タグ: F1

  • F1イタリアGP フリー走行1回目 詳報:ルクレール最速 フェラーリが1-2発進

    F1イタリアGP フリー走行1回目 詳報:ルクレール最速 フェラーリが1-2発進

    2026年F1第13戦イタリアGPのフリー走行1回目がモンツァで行われ、シャルル・ルクレールが1分23秒008でトップタイムを記録した。2番手にはルイス・ハミルトンが0.173秒差で続き、フェラーリがティフォシの前で1-2発進を決めた。

    3番手はジョージ・ラッセル、4番手は負傷中のアイザック・ハジャーに代わってレッドブルをドライブするリアム・ローソン。レーシングブルズの角田裕毅は12番手、マックス・フェルスタッペンに代わってレッドブルのRB22を走らせた岩佐歩夢は17番手だった。

    猛暑のモンツァでFP1開始 4人の若手ドライバーが出走
    セッション開始時のモンツァは気温約30度、路面温度50度という厳しい暑さとなった。今週末は「ヒートハザードイベント」に指定されており、FP1からタイヤやマシンの熱管理が重要なテーマとなった。

    このセッションでは4チームがルーキー走行義務を消化。レッドブルでは岩佐歩夢がフェルスタッペン、ウィリアムズではルーク・ブラウニングがアレクサンダー・アルボン、アルピーヌではポール・アロンがピエール・ガスリー、キャデラックではコルトン・ハータがセルジオ・ペレスに代わって出走した。

    一方、レッドブルでは前戦オランダGPに続いてローソンがハジャーの代役を務め、それに伴って角田裕毅もレーシングブルズでアービッド・リンドブラッドとコンビを組んだ。

    ピレリはC3、C4、C5を用意。スタート直後から多くのマシンがコースへ向かい、大半がハードを選択した一方、一部はミディアム、ローソンはソフトで走行を開始した。岩佐歩夢は隊列の先頭でコースインし、フロントタイヤ後方に大型のエアロレーキを装着して空力データの収集を進めた。

    ローソンが序盤をリード トップ6が0.187秒以内
    各車がタイムを出し始めると、ソフトを履いたローソンが1分24秒383でトップに浮上。ミディアムのオスカー・ピアストリを0.011秒上回った。

    その後方も僅差で、ルクレール、アンドレア・キミ・アントネッリ、ランド・ノリス、ラッセルまでトップ6がわずか0.187秒以内に収まった。

    ノリスはハンガリーGPとオランダGPで2連勝を飾ってモンツァ入りしており、好調を維持したままイタリアGPを迎えた。マクラーレンはモンツァで回転式の「Hウイング」を実戦投入し、ノリス車ではリアウイングにフロービズを塗ってその挙動を確認。オンボード映像ではウイングが大きく動く様子も見られ、チームはデータを収集しながら走行を重ねた。

    モンツァでは各チームがストレートスピードを重視したロードラッグ仕様を投入。フェラーリ、マクラーレン、レッドブル、レーシングブルズなどがそれぞれ特徴的なリアウイングを持ち込み、高速サーキットに合わせたセットアップの確認を進めた。

    ハミルトンが一時トップ フェラーリは新PUを実戦投入
    セッション序盤から存在感を示したのがフェラーリだった。ハミルトンがトップタイムを記録し、ルクレールも上位につけるなど、ホームチームが早い段階からペースを示した。

    フェラーリはモンツァに合わせた特別リバリーでホームレースに臨み、さらに新しいPUを投入。ルクレールとハミルトンはハードからミディアムへとつなぐプログラムで、新PUとロードラッグ仕様のパッケージを確認した。

    ハミルトンに代わってノリスが1分23秒719でトップに立つと、ラッセルが0.083秒差で続いた。各チームがまだ異なるタイヤとプログラムを使用していたものの、上位勢のタイムは徐々に1分23秒台へと入っていった。

    トラフィックも問題に 岩佐歩夢と角田裕毅がアロンに遭遇
    全22台が早い段階から走行したことで、全長5.793kmのモンツァではトラフィックも問題となった。

    岩佐歩夢はレーシングライン上を低速で走っていたアロンに遭遇。自身はエアロレーキを装着した計測走行中でアタックラップではなかったものの、無線で不満を伝えた。

    その後、角田裕毅もアロンに行く手を阻まれ、無線で反応。アロンはFP1でレギュラードライバーのガスリーに代わって走行していたが、短時間に2台からトラフィックについて不満を示される形となった。

    ハータが油圧系トラブル VSCから赤旗へ
    セッション開始から20分に満たないところで流れが止まった。ハータのキャデラックがコース上にストップし、まず黄旗、続いてVSCが導入された。

    チームからマシンを止めるよう指示されたハータはバリアの開口部に近い場所までマシンを運んだものの、自力で再始動することはできなかった。マーシャルによる撤去作業が必要となったため、セッションは赤旗中断となった。

    キャデラックは油圧系のトラブルを疑っており、マシンがギアに入った状態で止まっていた可能性もあった。ハータにとって今季3回目となったF1のFP1走行は、わずか5周で終了した。

    岩佐歩夢(レッドブル・レーシング) イタリアグランプリ

    再開後にソフト投入 ラッセルがトップへ
    残り30分あまりでセッションが再開されると、各チームは本格的なパフォーマンスランに移った。

    ラッセル、フランコ・コラピント、ローソンらが新品ソフトを装着。アントネッリも赤旗直前に履いていた使用歴の少ないソフトでコースへ戻った。

    ラッセルは最初のアタックで1分23秒312を記録してトップに浮上。だが、そのタイムは長く首位には残らなかった。

    ルクレールがミディアムで1分23秒008 ソフト勢を上回る
    ラッセルがトップに立った直後、ルクレールが1分23秒008を記録して首位を奪った。

    注目されたのはタイヤの違いだった。ラッセルがソフトを履いていたのに対し、ルクレールはミディアムのまま0.304秒上回った。この段階ではすでに9台がソフトを使用していたが、それでもルクレールのタイムが全体の基準となった。

    新PUを実戦投入したフェラーリにとっては好材料となり、ロードラッグ仕様との組み合わせもFP1では順調な滑り出しを見せた。

    母国GPを迎えたアントネッリもソフトで上位につけた。今週末は親交の深いMotoGPレジェンド、バレンティーノ・ロッシをモチーフにした特別ヘルメットを使用している。

    ただし、チャンピオンシップを59ポイント差でリードするアントネッリは、これまでの信頼性トラブルの影響でPUコンポーネントの年間使用上限を超えており、決勝は最後尾からスタートする予定。母国でのFP1は純粋な速さだけでなく、決勝での追い上げを見据えた準備も重要となった。

    終盤はグラベルに苦しむドライバーも
    セッション終盤にはコースオフも相次いだ。ルクレールはグラベルに片輪を落として砂煙を上げ、オリバー・ベアマンもコーナーをカットした後にグラベルを横切った。

    フェルナンド・アロンソもタイヤをグラベルへ落とし、リアが流れかけたものの、アクセルを大きく戻すことなくマシンをコントロールしてコースにとどまった。

    路面温度は最終的に53度まで上昇。高温の路面に加えてグラベルがコース上に持ち込まれる場面もあり、最後まで難しいコンディションが続いた。

    ハミルトンが2番手に浮上 フェラーリ1-2でセッション終了
    残り時間が少なくなってもルクレールの1分23秒008は破られなかった。ハミルトンは終盤に最終セクターでスリップストリームの恩恵も受けながら1分23秒181までタイムを縮め、0.173秒差の2番手に浮上した。

    これでフェラーリが1-2。ラッセルが0.304秒差の3番手、ローソンが0.425秒差の4番手となり、アントネッリが5番手、ノリスが6番手に続いた。

    7番手はレーシングブルズのリンドブラッド。アウディのガブリエル・ボルトレトが8番手、アルピーヌのコラピントが9番手、アロンが10番手となった。

    ピアストリは11番手、角田裕毅は1分24秒571で12番手。ニコ・ヒュルケンベルグ、ベアマン、ブラウニング、カルロス・サインツJr.が続き、岩佐歩夢は24周を走行して1分24秒873の17番手でFP1を終えた。

    エステバン・オコンが18番手、バルテリ・ボッタスが19番手。アストンマーティン・ホンダ勢はランス・ストロールが20番手、アロンソが21番手となり、トップからともに3秒以上の差がついた。トラブルで早々に走行を終えたハータが22番手だった。

    フェラーリがティフォシの前で理想的なスタートを切った一方、FP1だけで勢力図を断定するのは早い。メルセデス勢は異なるプログラムを消化し、マクラーレンもHウイングを含むテストを実施していた。さらにフェルスタッペン、アルボン、ガスリー、ペレスはFP1を走行していない。

    FP2では4人のレギュラードライバーがマシンに戻り、各チームの予選シミュレーションやロングランも本格化する。ルクレールがミディアムで示した速さがどこまで本物なのか、金曜日午後の走行でモンツァの勢力図がさらに鮮明になりそうだ。

  • F1イタリアGP フリー走行1回目 結果・タイムシート:角田裕毅は12番手

    F1イタリアGP フリー走行1回目 結果・タイムシート:角田裕毅は12番手

    F1イタリアGP フリー走行1回目の結果・タイムシート。9月4日(金)にモンツァ・サーキットで2026年のF1世界選手権 第13戦 イタリアグランプリのフリープラクティス1が行われた。

    トップタイムを記録したのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手にルイス・ハミルトン(フェラーリ)、3番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続いた。角田裕毅(レーシングブルズ)は12番手。アストンマーティン・ホンダは、ランス・ストロールが20番手、フェルナンド・アロンソが21番手だった。

    ■ フェラーリが1-2発進 ルクレールがミディアムで最速
    シャルル・ルクレールが1分23秒008でトップタイムを記録し、ルイス・ハミルトンが0.173秒差の2番手に続いた。特にルクレールはソフトではなくミディアムタイヤで最速タイムをマークしており、低ドラッグ仕様のマシンと新PUを投入したフェラーリがホームのモンツァで好スタートを切った。ハミルトンも最終セクターでスリップストリームを活用し、フェラーリがセッションを1-2で締めくくった。

    ■ 角田裕毅は12番手 リンドブラッドとは0.769秒差
    レーシングブルズの角田裕毅は1分24秒571で12番手。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは1分23秒802で7番手に入り、両者のベストタイム差は0.769秒となった。角田裕毅はハードとミディアムを使用し、途中には前方を走るポール・アロンのトラフィックに無線で不満を示す場面もあった。リンドブラッドはトップ10に入り、レーシングブルズがモンツァで競争力を発揮できる可能性を示した。

