カテゴリー: ハースF1チーム

  • ハースF1 2027年ドライバー選考は「速さ最優先」 小松礼雄が5人の候補を評価

    ハースF1 2027年ドライバー選考は「速さ最優先」 小松礼雄が5人の候補を評価

    ハースF1は2027年のドライバーラインナップ決定に向け、5人の候補を検討している。チーム代表の小松礼雄は、その選考における最優先事項は純粋な「パフォーマンス」だと明言した。

    2026年のリザーブドライバーを務めるジャック・ドゥーハンも候補のひとりであり、今週ヘレスで行われた旧型車テスト(TPC)でハースのF1マシンをドライブ。アルピーヌでの短いF1参戦を終えて以来、初めてF1マシンのコックピットに戻った。

    ハースF1が5人の候補を比較
    ハースは2027年について、現時点で2人のドライバーのいずれも正式発表していない。ただし、フェラーリのジュニアドライバーであるオリバー・ベアマンは3年目のシーズンを迎える可能性が高いとみられており、焦点となっているのはチームメイトの座だ。

    現職のエステバン・オコンは、ハースが獲得した21ポイントのうち3ポイントにとどまっており、チームでの将来は不透明となっている。

    ハースは候補者を評価するため、これまでに2回のTPCを実施した。

    ポルティマオで行われた最初のテストには、フェラーリのジュニアドライバーであるラファエル・カマラ、マクラーレンのリザーブドライバーであるレオナルド・フォルナローリ、トヨタと関係を持つ平川亮が参加した。

    そして今週ヘレスで実施された2回目のテストには、ジャック・ドゥーハン、平川亮、2024年スーパーフォーミュラ王者の坪井翔が参加した。

    ドゥーハンにとっては、2025年F1マイアミGP後にアルピーヌでのレギュラー参戦を終えて以来、初めてF1マシンを走らせる機会となった。


    小松礼雄「パフォーマンスが絶対的に最優先」
    小松礼雄は、PlanetF1.comを含むメディアに対し、レースシートを決めるうえで最も重要なのは速さだと説明した。

    「私は常に、ドライバーはパフォーマンスで選ぶと言ってきました。ですから、パフォーマンスが絶対的に最優先です」

    「もし2人のドライバーのパフォーマンスが同等であれば、所属先との関係や、そのドライバーが持っているパッケージも考慮します」

    「しかし、3分の3秒遅いドライバーを、トヨタやフェラーリとの関係があるから、あるいはスポンサー資金を500万多く持っているからという理由で選ぶことはありません」

    「そういうことはしません。まず何よりもパフォーマンスです」

    一方で、タイム差が極めて小さい場合には、メーカーやチームとの関係性も判断材料になるという。

    「例えば10分の1秒以内だったり、本当に非常に僅差だったりする場合には、もちろん所属先との関係やパッケージも考慮されます。それでも、我々はパフォーマンスを基準に選ぶことができると思っています」

    フェラーリやトヨタとの関係は決定打にならず
    候補者の背景はさまざまだ。トヨタはハースのパートナーであり、その支援を受けるドライバーがいる。フェラーリはハースのF1パワーユニット供給元であり、フェラーリ系ドライバーも候補に含まれる。さらにフォルナローリはマクラーレン所属だ。

    そして、現在ハースのテストドライバーを務めているドゥーハンもいる。

    ベアマンの残留が有力視されるなか、小松礼雄には、もうひとりのフェラーリ系ドライバーを起用してハースがフェラーリの「ジュニアチーム」と見られる可能性について質問が飛んだ。

    「正直、それは私にとってまったく問題ではありません。我々は本当に速いドライバーを2人欲しいんです。それが、このチームを成長させるための最善の方法だからです」

    「フェラーリのドライバーが2人でも、トヨタのドライバーが2人でも、マクラーレンのドライバーが2人でも関係ありません。フォルナローリはマクラーレンのドライバーですよね」

    「でも、本当に関係ありません。誰が一番速いのか。それが最も重要です」

    「チームの400人が最高の選択だと分かる必要がある」
    小松礼雄は、ハースで働くスタッフに対しても、純粋な能力を基準にドライバーを選んだと示すことが重要だと強調した。

    「繰り返しになりますが、ここで働いている400人全員にとって、自分たちが獲得できるなかで最高のドライバーを選んだと分かる必要があります。そして、その2人がマシンから最大限を引き出せるドライバーである必要があります」

    「追加のお金を持ってくるという理由で、0.5秒遅いドライバーを選ぶことを想像してみてください。それではチームのモチベーションは上がりません」

    「それに、コンストラクターズ選手権で1つ順位が違えば、かなり大きなお金になりますよね」

    「先ほど言ったように、私は一貫した考えを持っています。これまでも常に、ドライバーはパフォーマンスで選ぶと言ってきましたし、今もその方針で進めています」

    ハースF1チーム

    2027年ラインナップ発表はまだ先
    ドゥーハンをはじめとする候補者、そして現レギュラーのオコンを含む5人が最終的な判断を待つことになるが、ハースがすぐに結論を発表する予定はない。

    発表時期について尋ねられた小松礼雄は、次のように答えた。

    「分かりません。少なくとも来週ではない、と言っておきます」

    「我々は非常に恵まれた状況にいると思います。本当に多くのドライバーが我々のシートに興味を持ってくれています。5人ですね」

    ハースF1は、メーカーとの関係やスポンサー面の条件を完全に無視するわけではないものの、あくまで速さを最優先して2027年のドライバーを決定する方針だ。ヘレスでF1マシンに復帰したドゥーハンを含め、5人によるシート争いは今後もしばらく続くことになりそうだ。

  • ハースF1 2027年ドライバー決定へ最終評価 カマラ有力もドゥーハンをテスト

    ハースF1 2027年ドライバー決定へ最終評価 カマラ有力もドゥーハンをテスト

    ハースF1チームが、2027年のドライバーラインナップ決定に向けて最終評価の段階に入っている。オリバー・ベアマンの残留が広く予想される一方、チームメイトについてはまだ決定しておらず、今週ヘレスで行われるTPC(旧型車テスト)が重要な判断材料になるという。

    現時点では、FIA F2選手権でタイトルを争うラファエル・カマラが2027年のF1昇格に向けて最も有力な位置にいるとされている。

    しかし、RacingNews365によると、ハースは今週木曜日にジャック・ドゥーハンを走らせ、その評価を終えるまでは最終決定を下さない方針だという。

    ドゥーハンをヘレスで最終評価
    現在、ハースの2つ目のシートにはエステバン・オコンが座っている。オコンはアルピーヌでの在籍を経て昨年ハースに加入したが、2027年の残留はまだ確定していない。

