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  • アストンマーティンF1 バクーで追加軽量化へ ニューウェイ「最適化を続ける」

    アストンマーティンF1 バクーで追加軽量化へ ニューウェイ「最適化を続ける」

    アストンマーティンF1のチーム代表エイドリアン・ニューウェイは、2026年F1スペインGP決勝を「残念な午後」と総括した。ランス・ストロールのリタイアとフェルナンド・アロンソの接触によるダメージによって、アップデートされたマシンの「真のペースを示すことができなかった」と語った。

    一方で、ニューウェイはアロンソがレースを走り切ったことで、新しいパッケージを分析するための有用なデータを収集できたことを収穫に挙げた。

    次戦アゼルバイジャンGPでは、さらなる軽量化策を投入することも明らかにしている。

    ニューウェイ「真のペースを示すことができなかった」
    初開催となったマドリンクでのF1スペインGPは、アストンマーティンにとって厳しい週末となった。

    ストロールは序盤にマシンへダメージを負い、その後ブレーキにも問題が発生。ペダルが長くなったことでロックアップを喫し、ランオフエリアでマシンを止めた。このストロールの停止によってVSC(バーチャル・セーフティカー)が導入され、レース展開にも大きな影響を与えた。

    アロンソもカルロス・サインツJr.との接触でフロントウイングを損傷し、交換のために予定外のピットストップを強いられた。サインツJr.にはこの接触についてペナルティが科され、アロンソは17位でレースを終えた。

    ニューウェイは、2台ともダメージに見舞われたことで、本来のパフォーマンスを確認する機会を失ったと説明した。

    「マドリードでは残念な午後になった。ランスはダメージによって早い段階でリタイアし、フェルナンドもカルロス・サインツとの接触でダメージを負った。そのため、我々の真のペースを示すことができなかった」

    それでも、アロンソが最後まで走行を続けたことには意味があった。アストンマーティンはスペインGPでアップデートされたパッケージの理解を進めており、ニューウェイは今回得られたデータを今後の改善につなげる考えだ。

    「フェルナンドはスペインのファンの前で堅実なレースをしてくれた。それによって、この新しいマシンについて分析するための有用なデータを収集することができた」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アゼルバイジャンGPでさらなる軽量化
    ニューウェイはさらに、次戦アゼルバイジャンGPに向けて追加の軽量化策を投入することを明らかにした。

    「これからはバクーに集中する。そこではさらなる軽量化策を持ち込み、引き続きパッケージの最適化を進めていく」

    2026年からホンダF1のパワーユニットを搭載するアストンマーティンは、シーズンを通じてマシンの改善を続けている。今回のマドリンクでは結果につなげることはできなかったものの、アップデートされたパッケージのデータ収集は進めることができた。

    次戦バクーでは軽量化によってマシンの完成度をさらに高められるかが焦点となる。ニューウェイにとって、スペインGPは結果以上に、現在のパッケージを理解し、次の改善につなげるための一戦となった。

  • 角田裕毅 F1スペインGPでのサインツとの接触ダメージで「少なくとも0.5秒失った」

    角田裕毅 F1スペインGPでのサインツとの接触ダメージで「少なくとも0.5秒失った」

    レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインは、2026年F1スペインGP決勝で14位に終わった角田裕毅について、1周目のカルロス・サインツJr.との接触によるマシンダメージで「少なくとも0.5秒」を失っていたと明かした。

    角田裕毅はスタート直後のターン1でサインツJr.のウィリアムズと接触。マシンに大きなダメージを負った状態でレースを続けることになり、オーバーテイクが難しいマドリンクで挽回することができなかった。

    パーメイン「少なくとも0.5秒を失っていた」
    アラン・パーメインは、角田裕毅のレースについて、結果を大きく左右したのは1周目の接触だったと説明した。

    「裕毅のレースは1周目にカルロス・サインツJr.と接触したことで損なわれた。マシンにダメージを負い、それによって少なくとも0.5秒を失っていた」

    「その結果、全体として厳しいレースになった」

    角田裕毅自身も、ターン1での接触によってレースがほぼ決まってしまったとの認識を示している。

    「今日はまったく簡単ではありませんでした。ターン1でサインツと接触してかなりのダメージを負ってしまい、僕のレースはそこでほぼ終わってしまいました。ペースへの影響もかなり大きかったです」

    「ダメージを考えれば、ペース自体はそれほど悪くなかったと思います。ただ、スタートでいくつかポジションを失いましたし、ここはオーバーテイクがとても難しいので、それを取り戻すチャンスはあまりありませんでした」

    それでも角田裕毅は、復帰後のレースを最後まで走り切ったことを前向きに捉えている。

    「自分にできることはすべてやりましたし、またマシンに戻ってレースできたことを本当に楽しめました。今週末もチャンスを与えてくれたチームに心から感謝しています」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    一方、チームメイトのアービッド・リンドブラッドは9位でフィニッシュし、レーシングブルズに2ポイントを持ち帰った。パーメインはチーム全体のパフォーマンスについては手応えを示している。

    「今日はアービッドがポイントを獲得して、かなり良い一日になった。ペースがあることには自信を持てる」

    初開催となったマドリンクについても「マドリードは素晴らしいサーキットだ。今後何年にもわたって、さらに人気が高まっていくと思う」と評価した。

    角田裕毅にとっては結果だけを見れば14位という厳しいF1スペインGPとなったが、パーメインが明かした「少なくとも0.5秒」という損失は、本来のペースを評価するうえで重要な要素となる。接触によるダメージを抱えながら走り切っただけに、次戦アゼルバイジャンGPではクリーンな状態でどこまでパフォーマンスを発揮できるかが焦点となる。

