ブログ

  • F1スペインGP初開催マドリンクに酷評「寝そうだった」ドライバーが改修要求

    F1スペインGP初開催マドリンクに酷評「寝そうだった」ドライバーが改修要求

    2026年F1スペインGPで初めて決勝レースを開催したマドリンクに対し、ドライバーから厳しい評価が相次いだ。ガブリエル・ボルトレトは「僕も寝そうだった」と語り、ランド・ノリスやジョージ・ラッセルらはオーバーテイクを増やすための具体的なレイアウト変更を要求した。

    マドリード北東部のIFEMA周辺に建設されたマドリンクは、公道と新設された常設区間を組み合わせた全長5.4kmのサーキット。

    会場の雰囲気や施設については高く評価された一方、初開催となったF1スペインGP決勝ではオーバーテイクが極めて難しく、レース展開そのものについては多くのドライバーが不満を口にした。

    「僕も寝そうだった」ボルトレトが率直な感想
    決勝後、アウディのガブリエル・ボルトレトは、観戦していた側にとって退屈なレースだったのではないかと問われ、率直に答えた。

    「うん。僕も寝そうだったよ」

    金曜の走行ではタイヤのグレイニングが大きな問題となり、それが決勝で戦略や順位変動を生み出す可能性も予想されていた。しかし、日曜日にはその傾向が大幅に弱まり、ドライバーがタイヤを大きく労わる必要性も減少した。

    ハースのエステバン・オコンは、それが単調なレースにつながったと分析した。

    「ピットに入ってから最後まで、ほぼ120%で走るような感じだった。グレイニングが起きなかったから、こういうレースになった。金曜日にレースをやっていたら、ずっと良かったと思う」

    実際、初日のフリー走行ではグレイニングが大きなテーマとなり、各チームが決勝でのタイヤマネジメントを警戒していた。

    ノリス「ターン18と19はなくすべき」
    より厳しい批判が集中したのはマドリンクのレイアウトそのものだった。

    マクラーレンのランド・ノリスは、現在のコース設計について疑問を呈し、特に終盤区間を大幅に変更するべきだと主張した。

    「ターン18と19はなくすべきだ。必要ない」

    ノリスが提案したのは、ターン17からターン20までを直線的につなぎ、その先に幅の広い低速コーナーを設置するレイアウトだ。

    「ターン17から20まで真っすぐにして、オースティンのターン1やターン10みたいに、もっと入口を広くすればいい」

    「大きなヘアピンにすれば、みんなにとってずっと良いチャンスが生まれるし、レースを楽しめるようになる。簡単にできる変更もあるし、ターン5、6、7みたいに少し難しいところもある」

    ノリスは記者会見でも、現在のレイアウトを見て「これで完璧だとどうして思えるのか分からない」という趣旨の厳しい評価を示した。

    ラッセル「長いストレートの先には追い抜き場所が必要」
    メルセデスのジョージ・ラッセルも、マドリンクには明確なオーバーテイクポイントが不足していると指摘した。

    「設計についてひとつだけ小さな不満があるとすれば、明確なオーバーテイクの機会がないことだと思う」

    「どんなサーキットでも、長いストレートの最後には明確なオーバーテイクのチャンスが必要だ。でも、ここで一番長いストレートの先には、あのタイトなラウンドアバウトのセクションがある。そこは変わってほしいところだ」

    キャデラックのバルテリ・ボッタスも、最長ストレートの後でさえ前を走るドライバーがポジションを守るのは「かなり簡単」だったと説明した。

    さらにボッタスは、セクター2からセクター3にかけてブラインドコーナーが多すぎることも問題視。低速走行中のマシンが見えにくい状況について、安全面から改善の余地があると語った。

    ターン5~6にも集中する批判
    特に多くのドライバーが問題視したのがターン5~6のシケインだった。

    ターン5は強いブレーキングを必要とするため、一見するとオーバーテイクポイントになり得る。しかし、進入部分にはバンプがあり、高い縁石に加えてコース幅も狭い。そのため、現代の大型化したF1マシンが2台並んで進入するのは難しい。

    ウィリアムズのアレックス・アルボンは、F2やF3でも同じ問題が表面化していたとして改修を求めた。

    「このコースは少し見直す必要があると思う。F3やF2のレースを見ていたか分からないけど、みんなシケインでサイド・バイ・サイドになって、その後はどちらがポジションを返すべきだったのかという話になっていた」

    「だから、特にあのコーナーは一番手を入れる必要があると思う」

    ボルトレトもターン5~6の存在そのものに疑問を示した。

    「どうすればいいのか僕には分からない。コーナーをもっと遅くしたとしても、何ができるんだろう。今の僕たちが乗っている大きなマシンでは難しい。1990年代のマシンだったら何かできたかもしれないけど、今はそうじゃない」

    サインツJr.はブラインド区間の安全性を懸念
    カルロス・サインツJr.は、オーバーテイクだけでなく安全面にも問題があると指摘した。

    特に高速で通過するブラインドのS字区間について、ジェッダやバクーと同様の問題が存在すると説明した。

    「ジェッダやバクーと同じで良くない。でもFIAは、新しいサーキットについて今後もこういう方向で進むことに満足しているように見える」

    「僕たちドライバーは、安全性をもっと改善していきたいという意見を伝えている。260km/h、270km/hで、先が見えないS字を走るのは間違いなく目を覚まされるような経験だし、本当にすべてが安全なのか考えさせられる」

    マドリンク スペイングランプリ

    アロンソ「広報担当でも走れる」ラ・モニュメンタルを酷評
    マドリンク最大の象徴として設計されたバンクコーナー、ターン12のラ・モニュメンタル(La Monumental)についても、期待されたほどドライバーの技量を試すコーナーにはならなかった。

    フェルナンド・アロンソは、現在のF1マシンでは簡単に全開で通過できるとして皮肉った。

    「ある意味では残念だ。この世代のマシンで、こういう素晴らしいサーキットに来て、ラ・モニュメンタルのターン12みたいなチャレンジがあるのに、ドライバーができることはほとんどない」

    そしてアストンマーティンの広報担当マイケル・クレイトンを引き合いに出した。

    「マイケルでもターン12を走れるよ。デプロイメントなしで全開だからね」

    アロンソはストリートサーキットそのものについても、常設サーキットほどマシンを限界まで攻めることができないとして、「僕は今でも普通のサーキットの方が好きだ」と語った。

    フェルスタッペンもラ・モニュメンタルの設計変更を提案
    マックス・フェルスタッペンもラ・モニュメンタルについて、バンクそのものは評価しながら、形状を逆にするべきだったとの考えを示した。

    「バンクがあるのはクールだけど、逆にするべきだったと思う。最初にもっとバンクをつけて、そこから徐々にフラットにしていく方が良かった」

    一方、フェルスタッペンは根本的にストリートサーキットを好んでいないことも強調した。

    「僕はストリートサーキットのファンじゃない。それはこれからも変わらない。スパみたいなサーキットを走る方がいつだって好きだ」

    「ここで彼らがやったこと、施設を作り上げた方法については、本当にいい仕事をしたと思う。でも、僕はストリートサーキットのファンじゃない」

    フェルスタッペンは決勝前からマドリンクではオーバーテイクポイントが見当たらないと指摘しており、その懸念は実際のレースでも現実のものとなった。

    初開催で浮き彫りになったマドリンクの課題
    マドリンクに対する評価は一面的ではない。ドライバーからはマドリードという開催地、会場の雰囲気、施設、予選で1周を攻める際のチャレンジについて好意的な声も多かった。金曜日の初走行でも、ドライバーは高速コーナーや壁との距離の近さによる難しさを評価していた。

    しかし、決勝レースとなれば話は別だった。

    長いストレートの先に明確な低速コーナーがないこと、ターン5~6の狭いシケイン、ブラインド区間の多さ、そして現代の大型F1マシンでは2台が並ぶスペースが不足していることなど、複数の問題が初開催で浮き彫りになった。