    チームが来季の選択肢を検討するなか、新たな候補として浮上しているのがカマラだ。

    カマラはF2でタイトルを争っており、2027年にルーキーとしてF1へステップアップする候補のなかで、現在最も有力な位置にいるとの見方が出ている。

    ただし、RacingNews365が得た情報によれば、ハースが今週後半にヘレスでTPC(Testing of Previous Cars)を実施するまでは、ドライバーについて最終的な決定が下されることはないという。

    木曜日にはドゥーハンがステアリングを握り、チームは2027年のレースシート候補としてその可能性を評価する。

    ドゥーハンはアルピーヌからF1に参戦し、グランプリ7戦に出場した経験を持つ。しかし、2025年シーズン序盤にフランコ・コラピントと交代する形でレースシートを失った。

    2026年にはハースのリザーブドライバーに就任し、F1グリッドへの復帰を目指しながらチームで活動を続けている。

    カマラ有力もフェラーリ育成2人体制が焦点
    現状ではカマラがドゥーハンを含む候補者のなかで一歩リードしているとみられている。ただし、カマラを起用した場合、ハースはベアマンとカマラというフェラーリのジュニアドライバー2人をレギュラーとして走らせることになる。

    RacingNews365は、カマラの起用には一定の資金的な支援も伴う一方、2人ともフェラーリが将来について最終的な主導権を持つドライバーとなり、ハースが自前のドライバーをレギュラーとして抱えない体制になることが難しい判断材料になると伝えている。

    ただし、ハースF1チーム代表の小松礼雄はF1スペインGPで、ドライバーがどの育成プログラムに所属しているかは選考において重要ではないと強調している。

    「フェラーリのドライバーが2人でも、トヨタのドライバーが2人でも、マクラーレンのドライバーが2人でも関係ありません。フォルナローリはマクラーレンのドライバーですが、正直なところ、それは重要ではありません。一番速いドライバーを選ぶことがチームにとってベストです」

    小松礼雄(ハースF1チーム)

    小松礼雄「パフォーマンスで選べると思っている」
    小松礼雄は、候補者が持ち込む資金についても、実力が極めて接近している場合に限って判断材料になる可能性があると説明している。

    「例えば1周で0.1秒差というように、本当に、本当に僅差なら、もちろん支援も判断材料にはなります。でも、そうなるとは思っていません。パフォーマンスで選べると思っていますし、まだプログラム全体も終わっていません」

    「我々は本当に速いドライバーを2人そろえたいと思っています。それが、このチームを成長させる一番いい方法だからです」

    小松礼雄が「まだプログラム全体も終わっていない」と語っている点は、今週ヘレスで予定されているドゥーハンのTPCとも符合する。

    ベアマンについては2027年もハースに残留し、3年連続で同チームからF1に参戦することが広く予想されているため、焦点はオコンが現在保持しているもうひとつのシートに絞られつつある。

    平川亮(ハースF1チーム)

    平川亮も候補も可能性は低いとの見方
    もうひとりの選択肢として挙げられているのが、ハースの開発ドライバーを務める平川亮だ。

    平川亮は、ハースとTOYOTA GAZOO Racingの提携の一環として、過去2年間に複数回のF1フリー走行1回目(FP1)に出走してきた。

    マシンやチームの仕事の進め方をすでに理解しているという点では候補のひとりとなるが、パドック関係者の間では、平川亮が2027年のレースシートを獲得する可能性は極めて低いとの見方が出ているという。

    また、小松礼雄の発言では、マクラーレンの育成ドライバーであるレオナルド・フォルナローリも評価対象に含まれていることが明らかになっている。

    ハースは現職のオコンに加え、カマラ、ドゥーハン、フォルナローリ、平川亮らを候補として2027年のラインナップを検討している。

    そのなかでカマラが有力候補とされる状況にあるものの、結論はまだ出ていない。今週木曜日のヘレスでドゥーハンを走らせて評価プログラムを進めたうえで、ハースは速さを最優先に2027年のF1ドライバーラインナップを決定することになる。

  • ハースF1 小松礼雄がBWTとのスポンサー契約を否定「ピンクのマシンにはならない」

    ハースF1 小松礼雄がBWTとのスポンサー契約を否定「ピンクのマシンにはならない」

    ハースF1のチーム代表を務める小松礼雄は、2027年にBWTが新たなスポンサーとして加入するとの噂を否定した。「ピンクのマシンにはならない」と明言する一方、チームが複数の企業とスポンサー契約に向けた交渉を進めていることを明かした。

    トヨタから支援を受けるハースF1だが、小松礼雄はこれまで、チームの支出がF1のコストキャップに届いていないことを説明してきた。2027年には予算上限まで使える体制を目指しており、そのための商業パートナー拡大を重要課題としている。

    小松礼雄「ピンクのマシンにはならない」
    F1スペインGPが開催されたマドリードで、小松礼雄は2027年に向けたスポンサー獲得活動について、複数の候補企業との話し合いが進んでいると説明した。

    「多くの候補と話をしていますし、前進しています。来年の予算については非常に前向きに考えています」

    「本当に大きな助けになります。ただ、少しずつではありますが、我々のストーリーを知ってもらい、素晴らしい人たちと出会うことができています。ですから、ここまでは順調です」

    そのなかで浮上したのがBWTだった。

    BWTは長年F1でピンクを象徴的なカラーとして使用してきた企業で、2027年にはアルピーヌとの関係を終了し、同チームではグッチがその後を引き継ぐことになっている。また、BWTは過去にハースとの提携を模索した経緯もあり、2027年からアメリカのチームに加わるのではないかとの噂が広がった。

    しかし、BWTとの契約について直接質問された小松礼雄は、その可能性を否定した。

    「皆さんが言っているような、ピンクのマシンにはなりませんよ!」

    したがって、現時点で2027年型マシン「VF-27」がBWTを象徴するピンクのカラーリングを採用する計画はない。

    2027年はコストキャップ到達を目指す
    一方、BWTではない別の企業との交渉は進行している。

    小松礼雄がスポンサー獲得を重視する背景には、ハースが現在、F1のコストキャップを最大限まで使える財政規模に達していないという事情がある。2027年の予算上限は2億1500万ドルとされており、チームはそこに近づくための収益基盤強化を進めている。