  • カルロス・サインツJr. アロンソとの接触で責任否定「無線で訴えられてペナルティ」

    カルロス・サインツJr. アロンソとの接触で責任否定「無線で訴えられてペナルティ」

    カルロス・サインツJr.は、2026年F1スペインGP決勝でフェルナンド・アロンソと接触した一件について、自身に大きな責任があったとの見方を否定した。5秒のタイムペナルティを科されたサインツJr.は、アロンソが無線で訴えたことが裁定につながったとの考えを示した。

    マドリンクで初開催されたF1スペインGPで、ウィリアムズのサインツJr.とアストンマーティン・ホンダのアロンソがコース上で接触。

    アロンソのマシンはダメージを負い、スチュワードはサインツJr.に5秒のタイムペナルティを科した。

    接触はアロンソがサインツJr.にオーバーテイクを仕掛けた際に発生した。両者が接近した状態でターン5へ向かい、サインツJr.とアロンソのマシンが接触。アロンソは直後の無線で強い不満を示した。

    しかし、サインツJr.はレース後、接触について自身に非があったとは考えていないと説明した。

    「特に言うことはない。右に曲がるあのコーナーの性質によるものだと思う。彼が無線で訴えて、それで僕にペナルティが科された。こういうケースではいつもそうなる」

    サインツJr.はこの時点でマシンにダメージを抱えており、安定性にも苦しんでいたという。

    「安定性がほとんどなくて、マシンをコース上にとどめておくのがすごく難しかった」

    そのうえで、接触が起きたターン5は2台が並んで通過するにはスペースが限られており、同様のインシデントが起こりやすいコーナーだと指摘した。

    「あのコーナーでは、これからもこういう接触は起こると思う。1台分のスペースしかなくて、2台分はない。右に曲がりながらミラーを見て、そのあと左に曲がることはできないから、前を見なければならない。フェルナンドが僕の横にいたとは思っていない」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    一方のアロンソはサインツJr.とは異なる見方を示している。接触後には無線で強く反応し、レース後にも高速域でのサインツJr.の動きを「不必要だった」と批判した。

    スチュワードは最終的にサインツJr.に5秒のタイムペナルティを科したが、サインツJr.はコーナーの特性に加え、ダメージによってマシンの安定性を失っていたことを説明。さらに、接触時にはアロンソが自分の横まで並んでいたとの認識もなかったとして、裁定への不満を隠さなかった。

    母国スペインのドライバー同士による接触となったが、アロンソがサインツJr.の動きを問題視したのに対し、サインツJr.はレーシングインシデントに近いものだったとの立場を示しており、両者の見解は最後まで食い違った。

  • フェルナンド・アロンソ F1スペインGPで接触のサインツに苦言「不必要だった」

    フェルナンド・アロンソ F1スペインGPで接触のサインツに苦言「不必要だった」

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1スペインGP決勝でカルロス・サインツJr.と接触した一件について「不必要だった」と苦言を呈した。高速走行中に壁側へ押しやられたと主張し、サインツJr.に科されたペナルティは妥当だったとの見解を示した。

    18番グリッドからスタートしたアロンソは、母国スペインのファンの前で順位浮上を目指したが、サインツJr.のウィリアムズとのバトルで接触。AMR26のフロントウイングを損傷し、交換のために予定外のピットストップを余儀なくされた。

    「340km/hで壁側に押しやられた」
    アロンソはレース後、サインツJr.のドライビングについて不満を隠さなかった。

    「340km/hで壁側に押しやられた。不必要だった」

    「左側には十分なスペースがあった。でも、これが初めてというわけではない。今日は彼にペナルティが科されたけど、これまでには科されなかったこともある」

    スチュワードはこの接触についてサインツJr.にペナルティを科した。アロンソもその裁定を支持した。

    「残念ながらカルロスにぶつけられて、フロントウイングを交換するためにピットに入らなければならなかった。ペナルティが出た。それがFIAの下した判断で、僕は正しかったと思う」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    「彼にとって難しい週末だった」
    アロンソは今回の接触だけでなく、サインツJr.がF1スペインGPを通してトラブルの多い週末を過ごしていたことにも言及した。

    「彼にとって難しい週末だった。昨日は予選でペナルティがあったし、今日はスタートで1台と接触した。そういうことは起こり得る。少し歯車がかみ合わない週末というものはある」

    一方、接触によるフロントウイングの損傷が自身の最終結果を決定づけたわけではないとも認めている。

    「その後は僕たちにとって難しいレースになった。でも、僕たちにあったペースを考えれば、最終結果はそれほど変わらなかったと思う」

    アロンソは最終的に17位でフィニッシュ。ポイント獲得には届かなかったものの、母国ファンからの大きな声援については「今日はファンのサポートを見ることができて素晴らしかった。雰囲気を本当に楽しんだ」と感謝を口にした。

    母国F1スペインGPで厳しい結果に終わったアロンソ。レース結果そのものについてはマシンのペースを冷静に受け止めた一方、サインツJr.との接触については「不必要だった」と明確に批判し、高速域で十分なスペースを残さなかったドライビングに不満を示した。

  • マックス・フェルスタッペン F1スペインGPで2位「予想以上の素晴らしい結果」

    マックス・フェルスタッペン F1スペインGPで2位「予想以上の素晴らしい結果」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1スペインGP決勝で2位表彰台を獲得した。レッドブル・レーシングにとってマドリンクは決して最も競争力のある週末ではなかったが、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングを生かして順位を上げ、終盤にはランド・ノリスの猛追を抑え切った。

