カテゴリー: F1オランダGP

  • F1オランダGPスプリント予選SQ1:角田裕毅13番手で突破 アロンソ最下位敗退

    F1オランダGPスプリント予選SQ1:角田裕毅13番手で突破 アロンソ最下位敗退

    2026年F1第12戦オランダGPのスプリント予選SQ1がザントフォールト・サーキットで行われ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がトップタイムを記録した。F1復帰戦となる角田裕毅(レーシングブルズ)は13番手でSQ2進出を決めた。

    SQ1ではルクレールが1分13秒011をマーク。ランド・ノリス(マクラーレン)が0.060秒差の2番手、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が3番手、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が4番手に続いた。

    アントネッリがグラベルにはみ出す波乱
    スプリント予選はドライコンディションでスタート。SQ1とSQ2ではミディアムタイヤの使用が義務付けられており、22台が短いザントフォールトでタイムを競った。

    最初にコースへ向かったのはFP1で最速だったアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)。しかし、ターン13でグラベルにはみ出して最初のアタックを失敗した。

    アントネッリはマシンに大きなダメージがないことを確認して再びアタック。残り2分で7番手に浮上し、最終的に8番手でSQ1を通過した。

    序盤はジョージ・ラッセル(メルセデス)が1分13秒829でトップに立ったが、フェラーリ勢がペースを上げ、ハミルトンとルクレールが上位へ進出。その後、ノリスもトップタイムを更新した。

    終盤にルクレールが1分13秒011を叩き出し、ノリスを0.060秒上回ってSQ1最速となった。

    ローソン6番手 フェルスタッペンを上回る
    負傷したアイザック・ハジャーの代役としてレッドブルに復帰したリアム・ローソンは好スタートを切った。

    ローソンは1分13秒420を記録して6番手。チームメイトのマックス・フェルスタッペンは1分13秒585の7番手となり、ローソンが0.165秒上回った。

    F1 TVで解説を務める元F1ドライバーのジョリオン・パーマーも「角田にも感心しているが、それ以上にローソンには本当に感心している。彼は6番手でフェルスタッペンより前だ」と評価した。

    角田裕毅は13番手でSQ2進出
    ローソンのレッドブル昇格に伴い、レーシングブルズからF1復帰を果たした角田裕毅は、1分14秒490をマークして13番手。短い準備時間で初めて2026年型マシンを実戦で走らせる難しい状況ながら、最初の関門を突破した。

    チームメイトのアービッド・リンドブラッドは1分14秒057で11番手。レーシングブルズは2台そろってSQ2進出を決めた。

    アストンマーティンは2台ともSQ1敗退
    下位ではセッション終盤まで激しいノックアウト争いが続いた。

    オリバー・ベアマン(ハース)が最後のアタックでタイムを更新したものの17番手にとどまり、カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は18番手で敗退。ランス・ストロール(アストンマーティン)は19番手だった。

    キャデラック勢も苦戦し、バルテリ・ボッタスが20番手、セルジオ・ペレスが21番手でSQ1敗退となった。

    新しいホンダ製パワーユニットを投入したアストンマーティンは2台ともSQ1で姿を消した。フェルナンド・アロンソはアタック中にロックアップしてグラベルに飛び出し、タイヤをフラットスポットさせたことも響いて1分16秒014の22番手。最後尾でセッションを終えた。

    F1オランダGP スプリント予選SQ1敗退ドライバー
    17番手:オリバー・ベアマン(ハース)
    18番手:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    19番手:ランス・ストロール(アストンマーティン)
    20番手:バルテリ・ボッタス(キャデラック)
    21番手:セルジオ・ペレス(キャデラック)
    22番手:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

    SQ1のトップはルクレール、2番手ノリス、3番手ピアストリ、4番手ハミルトン。レッドブル復帰のローソンが6番手、フェルスタッペンが7番手となり、角田裕毅は13番手からSQ2へ駒を進めた。

  • アストンマーティンF1 AMR26Bをさらに改良 オランダGPで5項目アップデート

    アストンマーティンF1 AMR26Bをさらに改良 オランダGPで5項目アップデート

    アストンマーティンF1は、2026年F1オランダGPにAMR26Bのさらなる空力アップデートを投入した。FIAが公開した資料によると、変更はフロントウイング、フロントウイング・エンドプレート、オプショナルフラップ、フロアフェンス、ディフューザーの計5項目に及ぶ。

    前戦ハンガリーGPで16項目もの大規模アップデートを投入したアストンマーティンだが、開発の手を緩めてはいない。

    ハンガリーで投入した新フロントウイングをさらに改良
    フロントでは3項目の変更がFIAに申告された。

    まずフロントウイングでは、最終エレメントのアウトボード側のコード長を短縮。さらにフロントウイング・エンドプレートでは、内側のフット部分の形状が変更された。

    アストンマーティンはFIAへの提出資料で、この2つの変更について、前戦で導入した新しいフロントウイングの性能を改善するためのものだと説明している。

    つまり、ハンガリーGPで投入されたフロントウイングをそのまま継続使用するのではなく、実戦投入直後のオランダGPで早くも細部をアップデートした形だ。

    3つ目は、新しいオプショナル・フロントウイングフラップである。このフラップは単純にフロントの空力荷重を増やすことだけを目的としたものではない。

    FIA資料によれば、フロントウイングの調整によって得られるマシンバランスの範囲を広げ、セットアップを最適化することが狙いとされている。

    ザントフォールトは高速コーナーだけでなく、バンクを持つターン3や最終コーナーなど独特の特性を備えている。フロントウイングの調整幅を広げることは、こうしたコースで前後の空力バランスを合わせ込むうえでも重要な意味を持つ。

    リアは新パッケージ評価後に空力荷重を追加
    リア側では、フロアフェンスとディフューザーに変更が施された。

    フロアフェンスについては、ディフューザー部分に新しいフェンスを追加。ディフューザーでは、ウイングレットの下端形状が変更されている。

    ここで注目されるのが、アストンマーティンがFIAに示した変更理由だ。

    チームは、これらリア部分の変更について「新しいパッケージの性能を評価した後、リアの空力荷重を増加させるために組み合わせて機能する」と説明している。

    前戦ハンガリーGPで投入した大規模な新パッケージを評価したうえで、その性能をさらに引き出すためにリア側へ手を加えたことが読み取れる。

    フロアフェンスとディフューザーは個別に機能するのではなく、一体となってリアの空力荷重を高める設計となっており、AMR26Bの空力パッケージをさらに発展させるアップデートと位置づけられる。

    16項目の大改修からわずか1戦で追加アップデート
    アストンマーティンはハンガリーGPで、AMR26に16項目もの変更を加えた大規模アップデートを投入。従来型から大きく姿を変えたマシンは「AMR26B」とも呼ばれ、シーズン後半戦に向けた巻き返しの重要なステップとなった。

    そして、わずか1戦後のオランダGPでさらに5項目を追加した。今回のFIA資料では、フロントウイングについて前戦投入仕様の性能改善であることが明記され、リア側についても新パッケージの評価を踏まえた変更であることが示されている。

