投稿者: dbcheck

  • アルピーヌF1の株式24%を謎の米国人投資家が取得へ ホーナーの買収構想は後退

    アルピーヌF1の株式24%を謎の米国人投資家が取得へ ホーナーの買収構想は後退

    アルピーヌF1チームの株式24%を保有するOtro Capitalが、その持ち分をF1とは無関係の裕福な米国人投資家に売却する見通しだという。英国のF1ジャーナリスト、ジョー・サワードが『2 Guys, A Girl, and F1』ポッドキャストで明らかにした。

    アルピーヌへの関与を模索してきた元レッドブル・レーシング代表のクリスチャン・ホーナーにとって、この動きは復帰構想を難しくするものとなる。

    サワードによれば、ホーナーが求めているのは単なる少数株主ではなく、チーム経営に実質的な影響力を持つ立場であり、ルノーがチーム全体の売却を拒んでいることが最大の障壁になっている。

    Otro Capitalのアルピーヌ株24%が売却へ
    ルノーは2023年、アルピーヌF1チームの株式24%を投資グループのOtro Capitalなどに売却した。その後F1チームの企業価値が大幅に上昇したことで、Otro Capitalは保有株式を売却して利益を確定させることを検討してきたという。

    一方、2025年にレッドブルを離れたホーナーは、F1への復帰に向けた道を模索してきた。その選択肢のひとつとして浮上したのがアルピーヌへの出資だった。

    ホーナーは富豪を含む投資家グループから支援を受け、Otro Capitalが保有する24%の株式を取得することでアルピーヌへの関与を始める可能性が取り沙汰されてきた。

    しかし、サワードによると、これまでの契約にはOtro Capitalによる株式売却に対してルノーが拒否権を行使できる条項が存在していた。

    「これが何か大きな転換点になるのかは分からない」とサワードは語った。

    「彼らは多額の資金を調達して24%を手放した。ただ、24%を持っていても何かをコントロールできるわけではないので、実際にはそれほど意味のある持ち分ではなかった」

    「9カ月ほど前、Otro Capitalは『そろそろ現金化したい。F1チームの評価額は上がっている。投資額を2倍、3倍、4倍にしたい。24%を売却したい』となった」

    ルノーの拒否権が9月8日に失効
    重要な転機となったのが9月8日だったという。

    サワードによれば、ルノーにはOtro Capitalの株式売却を阻止できる契約上の権利があったものの、その条項が9月8日をもって失効した。

    「契約にはルノーが取引を拒否できる条項があった。それが9月8日に失効した。だから今週から彼らは売却できるようになった」

    これによってOtro Capitalは、ルノーの意向とは関係なく、自らが保有する株式を第三者へ売却できる状況になったという。

    ホーナーがここで動く可能性も考えられていたが、サワードによれば、実際の買い手として浮上しているのはホーナーではない。

    買い手は「F1とは何の関係もない」裕福な米国人
    サワードは、Otro Capitalの24%を取得する人物について、F1とのつながりを持たない裕福な米国人だと説明している。ただし、その人物の身元は現時点で明らかになっていない。

    「買い手がいる。F1とは何の関係もない裕福な米国人だ。ただ、僕はそれが誰なのか知らない。彼はOtro Capitalに大金を支払うことになる」

    「ルノーはそうなることを望んでいないが、この人物は気にしていない。彼は支配権を欲しがっているわけではなく、大金を稼ぎたいだけだ」

    さらにサワードは、その人物についてF1そのものへの関心はほとんどないと強調した。

    「興味はまったくない。F1マシンにひかれたとしても、それがF1マシンだとほとんど分からないくらいだ」

    つまり、この投資家にとってアルピーヌ株の取得はモータースポーツへの情熱によるものではなく、F1チームの企業価値上昇を見込んだ純粋な投資案件だという見方だ。

    クリスチャン・ホーナー(アルピーヌF1チーム)

    ホーナーが24%だけを買わない理由
    これがホーナーにとって大きな問題となる。

    サワードによれば、ホーナーはアルピーヌの株式を単純な金融投資として取得したいわけではない。F1に復帰するのであれば、チーム運営に関与できるだけの権限を求めているという。

    「だからクリスチャン・ホーナーが買い手にはならない。クリスチャン・ホーナーは、自分に何の支配権も与えられない24%を買いたいわけではない。それでは意味がない」

    「ルノーはチーム全体を売るつもりがない。現状はそういうことだ」

    ホーナーがOtro Capitalの株式取得を入口としてアルピーヌに関与したとしても、残る株式を握るルノーがチームそのものを手放さない限り、ホーナーが望む経営権を確保することはできない。

    したがって、Otro Capitalの持ち分だけを取得することは、チーム運営への復帰を目指すホーナーにとって魅力的な選択肢ではないという。

    新たな株主を近く発表か
    サワードは、Otro Capitalによる株式売却について、正式発表が近いとの見通しも示している。

    「近いうちに、Otroが去り、別の人物が入ってくるという発表があると完全に予想している。それが誰なのかは分からない。それが結論だ」

    この情報が正しければ、アルピーヌF1チームでは近く少数株主の交代が発表されることになる。ただし、24%の株式が新たな投資家へ渡っても、ルノーが引き続き過半数を保有するため、チームの支配権そのものが移るわけではない。

    ホーナーにとってアルピーヌへの道が完全に閉ざされたことを意味するわけではないものの、ルノーがチーム全体を売却しない姿勢を維持する限り、経営権を伴う形でのF1復帰を実現するには別の道を探す必要がありそうだ。

  • アストンマーティンF1の2028年PU変更構想 メルセデスとレッドブルは消極的

    アストンマーティンF1の2028年PU変更構想 メルセデスとレッドブルは消極的

    アストンマーティンが将来的なF1パワーユニット供給先の変更を検討するなか、メルセデスは同チームへの再供給に消極的な姿勢へと転じているという。ローレンス・ストロールはメルセデスとレッドブル・パワートレインズに接触したと報じられているが、いずれも前向きな反応を示していないとされる。

    アストンマーティンは2026年からホンダF1とワークス体制を構築したものの、新レギュレーション初年度は厳しい戦いが続いている。

    オランダGPで待望のアップデートが投入された後も、ホンダF1のパワーユニットによってラップあたり約1秒を失っているとの見方もあり、ストロールは2028年以降を視野に代替案を探っているという。

    メルセデスはアストンマーティンへの再供給に消極的
    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、2026年シーズン開幕戦オーストラリアGPを前に行われたチーム代表会見で、メルセデスとしてはアストンマーティンとのパートナーシップを2026年以降も継続する用意があったと説明していた。