    3番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、序盤からアンドレア・キミ・アントネッリやルイス・ハミルトンと激しいポジション争いを展開。

    最終的には優勝したアントネッリに続く2位でチェッカーを受け、「予想していた以上の素晴らしい結果」と週末を振り返った。

    「予想していた以上の結果」
    フェルスタッペンはレース後、2位という結果への満足感を示した。

    「僕たちにとって素晴らしい結果だと思う。正直、レース前にはここまでの結果は予想していなかった」

    「もちろんVSCのタイミングでは少しラッキーだった。でも、そういうこともレースの一部だ。今日はそれを最大限に生かすことができた」

    予選では3番手を獲得していたものの、ロングランでマクラーレンやメルセデスと互角に戦えるかについては確信を持てていなかった。

    それでも決勝では、序盤から表彰台圏内でレースを進めた。

    スタート直後から激しいポジション争い
    フェルスタッペンはスタート直後、ポールポジションのノリスと2番手アントネッリの後方からターン1へ向かった。

    アントネッリがノリスへの攻撃でシケインをショートカットするなど、上位勢は序盤から激しい攻防を展開。フェルスタッペンもその混戦に加わった。

    一時はアントネッリを抜いて前に出たものの、その後に順位を戻す場面もあった。

    「スタートはかなり忙しかった。みんながポジションを争っていたし、いろいろなことが起きていた」

    「僕としては、できるだけクリーンに走って、自分たちのレースをすることが重要だった」

    レースが落ち着くと、フェルスタッペンはタイヤを管理しながら上位争いを続けた。しかし純粋なペースでは、先頭を走るノリスが優位に立っていた。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    VSCがレースを大きく動かす
    転機となったのは、ランス・ストロールがマシントラブルでコース脇にストップしたことで導入されたVSCだった。

    ノリスはVSCが発動する直前にピット入口を通過していた一方、アントネッリとフェルスタッペンはタイムロスを抑えながらピットストップを行うことができた。

    「僕たちはちょうどいいタイミングでピットに入ることができた。もちろん、それはラッキーだった」

    「VSCではそういうことが起こる。過去には僕もそれで得をしたこともあれば、損をしたこともある。今回は僕たちにとってうまくいった」

    このピットストップによってフェルスタッペンはノリスの前に出て、2位争いで大きなアドバンテージを手にした。

    一方で、VSCの恩恵を受けられなかったノリスは後方から追い上げる展開となった。

    ルクレールの後ろでタイムを失う
    VSC後のフェルスタッペンにとって大きな問題となったのが、シャルル・ルクレールだった。

    フェラーリはルクレールをハードタイヤで長く走らせる戦略を採用。フェルスタッペンはその後方でペースを抑えられる形となり、後方のノリスが急速にギャップを縮めてきた。

    「シャルルの後ろではかなりタイムを失った。ここでは追い抜くのが簡単ではないし、近づくとさらに難しくなる」

    ノリスは新品のハードタイヤで強烈なペースを発揮し、10秒以上あった差を一気に縮めた。

    ルクレールがピットに入った後、フェルスタッペンは前方が開けたものの、その時点ではノリスがすでに背後まで迫っていた。

    ノリスの猛追を最後まで抑え切る
    終盤はフェルスタッペンとノリスによる2位争いとなった。

    純粋なペースではノリスの方が速く、フェルスタッペンはほぼレース終了までプレッシャーを受け続けた。

    「ランドはかなり速かった。特にハードタイヤでは僕たちより速かったと思う」

    それでもフェルスタッペンはミスを見せず、ノリスに決定的なオーバーテイクの機会を与えなかった。

    マドリンクでは前を走るマシンを抜くことが難しく、フェルスタッペンはコース上でのポジショニングを最大限に利用した。

    「ここではマシンを真ん中に置いておけば、かなりうまくいく」

    「もちろん簡単ではなかった。ランドはずっと近くにいたし、ミスをすればすぐにチャンスを与えることになる。でも、最後までポジションを守ることができた」

    ノリスもレース後、フェルスタッペンについて「彼はほとんどミスをしなかった」と評価している。

    マックス・フェルスタッペン(スペイングランプリ)

    「僕たちにはまだ改善が必要」
    2位という結果には満足したフェルスタッペンだが、レッドブルの純粋なパフォーマンスについては冷静だった。

    マドリンクでは予選からマクラーレンやメルセデスが強さを見せており、決勝でもノリスのレースペースはフェルスタッペンを上回っていた。

    「結果としてはとても良かった。でも、純粋なペースを見れば、まだ僕たちには改善しなければならないところがある」

    「こういう週末でも表彰台に上がって、多くのポイントを獲得できることは重要だ」

    フェルスタッペンにとって、勝利を争えるだけの速さがない週末に最大限のポイントを持ち帰ることも、長いF1シーズンでは重要になる。

    「こういう日には最大限を取ることが重要」
    マドリンクで最速だったのはノリスだった。優勝したアントネッリ自身もレース後、「今日はランドが勝利に値した」と認めている。

    フェルスタッペンもVSCによって有利になったことを隠そうとはしなかった。それでも、与えられたチャンスを生かし、最後までノリスを抑えて2位を守り切ったことには価値がある。