    そのため今回のアップデートは、ハンガリー仕様とは独立した新パッケージというより、そこで導入したコンセプトを実戦データを基に磨き込む継続的な開発と見ることができる。

    さらにオランダGPでは、車体側の空力アップデートと同時にホンダもRA626Hの新スペックを投入。アストンマーティンにとっては、シャシーとパワーユニットの両面で性能向上を図る重要な週末となる。

    ハンガリーで大きく刷新されたAMR26Bが、今回の5項目の空力変更とホンダの新スペックPUによってどこまで前進できるか。ザントフォールトでの走行データは、シーズン後半に向けたアストンマーティンの開発方向を占う重要な材料となりそうだ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム / オランダグランプリ

    アルピーヌは最多8項目 フェラーリも5項目を投入
    オランダGPではアストンマーティン以外にも複数のチームがアップデートを投入している。FIAへの申告数で最多となったのはアルピーヌで、計8項目の変更を持ち込んだ。

    アルピーヌはフロアボディ、フロアボード、フロアエッジ、ディフューザー、サイドポッド/コーク、リアコーナー、リアインパクトストラクチャー、リアウイングを変更。フロアを中心にマシン後方まで広範囲に手を加え、空力荷重の増加と気流の改善を狙っている。オランダGPではピエール・ガスリーが新パーツを使用し、フランコ・コラピントには次戦イタリアGPから同仕様が用意される予定だ。

    フェラーリもアストンマーティンと同じ5項目を申告。SF-26のフロアボディ、フロアボード、フロアエッジを改良したほか、ディフューザーとビームウイングにも変更を施した。FIA資料では、作動領域全体で空力荷重を増やすとともに、リアディフューザーへ送り込む気流のエネルギーを高めることが狙いと説明されている。

    マクラーレンは3項目で、新しいリアウイングに加えてエンジンカバーとリアコーナーを変更。リアウイングとボディワークを連携させて空力効率を高めるとともに、リアブレーキダクトの変更によって気流とブレーキ冷却性能の改善を図った。

    メルセデスはフロントコーナーの1項目のみ。ブレーキダクト入口からドラム前端のリップを分離してキャンバーも調整し、ステアリングの作動範囲を通じた気流の安定化とマシン後方への流れの改善を狙う。

    レッドブル・レーシングもフロントコーナーの1項目だが、こちらはパフォーマンスではなく信頼性向上が目的。高いステアリング角でホイールボディワークにかかる負担を減らすため、ロワーウィッシュボーン後方レッグのコード長などを変更している。

    一方、ウィリアムズ、レーシングブルズ、ハース、アウディ、キャデラックは、今回のオランダGPに向けたアップデートをFIAに申告していない。

    ザントフォールトではアルピーヌの8項目を筆頭に、アストンマーティンとフェラーリが各5項目、マクラーレンが3項目を投入した。シーズン後半戦最初の一戦から、各チームの開発競争も再び活発に動き始めている。

  • ホンダF1新PUは15馬力向上か オランダGPで約0.2秒短縮の可能性

    ホンダF1新PUは15馬力向上か オランダGPで約0.2秒短縮の可能性

    アストンマーティンは、F1オランダGPでホンダの新スペック・パワーユニットを投入する。注目される性能向上について、AutoRacerは約15馬力になると報じた。当初期待されていた約30馬力の半分程度だという。

    それでも15馬力の向上は小さくない。ホンダは2026年の新パワーユニット規則への対応でライバルに後れを取ってシーズンをスタートしており、今回のアップデートはその差を縮めるための最初の本格的な改良となる。

    ただし、現時点ではトップ勢との差を一気に埋めるほどのステップにはならないとみられている。

    ホンダは内燃エンジンを重点的に改良
    今回のアップデートでホンダが重点を置いたのは、内燃エンジン(ICE)だ。燃焼を中心に改良を加え、効率向上とドライバビリティの改善を同時に追求してきた。

    一方、バッテリーとMGU-Kについては大幅な変更はないとされる。

    2026年世代のF1パワーユニットでは、単純な最高出力だけで競争力を判断することはできない。エネルギーマネジメントや回生効率、そして蓄えた電気エネルギーをどのように展開するかというデプロイメントの質が、ラップタイムに大きく影響するためだ。

    そのため、アストンマーティンにとって重要なのは、約15馬力という出力向上を実際のラップタイムにどこまで結びつけられるかになる。

    15馬力でザントフォールトでは約0.2秒の改善か
    AutoRacerによる単純計算では、ザントフォールトで15馬力の向上は1周あたり約0.2秒に相当する可能性がある。

    もちろん、実際の効果はエネルギーの使い方やマシンの空力効率、セットアップなどによって変化する。それでも、シーズン前半にパワーユニット面で苦戦したアストンマーティンにとっては無視できない改善幅となる。

    また、今回の15馬力がホンダの最終到達点というわけではない。開発段階で確認された信頼性と性能が実戦でも裏付けられれば、当初計画していた約30馬力の向上を最終的に実現することを目指しているという。

    つまり、オランダGPで投入される仕様は完成形ではなく、ホンダが進めている性能回復プロセスの重要な一段階という位置づけになる。

    ホンダF1(ホンダ・レーシング) / アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    AMR26Bと新PUで巻き返しを狙うアストンマーティン
    アストンマーティンはシャシー側でも改善を進めている。ハンガリーGPで投入されたAMR26Bでは、空力とシャシーの両面で一定の進歩が確認された。

    そこに今回のホンダ製パワーユニットのアップデートが加わることで、シーズン前半に露呈した弱点に対する最初の大規模な修正サイクルがひと区切りを迎えることになる。

    重要なのは、それぞれの改善が単独でどれだけの数字を生み出すかだけではない。AMR26Bの改善と新しいパワーユニットを組み合わせた状態で、アストンマーティンがトップグループとの差をどこまで縮められるかが焦点となる。

    フェルナンド・アロンソの2027年にも影響
    そして、このアップデートには2026年シーズンの競争力だけではない意味もある。

    フェルナンド・アロンソは、まだ2027年の契約延長にサインしていない。45歳となったアロンソにとって、残されたF1キャリアの時間は重要な判断材料であり、アストンマーティンのプロジェクトが実際に勝利を争えるレベルへ到達できるのかを見極めようとしている。

    アストンマーティンには最新のファクトリーや設備があり、多額の投資も続けられている。さらに技術面ではエイドリアン・ニューウェイがプロジェクトを率いる。しかし、アロンソを完全に納得させるためには、そうした環境だけでなく、サーキット上で具体的な成果を示す必要がある。

    現時点ではアロンソとアストンマーティンの契約延長が最も可能性の高いシナリオとみられているものの、今後数戦で示される開発力はその判断にも影響を与えることになりそうだ。

    F1オランダGPで投入されるホンダの新スペックは約15馬力の向上が見込まれる。当初期待されていた約30馬力には届かないものの、ザントフォールトでは理論上約0.2秒の改善につながる可能性がある。重要なのは、その数字を実際のラップタイムへ変換できるか、そして今後さらに当初目標の30馬力へ近づけられるかだ。アストンマーティンとホンダにとって、ザントフォールトは2026年だけでなく、その先の競争力を占う重要な一戦となる。