    メルセデスは、アストンマーティンの前身であるフォース・インディア時代の2009年からパワーユニットを供給してきた。しかし、ローレンス・ストロールはカスタマーチームではなく事実上のワークスチームになる道を選択し、ホンダF1との提携に踏み切った。

    一方、アルピーヌは自社製パワーユニットによるワークス体制を終了し、メルセデスとのカスタマー契約を締結した。

    「アストンマーティンは長年にわたってメルセデスのカスタマーであり、パートナーでもあった。現在もロードカー部門にはエンジンやその他のコンポーネントを供給している。だから、アストンマーティンとの関係を終わらせるというのはメルセデス側の決定ではなかった」とヴォルフは語っている。

    「彼らはホンダ、そしてパートナーのアラムコとともにワークスチームになるという意識的な決断をしたのだと思う。だから我々は彼らを手放さなければならなかった」

    しかし、その後の状況は変化したようだ。

    イタリア版Motorsport.comのジャーナリスト、フランコ・ヌニェスによれば、現在のヴォルフはアストンマーティンとの新たなパートナーシップに積極的ではなく、レッドブル側も供給契約を結ぶ「意思」を示していないという。

    メルセデスは次のレギュレーションサイクルでカスタマーチームを2チームに限定したい意向とされており、ここからアストンマーティンを供給先に追加することは、その方針と一致しない。

    ストロールは2028年を視野に他メーカーへ接触
    ヌニェスは、ホンダF1側も現状を受けて大幅な改善が必要だと認識したと説明する。

    「私が把握しているところでは、ホンダはクオリティ面で大きな飛躍が必要だと認識した」

    「リスクとしてあったのは、ローレンス・ストロールが別のエンジンを探しに行く可能性だ。2027年ではない。すでにマシンの開発段階に入っており、すぐにエンジンを変更することは問題外だからだ。しかし、2028年を見据えた動きだ」

    「ストロールはあらゆるドアをノックしてみたが、他のメーカー側にはエンジンを供給しようという意思がそれほどなかった」

    仮にアストンマーティンがホンダF1との関係を終了し、新たな供給元を確保できなかった場合、レギュレーション上の仕組みによってパワーユニットメーカーが割り当てられる可能性もある。

    ヌニェスによれば、その場合には供給チーム数が最も少ないメーカーとしてアウディが候補になるという。ただし、アウディのパワーユニットについても現時点では競争力の面で大きく遅れているとの見方を示している。

    「レギュレーション上では、アストンマーティンにエンジンを供給する役割はアウディに回ることになる。供給しているチーム数が最も少ないメーカーだからだ。ただし、ドイツのエンジンもかなり遅れている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    メルセデスとレッドブルへの接触はホンダへの圧力だった可能性
    一方で、ストロールがメルセデスやレッドブル・パワートレインズと接触した背景には、実際のパワーユニット変更だけでなく、ホンダF1にプレッシャーをかける狙いがあったとの見方も出ている。

    その動きが一定の効果をもたらした可能性もある。ホンダF1では最近、F1プロジェクトの責任者を務めてきた角田哲史氏が退任し、副責任者だった深尾洋一郎氏が10月から後任を務めることが発表された。

    ヌニェスは、シーズン終了を待たずに行われる今回の人事変更は、ホンダF1のさくら拠点における組織文化にも変化をもたらす可能性があると指摘する。

    「これは非常に重要なニュースだと思う」

    「通常、彼らがシステムや組織構造を変更するのはシーズン終了後だ。チャンピオンシップがまだ続いている段階で責任者を交代させたという事実は、明確な戦略変更を示している」

    さらに、前任者のマネジメントスタイルにも言及した。

    「前任の責任者は、あらゆることを完全にコントロールしたい人物だったと言われていたことも覚えておくべきだ。副責任者を昇格させることで、組織内部のエネルギーを解放し、新たなアイデアの波を生み出すことができるかもしれない。それはホンダにとってプラスになる可能性がある」

    アストンマーティンとホンダF1の契約は、2026年から始まったばかりだ。フェルナンド・アロンソもホンダF1の施設、人材、プロジェクトへの投資を挙げて「100%」信頼していると強調している。一方で、現在のパフォーマンス不足が長期化することへの懸念から、ストロールが2028年以降に向けた選択肢を探っているとの報道は続いている。

    かつてアストンマーティンとの関係継続に前向きだったメルセデスも、現在はカスタマー数を絞る方針から再提携に消極的とされ、レッドブル・パワートレインズも供給に前向きではないという。ホンダF1が組織変更と今後の開発によって性能差をどこまで縮められるかは、アストンマーティンの長期的なF1計画を左右する重要な要素になりそうだ。

  • シャルル・ルクレールの家族同伴にクルサードが苦言「F1はピクニックではない」

    シャルル・ルクレールの家族同伴にクルサードが苦言「F1はピクニックではない」

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードが、フェラーリのシャルル・ルクレールについて、グランプリ週末への向き合い方に疑問を投げかけた。

    クルサードが問題視したのは、ルクレールの妻アレクサンドラ・サン・ムルーと愛犬レオが今季、複数のF1グランプリでパドックを訪れていることだ。家族との時間を大切にするルクレールに対し、クルサードはレース週末は「ピクニックではない」と語り、より競技へ集中すべきだとの考えを示した。

    クルサード「グランプリは真剣勝負で危険な仕事」
    パートナーや家族をパドックに連れてくること自体は、現在のF1では珍しいことではない。ジョージ・ラッセル、オスカー・ピアストリ、カルロス・サインツJr.らもパートナーがレースを訪れることがあり、アンドレア・キミ・アントネッリやマックス・フェルスタッペンも父親が同行することが多い。

    また、ルクレールの親しい友人であるピエール・ガスリーも、時折愛犬をパドックに連れてきている。

    しかし、クルサードは『Up to Speed』ポッドキャストで、ルクレールについてドライビングへの集中をさらに高め、「ポスターボーイ」としての側面から距離を置くべきではないかとの考えを語った。

