいい』と伝えている」

    チームはメディアやプロモーション面での仕事も削減している。

    「コミュニケーションチームは、その他の義務を本当に必要最小限にしようとしている。ソーシャルメディアチームにも、30分ではなく10分で受け入れてもらった」

    「プレッシャーより大きなチャンス」
    バイエルは今回の復帰を、角田裕毅にとって重圧ではなく、自らの価値を示すための機会として捉えている。

    「僕としては、彼にはプレッシャーよりも大きなチャンスを見てほしい」

    「彼はF1にいたいと思っているし、自分にできることを世界に示したいと思っている」

    さらに、レーシングブルズのマシンにはポイントを争うだけの力があるとして、決勝での結果にも期待を寄せた。

    「正直に言えば、このまま積み上げていければ、彼にはポイント圏を走れるマシンがある」

    「それが可能かどうかは、日曜日に分かるだろう」

    急きょギリシャから呼び戻され、限られた準備でF1へ復帰した角田裕毅。レーシングブルズは結果を急がせるのではなく、セッションごとに2026年型マシンへの理解を深めさせながら、予選と決勝で本来の力を発揮できる環境を整えている。

  • F1オランダGP初日 ピレリ総括「ソフトとミディアムの差は約0.5秒」

    F1オランダGP初日 ピレリ総括「ソフトとミディアムの差は約0.5秒」

    2026年F1オランダGPはザントフォールトで初日の走行を終え、ピレリがフリー走行1回目(FP1)とスプリント予選を通じたタイヤの状況を総括した。

    スプリント予選ではジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得。一方、タイヤ面では雨上がりにもかかわらず路面のグリップが予想以上に高く、摩耗やデグラデーションも現時点では大きな問題になっていない。

    ソフトとミディアムの性能差は約0.5秒と、事前のシミュレーションに沿った結果となった。

    ラッセルが0.041秒差でスプリントポール
    スプリント予選では、メルセデスのラッセルが1分11秒567を記録してトップに立った。2番手ランド・ノリスとの差はわずか0.041秒、3番手シャルル・ルクレールも0.055秒差という接戦だった。

    オスカー・ピアストリはポールタイムから0.1秒以内の4番手。規則により、SQ3では全ドライバーがC4のソフトタイヤを使用してベストタイムを記録した。

    ミディアムタイヤの使用が義務づけられたSQ2ではマクラーレン勢が速さを見せ、ピアストリが1分12秒026でトップ、ノリスが1分12秒189で続いた。

    ラッセルには、ピレリ・モータースポーツ・ディレクターのダリオ・マラフスキからスプリント・クオリファイング・アワードが贈られた。

    雨上がりでも予想以上のグリップ
    FP1では、マックス・フェルスタッペンとリアム・ローソンを除く全ドライバーがインターミディエイトタイヤで数周を走行した。しかし、路面状況は急速に改善し、ほどなくスリックタイヤへ移行。ハード、ミディアム、ソフトの3種類すべてが試された。

    最速タイムを記録したのはメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリで、1分12秒949。ノリスが2番手、ラッセルが3番手につけた。

    コンパウンド別で最も多く周回したドライバーは、ハードがアービッド・リンドブラッドの24周、ミディアムがラッセルの27周、ソフトがアレクサンダー・アルボンの22周だった。

    ピレリのチーフエンジニアを務めるシモーネ・ベッラは、雨の影響を受けた路面にもかかわらず、グリップレベルは事前の予想を上回っていたと説明した。

    「インターミディエイトでの数周のインスタレーションラップを除けば、最初のフリー走行は今週末に用意された3種類すべてのコンパウンドを評価することに充てられた。雨の後だったが、グリップという点では予想していたよりも良い路面コンディションだった」

    「ミディアムはハードよりも表面のアブレーションが多かったが、全体的に見れば、どの選択肢にも性能寿命を損なうほど大きな摩耗は見られなかった」

    ソフトは高いグリップを発揮
    ソフトタイヤについて、ベッラはセッション終盤に向けたトラックエボリューションの効果もあり、高いグリップを発揮したと評価している。

