F1オランダGP初日 ピレリ総括「ソフトとミディアムの差は約0.5秒」

F1オランダGP初日 ピレリ総括「ソフトとミディアムの差は約0.5秒」

執筆者:

カテゴリ:

,

2026年F1オランダGPはザントフォールトで初日の走行を終え、ピレリがフリー走行1回目(FP1)とスプリント予選を通じたタイヤの状況を総括した。

スプリント予選ではジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得。一方、タイヤ面では雨上がりにもかかわらず路面のグリップが予想以上に高く、摩耗やデグラデーションも現時点では大きな問題になっていない。

ソフトとミディアムの性能差は約0.5秒と、事前のシミュレーションに沿った結果となった。

ラッセルが0.041秒差でスプリントポール
スプリント予選では、メルセデスのラッセルが1分11秒567を記録してトップに立った。2番手ランド・ノリスとの差はわずか0.041秒、3番手シャルル・ルクレールも0.055秒差という接戦だった。

オスカー・ピアストリはポールタイムから0.1秒以内の4番手。規則により、SQ3では全ドライバーがC4のソフトタイヤを使用してベストタイムを記録した。

ミディアムタイヤの使用が義務づけられたSQ2ではマクラーレン勢が速さを見せ、ピアストリが1分12秒026でトップ、ノリスが1分12秒189で続いた。

ラッセルには、ピレリ・モータースポーツ・ディレクターのダリオ・マラフスキからスプリント・クオリファイング・アワードが贈られた。

雨上がりでも予想以上のグリップ
FP1では、マックス・フェルスタッペンとリアム・ローソンを除く全ドライバーがインターミディエイトタイヤで数周を走行した。しかし、路面状況は急速に改善し、ほどなくスリックタイヤへ移行。ハード、ミディアム、ソフトの3種類すべてが試された。

最速タイムを記録したのはメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリで、1分12秒949。ノリスが2番手、ラッセルが3番手につけた。

コンパウンド別で最も多く周回したドライバーは、ハードがアービッド・リンドブラッドの24周、ミディアムがラッセルの27周、ソフトがアレクサンダー・アルボンの22周だった。

ピレリのチーフエンジニアを務めるシモーネ・ベッラは、雨の影響を受けた路面にもかかわらず、グリップレベルは事前の予想を上回っていたと説明した。

「インターミディエイトでの数周のインスタレーションラップを除けば、最初のフリー走行は今週末に用意された3種類すべてのコンパウンドを評価することに充てられた。雨の後だったが、グリップという点では予想していたよりも良い路面コンディションだった」

「ミディアムはハードよりも表面のアブレーションが多かったが、全体的に見れば、どの選択肢にも性能寿命を損なうほど大きな摩耗は見られなかった」

ソフトは高いグリップを発揮
ソフトタイヤについて、ベッラはセッション終盤に向けたトラックエボリューションの効果もあり、高いグリップを発揮したと評価している。

「ソフトコンパウンドがもたらすグリップはかなり大きかった。セッション終盤に向けて路面が改善していったことも助けになった」

FP1ではハードタイヤを使用したチームがある一方、2セットとも温存したチームもあった。ピレリは、この違いが日曜日の決勝で各チームが想定しているピットストップ回数の違いを示している可能性があるとみている。

「FP1でハードを1セット使ったチームと、2セットとも残したチームでアプローチが分かれたことは、異なるピットストップ回数を検討していることを示す最初の兆候かもしれない」

「タイヤデグラデーションは重要な要素になる。ただ、現時点では低い気温のおかげでコントロールできているように見える。また、このサーキットでは伝統的にセーフティカーが出る可能性が高く、それも重要になる」

オランダグランプリ

ソフトとミディアムの差は約0.5秒
ピレリの初日データでは、ミディアムとソフトの性能差は約0.5秒だった。この数字は事前のシミュレーションと一致している一方、絶対的なラップタイムについては予測より約1秒遅かった。

「ミディアムとソフトの性能差は約0.5秒で、シミュレーションから予想していた通りだ。ただ、そのシミュレーションではラップタイム自体は約1秒速いと予測されていた」

ベッラは、一晩で雨などによって路面状況がリセットされなければ、土曜日にはさらなるタイム向上が見込まれるとしている。

「もし一晩で路面がリセットされなければ、明日にはさらにパフォーマンスが向上するはずだ」

決勝では3種類すべてが戦略の選択肢
現時点でタイヤの摩耗は性能寿命を大きく制限するレベルには達しておらず、ピレリはハード、ミディアム、ソフトのすべてが日曜日の決勝で使用可能な選択肢になると分析している。

「いずれにしても、日曜日のレース戦略では3種類すべてのコンパウンドを使うことができると考えている」

ザントフォールトではデグラデーションに加え、セーフティカーの発生タイミングも戦略を左右する要素となる。さらにFP1でハードを使用したチームと温存したチームに分かれたことで、決勝では異なるピットストップ戦略が展開される可能性もある。

初日の段階ではソフトとミディアムの約0.5秒という性能差が想定通り確認された一方、3種類すべてのコンパウンドに実戦で使える余地が残されている。今後の路面進化と気温によってタイヤの挙動がどう変化するかが、スプリントから決勝に向けた重要なポイントとなる。