    その一環として、ハースは商業開発を専門とするBrandandとの提携も発表した。

    英国オックスフォードシャー州バンベリーに拠点を置くBrandandは、ハースの英国拠点にも近く、新たな商業パートナーの開拓やライセンス事業の拡大を担当する。

    既存の商品ポートフォリオを活用しながら、ライフスタイル、テクノロジー、ホーム関連など幅広い分野で新たなライセンス商品を開拓。パートナー候補の発掘と交渉から、商品のデザイン、開発、生産までを手掛ける。

    従来のチームウェアやサーキットで販売されるグッズだけでなく、世界中のF1ファンに向けて商品展開そのものを広げていく狙いがある。

    ハースのマーケティング&コマーシャルディレクターを務めるマーク・モレルは次のように説明した。

    「ハースF1が野心的な成長期に入るなか、革新的なライセンスを通じて世界的な商業プレゼンスを拡大することは、我々にとって重要な優先事項です」

    小松礼雄(ハースF1チーム)

    ドライバー選考では資金より速さを優先
    スポンサー獲得を進める一方、ハースは2027年のドライバーラインナップについても検討を続けている。

    エステバン・オコンのシートを巡っては、平川亮、レオナルド・フォルナローリ、ラファエル・カマラ、ジャック・ドゥーハンらが候補として評価されている。

    ドライバーが持ち込む資金が選考に影響する可能性について、小松礼雄は、候補者の実力が極めて接近している場合に限って考慮する可能性があると説明した。

    「例えば1周で0.1秒差というように、本当に、本当に僅差なら、もちろん支援も判断材料にはなります。でも、そうなるとは思っていません。パフォーマンスで選べると思っていますし、まだプログラム全体も終わっていません」

    「我々は本当に速いドライバーを2人そろえたいと思っています。それが、このチームを成長させる一番いい方法だからです」

    所属する育成プログラムについても重要ではないと強調した。

    「フェラーリのドライバーが2人でも、トヨタのドライバーが2人でも、マクラーレンのドライバーが2人でも関係ありません。フォルナローリはマクラーレンのドライバーですが、正直なところ、それは重要ではありません。一番速いドライバーを選ぶことがチームにとってベストです」

    「ここで働く400人全員にとっても、我々が可能な限り最高のドライバーを選んだと分かることが必要です。その2人にマシンの最大限を引き出してもらわなければなりません」

    「例えば0.5秒遅いドライバーを、お金があるという理由で選んだと想像してください。それではあまりモチベーションにはなりませんよね」

    「コンストラクターズ選手権の1ポジションも大きなお金になります。以前から一貫して言っていますが、我々はパフォーマンスでドライバーを選びます。それが我々のやっていることです」

    BWT加入説については明確に否定した小松礼雄だが、ハースF1が2027年に向けて商業規模の拡大を急いでいることは認めている。新スポンサーを獲得してコストキャップまで予算を引き上げながら、ドライバーについては資金力ではなく純粋なパフォーマンスを優先するというのが、小松礼雄が描くチーム強化の方針だ。

  • ジャック・ドゥーハン ハースF1の2027年シート候補へ 平川亮らとヘレスでテスト

    ジャック・ドゥーハン ハースF1の2027年シート候補へ 平川亮らとヘレスでテスト

    ジャック・ドゥーハンが、2027年のドライバー選定を進めるハースF1でアピールの機会を得る。リザーブドライバーを務めるドゥーハンは、ヘレスで実施される旧型車テスト(TPC)でVF-25をドライブする予定だ。

    ハースF1では、エステバン・オコンの2027年残留がまだ確定しておらず、小松礼雄チーム代表は候補を5人に絞っていることを明らかにしている。ドゥーハンにとって今回のテストは、その候補争いに加わるうえで重要な機会となる。

    ドゥーハンがVF-25をドライブ
    ハースF1は9月14日と15日の2日間、スペインのヘレス・サーキットでTPCを実施する。このテストにはドゥーハンのほか、平川亮、2024年スーパーフォーミュラ王者の坪井翔が参加する。日本人2人は、提携関係にあるTOYOTA GAZOO Racingのドライバー陣から起用される。

    ドゥーハンはアルピーヌでF1に7戦出場した経験を持つ。2025年のF1マイアミGPを最後にレースシートを失っており、今回がそれ以来初めてのF1マシンでの本格的な走行となる。

    現在はハースF1のリザーブドライバーを務めており、今回のTPCでは小松礼雄をはじめとするチーム首脳陣に自身の能力を直接示すことになる。

    2027年候補は5人 オコンの残留は未定
    今回のテストが注目される背景には、ハースF1の2027年ドライバーラインナップがまだ固まっていないことがある。

    小松礼雄は、2027年の候補リストに現レギュラーのオコンを含む5人が残っていることを認めている。オコンが残留しない場合、そのシートを巡って複数のドライバーが争うことになる。

    その候補として現在、強く名前が挙がっているのがラファエル・カマラだ。

    ハースF1はヘレスに先立ち、ポルトガルのポルティマオでもTPCを実施。現FIA F3王者のカマラ、平川、マクラーレンのリザーブを務めるレオナルド・フォルナローリが参加した。

    パドックでは、このテストでフェラーリ育成のカマラが最も強い印象を残したとされており、オコンが離脱した場合の有力候補に浮上している。

    平川亮(ハースF1チーム)

    トヨタは平川亮のF1昇格を後押しか
    一方、平川亮も依然として候補から外れていない。

    平川は現在、ハースF1のリザーブドライバーを務めており、2026年シーズンにはすでに2回のFP1に出走している。報道によれば、トヨタは32歳の平川をF1のレギュラーシートに送り込むことを望んでいるとされ、オコンが離脱した場合の候補として現実的な位置にいるという。

    今回のヘレステストには坪井翔も加わるため、ドゥーハン、平川、坪井の3人が同じTPCで走行することになる。それぞれにとって、ハースF1の首脳陣にアピールできる貴重な機会となる。

    角田裕毅はハースF1の候補外
    一方、レッドブルF1のリザーブドライバーである角田裕毅については、ハースF1の2027年候補との噂が出ているものの、PlanetF1.comはチームの検討対象には入っていないと報じている。