    ルクレールは2026年2月にアレクサンドラ・サン・ムルーと結婚し、現在は第1子の誕生を控えている。

    「シャルル・ルクレールはフェラーリに何年も在籍していて、とてつもなく速い。レーシングドライバーのポスターボーイのような存在だ」とクルサードは語った。

    「ルックスもいいし、家庭を持って、もうすぐ子どもが生まれる。犬もパドックにいる……。僕の意見では、率直に言って、それは少しやりすぎだと思う」

    「週末に出かけてピクニックをしているわけじゃないだろう?」

    「これはグランプリだ。真剣勝負の世界だし、危険な仕事でもある。ただ、これは僕が古い世代だからそう考えるだけなのかもしれないけどね」

    ルクレールとハミルトンの成績にも言及
    クルサードは以前にも、28歳で理論上キャリアのピークにいるルクレールが、41歳のチームメイトであるルイス・ハミルトンにポイントで後れを取るべきではないとの見方を示している。

    今季のルクレールは1勝を挙げ、4度の表彰台を獲得している一方、バルセロナ、モナコ、イタリアでは目立ったミスもあった。現在ドライバーズランキング5位で、ハミルトンとは24ポイント差となっている。

    一方、直接対決を見ると、予選では両者7勝7敗。2人とも完走したレースに限れば、決勝でも5勝5敗と互角だ。ただし、ルクレールがチーム内対決で優位に立っていた前年と比較すると、その構図には大きな変化が生じている。

    ルクレールのF1出走数は現在185戦で、2027年には200戦の節目に到達する見込みだ。これまでの通算勝利数は9勝。もっとも、ルクレールがフェラーリで組んできたセバスチャン・ベッテル、カルロス・サインツJr.、ハミルトンの3人を合わせても、同期間の勝利数は6勝にとどまっている。

    家族や愛犬の存在が実際にルクレールのパフォーマンスへ影響していることを示す根拠はないが、クルサードはF1グランプリを「真剣勝負で危険な仕事」と捉える自身の世代的な価値観から、レース週末では競技への集中をより優先すべきだとの考えを示した。

  • F1アゼルバイジャンGPに新サーキット構想 カスピ海の人工島に建設へ

    F1アゼルバイジャンGPに新サーキット構想 カスピ海の人工島に建設へ

    F1アゼルバイジャンGPが、将来的に現在のバクー市街地からカスピ海に建設される人工島へと舞台を移す可能性が浮上した。

    大規模リゾート開発「Sea Breeze」の一環として、炎の形をした人工島「Fire Island」を建設する計画が進められており、その中にはF1アゼルバイジャンGPの開催を想定したサーキットも明確に盛り込まれている。

    268ヘクタールの人工島「Fire Island」
    Fire Islandは、カスピ海沿岸で進められているSea Breeze Resortの大規模開発プロジェクトの一部で、総面積は268ヘクタールに及ぶ。

    Sea Breezeは、この人工島プロジェクトを実現するため、中国の大手インフラ企業CSCEC Infrastructureと協力協定を締結したことを発表している。

    ただし、Fire Islandそのものの計画が初めて公表されたのは2025年にさかのぼる。アゼルバイジャンの実業家エミン・アガラロフは、「ロシア-イスラム世界:カザンフォーラム2025」で、ロシアのマラト・フスヌリン副首相とともに計画を紹介していた。

    アガラロフによれば、このプロジェクトはアゼルバイジャン大統領の支持も得ているという。

    炎の形をしたFire Islandは、Sea Breezeで開発される2番目の人工島となる。すでに最初の人工島として、三日月形の島の建設が進められている。

    F1アゼルバイジャンGP用サーキットを明記
    注目されるのは、Fire Islandの計画にF1用サーキットが明確に含まれていることだ。

    CSCEC Infrastructureとの協力協定に関する発表では、「F1アゼルバイジャンGPのためのサーキットも島内に計画されている」と明記されている。

    ただし、現時点ではサーキットの建設スケジュールは発表されていない。ましてや、現在バクー中心部で使用されている市街地サーキットからアゼルバイジャンGPを移転する時期についても何も決まっていない。

    バクー市街地開催の交通問題を解消
    新サーキット構想は、単に壮大な新施設を造るという目的だけではない。

    アガラロフによれば、アゼルバイジャンGPを人工島へ移転する場合、その狙いのひとつはバクー市街地でF1を開催することによって生じる問題を軽減することにある。

    現在のバクー市街地サーキットでは、グランプリ開催のたびに大規模な道路封鎖が必要となり、首都の交通にさまざまな制限が生じる。

    アガラロフは、サーキットを人工島へ移すことで、毎年のアゼルバイジャンGP開催時に発生している交通渋滞や市民生活への影響を緩和できると説明している。

    アゼルバイジャングランプリ

    バクーの象徴的な市街地コースから移転の可能性
    アゼルバイジャンGPは2016年にバクーの市街地でF1初開催を迎えて以来、カレンダーを代表する市街地レースのひとつとして定着してきた。

    現在のコースは、カスピ海沿いを走る非常に長い全開区間や、旧市街の城壁付近を抜ける極端に狭いセクションなど、バクーならではの景観を特徴としている。

    そのため、Fire Islandへの移転が実現すれば、アゼルバイジャンGPの性格は大きく変わることになる。

    もっとも、人工島に建設されるサーキットがどのようなものになるのかは、まだまったく明らかになっていない。レイアウト、全長、コース特性だけでなく、建設開始時期についても具体的な情報は示されていない。

    それでも、Fire Islandの開発計画にはF1が明確に組み込まれており、すでにサーキット設計を手掛ける建築家らにもプロジェクトへの提案を求めるための接触が行われているという。

    実現までには多くの段階が残されているものの、Fire Island計画が進展すれば、長年バクー市街地を舞台としてきたF1アゼルバイジャンGPが、カスピ海に浮かぶ人工島の専用サーキットへと移る可能性が出てくる。

  • フェルナンド・アロンソの新たな愛車 クローム仕様のブガッティ・ヴェイロンが納車

    フェルナンド・アロンソの新たな愛車 クローム仕様のブガッティ・ヴェイロンが納車

    フェルナンド・アロンソが、新たな愛車としてブガッティ・ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセを手に入れた。モナコで納車された一台は、塗装ではなく磨き上げられたアルミニウムのボディを持つ、世界に1台の特別仕様だという。

    2026年F1シーズンをアストンマーティンで戦うアロンソだが、サーキットを離れれば世界屈指の希少なスーパーカーを所有するコレクターとしても知られる。今回、そのガレージに極めて希少なヴェイロンが加わった。

    世界に1台のヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセ
    今回アロンソが受け取ったのは、ブガッティ・ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセ(シャシー8100)。ワンオフで製作された世界に1台の車両とされている。

    最大の特徴は、鏡のような輝きを放つボディだ。一見するとクローム仕上げに見えるが、実際にはボディワークが塗装されているわけではないという。

    ほぼすべてのボディパネルは、アルミニウムの無垢材から削り出して製作され、その表面を磨き上げることで独特の輝きを生み出している。さらに、製作には溶接を使用していないとされる。

