カテゴリー: ホンダF1

  • アストンマーティン・ホンダF1 2027年型は「完全に新しいマシン」全パーツを刷新

    アストンマーティン・ホンダF1 2027年型は「完全に新しいマシン」全パーツを刷新

    アストンマーティンF1は、2027年型マシンの開発を本格化させている。最高技術責任者(CTO)のエンリコ・カルディレは、来季マシンについて「すべてのパーツが新しくなる」と明言し、2026年型AMR26から何かを引き継ぐことを前提としない「完全に新しいマシン」になると説明した。

    ただし、すべてを白紙に戻すわけではない。2026年シーズン途中に大幅な改良を受けたAMR26で見いだした開発の方向性は正しいと判断しており、そのコンセプトを進化させながら、さらに大きなステップを目指す。

    2026年から得られる情報を2027年型へ
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤に苦戦したものの、ハンガリーGPで大規模なアップデートを投入。カルディレによれば、チーム史上最大規模となる改良によってシャシーのパフォーマンスを大きく引き上げた。

    ザントフォールトでは、そのパッケージがハンガロリンクとは異なる特性のコースでも機能することを確認。CFD、風洞、実際のコースという3つの領域で相関関係が取れていることも、今後の開発にとって重要な成果になった。

    そして現在、チームの視線はすでに2027年へ向けられている。

    「今の我々の仕事は、2026年からできる限り多くの情報を引き出すことだ。そのすべてが2027年のプロジェクトを導くことになる」

    「これからはあらゆる領域で毎日がチャレンジになる。より多くのダウンフォースを見つけ、重量を削減し、エンジニアリンググループが風洞を使える時間を増やし、コンセプトを再検討し、コンポーネントを磨き上げていく」

    カルディレは、シーズン終了時には2026年の結果そのものより、そこから何を学び、それが2027年型マシンにどう反映されているかが最大のテーマになっているはずだと語る。

    「年末までには、我々の会話のほとんどが、何を学び、それが2027年型マシンをどのように形作っているのかという話になっていると思う」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「すべてのパーツが新しくなる」
    では、2027年型マシンは現在のAMR26からどの程度変わるのか。

    カルディレの答えは明確だった。

    「すべてのパーツが新しくなる。すべてが改善される」

    一方、基本的な開発思想については、現在のマシンで見いだした方向性を発展させる。

    「ただ、コンセプトとしては今年のマシンで採った方向性を進化させたものになる」

    「我々は今、正しい道を進んでいる。ただし、その道に縛られているわけではない」

    アストンマーティンは2026年型マシンの大規模アップデートによって、単純なダウンフォース量だけでなく、マシンの挙動そのものを改善した。

    カルディレは、アップデート後のAMR26について「生のパフォーマンス」と「ドライバビリティ」の両方で大きな前進を果たしたと評価。セットアップ変更に対してマシンがより一貫して反応するようになり、ドライバーが自分の好みに合わせて調整できるようになったことを重要視している。

    こうした特性が2027年型マシンの出発点になる。

    AMR26からの流用を前提とせず
    ただし、現在の方向性を進化させることと、AMR26の設計をそのまま受け継ぐことは別だ。

    カルディレは、2027年プロジェクトでは既存マシンから何かを流用しなければならないという制約を設けていないと強調した。

    「こう言えばいいだろう。2027年のプロジェクトに取り組むにあたって、以前のマシンから何かを引き継ごうという点で、我々は自分たちに何の制約も設けていない」

    「そういう意味では、完全に新しいマシンになる。それによって、我々が望むものを実現するための自由と考え方を手にすることができる」

    つまり、AMR26で確認した開発方向を土台としながらも、既存部品やレイアウトを残すこと自体を目的にはしない。必要であれば、あらゆる領域を変更できる自由度を確保して2027年型を設計するということだ。

    2026年型AMR26については、予定されていた空力開発がすでに終了し、今後は軽量化プログラムを進めながらシーズンを戦う。一方、ファクトリーでは2027年型マシンの開発が中心になりつつある。

    大幅改良によってAMR26でようやく見つけた「正しい道」を維持しながら、それに縛られることなく全パーツを刷新する。アストンマーティンにとって2026年シーズン後半は、目の前の結果を追うだけでなく、2027年に向けた実戦での検証期間という意味合いを強めていく。

  • ホンダF1 FIA会長の特別救済案に冷静「魔法のような解決策はない」

    ホンダF1 FIA会長の特別救済案に冷静「魔法のような解決策はない」

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、FIAのモハメド・ビン・スライエム会長がアストンマーティン・ホンダの競争力向上に向けた追加支援を検討する姿勢を示していることについて、「魔法のような解決策はない」と冷静な見方を示した。

    ビン・スライエム会長はF1スペインGPが行われたマドリンクで、フェルナンド・アロンソのF1残留を望む立場から本人に改善策を直接尋ねたことを明かした。

    一方、ホンダ側は現時点でFIAとの具体的な協議を把握しておらず、あくまで自らの開発計画を進めることに集中している。

    FIA会長がアロンソに直接「何をしてほしいか教えて」
    ビン・スライエム会長はマドリードで、アロンソと直接交わした会話についてメディアに説明した。

    「何を望んでいるのか教えてほしい。君はドライバーなのだから、結果を改善するために我々に何をしてほしいのか、私のところに来て話してほしい」

    ビン・スライエム会長は、競争力不足を理由に2度のF1ワールドチャンピオンであるアロンソがグランプリレースを去ることを望んでおらず、ホンダの開発を後押しするためにFIAがさらに何をできるのかを模索している。