    実際、初開催のF1スペインGPはオーバーテイクの機会が限られ、レースの大部分が隊列状態となった。レース後にはマドリンクの改修を求める声が相次ぎ、すでに次回開催に向けた変更が議論されている。

    初開催を終えたマドリンクにとって、課題は明確になった。予選でドライバーを試すだけでなく、F1決勝で実際にバトルとオーバーテイクを生み出せるサーキットへ変えられるか。ノリスらが示した具体的な改修案が、2027年のF1スペインGPに向けてどこまで反映されるかが注目される。

  • 宮田莉朋 F2マドリードのフィーチャーレースで3位「戦略もペースも良かった」

    宮田莉朋 F2マドリードのフィーチャーレースで3位「戦略もペースも良かった」

    宮田莉朋は、2026年FIA F2第11戦マドリードのフィーチャーレースで9番グリッドから3位まで順位を上げ、前日のスプリントレースに続いて2日連続となる表彰台を獲得した。

    ハイテックから参戦する宮田莉朋は、戦略とセーフティカーのタイミングを生かしながら着実にポジションを上げた。レース後の記者会見では、運にも助けられたことを認めつつ、表彰台を可能にしたのはチームの戦略とマシンのペースだったと振り返った。

    9番手から3位「戦略も良かったしペースもあった」
    FIA F2の公式記者会見に出席した宮田莉朋は、まず再び表彰台に戻ってこられた喜びを語った。

    「また表彰台に戻ってこられて最高です。9番手からスタートして3位でフィニッシュしました」

    「戦略も良かったですし、セーフティカーによってポジションを上げることもできました。でも、僕たちには良いペースもありました。だからこそ、ここにいられるのだと思います」

    マドリードの新設コース、マドリンクではタイヤ戦略がレースを大きく左右した。宮田は9番手という中団からのスタートだったが、ハイテックはレース展開を見ながら戦略を組み立て、セーフティカーも味方につけて上位へ進出した。

    ただし、宮田自身が強調したように、単に展開に恵まれただけではない。レースペースそのものにも競争力があり、それが3位という結果につながった。

    ラ・モニュメンタル(La Monumental)は「かなり厳しかった」
    一方で、宮田莉朋がレース後に強調したのが身体的な厳しさだった。特にターン12の長いバンク区間、ラ・モニュメンタルは大きな負担になったという。

    「ターン12とバンクは間違いなくかなり厳しかったです。ステアリングからのフィードバックが重かったです」

    「僕はスーパーフォーミュラから来ましたが、あちらにはパワーステアリングがあります。F2はステアリングがかなり重いので、身体的に厳しいです。今日は昨日とはかなり違いました。プライムタイヤでのスティントは身体的にかなり厳しかったです」

    スーパーフォーミュラとは異なり、F2マシンにはパワーステアリングが装備されていない。高速かつ長時間にわたって横方向の荷重が続くラ・モニュメンタルでは、その違いがドライバーの身体に大きく影響した。

    2位に入ったアレクサンダー・ダンも同区間について、200km/hを超える速度で走行し、バンクと高いダウンフォースによってステアリングが非常に重くなると説明しており、マドリンク特有の難しさが表れたレースとなった。

    宮田莉朋 FIA フォーミュラ2選手権

    限界の一歩手前に抑えてターン12を攻略
    タイヤのデグラデーション自体については、宮田莉朋は大きな問題ではなかったと説明する。一方、タイヤが厳しくなる以上に、身体的な負担によって限界で走り続けることが難しくなったという。

    「タイヤのデグラデーションはかなりフラットで、それほど大きくありませんでした。でも、ターン12は身体的にどんどん厳しくなりました」

    「限界で走るのは難しかったです。プッシュしすぎるとマシンがスライドして予測しにくい動きになる可能性がありますし、ステアリングがとても重いので、そこからさらに舵角を加えるのも難しかったです」

    そのため宮田は、ターン12ではリスクを抑え、別の区間でタイムを稼ぐアプローチを取った。

    「だから、あそこでは限界の少し手前にとどめて、セクター1とセクター3でプッシュするようにしました」

    マシンと自身の身体的な限界を見極めながら、ラ・モニュメンタルでは余裕を残し、それ以外の区間で攻める。宮田の冷静なレースマネジメントも9番手から3位への追い上げを支えた。

    優勝はディノ・ベガノビッチ、2位はアレクサンダー・ダンが獲得。宮田莉朋は3位でフィニッシュし、F2マドリードで連日のトップ3入りを果たした。戦略だけでなくレースペースにも手応えを示した宮田にとって、マドリンクでの週末は今後につながる大きな結果となった。

  • カルロス・サインツJr. 角田裕毅との接触を説明「リスクを冒してしまった」

    カルロス・サインツJr. 角田裕毅との接触を説明「リスクを冒してしまった」

    カルロス・サインツJr.は、2026年F1スペインGP決勝のスタート直後に角田裕毅と接触した場面について説明し、ポジションを上げようと「リスクを冒してしまった」と振り返った。

    ウィリアムズのサインツJr.は20番グリッドから好スタートを切ったものの、ターン1で角田裕毅のレーシングブルズと接触。

    この一件でマシンのフロアなどにダメージを負い、以降は大幅にダウンフォースを失った状態での走行を強いられ、最終的に43周目でレースを終えた。

    地元マドリードで初開催されたF1スペインGP。後方グリッドからのスタートとなったサインツJr.は、蹴り出しで複数のマシンをかわしてポジションを上げた。

    しかし、集団が密集した状態でターン1に進入すると、前方のマシンが相次いで減速。サインツJr.はブレーキングで対応しきれず、角田裕毅と接触した。

    「スタートはかなり良くて、3台か4台を抜くことができた」とカルロス・サインツJr.は振り返った。

    「でも、そのあとターン1ですごく混雑した。前にはハードタイヤを履いているマシンが多くて、ブレーキングで少しマシンを失って角田に接触してしまった」

    サインツJr.は別の取材でも、後方から少しでも順位を上げようと積極的に攻めたことが接触につながったと認めている。

    「残念ながらターン1で、できるだけ多くのポジションを上げようとしてリスクを冒してしまい、接触してマシンに少しダメージを負った」

    「かなり密集していて、ターン1ではみんなが激しくブレーキングしていた。集団がターン1への進入であれほど減速したことで、少し不意を突かれてしまった」

    接触自体は大きなものではなかったが、サインツJr.のウィリアムズには深刻な影響が残った。

    「軽い接触だった。でも、今のマシンではそれだけでもかなり影響がある」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    サインツJr.によれば、角田裕毅との接触によってフロアが損傷し、その後は大幅なダウンフォース不足に陥ったという。

    「接触でフロアを傷めてしまって、そこからはダウンフォースを1周あたりほぼ1秒分失っていた。最終的にはリタイアしなければならなかった」

    実際、ウィリアムズはレース後、サインツJr.のマシンがターン1で角田裕毅と接触した際に右側のエンドプレートとフロアにダメージを負ったと説明している。

    サインツJr.はダメージを抱えながらレースを続行したものの、本来のパフォーマンスを発揮することはできず、43周目にリタイア。母国マドリードで迎えた初のF1スペインGPは厳しい結果に終わった。

    一方の角田裕毅は接触後もレースを続け、14位でフィニッシュ。サインツJr.にとっては、20番手から順位を挽回しようと積極的に臨んだスタートだったが、その攻めが裏目に出る形となり、ターン1での接触がレース全体を大きく左右することになった。

  • 角田裕毅 F1スペインGP決勝「ターン1でサインツに接触されてほぼ終わった」

    角田裕毅 F1スペインGP決勝「ターン1でサインツに接触されてほぼ終わった」

    角田裕毅は、2026年F1第14戦スペインGPの決勝を15番グリッドからスタートし、14位でフィニッシュした。オープニングラップのターン1でカルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)と接触してマシンに大きなダメージを負い、「レースはそこでほとんど終わっていた」と厳しい一戦を振り返った。