    その希少性もあって、このヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセの価値は500万~650万ドル(約7億5000万~9億7500万円)と評価されている。

    その姿はモナコで撮影され、写真や動画がSNSで拡散。F1ファンだけでなく、スーパーカーファンからも大きな注目を集めている。


    希少車が並ぶアロンソのコレクション
    ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセは、8.0リッターW16クワッドターボエンジンを搭載するヴェイロンの高性能オープントップモデルだ。

    アロンソは以前から希少なロードカーを数多く所有している。コレクションにはメルセデス・ベンツ CLK GTR、アストンマーティン・ヴァリアント、パガーニ・ゾンダなどが含まれており、今回のワンオフ仕様のヴェイロンも、その豪華なラインアップに加わることになった。

    とりわけCLK GTRやゾンダ、ヴェイロンはいずれもコレクター市場で高い評価を受けるモデルであり、アロンソのガレージには自動車史に名を残す希少車が並んでいる。

    SNSでは、アロンソが希少なハイパーカーを次々と集めていることについて、「ポケモンカードのように集めている」といったファンの反応も見られた。

    2026年のF1ではアストンマーティンとともに厳しい戦いを続けているアロンソだが、モナコでのプライベートでは、世界に1台とされる磨き上げられたアルミニウムボディのブガッティ・ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセという、特別な一台を新たな愛車として迎え入れた。

  • ルイス・ハミルトン F1各チームの驚異的な収束に感嘆「本当に驚異的」

    ルイス・ハミルトン F1各チームの驚異的な収束に感嘆「本当に驚異的」

    ルイス・ハミルトンは、F1各チームがまったく異なるアプローチを採用しながら、最終的にはラップタイムで極めて僅差に収束していくことに、今でも驚かされることがあると語った。

    フェラーリのドライバーであるハミルトンは、複数世代のF1マシンを経験し、3つの異なるチームでキャリアを築いてきた。2026年に導入された新レギュレーションの序盤戦は、異なるエンジニアリングの道筋がほぼ同じ結果へとたどり着くというF1の特徴を、これまで以上に鮮明に示している。

    異なる設計思想でも予選ではわずか0.5秒差
    F1イタリアGPの予選では、その差は驚くほど小さかった。Q3ではトップ10がわずか0.500秒以内に収まり、ポールポジションから10番手までのタイム差として新記録を樹立した。

    それまでの記録は2025年F1ハンガリーGPで、シャルル・ルクレールと10番手のドライバーとの間についた0.543秒だった。

    もちろん、各マシンの長所と短所が強く表れるサーキットでは、週末ごとに勢力図が大きく変化することもある。トップチームと中団チームの差が大きく広がるケースも珍しくない。

    しかし、各チームのパフォーマンスが接近したとき、ハミルトンにとって興味深いのはレースそのものだけではない。その背景にあるエンジニアリングの違いにも強く惹かれている。

    「本当に驚異的だ」
    ハミルトンは、異なる組織で働いてきた経験によって、同じ課題に対してF1チームがどれほど異なる方法で取り組んでいるのかを理解できるようになったと語る。

    「経験を積んで2つの異なるチームを知っているドライバーが新しく加わることのポジティブな部分、チャンスになる部分はそこだと思う。内部にいると、物事に近すぎて全体像が見えにくくなることがある」

    ハミルトンはRacingNews365を含むメディアにそう語った。

    「誰かが外から入ってくると、新しいエンジニアが別の場所から来た場合でも、すぐに『僕たちはこれを違う方法でやっていた』と言うことがある。それが必ずしもより良い方法というわけではないけど、単純に違うアプローチが存在するということなんだ」

    「考えてみれば、本当に驚異的だよ。すべてのチームが同じレギュレーションの下で戦っている」

    「それなのに、同じようなところへ到達するために、すべてを違う方法でやっている。そしてコース上ではマシン同士が0.1秒以内にいる」

    「本当に驚異的だ。それこそが、このスポーツを素晴らしいものにしていると思う」

    ハミルトンが魅力を感じているのは、まさにこの点だ。F1チームは同一の技術レギュレーションに従ってマシンを設計する一方、その解釈は大きく異なる。

    サスペンションのコンセプト、空力思想、エネルギーの使い方、タイヤマネジメント、そして外部からは見えない無数の細部まで、各チームのエンジニアは異なる開発ルートを選択できる。

    それでも、何カ月にも及ぶ設計、シミュレーション、製造を経て完成したマシンが、予選アタックで同じコーナーを走れば、ラップタイム上ではほとんど差がないこともある。

    ドライバーにとっては、そのわずかな違いが成功と失敗を分けることになる。

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「チームに“I”はない」
    ハミルトンはまた、フェラーリでわずかなパフォーマンス向上を見つけ出す仕事は、ひとりのドライバーだけの貢献で成し遂げられるものではないと強調した。

    自分の役割はチームをひとりで変革することではなく、大規模な技術組織と協力しながら進むべき方向を示していくことだという。

    「“team”という言葉に“I”はない。チームは巨大な船のようなものだと思う。ドライバーの仕事は、その中心にいる人たちと一緒に働きながら、正しい方向へ進めるように舵を取ることだ」

    長年にわたってメルセデスのシステムの中で戦った後、マラネロのフェラーリへ移籍したハミルトンには、ひとつの技術文化の中だけでキャリアを過ごしてきた人々には見えにくくなっている違いを見つけられる可能性がある。

    一方で、ハミルトンの指摘はF1そのものの特徴も浮き彫りにしている。莫大な資金が投じられ、極めて複雑な技術が用いられ、各チームが機密情報を厳重に守っていても、最終的にはストップウォッチによって評価される。

    異なる設計思想と開発手法を採用しながら、最終的に問われるのは「誰が最も速くコーナーを抜けたのか」というシンプルな結果だ。

    そして、その答えがわずか100分の数秒で分かれるほど各チームの性能が収束することこそ、ハミルトンがF1を特別だと感じる理由のひとつとなっている。

  • アウディF1 外部投資家の受け入れに前向きも「チームの支配権は維持する」

    アウディF1 外部投資家の受け入れに前向きも「チームの支配権は維持する」

    アウディは、F1プロジェクトへの外部投資家からの関心が高まるなか、さらなる資本受け入れに門戸を開いている。ただし、チームの主導権を手放す考えはない。

    フォルクスワーゲン・グループ全体でコスト削減が進められるなか、アウディのF1参戦計画の財務面にも関心が集まっている。しかし、アウディCEOのゲルノート・デルナーはF1スペインGPが行われたマドリンクで、プロジェクトには十分な資金基盤があり、計画を変更する理由はないと強調した。