    F1スペインGPの週末には、ホンダの2027年に向けた開発を加速させるため、新たな特別措置が検討される可能性も報じられた。ただし、現段階で具体的な規則変更や支援策が正式に決まっているわけではない。

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフも、競争の公平性を維持する規則の枠内であれば、こうした議論そのものに問題はないとの考えを示している。

    「ルールはスポーツにとって最善となるように存在しているし、ときには調整が必要になる」

    「公平な話し合いだ。彼ら(ホンダ)にはもっと必要だと思う。会長とアロンソの話し合いは公平なものだった」

    「我々はすべてのトップコンストラクターにこのスポーツに関わっていてほしい」

    折原伸太郎「我々は開発計画に集中している」
    しかし、ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、FIAからの追加措置によって一気に状況を変えられるとの見方には慎重だ。

    ビン・スライエム会長が検討している具体策について問われた折原伸太郎は「分かりません。ただ、彼はいろいろと考えていると思います」としたうえで、ホンダの基本姿勢を説明した。

    「彼が我々に魔法のような解決策を与えてくれるとは思っていません」

    「我々は単純に自分たちの開発計画に集中し、製品を改善するために懸命に取り組んでいます。それが現時点での我々の計画です」

    また、ホンダがビン・スライエム会長やFIAと追加支援について具体的な話し合いを行ったのかと問われると、折原伸太郎は「分かりません」と答えている。

    ホンダはすでに2026年F1パワーユニット規則に設けられたADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)の対象となっている。この仕組みは競争力で後れを取ったメーカーに追加の開発機会を認めるものであり、ホンダには開発を進めるための機会が与えられている。

    ただし、ADUOはパフォーマンスを直接与える仕組みではない。追加の開発機会やリソースを活用し、最終的にはメーカー自身が性能を引き出さなければならない。

    ホンダはオランダGPでスペック2のパワーユニットを投入。その後の3戦ではドライバビリティの改善を進めており、折原伸太郎はF1スペインGP後、「今後はパフォーマンス向上により注力できる」と説明している。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソ「この結果でスペインのファンに別れを告げたくない」
    今回の議論の背景には、アロンソがF1での将来をまだ決めていないことがある。アロンソは引退の可能性を示唆する一方、続けるのであれば1年だけではなく、さらに長期間になる可能性にも言及している。

    「あと1年、2年、3年、あるいは何年になるか分からないけど、もし続けるなら、それは彼らのためでもある」

    アロンソは母国スペインのファンについてそう語った。

    「なぜなら、人生をずっとステアリングの後ろで過ごしてきて、今年のような結果でスペインのファンに別れを告げるのは、チームの誰も望んでいないと思うし、特にファンはそんな形を受け入れるべきではないと思う」

    アストンマーティンは「プランA=アロンソ続投」
    アストンマーティンのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、アロンソが離脱した場合に備えた代替案が存在することを認めながらも、現在の最優先事項はアロンソの残留だと説明した。

    「当然、プランBはある。どのチームにも常に必要なものだからね」

    「ただ、今はプランAに取り組んでいる。それはフェルナンドに続けてもらうことだ。決断を迫るようなプレッシャーはかけたくない。必要なだけ時間を与えている」

    ビン・スライエム会長がアロンソのF1残留を念頭にホンダへの追加支援を模索し、ヴォルフも公平な規則の範囲内での調整を支持する一方、ホンダ自身は特別な救済措置を前提としていない。折原伸太郎は「魔法のような解決策」に期待するのではなく、自らの開発計画を着実に進めることが競争力向上への道だという姿勢を明確にしている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 マドリンクで最高速苦戦 アロンソは11.3km/h差

    アストンマーティン・ホンダF1 マドリンクで最高速苦戦 アロンソは11.3km/h差

    アストンマーティン・ホンダは、2026年F1第14戦スペインGPの舞台となったマドリンクで、最高速の面で苦しい数字を記録した。予選までのスピードトラップではフェルナンド・アロンソが298.0km/hで16番手、ランス・ストロールは296.8km/hで19番手にとどまった。

    トップはアウディのガブリエル・ボルトレトが記録した309.3km/h。アロンソは11.3km/h、ストロールは12.5km/hの差をつけられており、アストンマーティン・ホンダにとってストレートスピードが厳しい状況にあることを示すデータとなった。

    アロンソはトップから11.3km/h差
    マドリンクのスピードトラップはセクター1終盤、高速で駆け抜けるターン4付近に設置されている。最高速が伸びるポイントで、各マシンの空力設定や直線での速度特性の違いが表れた。

    最速だったボルトレトは309.3km/hを記録。チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグも307.3km/hで2番手となり、アウディ勢がスピードトラップの上位2台を占めた。