  • F1オランダGP FP1詳報:アントネッリ最速 復帰戦の角田裕毅は17番手発進

    F1オランダGP FP1詳報:アントネッリ最速 復帰戦の角田裕毅は17番手発進

    2026年F1第12戦オランダGPのフリー走行1回目がザントフォールト・サーキットで行われ、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが1分12秒949でトップタイムを記録した。ランド・ノリス(マクラーレン)が0.121秒差の2番手、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が0.125秒差の3番手に続いた。

    今週末は負傷したアイザック・ハジャーが欠場し、リアム・ローソンがレーシングブルズからレッドブル・レーシングに昇格。そのローソンに代わって角田裕毅がレーシングブルズからF1復帰を果たした。

    角田裕毅は35周を走行し、1分15秒110で17番手。ローソンは14番手だった。

    ■ 雨上がりのザントフォールト インターからスリックへ
    スプリントフォーマットで開催されるオランダGPでは、60分間のFP1が週末唯一のフリー走行となる。セッション前には雨が降り、路面には水分が残った状態でスタートした。

    気温は18度、路面温度は24度。風も強く、海岸に近いザントフォールトでは風によって砂がコース上に運ばれる可能性もあり、グリップレベルを読みづらいコンディションとなった。レーシングラインは急速に乾いていき、ニコ・ヒュルケンベルグも無線で「かなりドライだ」と報告。序盤からスリックタイヤへの切り替えが始まった。

    角田裕毅はまずハードタイヤでコースイン。一方、オスカー・ピアストリはインターミディエイトから早々にミディアムへ交換し、カルロス・サインツJr.はソフト、アービッド・リンドブラッドはハードを選択するなど、各チームで異なるタイヤプログラムが展開された。

    ウィリアムズのサインツJr.はターン13でコースアウトしてグラベルに飛び出した後、ターン11でも再びコースを外れるなど苦戦。最初のコースアウトでフロアにダメージを負い、最終的に1分16秒345で22番手に終わった。

    ■ アントネッリが序盤から速さ スピンを喫する場面も
    ドライタイヤでの走行が本格化すると、アントネッリがミディアムで1分18秒264をマークしてトップへ。その後も路面コンディションの改善に伴ってタイムは急速に縮まった。

    アントネッリはセッション中盤にもミディアムでラッセルを0.094秒上回るなど速さを示したが、折り返しを前にターン10出口でスピンを喫する場面もあった。「何が起きたのか分からない」と無線で伝えたものの、マシンにダメージはなく走行を続けた。

    終盤にはソフトタイヤでクリーンなアタックをまとめ、1分12秒949までタイムを短縮してトップに浮上。最終的にノリスを0.121秒、ラッセルを0.125秒上回り、メルセデスが1番手と3番手を占めた。

    ■ フェラーリも好ペース ハミルトンとルクレールが一時トップ
    中盤にはルイス・ハミルトンがミディアムで1分14秒742を記録し、アントネッリを抑えて首位に浮上。フェラーリは低速コーナーを特徴とするザントフォールトとの相性が良いと予想されており、序盤からその期待を裏付けるペースを見せた。

    終盤のソフトタイヤでのアタックではシャルル・ルクレールが1分13秒347をマークして一時トップ。ヒュルケンベルグのトウを利用してタイムを伸ばした。その直後にはハミルトンもピアストリのトウを得てルクレールを上回った。

    最終結果はハミルトンが1分13秒139で4番手、ルクレールが1分13秒238で5番手。トップのアントネッリからハミルトンまでわずか0.190秒に3チーム4台が入った。

    ■ ノリス2番手 トウも重要な要素に
    マクラーレンではノリスが1分13秒070で2番手。終盤には元チームメイトのサインツJr.からトウを得て一時トップに立つなど、ストレートでのトウがラップタイムを左右する場面も目立った。

    ピアストリは1分13秒608で6番手。ソフトタイヤを履いた直後には最初の2セクターで全体ベストを刻み、一時は後続に約0.5秒差をつけてトップに立つ速さを見せた。

    タイヤ使用を見ると、ノリスとピアストリはインターミディエイトを短く使用した後、ミディアムを中心に走行し、最後にソフトでアタック。ノリスは30周、ピアストリは35周を走った。

    ■ アウディが7、9番手 ハードとミディアムでも競争力
    中団ではアウディの速さが目を引いた。ヒュルケンベルグはソフトを使用せず、ハードからミディアムへとつなぐプログラムながら1分13秒784を記録して7番手。ガブリエル・ボルトレトも1分13秒992で9番手に入った。

    アウディは夏休み前に投入したアップグレード以降、3戦連続でポイントを獲得しており、ザントフォールトでもその上昇傾向を示した。特にヒュルケンベルグがミディアムで上位に食い込んだ点は注目される。

    アルピーヌのピエール・ガスリーも1分13秒911で8番手。今回アルピーヌが持ち込んだアップグレードはガスリー車だけに装着されており、チーム側も空力パッケージについて好感触を示した。

    ■ フェルスタッペン11番手 レッドブルはハード中心
    ホームレースを迎えたマックス・フェルスタッペンは1分14秒325で11番手。レッドブルは他の上位勢とは異なり、フェルスタッペンにハードタイヤを中心としたプログラムを組ませた。

    マシンにはフロントウイング後方付近にフロービズが塗られ、アップグレードの空力データを収集。フェルスタッペンはロックアップを喫したほか、オーバーステアからグラベルに飛び出す場面もあり、アンダーステアやオーバーステア、ダウンシフトについても不満を訴えた。

    フェルスタッペンは25周を走行。タイヤデータを見るとハードを中心に使用しており、ソフトでタイムを出した上位勢とはプログラムが異なるため、11番手という順位をそのままレッドブルの競争力と捉えることはできない。

    ■ ローソンは14番手 フェルスタッペンから0.536秒差
    ハジャーの代役としてレッドブルに戻ったローソンは30周を走行し、1分14秒861で14番手。チームメイトのフェルスタッペンが記録した1分14秒325からは0.536秒差だった。

    序盤はハードを中心に走り、RB22への習熟を進めた。セッション中盤にはトップ10圏内を走行し、F1公式でも順調なスタートとして評価されていた。

    しかし、終盤にソフトタイヤを装着してタイムアタックに入った際、レーシングライン上を低速走行していたキャデラックに追いついてアタックを阻まれた。ローソンは無線で「彼らが何をしていたのか全く分からない」と不満を示しており、F1公式も14番手という結果についてソフトで代表的なタイムを残せなかったとしている。

    そのため、フェルスタッペンから0.536秒という数字についても注意が必要だ。フェルスタッペン自身がハード中心の異なるプログラムだったことに加え、ローソンはソフトでクリーンなアタックを完了できておらず、両者の純粋なパフォーマンス差を示すものではない。

