ラファエル・カマラ ハースF1テストでフォルナローリと平川亮を上回る

ラファエル・カマラ ハースF1テストでフォルナローリと平川亮を上回る

ラファエル・カマラが、2027年のF1昇格に向けた重要な一歩を踏み出した。

ポルトガルのアルガルヴェ・インターナショナル・サーキット(ポルティマオ)で行われたハースの非公開テストで、比較基準となったオリバー・ベアマンのタイムに最も近いパフォーマンスを示し、レオナルド・フォルナローリと平川亮を上回ったとブラジルのGE.globoが報じている。

2027年のF1シート候補を評価する今回のテストには、21歳のカマラ、同じく21歳のフォルナローリ、32歳の平川亮が参加。ハースは3人に類似したテストプログラムを与えて比較を行ったが、非公開セッションだったため、それぞれのラップタイムは公表されていない。

GE.globoが入手した情報によると、そのなかでレギュラードライバーのベアマンが記録した基準タイムに最も近づいたのがカマラだった。その結果、フォルナローリと平川亮を上回る評価につながったという。

具体的なタイムや差は明らかになっていないものの、2027年のレギュラーシート獲得を目指すカマラにとって重要な結果となった。

VF-25で3人を比較 カマラがベアマンの基準に最接近
今回ハースが使用したのは、2025年F1シーズンを戦ったVF-25だった。現行規則で認められている旧型車テスト、TPC(Testing of Previous Cars)の一環として実施され、3人は類似したプログラムをこなした。

カマラがハースのF1マシンをドライブするのは今回が初めてだった。しかし、F1マシンでの走行自体が初めてだったわけではない。

フェラーリ・ドライバー・アカデミーに所属するカマラは、これまでハンガロリンク、バルセロナ、ムジェロでフェラーリのF1マシンをドライブしている。

さらに今回のハースのテスト直前にもフェラーリがカマラの準備を支援した。8月26日(水)にはムジェロで2025年型SF-25を走らせ、その後ポルティマオへ移動してハースの評価に臨んだ。

GE.globoによると、カマラはそれまでに行ったフェラーリでのテストでも好印象を残しており、高い評価を得た状態で今回のハースのテストに参加した。

F2王者フォルナローリと経験豊富な平川亮も参加
フォルナローリは2025年のFIA F2チャンピオンで、現在はマクラーレンのリザーブドライバーを務めている。

フォルナローリは6月にスペインのヘレスでハースのTPCに参加しており、今回がチームで初めての走行ではなかった。また、数週間前には今回と同じポルティマオで2025年型マクラーレンもドライブしている。

一方、平川亮は3人のなかでは最も豊富な経験を持つ。ル・マン24時間レースでの優勝をキャリアに持ち、日本のスーパーフォーミュラでは2020年にランキング2位を獲得している。

F1でも複数のチームでリザーブドライバーを経験してきた。平川亮は昨年、ハースのリザーブドライバーとして契約。それ以前にはマクラーレンのドライバー・デベロップメント・プログラムに所属し、同チームのリザーブドライバーを務めたほか、アルピーヌでもリザーブを担当した。

つまりカマラにとって今回のテストは、F2タイトルを獲得し、すでにハースとマクラーレンのF1マシンを経験しているフォルナローリ、そしてル・マン24時間レース優勝を含む豊富な実績と複数のF1チームでのリザーブ経験を持つ平川亮との比較でもあった。

そうしたなか、GE.globoが入手した情報では、カマラが3人のうちベアマンの基準タイムに最も近いパフォーマンスを示した。

カマラとフォルナローリが2027年シートの有力候補
ただし、ハースのドライバー評価は今回で終了ではない。

元アルピーヌF1ドライバーのジャック・ドゥーハンも翌週、スペインのヘレスでVF-25をテストする予定となっている。

それでもGE.globoは、現時点で2027年のレギュラーシートを獲得する有力候補はカマラとフォルナローリの2人だとしている。

空く可能性があるとされているのは、現在エステバン・オコンが座っているシートだ。

GE.globoは以前から、オコンのパフォーマンスにハースが満足しておらず、現在のシートが近く空く可能性があると報じている。

ベアマンは引き続きチームの中心となる見込みであり、カマラがシートを獲得すれば、ハースはフェラーリ・ドライバー・アカデミー出身の若手2人を並べることになる。

ラファエル・カマラ

フェラーリとの契約交渉もカマラの追い風
カマラには、純粋なドライビングパフォーマンスとは別の強力な追い風もある。

カマラは2021年、まだカートで戦っていた時期にフェラーリ・ドライバー・アカデミーに加入した。一方、ハースはフェラーリと緊密な技術提携関係にあり、パワーユニットだけでなく、ギアボックスやリアサスペンションなど、FIAの技術規則で認められる範囲のコンポーネントをフェラーリから購入している。

両者の現在の供給契約は2027年末で満了する。

GE.globoによると、ハースはこの契約をより有利な条件で更新することを目指しており、フェラーリ側もカマラを2027年のレギュラードライバーとして起用することと関連して、前向きな姿勢を示しているという。

カマラとの契約が成立すれば、ハースはフェラーリから購入するコンポーネントについて、値引きを含む経済的な恩恵を得られる可能性がある。

フェラーリにとっても、自ら育成してきたカマラをF1に昇格させ、ベアマンと同様にハースで実戦経験を積ませられるメリットがある。フェラーリとハース双方の利害が一致する構図となっている。

ハースを逃した場合はフェラーリのリザーブへ
一方、カマラには2027年にハースのシートを獲得できなかった場合の「プランB」も用意されている。

GE.globoによると、ハースとの契約が実現しなかった場合、カマラは2027年シーズンにフェラーリのリザーブドライバーを務める見込みだという。

さらにカマラ自身は、2026年中にフェラーリからF1公式セッションのフリー走行に出走する予定であることも明らかにしている。

現在カマラはF2で145ポイントを獲得してランキング3位。首位のニコラ・ツォロフが167ポイント、2位のガブリエレ・ミニが147ポイントとなっており、残り5大会でタイトル争いを続けている。

F2での結果に加え、フェラーリでのF1テスト、そして今回のハースでの直接比較と、カマラのF1昇格に向けた評価材料は着実に積み上がっている。

特に今回、ラップタイムそのものは非公開ながら、F2王者のフォルナローリと、ル・マン24時間レース優勝や複数のF1チームでのリザーブ経験を持つ平川亮を上回り、ベアマンの基準タイムに最も近づいたというGE.globoの情報は大きい。フェラーリとの技術提携を巡る事情も含め、カマラは2027年のハースF1シート獲得に向けて有力な位置につけている。