    そのため、現時点でハースF1のシート争いは、オコンの残留を軸に、カマラ、平川、ドゥーハンらの動向が焦点となっている。

    ただし、小松礼雄はドライバー決定を急いでいない。最近の大型契約発表によってF1のドライバー市場は落ち着きを見せており、ハース側には判断を急ぐ必要がないためだ。

    モンツァで決定時期について尋ねられた小松礼雄は、毎日「1日ずつ近づいています」と冗談交じりに答え、慎重に候補を評価していく姿勢を示していた。

    ポルティマオで評価を高めたカマラ、トヨタが後押しする平川、そして今回F1マシンに復帰するドゥーハン。オコンの去就を含め、ハースF1の2027年シート争いは今後のTPCでの評価が重要な判断材料となりそうだ。

  • ハースF1 ピット設備の差で入賞逃す 小松礼雄「チームの責任ではない」

    ハースF1 ピット設備の差で入賞逃す 小松礼雄「チームの責任ではない」

    ハースF1は、2026年F1スペインGPでエステバン・オコンが11位に終わり、あと一歩のところでポイント獲得を逃した。チーム代表の小松礼雄は、アウディとのピットストップ勝負で順位を失ったことについて、クルーのミスではなく「改善する必要があるのは設備」と説明した。

    マドリンクで行われた決勝で、オコンはQ1敗退から巻き返し、ポイント圏内を争うところまで浮上。

    最終的にはニコ・ヒュルケンベルグに次ぐ11位となり、10位との差でポイントを逃した。オコン自身も「今日はポイントに値した」と悔しさを示している。

    オコン「ポイントに値するレースだった」
    オコンはミディアムタイヤでスタートすると、序盤から順位を上げ、アウディ勢との直接対決に持ち込んだ。

    「がっかりしている。僕たちはもっといい結果に値したし、今日はポイントを獲得するに値するレースだった」

    「スタートでは2台のアウディを抜くことが目標で、それは達成できた。彼らを後ろに抑えるのは難しいと分かっていたけど、ピットストップまでは抑えることができた」

    しかし、そのピットストップがレースの分岐点となった。

    ヒュルケンベルグはオコンの後方からピットに入ったものの、タイヤ交換を終えてコースへ戻った時点では両者の順位が逆転。アウディがピット作業でハースを上回り、ヒュルケンベルグが前に出た。

    オコンは自分の停止位置などに改善できる部分がなかったか確認する必要があるとしながらも、アウディの作業が速かったことを認めた。

    「ピットストップでポジションを失った。自分にもっとできたことがあったのか、もっといい位置に止めることができたのか、それは確認しないといけない」

    「自分としてはまずまずのストップだったと思っていたけど、彼らの方がいいストップをしたんだと思う」

    その後、オコンはヒュルケンベルグを追ったものの、オーバーテイクが難しいマドリンクでは再逆転できず、11位でチェッカーを受けた。

    「僕たちはコース上ですべてを出し切ったし、みんなを誇りに思う。Q1敗退からポイントを争うところまで戻ってきた。それはポジティブだし、残りのレースに向けても励みになる」

    小松礼雄「チームの責任だとは思っていない」
    小松礼雄は、ポイントまであと1ポジションという結果に悔しさを隠さなかった。

    「11位で終わったことには、みんな本当にがっかりしています。ただ、11位でこれだけ悔しがれるポジションまで戻ってきたというのは、すごくいいことだと思います」

    小松礼雄はマシンの状態やドライバー、レース運営については高く評価している。

    「マシンは非常にうまく機能していましたし、ドライバーもいい仕事をしました。現場とリモートのオペレーションも非常に良かったです。今日は自分たちにできることをやったと思います」

    そのうえで、ヒュルケンベルグとのポジション争いを決定づけたピットストップについて言及した。

    「アウディとのピットストップで負けました。ただ、あれがチームの責任だとは思っていません」

    「彼らにもっといいチャンスを与えるために、改善しなければならないのは設備の方です」

    つまり小松礼雄は、タイヤ交換を担当したメカニックの作業そのものを問題視しているのではなく、ピットストップを支えるハードウェア側に改善の余地があるとの認識を示した。

    ハースF1チーム

    アウディはピット作業で10位をつかむ
    一方のアウディ側も、ヒュルケンベルグの10位はピットクルーの仕事によって得られたものだったと強調している。

    ヒュルケンベルグはソフトタイヤでスタートし、VSCを利用してハードタイヤへ交換。オコンの後方からピットに入ったが、素早い作業によって前に出ることに成功した。

    ヒュルケンベルグは「あれがおそらく僕たちのレースで最も重要な瞬間だった」と振り返り、必要なトラックポジションを得られたことが10位につながったと説明した。

    アウディのレーシングディレクターを務めるアラン・マクニッシュも「今日の1ポイントはピットのチームがもたらしたと言わなければならない」と評価。オコンの後ろでピットインしながら前で送り出した作業を称賛した。

    ハースにとっては、まさにその差がポイント獲得の明暗を分けたことになる。

    「巨大なチーム努力」マシンには手応え
    それでも小松礼雄は、F1スペインGPの週末そのものについては前向きな評価を下した。

    「本当にうれしく思っています。チーム全体による非常に大きな努力でした」

    特に、VF-26が決勝を通じて安定して機能したことを収穫に挙げた。

    「マシンには一貫性がありました。以前のような問題もありませんでした。そこから学んでいく必要があります」

    オリバー・ベアマンはPUコンポーネント交換によってピットレーンからスタートし、16位。VSCのタイミングにも恵まれず、ポイント争いには加われなかったが、小松礼雄は「オリーも強くなって戻ってくると確信しています」と語った。

    「だから、ポジティブな週末だったと思います」

    Q1敗退からオコンをポイント争いまで押し上げ、マシンの安定性にも手応えを得たハースF1。一方で、アウディとの直接対決ではピット設備の差が結果を左右した。中団争いでわずかな差が1ポイントを左右するなか、小松礼雄が指摘したピット設備の改善も、今後の競争力を高めるための課題となりそうだ。

  • エステバン・オコン 2027年ハースF1残留に金銭面の壁「高額なドライバー」

    エステバン・オコン 2027年ハースF1残留に金銭面の壁「高額なドライバー」

    エステバン・オコンの2027年F1シーズンに向けたハース残留をめぐり、ドライバーとしての評価だけでなく、チームの財政事情が重要な要素になっているとの見方が浮上している。

    オコンはF1スペインGPを前に、ハースと2027年について「今まさに話している」と交渉開始を明らかにしたばかりだ。

    しかし、ブラジル人F1ジャーナリストのジュリアン・セラソーリは、ハースがコストキャップ上限まで支出できていない状況にあり、オコンの高額な報酬が残留に向けて不利な材料になる可能性があると指摘している。