    ■ アストンマーティン・ホンダは下位 トップから3秒以上
    アストンマーティン・ホンダはランス・ストロールが20番手、フェルナンド・アロンソが21番手と厳しい滑り出しとなった。ストロールはトップから3.058秒差、アロンソは3.064秒差で、2台ともベストタイムでは3秒以上離された。アロンソは走行中にグラベルへタイヤを落としながらもアクセルを戻さずマシンを立て直す場面があった。高速ストレートが連続するモンツァで、新PUを含めたパッケージの仕上がりがFP2以降の焦点となる。

    ■ 岩佐歩夢は17番手 フェルスタッペンのRB22で24周
    マックス・フェルスタッペンに代わってレッドブルをドライブした岩佐歩夢は、1分24秒873で17番手。トップのルクレールから1.865秒差で24周を走り込んだ。序盤にはフロントタイヤ後方に大型のエアロレーキを装着してデータ収集を行い、ポール・アロンがレーシングライン上を低速走行していたことについて無線で不満を伝える場面もあった。

    ■ FP1出走の若手ではアロンが10番手 ブラウニング15番手
    FP1でレギュラードライバーに代わって出走した若手では、アルピーヌのポール・アロンが1分24秒177で10番手と最上位。ウィリアムズのルーク・ブラウニングは15番手、岩佐歩夢は17番手となった。一方、キャデラックのコルトン・ハータはわずか5周で走行を終え、22番手にとどまった。

    ■ ハータのマシントラブルで赤旗 キャデラックは油圧系を疑う
    セッション中盤にはコルトン・ハータがコース上にストップ。黄旗からVSCとなり、その後マーシャルがマシンを回収するため赤旗が提示された。キャデラックは油圧系のトラブルを疑っており、マシンがギアに入ったままになっていた可能性もあった。ハータはこのトラブルで十分な周回を重ねることができなかった。

    ■ ローソンが4番手 レッドブル代役で再び存在感
    負傷したアイザック・ハジャーに代わってレッドブルをドライブするリアム・ローソンは、1分23秒433で4番手。トップから0.425秒差につけ、ジョージ・ラッセルに続く位置に入った。ローソンが今週末もレッドブルをドライブすることが正式に決まったのは水曜日だったが、限られた準備時間の中で再び上位につけた。

    ■ 低ドラッグ仕様のリアウイングが焦点 マクラーレンは挙動を確認
    モンツァでは各チームがストレートスピードを重視した低ドラッグ仕様を投入。フェラーリ、マクラーレン、レッドブル、レーシングブルズなどが反転したような形状のリアウイングを持ち込んだ。ランド・ノリスのマクラーレンにはフロービズが塗布され、リアウイングのフラップ機構の動きを確認。オンボード映像ではウイングが大きく動く様子も見られ、FP2までに調整が加えられる可能性がある。

    ■ 路面温度50度超の猛暑 タイヤとエネルギー管理も重要に
    FP1は気温約30度、路面温度50度を超える非常に暑いコンディションで行われた。ピレリはC3、C4、C5という比較的ソフト寄りの組み合わせを持ち込み、週末は「ヒートハザードイベント」に指定されている。高速区間が長くエネルギー管理も難しいモンツァ

    イタリアグランプリ

    F1イタリアGP フリー走行1回目 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム タイム GAP LAP
    1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1分23秒008   29
    2 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1分23秒181 0.173 26
    3 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1分23秒312 0.304 27
    4 30 リアム・ローソン レッドブル 1分23秒433 0.425 26
    5 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1分23秒644 0.636 27
    6 1 ランド・ノリス マクラーレン 1分23秒719 0.711 26
    7 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1分23秒802 0.794 29
    8 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1分24秒006 0.998 21
    9 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 1分24秒028 1.020 27
    10 61 ポール・アロン アルピーヌ 1分24秒177 1.169 23
    11 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン 1分24秒184 1.176 26
    12 22 角田裕毅 レーシングブルズ 1分24秒571 1.563 27
    13 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1分24秒626 1.618 27
    14 87 オリバー・ベアマン ハース 1分24秒646 1.638 28
    15 46 ルーク・ブラウニング ウィリアムズ 1分24秒740 1.732 25
    16 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ 1分24秒827 1.819 25
    17 36 岩佐歩夢 レッドブル 1分24秒873 1.865 24
    18 31 エステバン・オコン ハース 1分25秒852 2.844 26
    19 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 1分25秒984 2.976 27
    20 18 ランス・ストロール アストンマーティン 1分26秒066 3.058 23
    21 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 1分26秒072 3.064 21
    22 25 コルトン・ハータ キャデラック 1分29秒922 6.914 5
  • ピエール・ガスリー F1モナコGP表彰台を再び失う FIA控訴審で裁定覆る

    ピエール・ガスリー F1モナコGP表彰台を再び失う FIA控訴審で裁定覆る

    ピエール・ガスリーは、2026年F1モナコGPで一度取り戻していた3位表彰台を再び失うことになった。FIA国際控訴裁判所(ICA)が、マクラーレンとレッドブル・レーシングによる控訴を認め、ガスリーに科されていた2件の5秒タイムペナルティを復活させた。

    これにより、レッドブルのアイザック・ハジャーが3位に復帰し、オスカー・ピアストリが4位、リアム・ローソンが5位、アービッド・リンドブラッドが6位へ繰り上がる。ガスリーは合計10秒のペナルティによって7位に再分類される。

    FIAは9月4日、8月25日にパリで行われた審理の裁定を正式に発表した。

    ガスリーの2件の5秒ペナルティが復活
    6月7日に行われたモナコGPで、ガスリーはコース上では3位でフィニッシュした。しかしレース中にピットレーンの制限速度違反が2度あったとして、それぞれ5秒、合計10秒のタイムペナルティを受けた。

    当初の計測では、ガスリーは60km/hの制限に対して60.1km/hと60.4km/hを記録したとされていた。ガスリーはレース中にペナルティを消化していなかったため、チェッカー後に10秒が加算され、暫定結果では7位に降格。ハジャーが3位へ繰り上がっていた。

    ところがアルピーヌはレース後、FIA国際スポーティングコード第14条に基づく「再審査請求(Right of Review)」を提出した。

    チームが新たな証拠を提示した結果、ピットレーン速度を算出する際に使用された計測に問題があり、実際にはガスリーが制限速度を超えていなかったことを示すデータが明らかになった。

    スチュワードは6月12日、この情報が当初の裁定時には入手できなかった「重要かつ関連性のある新たな要素」に該当すると判断。2件の5秒ペナルティを取り消し、ガスリーを3位へ戻した。

    マクラーレンとレッドブルが控訴
    しかし、この裁定にマクラーレンとレッドブルが異議を唱えた。

    特に問題となったのは、同じピットレーン速度違反でペナルティを受けた他のドライバーとの公平性だった。

    オスカー・ピアストリはレース中に5秒ペナルティを消化済み。一方、ジョージ・ラッセルもペナルティに関連してレース中にタイムを失っていた。すでに消化されたペナルティによって失った時間を、レース後になって結果から取り除く仕組みはF1の規則には存在しない。

    それに対し、ガスリーはペナルティをレース中に消化していなかったため、チェッカー後に加算された10秒を取り消すだけで元の3位へ戻ることができた。

    マクラーレンは控訴に際し、問題は特定のライバルを対象にしたものではなく、「スポーツ上の公平性、規則適用の一貫性、競技の完全性」に関わるものだと説明していた。

    マクラーレンとレッドブルは6月16日、スチュワードが6月12日に下した裁定をFIA国際控訴裁判所へ正式に控訴。8月25日にパリで審理が行われた。

    2026年 モナコグランプリ

    FIA国際控訴裁判所がアルピーヌの裁定を覆す
    FIA国際控訴裁判所は9月4日、マクラーレンとレッドブルの控訴を認める裁定を発表した。

    裁判所は、両チームの控訴を受理可能と認定したうえで、6月12日にスチュワードが下したガスリーの2件のペナルティ取り消し決定を破棄した。

    さらに、当初ガスリーに科されていた2件の5秒タイムペナルティは有効であるとし、FIA司法・懲戒規則の権限に基づいてこれを再び科すことを決定した。

    FIAは裁定について次のように発表している。

    「控訴を認め、2026年モナコGPのスチュワードが2026年6月12日付文書99で下した決定1および2を破棄する」

    「文書73および75によって10号車のドライバー、ピエール・ガスリーに科された2件の5秒タイムペナルティは有効であると宣言し、司法・懲戒規則第14.12.1条および第14.12.2条によって与えられた権限を行使して、これを再び科す」

    また、FIAは管轄するスポーツ当局に対し、最終レース結果とチャンピオンシップポイントを含め、今回の裁定を反映した修正を行うよう命じた。

    ハジャーがレッドブル加入後初表彰台を取り戻す
    この裁定によって、6月7日のモナコGPの順位は再び変更される。

    優勝したメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリと2位ルイス・ハミルトンに変更はないが、ハジャーが3位へ復帰。レッドブル加入後初となる表彰台を改めて手にすることになった。

    ピアストリは4位、ローソンは5位、リンドブラッドは6位へそれぞれ繰り上がり、ガスリーは7位となる。

    ガスリーにとっては、モナコでチェッカーを3位で受けた後、一度はペナルティによって7位へ降格し、アルピーヌの再審査請求によって3位へ復帰。そして約3カ月後の国際控訴裁判所の裁定によって、再び7位へ戻される異例の展開となった。

    2026年F1モナコGPの結果をめぐる長期の法的手続きは、マクラーレンとレッドブルの控訴が認められたことで決着。ガスリーの表彰台は取り消され、ハジャーの3位が正式に復活することになった。

  • F1イタリアGP 木曜会見PART2:アントネッリ 母国GPで最後尾から逆襲へ

    F1イタリアGP 木曜会見PART2:アントネッリ 母国GPで最後尾から逆襲へ

    2026年F1第13戦イタリアGPを前に行われた木曜記者会見のPART2には、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリ、レッドブル・レーシングのリアム・ローソン、アストンマーティンのランス・ストロールが出席した。

    母国GPを選手権リーダーとして迎えるアントネッリは、グリッド降格によってむしろプレッシャーから解放されたと説明。フェラーリ移籍説やメルセデスへの思い、モンツァをペナルティ消化の舞台に選んだ理由にも言及した。

    Q:母国モンツァに世界選手権首位として戻ってきました。どれほど特別に感じていますか?
    アンドレア・キミ・アントネッリ: とても特別だ。去年とは間違いなく大きく違う。最後尾からのスタートにはなるけど、今週末をとても楽しみにしている。大きなチャンスもあると思っているし、以前よりずっと楽しめると思う。いいレースができればと思っている。

    Q:ファンのために特別なヘルメットを用意していますか?
    アントネッリ: うん。今夜発表するスペシャルヘルメットがある。僕にとって特別な人で、親しい友人でもある人とのコラボレーションによる、とても特別なヘルメットだ。すごくクールだと思うよ。