    3番手はメルセデスのジョージ・ラッセルで306.7km/h。ハースのエステバン・オコンが306.5km/h、アルピーヌのピエール・ガスリーが304.9km/hで続いた。

    これに対してアロンソは298.0km/hで16番手。ボルトレトとの差は11.3km/hだった。ストロールはさらに低い296.8km/hで19番手となり、下回ったのはキャデラックのバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスだけだった。

    レーシングブルズの角田裕毅は302.6km/hで10番手。アロンソより4.6km/h、ストロールより5.8km/h高い最高速を記録している。

    フィニッシュラインでもアストンマーティン勢は下位
    スタート/フィニッシュラインを通過した際の速度でも、アストンマーティン勢は下位に並んだ。

    アロンソは218.8km/hで20番手、ストロールは208.4km/hで21番手。トップはレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンで236.2km/hだった。

    ただし、フィニッシュライン通過速度はスピードトラップとは意味合いが異なる。スピードトラップが高速区間に設置された計測地点での速度なのに対し、フィニッシュラインの数値は最終コーナーからの立ち上がりや加速、ERSの使い方、計測時の走行状況などにも左右される。

    そのため、アロンソの218.8km/hやストロールの208.4km/hを、そのままマシンの「最高速」として比較することはできない。それでも、異なる計測地点でアストンマーティンの2台がともに下位に位置したのは興味深いデータだ。

    ポールのノリスは最高速9番手
    一方、マドリンクでは最高速がそのままラップタイムに直結しているわけではない。

    ポールポジションを獲得したマクラーレンのランド・ノリスは302.9km/hで9番手。ボルトレトより6.4km/h低い最高速ながら、コーナリングを含めたラップ全体では最速タイムを記録した。

    マックス・フェルスタッペンも302.4km/hで12番手、ルイス・ハミルトンは300.6km/hで14番手、オスカー・ピアストリは300.4km/hで15番手だった。

    マドリンクは高速区間に加え、中低速コーナーや90度コーナーが組み合わされたレイアウトであり、ダウンフォースを削って最高速を伸ばすことが必ずしも最速のセットアップになるわけではない。

    また、F1は開催前にマドリンクで340km/h前後の最高速に達する可能性を示していたが、実際のスピードトラップではトップでも309.3km/h。シミュレーションから実走へ移るなかで、各チームが実際のグリップやタイヤの挙動などに合わせた空力設定を選択した結果、事前予測には届かなかった。

    アストンマーティン・ホンダは今回、2台ともスピードトラップで下位に沈んだ。最高速だけでマシンやホンダF1パワーユニットの性能を切り分けることはできないものの、アロンソがトップから11.3km/h差という数字は、マドリンクで直線速度が強みになっていなかったことを示している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ■ F1スペインGP スピードトラップ
    1.ガブリエル・ボルトレト(アウディ)- 309.3km/h
    2.ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)- 307.3km/h
    3.ジョージ・ラッセル(メルセデス)- 306.7km/h
    4.エステバン・オコン(ハース)- 306.5km/h
    5.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)- 304.9km/h
    6.フランコ・コラピント(アルピーヌ)- 304.2km/h
    7.リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)- 303.4km/h
    8.キミ・アントネッリ(メルセデス)- 303.3km/h
    9.ランド・ノリス(マクラーレン)- 302.9km/h
    10.角田裕毅(レーシングブルズ)- 302.6km/h
    11.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)- 302.6km/h
    12.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)- 302.4km/h
    13.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)- 301.2km/h
    14.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)- 300.6km/h
    15.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)- 300.4km/h
    16.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)- 298.0km/h
    17.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)- 297.4km/h
    18.シャルル・ルクレール(フェラーリ)- 297.2km/h
    19.ランス・ストロール(アストンマーティン)- 296.8km/h
    20.バルテリ・ボッタス(キャデラック)- 289.8km/h
    21.セルジオ・ペレス(キャデラック)- 289.5km/h

    ■ F1スペインGP フィニッシュライン通過速度
    1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)- 236.2km/h
    2.リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)- 235.4km/h
    3.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)- 234.7km/h
    4.フランコ・コラピント(アルピーヌ)- 234.0km/h
    5.ランド・ノリス(マクラーレン)- 233.8km/h
    6.ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)- 233.5km/h
    7.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)- 233.3km/h
    8.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)- 233.2km/h
    9.エステバン・オコン(ハース)- 232.6km/h
    10.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)- 232.6km/h
    11.シャルル・ルクレール(フェラーリ)- 232.4km/h
    12.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)- 232.4km/h
    13.角田裕毅(レーシングブルズ)- 232.3km/h
    14.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)- 232.2km/h
    15.ガブリエル・ボルトレト(アウディ)- 231.6km/h
    16.バルテリ・ボッタス(キャデラック)- 231.5km/h
    17.セルジオ・ペレス(キャデラック)- 229.9km/h
    18.ジョージ・ラッセル(メルセデス)- 224.0km/h
    19.キミ・アントネッリ(メルセデス)- 223.5km/h
    20.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)- 218.8km/h
    21.ランス・ストロール(アストンマーティン)- 208.4km/h