    ハースの2027年シートを左右する財政事情
    オコンは2025年にアルピーヌからハースへ加入。2027年のシートをめぐっては、ラファエル・カマラやレオナルド・フォルナローリら若手ドライバーの名前も候補として取り沙汰されている。

    セラソーリはUOL EsporteのYouTubeチャンネルで、ハースの状況について次のように説明している。

    「ハースのシートは、まさにベアマンがいることで少し複雑になっている」

    「ベアマンはフェラーリとのつながりを持つドライバーで、そのシートを確保している。そして、フェラーリと関係するドライバーを2人同時に起用した前例はない」

    さらに、2027年のドライバー選択を読みづらくしている大きな理由として、ハースの財政状況を挙げた。

    「現時点で彼らの状況を読むのは非常に難しい。なぜなら、大きな予算上の問題を抱えているチームだからだ」

    「キャデラックでさえ、すでにコストキャップの範囲内で運営できている。つまり、マシン開発に使える最大額であるコストキャップまで支出しても、それを賄えるだけの収入があるということだ」

    「オコンは高額なドライバー」
    一方、ハースについては事情が異なるという。

    「ハースは依然としてコストキャップを下回る規模で運営している唯一のチームで、小松礼雄にはこの状況を変えるよう大きなプレッシャーがかかっている」

    ここでドライバー選択も財政面での解決策のひとつになり得るとセラソーリは指摘する。

    「だから、ドライバーも可能な解決策の組み合わせに巻き込まれることになる。そしてオコンについて言えば、彼は高額なドライバーだ。それがフランス人ドライバーにとって不利に働くポイントのひとつになっている」

    実際、2026年のオコンの推定年俸は約700万ドルで、チームメイトのオリバー・ベアマンの約100万ドルに対して7倍に達する。ベアマンはF1フル参戦初年度の2025年から約100万ドルと推定されており、ハースにとって両者の人件費には大きな開きがある。

    この差は、2027年のドライバー選択にも影響する可能性がある。仮にラファエル・カマラがベアマンと同程度のルーキー水準の契約で加入するなら、オコンから若手への交代だけで年間数百万ドル規模の人件費差が生じ得る。

    ただし、F1ではドライバーの報酬はチームのコストキャップ対象外となっている。そのため、オコンの年俸を削減した分をそのままマシン開発費に振り向けられるわけではない。それでも、コストキャップ上限まで支出できるだけの収入を確保できていないとされるハースにとって、チーム全体の支出を考えればドライバーの人件費も無視できない要素となる。

    カマラら若手にはスポンサーという武器
    ハースにはフェラーリとの技術的な関係があり、オリバー・ベアマンもフェラーリの育成プログラム出身だ。そのため、もうひとつのシートを誰に与えるかについては、ドライバー自身の実力だけでなく、フェラーリとの関係やチームにもたらす経済的メリットも絡んでくる。

    「ただ、フェラーリがそのシートを確保するために、さらに何を提供できるのかという話にもなる。もちろんドライバーの実力も重要だ。しかし、F1がチームスポーツであることは分かっているし、そのチームの中でオリー・ベアマンの隣に座るドライバーの存在には合理性が必要になる」

    「財政的にも意味のある選択でなければならない。当然、ラファにはビジネスパートナーやスポンサーがいて、それが助けになる。ただ、別の形でシートに資金をもたらせるドライバーもいる」

    ここで言及された「ラファ」は、フェラーリ・ドライバー・アカデミーに所属するラファエル・カマラを指す。若手の場合、オコンより低い年俸で起用できる可能性に加え、スポンサーなどの支援をチームにもたらすことができれば、財政面でさらに魅力的な選択肢となる。

    一方で、すでにベアマンというフェラーリ系ドライバーがいることは、カマラを起用する場合の複雑な要素となる。セラソーリが指摘するように、ハースにはフェラーリとのつながりを持つドライバーを2人同時に起用した前例がなく、速さ、給与、スポンサー、フェラーリとの関係まで含めた総合的な判断が必要になる。

    ハースF1チーム

    オコンは「ドライバーが問題ではない」と主張
    今回の財政面からの指摘は、オコン自身がF1スペインGPを前に語った内容とも対照的だ。

    オコンは2027年について「もちろん、ここ数週間は将来について話し合っている。僕は2025年から小松さんとこのプロジェクトに加わることを決めた。当然、最初に話をするべきなのはこのチームだし、今まさにその話し合いをしている」と説明している。

    また、ハースがTPC(旧型車テスト)で他のドライバーを走らせていることについても、自身のシートへの直接的な脅威とは捉えていない。

    「チームは望むのであれば、どんなドライバーでもテストすることができる。僕たちにはTPCプログラムがあり、それはチームにとって非常に重要だ。ある意味では収入源にもなっている」

    TPCを「収入源」と表現した点は、今回伝えられたハースの財政事情を考えるうえでも興味深い。チームが旧型車テストを収益機会として活用していることを、現役ドライバーであるオコン自身も認めていることになる。

    一方、オコンはチームが現在直面している競争力の問題について「ドライバーが問題ではない」と強調している。

    「チームの中ではドライバーが問題ではないことは明らかだ。僕たちは全員で同じ方向に向かって、マシンからもっと引き出そうとしている。僕もオリーも、パフォーマンスを発揮できるマシンがあれば、それを結果につなげている」

    オコンが競技面ではドライバー変更の必要性を否定する一方、セラソーリの情報では、2027年の選択には純粋なパフォーマンスとは別に金銭面が絡んでいることになる。

    オコンはハースとの残留交渉をすでに開始しているが、推定年俸約700万ドルという現在の待遇が交渉材料のひとつになる可能性がある。実績と経験ではオコンが優位に立つ一方、若手には低い起用コストやスポンサーによる資金面のメリットがある。「高額なドライバー」という評価が、オコンの2027年F1シートをめぐる思わぬ障壁となる可能性がある。

  • オリバー・ベアマン F1スペインGP決勝はピットレーンスタート PU交換で裁定

    オリバー・ベアマン F1スペインGP決勝はピットレーンスタート PU交換で裁定

    オリバー・ベアマンは、2026年F1スペインGP決勝をピットレーンからスタートすることになった。ハースF1チームがパルクフェルメ下でFIA技術代表の承認を得ずに複数のパワーユニット(PU)エレメントを交換したことを受け、スチュワードが裁定を下した。

