2026年F1第13戦イタリアGPのフリー走行1回目がモンツァで行われ、シャルル・ルクレールが1分23秒008でトップタイムを記録した。2番手にはルイス・ハミルトンが0.173秒差で続き、フェラーリがティフォシの前で1-2発進を決めた。
3番手はジョージ・ラッセル、4番手は負傷中のアイザック・ハジャーに代わってレッドブルをドライブするリアム・ローソン。レーシングブルズの角田裕毅は12番手、マックス・フェルスタッペンに代わってレッドブルのRB22を走らせた岩佐歩夢は17番手だった。
猛暑のモンツァでFP1開始 4人の若手ドライバーが出走
セッション開始時のモンツァは気温約30度、路面温度50度という厳しい暑さとなった。今週末は「ヒートハザードイベント」に指定されており、FP1からタイヤやマシンの熱管理が重要なテーマとなった。
このセッションでは4チームがルーキー走行義務を消化。レッドブルでは岩佐歩夢がフェルスタッペン、ウィリアムズではルーク・ブラウニングがアレクサンダー・アルボン、アルピーヌではポール・アロンがピエール・ガスリー、キャデラックではコルトン・ハータがセルジオ・ペレスに代わって出走した。
一方、レッドブルでは前戦オランダGPに続いてローソンがハジャーの代役を務め、それに伴って角田裕毅もレーシングブルズでアービッド・リンドブラッドとコンビを組んだ。
ピレリはC3、C4、C5を用意。スタート直後から多くのマシンがコースへ向かい、大半がハードを選択した一方、一部はミディアム、ローソンはソフトで走行を開始した。岩佐歩夢は隊列の先頭でコースインし、フロントタイヤ後方に大型のエアロレーキを装着して空力データの収集を進めた。
ローソンが序盤をリード トップ6が0.187秒以内
各車がタイムを出し始めると、ソフトを履いたローソンが1分24秒383でトップに浮上。ミディアムのオスカー・ピアストリを0.011秒上回った。
その後方も僅差で、ルクレール、アンドレア・キミ・アントネッリ、ランド・ノリス、ラッセルまでトップ6がわずか0.187秒以内に収まった。
ノリスはハンガリーGPとオランダGPで2連勝を飾ってモンツァ入りしており、好調を維持したままイタリアGPを迎えた。マクラーレンはモンツァで回転式の「Hウイング」を実戦投入し、ノリス車ではリアウイングにフロービズを塗ってその挙動を確認。オンボード映像ではウイングが大きく動く様子も見られ、チームはデータを収集しながら走行を重ねた。
モンツァでは各チームがストレートスピードを重視したロードラッグ仕様を投入。フェラーリ、マクラーレン、レッドブル、レーシングブルズなどがそれぞれ特徴的なリアウイングを持ち込み、高速サーキットに合わせたセットアップの確認を進めた。
ハミルトンが一時トップ フェラーリは新PUを実戦投入
セッション序盤から存在感を示したのがフェラーリだった。ハミルトンがトップタイムを記録し、ルクレールも上位につけるなど、ホームチームが早い段階からペースを示した。
フェラーリはモンツァに合わせた特別リバリーでホームレースに臨み、さらに新しいPUを投入。ルクレールとハミルトンはハードからミディアムへとつなぐプログラムで、新PUとロードラッグ仕様のパッケージを確認した。
ハミルトンに代わってノリスが1分23秒719でトップに立つと、ラッセルが0.083秒差で続いた。各チームがまだ異なるタイヤとプログラムを使用していたものの、上位勢のタイムは徐々に1分23秒台へと入っていった。
トラフィックも問題に 岩佐歩夢と角田裕毅がアロンに遭遇
全22台が早い段階から走行したことで、全長5.793kmのモンツァではトラフィックも問題となった。
岩佐歩夢はレーシングライン上を低速で走っていたアロンに遭遇。自身はエアロレーキを装着した計測走行中でアタックラップではなかったものの、無線で不満を伝えた。
その後、角田裕毅もアロンに行く手を阻まれ、無線で反応。アロンはFP1でレギュラードライバーのガスリーに代わって走行していたが、短時間に2台からトラフィックについて不満を示される形となった。
ハータが油圧系トラブル VSCから赤旗へ
セッション開始から20分に満たないところで流れが止まった。ハータのキャデラックがコース上にストップし、まず黄旗、続いてVSCが導入された。