    「ソフトコンパウンドがもたらすグリップはかなり大きかった。セッション終盤に向けて路面が改善していったことも助けになった」

    FP1ではハードタイヤを使用したチームがある一方、2セットとも温存したチームもあった。ピレリは、この違いが日曜日の決勝で各チームが想定しているピットストップ回数の違いを示している可能性があるとみている。

    「FP1でハードを1セット使ったチームと、2セットとも残したチームでアプローチが分かれたことは、異なるピットストップ回数を検討していることを示す最初の兆候かもしれない」

    「タイヤデグラデーションは重要な要素になる。ただ、現時点では低い気温のおかげでコントロールできているように見える。また、このサーキットでは伝統的にセーフティカーが出る可能性が高く、それも重要になる」

    オランダグランプリ

    ソフトとミディアムの差は約0.5秒
    ピレリの初日データでは、ミディアムとソフトの性能差は約0.5秒だった。この数字は事前のシミュレーションと一致している一方、絶対的なラップタイムについては予測より約1秒遅かった。

    「ミディアムとソフトの性能差は約0.5秒で、シミュレーションから予想していた通りだ。ただ、そのシミュレーションではラップタイム自体は約1秒速いと予測されていた」

    ベッラは、一晩で雨などによって路面状況がリセットされなければ、土曜日にはさらなるタイム向上が見込まれるとしている。

    「もし一晩で路面がリセットされなければ、明日にはさらにパフォーマンスが向上するはずだ」

    決勝では3種類すべてが戦略の選択肢
    現時点でタイヤの摩耗は性能寿命を大きく制限するレベルには達しておらず、ピレリはハード、ミディアム、ソフトのすべてが日曜日の決勝で使用可能な選択肢になると分析している。

    「いずれにしても、日曜日のレース戦略では3種類すべてのコンパウンドを使うことができると考えている」

    ザントフォールトではデグラデーションに加え、セーフティカーの発生タイミングも戦略を左右する要素となる。さらにFP1でハードを使用したチームと温存したチームに分かれたことで、決勝では異なるピットストップ戦略が展開される可能性もある。

    初日の段階ではソフトとミディアムの約0.5秒という性能差が想定通り確認された一方、3種類すべてのコンパウンドに実戦で使える余地が残されている。今後の路面進化と気温によってタイヤの挙動がどう変化するかが、スプリントから決勝に向けた重要なポイントとなる。

  • アイザック・ハジャー 手首負傷でマルク・マルケスから助言「復帰を急ぐな」

    アイザック・ハジャー 手首負傷でマルク・マルケスから助言「復帰を急ぐな」

    アイザック・ハジャーは、手首の負傷によってF1オランダGPを欠場することになったが、その決断の裏ではレッドブルだけでなく、MotoGPで7度の最高峰クラス王者に輝いたマルク・マルケスからも「復帰を急がないように」と助言を受けていた。

    ハジャーは先週、トレーニング中に手首を負傷。本人はザントフォールトでのレース出場を望んでいたものの、レッドブルは将来への影響を考慮してリスクを冒さない方針を選択した。さらに、負傷後にハジャーが相談したマルケスも同じ考えを伝えたという。

    レッドブル「リスクを冒す理由はない」
    ハジャーの欠場に伴い、レッドブルではリアム・ローソンが代役を務め、レーシングブルズでは角田裕毅がF1復帰を果たした。

    レーシングブルズCEOのピーター・バイエルによれば、姉妹チームには金曜日の時点でドライバー変更の可能性が伝えられ、その後、火曜日に状況が大きく動いた。角田裕毅はギリシャで休暇を過ごしていたところに急きょ連絡を受け、ローソンは2025年中国GP後の降格以来となるレッドブルでの出場機会を得た。

    一方、ハジャーにとってザントフォールトは思い入れのある場所でもある。2025年のオランダGPでは自身初のF1表彰台を獲得しており、今年はその出来事をユーモラスに振り返るスペシャルヘルメットを用意していた。