  • ランス・ストロールは「アロンソと同じ速さ」 デ・ラ・ロサが過小評価を指摘

    ランス・ストロールは「アロンソと同じ速さ」 デ・ラ・ロサが過小評価を指摘

    アストンマーティンF1のアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、ランス・ストロールの実力が過小評価されていると主張した。データ上では多くのサーキットやコーナーでフェルナンド・アロンソに匹敵する速さを示しており、問題は予選で1周をまとめ切ることにあると分析している。

    ストロールは2026年シーズン、予選と決勝の直接対決でアロンソに大きく後れを取っている。モンツァではF1史上初めて通算100回目のQ1敗退を記録し、F1スペインGPのマドリンクでも予選22番手に終わった。

    それでも、デ・ラ・ロサは単純な成績だけではストロールの本当の速さは測れないと語る。

    データで見れば「多くのコーナーで無敵」
    元F1ドライバーで現在アストンマーティンのアンバサダーを務めるデ・ラ・ロサは、『Beyond The Grid』でストロールについて高く評価した。

    「ランスはものすごく速い。私はデータを見るのが大好きなんだ。データを重視するタイプだから、どこで一方のドライバーがもう一方より速いのかを見るのが好きなんだよ」

    「そしてランスは、多くのサーキット、多くのコーナーで無敵なんだ」

    デ・ラ・ロサによれば、ストロールには高速コーナーだけが得意といった限定的な特徴があるわけではない。

    「ランスは高速コーナーが速くて、フェルナンドは……というような話ではない。2人は非常に拮抗している」

    「ランスはあらゆるタイプのコーナーで極めて速い」

    これは、2度のF1ワールドチャンピオンであるアロンソと比較したうえでの評価だ。単一のコーナーや特定の条件では、ストロールがアロンソを上回るケースも少なくないという。

    課題は予選で「すべてをまとめる」こと
    一方で、その速さが結果に結びつかない最大の理由として、デ・ラ・ロサは予選での一貫性を挙げた。

    「ただ、ときどき予選でミスがあったり、小さなことが起きたりする。そして結局、上位で予選を終えられなければ、それが週末全体を妥協させることになる」

    「そこが彼に欠けているところだ。予選ですべてをまとめること、それが時々できていない」

    それでも、ストロールが予選をうまくまとめた際には、アロンソを上回ることもある。

    「でも、予選ですべてがうまくいったときにはフェルナンドを上回ることもある。それって……相手はフェルナンド・アロンソなんだからね」

    「レースでも彼のペースは印象的だ。タイヤマネジメントも非常にうまい」

    2026年の予選直接対決ではアロンソが11勝2敗、決勝でも7勝2敗とストロールをリードしている。ポイントでもアロンソが3点を獲得している一方、ストロールはいまだノーポイントとなっている。

    数字だけを見れば両者には明確な差がある。しかしデ・ラ・ロサは、それが純粋なドライビングスピードの差をそのまま表しているわけではないと考えている。

    ランス・ストロール(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    「ランスは非常に過小評価されている」
    デ・ラ・ロサは、現在のアストンマーティンのマシン自体がドライバーにとって扱いにくいことも、ストロールの評価を難しくしていると指摘する。

    「ランスは非常に過小評価されているドライバーだと思う」

    「我々がマシンを改善して、もう少しドライバーに優しいものにできればいい。今のマシンは多くの理由から非常に難しいと言わざるを得ない」

    さらに問題はシャシーだけではなく、パワーユニット側にもあるという。

    「マシンやシャシーだけではない。エンジンについても、ドライバビリティを改善する必要がある」

    そして、マシンが本来あるべき状態になれば、ストロールにはアロンソと同等の速さがあると断言した。

    「マシンがきちんと走るようになれば、彼はフェルナンドと同じくらい速い。それについて疑問の余地はない」

    ストロールは2026年F1ドライバーズランキングで21位に沈み、ここまでノーポイント。成績面ではアロンソとの差が際立っているだけに、デ・ラ・ロサの評価は大胆にも映る。

    ただし、その根拠としているのはチーム内部で確認できる走行データだ。アストンマーティンがマシンとパワーユニット双方の扱いやすさを改善できれば、デ・ラ・ロサが「非常に過小評価されている」と評するストロールの速さが、結果として表れるかどうかが注目される。

  • トト・ヴォルフ ホンダF1への特別救済措置を支持「彼らにはもっと必要」

    トト・ヴォルフ ホンダF1への特別救済措置を支持「彼らにはもっと必要」

    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、2026年F1パワーユニット(PU)でライバルに後れを取っているホンダについて、既存のキャッチアップ制度だけでは十分でない場合、規則をさらに調整することに理解を示した。

    FIAはすでにADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発・アップグレード機会)を導入しており、一定以上の性能差が確認されたPUメーカーには追加開発を認めている。

    ホンダも対象となっているが、ヴォルフはF1に参戦する主要メーカーが競争力を持つことはスポーツ全体にとって重要だとの考えを示した。

    ライバルのメルセデスもホンダへの追加措置に理解
    発端となったのは、FIA会長モハメド・ビン・スライエムがF1スペインGPを前にマドリードで行われたビジネスフォーラムで語った発言だった。