    ■ 角田裕毅は35周を走破 リンドブラッドから0.825秒差
    ローソンのレッドブル昇格に伴ってレーシングブルズからF1復帰した角田裕毅は、1分15秒110で17番手。チームメイトのリンドブラッドは1分14秒285で10番手となり、その差は0.825秒だった。

    角田裕毅にとっては、2026年型マシンをレースウイークで本格的に走らせる最初の機会となった。序盤はハードタイヤでコースインし、その後もハードを中心に周回。タイヤデータではインターミディエイトも短時間使用し、最後はミディアムで11周のスティントを走っている。

    ソフトタイヤでタイムを出した多くのドライバーとは異なり、角田裕毅の最終タイムはミディアムで記録したもの。リンドブラッドも最終的にはミディアムを使用しているため完全な異条件ではないが、角田裕毅にとってはまずマシンへの適応とデータ収集を優先したセッションだったとみられる。

    F1公式もセッション中盤の角田裕毅について、14番手ながら堅実なセッションを送っていると評価。終了後にも、2026年型マシンを本格的に経験したことで、ここからさらに改善していくだろうとの見方を示した。

    ■ ホンダ新型PUのアストンマーティン アロンソはトップから1.562秒差
    今回のオランダGPでは、ホンダが新型パワーユニットをアストンマーティンに投入。その初実戦セッションとなったFP1で、フェルナンド・アロンソは1分14秒511を記録して12番手となった。トップのアントネッリからは1.562秒差だった。

    アロンソは25周を走行し、タイヤはインターミディエイトからミディアム、最後にソフトを使用。チームメイトのランス・ストロールは1分15秒199で18番手となり、アロンソが0.688秒上回った。

    ホンダの新型PUは数週間前にハンガリーで行われたフィルミングデーで初走行しており、ザントフォールトが公の場での実戦デビューとなった。事前のシェイクダウンでは大きな問題は報告されず、ホンダは開発目標を達成したとしている一方、実際の性能向上幅については慎重な姿勢を示している。

    FP1のアロンソはトップから1.562秒差となったが、ウェットからドライへ変化する路面状況に加え、各車でタイヤプログラムも異なっており、このタイム差だけで新型PUの効果を判断することはできない。スプリント予選以降、より同条件に近い状況でアストンマーティンがどこまでタイムを縮められるかが注目される。

    ■ タイヤ選択の違いで順位以上に読みにくい勢力図
    今回のFP1では路面がウェットからドライへ変化したことに加え、各チームのタイヤプログラムにも大きな違いがあった。

    アントネッリ、ノリス、ラッセル、ハミルトン、ルクレール、ピアストリら上位勢は最終的にソフトを使用。一方、7番手ヒュルケンベルグはミディアム、8番手ガスリーはハード、9番手ボルトレトと10番手リンドブラッドはミディアム、11番手フェルスタッペンはハード、17番手の角田裕毅はミディアムでセッションを終えた。

    そのため、FP1の順位表だけで各チームの純粋なパフォーマンスを判断するのは難しい。特にヒュルケンベルグの7番手はソフトを使わずに記録したもので、アウディの競争力を示す結果となった。一方、レッドブルもフェルスタッペンがハード中心、ローソンはソフトでのアタックをトラフィックに阻まれており、11番手と14番手という順位だけでは実力を測れない。

    トップ4は0.190秒以内に収まり、メルセデス、マクラーレン、フェラーリの3チームが接近。F1公式もトップチーム間にはほとんど差がないと分析しており、風とトラフィック、さらにトウの影響が加わるスプリント予選では、FP1以上に僅差の争いとなる可能性がある。

    角田裕毅にとっては復帰直後に迎えるスプリント予選となる。わずか1時間のFP1で35周を重ねた経験をどこまで生かし、レーシングブルズで一発のタイムを引き出せるかが次の焦点となる。

    オランダグランプリ 角田裕毅

    ■ F1オランダGP フリー走行1回目 結果
    1.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) 1分12秒949
    2.ランド・ノリス(マクラーレン) 1分13秒070
    3.ジョージ・ラッセル(メルセデス) 1分13秒074
    4.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) 1分13秒139
    5.シャルル・ルクレール(フェラーリ) 1分13秒238
    6.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) 1分13秒608
    7.ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ) 1分13秒784
    8.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) 1分13秒911
    9.ガブリエル・ボルトレト(アウディ) 1分13秒992
    10.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ) 1分14秒285
    11.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) 1分14秒325
    12.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) 1分14秒511
    13.フランコ・コラピント(アルピーヌ) 1分14秒826
    14.リアム・ローソン(レッドブル) 1分14秒861
    15.オリバー・ベアマン(ハース) 1分14秒874
    16.エステバン・オコン(ハース) 1分14秒897
    17.角田裕毅(レーシングブルズ) 1分15秒110
    18.ランス・ストロール(アストンマーティン) 1分15秒199
    19.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) 1分15秒357
    20.バルテリ・ボッタス(キャデラック) 1分15秒580
    21.セルジオ・ペレス(キャデラック) 1分15秒700
    22.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) 1分16秒345

  • F1オランダGP フリー走行 結果・タイムシート:角田裕毅17番手 アロンソ12番手

    F1オランダGP フリー走行 結果・タイムシート:角田裕毅17番手 アロンソ12番手

    F1オランダGP フリー走行の結果・タイムシート。8月21日(金)にザントフォールトで2026年のF1世界選手権 第12戦 オランダグランプリのフリープラクティスが行われた。

    トップタイムを記録したのはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)。2番手にランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続いた。レーシングブルズから参戦する角田裕毅は17番手。アストンマーティン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが12番手、ランス・ストロールが18番手だった。

    ■ アントネッリがFP1最速 メルセデスが1-3
    アンドレア・キミ・アントネッリが1分12秒949を記録してトップ。ランド・ノリスが0.121秒差の2番手、ジョージ・ラッセルが0.125秒差の3番手に入り、メルセデス勢が好スタートを切った。アントネッリは途中にスピンを喫したものの、終盤のソフトタイヤでクリーンラップをまとめて首位に浮上した。

    ■ フェラーリ勢が4、5番手 サーキット特性との相性に期待
    ルイス・ハミルトンが4番手、シャルル・ルクレールが5番手。セッション中盤にはハミルトンがトップに立ち、ルクレールも一時首位を奪うなど速さを見せた。ザントフォールトはパワー依存度が比較的低く、フェラーリに適したコースになるとの見方も出ている。

    ■ アウディが好調 ヒュルケンベルグ7番手
    ニコ・ヒュルケンベルグが7番手、ガブリエル・ボルトレトが9番手とアウディ勢がそろってトップ10入り。ヒュルケンベルグはミディアムタイヤでも上位につける場面があり、夏休み前に投入したアップグレード以降の好調を維持している。

    ■ フェルスタッペン11番手 ハード中心でアップグレードを評価
    マックス・フェルスタッペンは1分14秒325で11番手。レッドブルは序盤からハードタイヤを使用し、フェルスタッペンのマシンではフロービズを使ってアップグレードの空力確認も行われた。走行中にはロックアップやオーバーステアからグラベルに飛び出す場面もあった。