    それだけに本人は出場への意欲を示していたが、レッドブルのチーム代表ローラン・メキースは、無理をさせる必要はないとの判断を強調した。

    「アイザックは大丈夫だ。彼についてリスクを冒す理由はまったくない」

    「彼は素晴らしいシーズンのスタートを切った。このマシンでガレージを出るたびに、セッションを重ねるたびに、そして週末を重ねるたびに、どんどん強くなっている」

    「我々は一切リスクを冒さない。今週末は回復に専念してもらい、できれば本当に早くマシンに戻ってきてもらいたい」

    マルク・マルケスも「復帰を急がない方がいい」
    ハジャーに同様の助言を送ったのが、MotoGP王者のマルク・マルケスだった。

    一見するとF1ドライバーとMotoGPライダーという異なる世界の2人だが、ハジャーとマルケスは理学療法士のカルロス・J・ガルシアを共通して起用している。このつながりから、ハジャーは手首を負傷した後にマルケスへ連絡を取った。

    そこでマルケスは、焦って復帰しないようハジャーに助言したという。また、特定の医療処置についても性急に決断すべきではないとの考えを伝えた。

    ハジャーはまだ若く、今後長いF1キャリアを築いていく可能性がある。そのためマルケスは、目の前の1レースへの復帰を優先するよりも、時間をかけて手首を適切に治すことが重要だと考えた。

    これは結果的に、レッドブルがハジャーに伝えた方針とも一致していた。

    マルク・マルケス

    自身も度重なる負傷を経験したマルケス
    マルケスの助言には、自身の長い負傷経験という背景がある。

    MotoGPで数々の大事故を経験してきたマルケスは、右上腕骨や右手親指の骨折、両肩の脱臼、さらには複視など、キャリアを通じてさまざまな負傷に苦しんできた。

    特に右上腕骨の負傷では復帰まで長期間を要しており、早期復帰を目指すことのリスクを身をもって経験している。それだけに、若いハジャーに対して短期的な復帰よりも完全な回復を優先するよう促したことには重みがある。

    F1イタリアGPでの復帰が目標
    次の焦点は、ハジャーがいつレッドブルのRB22に復帰できるかだ。

    レッドブルは現時点で復帰時期について正式な判断を下すには早すぎるとしているが、9月4~6日に開催されるF1イタリアGPでの復帰を目標としている。

    メキースは「まだ確実にそう言うには早すぎるが、モンツァで復帰させることが我々の目標だ」と説明した。

    高速コースのモンツァはカレンダーの中では身体的負担が比較的小さいサーキットだが、その翌週には新設のマドリンクでマドリードGPが控えている。連戦を考えても、中途半端な状態で復帰させないことが重要になる。

    オランダGPへの出場を望んでいたハジャーにとって欠場は悔しい決断となったが、レッドブルと、数々の負傷から復帰してきたマルケスの意見は一致した。目先の1戦ではなく今後のキャリアを優先し、まずは手首を完全に回復させることが最優先となる。

  • キミ・アントネッリ F1オランダGPスプリント予選で痛恨のコースオフ「フロアに穴」

    キミ・アントネッリ F1オランダGPスプリント予選で痛恨のコースオフ「フロアに穴」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、F1オランダGPのスプリント予選で5番手となった。SQ1でコースオフした際にマシンのフロアを大きく損傷し、その後はダウンフォースを失った状態で走っていたことを明かした。

    メルセデスのチームメイト、ジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得する一方、アントネッリは0.227秒差の5番手。

    それでも、フロアに「いくつか穴」が開き、一時は大幅なパフォーマンス低下を抱えていたことを考えれば、ダメージを最小限に抑えた結果だった。

    SQ1のコースオフでフロアを損傷
    アントネッリはSQ1最初のタイムアタックで、終盤のコーナーへの進入時にリアを失い、そのままグラベルへ飛び出した。マシンはグラベル上を滑りながらコースへ復帰したが、その際にフロアが損傷した。