    ビン・スライエムは、アストンマーティンとホンダの現在の競争力を背景にフェルナンド・アロンソがF1引退を選択する可能性について言及し、ホンダの改善を支援するための話し合いを行っていることを明かした。

    「我々は5月にも、規則に沿った形でチームとエンジンを改善するためのことを行った」とビン・スライエムは説明した。

    さらにアロンソとの会話について「彼に『我々が何をするつもりなのかは言わない。あなたはドライバーなのだから、結果を改善するために我々に何をしてほしいのか教えてほしい』と伝えた」と明かし、「我々は支援するためにもここにいる」と語った。

    この発言は、FIA会長が特定メーカーやドライバーの競争力向上にどこまで関与すべきなのかという議論を呼んだ。

    しかし、ヴォルフはビン・スライエムとアロンソの話し合い自体には問題はないとの見方を示している。

    「この場合、ADUOはキャッチアップのための仕組みとして設計されたものだと思う。そして、その制度はホンダに適用された」

    ヴォルフはF1スペインGPのマドリードでそう語った。

    「そして、彼らにはもっと必要だ。会長がアロンソと行った話し合いについても、妥当なものだと思う」

    「我々は、こうしたトップコンストラクターすべてにこのスポーツにいてほしい」

    「彼らには競争力を持ち、成功してほしいと思っている」

    「規則というものは、スポーツにとって最善となるように作られている。そして、ときには調整が必要になることもある。だから、妥当な話し合いだと思う」

    ホンダF1

    ホンダはすでにADUOの最大枠を獲得
    2026年から導入されたADUOは、PUメーカー間に大きな性能差が生じた場合に、それを縮小するためのキャッチアップ制度である。FIAはシーズン中の定められた評価期間ごとにICE(内燃エンジン)のパフォーマンスを分析し、トップメーカーとの差に応じて追加のホモロゲーションやダイノテスト、コストキャップ上の措置を認める。

    FIAが8月26日に公表した2026年の評価結果では、第1評価期間にメルセデスがトップICEから2~4%の範囲、フェラーリ、アウディ、ホンダが4%を超える差と判定された。

    これによりメルセデスには2026年と2027年にそれぞれ1回、フェラーリ、アウディ、ホンダにはそれぞれ2回の追加ホモロゲーション機会が認められた。ホンダは現行ADUOで設定されている最大のキャッチアップ枠をすでに得ていることになる。

    一方、第2評価期間では、いずれのPUメーカーにも新たな追加ホモロゲーションは付与されなかった。FIAは具体的な性能指数については、メーカーの機密情報や知的財産を理由に公開していない。

    つまり、ヴォルフが「彼らにはもっと必要だ」と語った背景には、ホンダが現行制度で最大限の追加開発機会を与えられているにもかかわらず、アストンマーティン・ホンダが依然として競争力の向上を必要としているという状況がある。

    FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスも、ADUOについて「今年が初年度であり、PUメーカーとの協議を通じて今後発展させていく可能性のある領域が当然存在する」と説明しており、制度そのものが将来的な見直しを前提としている。

    2026年規則はすでにシーズン中に修正
    2026年のF1規則は固定されたものではなく、シーズン開幕後も実際の走行データを基に複数の調整が行われている。

    FIAは4月、開幕3戦で収集したデータを基に、F1、各チーム、PUメーカーとの協議を経て規則の改良案に合意。さらに5月にはチーム代表、F1、5つのPUメーカーが参加する会議で、2026年規則をさらに進化させるための変更案について原則合意した。

    そのため、ヴォルフが示した「必要なら規則を調整する」という考え方自体は、2026年シーズンにすでに採られている規則運用の延長線上にある。

    ただし、今後ホンダにさらなる開発機会が認められるとしても、それが特定メーカーだけを対象とした措置になるのか、ADUOの基準や許容範囲そのものを変更する形になるのかは現時点では明らかになっていない。

    ホンダはF1オランダGPで大規模なPUアップグレードを投入したが、アストンマーティンは依然として上位争いへの浮上に苦戦している。そんななか、直接のライバルであるメルセデスを率いるヴォルフが、ホンダの競争力向上を目的とした制度のさらなる調整に理解を示したことは、今後のADUOを巡る議論を考えるうえで注目される発言となった。

  • フェルナンド・アロンソ F1とFIA首脳に改革直訴「2031年まで待てない」

    フェルナンド・アロンソ F1とFIA首脳に改革直訴「2031年まで待てない」

    フェルナンド・アロンソは、現在のF1が抱える問題について、F1のステファノ・ドメニカリCEO、FIAのモハメド・ビン・スライエム会長の双方と直接話し合っていることを明かした。

    以前から2026年F1レギュレーションを厳しく批判してきたアロンソは、初開催となったF1スペインGPのマドリンクでも、エネルギーマネジメントによってドライバーの技量が結果に反映されにくくなっていると指摘。「2031年まで待つことはできない」と訴え、自身の経験をF1の改善に役立てることも「責任」だと語った。