    レーシングブルズで3戦目を迎えた角田裕毅は、ダメージを抱えながらもペース自体はそれほど悪くなかったと評価。

    しかし、序盤に失ったポジションをオーバーテイクが難しいマドリンクで取り戻すことはできなかった。また、FP1から抱えていた問題を週末を通して解決できず、むしろ悪化していった感触があったことも明かした。

    「レースはターン1でほとんど終わっていた」
    角田裕毅のレースを大きく左右したのはスタート直後だった。ターン1で後方からサインツJr.と接触し、マシンに大きなダメージを負った。

    「今日はまったく簡単ではありませんでした。ターン1でサインツに接触されて大きなダメージを負い、僕のレースはそこでほとんど終わっていました。そのダメージがペースに与えた影響はかなり大きかったです」

    それでも角田は、損傷したマシンでのペースについて一定の手応えがあったと語る。

    「ダメージを考えれば、ペースはそれほど悪くなかったと思います。ただ、スタートでいくつかポジションを失ってしまいました。特にここはオーバーテイクがとても難しいので、それを取り戻すチャンスはあまりありませんでした」

    角田は15番手から14位まで順位を上げてチェッカー。トップから1周遅れとなり、ポイント圏には届かなかった。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは10番グリッドから9位に入り、レーシングブルズにポイントをもたらした。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) スペイングランプリ

    FP1から抱えた問題「週末を通して悪化していった」
    決勝後のインタビューで角田は、ターン1の接触だけでなく、マドリンクでの週末を通してマシンに問題を抱えていたことも明かした。

    「全体的に、このレースウイークはまったく簡単ではありませんでした。FP1から抱えていた問題を解決することができなかったと思います」

    問題はセッションを重ねても改善せず、角田自身の感触ではむしろ悪化していったという。

    「おそらく僕にとっては、その問題が週末を通してどんどん悪化していきました。そこは振り返って確認しなければならない部分です。でも、レースについては僕にできることはありませんでした」

    角田は予選でもQ2で15番手にとどまり、10番手まで進出したリンドブラッドとは0.880秒差がついていた。FP1から続いた問題を解消できないまま決勝を迎え、さらにスタート直後の接触によるダメージが加わったことで、厳しいレースを強いられた。

    「すべてを出し切った」チームにも感謝
    結果には結びつかなかったものの、角田は最後までできる限りのことをしたと強調。再びF1マシンでレースを戦えることへの喜びと、レーシングブルズへの感謝を口にした。

    「自分にできることはすべて出し切りましたし、またマシンに乗ってレースできたことを本当に楽しみました。今週末もまたチャンスを与えてくれたチームには本当に感謝しています」

    モンツァで10位に入り今季初ポイントを獲得した角田裕毅だったが、マドリンクでは2戦連続の入賞とはならなかった。スペインGPはターン1の接触による大きなダメージに加え、FP1から解決できなかった問題も残る週末となった。

  • F1スペインGP決勝 詳報:アントネッリが初代マドリンク王者 角田裕毅14位

    F1スペインGP決勝 詳報:アントネッリが初代マドリンク王者 角田裕毅14位

    2026年F1第14戦スペインGPの決勝が9月13日(日)にマドリードのマドリンクで行われ、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが優勝。2番グリッドから57周のレースを制し、F1初開催となったマドリンクの初代ウイナーに輝いた。

    2位にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、3位にはポールポジションからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)が入った。

    レーシングブルズの角田裕毅は15番グリッドから14位。スタート直後にはカルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)と接触する場面もあり、ポイント獲得には届かなかった。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは9位入賞。アストンマーティン・ホンダはフェルナンド・アロンソが17位、ランス・ストロールはリタイアに終わった。

    3種類のタイヤに分かれてスタート
    決勝前のマドリンクは高温となり、各チームは大きく異なるタイヤ戦略を採用した。ポールのノリスと2番手アントネッリはミディアム。3番手フェルスタッペンと4番手ルイス・ハミルトンはソフトを選択した。

    一方、シャルル・ルクレール、ジョージ・ラッセル、オスカー・ピアストリ、リアム・ローソンはハードでスタート。ガブリエル・ボルトレト、ピエール・ガスリー、角田裕毅、アロンソ、バルテリ・ボッタス、サインツJr.、ストロール、オリバー・ベアマンもハードを選んだ。

    ミディアムはノリス、アントネッリのほか、フランコ・コラピント、リンドブラッド、エステバン・オコン、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス。ニコ・ヒュルケンベルグはソフトを履き、序盤から順位を上げる戦略に出た。

    ターン1から混乱 アントネッリが2度コース外へ
    スタートではノリスとアントネッリがターン1で並び、アントネッリがイン側へ飛び込んだものの、止まり切れず最初のシケインをカット。ノリスが首位を守った。

    その後もアントネッリはノリスへ仕掛けたが、再びコース外へ。これを見逃さなかったフェルスタッペンがBunkerでアントネッリを抜き、2番手へ浮上した。

    しかし、フェルスタッペンもスタート直後にターン1でコース外へ出ながらハミルトンの前に残ったことで問題となった。ハミルトンはポジションを返すべきだと主張し、フェルスタッペンは逆に「ハミルトンが僕にぶつかりそうだった」「コントロールを失っていた」と無線で訴えた。

    それでもレッドブルはペナルティ回避を優先し、フェルスタッペンに順位返上を指示。フェルスタッペンはアントネッリとハミルトンを先行させ、4番手まで後退した。

    ラッセルとピアストリ接触 角田裕毅もサインツJr.と接触
    後方でもスタート直後から接触が相次いだ。ラッセルとピアストリが接触し、ピアストリはフロントウイングのエンドプレートを損傷。序盤から空力性能を失い、ペースに影響を受けた。

    角田裕毅もターン1でサインツJr.と接触。サインツJr.がブレーキングでロックアップし、角田とホイール同士を接触させた。一件はレースコントロールに記録された。

    ピアストリはスタートで大きく順位を落とし、コラピントやローソンにも先行を許した。一方、ノリスは混乱を抜け出してクリーンエアを確保し、序盤から首位を固めていった。


    ハミルトンにブレーキトラブル 序盤でリタイア
    フェラーリのハミルトンには序盤からブレーキトラブルが発生した。ペースを維持できなくなり、フェルスタッペン、ルクレール、ラッセルらに次々と抜かれた。

    ハミルトンは無線でブレーキが効かないと訴え、止まり切れないことを恐れて加速もできない状態に陥った。問題は急速に悪化し、フェラーリは序盤でマシンをピットへ戻してリタイアさせた。

    ハミルトンが脱落する一方、ノリスはアントネッリとの差を広げ、序盤のレースを支配。アントネッリがコース外へ出る場面もあり、ノリスのリードは4秒以上に広がった。

    アロンソとサインツJr.が接触 サインツJr.に5秒ペナルティ
    ホームレースを戦うスペイン人同士にも接触が発生した。アロンソとサインツJr.がターン5で争い、アロンソはサインツJr.にウォール側へ押しやられたと主張した。

    スチュワードは接触を審議し、サインツJr.に5秒のタイムペナルティを科した。両者ともこの時点でトップ10圏外を走っており、地元ファンにとっては厳しい展開となった。

    ストロール停止でVSC ノリスの独走が一転
    レースの流れを決定的に変えたのが14周目だった。ストロールがターン20でブレーキトラブルによりマシンを止め、バーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。

    この時点でノリスはアントネッリに6秒以上のリードを築いていたが、VSCが出たタイミングが明暗を分けた。アントネッリ、フェルスタッペン、ラッセルはすぐにピットへ入り、減速区間を利用してロスタイムを抑えてタイヤ交換を完了。一方、ノリスはすでにピット入口を通過しており、もう1周する必要があった。