    アントネッリはピットへ戻り、メルセデスは短時間で損傷状況を確認。可能な限りの応急修理を施したものの、完全に元の状態へ戻すことはできなかったという。

    「コースオフした後、フロアにいくつか穴が開いていた」

    アントネッリはSky Sportsにそう説明した。

    「ピットに戻ったとき、最初は25ポイント分のロスがあると言われた。チームができる限り修復してくれたけど、それでもダメージは残っていた。特に低速ではかなり苦戦した。でも、仕方ない」

    ここでいう「25ポイント」は空力性能を示すダウンフォースの指標であり、フロア損傷によってマシン本来の空力性能を大きく失っていたことを意味する。

    「少し進入速度が高すぎた」
    アントネッリはコースオフについて、自らのミスだったことも認めている。

    「最初のラップの最後のコーナーで、少し進入速度が高すぎた。それでリアを失ってグラベルに入ってしまった。それだけだ」

    一度大きくマシンを乱したうえ、フロアにもダメージを負ったことで、その後のスプリント予選では再び限界まで攻めるための自信を取り戻すことも簡単ではなかった。

    「もちろん、自信を取り戻していくのは簡単ではなかった。それでもかなり近いところにはいられたし、明日また挑戦する」

    実際、アントネッリはダメージを抱えながらSQ1を突破し、最終的にSQ3まで進出。ポールポジションを獲得したラッセルとの差を0.227秒にとどめた。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ダメージを抱えたままスプリントへ
    土曜日のスプリントでは5番グリッドからスタートする。フロアのダメージを抱えた状態でのレースとなるが、アントネッリは上位争いを諦めていない。

    「できる限りいいレースをしたい。もちろん、前はものすごく接近しているので、オーバーテイクは簡単ではないと思う。それでも、ダメージがある状態でもできる限りのことをする」

    スプリント終了後には通常の予選に向けてマシンを修復できるため、そこから改めて仕切り直す考えだ。

    「その後、予選に向けてマシンをきちんと直して、もう一度挑む」

    ヴォルフ「20ポイントを失っていた」
    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフも、アントネッリのフロア損傷が大きなものだったと説明した。

    「キミはフロアに穴が開いたことで20ポイントを失った。ただ、我々はそこを補修することができ、その後は完全な状態に見えた」

    アントネッリが当初伝えられた「25ポイント」に対し、ヴォルフは「20ポイント」としているが、いずれにしても無視できない規模の空力損失だったことが分かる。

    一方でヴォルフは、最終的な5番手という結果について、フロア損傷だけが原因だったわけではないとも指摘した。

    「本当に僅差だ。ギャップは非常に小さい。彼はターン11への進入で少しミスをして、プッシュしすぎた。こういう状況では、タイムはすぐに失われてしまう」

    FP1ではトップタイムを記録していたアントネッリだけに、スプリント予選でもポールポジション争いに加わるだけの速さはあった。SQ1でのひとつのコースオフがフロア損傷につながり、その後のセッション全体に影響を及ぼした形だ。

    それでも大きな空力ロスを抱えながら5番手を確保し、ラッセルとの差を0.227秒に抑えたことは、アントネッリとメルセデスの基礎的な速さを示す結果でもある。まずはダメージを抱えた状態で臨むスプリントを乗り切り、その後の予選では修復されたマシンで改めて上位を狙う。

  • ジョージ・ラッセル F1オランダGPスプリントPP「婚約指輪を渡して軽くなったかな」

    ジョージ・ラッセル F1オランダGPスプリントPP「婚約指輪を渡して軽くなったかな」

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1オランダGPのスプリント予選でポールポジションを獲得。サマーブレイク中に長年のパートナーであるカルメン・モンテロ・ムントと婚約したことを引き合いに出し、無線で喜びを表現した。

    メルセデスのラッセルは、ザントフォールトで行われたスプリント予選でランド・ノリス(マクラーレン)をわずか0.041秒差で退けてトップタイムを記録。今季3度目のスプリントポールを獲得し、厳しい形で終えたシーズン前半戦からの再スタートを飾った。