    FIAは9月13日、ドキュメント63としてベアマンのマシンに関する決定を発表。エナジーストア(ES)、コントロールエレクトロニクス(PU-CE)、MGU-Kがそれぞれ今季4基目に交換されたことに加え、予選Q3のチェッカーフラッグから2時間後に87号車がカバーされていなかったことも確認された。

    ベアマンはピットレーンから決勝スタート
    FIA技術代表からの報告を受けて審議を行ったスチュワードは、ハースF1チームが決勝前のパルクフェルメ期間中に、技術代表の承認を得ないままベアマンのPUエレメントを交換したと認定した。

    交換されたのは、4基目となるエナジーストア、4基目のコントロールエレクトロニクス、4基目のMGU-Kの3項目。FIAは、これらすべての交換がパルクフェルメ下で技術代表の承認を受けずに行われたとしている。

    さらに、ベアマンの87号車については、Q3のチェッカーフラッグから2時間が経過した時点でマシンにカバーが掛けられていなかったことも違反として挙げられた。

    スチュワードは、FIA F1レギュレーションのB8.2.2(B8.2.3との関連)、B3.4.3a、B3.5.3、B3.5.4への違反と判断。ベアマンに対し、F1スペインGP決勝をピットレーンからスタートするよう命じた。

    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)

    PU交換によるグリッド降格は実質的に吸収
    今回のPUエレメント交換は、本来であればグリッド降格ペナルティの対象となる。しかし、パルクフェルメ規定違反によってすでにピットレーンスタートが科されるため、スチュワードは追加のグリッド降格を科しても意味がないと説明した。

    FIAの裁定文には「パワーユニットエレメントの交換は通常であればグリッド降格ペナルティを必要とするが、別の違反によってすでにピットレーンスタートが決まっているため、グリッド降格を科すことは冗長となる」と記されている。

    ベアマンは土曜日のFP3終盤にターン10でコントロールを失ってバリアにクラッシュ。マシンが大きなダメージを受けたため、ハースは予選までに修復することができず、ベアマンはQ1でタイムを記録していなかった。

    その後の修復作業に伴ってPUコンポーネントも交換されたが、その手続きがパルクフェルメ規定に抵触する形となった。

    これにより、ベアマンは初開催となるマドリンクでのF1スペインGP決勝をピットレーンから追い上げることになる。

  • オリバー・ベアマン F1スペインGPで40Gクラッシュ「マシンは速かっただけに痛い」

    オリバー・ベアマン F1スペインGPで40Gクラッシュ「マシンは速かっただけに痛い」

    オリバー・ベアマンは、2026年F1スペインGPのフリー走行3回目(FP3)で約40Gのクラッシュを喫し、マシンの損傷によって予選への出走を断念した。本人にけがはなかったものの、アップデートを投入したハースF1のマシンに強い手応えを感じていただけに「かなりつらい」と悔しさをあらわにした。

    ベアマンはFP3終盤、ターン10で突然リアのコントロールを失ってバリアに激突。大きな衝撃を受けたが、自力でマシンを降りた。

    その後、ハースF1は予選に向けて修復を試みたものの、損傷が激しく、作業を時間内に終えることができなかった。

    ターン10で突然リアを失い40Gの衝撃
    ベアマンはクラッシュについて、古くなったタイヤと突風が重なったことが原因だったと説明した。

    「残念です。今ここに立っているのは本当に悔しいですね。マシンは速かったです」

    「昨日は厳しい一日でしたけど、一晩でいくつか変更を加えて、FP3ではマシンのフィーリングが本当に良くなっていました。でも残念ながら、最後のラップのターン10でやられてしまいました。タイヤが少し古くなっていたことと、自分にとって良くない方向から突風が吹いたことが重なりました」

    データを確認したベアマンも、リアが突然動いたことを強調している。

    「予想していないところでリアを失いました。データも確認しましたけど、マシンのリアが突然動いて、そこに突風が来ていました」

    「残念です。マシンを失わないこと以外に何ができたのかは分かりません。何か明確に間違ったことをしたとは思っていなくて、運が悪かった部分もあります。ただ、走れなかったことが本当に残念です」

    クラッシュ時の衝撃は約40Gに達した。それでもベアマンにけがはなく、チーム代表の小松礼雄も安堵した。

    小松礼雄「40Gの大きなクラッシュだったが無事でよかった」
    チームメイトのエステバン・オコンも、まずベアマンの無事を喜んだ。

    「まず、オリーが無事だったことがうれしい。40Gのクラッシュだったからね。決して小さなものではなかったし、けがをしていてもおかしくなかった。でも、彼は大丈夫だった」

    小松礼雄も、今回のミスだけでベアマンへの評価が変わることはないと強調した。

    「FP3ではマシンに非常に満足していました。ドライバーたちも満足していて、パフォーマンスも出ていましたし、競争力があるように見えていました」

    「FP3の最後にオリーがクラッシュしてしまったのは残念です。ただ、彼は素晴らしいドライバーですし、素晴らしい人間です。我々が今もコンストラクターズ選手権7位にいるのは、いくつかのレースで彼が本当に結果を出してくれたからです。またそういうレースが来ることに疑いはありません」

    「残念ながら今回は競争力のあるマシンを持っている週末に起きてしまいました。でも、こういうことはあります。それがレースです。損傷が非常に大きく、予選までにマシンを準備することはできませんでした」

    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)

    アップデートで改善「マシンが強かっただけに痛い」
    ハースF1にとって特に惜しまれるのは、スペインGPでアップデートパッケージが機能し、VF-26の競争力が上向いていたことだ。

    オコンは予選で13番手を獲得。日本GP以来となる好位置につけ、アップデートによってマシンの挙動が改善していることを確認した。

    「新しいパッケージは今週末かなり良くなっている。パーツ間の一貫性という問題を解決できたし、マシンは健全な状態で、本来のパフォーマンスを発揮していた。そこから最大限を引き出せたと思う」

    ベアマン自身も、クラッシュ前のFP3では同じ感触を得ていた。

    「こういうミスをするべきではありませんでした。マシンが強かっただけに、かなりつらいです。でも、明日はチャンスがあると思っています」

    「気持ちを切り替えて、ポジティブな部分を見なければなりません。マシンは速かったですし、明日はできる限り最高の結果を出すために全力を尽くします」

    決勝では同じアップデート仕様で出走へ
    FP3で受けたダメージは予選までに修復できないほど大きかったが、ベアマンは決勝にはアップデート仕様のマシンで出走できると説明している。