    ■ ローソンはレッドブル復帰初走行で14番手
    負傷欠場のアイザック・ハジャーに代わってレッドブルに復帰したリアム・ローソンは14番手。序盤はトップ10圏内を走るなど順調にRB22への適応を進めたが、終盤のソフトタイヤでのアタックでは前方の遅いマシンに遭遇し、代表的なタイムを残せなかった。

    ■ 角田裕毅はレーシングブルズ復帰初走行で17番手
    ローソンの代役としてレーシングブルズからF1復帰を果たした角田裕毅は1分15秒110で17番手。2026年型マシンをレースウイークで走らせるのは今回が初めてとなったが、序盤から着実に周回を重ねてマシンへの適応を進め、35周を走破した。

    ■ 雨上がりから急速にドライへ 難しいコンディション
    セッション開始時は雨の影響が残り、インターミディエイトでコースインするドライバーもいたが、レーシングラインは急速に乾燥。序盤からスリックへの交換が進んだ。風で砂がコース上に運ばれるザントフォールト特有の状況もあり、複数のドライバーがグラベルにはみ出す難しいコンディションとなった。

    ■ スプリント週末でFP1は唯一の練習走行
    2026年オランダGPは今季5回目のスプリント週末で、FP1は週末唯一のフリー走行となる。この後にスプリント予選が控えており、各チームは変化する路面状況のなかでセットアップ確認とタイヤ評価を急ピッチで進めた。

    F1オランダGP フリー走行1回目 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム タイム GAP LAP
    1 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1分12秒949   35
    2 1 ランド・ノリス マクラーレン 1分13秒070 0.121 30
    3 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1分13秒074 0.125 36
    4 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1分13秒139 0.190 35
    5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1分13秒238 0.289 38
    6 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン 1分13秒608 0.659 35
    7 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1分13秒784 0.835 33
    8 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ 1分13秒911 0.962 28
    9 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1分13秒992 1.043 29
    10 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1分14秒285 1.336 36
    11 3 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1分14秒325 1.376 25
    12 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 1分14秒511 1.562 25
    13 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 1分14秒826 1.877 31
    14 30 リアム・ローソン レッドブル 1分14秒861 1.912 29
    15 87 オリバー・ベアマン ハース 1分14秒874 1.925 32
    16 31 エステバン・オコン ハース 1分14秒897 1.948 31
    17 22 角田裕毅 レーシングブルズ 1分15秒110 2.161 34
    18 18 ランス・ストロール アストンマーティン 1分15秒199 2.250 24
    19 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 1分15秒357 2.408 32
    20 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 1分15秒580 2.631 27
    21 11 セルジオ・ペレス キャデラック 1分15秒700 2.751 27
    22 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ 1分16秒345 3.396 32
  • 角田裕毅 2027年F1レギュラー復帰に意欲「話すより走って見せる」

    角田裕毅 2027年F1レギュラー復帰に意欲「話すより走って見せる」

    角田裕毅が、2027年のF1レギュラーシート獲得への意欲を明確にした。2026年F1第12戦オランダGPでレーシングブルズから突然の実戦復帰を果たす角田裕毅は、今回のチャンスを自らの実力を証明する絶好の機会と捉えている。

    2025年限りでレッドブル・レーシングのレギュラーシートを失い、今季はリザーブおよび開発ドライバーを務めてきた角田裕毅。2027年のF1グリッドでは各チームのラインアップが固まりつつあるが、本人はレギュラー復帰を諦めていない。

    「話すだけよりも、実際に走って自分に何ができるかを見せる方がいい」と語り、ザントフォールトで巡ってきた一戦をアピールの場にする考えを示した。

    アイザック・ハジャーが手首の負傷によってオランダGPを欠場することになり、レッドブル・レーシングはレーシングブルズのリアム・ローソンを代役として起用。その結果、空いたレーシングブルズのシートに角田裕毅が起用された。

    角田裕毅にとってF1のレース出場は2025年最終戦アブダビGP以来となる。

    「これ以上のタイミングはない」突然巡ってきたチャンス
    角田裕毅は今回の復帰が、自分自身をコース上でアピールする貴重な機会になると考えている。

    「間違いなくいいチャンスです。これ以上のタイミングはないと思います」

    「話すだけよりも、実際に走って自分に何ができるかを見せる方がいいです。自分に何ができるかは分かっています。でも、走らずにそれを示したり、証明したりするのは難しいです」

    レギュラーシートを失ってからも、角田裕毅はレッドブルのシミュレーターで開発作業を続け、旧型車を使用するTPC(Testing of Previous Cars)にも参加してきた。

    しかし、実際のグランプリで現行マシンを走らせ、自らのパフォーマンスを示す機会はなかった。

    「レッドブルとレーシングブルズがこの機会を与えてくれたことに感謝しています。レースを通じて、自分について何かいいものを見せたいです。そして、何より大切なのは楽しむことです」

    「2027年のシートが欲しい」レギュラー復帰への思い
    角田裕毅は2027年に再びF1レギュラードライバーとしてグリッドに戻りたいという思いも隠していない。

    「もちろん、来年シートを得たいと思っています」

    一方で、ドライバーマーケットの動向は自分だけで決められるものではないとして、将来を意識しすぎることなく目の前のオランダGPに集中する姿勢を強調した。

    「でも、そういうことは僕がコントロールできるものではありませんし、今は考える必要もありません」

    2027年のF1グリッドではすでに多くのチームがドライバーを固めつつあり、残された選択肢は限られてきている。だからこそ、実際のレースで自らの速さを示せる今回の機会は、角田裕毅にとって大きな意味を持つ。

    角田裕毅 / オランダグランプリ

    「ずっとマシンに乗りたかった」数カ月間の待機生活
    今季の角田裕毅はリザーブドライバーとして多くのF1グランプリに帯同し、レッドブル・レーシングとレーシングブルズの戦いを間近で見てきた。

    新レギュレーションのもとでマックス・フェルスタッペン、ハジャー、ローソン、アービッド・リンドブラッドがどのように2026年型マシンを走らせているかを観察し、可能な限り情報を吸収してきた。

    それでも、モニター越しにレースを見るだけの日々は、角田裕毅の「もう一度レースをしたい」という思いを強くした。

    「ここ数カ月はずっと画面を見ていました。シーズンが始まってから、ずっとマシンに乗ってほかのドライバーたちと競いたくて仕方がありませんでした」

    「この瞬間はとにかく楽しみたいですし、もちろん100%のパフォーマンスを出します。それがいい結果につながってくれればと思います」

    2027年へのアピールはコース上で
    角田裕毅にとって今回のオランダGPは、現時点ではハジャーの負傷によって巡ってきた代役参戦だ。次戦以降についてもハジャーの回復状況次第であり、継続参戦が保証されているわけではない。

    だからこそ、限られた機会を最大限に生かす必要がある。

    オランダGPはスプリントフォーマットで開催され、金曜日のフリー走行は1時間のみ。その後すぐにスプリント予選を迎える。2026年型F1マシンで初めて実戦を戦う角田裕毅にとって、準備時間は極めて限られている。