    アウディF1は2030年までに損益分岐点へ
    アウディは2026年からワークスチームとしてF1に参戦している。フォルクスワーゲン・グループが幅広いコスト削減策を進めていることから、F1プログラムへの影響も注目されている。

    デルナーは、F1参戦に向けた財務計画は十分な準備を経て構築されたものだと説明した。

    「我々はF1参戦に向けて非常に綿密な準備を行い、強固な資金基盤とパートナーを備えたプロジェクトを構築した」

    さらに、現在のビジネスプランは予定通り進んでいるとして、方針転換の必要性を否定した。

    「我々のビジネスプランでは、2030年までに損益分岐点に到達する。我々は計画を堅持しており、何かを変更する理由はない」

    新たな投資家に門戸も「チームの支配権は維持する」
    アウディF1にはすでに大規模な外部資本が入っている。カタールの政府系ファンドは、アウディがワークスチームとして正式参戦する以前に、チームの約3分の1とされる少数株式を取得した。

    そして現在、ほかの投資家からも関心が寄せられているという。デルナーは追加の資本受け入れを否定しなかった一方、アウディがチームの支配権を維持することは明確にした。

    「ほかの潜在的なパートナーからも多くの関心が寄せられている。しかし、我々は常にチームの支配権を維持する」

    その理由について、デルナーはF1特有の意思決定の速さを挙げた。

    「F1チームを民主的なマネジメントスタイルで運営することはできるかもしれない。しかし、それでは決して十分な速さで動けない」

    「パートナーには我々を信頼してもらい、レーシングチームの運営そのものは我々に任せてもらう必要がある」

    アウディ F1

    V8エンジン復活でもアウディF1参戦に影響なし
    アウディは市販車事業で電動化を重要な柱に据えている。一方、F1では2030~2031年以降の将来的なパワーユニット規則をめぐり、V8エンジンを軸とする方向性も議論されている。

    こうした動きがアウディの電動化戦略と矛盾する可能性について問われたデルナーは、その見方を否定した。

    「いや、そこまでの問題だとは考えていない」

    ただし、アウディにとって譲れない条件がひとつある。それが持続可能燃料の継続使用だ。

    「燃料は引き続き持続可能なものでなければならない。それは我々にとって重要だ。そこは我々にとってレッドラインになる。ただし、それ自体は議論の対象にはなっていない」

    つまり、将来的にF1がV8エンジンへ移行したとしても、持続可能燃料という基本原則が維持される限り、それだけでアウディの参戦方針が揺らぐことはないという立場だ。

    ヒュルケンベルグとボルトレトのコンビを高く評価
    スポーツ面では、デルナーはニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトのドライバーラインアップにも満足している。

    特にヒュルケンベルグについては、そのパフォーマンスや中期的な将来をめぐる憶測もあるが、デルナーは明確な支持を示した。

    「我々はヒュルケンベルグとボルトレトの両方に非常に満足している。2人ともアウディF1チームのために同じ方向を向いて取り組んでいる」

    また、ドイツメーカーであるアウディにとって、ヒュルケンベルグがドイツ人であることにも一定の意味があると認めた。

    「ニコがドイツ人であることは、アウディ社内において特別な価値を持っている」

    ただし、国籍がドライバー選考を左右するわけではないと付け加えた。

    「もちろん、それによってパフォーマンスがチーム編成を決める基準であるという原則が変わることはない。それでも、我々は2人をチーム全体を引き上げてくれる素晴らしいコンビだと考えている」

    ドイツGP復活を希望もアウディによる資金援助は否定
    アウディは、F1カレンダーへのドイツGP復活についても前向きな姿勢を示している。ただし、レース開催のためにメーカー自身が資金を拠出する計画はない。

    「我々が財政的に参加する計画はない」

    「自動車メーカーとして我々にできるのは、チームを参戦させることで貢献することだ。しかし、そのようなイベントを実現するためには、ほかの関係者が動き、構築していかなければならない」

    フォルクスワーゲン・グループを取り巻くコスト削減圧力が続くなかでも、アウディはF1プロジェクトを長期的な事業として位置づけている。外部資本のさらなる受け入れには柔軟な姿勢を示す一方、チーム運営の主導権、持続可能燃料、そしてパフォーマンスを軸とするドライバー選考という基本方針については明確な一線を引いている。

  • リアム・ローソン フェルスタッペンの「感覚が鈍い」2026年F1マシン論に異論

    リアム・ローソン フェルスタッペンの「感覚が鈍い」2026年F1マシン論に異論

    リアム・ローソンは、2026年F1マシンについてマックス・フェルスタッペンが「ドライバーの入力に対して感覚が鈍い」と評したことについて、その主張の一部には理解を示しながらも、完全には同意できないとの考えを示した。

    夏休み中に手首を負傷したアイザック・ハジャーが回復を続けるなか、ローソンはF1オランダGPから一時的にレッドブル・レーシングへ昇格。一方、ローソンが離れたレーシングブルズには角田裕毅が入っている。

    ローソンと角田裕毅が短期間で2026年型F1マシンに適応
    ローソンはレッドブルで出場した3戦で7位、14位、6位という結果を残した。一方、角田裕毅は新世代マシンでのわずか2戦目となったF1イタリアGPでポイントを獲得している。

    2026年のF1マシンは、新しいパワーユニットの設計に伴い、高度なエネルギーマネジメントが求められる。

    こうした状況を踏まえ、レッドブルのフェルスタッペンは、現在のマシンについて「ドライバーの入力に対して感覚が鈍い」と表現。ローソンと角田裕毅がすぐに競争力を発揮できた背景には、2026年型マシンが以前よりドライブしやすくなっていることも関係しているとの見方を示していた。

    フェルスタッペンは、ドライバーがマシンによって「締め付けられている」ような状態にあり、本来の能力を発揮するうえで「抑え込まれている」とも語っている。

    ただしフェルスタッペン自身も「それでも良いラップをまとめ、攻めなければならない」と認めている。

    この見解について尋ねられたローソンは、フェルスタッペンが何を意味しているのかは理解できるとしながらも、必ずしも全面的には同意しなかった。

    「分からないね。一般的に言えば、マシンが単純になったわけではない。実際、どうドライブしなければならないか、エネルギーをどう扱うかという部分ではかなり複雑になっている」とローソンはRacingNews365を含むメディアに語った。