    「婚約指輪で少し軽くなったかな」
    ポールポジションを決めた直後、ラッセルはチーム無線でジョークを飛ばした。

    「よし! 婚約指輪のおかげで少し軽くなったかな!」

    28歳のラッセルはサマーブレイク中、長年交際してきたカルメン・モンテロ・ムントにプロポーズし、婚約を発表していた。

    パルクフェルメでは、好調な形で後半戦をスタートできたことへの安堵を口にした。

    「シーズン前半の最後は厳しかったから、こうして戻ってこられて本当にうれしい」

    「ラップの感触はすごくよかった。スプリント予選はまとめるチャンスが1周しかないから、いつも難しい。でも今回はすべてがうまくまとまった」

    ラッセルにとって、セッションをトップで終えるのは久しぶりだった。

    「どのセッションでもタイムシートのトップに立つのはしばらくぶりだった。最後がいつだったのか思い出せないくらいだ。まだ自分が運転できるんだって、自分自身に思い出させることができてよかったし、今回の休みはいいタイミングだった」

    ただし、ラッセルはスプリントのポールだけで週末の勢力図を判断することには慎重だ。

    「でも、これはまだスプリントにすぎない。重要なのはメインの予選だ。マクラーレンは本当に速そうだし、フェラーリも速い。ここ数戦はチームとして僕たち自身も驚くようなところがあったけど、今はいい位置にいる」

    「今週末は本当に先入観を持たずに入った。どうなるのかまったく分からなかったからね」

    「自信が最高の状態だったわけではない。でも、自分自身とマシンからどんなフィーリングが必要なのかを思い出して、シーズン最初のレースのように考えて、あまり考えすぎないようにした」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) / オランダグランプリ

    ヴォルフも婚約をネタに「肩の荷が下りた」
    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフも、ラッセルの復調と婚約を結びつけて冗談を飛ばした。

    「ジョージが戻ってきた。カルメンが彼のプロポーズを受け入れてくれたことで、肩にかかっていたプレッシャーがずいぶん減ったんじゃないかな!」

    「日々の仕事をしっかり積み重ね、すべてをつなぎ合わせて、とてもいいラップを走った」

    ラッセルは現在、ドライバーズ選手権でチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリに59ポイント差をつけられている。シーズン前半の終盤は思うような結果を残せなかっただけに、ザントフォールトでのスプリントポールは後半戦に向けた重要な一歩となった。

    「婚約でコンマ数秒速くなれば」
    ラッセルは木曜日のドライバー記者会見でも、サマーブレイク中のプロポーズについて語っていた。

    「すごく特別だったし、本当にいい時間だった。かなりいろいろ考えたし、指輪をデザインしたりする過程もすごく興味深かった」

    「いざその瞬間になったら、実際には言葉が出てこなかった。片膝をついた瞬間に突然ものすごく緊張してしまった。でも素晴らしかったよ」

    さらに、婚約がF1でのパフォーマンスにも好影響を与えることを期待していると冗談を交えていた。

    「コンマ数秒でも速くなればいいね。もし婚約でコンマ数秒速くなるなら、ランドだって婚約すると思うよ」

    その一方で、ラッセルはF1ドライバーとして戦ううえで、私生活の安定が大きな意味を持つとも説明している。

    「プライベートの生活はすごく重要だ。僕たちはみんな本当に慌ただしい生活を送っている。その生活を一緒に過ごし、感情の浮き沈みを共有してくれる人は、とても大切な存在だ。僕はカルメンと本当に長い間一緒にいる」

    「彼女はずっと僕の人生ですごく重要な存在だったから、何かが大きく変わるとは思っていない。ただ、僕たちにとって必要だった次のステップに進むということだった」

    サマーブレイク前には自信を失いかけていたことも認めたラッセルだが、休暇を挟んだザントフォールトではスプリント予選で即座に速さを示した。婚約による“コンマ数秒”の効果が本当にあったかはともかく、後半戦最初の予選セッションでトップに返り咲いたことは、ラッセルにとって大きな自信につながる結果となった。