    それでも、待ち望んできたチャンスがようやく訪れた。

    「この瞬間をずっと待ち望んでいましたし、現行マシンでコースに出ることを本当に望んでいました。だから楽しみにしています」

    2027年に再びF1のレギュラーグリッドへ戻れるかどうかは、角田裕毅自身にもまだ分からない。ただ、本人が語るように、シートを求めて言葉を重ねるより、実際にF1マシンを走らせて実力を示す方が説得力はある。

    突然巡ってきたオランダGPでの復帰戦は、角田裕毅にとって待望の実戦であると同時に、2027年のF1レギュラー復帰へ向けて自らの価値をコース上で示す重要な機会となる。

  • アストンマーティンF1 2027年もアロンソ続投が最優先「他の選択肢はない」

    アストンマーティンF1 2027年もアロンソ続投が最優先「他の選択肢はない」

    アストンマーティンF1は、2027年のドライバーとしてフェルナンド・アロンソの続投を最優先しており、現時点で後任候補を検討していない。トラックサイド・オペレーションズ・ディレクターのマイク・クラックは、アロンソ本人の決断を待つ姿勢を改めて明確にした。

    2027年のアストンマーティンではランス・ストロールの残留が確実視される一方、45歳のアロンソはF1で現役を続けるかどうかをまだ正式に表明していない。

    チーム側は「プランB」を準備するのではなく、アロンソとの継続を軸に来季の体制を考えている。

    アロンソの決断を待つアストンマーティン
    フェルナンド・アロンソはこれまで、2027年もF1でレースを続けるのであれば、アストンマーティン以外のチームへ移籍する考えはないことを示している。

    したがって焦点となっているのは移籍の可能性ではなく、アロンソ自身が現役続行を選択するかどうかだ。

    45歳となったアロンソは、2027年の技術レギュレーションについて必ずしも好意的な見方を示していない。一方で、競争力のあるマシンで戦い、納得できる形でF1キャリアを締めくくりたいという思いもある。

    特にアストンマーティンにはエイドリアン・ニューウェイがおり、アロンソにとってニューウェイが手掛けるマシンで戦うことは長年望んできた機会でもある。

    さらに、2026年からアストンマーティンとワークス体制を組むホンダはF1オランダGPで改良型パワーユニットを投入する。今後の競争力を見極めるうえで、ホンダとシャシー双方の進歩がアロンソの判断材料になるとの見方もあり、去就については9月中に明らかになる可能性が高い。

    「他の選択肢は検討していない」
    これまでアストンマーティンをめぐっては、フェルナンド・アロンソの後任候補として複数のドライバーの名前が取り沙汰されてきた。

    2025年にはマックス・フェルスタッペンやジョージ・ラッセルへの関心が報じられ、最近ではカルロス・サインツJr.やエステバン・オコンの名前も浮上していた。

    しかし、フェルスタッペンはレッドブル・レーシングとの契約を2030年まで延長し、サインツJr.もウィリアムズとの契約を更新。現在のドライバー市場を考えても、トップクラスのドライバーを新たに獲得できる選択肢は限られている。

    それでもクラックは、代替案を探していない理由を市場環境だけに求めず、アロンソとの継続がチームにとって最も重要だと強調した。

    「以前にも言ったように、我々は彼の決断を待っている。それからどうなるかを見ていく」

    他の選択肢を検討しているのかと問われると、クラックは明確に否定した。

    「いや、検討していない。我々は常に、重要なのはフェルナンドとこれからも一緒にやっていくことだと言ってきた」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    アロンソ本人の意思も尊重
    一方でアストンマーティンは、チーム側の希望だけでアロンソの去就を決めるつもりはない。

    クラックは、アロンソが自ら将来を決断するための時間を与えることも重要だと語った。

    「これまで言ってきたように、我々は良い結果を得られるとかなり確信している。その一方で、フェルナンド自身が決断したいという希望も尊重しなければならない」

    アロンソも自身の将来について、ローレンス・ストロールやニューウェイと話し合い、チームが自分を必要としているかどうかも含めて判断する意向を示している。

    2026年のアストンマーティンは苦しいシーズン序盤を過ごしたものの、AMR26Bの投入をはじめとする開発によって改善の兆しを見せている。ホンダもパワーユニットの改良を進めており、チームは今後さらに競争力を高めることを目指している。

    アストンマーティンにとって理想的なシナリオは、そのプロジェクトを2027年もアロンソとともに継続することだ。現時点でチームに「プランB」はなく、まずはアロンソ本人が下す決断を待つことになる。

    仮にアロンソが現役引退を選択した場合には、アストンマーティンはその時点で初めて外部のドライバー獲得、あるいは育成プログラムからの昇格を含めた後任選びに動くことになりそうだ。

  • 角田裕毅のF1復帰にピエール・ガスリーが冗談「少し錆びついていてくれれば助かる」

    角田裕毅のF1復帰にピエール・ガスリーが冗談「少し錆びついていてくれれば助かる」

    ピエール・ガスリーは、2026年F1オランダGPでグリッドに復帰する角田裕毅を歓迎した。一方で、コンストラクターズ選手権でレーシングブルズを追うアルピーヌの立場からは、しばらく実戦から離れていた元チームメイトが「少し鈍っていてくれれば助かる」と冗談交じりに語った。

    角田裕毅は、手首を負傷したアイザック・ハジャーの欠場に伴うドライバー変更によって、ザントフォールトで急遽F1に復帰する。

    ハジャーの代役としてリアム・ローソンがレッドブル・レーシングに昇格し、そのローソンが空けたレーシングブルズのシートを角田裕毅が埋めることになった。

    ガスリー「少し錆びついている角田裕毅なら助かる」
    アルピーヌとレーシングブルズはコンストラクターズ選手権で争っており、ガスリーは、勢いを増しているライバルとの差をどう縮めるかと質問されると、かつてアルファタウリでチームメイトだった角田裕毅の名前を挙げた。

    「角田裕毅が少し錆びついていてくれれば、まずは助かるね」

    ガスリーは冗談交じりにそう語った一方、角田裕毅がF1グリッドに戻ってきたこと自体については素直に喜びを示した。

    「彼がグリッドに戻ってきたのはうれしい。ザントフォールトのスプリント週末に、いきなりこのマシンに乗り込むのはかなり大変な仕事になると思う」

    角田裕毅にとって今回の復帰戦は簡単な状況ではない。レース出場からしばらく遠ざかっていただけでなく、オランダGPはスプリントフォーマットで開催されるため、通常のグランプリ週末よりも走行時間が限られる。

    フリー走行はFP1のみで、その後すぐにスプリント予選へと進む。レーシングブルズのマシンへの適応とレース勘を取り戻すために使える時間は極めて少ない。

    さらにザントフォールトは、バンク角のついたコーナーや高速区間が連続し、ミスの許容範囲も小さいサーキットだ。急遽参戦する角田裕毅にとって、復帰戦としては厳しい条件がそろっている。