    「エネルギーの扱い方という意味では、僕たち自身でコントロールできることが少なくなっている部分もあるので、言っていることは理解できる」

    「でも同時に、実際にこうしたマシンに途中から乗ったのは僕と裕毅だけなんだ」

    「新しいマシンに乗って、そこからペースを上げていくことがどういうものなのかを知っているのは僕たちだけだ。だから、間違いなく単純なことではない」

    ローソンは、2026年はチーム間のパフォーマンス差が以前より広がっていることが、途中からマシンに乗ったドライバーが短期間で結果を残しやすく見える一因かもしれないと説明する。

    「確かに、ペースを上げるという点ではそう言えるかもしれない。今年はチーム間のギャップが少し大きくなっている。最近はそこまで大きな差はなく、かなり接近していたからね」

    「だから、そういう見方をすれば『分かった。ペースを上げるのは少し簡単になっているのかもしれない』と言うことはできる」

    「でも、僕が自分の(レーシングブルズの)マシンで、この1年半の間に慣れてきたものや、気に入っているものはたくさんある。それをこういうマシンに乗って、そのまま適用できるわけではないんだ」

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)

    レッドブルとレーシングブルズの違いに苦戦
    ローソンはさらに、自身が普段ドライブするレーシングブルズでは当たり前になっていた細かな部分が、現在乗っているレッドブルのコックピットには存在しないと説明した。

    それは単純なマシン性能だけではなく、ドライバーが長い時間をかけて築いてきた好みや操作感にも関係しているという。

    「ここ数戦では、僕にとってあまり快適ではない部分があって、そこを何とかドライビングで補おうとしてきた」

    「そういうものは、紙の上で見ればすぐに分かるような単純なことではない」

    「本当にドライバー個人の問題なんだ。誰にでも、自分のマシンのなかで快適だと感じるものがあるからね」

    「だから、どのマシンも飛び乗ってドライブすること自体はできるし、ある程度のペースまで持っていくのは比較的簡単なのかもしれない」

    「でも、この数週間、僕が理解しようとしてきたのはそういう部分なんだ。僕のマシンとは違うところだからね」

    ローソンは、2026年型F1マシンではエネルギーマネジメントなどドライバーが直接コントロールできない領域が増えたというフェルスタッペンの指摘には一定の理解を示した。一方で、レーシングブルズからレッドブルへ実際に乗り換えた経験から、異なるマシンへ短期間で適応する作業そのものが簡単になったわけではないと強調した。

  • ラッセルとピアストリが2026年F1マシンで苦戦 ドライビングスタイルに異変

    ラッセルとピアストリが2026年F1マシンで苦戦 ドライビングスタイルに異変

    2026年F1では、ジョージ・ラッセルやオスカー・ピアストリ、シャルル・ルクレールといったドライバーがチームメイトとの比較で苦戦する一方、キミ・アントネッリ、ルイス・ハミルトン、ランド・ノリスが高いパフォーマンスを発揮している。

    ラッセルは、その背景に2026年型マシンとタイヤが要求する特性と、自身の自然なドライビングスタイルとのミスマッチがあると考えている。

    しかし、それだけですべてを説明できるわけではない。各ドライバーの走らせ方を詳しく見ていくと、2026年F1で重要になっているのは特定のスタイルそのものよりも、新世代マシンへの適応力であることが見えてくる。

    マドリンクで浮き彫りになったラッセルの弱点
    F1スペインGPのマドリンクで行われた予選Q3最後のアタック。最初の2セクターを終えた時点で、ラッセルはメルセデスのチームメイトであるアントネッリから0.1秒以内につけていた。

    しかし、ラップを終えるまでにさらに0.2秒を失った。最初の2セクターでは平均して各セクター0.05秒程度の遅れだったものが、最終セクターだけでその約4倍を失ったことになる。

    原因はリアタイヤだった。ラッセルはそれまでの区間でリアタイヤを使いすぎ、連続する90度コーナーが特徴のセクター3に入った時点で温度が上がりすぎていた。

    それは週末全体を象徴するような出来事だった。決勝でラッセルは5位に終わり、異なる戦略だったとはいえ、優勝したアントネッリから約30秒遅れてフィニッシュした。

    タイトルを争えるだけのマシンを手にしたタイミングで、ラッセルにとって2026年はF1参戦8年目で最も苦しいシーズンのひとつとなっている。

    ラッセル自身は、その原因を自分本来のドライビングスタイルと2026年世代のマシン、そしてタイヤが要求するものとのミスマッチにあると考えている。

    「昨年のオスカー(ピアストリ)とランド(ノリス)の競争力、シャルル(ルクレール)とルイス(ハミルトン)の比較、さらには以前の時代にマックス(フェルスタッペン)がすべてのチームメイトを圧倒していたことを考えると、奇妙なシーズンになっている」

    「今年は僕自身、シャルル、オスカーがチームメイトと比較してかなり苦戦している。一方でマックスのチームメイトは、過去6年間の誰よりも大幅に彼との差を縮めている。そして、僕たちはかなり似たドライビングスタイルを持っていると思う」

    「今年とても好調なキミ、ルイス、ランドもかなり似たドライビングスタイルを持っている。だから僕にとっては、このマシン、このタイヤでは傾向がかなり明確だと思う」

    ラッセルとピアストリに共通する走らせ方
    少なくともラッセルとピアストリの苦戦については、2026年型マシンとタイヤとの間に因果関係がある可能性は高い。

    2人はともに、いわば幾何学的な理想ラインを追求する傾向がある。ターンインを遅らせ、ステアリングを最初に比較的大きく切り込み、荷重移動よりもステアリング操作によってマシンを旋回させる。

    また、ブレーキングとコーナリングを重ねる領域も非常に少ない。

    この方法は、グリップの高いサーキットで、大きなダウンフォースを持つマシンなら極めて効果的だ。しかし、グリップが低下すると同じようには機能しない。

    2026年型F1マシンではダウンフォースとタイヤグリップが低下したことで、このテクニックが問題になり始めるサーキットグリップの境界が以前より高くなった。

    つまり、これまでなら問題なく使えたサーキットでも、2026年型ではこの走らせ方が適さないケースが増えている。

    さらに、その不利を拡大しているのがエネルギーマネジメントだ。

    コーナー進入時に維持できる勢いが少なくなればなるほど、バッテリーによるパワー補完が増える。その結果、ストレートで電力を使える時間が短くなる。ラッセルとピアストリは、ともにこの問題に苦しむ場面があった。

