F1世界選手権リーダーとして母国イタリアGPを迎えるアンドレア・キミ・アントネッリが、バレンティーノ・ロッシへの敬意を込めたスペシャルヘルメットをモンツァで使用する。
デザインのモチーフとなったのは、MotoGPのレジェンドであるロッシが2002年のイタリアGP(ムジェロ)で使用したヘルメットだ。ロッシ本人との親交も深いアントネッリにとって、母国で走る特別な週末に実現させたかった個人的なトリビュートでもある。
2002年ムジェロのロッシのヘルメットを再解釈
今回のヘルメットは、ロッシの数々のヘルメットを手掛けてきたアルド・ドルディが、ロッシとの協力のもとでデザインしたものだ。
ベースとなったのは2002年のムジェロでロッシが使用したデザインで、イタリア国旗を象徴するトリコローレを取り入れながら、2026年のアントネッリ仕様として再構成されている。
アントネッリはSNSで「ホームではスペシャルカラーで走る」と紹介し、このデザインが実現した経緯を明かした。
「僕にとって特別な願いだった。Vale(ロッシ)が使っていたヘルメットからインスピレーションを得たものをかぶって走りたかったんだ」
「2002年のムジェロのヘルメットを提案してもらったとき、すぐにこれが正しいものだと分かった」
「ドルディ・パフォーマンスが、今年のホームレース用としてこのバージョンに作り直す素晴らしい仕事をしてくれた。この特別な機会を与えてくれたValeには本当に感謝している。光栄だよ」
ロッシはMotoGP最高峰クラスで7度、全クラスを合わせて9度の世界タイトルを獲得したイタリアを代表するライダーだ。最高峰クラスで89勝、全クラス通算では115勝を記録し、2021年シーズン限りでMotoGPから引退した。
アントネッリにとってロッシは単なる憧れの存在ではなく、親しい友人でありメンターでもある。そのロッシを象徴するデザインを、自身がF1世界選手権首位として迎える母国GPで使用することになった。
選手権首位で迎える母国モンツァ
2026年のアントネッリは、メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセル、そしてフェラーリのルイス・ハミルトンに59ポイント差をつけてドライバーズ選手権をリードしている。
前年とは大きく異なる立場でモンツァに戻ってきたアントネッリは、母国GPを選手権首位として迎えることについて特別な感情があると語った。
「とても特別な気分だ。去年とは間違いなく大きく違うし、最後尾からのスタートになるとはいえ、この週末を本当に楽しみにしている」
ただし、レース週末には大きなハンディキャップが待っている。2026年シーズンに認められたパワーユニットの使用基数を超えたことで、アントネッリはグリッド降格ペナルティを受け、決勝を最後尾からスタートする。
それでも本人は、この状況をプレッシャーから解放される機会として前向きに捉えている。
「僕にとって大きなチャンスでもあるし、本当に楽しみにしている。すごく楽しめると思う。以前よりもずっと週末を楽しめるだろうし、それでも素晴らしいレースができればと思っている」
「最後尾からスタートすることで、ある意味ではプレッシャーが軽くなると思う。もちろん、本当ならポールポジションを争って前からスタートしたいけどね。でも、ある意味では週末に向けて少しリラックスできる」
「だからこそ、ドライビングも週末そのものも、もっと楽しめると思う」
最後尾スタートを逆手に取った週末
予選でどれだけ上位に入っても決勝グリッドでは後方に下がることから、メルセデスとアントネッリには通常とは異なるアプローチを試す余地も生まれる。
特にフリー走行では、予選での一発の速さだけに重点を置くのではなく、決勝での追い上げを見据えたセットアップやタイヤの使い方を検証できる。
「違うことを試すチャンスでもある。特にフリー走行では、普段とは違う仕事の進め方を試すことができるからね。そういう意味でも、とても興味深い週末になると思う」
F1世界選手権リーダーとして初めて迎える母国イタリアGP。最後尾スタートという難題を背負う一方で、アントネッリは自身に大きな影響を与えたロッシへの敬意を示す特別なヘルメットとともにモンツァを走る。