    レーシングブルズの速さをガスリーも警戒
    ガスリーが角田裕毅について冗談を口にした背景には、アルピーヌとレーシングブルズの激しい争いがある。

    シーズン序盤はアルピーヌが中団勢をリードする存在だったが、レーシングブルズは夏休み前に競争力を大きく高め、着実にポイントを積み重ねてきた。

    ガスリーも、そのパフォーマンスを高く評価している。

    「彼らはかなり競争力があるように見える。ここ数戦はマシンのペースという点でも、獲得したポイントという点でも間違いなく印象的だった」

    「僕たちにできることは、自分たちのパフォーマンスを引き出すことだけだ。今回のアップグレードによって、それが実現することを期待している」

    ピエール・ガスリー(アルピーヌF1チーム)

    アルピーヌはオランダGPでアップグレード投入
    アルピーヌにとって、オランダGPでは角田裕毅の“ブランク”以上に、自分たちが投入するアップグレードが重要になる。

    ガスリーは、直近の数戦でアルピーヌの競争力が低下していたことを認め、新パッケージを待ち望んでいたと明かした。

    「興味深い週末になると思う。今週末はアップグレードが入る。ここ数戦はパフォーマンス面でより難しい状況になっていたから、僕もこれを待っていた」

    「これによって再び戦いに戻れることを期待しているし、コンストラクターズ選手権の5位を争えるようになってほしい」

    アルピーヌはシーズン序盤、中団グループで5番手のチームとして一定の地位を築いていた。しかし、夏休み前にレーシングブルズが急速にパフォーマンスを向上させたことで、その構図は変化している。

    ガスリーは夏休みで十分にリフレッシュできたとして、シーズン後半戦への意欲も示した。

    「感触はとてもいい。シーズン後半戦が始まるのがすごく楽しみだ。とてもいい休みを過ごせたし、しっかりエネルギーを取り戻すことができた。数週間サーキットから離れられたのもよかった」

    アルピーヌが投入するアップグレードが期待どおりの効果を発揮するのか。そして、急遽F1に復帰する角田裕毅がガスリーの期待する“錆びついた状態”をどれだけ早く脱するのか。ザントフォールトでは、コンストラクターズ選手権を争う両チームの直接対決にも注目が集まる。

  • ランド・ノリス マクラーレンF1の弱点を指摘「今でもものすごく運転が難しい」

    ランド・ノリス マクラーレンF1の弱点を指摘「今でもものすごく運転が難しい」

    ランド・ノリスは、2026年F1第11戦ハンガリーGPで勝利を挙げたマクラーレンのマシンについて、依然として「ものすごく運転が難しい」と語った。新フロアの投入によってパフォーマンスは向上したものの、特にストリートサーキットでは扱いづらさが大きな課題として残っているという。

    サマーブレイク前最後の一戦となったハンガリーGPでノリスは今季初勝利を達成。マクラーレンはアップデートによって大きな前進を果たしたが、ノリスはその速さが簡単に引き出せるものではないと強調している。

    「マシンは今でもものすごく運転が難しい」
    2026年F1第12戦オランダGPを前に行われたFIA木曜記者会見で、ノリスはシーズン後半戦に向けてマクラーレンが改善すべき部分について質問された。

    ノリスが最初に挙げたのは、さまざまなタイプのコーナーやコンディションへの対応力だった。そして、現時点で最大の疑問としてストリートサーキットを挙げた。

    「いろいろなタイプのコーナーや、異なるコンディションがある。現時点では、ストリートサーキットがおそらく一番大きな疑問点だ」

    その理由について、ノリスは現在のマシンが持つ根本的な難しさを率直に語った。

    「マシンは今でも本当に、本当に運転するのが難しい」

    ハンガリーGPで勝利できるだけの速さを持ちながらも、ドライバーが簡単にその性能を引き出せるマシンではないという。

    「もちろん、ものすごく速くなることはある。それは前回も見せることができた。でも、ただマシンをコースに置けば速いというわけではないんだ」

    ノリスによれば、そのポテンシャルを引き出すためには、ドライバー側がマシンの特性を細部まで理解する必要がある。

    「すべてのコーナー、すべてのコンディション、そしてタイヤライフのあらゆる段階で、どうやってドライブしなければならないのかを理解する必要がある」

    マクラーレンの速さは明らかになっている一方、それを安定して引き出すための許容範囲は依然として狭いというのがノリスの評価だ。

    ここ1~2カ月で理解は進んだ
    ノリス自身もシーズン序盤からマシンへの理解を深め、最近になって扱い方をかなりつかめるようになったと感じている。

    「ここ1~2カ月で、そういうことをかなりうまく理解できるようになってきたと感じている」

    それでも、根本的な扱いづらさが解消されたわけではない。

    「それでも、まだものすごく難しい。だから、もう少しだけ簡単になってくれればいいと思っている」

    マシンがより扱いやすくなれば、ドライバーが限界を探るための余裕も増える。特にその影響が大きくなるとノリスが考えているのが、ミスの許される範囲が小さいストリートサーキットだ。

    「そうなれば、ストリートコースのように、いろいろなことを試したり探ったりする余裕が少ない場所でも、もっと良くなれると思う」

    常設サーキットとは異なり、ストリートコースではランオフエリアが限られ、マシンの挙動を探りながら限界を見つけていくことが難しい。そのため、現在のマクラーレンが持つ扱いづらさが、より大きな弱点として表れやすいとノリスは考えている。

    モナコは「かなりひどいレースだった」
    その具体例としてノリスが挙げたのが、今季のモナコGPだった。

    「ストリートコースはまだ課題だ。振り返ってみれば、モナコは僕たちにとってかなりひどいレースだった」

    モナコのようにコース幅が狭く、ドライバーがマシンの限界を探る余地がほとんどないサーキットでは、マクラーレンの扱いづらさがパフォーマンスに大きく影響したという。

    ノリスは特定のサーキットだけではなく、「いくつかのタイプのコーナーでも十分に強くない」と分析しており、シーズン後半戦に向けて改善すべき領域が残されていると認めている。

    それでもハンガリーでは昨年以上のペース差
    一方で、マクラーレンのマシンにポテンシャルがないわけではない。むしろ、条件が合えば非常に高いパフォーマンスを発揮できることをハンガリーGPで証明した。

    ノリスはハンガリーでのパフォーマンスについて、かなり強い表現で評価している。

    「前回の日曜日に僕たちが持っていたペースアドバンテージを見ると、昨年のどの時点で僕が持っていたものよりも大きかったと思う」

    前年にタイトルを獲得したシーズンと比較しても、ハンガリーで示した相対的な速さはそれ以上だったという認識だ。

    「それが残りのシーズンにもつながってくれることを願っている」

    つまり現在のマクラーレンが抱えている問題は、絶対的な速さが不足しているという単純なものではない。高いピークパフォーマンスを持ちながら、それを幅広い条件で安定して引き出すことが難しいという点にある。

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    新フロア投入で明確な前進
    ハンガリーGPでは、マクラーレンが新しいフロアを投入していた。オランダGPを前にノリスは、そのアップデートによってチームが一歩前進したこと自体には手応えを示している。