    ストロールのマシンは短時間でバリアの外へ撤去され、ノリスがピット入口へ戻る前にVSCは終了。ノリスは通常のレーシングスピード下でピットストップを強いられたうえ、タイヤ交換にも約7秒を要した。

    序盤に築いた大きなリードは完全に消え、ルクレール、アントネッリ、フェルスタッペン、ラッセルに続く5番手まで後退した。VSCのタイミングとスローストップが重なり、ノリスの勝利への道は大きく狂った。


    ルクレールが首位 アントネッリが実質トップへ
    VSC中にピットへ入らなかったルクレールが首位に浮上。2番手アントネッリ、3番手フェルスタッペン、4番手ラッセル、5番手ノリスというオーダーになった。

    ルクレールはスタートから履くハードタイヤで走行を続け、フェラーリはセーフティカーや赤旗が出る可能性を見ながら長い第1スティントを選択した。

    一方、すでにピットストップを終えていたアントネッリが実質的なトップ。ハードタイヤの耐久性が予想以上に高かったこともあり、ルクレールは首位を維持しながら長く引っ張ることが可能になった。

    アントネッリにステアリングの違和感 メルセデスは異常確認できず
    VSC後に実質的な首位となったアントネッリだったが、中盤には「ステアリングホイールの感触がおかしい」と無線で訴えた。

    メルセデスはテレメトリを確認したものの、データ上で明確な異常は発見できなかった。さらにチームは、トラックリミット違反を重ねればタイムペナルティを受ける可能性があるとして注意を促した。

    それでもアントネッリはハードタイヤを管理しながらペースを維持。ルクレールがピットへ入るまで、実質的なトップの座を守り続けた。

    ハードタイヤが予想以上の耐久性 ラッセルは2ストップへ
    レース中盤になると、ハードタイヤのデグラデーションが想定ほど大きくないことが明らかになった。ルクレールをはじめ、ローソン、ピアストリ、ガスリー、ボルトレトらも長い第1スティントを続けた。

    その中でメルセデスはラッセルを2ストップへ切り替えた。ラッセルは2度目のピットストップ後、「なぜピットに入れた? ノリスを抑えられた」と無線で戦略に疑問を呈した。

    ハードが最後まで持つ可能性が高まるにつれ、2ストップを選んだラッセルは上位争いから距離を置かれる形となった。

    ノリスが反撃 フェルスタッペンを追う
    VSCで勝機を失ったノリスだったが、クリーンエアを得るとペースを上げ始めた。マクラーレンはハードタイヤの状態が良好だと判断し、ノリスにプッシュを指示。ノリスはファステストラップを刻みながら前方との差を削った。

    39周目にはウォールをかすめる場面もあったが、大きなダメージなく走行を継続。やがてフェルスタッペンとの差を1秒台まで縮め、再び表彰台争いに加わった。

    ピアストリは序盤のフロントウイング損傷に苦しみながら中団で順位を回復。ボルトレト、コラピント、リンドブラッドらと激しいトップ10争いを繰り広げた。

    ルクレールが48周終了まで粘る セーフティカーに賭ける
    フェラーリはルクレールをコース上に残し続けた。狙いはセーフティカー、あるいは赤旗が出た場合にピットロスを抑え、表彰台争いへ加わることだった。

    しかし、大きなアクシデントは起こらず、ルクレールは48周を終えたところでピットイン。新品ソフトへ交換した。

    ルクレールはラッセルの前となる4番手でコースへ復帰。これでアントネッリが正式に首位となり、フェルスタッペン、ノリスが続いた。残り周回でトップ3による勝負が始まった。

    アントネッリがペースアップ ノリスはフェルスタッペンに接近
    ルクレールがピットへ入ると、アントネッリはペースを上げてフェルスタッペンとの差を広げ始めた。

    その一方でフェルスタッペンの背後にはノリスが迫った。ノリスは終盤に1秒以内まで接近し、オーバーテイクの機会をうかがった。

    アントネッリは終盤にウォールへ触れる場面もあったが、マシンに致命的な問題はなく首位を維持。タイヤを管理しながら残り周回を走り切る態勢に入った。

    フェルスタッペンがターン5をカット ノリス最大のチャンス
    終盤、フェルスタッペンがターン5でコース外へ出る場面が発生。これによりノリスが一気に接近し、2位奪取の最大のチャンスを迎えた。

    ノリスはフェルスタッペンに並びかけたものの、完全に前へ出ることはできず、フェルスタッペンが2番手を守った。

    ノリスは無線で、フェルスタッペンがコース外へ出なければ自分が抜いていたはずだと主張。レース後、スチュワードはフェルスタッペンの走行を確認したものの、「さらなる調査なし」と判断した。

    スペイングランプリ 2026年のF1世界選手権

    アントネッリが今季8勝目 マドリンク初代ウイナーに
    57周のレースを走り切り、アントネッリがトップチェッカー。2番グリッドから今季8勝目を挙げ、初開催となったマドリンクで最初のF1ウイナーとなった。

    2位にはフェルスタッペン、3位にはノリス。序盤にレースを支配したノリスはVSCのタイミングとスローストップによって勝利を逃した。

    4位はルクレール、5位はラッセル。ローソンが6位に入り、レッドブルでの代役3戦目で好結果を残した。7位コラピント、8位ピアストリ、9位リンドブラッド、10位ヒュルケンベルグとなった。

    アントネッリはこの勝利でドライバーズ選手権のリードをさらに拡大。チームメイトのラッセルに対するリードは81ポイントとなった。

    アントネッリ「ランドが勝つに値したと思う」
    優勝したアントネッリは、タイヤマネジメントを含めて非常に難しいレースだったと振り返った。また、VSCで不運に見舞われたノリスについて、勝利に値する走りだったとの見方を示した。

    「とても難しいレースだった。まったく簡単ではなかったし、特にタイヤをマネジメントするのが大変だった」

    「勝てたのはうれしいけど、ランドが今日は勝つに値したと思うから、それほどいい気分ではない。でも、もちろんこの勝利は受け取るよ」

    「全体としてはとても強いレースだった。特に最後のハードでは本当にいいペースがあったし、これからもプッシュしていくよ」

    フェルスタッペン「レースペースを考えれば素晴らしい結果」
    2位のフェルスタッペンは、レッドブルのレースペースを考えれば満足できる結果だったと評価した。

    「レースペースを考えれば、僕たちにとって素晴らしい結果だった。ランドがVSCで不運だったことは分かっている。彼がどれだけ僕に追いついてきたかを見ても、2位は素晴らしい結果だ」

    終盤にはノリスから強いプレッシャーを受けたが、最後までポジションを守って2位表彰台を獲得した。

    ノリス「完璧なレースだったけど運が味方しなかった」
    3位のノリスは、VSCによってレースの流れが変わったことを悔やんだ。

    「VSCはその後に出たから、僕には何もできなかった。キミとマックスにはおめでとうと言いたい。今日は2人とも素晴らしいレースをした。僕たちには運がなかったけど、追いつこうと全力を尽くした」

    「厳しいレースだった。勝利が僕たちの手から離れていってしまった。勝つに値するレースだったと思うけど、受け入れるしかない」

    「僕は本当に懸命に取り組んでいるし、マシンからかなり多くを引き出せていると感じている。今日は完璧なレースができたと思う。ただ、運が味方しなかった」

    角田裕毅 スペイングランプリ

    角田裕毅14位 リンドブラッドは9位入賞
    角田裕毅は15番グリッドからハードタイヤでスタート。序盤のターン1でサインツJr.と接触する場面もあり、厳しいレースを強いられた。

    その後もポイント圏へ進出するだけのペースを得られず、14位でフィニッシュ。レーシングブルズ復帰後3戦目となったスペインGPでもポイント獲得には届かなかった。

    一方、チームメイトのリンドブラッドは10番グリッドから9位に入り、ポイントを獲得。角田はチームメイトから5ポジション後方でレースを終えることになった。

    アストンマーティン・ホンダ無得点 アロンソ17位
    アストンマーティン・ホンダにとっては厳しいホームレースとなった。アロンソは後方からのスタートとなり、サインツJr.との接触もありながら17位でフィニッシュ。ポイント獲得には遠く及ばなかった。