    「こういう日には、得られるものを最大限に取ることが重要だ」

    「僕たちは今日、それをできたと思う。2位は僕たちにとって素晴らしい結果だ」

    純粋な速さだけを見れば、レッドブルにとって勝利を狙えるレースではなかった。それでもフェルスタッペンはVSCで生まれたチャンスを逃さず、最後にはより速いノリスからポジションを守り抜いた。

    予想以上の2位。それは運だけで手にした結果ではなく、苦しい週末でもチャンスを最大限に結果へ変えるフェルスタッペンらしいレースでもあった。

  • キミ・アントネッリ F1スペインGP優勝も「僕たちは勝利に値しなかった」

    キミ・アントネッリ F1スペインGP優勝も「僕たちは勝利に値しなかった」

    メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1スペインGPで今季8勝目を挙げたものの、「今日は僕たちは勝利に値しなかった」と振り返り、本来ならランド・ノリスが勝つべきレースだったとの考えを示した。

    マドリンクで初開催されたF1スペインGPで2番グリッドからスタートしたアントネッリは、序盤にノリスと首位を争った後、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングを生かして首位に浮上。最終的にマックス・フェルスタッペンを抑え、2戦連続となる勝利を手にした。

    「ランドが勝利に値した」
    しかし、チェッカー後のアントネッリは、勝利を手放しでは喜ばなかった。

    「勝てたのはもちろんうれしい。でも、今日はそれほど気分がいい勝利ではない。ランドが勝利に値したと思うからだ」

    ノリスはポールポジションからレースをリードし、アントネッリとのギャップを築いていた。しかし、VSCが導入された時点ですでにピット入口を通過しており、その恩恵を受けることができなかった。

    一方、アントネッリはVSC導入直後にピットへ入り、ハードタイヤへ交換。通常より大幅に少ないタイムロスでタイヤ交換を済ませ、実質的な首位に立った。

    「VSCが出た瞬間にピットへ飛び込んで、少ないロスでハードに交換し、実質的な首位に立つことができた。だから、おそらく僕たちは勝利に値しなかったと思う。でも、もちろんこの結果は受け取る」

    それでも、純粋なレースペースについては手応えを感じている。

    「それ以外では、とても強いレースだった。特に最後のハードでは本当にいいペースがあった。これからもプッシュし続けないといけない」

    「本来なら2位か3位」スタートの攻防を反省
    FIAのレース後記者会見でも、アントネッリは自身の勝利を冷静に評価した。

    「現実的に、正直に言えば、今日は僕たちは勝利に値しなかった。ランドが勝つべきレースだったと思う」

    「僕たちの結果は、おそらく2位、あるいは3位だったと思う。スタートで僕が十分にいい仕事をできなかった。少しアグレッシブになりすぎて、自分を悪いポジションに追い込んでしまった。間違いなく改善しなければならない部分がある」

    スタート直後、アントネッリはノリスに対して積極的に仕掛けた。しかし、シケインをカットする形となり、その後の攻防でも再びコースをショートカットすることになった。

    「仕掛けてみたけど、当然ランドだって簡単に抜かせてくれるわけではない。彼はやるべきことをやった」

    「2つ目のシケインでは行けるかもしれないと思ったけど、接触するにはリスクが高すぎると感じた。それで諦めることにした」

    無理にターンインしていれば、レースそのものを失う可能性もあったという。

    「もし僕がターンインしていたら、ランドと接触して、おそらくウォールに行って道路を塞いでいたと思う。間違いなくいい結果にはならなかった」

    この一連の攻防によってアントネッリは難しい位置に置かれ、フェルスタッペンにも先行を許した。

    「その後は少し厄介なポジションになって、マックスにターン7のアウト側から抜かれた。見直すべきところは間違いなくあるけど、それでもチームとしては素晴らしい仕事だった」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(スペイングランプリ)

    フェルスタッペンの順位返上にも「少し混乱した」
    アントネッリは、序盤にフェルスタッペンからポジションを返された場面についても説明した。

    フェルスタッペンはルイス・ハミルトンとの攻防でコース外へ出たことを受け、レッドブルからポジションを戻すよう指示された。その過程でアントネッリも再びフェルスタッペンの前に出ることになった。

    「少し混乱した。マックスが僕をコース外から抜いたとは思っていなかったからだ。普通に抜かれたと思っていた」

    「その後、彼がルイスにポジションを返さなければならないと聞いた。ルイスにはブレーキの問題も出ていたから、特にマックスにとっては少し変な状況だったと思う」

    ハミルトンはその後、ブレーキシステムのトラブルによってリタイア。アントネッリにとっては、序盤の順位変動からVSCまで、複数の展開が自身に有利に働いたレースでもあった。

    「だから今日の勝利は、さっき言ったように素晴らしいものだけど、僕が望んでいた勝ち方ではない」

    予想を下回ったタイヤデグラデーション
    レース前にはマドリンクで高いタイヤデグラデーションが予想されていたが、実際には想定ほど激しくなかった。

    アントネッリは、路面にラバーが乗っていったことに加え、ハードタイヤが特にグレイニングに対して強かったことを理由に挙げた。

    「デグラデーションはかなり低かった。もちろん多少はあったけど、予想よりずっと低かった。路面にラバーが乗っていったこともあって、1ストップが可能になった」

    「最後にはタイヤはかなり終わっていたけど、このコースはオーバーテイクが難しい。だからタイヤを持たせながら、そのまま最後まで走ることができる」

    シャルル・ルクレールがハードタイヤで約50周に及ぶロングスティントを敢行しながら、一定のペースを維持したことも、その耐久性を示していた。

    「シャルルもハードでほぼ50周走って、それでもまずまずのペースを維持していた。予想外だったけど、一番大きかったのはハードタイヤが特にグレイニングに対して強かったことだと思う」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    81ポイント差にも「タイトルを考えながら走りたくない」
    アントネッリは今回の勝利で今季8勝目を記録。13戦連続で少なくとも1周をリードし、ドライバーズランキングでは2位に対するリードを81ポイントまで広げた。