    Q:グリッドペナルティによって最後尾からスタートします。それは今週末への考え方をどう変えますか?
    アントネッリ: ある意味ではプレッシャーを軽減してくれると思う。もちろん本当ならポールを争ってフロントからスタートしたい。でも少しリラックスして週末に入れるし、ドライビングや週末そのものをもっと楽しめると思う。それに、いつもとは違うチャンスでもある。特にフリー走行では普段とは違うやり方や作業方法を試せる。とても興味深い週末になると思う。

    Q:このサーキットはマシンにどれくらい合うと思いますか? 最後尾からどこまで順位を上げられるでしょうか?
    アントネッリ: 僕たちにかなり合う可能性のあるサーキットだと思う。ただ、マクラーレンがどれだけ強いか、過去2戦でどれだけ強かったかは見てきた。フェラーリも、特に新しいエンジンがあるから間違いなく上位に来るだろう。僕たちのマシンはカナダ以降アップデートがないけど、それでも非常に強い。このコースは僕たちに合う可能性があるけど、フェラーリ、マクラーレン、それにレッドブルも速いかもしれない。特にフェラーリとマクラーレンが前方にいることは考慮しなければならない。

    Q:リアム、アイザック・ハジャーの欠場によって、再びレッドブルで走る機会が巡ってきました。今週末はどんな気持ちで臨みますか?
    リアム・ローソン: とにかく最大限に生かしたい。僕にとって興味深い立場だ。ザントフォールトはスプリント週末でかなりストレスのかかる場面もあったけど、全体的にはいい週末だった。少なくとも一度経験しているから、今回はもう少し適応しやすいはずだ。それに今回は3回のフリー走行があり、もっと通常の週末になる。だから、またいいチャンスだ。

    Q:今週末にレースへ出場すると知ったのはいつですか?
    ローソン: 水曜日だ。この1週間はずっと、どうなるか待っているような状態だった。もちろんアイザックにも回復するための最大限のチャンスを与えようとしていた。でも心のどこかでは、自分が走る可能性がまだあることは分かっていた。水曜日になってようやく決まったからかなり遅く感じたけど、それでもシミュレーターセッションを行い、通常どおり週末の準備をする時間はあった。

    Q:ザントフォールト以降はどちらのチームのエンジニアと話をしていたのですか?
    ローソン: 正直に言えば両方だ。どちらになっても準備できるように、両方やっていた。両チーム、両方のマシンを理解しておく必要がある。ドライブした感じはかなり違うから、シミュレーターでさえ2台を行き来するのは簡単ではない。正直、それが最大のチャレンジだった。でも水曜日にようやく答えが出て、今はこのマシンだけに集中できる。それはよかった。

    Q:2台はドライブした感じが違うとのことですが、具体的にどこが違うのでしょうか?
    ローソン: すべてだ。パワーユニット以外はかなり違う。レッドブルで最も印象的なのは、僕のマシンから乗り換えたときに感じる高速域のグリップだ。でもマシンの走らせ方やバランスも大きく違う。あまり多くは言えないけど、本当に違うマシンだ。ステアリングを通じて得られるフィードバック、マシンの感触、動き方、すべてがかなり違う。

    Q:ランス、アストンマーティンはここ数戦で3秒近く改善しました。ハンガリー以前と比べて、マシンはどれくらい違って感じますか?
    ランス・ストロール: ずっと良くなった。ハンガリー以降、間違いなく大きく改善している。いい感じだ。

    Q:具体的にどこが良くなりましたか?
    ストロール: すべてだ。ダウンフォースが増えた。だから、より速くコーナーを回れる。

    Q:前戦ではホンダが新しいパワーユニットを投入しました。ドライバビリティについて、まだどの部分を改善する必要がありますか?
    ストロール: まだパワーでは劣っている。だから、もっとパワーが必要だ。それとドライバビリティにも取り組んでいる。複雑なものだから、少しずつ改善していくしかない。

    Q:スロットルオンだけでなく、オフスロットルでも課題がありますか?
    ストロール: ああ。すべてだ。コーナーに向けたシフトダウン、エンジンブレーキ、そういうすべてだ。ザントフォールトでは週末を通じて改善したけど、まだやるべきことはたくさんある。

    Q:残りのシーズンに向けて、チームはどんな目標を持っていますか?
    ストロール: 僕たちのマシンに合うサーキットで最大限の結果を出さなければならない。パワーでは劣っているから、モンツァのように長いストレートがある場所はより難しくなる。だからエンジンよりシャシーの比重が大きいサーキットでチャンスを生かさなければならない。ドライバビリティやシャシー側の開発にも取り組む必要がある。ただ、今は徐々に開発を落として2027年により集中し始めている。主なものはドライバビリティとパワーだ。そこを改善していく必要がある。

    Q:最後尾スタートによってプレッシャーは軽くなりますか? それでも優勝を狙えると思いますか?
    アントネッリ: 勝てたら最高にうれしいよ! 間違いなくプレッシャーは減る。さっきも言ったように、ほとんど何も考えず、自由な状態でマシンに乗ってドライビングと週末を楽しめると思う。もちろん目標はいつもと同じで、結果を最大限にしたい。理想的な世界なら、現実的にはトップ5まで行ければかなりいいと思う。ただ、すべては自分たちのペースとマシン同士の差次第だ。僕たちが速くても、フェラーリやマクラーレン、レッドブルとの差が小さければ、レース中に追いつくには十分ではないかもしれない。でも、やってみないと分からない。精神的には本当に自由だし、すごくワクワクしている。プレッシャーはない。

    Q:成功を重ねるほど、いつかフェラーリで走るという期待や憶測が強くなることについてどう考えていますか?
    アントネッリ: もちろん、そういうことはあると思う。僕自身イタリア人だから、僕たちがどれだけ感情的で、物事にどれだけ興奮するか分かっている。時には興奮しすぎることもあるよね。だから、そういう話は常に出てくると思う。でもフェラーリが巨大で素晴らしいブランドである一方、僕は今いる場所でとても幸せだ。メルセデスには本当に満足している。僕が子どものころからチャンスを与えてくれたのは彼らだからね。僕には彼らに返したいものがたくさんある。だから、そういう話とは付き合っていかなければならないね。

    Q:昨年から今年にかけて、精神面で最も変わったことは何ですか?
    アントネッリ: 去年ほど自分を証明する必要がなくなったことだ。昨年は難しい時期を経てここに来ていたし、自分がF1にいる資格があることを証明しなければならないと感じていた。それで自分自身に大きなプレッシャーをかけ、緊張した状態でドライブしていた。昨年はマシンに乗っていることを本当の意味では楽しめていなかった。今年は違う。素晴らしいマシンに乗れているのは幸運だけど、1年間の経験も大きな違いを生んでいる。自分自身もずっと成熟し、状況をよりコントロールできるようになった。良い結果が出れば、証明しなければならないことも減っていく。僕は勝てること、結果を出せることを証明した。だから今週末はホームレースだけど、結局は他と同じひとつのレースだ。1年間の経験がアプローチに大きな違いを生んでいる。

    Q:グリッドペナルティがあるため、自分の予選を犠牲にしてジョージ・ラッセルにスリップストリームを与える用意はありますか?
    アントネッリ: うん。チームとは話し合ったし、いくつかのことについて合意している。セッションがどう展開するかを見てみよう。チームから求められれば、もちろんやるよ。ポールを取れたらうれしいけど、最後尾からスタートすることに変わりはない。だからチームを助けるためにできることがあるならやるつもりだ。

    Q:ロジャー・フェデラーから「常にその瞬間にとどまり、次の一歩だけに集中すること」と助言されていました。どんなメンタル面のアプローチをしていますか?
    アントネッリ: そのアドバイスはしっかり受け止めた。「その瞬間にとどまる」ということだ。未来や、自分でコントロールできないことに集中しても意味はない。違いを生み出せるのは、自分でコントロールできることだ。その瞬間に集中して今を生き、自分にできるベストを尽くす。そのあと何が起きるかを見る。それも昨年と比べて大きく変わったところだし、とても役に立っている。

    Q:このマシンで最高速域を走ることはどれほど大変になりそうですか? また、ドライビングスタイルを変える必要はありますか?
    アントネッリ: 正直、シミュレーターで走った感じでは予想していたほど悪くなかった。スーパークリップもそれほど多くない。他のレースと比べてハーベストの制限を少し変更し、スーパークリップを減らしているからね。速度が頭打ちになる感じは増えるけど、大きく減速することはない。それはポジティブだ。それでも難しいコーナーはある。アスカリ・シケインはかなり難しくなると思う。大きなパワーがあって、ずっと加速し続けるから簡単ではない。レスモもいつだってチャレンジだ。このマシンはブレーキングも簡単ではないから、どうなるか興味深い。でも全体としては、僕たちが予想していたよりかなり良くなると思う。

    ローソン: それほど付け加えることはない。過去に慣れていたものとはかなり違うし、ミスをしたときの代償はより大きくなるかもしれない。エネルギーを使いすぎるのは簡単だし、特に他のコースより影響が大きくなる。ただ、予想していたより少し良くなりそうだ。実際にコースを走ってみないと分からないけどね。

    Q:フェルスタッペンはレッドブルと非常に長い契約を結びました。ひとつのチームでキャリア全体を過ごすのと、複数のチームで自分を試すのでは、どちらがいいと思いますか?
    アントネッリ: 僕はキャリアを始めたばかりだから、この質問をする相手としては一番適していないと思う。でもマックスとレッドブルには素晴らしい関係がある。彼を非常に若い年齢でマシンに乗せ、信頼したのも彼らだった。外から見る限り、彼はチームで幸せだと思うし、このプロジェクトを信じているんだと思う。だからレッドブルに残る理由も権利もすべてある。いつか変えたいと思えば、それは彼次第だ。でも今いる場所で幸せなら、なぜ変える必要がある? 僕もメルセデスで同じようにすると思う。僕には彼らに返したいものがたくさんあるし、この先ずっと彼らと一緒にいて幸せなら、キャリア全体をメルセデスで過ごすかもしれない。もちろん何が起こるかは分からないけどね。

    Q:イタリア人ドライバーが選手権首位で母国GPを迎えるのは1953年のアルベルト・アスカリ以来です。この瞬間はどんな意味がありますか?
    アントネッリ: 信じられないような瞬間だ。こういう状況が実際に起こるとは思っていなかった。でも今、自分がその状況にいる以上、パフォーマンスを発揮し、結果を出し続けなければならない。僕にとっても、チーム、家族、応援してくれるすべての人にとっても素晴らしい瞬間だ。でもプッシュし続け、さらに基準を引き上げなければならない。まだ先は長いからね。