チームからマシンを止めるよう指示されたハータはバリアの開口部に近い場所までマシンを運んだものの、自力で再始動することはできなかった。マーシャルによる撤去作業が必要となったため、セッションは赤旗中断となった。
キャデラックは油圧系のトラブルを疑っており、マシンがギアに入った状態で止まっていた可能性もあった。ハータにとって今季3回目となったF1のFP1走行は、わずか5周で終了した。

再開後にソフト投入 ラッセルがトップへ
残り30分あまりでセッションが再開されると、各チームは本格的なパフォーマンスランに移った。
ラッセル、フランコ・コラピント、ローソンらが新品ソフトを装着。アントネッリも赤旗直前に履いていた使用歴の少ないソフトでコースへ戻った。
ラッセルは最初のアタックで1分23秒312を記録してトップに浮上。だが、そのタイムは長く首位には残らなかった。
ルクレールがミディアムで1分23秒008 ソフト勢を上回る
ラッセルがトップに立った直後、ルクレールが1分23秒008を記録して首位を奪った。
注目されたのはタイヤの違いだった。ラッセルがソフトを履いていたのに対し、ルクレールはミディアムのまま0.304秒上回った。この段階ではすでに9台がソフトを使用していたが、それでもルクレールのタイムが全体の基準となった。
新PUを実戦投入したフェラーリにとっては好材料となり、ロードラッグ仕様との組み合わせもFP1では順調な滑り出しを見せた。
母国GPを迎えたアントネッリもソフトで上位につけた。今週末は親交の深いMotoGPレジェンド、バレンティーノ・ロッシをモチーフにした特別ヘルメットを使用している。
ただし、チャンピオンシップを59ポイント差でリードするアントネッリは、これまでの信頼性トラブルの影響でPUコンポーネントの年間使用上限を超えており、決勝は最後尾からスタートする予定。母国でのFP1は純粋な速さだけでなく、決勝での追い上げを見据えた準備も重要となった。
終盤はグラベルに苦しむドライバーも
セッション終盤にはコースオフも相次いだ。ルクレールはグラベルに片輪を落として砂煙を上げ、オリバー・ベアマンもコーナーをカットした後にグラベルを横切った。
フェルナンド・アロンソもタイヤをグラベルへ落とし、リアが流れかけたものの、アクセルを大きく戻すことなくマシンをコントロールしてコースにとどまった。
路面温度は最終的に53度まで上昇。高温の路面に加えてグラベルがコース上に持ち込まれる場面もあり、最後まで難しいコンディションが続いた。
ハミルトンが2番手に浮上 フェラーリ1-2でセッション終了
残り時間が少なくなってもルクレールの1分23秒008は破られなかった。ハミルトンは終盤に最終セクターでスリップストリームの恩恵も受けながら1分23秒181までタイムを縮め、0.173秒差の2番手に浮上した。
これでフェラーリが1-2。ラッセルが0.304秒差の3番手、ローソンが0.425秒差の4番手となり、アントネッリが5番手、ノリスが6番手に続いた。
7番手はレーシングブルズのリンドブラッド。アウディのガブリエル・ボルトレトが8番手、アルピーヌのコラピントが9番手、アロンが10番手となった。
ピアストリは11番手、角田裕毅は1分24秒571で12番手。ニコ・ヒュルケンベルグ、ベアマン、ブラウニング、カルロス・サインツJr.が続き、岩佐歩夢は24周を走行して1分24秒873の17番手でFP1を終えた。
エステバン・オコンが18番手、バルテリ・ボッタスが19番手。アストンマーティン・ホンダ勢はランス・ストロールが20番手、アロンソが21番手となり、トップからともに3秒以上の差がついた。トラブルで早々に走行を終えたハータが22番手だった。
フェラーリがティフォシの前で理想的なスタートを切った一方、FP1だけで勢力図を断定するのは早い。メルセデス勢は異なるプログラムを消化し、マクラーレンもHウイングを含むテストを実施していた。さらにフェルスタッペン、アルボン、ガスリー、ペレスはFP1を走行していない。
FP2では4人のレギュラードライバーがマシンに戻り、各チームの予選シミュレーションやロングランも本格化する。ルクレールがミディアムで示した速さがどこまで本物なのか、金曜日午後の走行でモンツァの勢力図がさらに鮮明になりそうだ。