    それでも、20歳のアントネッリはタイトルを意識して守りに入る考えを否定した。

    「それこそ僕がやりたくないことだ。1レースずつプッシュして、結果を出し続けて、最後まで楽しみたい。そして毎レース、自分のベストを尽くす。そのうえで年末にどこにいるかを見るだけだ」

    「もちろん大きなリードはある。でも何が起こるかは分からない。だから何にでも対応できるようにして、得られるすべてのチャンスを最大限に生かしていかないといけない」

    記者会見では、すでにF1ワールドチャンピオン経験者であるフェルスタッペンとノリスにも、若きランキングリーダーへのアドバイスを求める質問が飛んだ。

    アントネッリはすかさず「彼らは逆転を願っていると思うけどね」と冗談を飛ばしたが、フェルスタッペンは「キミは今やっていることを続ければいい」と高く評価した。

    ノリスも「80ポイント以上リードしているのは、彼が信じられないほどいい仕事をしているからだ」と称え、「20歳になったばかりで、恐ろしいほどいい仕事をしている」とそのパフォーマンスを評価した。

    好調でも父親が「地に足をつけてくれる」
    圧倒的なリードを築く中で、どう冷静さを保っているのか。アントネッリは家族とチームの存在が大きいと語った。

    「本当にいい人たちが周りにいるのは幸運だと思う。素晴らしいチームが支えてくれているし、家族もいる。特に父は僕を地に足をつけさせてくれる存在だ」

    「僕が少し道を外れそうになっていると感じたら、遠慮なく叱ってくれるし、ちゃんと地に足をつけるように言ってくれる。いい人たちが周りにいることは間違いなく大きな助けになっている」

    自身としては、タイトル争いを必要以上に意識することなく、これまでと同じ姿勢を貫くつもりだ。

    「僕は毎レース、自分のベストを尽くそうとしているだけだ。マシンに乗ったらできるだけ速く走る。そして年末にどこにいるかを見る」

    「物事を複雑に考えすぎたり、チャンピオンシップや結果を心配しながら走ったりしたくない。ただ走って、自分のベストを尽くすだけだ」

    VSCという幸運を最大限に生かしてマドリンク初代ウイナーとなったアントネッリ。それでも本人は勝利そのものより、自身のスタートでの判断や改善点に目を向けている。81ポイントという大きなリードを築いたタイトル争いでも姿勢を変えず、次戦アゼルバイジャンGPに向けて「バクーではもっと良くなりたい」とさらなる改善を誓った。

  • ランド・ノリス F1スペインGPでVSCに勝利阻まれる「完璧なレースだった」

    ランド・ノリス F1スペインGPでVSCに勝利阻まれる「完璧なレースだった」

    ランド・ノリスは、2026年F1スペインGPで勝利を逃したことに強い悔しさを示した。ポールポジションからレースを支配していたマクラーレンのノリスだったが、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングに翻弄されて3位。「今日は完璧なレースをした」と語り、自分にもチームにも落ち度はなかったと強調した。

    マドリンクで初開催されたF1スペインGPで、ノリスはスタートから首位をキープ。

    序盤にアンドレア・キミ・アントネッリの攻撃を退けると、その後はタイヤを管理しながらリードを築き、勝利に向けてレースをコントロールしていた。

    しかし、ランス・ストロールがマシントラブルでコース脇にストップしたことでVSCが導入されると状況が一変。ノリスはVSC発動時にすでにピット入口を通過しており、その直後にアントネッリとマックス・フェルスタッペンがタイムロスの少ないピットストップを行った。

    「完璧なレース」もVSCで約20秒を失う
    ノリスはレース後、自身のパフォーマンスについて迷いなく言い切った。

    「今日は完璧なレースをしたと感じている。タイヤマネジメントもすごく良かったし、他のみんなより一歩先にいたと感じていた」

    「予選は完璧だった。パフォーマンスという意味ではレースも完璧だったし、大きな差で僕たちが一番速かった」

    それだけに、ドライビングとは無関係の要因で勝利を失ったことへの落胆は大きかった。

    「パフォーマンスとはまったく関係のない形で負けるのは、とにかくフラストレーションがたまる。グリッド全体で、VSC中にピットストップをするチャンスがなかったのは僕だけだった。それによってレースタイムを20秒くらい失った」

    FIAのレース後記者会見でも、ノリスは今回の敗戦について、自分たちが勝利を「逃した」という表現とは少し違うとの考えを示した。

    「僕たちが何かをして勝利を失ったわけではない。今日はただ、信じられないほど不運だった」

    「これまでのレースでは、それで得をしたこともあれば、損をしたこともある。それもレースだ。でも、勝利を争っているときにはなかった。VSCだけが理由で勝利を失ったのは、おそらく今回が初めてだと思う」

    ノリスは「今日はもっといい結果に値したと思う」としながらも、優勝したアントネッリと2位のフェルスタッペンの走りには敬意を示した。

    「キミとマックス、おめでとう。2人ともいいレースをした。ただ今日は運が僕たちの側になかった」

    ランド・ノリス(スペイングランプリ)