    フェルスタッペンはラッセルとは異なる
    ただし、ラッセルが示した比較は、マックス・フェルスタッペンとルクレールにまで広げると成立しなくなる。

    2人はそれぞれ独自のドライビングスタイルを持っており、互いにも、ラッセルやピアストリとも異なっている。

    フェルスタッペンは、おそらく現在のF1グリッドで最も幅広いスキルを持つドライバーだ。ただし、彼が好むのは非常に強力なフロントエンドを持つマシンである。

    それによって、ステアリングを大きく切らなくてもマシンを旋回させることができる。

    フェルスタッペンはマシンの回転やヨーに対する非常に優れた感覚を持っており、ステアリング、ブレーキ、スロットルを調整することで、通常ならフロントの鋭いマシンに伴うコーナー出口でのオーバーステアを抑え込むことができる。

    現在のレッドブルRB22のように、低速および中速コーナーの進入でアンダーステアを示すマシンでは、その能力によって他のドライバーとの差を生み出せる余地が小さくなる。

    他チームのマシンを見る限り、2026年レギュレーション下でも鋭いフロントエンドを持つマシンを作ることは可能だ。単純にレッドブルがそれを実現できていないということだ。

    ルクレールの武器も2026年では効果が薄れる
    ルクレールは伝統的に、ブレーキ、スロットル、ステアリングを積極的に組み合わせることでマシンを旋回させてきた。

    それぞれの操作を重ねる領域が大きく、マシンのバランスを積極的に変化させながら向きを変えていく。

    このスタイルは短いコーナーでは絶大な威力を発揮する。素早くマシンを旋回させるメリットが、コーナー後半で発生するデメリットを上回るからだ。

    モナコ、バクー、レッドブル・リンクでは、ルクレールはF1でも屈指の速さを持つ。

    一方で、上海やハンガロリンクのように長いコーナーが多いサーキットでは難しさが出ることがある。コーナー進入時に本来以上にマシンを旋回させた代償を、コーナー後半で支払うことになるためだ。

    さらに2026年レギュレーションではエネルギーマネジメントが重要になったことで、これまでルクレールが使ってきた一部のテクニックは、以前ほど効果的ではなくなっている。

    それでも、ルクレールが非常に速いドライバーであることに変わりはない。

    ハミルトンが2026年型F1に適応
    アントネッリ、ノリス、ハミルトンも、それぞれ明確に異なるスタイルを持っている。そして3人に共通しているのが高い適応力だ。

    特に、グラウンドエフェクト時代に苦戦したハミルトンが、2026年世代のF1マシンが要求する走らせ方に適応したことは、今季のドライバー面における大きなトピックのひとつとなっている。

    一般化すれば、ハミルトンはコーナー進入時にルクレールよりもマシンをフラットで安定した状態に保つ。

    そのため、コーナーの種類によって両者の優劣が変わる。

    ハミルトンは必要であれば依然として非常に遅いブレーキングを行える一方、それをフロントタイヤに過度な負担をかけない滑らかな操作と組み合わせている。

    そしてフェラーリのダウンフォースバランスが、そのスタイルを非常にうまく機能させている。

    アントネッリはエネルギー回生まで走り方に組み込む
    アントネッリとノリスは、2026年型マシン特有の性質を理解するため、エンジニアリングチームと非常に多くの作業を行ってきたことがうかがえる。

    2人はエネルギーマネジメントに特化した要素をドライビングに取り入れている。

    例えば、アントネッリのスロットル操作は非常に特徴的だ。中途半端なスロットル開度でエネルギーを無駄にするのではなく、ブレーキング時のエネルギー回生を最大化することを意識した操作になっているように見える。

    操作そのものも非常に滑らかだ。

    コーナー進入時のグリップを高い精度と自信を持って判断しているため、コーナリング中に修正操作を行う必要がほとんどない。

    ここがラッセルとの最も分かりやすい違いのひとつだ。

    アントネッリはフロントタイヤのグリップをより正確に感じ取れているように見える。ただし、グリップが高ければ、ラッセルのような遅いターンインと大きなステアリング操作を使うことにも抵抗はない。

    単純に、それが最適ではない状況をより正確に把握できているようだ。

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ノリスが強調するのは「スタイル」ではなく適応力
    ノリスは以前から、徐々にフロントタイヤへ荷重をかけていく非常に滑らかな走らせ方を特徴としてきた。

    利用できるグリップ量に応じて、必要なラインを選ぶこともできる。

    フェルスタッペンと同様、このスタイルもマシンが強いアンダーステアを持つ場合には機能しにくくなる。

    しかし、ノリスは徐々にフロントへ荷重をかけることで、場合によっては通常より早い位置から浅い角度でターンインすることができる。

    ハンガロリンクのFP1でグリップが非常に低かった際、最終コーナーで見せた走りがその好例だった。

    この方法なら、フロントタイヤが最終的にグリップした瞬間にもステアリング舵角がそれほど大きくないため、コーナー出口で突然マシンがスナップするリスクも小さくなる。

    ただし、ノリス自身は自分の特定のドライビングスタイルが2026年型マシンに適しているとは考えていない。

    「僕のドライビングスタイルがこのマシンに合っているとは、あまり言わないかな」

    「僕のドライビングがうまくいっているのは、よりうまく適応できているからだと思う。ひとつのスタイルだけが機能しているとは思わないし、僕はキミと同じ走り方をしているわけでもない」

    「僕が持っているマシンを走らせることができているのは、適応力があるからだ。異なるドライビングスタイルに適応できることが僕の強みだと思う」

    「昨年の序盤は、マシンがオスカーに少し合っていた。僕の強みは、そこからよりうまく適応して、最終的にどう走らせればいいのか理解できたことだった。だからシーズン後半は僕の方が良くなった」

    「今年について? このマシンは昨年とはまったく違う走らせ方をする。1%すら同じところがないと感じるくらいだ。だから重要なのは適応することだ」

    2026年F1で問われるドライバーの適応力
    2026年F1で起きているドライバー間の勢力変化を、単純にひとつのドライビングスタイルだけで説明することはできない。

    ラッセルとピアストリについては、これまで得意としてきた遅いターンインと明確なステアリング入力が、ダウンフォースとタイヤグリップが低下し、さらにエネルギーマネジメントの重要性が増した2026年型マシンでは不利に働く場面が増えている。

    一方で、フェルスタッペンやルクレールの状況には、それぞれ異なる技術的背景がある。そしてアントネッリ、ハミルトン、ノリスの好調も、3人が同じスタイルだからというより、新しいマシンが要求する走らせ方を理解し、それに合わせて自身のテクニックを変化させていることが大きい。