    ストロールはブレーキトラブルによってターン20で停止し、リタイア。これによって出されたVSCが結果的に勝敗を大きく左右することになった。

    アストンマーティン・ホンダは2台とも無得点でスペインGPを終えた。

    ペレスは水系統の問題 サインツJr.も完走できず
    リタイアは4台。ハミルトンとストロールがともにブレーキトラブルでレースを終えたほか、ペレスは水系統の問題が疑われるトラブルによってリタイアした。

    サインツJr.もマシントラブルによってホームレースを完走できず。予選でのグリッド降格、角田やアロンソとの接触、5秒ペナルティに続き、厳しい週末となった。

    初開催のマドリンクでは、事前に懸念されていた赤旗やセーフティカーによる大混乱は起こらなかった。それでも、わずかなVSCのタイミングがレース全体を大きく動かした。

    序盤を支配したノリスが最大の不運に見舞われる一方、その機会を最大限に生かしたアントネッリが勝利。タイヤ戦略、ピットストップ、トラックポジションが最後まで勝敗を左右するF1スペインGPとなった。

  • F1ポイントランキング スペインGP終了時:キミ・アントネッリが首位独走

    F1ポイントランキング スペインGP終了時:キミ・アントネッリが首位独走

    2026年F1第14戦スペインGPの決勝を終え、ドライバーズおよびコンストラクターズ選手権のポイントランキングが更新された。優勝したアンドレア・キミ・アントネッリが大量25ポイントを加算し、ランキング首位の座をさらに強固なものとしている。

    コンストラクターズ選手権では、アントネッリの優勝とジョージ・ラッセルの5位によってメルセデスが35ポイントを獲得。合計503ポイントまで伸ばし、2位フェラーリとの差を145ポイントに広げた。

    アントネッリが292ポイントで首位独走
    スペインGPを制したアンドレア・キミ・アントネッリは、267ポイントから292ポイントへと伸ばした。今季のタイトル争いでさらに大きなリードを築いている。

    2位はジョージ・ラッセル。スペインGPを5位で終えて10ポイントを加え、211ポイントとした。これによりアントネッリとの差は81ポイントとなった。

    スペインGPでノーポイントに終わったルイス・ハミルトンは191ポイントで3位を維持。ただし、3位表彰台を獲得したランド・ノリスが15ポイントを加えて186ポイントとなり、その差はわずか5ポイントまで縮まった。

    4位でフィニッシュしたシャルル・ルクレールは167ポイントでランキング5位。スペインGPで2位に入ったマックス・フェルスタッペンは18ポイントを加え、145ポイントまで伸ばしたが、ランキングは6位のままとなっている。

    オスカー・ピアストリは8位の4ポイントを加えて120ポイントで7位。負傷によりスペインGPを欠場したアイザック・ハジャーは71ポイントで8位を維持した。

    レッドブル・レーシングのリアム・ローソンは6位に入り8ポイントを獲得。通算59ポイントとしてランキング9位につけている。10位は41ポイントのピエール・ガスリーとなっている。

    角田裕毅は20位 1ポイントのまま
    レーシングブルズの角田裕毅はスペインGP決勝を14位で終え、ポイントを獲得することはできなかった。

    前戦イタリアGPで今季初ポイントを獲得した角田裕毅は、合計1ポイントのままドライバーズランキング20位。チームメイトのアービッド・リンドブラッドはスペインGPで9位に入り2ポイントを追加し、31ポイントで11位となっている。

    また、7位に入ったフランコ・コラピントは6ポイントを加え、27ポイントでランキング12位。10位のニコ・ヒュルケンベルグは今季7ポイント目を獲得した。

    メルセデスが500ポイント突破
    コンストラクターズ選手権では、メルセデスがスペインGPで最大の収穫を得た。

    アントネッリの優勝による25ポイントとラッセルの5位による10ポイントを合わせて35ポイントを獲得し、通算503ポイント。今季初めて500ポイントの大台を突破した。

    2位フェラーリはルクレールの4位による12ポイントを加えて358ポイント。メルセデスとの差は145ポイントに拡大した。

    マクラーレンはノリスの3位とピアストリの8位によって19ポイントを獲得し、306ポイントで3位。フェラーリとの差は52ポイントとなっている。

    レッドブル・レーシングはフェルスタッペンの2位とローソンの6位で26ポイントを加え、230ポイントで4位。マクラーレンとの差は76ポイントとなった。

    5位レーシングブルズはリンドブラッドの9位による2ポイントを加えて77ポイント。6位アルピーヌはコラピントの7位によって68ポイントとなり、両チームの差は9ポイントに縮まった。

    以下、ハースが21ポイント、アウディが17ポイント、ウィリアムズが11ポイント、アストンマーティンが3ポイント。キャデラックは依然としてノーポイントとなっている。

    スペイングランプリ 2026年のF1世界選手権

    2026年F1ドライバーズランキング
    1.アンドレア・キミ・アントネッリ:292ポイント
    2.ジョージ・ラッセル:211ポイント
    3.ルイス・ハミルトン:191ポイント
    4.ランド・ノリス:186ポイント
    5.シャルル・ルクレール:167ポイント
    6.マックス・フェルスタッペン:145ポイント
    7.オスカー・ピアストリ:120ポイント
    8.アイザック・ハジャー:71ポイント
    9.リアム・ローソン:59ポイント
    10.ピエール・ガスリー:41ポイント
    11.アービッド・リンドブラッド:31ポイント
    12.フランコ・コラピント:27ポイント
    13.オリバー・ベアマン:18ポイント
    14.ガブリエル・ボルトレト:10ポイント
    15.ニコ・ヒュルケンベルグ:7ポイント
    16.カルロス・サインツJr.:6ポイント
    17.アレクサンダー・アルボン:5ポイント
    18.エステバン・オコン:3ポイント
    19.フェルナンド・アロンソ:3ポイント
    20.角田裕毅:1ポイント
    21.ランス・ストロール:0ポイント
    22.バルテリ・ボッタス:0ポイント
    23.セルジオ・ペレス:0ポイント

    2026年F1コンストラクターズランキング
    1.メルセデス:503ポイント
    2.フェラーリ:358ポイント
    3.マクラーレン:306ポイント
    4.レッドブル・レーシング:230ポイント
    5.レーシングブルズ:77ポイント
    6.アルピーヌ:68ポイント
    7.ハース:21ポイント
    8.アウディ:17ポイント
    9.ウィリアムズ:11ポイント
    10.アストンマーティン:3ポイント
    11.キャデラック:0ポイント

    スペインGPではランキング上位勢の順位そのものに大きな変動はなかったものの、アントネッリがラッセルとの差を81ポイントまで拡大。コンストラクターズでもメルセデスが500ポイントを突破し、フェラーリに145ポイント差をつけるなど、両選手権でリードをさらに広げる結果となった。

  • F1スペインGP 決勝 結果・タイムシート:アントネッリ優勝 角田裕毅14位

    F1スペインGP 決勝 結果・タイムシート:アントネッリ優勝 角田裕毅14位

    F1スペインGP 決勝の結果・タイムシート。9月13日(日)にマドリンクで2026年のF1世界選手権 第14戦 スペイングランプリの決勝レースが行われた。

    優勝はアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)。2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。角田裕毅(レーシングブルズ)は14位。アストンマーティン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが17位、ランス・ストロールはリタイアに終わった。

    ■ アントネッリがマドリンク初代ウイナー 今季8勝目
    2番グリッドからスタートしたアンドレア・キミ・アントネッリが57周のレースを制し、F1初開催となったマドリンクで初代ウイナーに輝いた。終盤はマックス・フェルスタッペンとランド・ノリスが接近したものの、アントネッリは首位を守り切って今季8勝目。ドライバーズ選手権でもリードを拡大した。