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1に困惑「まったく別のマシンになった」

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1に困惑「まったく別のマシンになった」

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1オランダGPのスプリント予選で7番手に終わり、FP1後に施したわずかなセットアップ変更によってフェラーリSF-26のフィーリングが大きく変化したことに困惑を示した。

    ハミルトンは唯一のフリー走行では好感触を得ていたものの、スプリント予選ではチームメイトのシャルル・ルクレールから約0.5秒遅れた。ルクレールが3番手につけた一方で、ハミルトンは「何がうまくいかなかったのか突き止める必要がある」と語り、データ分析を急ぐ考えを示した。

    FP1では好感触も予選で一変
    ザントフォールトでの金曜日はスプリント形式のため、通常の週末とは異なりフリー走行は1回のみ。ハミルトンはそのFP1で序盤からまずまずのペースを示し、SF-26に対してポジティブな感触を得ていた。

    しかし、FP1からスプリント予選に向けてセットアップを微調整した結果、マシンの挙動は予想以上に変化したという。

    「残念ながら、いいセッションではなかった。こういうこともある」

    「FP1では感触がよかった。マシンにほんの少し調整を加えたんだけど、予選に入ったらまったく別のマシンになっていた。だから、何がうまくいかなかったのかを突き止める必要がある。それから明日はできる限りのことをする」

    今回フェラーリはSF-26に改良型フロアを投入している。限られた走行時間しかないスプリント週末では、セットアップ変更の効果を十分に確認する機会も少なく、FP1で得たバランスをスプリント予選まで維持できなかったことがハミルトンにとって大きな痛手となった。

    ルクレールとの違いをデータで検証
    ハミルトンは、ルクレールとはわずかに異なるセットアップで走っていたことも明らかにした。

    「データを見て、それから判断する。とにかくデータを全部確認して、原因を突き止めなければならない」

    「シャルルは僕とは少し違うところにいて、FP1で僕がいた状態にもう少し近かった。そういうことだ」

    SQ3ではさらに、唯一のアタックに向けたウォームアップラップでガブリエル・ボルトレトのアウディに遭遇し、タイヤを理想的な状態まで持っていくことができなかった。セットアップによるバランス変化に加え、タイヤ準備の面でも万全とは言えない状況だった。

    一方のルクレールはSF-26に好感触を得ており、3番手を獲得した自身のアタックを「今季最高の予選ラップ」と評価した。

    「今年の予選ではベストのラップだった。それはフィーリングという面で、僕たちが何か正しいことをできているということだ」

    「これがずっと続くという意味ではないけど、正しい方向への一歩を踏み出せるのはいつだっていいことだ。特にこれだけ長い休みのあとだからね。いい仕事ができた。残念ながらポールにはほんの少し届かなかったけど、僕たちはだいたい戦える位置にいる」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    同じフェラーリで明暗分かれる
    ルクレールが首位争いに加わった一方、ハミルトンは7番手。両者の約0.5秒という差は、SF-26そのものの速さだけでは説明できず、セットアップとタイヤの使い方が結果を大きく左右したことを示している。

    スプリントは24周で行われ、ポイントを獲得できるのは上位8台のみ。ハミルトンは7番グリッドからスタートするためポイント圏内にはいるが、後方からの攻撃を受けながら前方との差を詰める必要がある。

    ポールポジションはメルセデスのジョージ・ラッセルが獲得し、ハミルトンがドライバーズ選手権で50ポイント差をつけられているアンドレア・キミ・アントネッリは5番手。フェラーリにとってはルクレールが上位争いにつける一方、ハミルトン側のセットアップをどこまで修正できるかがスプリントに向けた重要な焦点となる。

    FP1では手応えを得ながら、わずかな変更を境に「まったく別のマシン」になったというハミルトン。フェラーリは限られたデータを解析し、土曜日のスプリントまでにSF-26の本来のバランスを取り戻せるかが問われる。