    「ダメージはありました。予選までに直すには時間が短すぎましたけど、決勝ではクラッシュする前と同じ仕様のマシンでスタートします」

    予選でタイムを記録できなかったベアマンにとって、F1スペインGP決勝は後方からの追い上げとなる。それでも、FP3までに確認されたVF-26の速さは希望材料だ。アップデートによって改善したマシンの競争力を生かし、失った予選のチャンスを決勝でどこまで取り戻せるかが焦点となる。

  • エステバン・オコン ハースF1と2027年の将来を協議「今まさに話している」

    エステバン・オコン ハースF1と2027年の将来を協議「今まさに話している」

    エステバン・オコンは、2027年のF1シートを巡ってハースF1チームとの話し合いを開始したことを明らかにした。一方で、チームが他のドライバーをテストしていることについては問題視せず、「ドライバーが問題ではない」と強調している。

    ハースF1では2027年のドライバーラインアップを巡る動きが注目されているが、オコンは自身の将来よりも、まずVF-26で続いている2台間のパフォーマンスのばらつきを解消することが最優先だと説明。

    初開催となるマドリンクで行われるF1スペインGPでも、その問題への対応が重要になると語った。

    2027年についてハースF1と交渉開始
    オコンは、2027年の去就についてハースF1との話し合いがすでに始まっていることを認めた。

    「もちろん、ここ数週間は将来について話し合っている。僕は2025年から小松さんとこのプロジェクトに加わることを決めた。当然、最初に話をするべきなのはこのチームだし、今まさにその話し合いをしている」

    一方、ハースF1がTPC(旧型車テスト)プログラムを通じて他のドライバーを走らせていることについて、オコンは自身のシートに対する直接的な脅威とは捉えていない。

    「でも、チームは望むのであれば、どんなドライバーでもテストすることができる。僕たちにはTPCプログラムがあり、それはチームにとって非常に重要だ。ある意味では収入源にもなっている」

    そして、現在ハースが抱えている問題はドライバーラインアップではないとの考えを明確にした。

    「ただ、チームの中ではドライバーが問題ではないことは明らかだ。僕たちは全員で同じ方向に向かって、マシンからもっと引き出そうとしている。僕もオリーも、パフォーマンスを発揮できるマシンがあれば、それを結果につなげている」

    そのため、現段階では2027年のシートを巡る憶測に意識を向けるつもりはないという。

    「今の僕が考えているのは、自分たちにできることから最大限を引き出すこと、マシンの問題を解決すること、この新しいサーキットを学ぶこと、そして、いい結果を出すことだけだ」

    ハースVF-26のアップデートには好感触
    ハースF1は前戦イタリアGPでVF-26にアップデートを投入した。オコンは、モンツァが新パーツを評価するには理想的なコースではなかったとしながらも、最初の感触はポジティブだったと振り返った。

    「ポジティブだったと思う。アップデートを投入できたことは、明らかにチーム全体にとってプラスだった。もちろん、モンツァはそれをテストするにはベストなサーキットではなかったけど、あそこで投入できたことはとてもよかった」

    しかし、アップデートとは別に、ハースにはシーズン序盤から続いている課題があるという。それが2台のマシン間でパフォーマンスを安定させられていないことだ。

    「僕たちはまだ2台のマシン間の一貫性について取り組んでいる。それが今、僕たちを苦しめている部分だ。今週末に解決しなければならないことだと思う。でも、アップデート自体は非常にポジティブだったし、ここでどれだけのゲインをもたらしてくれるのか楽しみにしている」

    「シーズン開幕から抱えている問題」
    オコンによれば、同じ仕様のマシンでありながら、2台が同じようなパフォーマンスを発揮できない状況は今季を通して発生している。

    「これは今シーズンの最初から僕たちが直面していることだ。僕も小松さんもオリーも、そのことは十分に理解している。マシンを健全な状態、つまり本来のパフォーマンスを発揮できる状態に持っていくことができれば、僕たちドライバーもそれぞれのガレージでパフォーマンスを発揮できる」

    イタリアGPではベアマンのVF-26が期待どおりに機能した一方、オコン側では同じ状態を再現できなかったという。

    「先週はオリーのマシンが僕たちの期待していたものを出していた。一方で僕の側ではそうではなかったけど、状況はかなり違っていた」

    「例えばブダペストでは、その問題を抱えていたのはオリーの方だった」

    こうした問題によって、通常のセットアップ作業ではなく、失われたパフォーマンスを取り戻すところから週末を始めなければならないケースが生じている。

    「僕たちはそうしたことを把握しているし、現時点ではそれを解決することが最優先だ。こうした問題を抱えず、普通に週末をスタートして、単純にマシンのセットアップに取り組めるようにしたい」

    「パフォーマンス面で最初から不足を抱えて、それを追いかけなければならなくなると難しくなる」

    エステバン・オコン(ハースF1チーム)

    3戦連続Q2も「望んでいる結果ではない」
    それでもオコンは、直近のレースでハースF1が行ってきた仕事については一定の手応えを感じている。

    「この状況だからといって、ここ数戦でチームがやってきたいい仕事が否定されるわけではない。僕たちは3戦連続でQ2に進んでいる。もちろんQ3ではないけど、僕自身はマシンから引き出せる最大限のものを引き出したと感じている」

    「何も残していなかったと思う」

    ただし、ハースF1が目指しているのはQ2進出ではなく、コンスタントにポイントを争える位置だ。

    「もちろん、これは僕たちが望んでいる結果ではない。ポイントを争うためには、明らかにもっとパフォーマンスが必要だ」

    「それでも『これが自分たちにあったマシンだった。そのマシンから最大限を引き出せたかもしれない』と言えることには満足できる」

    「そこから、ここを改善しなければいけない、あそこに取り組まなければいけないと考えることができる。それが僕たちがやっていることだ。最近は僕たちの側でとてもいい仕事ができていると思う。だから、それを続けなければならない」

    F1初開催マドリンク「リスクを取るほど報われる」
    今週末のスペインGPは、マドリードに新設されたマドリンクで初めて開催される。オコンにとっても、全ドライバーがほぼ同じ条件からスタートする新しい挑戦となる。

    「素晴らしいと思う。マドリードに来られたことも素晴らしいし、新しいサーキットを経験できることも素晴らしい。F1でまったく新しいコース、新しい場所に来るのは久しぶりだ」