    Q:モンツァではエネルギー配分が非常に厳しくなります。それは最後尾から追い上げるうえで有利になりますか?
    アントネッリ: 非常にエネルギーが厳しいサーキットだから、オーバーテイクのチャンスがたくさん生まれると思う。だからペナルティを受ける場所としてここを選んだ。他にもオーバーテイクできるコースはあるけど、ここはエネルギーが厳しく、場所によって異なるやり方もできる。それが集団の中から順位を上げる最大のチャンスを与えてくれると考えている。それが最善だと判断した。日曜日にうまくいくことを願っている。

    Q:高速で走っているとき、F1が危険なスポーツであり、重大な事故では命を落とす可能性もあることを考える時間はありますか?
    アントネッリ: うわ、強烈な質問だね。高速コーナーを走っているときにそういうことを考えるかってこと? いや、速すぎてそんな時間はない。ただ行くだけだ。それでうまくいけばいいし、そうでなければ衝撃に備える。僕たちはこのスポーツがどれだけ危険なのか分かっている。でも結局、これが大好きなことなんだし、リスクの一部であることも分かっている。F1とFIAは安全性について素晴らしい仕事をしてきた。今のマシンは昔よりはるかに安全で、それによってコース上でさらに自信を持ってプッシュできる。もちろんリスクがあることは十分理解している。だって……あ、くそ。ごめん。ああ、ごめん、ごめん。さらにまずいことになった。何をやってるんだ、僕は(笑)。今度は罰金が来るんじゃないかって心配になってきたよ。何を話してたっけ? そうだ。リスクは常に存在する。それは十分認識しているけど、これが僕たちの大好きなことだから、そのリスクとともに生きていく。

    Q:メカニックたちが誕生日をケーキで祝っていました。今週末、何か仕返しを計画していますか?
    アントネッリ: 分からない。むしろ彼らが何を計画しているのか怖いよ。まだ終わっていないからね。今日のはこれから出てくるメニューの前菜にすぎなかったと思う。今朝はかなりひどくやられた。顔に何個ケーキをぶつけられたか分からないけど、本当にたくさんだった。クリームと匂いを落とすために少なくとも15分はシャワーを浴びなきゃいけなかった。本当に臭かったよ。どうなるか見てみよう。予告はしたくない。その瞬間の気分と状況を見て行動すると思う。でも念のため、ポケットには何か用意してあるよ(笑)。

    Q:2年前、ここモンツァのFP1でパラボリカにクラッシュしました。そのとき「2年後、選手権をリードして母国GPに戻ってくる」と言われたら、どう答えていましたか?
    アントネッリ: 「黙ってくれ」って言ったと思う(笑)。冗談はやめてくれってね。あの日は僕にとってすごく難しい一日だった。ああいう形でこのスポーツに自分を紹介したかったわけではない。あれほど早くクラッシュしてしまった。確かにプッシュしていて、うまくいっていたけど、あまりにも短かった。僕がすべてを始めたかった形ではなかった。その後もしばらく難しい時期が続いた。特に最初の段階では、ああいうことを乗り越えるのは簡単ではない。だからグラベルを歩いていた僕に誰かが「2年後のまさにこの瞬間、世界選手権をリードしている」と言っていたら、「冗談だろう」と答えていたと思う。でも、それが実際に起きている。本当にうれしいし、感謝している。あとはプッシュし続けるだけだ。

  • F1イタリアGP 木曜会見PART1:ハミルトン フェラーリ改革と新PUへの期待語る

    F1イタリアGP 木曜会見PART1:ハミルトン フェラーリ改革と新PUへの期待語る

    2026年F1第13戦イタリアGPを前に、モンツァで木曜記者会見が行われ、フェラーリのルイス・ハミルトン、ハースのオリバー・ベアマン、アルピーヌのピエール・ガスリーが出席した。

    フェラーリのホームレースを迎えたハミルトンは、ミハエル・シューマッハへの思いや新パワーユニットへの期待、チーム内部で進めてきた改革について説明。また、モンツァに乗ってきたフェラーリF40にまつわる特別なエピソードも明かした。ベアマンはハースの大型アップデート、ガスリーはアルピーヌの進歩について語った。

    Q:フェラーリのホームレースとなるモンツァで、フェラーリドライバーとして走ることはどれほど特別ですか?
    ルイス・ハミルトン: フェラーリのドライバーでいられることは最高の気分だ。この象徴的なレースに、世界で最も象徴的で最高のチームの一員としてイタリアに来られることは名誉であり特権だ。2年連続で経験できるのは素晴らしいし、それでもまだ新鮮に感じる。慣れてしまうようなものではないね。

    Q:今週末はミハエル・シューマッハをイメージしたカラーリングも登場します。それについて、そしてミハエルがあなたにとってどんな存在だったのか教えてください。
    ハミルトン: 実はまだカラーリング自体は見ていないんだけど、僕が着ているシャツには7つの星がある。僕にも7つの星があるから、かなりぴったりだよね。僕のものでもあるような感じがする。昨年は親しい友人だったニキを称えた。ミハエルについては、子どものころの日曜日の朝を覚えている。F1が始まるときに昔使われていた、今よりずっと良かった音楽が階下から聞こえてきて、「よし」と興奮して走って下りていった。『The Chain』だったかな? そう、ずっと良かったよ。そして、いつも覚えているのは赤いマシンに乗ったミハエルの姿だ。コンピューターゲームでもいつもフェラーリのミハエルを選び、彼の立場ならどんな気分なのか想像していた。そして今、僕にはそれを実際に経験できる特権がある。彼は本当にリーダーだったし、キャリアを通じて素晴らしい仕事を成し遂げた。彼がまだ現役だった時代に僕もレースをして、同じコースを走れたことも大きな意味があった。

    Q:パフォーマンス面では、ここでパワーユニットがアップグレードされます。勝利を争うには十分でしょうか?
    ハミルトン: 小さな改善でもすべて助けになる。今年ここまで、前戦のような短いサーキットでさえ、決勝では1周あたりコンマ4秒を失っていた。それは大きな差で、今年はずっとその不足を抱えてきた。ファクトリーに戻ってみんながどれだけ懸命に働いているかを見ると誇らしく思う。みんな仕事に集中していて熱意がある。今年は昨年とは違う集中力を感じる。昨年は本当の意味での「北極星」がなかったように感じていた。できる限りのことはしていたけど、正確にどこを目指しているのか分かっていなかった。今は北極星があり、どこに向かって取り組むべきか分かっている。みんなが一丸となって成果を出すために素晴らしい仕事をしてくれた。これは前進だ。必要な差をすべて埋めるものではないし、それは最初から分かっていた。でも毎週末、新しいものがマシンに加わっていくのを見るのはエキサイティングだ。僕たちはまだプッシュしているし、勝つために必要なものを持っていると強く信じている。

    Q:オリバー、ハースはモンツァに大規模なアップデートを持ち込みました。どれくらいのラップタイム向上を期待していますか?
    オリバー・ベアマン: 今週末、もう少しパフォーマンスが上がることを期待している。ここ数戦はライバルに置いていかれていた。大きなアップデートを投入してからかなり時間が経っているから、今回には大きな期待を寄せている。かなり大規模なものだし、チームも自信を持っている。もちろんモンツァはアップデートを持ち込む場所として必ずしも最適ではない。このコースは先週などと比べてドラッグへの感度が高く、効果を完全には確認できないからだ。それでも長い間待っていたものだ。チームは懸命に働いてきた。小さなチームである以上、アップデートを完成させるまでの時間も課題のひとつだ。前回の大きなアップデートはカナダだったから、かなり前だ。いい週末になることを願っている。

    Q:シミュレーターでアップデートを試す機会はありましたか?
    ベアマン: ああ。シミュレーターで走らせた感じは良かった。でも僕はシミュレーターについてはいつもかなり懐疑的なんだ。僕たちにはシミュレータードライバーもいないから、実車との相関について完全に確信しているわけではない。実際にコースで走らせるまでは判断を保留するよ。

    Q:ヨーロッパラウンドはあなたとチームにとってフラストレーションのたまるものになっています。シーズン後半でどれくらい挽回したいですか? 昨年と同じことができると思いますか?
    ベアマン: 昨年の後半戦はとても強かった。でも、それは他のチームがあまりアップデートをしていない時期に、僕たちがアップデートを投入した結果でもあった。ただ、それが今年の序盤に僕たちを苦しめたわけでもない。このチームを完全に信頼している。過去にも素晴らしいことを成し遂げてきた。僕たちはスタッフ全員が最大限の能力を発揮できるよう、必要なリソースと環境を与えようとしている。それこそが小松さんが懸命に取り組んでいることだ。きっとそこに到達できる。今回のアップデートは大きな一歩だし、それがポイントという形で報われることを願っている。それが目標だ。

    Q:ピエール、あなたはミラノに住んでいます。ある意味ではホームレースのように感じますか?
    ピエール・ガスリー: もちろん。サーキットに向かう前に自分のベッドで目を覚まし、自宅でコーヒーを飲めるのは最高だ。いつもとは違う感じがするから、ある意味ではホームレースだね。チームにはフラビオもいるし、モンツァは特別だ。ここで初優勝を挙げたこともあって、サーキットやパドックに入るといつも特別なエネルギーを感じる。

    Q:ハミルトンとベアマンにはアップデートについて聞きました。アルピーヌは前戦ザントフォールトで多くのアップデートを投入しました。今週末にはどれくらい期待していますか?
    ガスリー: ザントフォールトでは良い前進だった。スプリントで8位、日曜日の決勝で10位だった。スプリント週末だったから、それを最大限に生かすのは難しかったと思う。でも多くのことを学んだし、マシンでもより快適に感じていて、ポテンシャルも増えている。夏休み前にはトップ10から後退し、ポイントを争えるポテンシャルがなくなっていた。でも今はそこに戻ってきた。今週末が楽しみだ。

    Q:前戦以降、チームからフランコ・コラピントが2027年も残留するという発表がありました。もう1シーズン彼と一緒に戦うことについてどう思いますか?
    ガスリー: フランコのことをうれしく思う。僕たちはチームと一緒にうまく仕事ができているし、チームを前進させるための取り組み方もいい。彼はこの2年間のF1で多くのことを学んだと思う。これからもチームにポイントをもたらし、最高のパフォーマンスを発揮できればと思う。