    ピット入口通過のわずか5秒後にVSC
    ノリスにとって決定的だったのは、VSCが導入されたタイミングだった。

    記者会見では、ノリスがピット入口を通過してからわずか約5秒後にVSCが発動したことについて、ストロールの停止を見て事前にピットへ入る判断はできなかったのかとの質問が出た。

    これにノリスは反論した。

    「僕にどうやって分かるんだ? 答えが必要だよ」

    ピットウォールから情報を受け取る可能性を指摘されると、ノリスはチームと確認する必要があるとしながら、自身やマクラーレンに責任があるとの見方を否定した。

    「それならピットウォールと話さないといけない。僕はただマシンを運転しているだけで、そういうことは分からない」

    「チームのせいではないし、僕のせいでもない。それだけだ。ただ不運だった」

    VSCが終了したあとも、そのまま走り続けることは現実的な選択肢ではなかったという。

    「そのラップの終わりにはピットに入らなければならなかった。それが唯一のチャンスだった」

    「それでも全員のタイヤが冷えているから、ある程度はピットロスを減らすことができた。ミディアムは完全に終わっていて、ハードは素晴らしかった」

    ノリスはVSC終了後にハードタイヤへ交換したが、アントネッリとフェルスタッペンの後方へ下がることになった。

    13~14秒を取り戻してフェルスタッペンに迫る
    ハードタイヤに交換したノリスは、そこから猛烈な追い上げを開始した。

    前方ではシャルル・ルクレールがハードタイヤでロングスティントを続けており、アントネッリとフェルスタッペンがその後方でタイムを失ったこともあって、ノリスは急速にギャップを縮めた。

    「ペースはものすごく強かった。ハードでは、彼らが前で詰まっていたこともあるけど、13秒か14秒、あるいはそれ以上を取り戻したと思う」

    最終的にはフェルスタッペンの背後まで迫ったものの、オーバーテイクが難しいマドリンクでは決定的なチャンスを作れなかった。

    「マックスを捕まえようとして、いい戦いはできた。でも、ここでは抜くのが難しい。彼もほとんどミスをしなかった」

    フェルスタッペン自身も「マシンを真ん中に置いておけばうまくいく」と語っており、ノリスを抑え切るにはコース特性が有利に働いたことを認めている。

    ノリスは3位という結果を受け入れながらも、純粋な速さでは勝利できるレースだったとの考えを変えていない。

    「僕たちが今日勝利に値したとは思っているけど、こういうこともレースでは起こる。受け入れて、次でもう一度やるしかない」

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    VSCルールに「もっと公平にできる」
    今回の出来事を受け、ノリスはVSC中のピットストップを巡るルールについても問題を提起した。

    VSCやセーフティカーの導入タイミングによってピットストップの損失時間が大幅に変化する問題は、以前からドライバー間で議論されてきたという。

    「これについては何年も前から、いろいろなドライバーが何度も話してきた。もちろん、変更することによるデメリットもあると思う」

    「過去には僕もこれで勝ったことがあるし、負けたこともある。シーズン全体で見れば、それがいいことなのか悪いことなのかは分からない。時間が経てば均等になるのかもしれない」

    それでも今回は、単なる数ポイントではなく勝利そのものを失った。

    「もちろん今回は勝利を失ったから、余計につらい」

    「今日はドライバーとして、これ以上いい仕事をするためにできることは文字どおり何もなかった。ポールを獲って、レースをリードして、それでも自分ではコントロールできないことで負ける。それがレースの勝敗を決めるべきではないと思う」

    ノリスは改善策として、VSC発動後に全員が一度ピットストップの機会を得られるようにする方法や、原則としてピット入口を閉鎖する案などを挙げた。

    「少なくとも1周はカバーして、全員にピットストップをする機会を与えることもできる。あるいはピット入口を閉じて、パンクなどの場合を除いて誰も入れないようにすることもできる」

    「もっとシンプルで、全員にとって公平にするためにできることはいくつかあると思う。ただ、これはもっと大きな議論が必要だ」

    一方で、雨天時にVSCが出た場合など、タイヤ交換を認める必要が生じるケースもあり、単純にピットを閉鎖すれば解決する問題ではないことも認めている。

    「雨が降っていてVSCが出て、自分がスリックを履いていたらピットに入れるのか、という問題もある。複雑なテーマだ」

    「でも、ドライバー全員で話せば、みんなが求めているのは同じだと思う。それは全員にとって公平であることだ」

    フェルスタッペンもノリスの意見に同調し、自身も過去に同様の状況で勝ったことも負けたこともあるとしたうえで、「将来的にもっと良くできるかもしれない」と語った。

    「こんな形で勝利を失うべきではない」
    ノリスは今回、自分が不利益を受けたからといって一方的にルール変更を要求しているわけではないことも強調した。

    「今日は僕が文句を言っているけど、次は僕がその恩恵を受けて勝つかもしれない。だから受け入れるしかない」

    それでも、ドライバーのパフォーマンスとは関係のないタイミングだけで勝敗が大きく動く状況には疑問を残した。

    「僕はただ、こんなことが誰にも二度と起きてほしくない。こういう形で勝利を失うべきではないと思う」

    結果は3位に終わったものの、ノリスにとってマドリンクで示した速さは大きな収穫だった。

    「この週末から持ち帰れるポジティブなものはたくさんある。日曜日のペースがあることは明らかだし、今日は僕たちが誰よりも良かった。それは安心できることだ」

    「チームは素晴らしい仕事をしている。僕たちは懸命に取り組んでいるし、これからもそうしなければならない。トップで戦うのは簡単ではない」

    ポールポジションからレースを支配しながら、わずかなVSC発動のタイミングによって勝利を逃したノリス。それでも、マクラーレンの純粋なレースペースには確かな手応えを得た。