    「僕自身にとってもチーム全体にとっても、かなり自信になった」

    ただし、ハンガリーで発揮した速さが新フロアによる普遍的な改善なのか、それともハンガロリンクの特性との相性によって生まれたものなのかについては、まだ判断を急いでいない。

    「ブダペストで投入した新しいパーツ、新しいフロアについて、それがすべての場所ですべてのパフォーマンスをもたらしてくれたのかを理解する必要がある」

    「すべてのサーキット、あらゆる路面、あらゆるタイプのコーナーで効果があるのか、それともあそこにより特化したものだったのか。それについてはまだ理解している途中だ」

    それでも、アップデートが一定の成果をもたらしたことには疑いを持っていない。

    「でも、一歩前進したことは明らかだった。それはいい兆候だ」

    ノリスはザントフォールトでも高い競争力を発揮できると期待している。

    ザントフォールトで真価を確認
    ザントフォールトは、ハンガロリンクと一部似た特徴を持つ一方、風や気温など条件には違いがある。

    ノリスも「いくつかの点ではブダペストとそれほど違わないけど、風のコンディションや、明らかにかなり気温が低いことなど、違うところもある」と説明している。

    そのため、ハンガリーで大きな成果を挙げたアップデートが異なる条件でも機能するかを確認するうえで、オランダGPは重要な機会となる。

    「マシンの弱点がどこにあるのか、何が良くなったのかは明確だったと思う」

    「でも、日曜日のパフォーマンスは、おそらく昨年のどの時点よりも良かった。それでも僕たちは昨シーズンより少し波があって、一貫性に欠けることがあるということでもあると思う」

    マクラーレンは現在もマシンを「完全に理解しようとしている段階」だとノリスは説明する。その一方で、ザントフォールトは自身が以前から好んできたサーキットであり、マクラーレンも過去に好成績を残してきたことから、今週末については期待を寄せている。

    ハンガリーGPで勝利し、昨年を上回るほどのペースを示したマクラーレン。それでもノリスが「今でもものすごく運転が難しい」と語るように、その速さを引き出す難しさは依然として残されている。

    絶対的な速さをさらに高めるだけでなく、幅広いコースやコンディションでドライバーが性能を引き出しやすいマシンにできるか。ハンガリーで大きな前進を果たしたマクラーレンにとって、後半戦ではピークパフォーマンスと扱いやすさを両立させることがさらなる課題となりそうだ。

  • 角田裕毅 レーシングブルズでのF1復帰に不満なし「どのマシンでも構わない」

    角田裕毅 レーシングブルズでのF1復帰に不満なし「どのマシンでも構わない」

    角田裕毅が、2026年F1第12戦オランダGPで実現した待望のレース復帰への思いを語った。レッドブル・レーシングではなく古巣レーシングブルズからの参戦となったことについても、「どのマシンを運転するかは気にしていません」と強調。何よりも再びF1でレースを戦えることを喜んでいる。

    2025年限りでレッドブル・レーシングのレギュラーシートを失って以来、角田裕毅はリザーブおよび開発ドライバーとして活動してきた。

    今季前半戦はサーキットに帯同しながらも、レースをモニター越しに見守る日々が続いていた。

    「フラストレーションが溜まったり、ストレスを感じたりしていたわけではありません。でも、毎レースを画面で見ていると、『本当に、本当に戻って運転したい』と思っていました」

    その願いが、アイザック・ハジャーの負傷という予期せぬ形で現実になった。

    ハジャーが手首の負傷によってオランダGPを欠場。レッドブル・レーシングはレーシングブルズからリアム・ローソンを昇格させ、その空席に角田裕毅を起用した。

    「本当に予想していなかったことでした。でも、今はかなり落ち着いていますし、明日が楽しみです」

    「悲しいはずがないですよね。これは僕がずっと待っていた瞬間ですし、こういう瞬間が欲しくて仕方がなかったです」

    「どのマシンでも構わない」レースに戻れることが最優先
    今回の人事では、レッドブルの正式なリザーブドライバーである角田裕毅ではなく、レーシングブルズでレースを続けてきたローソンがハジャーの代役としてレッドブル・レーシングに昇格した。

    しかし、角田裕毅は自分がどちらのチームで走るかについて、こだわりはなかったと語る。

    「どのマシンを運転するかは気にしていません。シートを得られただけでも、十分すぎるほどありがたいです」

    「どちらのチームもパフォーマンスを発揮していますし、特に今年のレーシングブルズは好調ですから、本当にどちらでも構いません」

    レーシングブルズは今季ここまで66ポイントを獲得し、コンストラクターズ選手権5位につけている。中団グループの先頭を争う競争力を示しており、角田裕毅にとっても復帰戦でポイントを狙える可能性を秘めたマシンだ。

    白いレーシングスーツで「家に帰ってきた感じ」
    そして、レーシングブルズは角田裕毅にとって特別なチームでもある。

    角田裕毅は2021年に当時のアルファタウリからF1デビュー。チームがアルファタウリからRB、そしてレーシングブルズへと名称を変えるなかで長く在籍し、2025年シーズン序盤にローソンと交代する形でレッドブル・レーシングへ昇格した。

    約1年半を経て、今度は逆の形でローソンのシートを引き継ぎ、古巣からF1に復帰する。

    レーシングブルズの白いチームウェアに再び袖を通した瞬間には、懐かしい感覚もあったという。

    「レーシングブルズには長い間いました。白いウェアを着た瞬間、すごくホームに帰ってきたような感じがしました」

    慣れ親しんだスタッフも多い環境でF1復帰を果たせることは、限られた準備時間しかない角田裕毅にとってプラス材料となりそうだ。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    半年以上モニター越しに見続けたF1
    レギュラーシートを失ってからも、角田裕毅は復帰への準備を止めていなかった。

    レッドブルのシミュレーターで開発作業を続ける一方、旧型車を使ったTPC(Testing of Previous Cars)にも4回参加。レース距離に換算して約5レース分を走り込み、実戦感覚を維持する努力を続けてきた。

    それでも、実際のF1レースに出場することとは違う。

    2026年シーズンが開幕してから、角田裕毅はほかのドライバーたちが戦う姿を画面越しに見続けてきた。だからこそ、今回巡ってきた一戦の価値は大きい。

    「こういうチャンスを得られただけでも、僕にとっては期待をはるかに超えることです。本当にずっと欲しかった機会なので、レーシングブルズでレースをするのがすごく楽しみです」

    オランダGPはスプリントフォーマットで開催されるため、角田裕毅に与えられるフリー走行は金曜日の1時間だけ。その後すぐにスプリント予選へ臨まなければならず、2026年型F1マシンを実戦で経験していない角田裕毅にとって簡単な復帰戦ではない。

    それでも今の角田裕毅にとって、まず重要なのは再びF1のスターティンググリッドに立てることだ。

    レッドブルかレーシングブルズかではなく、「F1でレースをしたい」という思いを抱き続けた半年余り。待ち望んだチャンスは、長年を過ごした古巣レーシングブルズという馴染み深い場所で巡ってきた。