ホンダF1新PUは15馬力向上か オランダGPで約0.2秒短縮の可能性

ホンダF1新PUは15馬力向上か オランダGPで約0.2秒短縮の可能性

アストンマーティンは、F1オランダGPでホンダの新スペック・パワーユニットを投入する。注目される性能向上について、AutoRacerは約15馬力になると報じた。当初期待されていた約30馬力の半分程度だという。

それでも15馬力の向上は小さくない。ホンダは2026年の新パワーユニット規則への対応でライバルに後れを取ってシーズンをスタートしており、今回のアップデートはその差を縮めるための最初の本格的な改良となる。

ただし、現時点ではトップ勢との差を一気に埋めるほどのステップにはならないとみられている。

ホンダは内燃エンジンを重点的に改良
今回のアップデートでホンダが重点を置いたのは、内燃エンジン(ICE)だ。燃焼を中心に改良を加え、効率向上とドライバビリティの改善を同時に追求してきた。

一方、バッテリーとMGU-Kについては大幅な変更はないとされる。

2026年世代のF1パワーユニットでは、単純な最高出力だけで競争力を判断することはできない。エネルギーマネジメントや回生効率、そして蓄えた電気エネルギーをどのように展開するかというデプロイメントの質が、ラップタイムに大きく影響するためだ。

そのため、アストンマーティンにとって重要なのは、約15馬力という出力向上を実際のラップタイムにどこまで結びつけられるかになる。

15馬力でザントフォールトでは約0.2秒の改善か
AutoRacerによる単純計算では、ザントフォールトで15馬力の向上は1周あたり約0.2秒に相当する可能性がある。

もちろん、実際の効果はエネルギーの使い方やマシンの空力効率、セットアップなどによって変化する。それでも、シーズン前半にパワーユニット面で苦戦したアストンマーティンにとっては無視できない改善幅となる。

また、今回の15馬力がホンダの最終到達点というわけではない。開発段階で確認された信頼性と性能が実戦でも裏付けられれば、当初計画していた約30馬力の向上を最終的に実現することを目指しているという。

つまり、オランダGPで投入される仕様は完成形ではなく、ホンダが進めている性能回復プロセスの重要な一段階という位置づけになる。

ホンダF1(ホンダ・レーシング) / アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

AMR26Bと新PUで巻き返しを狙うアストンマーティン
アストンマーティンはシャシー側でも改善を進めている。ハンガリーGPで投入されたAMR26Bでは、空力とシャシーの両面で一定の進歩が確認された。

そこに今回のホンダ製パワーユニットのアップデートが加わることで、シーズン前半に露呈した弱点に対する最初の大規模な修正サイクルがひと区切りを迎えることになる。

重要なのは、それぞれの改善が単独でどれだけの数字を生み出すかだけではない。AMR26Bの改善と新しいパワーユニットを組み合わせた状態で、アストンマーティンがトップグループとの差をどこまで縮められるかが焦点となる。

フェルナンド・アロンソの2027年にも影響
そして、このアップデートには2026年シーズンの競争力だけではない意味もある。

フェルナンド・アロンソは、まだ2027年の契約延長にサインしていない。45歳となったアロンソにとって、残されたF1キャリアの時間は重要な判断材料であり、アストンマーティンのプロジェクトが実際に勝利を争えるレベルへ到達できるのかを見極めようとしている。

アストンマーティンには最新のファクトリーや設備があり、多額の投資も続けられている。さらに技術面ではエイドリアン・ニューウェイがプロジェクトを率いる。しかし、アロンソを完全に納得させるためには、そうした環境だけでなく、サーキット上で具体的な成果を示す必要がある。

現時点ではアロンソとアストンマーティンの契約延長が最も可能性の高いシナリオとみられているものの、今後数戦で示される開発力はその判断にも影響を与えることになりそうだ。

F1オランダGPで投入されるホンダの新スペックは約15馬力の向上が見込まれる。当初期待されていた約30馬力には届かないものの、ザントフォールトでは理論上約0.2秒の改善につながる可能性がある。重要なのは、その数字を実際のラップタイムへ変換できるか、そして今後さらに当初目標の30馬力へ近づけられるかだ。アストンマーティンとホンダにとって、ザントフォールトは2026年だけでなく、その先の競争力を占う重要な一戦となる。