    「ポジティブなことだらけの一日だった。ただひとつのことが、すべてを台無しにした」

  • シャルル・ルクレール F1スペインGP戦略に納得「もう一度やっても同じことをする」

    シャルル・ルクレール F1スペインGP戦略に納得「もう一度やっても同じことをする」

    シャルル・ルクレールは、2026年F1スペインGPを4位で終え、フェラーリが採用した戦略について「正しいことをした」と評価した。マドリンクで最多となる32周をリードしたものの、期待していたセーフティカーは訪れず、表彰台には届かなかった。

    予選5番手だったルクレールは、決勝でライバルとは異なる戦略を選択。ハードタイヤで長い第1スティントを走り、終盤にソフトタイヤへ交換することで、セーフティカーが入った場合のチャンスを最大限に生かそうとした。

    ルクレール「戦略は正しかった」
    ルクレールは57周のレースのうち32周で首位を走行。フェラーリは終盤にセーフティカーが導入されれば、タイヤ交換によって表彰台争いに加われる可能性があると見て、ピットストップを可能な限り遅らせた。

    しかし、期待していたセーフティカーは出動しなかった。さらにジョージ・ラッセルがルクレールのピットウインドウに迫ったことで、フェラーリは48周目にピットインを決断。ルクレールは最終的に4位でチェッカーを受けた。

    それでもルクレールは、戦略そのものに後悔はないと語った。

    「正しいことをしたと思う。同じレースをもう一度やるとしても、戦略についてはまったく同じことをすると思う」

    「ソフトでスタートしてソフトからハードという戦略を採っていたとしても、結局は4位だったと思う。ハードからソフトにしたことで、最後に僕たちにとって適切なタイミングでセーフティカーが出ることを期待していた。でも、そうはならなかった」

    「少し残念だけど、最後は多少の運に頼っていた部分もあったし、その運が僕たちにはなかった」

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    フェラーリの課題は予選パフォーマンス
    フェラーリにとってF1スペインGPは厳しい結果となった。ルイス・ハミルトンはブレーキトラブルに見舞われ、わずか7周でリタイア。ルクレールが4位に入ったものの、表彰台を獲得することはできなかった。

    一方で、週末を通じたフェラーリの速さがまったくなかったわけではない。予選ではハミルトンが4番手、ルクレールが5番手につけ、ポールポジションを獲得したランド・ノリスとの差はいずれも0.2秒未満だった。

    ルクレールは、フェラーリが決勝では競争力を発揮できている一方、予選でライバルより後方からスタートすることが日曜日の結果を制限していると分析する。

    「日曜日に望んでいる結果を得られていないのは、土曜日のパフォーマンスが足りないからだと感じている。僕たちが集中すべきなのはそこだ」

    「土曜日、特に予選でもう一歩前進する必要がある。ライバルと比べると、僕たちは後手に回っているように見える。その後、決勝では強いけど、コース上でオーバーテイクできるほどの差はない」

    ハンガロリンクやザントフォールト、そして今回のマドリンクのようにオーバーテイクが難しいサーキットでは、スタート位置の重要性はさらに高まる。決勝でペースを持っていても、予選で前方を確保できなければ、その速さを結果につなげるのは容易ではない。

    32周にわたってトップを走ったルクレールだが、戦略によって順位を失ったとは考えていない。むしろフェラーリが今後取り組むべき課題として挙げたのは予選のパフォーマンスだ。決勝で発揮している速さを結果につなげるためにも、土曜日にライバルより前のグリッドを確保することが重要になる。

  • アービッド・リンドブラッド F1スペインGPで9位「達成できた最大限」

    アービッド・リンドブラッド F1スペインGPで9位「達成できた最大限」

    アービッド・リンドブラッドは、2026年F1スペインGPの決勝を9位でフィニッシュし、レーシングブルズに2ポイントをもたらした。レースの大半でフランコ・コラピントを追い続けたものの、オーバーテイクが難しいマドリンクでは攻略できず、「これが達成できた最大限だった」と振り返った。

    リンドブラッドは序盤からポイント圏内を走行。1周目にはオスカー・ピアストリをかわしてポジションを上げ、前を走るコラピントをターゲットにレースを進めた。

    「9位が可能だった最大限」
    「まずまずのレースだった。正直、可能だった最大限の結果だったと思う。1周目をうまく走ることが重要だと分かっていた。目標はフランコを捕まえることだったし、チャンスを生かしてオスカーを抜けた。正直、それはレース前には予想していなかった」

    レーシングブルズは、追い抜きが難しいマドリンクでは戦略が大きな意味を持つと考えていた。しかし、バーチャル・セーフティカー(VSC)が導入されると、ほぼ全車が同じタイミングでピットイン。リンドブラッドもハードタイヤに交換したことで、戦略によって順位を動かす余地はほとんどなくなった。

    「ここでは戦略がすごく重要になると分かっていた。でも残念ながらVSCのタイミングでみんなピットに入ったから、実際にはそれほど戦略でできることはなかった」

    その後、リンドブラッドはハードタイヤでほぼ全開のペースを維持。ペース自体には手応えがあり、レースの大部分でコラピントの直後につけた。

    エネルギーの使い方を変えてコラピント攻略を狙う
    前に出るため、リンドブラッドはエネルギーマネジメントにも工夫を凝らした。通常とは異なる場所でエネルギーを使い、コラピントの意表を突くことも試みたという。