    Q:ミハエル・シューマッハがフェラーリで成し遂げたことから、どんなインスピレーションを得ましたか? また、12カ月前にはなかったという明確な方向性をチームにもたらすため、舞台裏でどんなことをしてきましたか?
    ハミルトン: その意味でミハエルのやり方をそのまま参考にしたわけではない。僕はミハエルがチームを立て直したと言われている時代にフェラーリにいたわけではない。でも結局、それは多くの人たちによるものだ。チームに「僕」だけというものはない。巨大な船のようなもので、ドライバーの仕事は上層部と協力しながら正しい方向へ導くことだと思う。経験を持つ新しいドライバーが加入する利点は、僕が2つの異なるチームを経験してきたことだ。外から来ることで見えるものがある。内部にいると、木を見て森を見ずという状態になることもある。新しいエンジニアが別の場所から来た場合でも「僕たちはこういうやり方をしていた」と言う。それが必ずしもより良いわけではなく、単に違うアプローチであることもある。考えてみれば、全チームが同じレギュレーションで戦っているのにやり方はすべて違い、それでもコース上ではコンマ1秒以内にいる。それがこのスポーツの素晴らしさだと思う。僕はマシンの多くの変更を強く求めた。昨年はコストキャップの問題と、「これまでずっとこうしてきたのに、なぜ変える必要がある?」という考え方があってできなかった。いくつかの変更にはかなり説得が必要だったし、一部は費用がかかって実現まで時間も必要だった。僕はまずシミュレーター用に設計してほしいと頼み、昨年テストした。それがその後、毎週末実車で使える選択肢として追加された。外から来た人間の視点で、彼らがうまくやっていることと、そうでない部分を見て、「ここはレベルアップする必要がある」と伝えることが僕の目標だった。フレッドも、リストの中には費用が高すぎてできないものがあると言っていた。でも実現を認めてくれたものには感謝しているし、僕たちの進歩を誇りに思う。

    Q:今朝は素晴らしいF40で華々しく登場しました。いつ、なぜ購入したのですか? あなたにとってどんな意味がありますか?
    ハミルトン: 100%、僕にとって夢のクルマだ。しばらく探していて、走行距離が少なく、物語を持った個体が欲しかった。ここ数年オークションには何台も出てきたけど、特別ではなかったり、塗装がやり直されていたりした。僕は最もオリジナルに近いものを探していて、この個体に出会った。オーナーは購入後、マラネロから自宅まで69km走って停め、それ以降一度もエンジンをかけなかった。助手席のドアも一度も開けられていなかった。カバーがかけられて埃をかぶっていたんだ。そこで芸術作品としてそのまま保存するのか、きれいにするのか悩んだけど、僕は運転したかったから最終的に整備してもらった。それで気づいたんだけど、間違っているかもしれないけど、フェラーリの歴代ドライバーでGTOやF40のような象徴的なクルマでサーキットに来た人はいないんじゃないかと思った。「これはやらなきゃいけない」と思ったよ。さらに点検のためにクルマを分解したら、年月を経てもほぼすべてが機能していて、交換するものもほとんどなかった。そしてエンジンを降ろしたとき、エンジン番号が44だと分かった。エンジンに「44」と刻印されていたんだ。信じられなかった。「知っていたの? 嘘だろ?」って感じだった。だから本当に運命のように感じる。フェラーリの母国、そのホームレースで歴史を際立たせる機会だと思った。こんなことをもう一度できる機会がいつあるか分からないからね。

    Q:イタリアでは、選手権首位のアントネッリを応援するのか、フェラーリを応援するのか、ファンの忠誠心が分かれるという話があります。将来アントネッリがあなたの後を継いでフェラーリに加入する可能性はあると思いますか?
    ハミルトン: 何だって可能だ。将来フェラーリに加入できる素晴らしいドライバーはたくさんいる。フェラーリはフェラーリだ。僕の理解では、イタリア人にとってはローマ教皇とフェラーリ、それからパスタとピザと家族だよね。彼はまだ人生の初期段階にいるし、トトがすぐに手放すことはないだろう。各チームのパフォーマンスを見ると、トップ3のようなグループがあって、その後ろに大きな差があり、さらに接近したグループがいる。キミが最後尾からスタートしても、周囲の多くのマシンよりパワーがあり、今年を通じて概して最速だったマシンの性能もある。かなり簡単に集団を抜けていけるはずだ。それも彼らがこのレースを選んだ理由のひとつだろう。8位や6位あたりまで行くのは比較的簡単なはずだ。僕たちはそこではなく、自分たちの週末を最大限に生かすことに集中し、ティフォシのエネルギーを力に変えて前方へ進みたい。

    Q:今年、勝利を挙げて選手権をリードするアントネッリについてどう思いますか?
    ハミルトン: もう何を言うことがあるだろう? 今年は信じられないほど素晴らしい仕事をしている。彼の周りには素晴らしいチームがいるし、僕がよく知るボノもいる。彼は堅実で一貫していて、キミに多くのアドバイスをしているはずだ。僕がいたころは、ある意味で僕とジョージの陰にいて、僕たちがやっていることを学び、すべて見ていた。彼は必要なことをすべてやってきた。これほど若いのに一貫して成長している姿を見るのは素晴らしい。19歳なら当然だけど余計な荷物もなく、ハングリーでフィットしている。

    Q:F40の話に関連して、レースだけでなくフェラーリの伝統そのものを受け入れることは、あなたにとってどれほど重要ですか?
    ハミルトン: 僕自身は真剣に受け止めている。このブランドの中に身を置き、それがスポーツを超えて、色やロゴ、象徴的なクルマを通じて世界中の人々に影響を与えてきたことを見るのは素晴らしい経験だ。日本で僕が運転したF40を上層部のひとりに見せたら、「来年はLuceを使えるかもしれない」と言われた。でも僕は「F40とは同じじゃないよ」と答えた。昔のクルマにあったノスタルジックで象徴的な曲線やラインには、他にはないものがある。F80もクールだしF50もあるけど、僕にとってはF40なんだ。子どものころ、いろいろなクルマを並べていた中で赤いF40が特別だった。でも自分がいつか手に入れられるなんて想像もできなかった。赤を着てレースをすることもひとつだけど、スポーツの外にもファッションなど、できることはたくさんある。僕はクリエイティブになることが好きで、他の人が考えないようなコンセプトを考えるのが好きなんだ。フェラーリで最初に撮ったイメージも僕のコンセプトだったし、今週末も同じだ。「このスタイル、このスーツ、この形で登場したい」というアイデアがあった。このスポーツへの敬意を表し、その瞬間を残したかった。二度と同じ瞬間は来ないからね。

    Q:オリバー、フェラーリの若手ドライバーとして、モンツァの週末はどれほど特別ですか? ハミルトンの姿を見ると、いつか赤いマシンで走る自分を想像しますか?
    ベアマン: モンツァに来ることは本当に特別だ。数年前、F2でレースをしていたころ、ミラノで行われたイベントに参加したのを覚えている。当時はシャルルとカルロスのためのイベントだったけど、その雰囲気を経験できただけでも特別だった。僕はここに3年ほど住んでいたし、今でも頻繁に訪れている。ここのファンの情熱は他の場所ではほとんど経験したことがない。もちろんイギリスのホームGPも特別だけど、不思議なことにここもホームのように感じる。

    ハミルトン: それを聞いていて思い出したことがある。僕がカートをやっていたころ、父と空港からサーキットへ向かうために借りた、ものすごく古いチンクエチェントで到着したことがあった。一方、ニコは黄色いランボルギーニ・ディアブロでやって来た。僕たちはチンクエチェントでついていこうとしたけど、ニコとお父さんはどんどん離れていった。僕は「あれは最高にヤバい。めちゃくちゃクールだ」と思った。そこから時間が経って、今日こういうクールなクルマで自分が到着できるようになったと考えるとね。後ろにチンクエチェントがいるのは見なかったけど(笑)。本当に特別だ。

    Q:この「スピードの殿堂」で、電気エネルギーを管理しながら走ることはどれほど難しくなりそうですか?
    ハミルトン: 分からない。このマシンではパワーユニットの管理はいつだって難しい。ここではコーナーで昨年よりダウンフォースが大きいかもしれない。ドラッグリダクションシステムがあるから、例えば前戦と同じウイングを使うこともできる。ストレートではドラッグを減らせるから依然として速いけど、そこでパワーを失っていく。コーナー進入時には過去より20~30km/hほど遅くなるかもしれない。それには慣れる必要があるだろう。以前はストレートの最後までエンジンが叫び、ブレーキングゾーンまでずっと加速していくのが最高だった。でも今週末はそうならない。おそらくブレーキングゾーンに着く前からシフトダウンする。それがベストな感覚だとは今でも思わないけど、これが僕たちに与えられているものだ。スロットルをどう使い、どうフルパワーに持っていき、システムをどう作動させるかを最適化する必要がある。非常に技術的で難しいけど、全員が同じ問題に直面している。

    ベアマン: ルイスが言ったように、みんな同じ船に乗っている。このレギュレーションには細かな要素が多く、特にここやスパ、おそらくバクーのようなコースでは、使えるエネルギー量とストレートの長さが限界に近くなる。そうなると、あらゆるものがセンシティブになって、ドライブする楽しさも少し減る。スパでは昨年と比べ、実質的に1つか2つコーナーを失ったようなものだった。プーオンがなくなってしまったような感じだったからね。モンツァでもターン1やターン4に向かうとき、これまで8速だったところが7速になるだろう。それは残念だ。でも時間とともに改善されると思う。ストレートでシフトダウンすることにも、僕たちはまだ適応している最中だ。

    Q:フェラーリでイタリアGPに勝つことにはどんな意味がありますか? 残されたキャリアで実現したいことの中で、どれほど重要ですか?
    ハミルトン: 僕が言いたかったのは、チームには勝つために必要なものがあると強く信じているということだ。トップがこれだけ接近しているレベルでは、勝つためにチーム全体がひとつにならなければならない。ひとつの要素だけではなく、最初からすべてがうまく流れる必要がある。今週末を迎えるにあたって、フェラーリのドライバーとしてこのグランプリに来る意味の大きさについて考えた。例えばモンツァでの勝利数がミハエルと並んでいることさえ知らなかった。でも、それを考えると僕の前には「初めて」がある。もし勝てれば、新しい領域に入ることになる。フェラーリで初めてモンツァに勝つということだ。2019年にシャルルが勝ったとき、僕は彼と一緒に表彰台に立ってそれを目撃した。でも自分がここにいる間に成し遂げられたら素晴らしい。もし実現すれば、おそらくイタリアでフェラーリを駆ってそれを成し遂げた史上唯一の黒人ドライバーになるだろう。そういうことが頭をよぎっている。プレッシャーは大きいし、チームのために結果を出したい。ファクトリーの人たちや、大勢で来てくれるティフォシのためにも結果を届けたい。今週末は母も来ている。彼女はモンツァを経験したことがなかったと思うし、特にフェラーリで迎える週末は初めてだ。それを経験してほしかったし、彼女が持っている幸運の粉を少しでも持ってきてもらえればね。