    ノリスの言葉を借りれば、2026年に重要なのは特定のスタイルではなく「適応」である。そしてラッセルとピアストリにとっても、マシン側が自分たちの得意な方向へ近づいてくるのを待つのではなく、自ら走らせ方を変えることが求められている。

  • ペドロ・アコスタ MotoGP初優勝 オーストリアGPでKTMに4年ぶり勝利

    ペドロ・アコスタ MotoGP初優勝 オーストリアGPでKTMに4年ぶり勝利

    2026年MotoGP第15戦オーストリアGPの決勝が9月20日、レッドブル・リンクで行われ、ペドロ・アコスタ(レッドブルKTM)が最高峰クラスで待望の初優勝を飾った。ホルヘ・マルティン(アプリリア)が2位、マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)が3位に入った。

    小椋藍(トラックハウス・アプリリア)は負傷からの復帰戦で4位と健闘。王者マルク・マルケス(ドゥカティ)は5位に終わり、ランキング首位のマルティンとの差は12ポイントに広がった。

    アコスタがMotoGP初優勝 KTMは2022年以来の勝利
    土曜日のスプリントでトップ走行中に転倒し、日曜日朝のウォームアップでもクラッシュを喫していたアコスタ。しかし、28周で争われた決勝では同じミスを繰り返さなかった。

    ポールポジションのマルティンが好スタートを決めてホールショットを奪い、ベッツェッキが2番手につけた。小椋はターン2でマルク・マルケスをかわして3番手に浮上した。

    2周目のターン1ではベッツェッキがマルティンを抜いてトップに立ったが、翌周には同じターン1でマルティンが首位を奪い返した。

    スタート直後に5番手まで順位を落としていたアコスタも急速にポジションを回復。4周目のターン2でベッツェッキを抜いて2番手に浮上すると、マルティンへのプレッシャーを強めていった。

    8周目のターン5ではマルティンがややワイドになり、両者が接触寸前となる場面もあった。そして9周目、ターン1からの立ち上がりで加速に勝ったアコスタがマルティンをかわしてトップに立った。

    マルティンの追撃を振り切り28周を走破
    首位に立ったアコスタだったが、その後もマルティンを完全に引き離すことはできなかった。大半の周回で両者のギャップは0.6~0.8秒ほどに保たれ、緊張感のある戦いが続いた。

    それでもアコスタは最後までミスなく走り切り、マルティンに1.017秒差をつけてチェッカー。MotoGPクラスで15度の表彰台を経験した末、ついにグランプリ初優勝を手にした。

    アコスタにとってグランプリでの勝利はMoto2時代の2023年以来。またKTMにとっても2022年以来となるMotoGP決勝での勝利となった。

    2027年からドゥカティへ移籍するアコスタは、今季開幕戦タイGPでスプリント初優勝を記録していたが、日曜日のグランプリではこれが初勝利となった。

    ウイニングラップでは、前日のスプリントで転倒したシケインにRC16を横たえるというユニークな形で勝利を祝った。

    小椋藍が復帰戦で4位
    2位争いでは、終盤にベッツェッキがチームメイトのマルティンへ接近。チェッカー時点で両者の差はわずか0.192秒だったが、マルティンがポジションを守り切った。

    ベッツェッキが3位に入り、アプリリア勢がダブル表彰台を獲得した。

    その直後には小椋が続いた。負傷から復帰した小椋は序盤から上位争いを展開し、マルク・マルケスを抜いて一時3番手を走行。最終的にはベッツェッキから0.930秒差の4位でフィニッシュした。

    マルク・マルケスは苦戦して5位
    スプリントで2位に入りながらランキング首位をマルティンに明け渡していたマルク・マルケスは、決勝でもアプリリア勢とアコスタのペースについていくことができなかった。

    序盤は4番手を走っていたが、10周目のターン1でコースアウトしてポジションを失った。

    その後はフェルミン・アルデゲル(グレシーニ・ドゥカティ)やブラッド・ビンダー(レッドブルKTM)を抜き返し、最終的にトップから7.339秒差の5位まで挽回。ドゥカティ勢では最上位となった。

    しかし、ランキング首位のマルティンが2位に入ったことでポイント差は12まで拡大した。

    ビンダーが6位、フランチェスコ・バニャイアが7位。アルデゲルは終盤の接触に対するペナルティによって8位へ降格した。

    9位にはファビオ・ディ・ジャンアントニオ、10位にはヨハン・ザルコが入った。

    中上貴晶はホンダのテストライダーとして参戦して13位で3ポイントを獲得。ファビオ・クアルタラロはレース中盤までトップ10圏内を走っていたものの、終盤に順位を落として17位となった。

    決勝で転倒したのはアレックス・マルケスのみ。全ライダーがフロント、リアともにミディアムタイヤを選択した。

    ペドロ・アコスタ(MotoGP)

    2026年MotoGP オーストリアGP 決勝結果
    1位 ペドロ・アコスタ(レッドブルKTM) 28周
    2位 ホルヘ・マルティン(アプリリア) +1.017秒
    3位 マルコ・ベッツェッキ(アプリリア) +1.209秒
    4位 小椋藍(トラックハウス・アプリリア) +2.139秒
    5位 マルク・マルケス(ドゥカティ) +7.339秒
    6位 ブラッド・ビンダー(レッドブルKTM) +8.720秒
    7位 フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ) +9.686秒
    8位 フェルミン・アルデゲル(グレシーニ・ドゥカティ) +12.365秒
    9位 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ) +14.869秒
    10位 ヨハン・ザルコ(LCRホンダ) +16.266秒
    11位 エネア・バスティアニーニ(テック3 KTM) +16.640秒
    12位 ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア) +20.940秒
    13位 中上貴晶(ホンダ) +21.032秒
    14位 ルカ・マリーニ(ホンダHRC) +22.391秒
    15位 ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ) +24.949秒
    16位 ポル・エスパルガロ(テック3 KTM) +25.148秒
    17位 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ) +30.140秒
    18位 フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ) +34.200秒
    19位 アレックス・リンス(ヤマハ) +34.413秒
    20位 トプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ) +46.724秒
    21位 ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ) +65.895秒
    リタイア アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ)

    レッドブル・リンクでは翌21日に、2027年から導入される850ccマシンとピレリタイヤによるテストが予定されている。MotoGPはその後フライアウェイラウンドへ入り、次戦日本GPが10月2~4日にモビリティリゾートもてぎで開催される。