    ■ フェルスタッペン2位 ノリスとの攻防を制して表彰台
    マックス・フェルスタッペンは優勝したアントネッリから4.351秒差の2位。終盤にはノリスが1秒以内まで迫り、最終周には周回遅れを処理する際にフェルスタッペンがコース外へ出る場面もあった。ノリスはこの動きがなければオーバーテイクできたとしてチームに訴えたが、チェッカーではフェルスタッペンが0.738秒差で2位を守った。

    ■ ポールのノリスは3位 VSCとピットストップで勝機失う
    ポールポジションのランド・ノリスは好スタートから序盤に首位を築き、9周目にはアントネッリに4秒以上のリードを持っていた。しかし、VSCのタイミングと遅いピットストップが響いて後退。終盤はフェルスタッペンを追い詰めたものの、3位でレースを終えた。

    ■ ルクレール4位 ハードで49周まで引っ張る大胆戦略
    シャルル・ルクレールはハードタイヤでスタートし、セーフティカーやVSCの発生を待ちながら49周目までピットストップを遅らせる戦略を採用。一時はレースをリードし、最後は新品ソフトに交換してジョージ・ラッセルの前でコースに復帰した。表彰台には届かなかったが4位を確保した。

    ■ ラッセル5位 2ストップ戦略が裏目
    ジョージ・ラッセルは29周目に2度目のピットストップを行い、ハードタイヤへ交換。しかし、ハードタイヤのデグラデーションが予想より小さく、1ストップ勢に対する戦略上の優位を得られなかった。本人も無線で「なぜピットに入れた?」と疑問を呈し、最終的に5位に終わった。F1 TVのデビッド・クルサードも2ストップによって前方から大きく離されたと指摘した。

    ■ ローソン6位 レッドブルで自己最高クラスの結果
    リアム・ローソンは8番グリッドから2つ順位を上げて6位。レース中盤には古いタイヤでラッセルの攻撃を受けて順位を落とす場面もあったが、その後の展開を生かして上位に復帰し、レッドブルで貴重なポイントを獲得した。

    ■ 角田裕毅14位 リンドブラッドに5ポジション・約49.8秒差
    レーシングブルズの角田裕毅は15番グリッドから14位でフィニッシュ。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは9位に入り、両者ともトップから1周遅れながら、角田はリンドブラッドから5ポジション、タイム換算で約49.8秒後方となった。スタート直後にはターン1でカルロス・サインツJr.と接触する場面もあり、ポイント獲得には届かなかった。

    ■ アストンマーティン・ホンダ苦戦 アロンソ17位でトップから2周遅れ
    アストンマーティン・ホンダは厳しい決勝となった。フェルナンド・アロンソは17位でチェッカーを受け、優勝したアントネッリから2周遅れ。ランス・ストロールはマシントラブルでストップして完走できず、ホームレースのアロンソを含めてポイントを獲得できなかった。

    ■ ハミルトンはブレーキトラブルで序盤リタイア
    ルイス・ハミルトンは序盤からブレーキの問題に見舞われ、9周目にピットへ戻ってリタイア。ストロールもマシントラブルでストップし、その後セルジオ・ペレスとカルロス・サインツJr.もリタイアした。大荒れも予想された初開催マドリンクだったが、セーフティカーや赤旗による波乱ではなく、マシントラブルと戦略が結果を大きく左右するレースとなった。

    スペイングランプリ

    F1スペインGP 決勝 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム GAP INT POS PIT
    1 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス ― ― ↑ 1 1
    2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル +4.351 +4.351 ↑ 1 1
    3 4 ランド・ノリス マクラーレン +5.089 +0.738 ↓ 2 1
    4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ +29.116 +24.027 ↑ 1 1
    5 63 ジョージ・ラッセル メルセデス +29.829 +0.713 ↑ 1 2
    6 30 リアム・ローソン レッドブル +86.746 +56.917 ↑ 2 1
    7 43 フランコ・コラピント アルピーヌ +94.281 +7.535 ↑ 2 1
    8 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン +95.839 +1.558 ↓ 1 1
    9 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1L +13.440 ↑ 1 1
    10 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1L +0.890 ↑ 1 1
    11 31 エステバン・オコン ハース 1L +3.845 ↑ 2 1
    12 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ 1L +11.009 ↑ 2 1
    13 5 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1L +2.237 ↓ 1 1
    14 22 角田裕毅 レーシングブルズ 1L +31.774 ↑ 1 1
    15 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 1L +26.049 ↑ 1 1
    16 87 オリバー・ベアマン ハース 1L +3.751 ↑ 6 2
    17 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 2L +41.124 - 0 2
    18 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 3L 1L ↑ 1 2
    DNF 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ RETIRED ― ↑ 1 3
    DNF 11 セルジオ・ペレス キャデラック RETIRED ― ↓ 2 2
    DNF 18 ランス・ストロール アストンマーティン STOP ― - 0 0
    DNF 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ RETIRED ― ↓ 18 1
  • 角田裕毅 F1スペインGP新コースを解説「縁石を使ってマシンを回す」

    角田裕毅 F1スペインGP新コースを解説「縁石を使ってマシンを回す」

    角田裕毅は、2026年F1スペインGPの金曜フリー走行を終え、新設されたマドリンクをスカイパッドで詳細に解説した。高速コーナーや縁石を積極的に使えるレイアウトを「サウジみたい」と表現し、「間違いなく楽しんでいる」と好印象を語った。

    一方で、ターン13のブレーキングでは路面のバンプがマシンを不安定にさせ、終盤の高速区間ではわずかなフロントタイヤのロックアップがその後のグリップにも影響すると説明。

    FP2でトップ10に入った角田だが、赤旗やトラフィックでアタックをまとめ切れなかったとして、予選に向けて「改善できる場所はたくさんある」と手応えを示した。

    「カート時代みたい」縁石を積極的に使えるマドリンク
    FP2終了後、角田裕毅はSky Sports F1のスカイパッドに登場。元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンとともに自身のオンボード映像を確認しながら、マドリンクでの1周を振り返った。

    「間違いなく楽しい一日でした。新しいコースですし、ここの特徴は縁石をかなり使えることですね」

    デビッドソンが、縁石を避けるのではなく積極的に使ってマシンを回頭させていることを指摘すると、角田もその感覚を楽しんでいると説明した。

    「カート時代に戻ったような感じです。縁石にアグレッシブに乗って、それを使ってマシンを回していく。すごくいい感覚です」

    マドリンクには完全な直線ではないものの、長時間フルスロットルとなる高速区間がある。その先のブレーキングについて、角田は難しさをこう説明した。

    「少し複合的な区間になっていて、ここのブレーキングはかなり難しいです。曲がりながらブレーキングするのでフロントをロックしやすい。でも、できる限りプッシュしたいですし、ここでも縁石をかなり使えます」

    ブラインドの高速区間「サウジみたい」
    さらに角田が難所として挙げたのが、上り勾配の先に待つブラインドコーナーだ。

    「完全にブラインドです。エイペックスを越えてからようやく分かるような感じです。通常なら50mのボードを目印にします」

    そこから壁が迫る高速区間へと続き、出口ではマシンがスナップする場面もあった。それでも角田は、このセクションを気に入っているという。

    「楽しいですよ。高速コーナーで、ここはサウジみたいな感じです。すごくいいですね。ただ、少しバンピーです」

    ラ・モニュメンタル(La Monumental)の速度に驚き
    角田が特に印象を受けたのが、ターン12のバンクコーナー、ラ・モニュメンタル(La Monumental)だった。