    Q:ランド・ノリスがプレマ創設者とともにF4とF3で自身のレーシングチームを立ち上げます。2人ともプレマで走った経験がありますが、どう思いますか?
    ガスリー: ごめん、声が出なくなってきた(笑)。でも素晴らしいことだと思う。ランドがF2やF3の世界に入ってくるのを見るのはうれしい。彼が若いドライバーたちのために作ろうとしているものは素晴らしいし、僕たちの仲間がこのスポーツに何かを還元しようとしているのを見るのはいいことだ。世界チャンピオンになったあとという意味でも、いいタイミングなんだろう。今後こういう動きはもっと増え、他のドライバーも関わるようになると思う。とてもいいニュースだ。

    ベアマン: 同感だ。ランドがやっていることは本当にクールだ。若いドライバーにチャンスを与えている。このスポーツはますますお金がかかり、手の届きにくいものになっているからね。それに、チームを一緒に運営する相手としてルネという非常に優れた人物を選んだ。彼はおそらく、いや、歴史上最も成功したジュニアチームを率いてきた人物だ。彼が戻ってくるのはうれしいし、自分自身、父親、家族のためにも、そのレガシーを引き継いでいけることを願っている。

  • 角田裕毅 F1イタリアGPも「ルーキーのような感覚」最大の課題はエネルギー管理

    角田裕毅 F1イタリアGPも「ルーキーのような感覚」最大の課題はエネルギー管理

    角田裕毅は、2026年F1第13戦イタリアGPでレーシングブルズから今季2度目の代役出場を迎える。前戦オランダGPですでにVCARB-03を経験しているものの、モンツァでは複雑なエネルギーマネジメントへの対応が必要になるため、「ルーキーのような感覚」で週末に臨むと語った。

    ザントフォールトでは急きょ出場が決まり、スプリント形式の限られた走行時間のなかで11位まで順位を上げた角田裕毅。

    今回はシミュレーターで事前準備を進める時間があった一方、長いストレートを持つモンツァでは2026年F1マシン特有のバッテリー使用とエネルギー配分が大きな課題になるという。

    正式決定は水曜日「シミュレーターの途中で聞いた」
    角田裕毅がイタリアGPへの出場を正式に知らされたのは、水曜日だった。

    「実際に聞いたのは昨日です。念のためシミュレーターには乗っていました。本当に午後の途中まで分からなくて、セッション中に『OK、走ることになった。じゃあ通常のレースウイークと同じようにシミュレーター作業を続けよう』という感じでした」

    前戦オランダGPへの出場が決まった際、角田裕毅はギリシャのビーチで休暇を過ごしていた。そこから急いでザントフォールトへ向かい、ほとんど準備期間がない状態で2026年型レーシングブルズに乗り込んだ。

    今回は状況が異なる。アイザック・ハジャーが欠場を続ける可能性を想定し、角田裕毅はザントフォールト後からトレーニングを継続。ファエンツァのエンジニアとも作業し、シミュレーターでモンツァへの準備を進めていた。

    「かなり落ち着いていて、普通のレースウイークのようでした。オランダのときより準備できていたと思います。前回は突然すべてが決まりましたけど、今回はアイザックが負傷してから準備していました」

    「たぶん2026年に入ってから一番健康的に過ごした1週間でした! 本当に準備できていますし、これまで以上に準備が整っていると感じています」

    ザントフォールトで得たアラン・パーメインからの信頼
    準備不足に加え、スプリント形式で通常よりプラクティス時間が少ない厳しい条件だったザントフォールトで、角田裕毅は決勝11位。ポイント獲得まであと一歩に迫った。

    そのパフォーマンスについて、レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインからも好意的な評価を受けたという。

    「間違いなくポジティブでした。デブリーフのあとにも『今シーズン頑張ってください。楽しかったです』みたいなことを言ったんですけど、アランから『また君が必要になるかもしれない。来週も必要になるかもしれないから準備しておいて』と言われました」

    角田裕毅は、その言葉からチーム内での信頼が高まったことを感じ取った。

    「レースのあと、彼からもう少し信頼してもらえたと感じました。もし僕が本当に悪い走りをしていたら、この世界では何が起きるか分からないですし、今週走るために呼ばれていなかった可能性もあります。だから、すごくポジティブだったと思います」

    モンツァではエネルギー配分が一気に難しくなる
    一方で、今回のイタリアGPにはザントフォールトにはなかった大きな難題が待っている。

    2026年F1マシンでは電気エネルギーの役割が従来より大幅に増えており、ドライバーはバッテリーをどこで使い、どこで回生するかをラップ全体で管理する必要がある。特に長い全開区間が続くモンツァでは、その影響が顕著になる。

    「オランダは幸運にも、エネルギー管理という意味では最も簡単なサーキットのひとつだったと思います。そのおかげで、かなりスムーズにマシンへ適応できました」

    「でも今回はエネルギーデプロイメントという意味では最も難しいサーキットです。シミュレーターでも、それがどれほど違うのかをすでに経験しましたし、このレギュレーション特有の難しさが本当に出てきます」

    モンツァでは単純にアクセルを踏み続ければ速いわけではない。ラップ全体のエネルギー量を考えながら、場合によっては通常より早く減速したり、エネルギー回収を優先したりする必要がある。

    角田裕毅にとって、その感覚はまだ自然なものではない。

    「マネジメントだったり、早めにブレーキを踏んだり、そういうことをたくさん練習しないといけません。シミュレーターではすごく変な感覚でした。もっと速く走れると分かっているのに、そうしてはいけないんです。そうするとラップ全体では遅くなってしまうので。そこが僕にとって最大のチャレンジになると思います」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

    決勝では他車との駆け引きがさらに難題
    予選の1周だけであれば、フリー走行で実際の挙動を確認しながら自分自身の走りに集中できる。しかし決勝では、単純なラップタイムだけではなく、他車との位置関係を踏まえてバッテリーを使う必要がある。

    オーバーテイクのためにエネルギーを使うのか、後方車を防ぐために残すのか。使用したあとにマシンがどのような状態になるのかまで予測しながら戦うことになる。

    「レースコンディションではもっと難しくなると思います。他のマシンとのエネルギーマネジメントを使った戦略的なバトルは僕は経験していませんし、他のドライバーたちはオーバーテイクやディフェンスのためにバッテリーを使ったあと、マシンがどうなるのかも分かっていると思います」

    「僕はシミュレーターでしか知りませんし、オランダはおそらくエネルギーの影響が一番小さいところでした」

    2026年シーズンを戦い続けてきた他のドライバーは、上海やスパ・フランコルシャンなど長いストレートを持つサーキットですでに実戦経験を積んでいる。それに対し、角田裕毅にとって2026年型F1マシンでモンツァを走るのは初めてだ。

    「ショートランについては、それほど心配していません。フリー走行がありますし、何が必要なのか確認できます。自分自身だけに集中することもできます」

    「でもレースでは先を読んで動かないといけないですよね。そこはオランダ以上に準備しておかなければいけない部分です」

    「またルーキーのよう」Q3進出とポイント獲得を目標
    それでも、角田裕毅はザントフォールトから一歩前進することを目指している。理想は予選Q3進出と決勝でのポイント獲得だ。

    レーシングブルズはイタリアGPにアップデートも投入する予定で、角田裕毅もその効果を楽しみにしている。

    「FP1で、このエネルギー関連が実際にどれくらい難しいのか確認したいです。本当にまだ分かりません。でもマシンのペースはいいと思いますし、ここにはアップデートも持ち込むので、それを見るのも楽しみです」

    角田裕毅は、ザントフォールトでの自身を「ルーキーのようだった」と振り返る。そして2戦目となる今回も、別の意味で同じ姿勢が必要になると考えている。

    「オランダは本当に、ルーキーみたいな感じでレースに入ったと思います。できるだけ多くのことを学ぼうとしていました。スプリント形式だったので時間もすごく限られていました」

    「今回もエネルギーデプロイメントなど、たくさん練習しないといけません。1周のなかでも我慢しなければいけないところがあります。自分ではルーキーのような感覚ですし、すべてを学んで、チームから指示されたことをひとつも取りこぼさないようにしたいです」

    モンツァでは過去5年間で一度も満足できる結果なし
    角田裕毅にとって、モンツァで結果を残したい理由はもうひとつある。これまでF1でイタリアGPとの相性に恵まれてこなかったからだ。

    「ここではいい結果を出したいです。今まで一度もいい結果を残せていません。5年間で3回リタイアして、2回はスタートすらできませんでした。ここで何が起きているのか分からないですけど、今回こういうチャンスをもらえたので、今度こそ幸運になることを願っています」

    前戦ザントフォールトでは、準備不足という条件を乗り越えて11位まで走った角田裕毅。モンツァでは準備時間こそ増えたものの、今度は2026年F1レギュレーションを象徴する複雑なエネルギーマネジメントという新たな課題に直面する。

    経験不足を本人が「ルーキー」と表現するなか、FP1からどこまで早く学習を進められるか。それがQ3進出、そして今季初ポイントを狙うイタリアGPの鍵となりそうだ。

  • ハースF1 新フェラーリPUをベアマンだけに投入 小松礼雄「最も公平な方法」

    ハースF1 新フェラーリPUをベアマンだけに投入 小松礼雄「最も公平な方法」

    ハースF1は、2026年F1イタリアGPでフェラーリの最新パワーユニット「ADUO 2」をオリバー・ベアマン車だけに投入する。エステバン・オコンは従来仕様を使用するため、同じチームの2台で異なるPU仕様を走らせる異例の状況となる。

    フェラーリからカスタマーチームに供給された新仕様PUが現時点では各チーム1基に限られていることが理由だ。ハースF1代表の小松礼雄は、モンツァでは新PUの性能をガレージに眠らせておくべきではないと判断。

    そのうえで、最近のアップデートではオコンを優先してきた経緯から、今回はベアマンに新PUを割り当てることが「最も公平」だと説明した。

    ハースがモンツァで「1台だけ」新PUを使う理由
    フェラーリはイタリアGPで、ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities=追加開発・アップグレード機会)を利用した2度目のPUアップデート「ADUO 2」を投入する。フェラーリのルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールは、ともに新仕様を使用する。

    一方、カスタマーチームに対して現時点で用意された新仕様は各チーム1基のみ。キャデラックはモンツァでは2台とも新PUを使用しないことを選択したが、ハースは違う判断を下した。

    モンツァは長い全開区間を持ち、PU性能がラップタイムに大きく影響するサーキットだ。新仕様を1基しか使えないとしても、その性能向上を活用する価値があるとハースは判断した。