  • フェルナンド・アロンソ ホンダF1新PUの問題を説明「まだ少し未成熟」

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1新PUの問題を説明「まだ少し未成熟」

    フェルナンド・アロンソは、F1オランダGPで投入されたホンダのアップグレード版パワーユニットにフリー走行では「前進を感じた」と評価する一方、スプリント予選ではドライバビリティとストレートラインモード(SLM)の問題に見舞われ、22番手に沈んだ。

    アストンマーティンはザントフォールトでホンダのアップグレード版パワーユニットを投入。アロンソは走行前から、ダイノ上で確認されていた追加のパワーが実際のコースでも発揮されることに期待を寄せていた。

    しかし、初日のスプリント予選では、その新しいパッケージの制御面で課題が表面化した。

    「ダイノで確認した追加パワーがコースでも出ることを期待」
    木曜日、アロンソは前戦ハンガリーGPで投入されたシャシー側のアップグレードと、今回のホンダ製パワーユニットの進歩について語った。

    「ブダペストではとてもいいニュースがあった。シャシーの相関性が良くて、パッケージに期待していたものを実際のコースでも実現できた」

    「ここでも同じようなことを確認したい。ダイノで確認したもの、そしてエンジンの追加パワーが、コース上でも発揮されることを期待している。それが確認できれば、将来に向けて間違いなくポジティブなことだ」

    一方で、ホンダが最終的に競争力のあるパワーユニットを完成させることについて、アロンソに不安はない。

    「僕としては、問題について明確な道筋と理解が見えればいい。でも、それについて心配はしていない。問題は解決できると思っている。時間の問題だ」

    「遅かれ早かれホンダが非常にいいエンジンを作ることを疑っている人はいないと思う。だから心配していない」

    スプリント予選でドライバビリティに問題
    フリー走行では一定の手応えを得たアロンソだったが、スプリント予選では状況が一変した。

    「フリー走行はだいたい問題なかった。でも予選ではエンジンのドライバビリティに問題があった」

    特に問題となったのが、ブレーキング時のパワーユニットの挙動だった。

    「ブレーキング中も押されるような状態だった。エンジンが必要以上に出力していたと思うので、時々マシンを止めるのが難しかった」

    この問題によってアロンソはフロントタイヤをロックさせてグラベルに飛び出し、タイヤにフラットスポットを作った。さらに、ストレートラインモードにも不具合が発生した。

    「それから、どうやら僕のSLMが作動しなかったようで、リアウイングを開くことができなかった。その両方が重なって、ラップはかなり難しくなった」

    最終的にアロンソは1分16秒014で22番手。SQ1敗退という厳しい結果に終わった。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    「まだ初期段階で少し未成熟」
    それでもアロンソは、今回のトラブルだけを理由にホンダのアップグレード版パワーユニットを否定的に評価することは避けた。

    「いや、もちろんそうではない。言ったように、フリー走行では感触は問題なかったし、前進も感じた」

    そのうえで、新しい仕様だけに制御面を含めて成熟させる余地が残っているとの見方を示した。

    「まだ本当に初期段階だし、おそらく少し未成熟な部分がある。コントロール系などもそうだ」

    さらに、今回は通常のグランプリとは異なり、フリー走行が1回しかないスプリントフォーマットであることも調整を難しくしたと説明した。

    「スプリントの週末だからね。通常の週末なら3回のフリー走行があって、パッケージを仕上げることができる。でもスプリントでは、今日の予選でこういう状況に対処しなければならない」

    「明日のスプリントでも、いくつかのことを理解しようとしていく」

    アロンソは投入前、ホンダの新しいパワーユニットについて、ダイノで確認された追加パワーが実車でも再現されることを期待していた。フリー走行では実際に「前進」を感じたものの、スプリント予選ではドライバビリティとSLMの不具合が重なった。

    それでもホンダの開発力に対する信頼は変わっておらず、アロンソは今回の問題を新パッケージ導入初期の調整課題と捉えている。残るセッションでは、制御面を改善しながらアップグレード本来の性能をどこまで引き出せるかが焦点となる。