    「今日かなり驚いたのは、このバンクでどれだけスピードを維持できるかということです。本当にかなりの速度で走れます」

    一方、ここではエネルギーデプロイメントもラップの組み立てを左右する。

    「少しデプロイメントに制限されていましたけど、もっと使えるなら、ここは簡単にさらに速く走れると思います」

    デビッドソンからバッテリーのエネルギーをどこで使うかについて尋ねられると、角田はターン12とターン13の間でドライバー自身が配分を調整していると明かした。

    「バランスですね。ターン12の進入でもっとプッシュしたければ、ターン13に向けて使えるデプロイメントは少なくなります。どの部分で使いたいかによります」

    「ターン13に向けてデプロイメントを使いたいなら、ターン12では少しセーブする必要があります」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) マドリング

    リンドブラッドがクラッシュしたターン13「僕も苦戦した」
    FP2ではチームメイトのアービッド・リンドブラッドがターン13でリアを失い、バリアにクラッシュ。この事故によって赤旗が出された。

    角田自身も、このコーナーには難しさを感じていたという。

    「ここは難しいです。簡単ではないですし、僕も苦戦していました。すべては自信ですね。それにブレーキング中に小さなバンプがあって、それがマシンをかなり不安定にすることがあります」

    「アービッドとも話しましたけど、あのバンプが少し不安定さを生み出していると思います」

    小さなロックアップでも「その後のグリップに影響する」
    ターン16から17にかけても、ステアリングを切りながら減速する難しいブレーキングが待ち受ける。

    角田によれば、ここでは目に見えないほど小さなタイヤロックでも、その後のコーナーに影響を及ぼすという。

    「ほんの小さな、わずかなロックアップでもタイヤ温度に影響します。それによってフロントのグリップ性能も変わります」

    「見た目では大きなロックアップに見えなくても、その後のコーナーでグリップレベルに影響します。もちろんブレーキングを手前で終わらせすぎたくはないですけど、オーバーシュートしすぎるのも避けたい。フロントタイヤの温度が上がりすぎてしまいますから」

    高速シケインは「ラップタイムを大きく稼げる」
    終盤のターン18から19は、FIA F2でもクラッシュが発生した高速セクションだ。

    「ここは徐々に自信を積み上げていきたい場所です。壁もかなり近いですけど、僕はこの部分が好きです」

    「短いセクターですけど、同時にグリップに制限される場所でもあります。ここではかなりラップタイムを稼げますし、大きな差をつけることもできます。すべては自信ですね」

    角田はマドリンク全体について、「すごくチャレンジングで、少しスケッチーなコースですけど、間違いなく楽しんでいますし、たくさん学んでいます」と語った。

    赤旗とトラフィックでアタックを妥協
    FP2の自身のラップについて、角田はまだ改善の余地が大きいと分析している。

    「改善できる場所はたくさんあります。このランは赤旗とトラフィックによって妥協を強いられました」

    「もちろん完璧なラップを目指していますし、それを予選でできれば最高です。すべてのコーナーに数ミリ秒だったり、数十分の一秒だったり、まだ稼げるところがあります。それが明日に向けた宿題ですね」

    FP1ではパワーステアリングの問題によって走行時間を失った角田だが、FP2ではトップ10に入り、新コースで着実にペースを引き上げた。赤旗とトラフィックによってまだ1周を完全にはまとめ切れておらず、土曜日の予選ではマドリンクへの理解をどこまでラップタイムにつなげられるかが焦点となる。

  • マルク・マルケス MotoGPサンマリノGP優勝で選手権首位浮上

    マルク・マルケス MotoGPサンマリノGP優勝で選手権首位浮上

    2026年MotoGP第14戦サンマリノGPの決勝が9月13日にミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われ、マルク・マルケス(ドゥカティ)が優勝。今季5勝目を挙げ、2026年シーズンで初めてランキング首位に立った。

    ポールポジションからスタートしたマルコ・ベッツェッキ(アプリリア)がオープニングラップで転倒する波乱の展開。マルク・マルケスは一時ホルヘ・マルティン(アプリリア)に首位を奪われたものの、12周目に逆転。

    その後は弟アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ)の猛追を退け、0.657秒差でチェッカーを受けた。

    ベッツェッキが首位から1周目に転倒
    週末を通して速さを見せていたマルク・マルケスとベッツェッキによる直接対決が期待された27周の決勝。好スタートを切ったベッツェッキはホールショットを奪い、序盤のコーナーでマルケスを抑えてトップを守った。

    しかし、その対決はわずか1周で終わった。ベッツェッキは最終セクターの高速右コーナー、ターン13で転倒。地元イタリアのファンが見守るなか、トップ走行中にレースを終えることになった。

    これでマルク・マルケスが首位に浮上し、2番手にはもう1台のファクトリー・アプリリアを駆るマルティンが続いた。

    マルティンが7周目にマルケスを攻略
    ベッツェッキの脱落後もマルク・マルケスが独走する展開にはならなかった。

    7周目、マルティンがターン4でマルケスをオーバーテイク。トップに立ったマルティンはその後数周で0.8秒以上のリードを築き、レースの主導権を握った。

    その後方ではペドロ・アコスタ(KTM)とアレックス・マルケスがポジションを争い、アレックス・マルケスが前に出てトップ2への接近を開始した。

    12周目にマルク・マルケスが首位奪還
    レース中盤に入るとマルク・マルケスが再びペースを上げた。11周目にはマルティンの背後まで接近し、12周目のターン6で仕掛けてトップを奪い返した。

    さらに2周後にはアレックス・マルケスもマルティンを攻略。これでマルケス兄弟が1-2となり、兄マルクを弟アレックスが追う展開となった。

    一時は1秒以上あった両者の差は終盤に急速に縮まり、アレックス・マルケスは0.5秒前後まで接近。最後まで緊迫した兄弟対決が続いた。

    それでも7度のMotoGP王者マルク・マルケスは最後までミスを犯さず、0.657秒差で逃げ切った。今季5度目のグランプリ優勝となった。

    アコスタ3位 マルティンは5位まで後退
    3位にはKTMのペドロ・アコスタが入り、2戦連続となる表彰台を獲得。トップから2.326秒差だった。

    4位にはグレシーニ・ドゥカティのフェルミン・アルデゲルが入り、序盤にトップを走ったマルティンは終盤にポジションを落として5位。優勝したマルク・マルケスから14.021秒差でフィニッシュした。

    6位はラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)、7位ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)、8位エネア・バスティアニーニ(テック3 KTM)と続いた。

    ホンダ勢ではルカ・マリーニが9位で最上位。ヤマハのファビオ・クアルタラロが10位に入った。

    21台中完走は14台のサバイバルレース
    決勝は21台がスタートしたものの、完走は14台にとどまった。

    ベッツェッキに加えて、フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)、ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ)、ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)が転倒。終盤にはヨハン・ザルコ(LCRホンダ)もクラッシュした。

    ジョアン・ミル(ホンダ)とアレックス・リンス(ヤマハ)はピットでレースを終えている。

    なお、決勝では全ライダーがフロント、リアともにミディアムタイヤを選択した。

    102ポイント差を逆転 マルク・マルケスが選手権首位
    今回の勝利によってマルク・マルケスは2026年シーズンで初めてMotoGPランキング首位に浮上した。

    5月末のイタリアGP終了時にはランキング首位から102ポイント差をつけられていたが、その差を逆転。2026年にドゥカティのライダーがランキング首位に立つのも今回が初めてとなる。

    ただし、マルク・マルケスとマルティンはポイントで並んでおり、タイトル争いは依然として僅差。マルティンにとっては、終盤にアルデゲルに抜かれて5位へ後退したことがランキング首位を失う決定的な一撃となった。

