フェルナンド・アロンソは、2026年F1第14戦スペインGPの予選を18番手で終え、アストンマーティンの苦戦にホンダF1のパワーユニット(PU)が大きく影響しているとの見方を示した。
アロンソは、アストンマーティンAMR26のコーナリング性能には明確な進歩を感じている一方、「ストレートでは37km/hの差がある」とトップスピード不足を指摘した。
母国スペインで初開催されたマドリンクで、アロンソは1分35秒388を記録したもののQ1敗退。チームメイトのランス・ストロールは水圧系の問題が疑われたため予選でタイムを記録できず、アストンマーティンは2台ともQ2へ進めなかった。
「エンジンの影響は考えていたよりずっと大きかった」
アロンソは前戦F1イタリアGPが開催されたモンツァよりも、マドリンクではパワーユニットの影響が小さくなることを期待していた。
特にザントフォールトでAMR26が示したパフォーマンスを踏まえれば、いくつかの改善を加えることでマドリードではより上位を争えるとの期待があった。しかし、実際に走行するとパワーユニットの影響は予想以上だったという。
「ザントフォールトでは最初のホンダエンジンを見て、3つか4つのことを改善すれば、ここではチャンスがあると思っていた。でも、エンジンの影響は僕たちの多くが考えていたよりずっと大きかった」
アロンソはさらに、ストレートで抱えている速度差を具体的な数字で説明した。
「ストレートでは37km/hの差がある。これではオーバーテイクできる場所がない」
初開催のマドリンクでは追い抜きの難しさが週末を通じて話題となっている。後方18番手からスタートするアロンソにとって、ストレートスピードの不足は予選だけでなく決勝でも大きな課題となる。
「FP1からマシンは改善できた」
一方で、予選後のF1公式インタビューでアロンソは、金曜日から土曜日にかけてアストンマーティンがマシンを前進させたことを評価している。
「難しかった。FP1から今までにマシンは改善できたと思う。でも同時に、サーキットがどう進化して、グリップレベルがどう上がっていくのかを追いかける必要もある。そこにも対応していかなければならない」
初開催の市街地サーキットでは、走行を重ねるにつれて路面にラバーが乗り、グリップレベルが大きく変化する。アロンソは、そうしたコンディションの変化への対応も重要だったと説明した。
「ストリートサーキットではいつも同じようなことが起きるけど、僕たちはうまくやったと思う。今日は最大限を引き出した」
アストンマーティンのプレスリリースでも、アロンソは予選で得られた結果がおそらく現状の最大限だったとの認識を示している。
「サーキットは難しく、高速なのでアドレナリンが高まるラップだった。今日の予選では、おそらくこれが僕たちにできる最大限だったと思う。決勝で何ができるか見てみる必要がある」
予選18番手でも「マシンには満足していた」
Q1敗退という結果とは対照的に、アロンソ自身は予選でのAMR26の感触についてポジティブだった。
「今はマシンに満足していた。ウィリアムズとは0.1秒以内だったと思う。彼らはおそらく今年、予選では僕たちより最も良かったチームのひとつだから、これが現状なんだと思う」
実際、アロンソは18番手、その前の17番手にはカルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)が並んだ。アロンソはザントフォールトとの比較からも、アストンマーティンがコーナーで大きく前進したと考えている。
「ザントフォールトではウィリアムズから0.5秒離されていたけど、ここでは同じ0.1秒以内にいる。コーナーではものすごく改善した」
つまりアロンソの評価では、AMR26のシャシー側は前進している。コーナリング性能が改善し、予選後には「マシンには満足していた」と語れる状態まで来ているにもかかわらず18番手にとどまったことで、パワーユニットとストレートスピードの不足がより大きな制約として浮かび上がった形だ。

オーバーテイク困難「すべてを最大限に生かす」
アストンマーティンのプレスリリースでアロンソは、決勝ではオーバーテイクが難しくなるとの見通しを示した。
「オーバーテイクは難しそうだから、ポジションを上げるためにすべてを最大限に生かさなければならない」
予選後のインタビューでも、FIA F3とFIA F2で行われたレースを引き合いに出し、同様の見解を示している。
「明日は、まずチェッカーフラッグを見ることが最初の目標になる。そのうえで、オーバーテイクは難しくなると思う」
「F3とF2を見ても、オーバーテイクが簡単なサーキットではなかった。でも、何が起きるか分からない。特に僕たちの前で混乱が起きれば、そこから利益を得る必要がある」
純粋なペースとストレートスピードだけを考えれば、18番手から順位を上げるのは容易ではない。それだけに、戦略やセーフティカーなどレース中に生まれる展開を逃さないことが重要になる。
母国ファン「今週末で一番よかった部分」
厳しい結果となった一方、アロンソを後押ししているのがマドリードに集まった母国ファンだ。
アストンマーティンのプレスリリースでは、スタンドから送られた声援について次のように語った。
「今日はファンがとても熱狂的だった。グランドスタンドにたくさんの緑とエネルギーがあるのを見るのは素晴らしかった」
さらに予選後には、「ファンが今週末で一番よかった部分だ」とも語り、厳しい週末のなかで母国からのサポートに感謝した。
FP1からセットアップを改善し、AMR26のコーナリング性能について「ものすごく改善した」と評価しながらも、18番手でQ1敗退となったアロンソ。その理由として本人が強調したのが、想定以上に大きかったホンダF1のパワーユニットの影響だった。ストレートで37km/hの速度差があると訴えるなか、決勝ではまず完走を果たし、初開催のマドリンクで生まれる不確定要素を利用してポジションを取り戻すことを狙う。