    問題は、ベアマンとオコンのどちらに新PUを与えるかだった。

    小松礼雄によれば、その判断にはシーズン中のアップデート配分が関係している。夏休み前に導入したブレーキの改善やパワーステアリングの変更では、オコンが先に新しいパーツを使用していた。そのため今回はベアマンを優先することで、シーズンを通した公平性を保つことにした。

    前回は2基揃うまで待ったハース
    ハースにとって、1台だけに新仕様PUを投入することは本来望んでいた形ではない。

    フェラーリが6月末のF1オーストリアGPで最初のADUOアップデートを導入した際、ハースは新仕様が2基揃うまで投入を延期し、両ドライバーを同時に切り替えた。

    しかし今回は、モンツァというサーキットの特性が判断を変えた。

    「前回はそうしませんでした。十分な数のエンジンが揃うまで待って、2人のドライバーに同時に導入しました」と小松礼雄は説明した。

    「でも今回は、当然ながらモンツァはパワー感度が非常に高いサーキットです。性能があるのに、それをガレージに置いておくのはもったいないですよね。ただ、もちろん1基しかないというのは非常に難しい状況です」

    「少なくとも2基用意されていれば、その方がよかったです。ただ、フェラーリもエンジンからできる限りの性能を引き出すために全力で取り組んでいます」

    「先ほどお話しした理由から、当然彼らはモンツァで導入したいわけです。そうすると、規則を満たすために必要な最低限の数量しか用意できないということです」

    F1規則ではカスタマーへの「最低1基」で条件を満たす
    ハースが新PUを1基しか受け取っていない背景には、F1技術規則がある。

    新しいホモロゲーション仕様を導入する場合、PUメーカーは、その仕様を初めて使用する大会で「PUメーカーが供給する各F1チームに対して、新しいホモロゲーション仕様のパワーユニットを少なくとも1基」利用可能にすることが求められている。

    つまり、カスタマーチームにも新仕様を提供する義務はあるものの、最初の大会から2台分を揃える必要はない。

    少なくとも1基の供給を義務づけることで、ワークスチームだけが新仕様を使用し、カスタマーチームが性能面で取り残されることを防いでいる。一方ですべてのカスタマーチームに2基ずつ用意することを義務づければ、多数のチームにPUを供給するメーカーほど製造面の負担が増し、新仕様そのものの投入時期が遅れる可能性がある。

    フェラーリは規則上必要な新仕様をハースにも供給したが、その数が1基だったことで、チーム内でどちらのドライバーに割り当てるかを決める必要が生じた。

    小松礼雄「隠された意図はありません」
    こうした状況では、PUの性能差以上にチーム内の公平性が問題になり得る。

    小松礼雄は、オコンが新PUをすぐに使用できないことを喜ばないのは当然だと認めた。そのうえで、重要なのは判断基準を両ドライバーに明確に説明することだと強調した。

    「こういうことについては、透明性を保つしかありません」と小松礼雄は語った。

    「私たちは可能な限り透明で、公平な方法でチームを運営しています」

    「もちろん、毎回すべての人を満足させることはできません。ただ、私たちには隠された意図はありませんし、どちらか一方のドライバーを個人的に優遇するような考えもありません」

    「そういう関係をこれまで築いてきました。当然、エステバンはPU4をすぐに使えないことを喜んではいないでしょう。でも、これがチームにとってベストですし、私たちができる最も公平な方法です」

    今回ベアマンが選ばれたのは、単純にどちらかのドライバーを優遇した結果ではない。ブレーキやパワーステアリングなど直近の開発ではオコンが先行していたため、その履歴まで含めて機会を均等化した形だ。

    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)

    オコンは旧PUで「かなりの損失」と予想
    では、ADUO 2による性能差はどれほどなのか。

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、大幅な勢力図の変化につながるようなアップデートではないとの姿勢を示している。

    「これは正しい方向への一歩だ。今年は小さなゲインの積み重ねが非常に重要だということは分かっている」とバスールは語った。

    一方、旧仕様を使うオコンは、自身が聞いている情報から、新旧PUの差を無視できないものと受け止めている。

    「僕は古いエンジンで走ることになる。だから、かなりの損失になると思う」とオコンは語った。

    フェラーリのアップグレード版PUには、より大型のターボが採用され、そのほかにも出力向上を目的とした重要な設計変更が施されているとみられている。

    フェラーリは2026年シーズン開幕時、レスポンスを重視して比較的小型のターボを選択していた。特にレーススタート時に、レスポンスに優れたPUが大きなアドバンテージをもたらすと考えていたためだ。

    しかし、その後スタート手順に変更が加えられたことで、ライバルが抱えていたターボラグによる不利が大幅に縮小した。その結果、小型ターボによってフェラーリが得ていた相対的なアドバンテージも失われた。

    そこで今回の新仕様では、より大型のターボを採用することで、全体的な出力を高める方向へと進んだと考えられている。

    その差が勢力図を一変させるほど大きなものになる可能性は低いものの、パワー感度の高いモンツァでは、旧仕様と新仕様の違いが通常以上に表れやすい。

    ハミルトン「必要な差のすべてではない」
    ハミルトンも、新PUだけでフェラーリのパフォーマンス不足がすべて解消されるわけではないと認めている。

    「少しでも助けになる」とハミルトンは語った。

    「ここまでのシーズンでは、前戦のような短いサーキットでさえ、レースでは1周あたり4コンマを失っていた。それはものすごく大きな差だし、今年はここまでずっとそれを抱えてきた」

    「これは前進だ。僕たちが必要としている差のすべてを埋めるものではないけど、そうなることは分かっていた。でも毎週末、少しずつ新しいものが投入されてマシンに加わっていくのを見るのはうれしい。僕たちがまだプッシュし続けていることが分かるし、勝つために必要なものを持っていると今も強く信じている」

    異なるPU仕様が生むモンツァでの比較
    ハースがモンツァで選んだのは、2基が揃うまで待つという意味での完全な平等ではなく、限られた1基をすぐに投入してチーム全体のパフォーマンスを最大化することだった。

    前回のADUOアップデートでは2台分が揃うまで待ったが、モンツァではPU性能の重要度が高い。新仕様によって得られる可能性のあるゲインを使わずに週末を戦うことは、ハースにとって得策ではないとの判断だ。

    一方で、新PUをベアマンだけに与えれば、オコンとの間に性能差が生じる可能性がある。オコン自身が「かなりの損失」と表現している以上、予選や決勝で両者の結果を単純に比較する際にはPU仕様の違いを考慮する必要がある。

    同時に、同じハースのマシンで新旧フェラーリPUが走ることで、ADUO 2が実戦でどれほどの効果をもたらすのかを確認できる貴重な機会にもなる。

    高速・高出力型のモンツァで新仕様がどこまでラップタイムに寄与するのか。ベアマンとオコンの「PU分割」は、ハースのチーム内事情だけでなく、フェラーリがADUO 2で実際にどれほどの性能向上を果たしたのかを測るうえでも注目すべきポイントとなる。

  • F1イタリアGPでドライバー警戒 モンツァのエネルギー管理は「カオス」

    F1イタリアGPでドライバー警戒 モンツァのエネルギー管理は「カオス」

    2026年F1第13戦イタリアGPでは、新世代マシン特有のエネルギー管理がこれまで以上に大きな焦点となる。長いストレートが連続するモンツァは電気エネルギーの消費量に対して回生機会が少なく、マックス・フェルスタッペンは「かなり苦痛」、オスカー・ピアストリは決勝が「カオスになる」と予想している。

    2026年F1マシンでは、ストレートで電気エネルギーをどこまで使い、どこで温存するかがラップタイムだけでなくバトルにも直結する。

    モンツァではその特徴が極端に表れる可能性があり、従来のようにアクセル全開でブレーキングポイントまで加速し続ける「スピードの殿堂」の走り方そのものが変わろうとしている。

    モンツァで顕在化する2026年F1のエネルギー問題
    モンツァは4本の長いストレートを持つ一方、コーナー数が少ない。つまり、ストレートで大量の電気エネルギーを使うにもかかわらず、それを補充するための回生機会が限られている。

    ドライバーは必要な場所で最大限のエネルギーを展開しながら、重要な局面で電力を使い果たさないよう管理しなければならない。

    マックス・フェルスタッペンは、木曜日の段階ですでに厳しい週末になることを覚悟している。

    「そうだね、かなり苦痛だと思う。とにかくエネルギー効率がすごく悪い。でも、これについてあまりネガティブなことばかり言いたくはない。そういうものだからね」

    「僕はもう精神的には受け入れている。少し違った週末になることに備えているよ。ずっと全開でプッシュすることはできない。言ってみれば、アクセルペダルを優しく扱わなければならない」

    重要なのは、これが決勝だけの問題ではないことだ。予選でも、従来のモンツァで象徴的だった全開加速と限界まで遅らせたブレーキングという組み合わせが成立しにくくなる可能性がある。

    ルクレール「以前とはまったく違うサーキットになる」
    フェラーリのシャルル・ルクレールも、シミュレーターで確認したデータから大きな変化を予想している。

    「変化は大きいと思う。本当にかなり大きい。データを見て、シミュレーターでも走ってみたからね」

    一方で、ルクレールは実際にコースを走れば印象が改善する可能性も指摘した。

    「スパとシルバーストンを振り返ると、データやシミュレーターを見た段階では、あの2つのサーキットでのマシンのフィーリングについて少し懐疑的な状態で週末を迎えた。でも、実際にコースを走ってみると、予想していたよりずっと良かった」

    「だから、ここでも同じようになることを願っている。ただ、机上では以前とはまったく違うサーキットになるように見える」

    この発言が示しているのは、単純な最高速不足ではない。エネルギーをどのストレートで使い、どこで温存するかによって、1周の組み立てそのものが変化するということだ。

    モンツァでも大きなリアウイングを使える2026年F1
    もうひとつ従来のモンツァと大きく異なるのが空力設定だ。

    かつてのモンツァでは、ドラッグを極限まで減らした専用のローダウンフォース仕様のリアウイングが象徴的だった。しかし2026年F1マシンでは、ストレートモードによって直線区間でドラッグを減らせるため、コーナーでより大きなダウンフォースを確保する設定が可能になっている。

    ルイス・ハミルトンは、その結果としてモンツァ特有の感覚まで変化すると説明する。

    「ここに来てこういう状況になるのは、ちょっとクレイジーだね」

    「例えばストレートではドラッグ低減システムを使えるから、前戦で使ったのと同じようなウイングを走らせることができる。そのため、コーナーでは昨年よりダウンフォースが大きいかもしれない」

    「もちろんストレートではドラッグを減らすシステムがあるから速い。でも、その後にパワーを失っていく。コーナーへの進入では、過去より20~30km/hくらい遅い速度で到達するかもしれない。それには少し慣れる必要があると思う」