    「ハードでのペースは良かったと思う。長い間、フランコのギアボックスのすぐ後ろを走っていた。エネルギーを賢く使って、違う場所で使うことで彼を驚かせようとしたけど、残念ながらこのコースでは予想していた通り、本当に抜くのが難しかった」

    コラピントの背後を長時間走ったことでタイヤにも負担がかかり、終盤にはその代償を払うことになった。最終的にはピアストリに先行を許したものの、ニコ・ヒュルケンベルグを抑えて9位でチェッカーを受けた。

    「これが僕たちに達成できた最大限だったと思う。あれだけ長い間、彼のすぐ後ろを走ったことで、終盤には少し代償を払うことになった」

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    金曜のクラッシュで「かなり自信を失った」
    9位という結果は、リンドブラッドにとって簡単に手にしたものではなかった。金曜日は速さを示していた一方、クラッシュを喫したことで自信を失い、その後の週末にも影響が残った。

    「振り返れば、金曜日は良かった。僕たちは本当に速かった。でもクラッシュによって、かなり自信を失った」

    初開催のマドリンクでは走行するたびに多くを学べる状況だったが、レーシングブルズはリンドブラッドが感覚を取り戻すことを優先し、FP1からマシンのセットアップをほとんど変更しなかった。

    さらにFP3でも十分な走行ができず、そのまま予選を迎えることになった。それでも予選ではQ3進出を果たし、決勝でもポイント獲得につなげた。

    「昨日は快適には感じられていなかったけど、なんとか1周をまとめてQ3に進むことができた。これだけチャレンジングな週末にポイントを獲得できたんだから、みんな自分たちを褒めていいと思う」

    「難しい週末だったけど、僕たちはうまく対処したし、最大限のことをやった」

    金曜日のクラッシュで自信を失い、十分な準備ができないまま予選を迎えながらも、Q3進出から決勝9位へとつなげたリンドブラッド。VSCによって戦略の選択肢が限られ、コース上でも追い抜きが困難なF1スペインGPで、レーシングブルズに貴重な2ポイントを持ち帰った。

  • ホンダF1 PU開発責任者を交代 深尾洋一郎が新LPL「開発加速と次世代への移行」

    ホンダF1 PU開発責任者を交代 深尾洋一郎が新LPL「開発加速と次世代への移行」

    ホンダ・レーシング(HRC)は9月14日、F1パワーユニット(PU)の開発体制を変更し、2026年10月1日付で開発責任者(LPL)を交代すると発表した。

    これまでF1パワーユニット開発を牽引してきた角田哲史に代わり、現アシスタントLPLでF1プロジェクト副責任者、ソフトウェア部門責任者を務める深尾洋一郎が新たなLPLに就任する。HRCは今回の人事について、PU開発のさらなる加速と次世代へのスムーズな移行を目的としたものだと説明している。

    ホンダF1が10月から新たなPU開発体制へ
    ホンダは2026年からアストンマーティンとワークスパートナーシップを組み、新しいF1パワーユニットレギュレーションの下で参戦している。

    HRCによれば、今回の責任者交代は現在の状況を受けた突発的なものではなく、「次世代への確実な技術継承を見据えた計画的な移行」と位置づけられている。

    「2026年に導入された新レギュレーションに続き、2027年以降もさらなる規則変更への対応が求められる中、早期に新体制へ移行することで、競争力の高いPUを目指し、強固な開発体制を構築してまいります」

    2027年以降のF1ではパワーユニット規則にもさらなる変更が予定されており、ホンダにとって現行PUの競争力向上と将来仕様への開発を並行して進める重要な時期となる。

    深尾洋一郎は2002年からF1開発に携わる
    新LPLに就任する深尾洋一郎は、2002年に本田技研工業へ入社。同年から本田技術研究所の栃木研究所でF1プロジェクトのエンジン・ギアボックス制御システム開発に携わった。

    2009年には量産ハイブリッドシステム開発を担当したほか、朝霞研究所でMotoGPプロジェクトの制御システム開発にも従事。2011年に再び量産ハイブリッドシステム開発を担当した。

    ホンダがF1復帰に向けて準備を進めていた2014年にはF1プロジェクトの制御システム開発責任者に就任。2017年からはF1プロジェクト副責任者、制御システム開発責任者に加え、Sakura Mission Room(SMR)の責任者も務めた。

    2022年のHRC体制移行後もF1プロジェクト副責任者、制御システム開発責任者、SMR責任者を担当しており、長年にわたってホンダF1のパワーユニット開発、特に制御領域の中核を担ってきた人物となる。

    ホンダ・レーシング

    現行PUの競争力向上と2027年以降を見据えた人事
    ホンダにとって2026年は、アストンマーティンとの新たなF1プロジェクトがスタートした重要なシーズンである。一方で、新世代パワーユニットは実戦投入後も継続的な性能向上が求められている。

    今回、シーズン終了を待たず10月1日というタイミングで新LPLへ移行するのは、現行パワーユニットの開発を進めながら、2027年以降の規則変更にも早期から対応できる体制を整える狙いがある。

    角田哲史から深尾洋一郎への交代を「計画的な移行」と明確に説明したHRC。アストンマーティンとともに戦うホンダF1は、現行PUの競争力向上と次世代への技術継承を同時に進めるため、10月から新たな開発体制へ移行する。