    アロンソがF1とFIAトップと直接協議
    アロンソの将来をめぐっては、ビン・スライエムが2度のF1ワールドチャンピオンを引退させないために働きかける意向を示したことが注目を集めた。

    その発言は、アロンソやホンダをF1にとどめるため、FIAが規則変更まで検討する可能性を示唆したものとして受け止められ、一部で物議を醸した。その後、特定のドライバーやメーカーを優遇する意図は否定されている。

    アロンソ自身は2027年もF1を続けるかどうかについて、依然として明言していない。

    「分からない。来年について自分の考えを決めるために、まだ検討しなければならないことがたくさんある」

    一方、ビン・スライエムと話したことについては認めた。

    「彼とは話した。でも、ステファノとは毎週のように定期的に話している。F1はこのままでは続けられないからだ」

    ここでアロンソが問題視しているのは、自身の去就だけではない。2026年から導入された新世代F1マシンそのものが、ドライバーの能力を十分に引き出せていないという点だ。

    「2031年まで待つことはできない」
    アロンソは、現行レギュレーションの問題を修正するために次の大規模な規則変更まで待つべきではないと主張する。

    「僕たちは……適切なスポーツになるまで2031年まで待つことはできない」

    「だから、自分の経験を生かして、できる限り改善するために彼らを助けることも僕の責任だと思っている」

    その問題を象徴する例としてアロンソが挙げたのが、マドリンクのラ・モニュメンタル(La Monumental)を含むターン10から12の区間だった。

    24%のバンク角を持つラ・モニュメンタルは、マドリンクを象徴する高速セクションとして設計された。しかし、アロンソによれば、現在のF1マシンではドライバーが限界を探りながらタイムを削る場所ではなく、MGU-Kからどれだけエネルギーを使えるかによって速さが左右されてしまうという。

    「ある意味、悲しいことだ。この世代のマシンで、ここみたいな素晴らしいサーキットに来て、ラ・モニュメンタルを含むターン10から12のようなチャレンジングな場所があるのに、ドライバーの入力はほとんど何の意味も持たない」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    「勇気がある方が速い。それがモータースポーツ」
    アロンソは近くにいたアストンマーティンのシニア・コミュニケーション&メディアマネージャー、マイケル・クレイトンを例に挙げ、現在の状況を皮肉った。

    「マイケルだってターン10から12を走れる。MGU-Kのデプロイなしで全開で行って、あるところで“K”が入れば、出口で速くなる」

    「でも、F1、そしてモータースポーツというものは、ターン10から12で、もしマイケルの方が僕より勇気があれば彼の方が速い、僕にもっと能力があれば僕の方が速い、そういうものであるべきだ」

    「予選というのはそうあるべきだ。でも今は、どれだけSOCが残っているかによって速くなったり遅くなったりするだけだ」

    ここでいうSOC(State of Charge)は、バッテリーに残されているエネルギー量を意味する。2026年F1では電動側の出力が大幅に高められており、エネルギーの回生と使用がラップタイムを左右する重要な要素となっている。

    「マックスよりマイケルが速くなってはいけない」
    アロンソはさらに、マックス・フェルスタッペンを引き合いに出し、ドライバーの技量よりエネルギーの状態が速さを決める状況への違和感を強調した。

    「ターン10から12では、誰が速くても構わない。でも、名前を出したくはないけど、バッテリーが多いというだけでマイケルがマックス・フェルスタッペンより速くなってはいけない」

    「ターン10から12は、それほど素晴らしいコーナーなんだ。そこでマイケルとの差を生み出すのは、マックス・フェルスタッペンでなければならない」

    「でも今は、それができない」

    アロンソがドメニカリやビン・スライエムと話している背景には、自身のF1引退をめぐる問題だけでなく、現行レギュレーションに対する根本的な危機感がある。

    45歳のアロンソはまだ2027年の去就を決めていないが、その一方で、20年以上にわたるF1経験を生かしてスポーツの方向性に意見することを自らの役割と位置づけている。マドリンクでの批判も単なるコースへの不満ではなく、「ドライバーが違いを生み出すF1」を取り戻すべきだという、2026年規則そのものへの問題提起となっている。

  • ランス・ストロール F1スペインGPでブレーキトラブル「ペダルが床まで入った」

    ランス・ストロール F1スペインGPでブレーキトラブル「ペダルが床まで入った」

    ランス・ストロールは、2026年F1スペインGPの決勝をブレーキトラブルによってリタイア。アストンマーティンのマシンについて「もっとパワーとダウンフォースが必要だ」と競争力不足を指摘した。

    マドリンクで行われた決勝で、ストロールは序盤にデブリによってマシンにダメージを負った。その影響を抱えながら走行を続けたものの、次第にブレーキペダルの感触も悪化。最終的にランオフエリアでマシンを止め、レースを終えることになった。