    ブレーキングポイントに届く前にシフトダウン
    ハミルトンが特に違和感を覚えているのは、ストレート終盤で加速が鈍っていくことだ。

    「以前はここに来ると、ストレートの最後までエンジンが叫ぶような音を立てて、ブレーキングポイントまでずっと加速し続けるのを感じられた。それが本当に素晴らしかった」

    「今週末はそうならないだろうね。おそらくドライバーはブレーキングゾーンに到達する前からシフトダウンすることになる。僕にとって、それが最高の感覚だとは今でも思えない。でも、これが今あるものだからね」

    さらに、2026年F1ではアクセル操作そのものがエネルギー戦略と密接につながっている。

    「アクセルをどう踏んでフルパワーに持っていくか、そしてシステムをどう作動させるかを最適化しなければならない。すごく技術的で難しい。でも、全員が同じ問題に直面している」

    つまりドライバーは単純にアクセルを踏み続けるのではなく、電気エネルギーを最大限有効に使えるよう、加速の仕方まで調整する必要がある。

    イタリアグランプリ

    ピアストリは決勝序盤の「カオス」を予想
    ドライバーにとって複雑な状況は、一方でレースを劇的なものにする可能性がある。

    各車が異なる場所でエネルギーを展開すれば、あるストレートでは攻撃側だったマシンが次のストレートでは防御側に回るといった展開が起こり得る。さらにモンツァではスリップストリームの効果も大きく、エネルギー残量との組み合わせによって抜きつ抜かれつの展開が増える可能性がある。

    マクラーレンのオスカー・ピアストリは、特に決勝序盤が激しくなるとみている。

    「決勝はカオスになると思う。特に序盤はね」

    「ここは明らかにものすごくエネルギーが不足するサーキットだし、エネルギーを使えるストレートもたくさんある。レースはかなり特別なものになる可能性があると思う。どうなるか見てみよう」

    実際にどのようなエネルギー配分が最適になるかについては、フリー走行で各チームが確認していくことになる。

    「それまでに走行時間はたくさんあるから、みんながどんなデプロイメントを使うのか、最終的にどう落ち着くのかを見ることになる」

    「でも、かなりカオスでエキサイティングなものになると予想しているよ。それをどちらの視点で見るかは自由だけど、いずれにしても何かが起きるレースになると思う」

    「スピードの殿堂」がエネルギー戦略の舞台へ
    2026年F1イタリアGPでは、モンツァの代名詞だった純粋な最高速とは異なる能力が問われることになりそうだ。

    フェルスタッペンが語るようにアクセルを「優しく」扱い、どのストレートで電力を使うかを判断する必要がある一方、その判断はライバルとの位置関係によって刻々と変化する。温存したマシンが次のストレートで攻撃し、先に電力を使ったマシンが防御に回るという展開も考えられる。

    予選では1周を通じたエネルギー配分、決勝ではスリップストリームと他車のデプロイメントまで含めた駆け引きが重要になる。「スピードの殿堂」モンツァは、2026年F1のエネルギーマネジメントがレースそのものをどこまで変えるのかを測る、これまでで最も厳しい試金石となりそうだ。

  • F1イタリアGP FP1で4人の若手ドライバーが出走 岩佐歩夢はレッドブルRB22

    F1イタリアGP FP1で4人の若手ドライバーが出走 岩佐歩夢はレッドブルRB22

    2026年F1第13戦イタリアGPのフリー走行1回目(FP1)では、4人の若手ドライバーがレギュラードライバーに代わってマシンを走らせる。レッドブルでは岩佐歩夢がマックス・フェルスタッペンのRB22をドライブする。

    モンツァでは通常の3回のフリー走行が行われるため、レッドブル、ウィリアムズ、アルピーヌ、キャデラックの4チームが、若手ドライバーをFP1に起用する義務を消化する機会として利用する。

    2026年は1台につき2回の若手起用が義務
    現行のF1レギュレーションでは、各チームはシーズン中、グランプリ出走経験が2戦以下のドライバーをFP1で起用しなければならない。

    2026年は各マシンにつき2回、チーム全体では計4回の若手ドライバー起用が必要となっており、通常フォーマットで行われるイタリアGPは、その義務を消化しやすい週末のひとつとなる。

    岩佐歩夢がフェルスタッペンのRB22をドライブ
    レッドブルでは、岩佐歩夢がフェルスタッペンに代わってRB22をドライブする。

    岩佐歩夢にとってF1のFP1出走は珍しいものではない。2024年以降、レッドブルとレーシングブルズで計7回のFP1を経験しており、今回のモンツァが8回目となる。

    高速かつ低ダウンフォース仕様が求められるモンツァで、岩佐歩夢がRB22からどのようなフィードバックを持ち帰るかも注目される。

    ブラウニングはアルボンのFW48を担当
    ウィリアムズでは、アカデミードライバーのルーク・ブラウニングがアレクサンダー・アルボンに代わってFW48を走らせる。

    ブラウニングはこれまでに6回のFP1出走を経験しており、今回もウィリアムズの若手ドライバー起用プログラムの一環として走行する。

    アルピーヌはポール・アロンを起用
    アルピーヌでは、ポール・アロンがピエール・ガスリーのA526をドライブする。

    アロンは2025年にアウディとアルピーヌで合計8回のFP1を経験しており、今回の4人の中でもF1マシンでの金曜走行経験が豊富なドライバーのひとりだ。

    コルトン・ハータ(キャデラック)

    キャデラックはコルトン・ハータ
    キャデラックでは、インディカーで実績を残してきたアメリカ人ドライバー、コルトン・ハータがセルジオ・ペレスに代わってマシンをドライブする。

    ハータは2026年にF1でFP1デビューを果たしており、今回が今季3回目のFP1出走となる。初出走はシーズン序盤のバルセロナだった。

    インディカーのトップドライバーとして知られるハータだけに、F1マシンへの適応という点でも4人の中で特に注目を集める存在となる。

    F1イタリアGP FP1 若手ドライバー
    レッドブル:岩佐歩夢(マックス・フェルスタッペンに代わって出走)
    ウィリアムズ:ルーク・ブラウニング(アレクサンダー・アルボンに代わって出走)
    アルピーヌ:ポール・アロン(ピエール・ガスリーに代わって出走)
    キャデラック:コルトン・ハータ(セルジオ・ペレスに代わって出走)

    4人はいずれも金曜のFP1のみレギュラードライバーのマシンを担当する予定で、各チームにとっては若手起用義務の消化だけでなく、モンツァ特有の高速レイアウトに向けたデータ収集も重要な目的となる。

  • キミ・アントネッリ F1イタリアGPでロッシ仕様ヘルメット 2002年ムジェロに敬意

    キミ・アントネッリ F1イタリアGPでロッシ仕様ヘルメット 2002年ムジェロに敬意

    F1世界選手権リーダーとして母国イタリアGPを迎えるアンドレア・キミ・アントネッリが、バレンティーノ・ロッシへの敬意を込めたスペシャルヘルメットをモンツァで使用する。

    デザインのモチーフとなったのは、MotoGPのレジェンドであるロッシが2002年のイタリアGP(ムジェロ)で使用したヘルメットだ。ロッシ本人との親交も深いアントネッリにとって、母国で走る特別な週末に実現させたかった個人的なトリビュートでもある。

    2002年ムジェロのロッシのヘルメットを再解釈
    今回のヘルメットは、ロッシの数々のヘルメットを手掛けてきたアルド・ドルディが、ロッシとの協力のもとでデザインしたものだ。

    ベースとなったのは2002年のムジェロでロッシが使用したデザインで、イタリア国旗を象徴するトリコローレを取り入れながら、2026年のアントネッリ仕様として再構成されている。

    アントネッリはSNSで「ホームではスペシャルカラーで走る」と紹介し、このデザインが実現した経緯を明かした。

    「僕にとって特別な願いだった。Vale(ロッシ)が使っていたヘルメットからインスピレーションを得たものをかぶって走りたかったんだ」

    「2002年のムジェロのヘルメットを提案してもらったとき、すぐにこれが正しいものだと分かった」

    「ドルディ・パフォーマンスが、今年のホームレース用としてこのバージョンに作り直す素晴らしい仕事をしてくれた。この特別な機会を与えてくれたValeには本当に感謝している。光栄だよ」

    ロッシはMotoGP最高峰クラスで7度、全クラスを合わせて9度の世界タイトルを獲得したイタリアを代表するライダーだ。最高峰クラスで89勝、全クラス通算では115勝を記録し、2021年シーズン限りでMotoGPから引退した。

    アントネッリにとってロッシは単なる憧れの存在ではなく、親しい友人でありメンターでもある。そのロッシを象徴するデザインを、自身がF1世界選手権首位として迎える母国GPで使用することになった。


    選手権首位で迎える母国モンツァ
    2026年のアントネッリは、メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセル、そしてフェラーリのルイス・ハミルトンに59ポイント差をつけてドライバーズ選手権をリードしている。

    前年とは大きく異なる立場でモンツァに戻ってきたアントネッリは、母国GPを選手権首位として迎えることについて特別な感情があると語った。

    「とても特別な気分だ。去年とは間違いなく大きく違うし、最後尾からのスタートになるとはいえ、この週末を本当に楽しみにしている」

    ただし、レース週末には大きなハンディキャップが待っている。2026年シーズンに認められたパワーユニットの使用基数を超えたことで、アントネッリはグリッド降格ペナルティを受け、決勝を最後尾からスタートする。

    それでも本人は、この状況をプレッシャーから解放される機会として前向きに捉えている。

    「僕にとって大きなチャンスでもあるし、本当に楽しみにしている。すごく楽しめると思う。以前よりもずっと週末を楽しめるだろうし、それでも素晴らしいレースができればと思っている」

    「最後尾からスタートすることで、ある意味ではプレッシャーが軽くなると思う。もちろん、本当ならポールポジションを争って前からスタートしたいけどね。でも、ある意味では週末に向けて少しリラックスできる」

    「だからこそ、ドライビングも週末そのものも、もっと楽しめると思う」

    最後尾スタートを逆手に取った週末
    予選でどれだけ上位に入っても決勝グリッドでは後方に下がることから、メルセデスとアントネッリには通常とは異なるアプローチを試す余地も生まれる。

    特にフリー走行では、予選での一発の速さだけに重点を置くのではなく、決勝での追い上げを見据えたセットアップやタイヤの使い方を検証できる。

    「違うことを試すチャンスでもある。特にフリー走行では、普段とは違う仕事の進め方を試すことができるからね。そういう意味でも、とても興味深い週末になると思う」

    F1世界選手権リーダーとして初めて迎える母国イタリアGP。最後尾スタートという難題を背負う一方で、アントネッリは自身に大きな影響を与えたロッシへの敬意を示す特別なヘルメットとともにモンツァを走る。