    市街地要素を持つマドリンクでは、壁との距離を詰めながら限界を探ることが重要になると予想している。

    「もちろん、完全にクレイジーなサーキットだ。リスクとリターンが大きいし、速く走ろうとすれば壁に近づかなければならない。よりリスクを取ったドライバーが報われることになると思う」

    さらに、過去のデータが存在しないことが、中団チームにとってチャンスにつながる可能性があると期待する。

    「フェルナンドが言っていたように、分からないことがたくさんある。それはとてもいいことだと思う。中団のマシンにチャンスを与えてくれることを期待している」

    「戦略にも未知の部分があるし、レース中に赤旗が出るかもしれない。それ以外にも何が起こるか分からない。そういう状況を僕たちが生かせればと思っている」

    2027年のシートを巡ってハースF1との交渉が始まったオコンだが、本人が最優先に掲げるのはVF-26の問題解決だ。2台が本来の性能を安定して発揮できる状態を作り出し、ポイント争いへ戻ることが、自身の将来を切り開くうえでも重要な課題となる。

  • ラファエル・カマラ ハースF1テストでベアマン超え「唯一の障壁はトヨタ」

    ラファエル・カマラ ハースF1テストでベアマン超え「唯一の障壁はトヨタ」

    ラファエル・カマラが、2027年のF1シート獲得に向けて大きく前進している。ハースがポルティマオで実施したTPC(旧型車テスト)で、現役ドライバーのオリバー・ベアマンが設定した基準タイムを上回ったという。

    フェラーリ・ドライバー・アカデミーに所属する21歳のカマラは、8月末にポルトガルのアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われたハースの3日間のテストに参加。レオナルド・フォルナローリ、平川亮とともに評価を受け、ベアマンが比較対象として走行した。

    ベアマンを上回ったカマラ
    ブラジル人F1ジャーナリストのジュリアン・セラソリによると、カマラは単にベアマンのペースに迫っただけではなく、最終的にそのタイムを上回ったという。

    「ラファ・カマラはハースのテストでベアマンのペースに並んだだけではありません。実際にベアマンより速かったんです」

    セラソリは自身のポッドキャスト『In the F1 Paddock with Ju Cerasoli』でそう説明した。

    「私が聞いた表現をそのまま使うと、『まるでもう1段ギアを持っているようだった』ということでした。テストにはさまざまな項目がありましたが、そのすべてで非常に良かったそうです」

    テスト終盤には、各ドライバーがほぼ同じ条件で3周のアタックを行う比較プログラムが組まれたという。

    「最後に各ドライバーが3周の速いラップを走りました。基本的には同じ条件です。そのとき、ラファはベアマンより速かったんです。ベアマンは基準を作るためにこのテストに参加していました」

    カマラのパフォーマンスについては、ブラジルのgeもベアマンが記録した基準タイムを上回ったと報道。さらにフォルナローリに約0.2秒、平川に0.3秒以上の差をつけたと伝えられている。

    今回使用されたのは2025年型のVF-25であり、ベアマンにとっては前年のF1シーズンを戦った経験のあるマシンだった。一方、カマラにとってハースでのテストは初めてで、ポルティマオでの走行経験もなかった。

    それでも純粋な速さだけでなく、マシンへの適応力やエンジニアへのフィードバックでも高い評価を得たとされている。

    2027年ハースF1シート争いで急浮上
    ハースは2027年のドライバーラインナップをまだ確定していない。

    オリバー・ベアマンは残留する可能性が高い一方、エステバン・オコンの将来は不透明となっており、そのシートを巡って複数の候補が争っている。

    カマラはその有力候補のひとりだ。現在F2に参戦しており、ランキングでは首位ニコラ・ツォロフと11ポイント差の2位につけている。

    さらにフェラーリ側もカマラのF1昇格を強く後押ししている。

    フェラーリのフレデリック・バスール代表は以前、カマラについて、単なる資金面だけでなく旧型F1マシンを使ったテストなどにも多額の投資を行い、F1昇格に向けた準備を進めていることを明かしている。

    今回のハースでのテスト結果によって、その評価はさらに高まったようだ。

    「シートは彼のもの。ただしリスクはトヨタ」
    しかし、セラソリによれば、カマラが2027年のハースF1シートを獲得するうえで、まだひとつ大きな障壁が残されている。

    それがトヨタだ。

    ハースはフェラーリからパワーユニットやギアボックスなどの供給を受ける一方、トヨタとも技術提携を結んでいる。今回のTPCプログラムを拡大できた背景にも、トヨタとの協力関係がある。

    そのため、すでにベアマンというフェラーリ育成出身のドライバーを起用しているハースが、さらにフェラーリ育成のカマラを加入させることに対して、トヨタ側がどのような判断を下すかがポイントになるという。

    「シートは彼のものです。ただし、リスクはトヨタです」

    セラソリはそう説明した。

    「彼らが『ちょっと待ってくれ。フェラーリのドライバーを2人乗せるのか? 我々のスポンサーシップやパートナーシップについて分かっているのか? それなら見直さなければならない』と言う可能性があります」

    トヨタが支援する平川亮も今回のテストに参加しており、ハースのリザーブドライバーを務めている。

    一方、フォルナローリにはマクラーレンの支援がある。つまり、2027年のシート争いは単純なラップタイムだけでなく、フェラーリ、トヨタ、マクラーレンとハースの関係も絡む複雑な構図となっている。

    ラファエル・カマラ ハースF1チーム トヨタ

    カマラは「できることをすべてやった」
    それでも、カマラ自身がコントロールできる部分については、ほぼ最高の結果を残したとセラソリは評価する。

    「ラファはテストで素晴らしいパフォーマンスを見せましたし、非常に優れたスポンサーのパッケージも持っています。だからハースに対して、自分を可能な限り最高のポジションに置いています。彼にこれ以上できることはありません」

    「パドックで多くの人と話しましたが、彼からシートを奪う可能性があるとすれば、トヨタとフォルナローリを巡る動きです。あのテストの後、彼の評価は非常に、非常に、非常に高くなりました。ただ、状況はより複雑になっています」

    ハースが最終的に純粋なパフォーマンスをどこまで重視し、フェラーリとトヨタという2つの重要なパートナーとの関係をどう整理するのか。

    少なくともポルティマオでカマラは、現役のベアマンを基準とした直接比較で自らの速さを示した。2027年のF1デビューに向け、コース上でできるアピールを終えたカマラにとって、残された最大の不確定要素はハースとトヨタの判断になりそうだ。