    ダメージで「40~50ポイントのダウンフォースを失った」
    ストロールによれば、序盤に受けたダメージは決して小さなものではなかった。

    「レースの序盤にダメージを負った。デブリもあって、たしか40~50ポイントくらいのダウンフォースを失ったと思う」

    さらに走行を続けるなかでブレーキにも問題が発生。ペダルのストロークが徐々に長くなり、最終的には正常な制動が難しい状態になった。

    「レースを通してブレーキペダルがどんどん長くなっていった。そして最後には、ペダルが床まで入ってしまった」

    ストロールはランオフエリアでロックアップした後、マシンの向きを変えて走行を再開しようとしたものの、それもかなわなかった。

    「ランオフでマシンの向きを変えようとしたけど、そのための十分なパワーがなくて、残念ながらそこでレースは終わった」

    ストロールがマシンを止めたことでバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。マーシャルがすぐに車両を移動できる場所だったことからVSCは短時間で解除され、そのタイミングは首位争いにも影響を及ぼした。

    ランス・ストロール(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    アストンマーティンには「もっとペースが必要」
    ただし、ストロールはリタイアの原因となったダメージやブレーキトラブルだけを問題視しているわけではない。F1スペインGPの週末全体を振り返り、アストンマーティンには根本的なパフォーマンス向上が必要だと強調した。

    「ダメージとか、そういうことは起こるものだ。僕たちがやらなければならないのは、もっとペースを見つけることだ」

    「そこが本当に大きなポイントだ。もっとパワーとダウンフォースが必要だ」

    初開催となったマドリンクで、アストンマーティンはフェルナンド・アロンソが17位、ストロールがリタイアと厳しい結果に終わった。

    ストロールにとって直接的なリタイア原因はブレーキトラブルだったが、レース後に強調したのはマシンそのものの競争力不足だった。パワーとダウンフォースの両面で改善が必要だとの認識を示し、アストンマーティンにとって課題の多いF1スペインGPとなった。

  • アストンマーティンF1 バクーで追加軽量化へ ニューウェイ「最適化を続ける」

    アストンマーティンF1 バクーで追加軽量化へ ニューウェイ「最適化を続ける」

    アストンマーティンF1のチーム代表エイドリアン・ニューウェイは、2026年F1スペインGP決勝を「残念な午後」と総括した。ランス・ストロールのリタイアとフェルナンド・アロンソの接触によるダメージによって、アップデートされたマシンの「真のペースを示すことができなかった」と語った。

    一方で、ニューウェイはアロンソがレースを走り切ったことで、新しいパッケージを分析するための有用なデータを収集できたことを収穫に挙げた。

    次戦アゼルバイジャンGPでは、さらなる軽量化策を投入することも明らかにしている。

    ニューウェイ「真のペースを示すことができなかった」
    初開催となったマドリンクでのF1スペインGPは、アストンマーティンにとって厳しい週末となった。

    ストロールは序盤にマシンへダメージを負い、その後ブレーキにも問題が発生。ペダルが長くなったことでロックアップを喫し、ランオフエリアでマシンを止めた。このストロールの停止によってVSC(バーチャル・セーフティカー)が導入され、レース展開にも大きな影響を与えた。

    アロンソもカルロス・サインツJr.との接触でフロントウイングを損傷し、交換のために予定外のピットストップを強いられた。サインツJr.にはこの接触についてペナルティが科され、アロンソは17位でレースを終えた。

    ニューウェイは、2台ともダメージに見舞われたことで、本来のパフォーマンスを確認する機会を失ったと説明した。

    「マドリードでは残念な午後になった。ランスはダメージによって早い段階でリタイアし、フェルナンドもカルロス・サインツとの接触でダメージを負った。そのため、我々の真のペースを示すことができなかった」

    それでも、アロンソが最後まで走行を続けたことには意味があった。アストンマーティンはスペインGPでアップデートされたパッケージの理解を進めており、ニューウェイは今回得られたデータを今後の改善につなげる考えだ。

    「フェルナンドはスペインのファンの前で堅実なレースをしてくれた。それによって、この新しいマシンについて分析するための有用なデータを収集することができた」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アゼルバイジャンGPでさらなる軽量化
    ニューウェイはさらに、次戦アゼルバイジャンGPに向けて追加の軽量化策を投入することを明らかにした。

    「これからはバクーに集中する。そこではさらなる軽量化策を持ち込み、引き続きパッケージの最適化を進めていく」

    2026年からホンダF1のパワーユニットを搭載するアストンマーティンは、シーズンを通じてマシンの改善を続けている。今回のマドリンクでは結果につなげることはできなかったものの、アップデートされたパッケージのデータ収集は進めることができた。

    次戦バクーでは軽量化によってマシンの完成度をさらに高められるかが焦点となる。ニューウェイにとって、スペインGPは結果以上に、現在のパッケージを理解し、次の改善につなげるための一戦となった。

  • フェルナンド・アロンソ F1スペインGPで接触のサインツに苦言「不必要だった」

    フェルナンド・アロンソ F1スペインGPで接触のサインツに苦言「不必要だった」

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1スペインGP決勝でカルロス・サインツJr.と接触した一件について「不必要だった」と苦言を呈した。高速走行中に壁側へ押しやられたと主張し、サインツJr.に科されたペナルティは妥当だったとの見解を示した。

    18番グリッドからスタートしたアロンソは、母国スペインのファンの前で順位浮上を目指したが、サインツJr.のウィリアムズとのバトルで接触。AMR26のフロントウイングを損傷し、交換のために予定外のピットストップを余儀なくされた。