    2026年MotoGP サンマリノGP 決勝

    2026年MotoGP サンマリノGP 決勝結果
    1.マルク・マルケス(ドゥカティ)
    2.アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ)+0.657秒
    3.ペドロ・アコスタ(KTM)+2.326秒
    4.フェルミン・アルデゲル(グレシーニ・ドゥカティ)+6.027秒
    5.ホルヘ・マルティン(アプリリア)+14.021秒
    6.ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)+18.252秒
    7.ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ)+20.581秒
    8.エネア・バスティアニーニ(テック3 KTM)+20.858秒
    9.ルカ・マリーニ(ホンダ)+22.911秒
    10.ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)+23.229秒
    11.ブラッド・ビンダー(KTM)+23.905秒
    12.トプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ)+28.031秒
    13.フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ)+28.927秒
    14.ポル・エスパルガロ(テック3 KTM)+31.792秒

    マルク・マルケスは、ベッツェッキの序盤の転倒という大きな展開変化を確実に生かし、マルティンに一度は抜かれながらも自力でトップを奪い返して勝利した。102ポイント差から追いついた王者がついにランキング首位へ。マルティンと同点という状況で、2026年MotoGPのタイトル争いは残り8戦へと向かう。

  • F1スペインGP決勝戦略:1ストップ有力もグレイニングと赤旗が波乱要因

    F1スペインGP決勝戦略:1ストップ有力もグレイニングと赤旗が波乱要因

    2026年F1第14戦スペインGPの決勝は、初開催となるマドリンクの特性から、タイヤ戦略とレース中断への対応が勝敗を大きく左右する一戦となりそうだ。最も有力なのはミディアムからハードへつなぐ1ストップだが、グレイニングの程度次第では2ストップもほぼ同等のレースタイムになると予測されている。

    さらに、マドリンクではオーバーテイクが非常に難しいと見られており、純粋なタイヤ性能以上にトラックポジションが重要になる。

    一方、週末を通してクラッシュと赤旗が相次いでいることから、セーフティカー(SC)、バーチャル・セーフティカー(VSC)、さらには赤旗による戦略のリセットも十分に考えられる。

    ■ 最有力はミディアム→ハードの1ストップ
    ピレリとF1のシミュレーションで基本戦略とされているのが、ミディアムでスタートし、ハードへ交換して最後まで走る1ストップだ。

    想定されるピットウインドウは18~24周目。マドリンクでは追い抜きが難しいため、タイヤを長く持たせることができれば、ピットストップ回数を減らしてトラックポジションを守るメリットが大きい。

    比較対象として挙げられているのがイモラだ。タイヤだけを考えれば複数回のピットストップが適していても、オーバーテイクの難しさによって1ストップの価値が高まるという点で共通している。

    ただし、最大の不確定要素がグレイニングだ。新舗装は非常にスムーズでありながら予想以上にグリップが高く、フリー走行では左フロントと左リアを中心にかなり強いグレイニングが確認された。

    ピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベッラは「フロントとリアの左タイヤの両方にグレイニングが見られ、場合によってはかなり顕著だった。特にスライドしやすいマシンでは、それが摩耗を加速させていた」と説明する。

    「すでにチーム間では、スティントを通して誰がより効果的にタイヤを管理できるかという違いが見え始めている」

    スペイングランプリ タイヤパフォーマンス

    ■ 2ストップもレースタイムではほぼ互角
    もうひとつの有力候補が、ミディアム→ハード→ハードの2ストップだ。

    この場合、最初のピットストップは10~16周目、2回目は31~37周目が目安となる。シミュレーション上では1ストップとの差はほとんどなく、十分なタイヤ性能差を使って前方のマシンを抜けるのであれば、2ストップが速くなる可能性もある。

    ピレリ・モータースポーツディレクターのダリオ・マラフスキは、1ストップと2ストップを分ける最大の要因としてグレイニングを挙げた。

    「1ストップと2ストップを決める要因になるのはグレイニングかもしれない。最初から十分なペースがなく、さらにタイヤ寿命も最後まで1ストップで走り切れるほど残っていなければ、当然ながらもう1回のストップを使ってレースを管理する必要がある」

    重要なのは、スタート時点でどちらかに完全に決める必要がないことだ。ミディアムでスタートすれば、序盤のデグラデーションとグレイニングを確認してから1ストップか2ストップかを選択できる。

    スペイングランプリ タイヤ戦略

    ■ ソフトスタートは序盤の順位アップが狙い
    トップ10にはソフトタイヤからスタートする選択肢もある。

    ソフト→ハードの1ストップなら、ピットウインドウは15~21周目。ソフト→ハード→ハードの2ストップでは9~15周目と30~36周目が目安となる。

    総レースタイムではミディアムスタートとの差はわずか数秒と予測されているため、スタート直後のグリップを重視するドライバーにとって魅力的な選択肢となる。

    マドリンクではレース中のオーバーテイクが難しいと予想されているだけに、スタートは順位を上げる最大のチャンスのひとつになる。その意味ではソフトの高いグリップ力には大きな価値がある。

    一方で、ソフトは第1スティントを長く伸ばしにくく、早い段階でSCやVSCが入った場合などに戦略の自由度が低くなるリスクも抱える。

    ■ 後方勢にはハードスタートという賭け
    後方グリッドではハード→ミディアムという逆転戦略も考えられる。

    特にFP3でクラッシュして予選でタイムを記録できず、後方からスタートするオリバー・ベアマンのようなドライバーにとっては、周囲とは異なる戦略を採用する価値がある。

    ハードスタートの場合、理想的なピットウインドウは36~42周目。第1スティントを大幅に伸ばし、その間にSCや赤旗が発生すれば、一気にポジションを上げられる可能性がある。

    逆に何も起きなければ、古いハードで長時間走ることになり、タイヤ性能面では苦しい展開となる。純粋な速さというより、波乱を待つ戦略となる。

    スペイングランプリ 持ちタイヤ

    ■ ほぼ全チームが新品ハード2セットを温存
    戦略をさらに興味深くしているのがハードタイヤのデータ不足だ。

    22台中19台が決勝用としてハードを2セット残している。金曜日にハードを使用したのはアウディだけで、FP1でガブリエル・ボルトレト、FP2でニコ・ヒュルケンベルグが装着。土曜日のFP3ではリアム・ローソンもC2を使用した。

    しかし、いずれも本格的なロングランを実施したわけではなく、プッシュラップとクールダウンを繰り返す走行が中心だった。

    つまり、決勝の中心になると予想されるハードについて、各チームが実戦に近い条件で得たデータは非常に限られている。

    ■ 赤旗の可能性が戦略を大きく左右
    マドリンク特有の大きな要素が、クラッシュ発生時のコース処理だ。

    FP1こそ赤旗なしで終了したものの、FP2ではターン13でアービッド・リンドブラッドがクラッシュ。FP3では最終コーナーでルイス・ハミルトン、ターン10でオリバー・ベアマンが相次いでウォールにヒットし、セッションが中断された。

    ストリートコースという性格上、停止したマシンの撤去に時間がかかり、バリア修復にも長い時間を要する。FP3ではレースコントロールがセッション時計を止めるという異例の対応も取られた。

    そのため決勝でも、長時間SCで隊列をコントロールするより、レースディレクターが赤旗を選択する可能性が通常より高い。

    赤旗が出れば、それまでのタイヤ戦略が大きく変わる。特にハードで第1スティントを伸ばす後方勢にとっては、大きな利益を得る展開もあり得る。

    ■ 気温31度 路面温度54度もタイヤ管理の鍵
    決勝はドライコンディションが予想されており、雨の可能性は低い。気温は約31度、路面温度は最大54度程度まで上昇すると予測されている。

    高い路面温度に加え、すでに確認されているグレイニングが重なるため、ドライバーには慎重なペース管理が求められる。

    基本線はミディアム→ハードの1ストップ。しかし、グレイニングが想定以上に悪化すれば2ストップへ切り替えることができ、SCやVSC、赤旗が発生すれば状況はさらに大きく変化する。

    オーバーテイクが難しいマドリンクでは、単純に最速のタイヤ戦略を選ぶだけではなく、「いつトラックポジションを優先するか」が最大のポイントになる。初開催のF1スペインGPは、タイヤ管理と不測の中断への対応力が勝敗を分ける戦略戦となりそうだ。