    「340km/hで壁側に押しやられた」
    アロンソはレース後、サインツJr.のドライビングについて不満を隠さなかった。

    「340km/hで壁側に押しやられた。不必要だった」

    「左側には十分なスペースがあった。でも、これが初めてというわけではない。今日は彼にペナルティが科されたけど、これまでには科されなかったこともある」

    スチュワードはこの接触についてサインツJr.にペナルティを科した。アロンソもその裁定を支持した。

    「残念ながらカルロスにぶつけられて、フロントウイングを交換するためにピットに入らなければならなかった。ペナルティが出た。それがFIAの下した判断で、僕は正しかったと思う」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    「彼にとって難しい週末だった」
    アロンソは今回の接触だけでなく、サインツJr.がF1スペインGPを通してトラブルの多い週末を過ごしていたことにも言及した。

    「彼にとって難しい週末だった。昨日は予選でペナルティがあったし、今日はスタートで1台と接触した。そういうことは起こり得る。少し歯車がかみ合わない週末というものはある」

    一方、接触によるフロントウイングの損傷が自身の最終結果を決定づけたわけではないとも認めている。

    「その後は僕たちにとって難しいレースになった。でも、僕たちにあったペースを考えれば、最終結果はそれほど変わらなかったと思う」

    アロンソは最終的に17位でフィニッシュ。ポイント獲得には届かなかったものの、母国ファンからの大きな声援については「今日はファンのサポートを見ることができて素晴らしかった。雰囲気を本当に楽しんだ」と感謝を口にした。

    母国F1スペインGPで厳しい結果に終わったアロンソ。レース結果そのものについてはマシンのペースを冷静に受け止めた一方、サインツJr.との接触については「不必要だった」と明確に批判し、高速域で十分なスペースを残さなかったドライビングに不満を示した。

  • ホンダF1 PU開発責任者を交代 深尾洋一郎が新LPL「開発加速と次世代への移行」

    ホンダF1 PU開発責任者を交代 深尾洋一郎が新LPL「開発加速と次世代への移行」

    ホンダ・レーシング(HRC)は9月14日、F1パワーユニット(PU)の開発体制を変更し、2026年10月1日付で開発責任者(LPL)を交代すると発表した。

    これまでF1パワーユニット開発を牽引してきた角田哲史に代わり、現アシスタントLPLでF1プロジェクト副責任者、ソフトウェア部門責任者を務める深尾洋一郎が新たなLPLに就任する。HRCは今回の人事について、PU開発のさらなる加速と次世代へのスムーズな移行を目的としたものだと説明している。

    ホンダF1が10月から新たなPU開発体制へ
    ホンダは2026年からアストンマーティンとワークスパートナーシップを組み、新しいF1パワーユニットレギュレーションの下で参戦している。

    HRCによれば、今回の責任者交代は現在の状況を受けた突発的なものではなく、「次世代への確実な技術継承を見据えた計画的な移行」と位置づけられている。

    「2026年に導入された新レギュレーションに続き、2027年以降もさらなる規則変更への対応が求められる中、早期に新体制へ移行することで、競争力の高いPUを目指し、強固な開発体制を構築してまいります」

    2027年以降のF1ではパワーユニット規則にもさらなる変更が予定されており、ホンダにとって現行PUの競争力向上と将来仕様への開発を並行して進める重要な時期となる。

    深尾洋一郎は2002年からF1開発に携わる
    新LPLに就任する深尾洋一郎は、2002年に本田技研工業へ入社。同年から本田技術研究所の栃木研究所でF1プロジェクトのエンジン・ギアボックス制御システム開発に携わった。

    2009年には量産ハイブリッドシステム開発を担当したほか、朝霞研究所でMotoGPプロジェクトの制御システム開発にも従事。2011年に再び量産ハイブリッドシステム開発を担当した。

    ホンダがF1復帰に向けて準備を進めていた2014年にはF1プロジェクトの制御システム開発責任者に就任。2017年からはF1プロジェクト副責任者、制御システム開発責任者に加え、Sakura Mission Room(SMR)の責任者も務めた。

    2022年のHRC体制移行後もF1プロジェクト副責任者、制御システム開発責任者、SMR責任者を担当しており、長年にわたってホンダF1のパワーユニット開発、特に制御領域の中核を担ってきた人物となる。

    ホンダ・レーシング

    現行PUの競争力向上と2027年以降を見据えた人事
    ホンダにとって2026年は、アストンマーティンとの新たなF1プロジェクトがスタートした重要なシーズンである。一方で、新世代パワーユニットは実戦投入後も継続的な性能向上が求められている。

    今回、シーズン終了を待たず10月1日というタイミングで新LPLへ移行するのは、現行パワーユニットの開発を進めながら、2027年以降の規則変更にも早期から対応できる体制を整える狙いがある。

    角田哲史から深尾洋一郎への交代を「計画的な移行」と明確に説明したHRC。アストンマーティンとともに戦うホンダF1は、現行PUの競争力向上と次世代への技術継承を同時に進めるため、10月から新たな開発体制へ移行する。