カテゴリー: アンドレア・キミ・アントネッリ

  • アントネッリはカート史上トップ3の才能とロズベルグ「世代を代表する逸材」

    アントネッリはカート史上トップ3の才能とロズベルグ「世代を代表する逸材」

    ニコ・ロズベルグは、アンドレア・キミ・アントネッリについて、カート史上でもトップ3に入るドライバーだったと評価し、将来的には世代を代表するF1ドライバーになる可能性があると語った。

    2016年のF1ワールドチャンピオンであるロズベルグは、メルセデスで2年目のシーズンを戦うアントネッリのパフォーマンスに強い印象を受けている。

    20歳のアントネッリは現在、ジョージ・ラッセルに81ポイント、ルイス・ハミルトンに101ポイントのリードを築いており、史上最年少F1ワールドチャンピオンとなる可能性を残している。

    ロズベルグ「カート史上トップ3のひとり」
    アントネッリはフォーミュラカーへ進む前、長年にわたってカートでレースを続け、2019年にはロズベルグのチームでも走っていた。

    2021年にフォーミュラカーへ転向したアントネッリだが、ロズベルグによれば、カート時代に残した実績と才能は歴代でも最高レベルに位置するという。

    「当時、彼は私のカートチームに所属していた。そして、カート界でこれまで見てきたなかでも最高のドライバーのひとりだった」とロズベルグはSky F1に語った。

    「歴代の偉大なドライバーはみんなカートをやってきた。セナ、ハミルトン、フェルスタッペンもそうだ」

    「キミはカート史上トップ3に入るドライバーのひとりだった。だから、彼の才能は世代を代表するレベルなんだ。今年、それを目の当たりにしている」

    「彼のドライビング、そして毎日のように見せるスピードは本当に信じられない。とにかく、いつでも速いんだ」

    2026年F1マシンもアントネッリを後押し
    一方でロズベルグは、アントネッリが今季これほど圧倒的な速さを発揮できている背景には、2026年の新世代F1マシンも多少影響していると分析する。

    アントネッリはルーキーイヤーだった2025年、グラウンドエフェクト世代のマシンへの対応に苦戦する場面もあった。

    「今年はマシンが少しドライブしやすくなったとも思う。それによって、彼は世代を代表する才能をより早く発揮できるようになった」

    「もしマシンが昨年と同じままだったら、おそらくもう少し難しかっただろう。昨年のマシンはより極端で、少しドライブするのが難しかったからね」

    それでもロズベルグは、現在の成功の中心にあるのはマシンではなく、アントネッリ自身の能力だと強調した。

    「いずれにしても、遅かれ早かれ彼はそこに到達していただろう。基本的には彼自身の世代を代表する才能によるものだと思う」

    「ただ、レギュレーションが少し助けになって、これほど圧倒的な強さを見せるチャンスを与えた面はあると思う」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    初タイトルへのプレッシャーをロズベルグが警戒
    ただし、アントネッリのタイトル獲得に向けて状況を大きく変える可能性がある要素も残っている。それが、初めてF1ワールドチャンピオンを争うなかで受けるプレッシャーだ。

    ロズベルグは、マクラーレンやフェラーリのアップデートによってアントネッリが集団のなかで戦う機会が増えれば、「徐々にパニックが大きくなる」可能性があると指摘した。

    マクラーレンはランド・ノリスによって直近3戦のうち2戦で勝利。F1スペインGPでも、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングが悪くなければ勝利する可能性があった。

    「マクラーレンは調子がいい。最悪のシナリオは、マクラーレンが突然さらに抜け出し始め、そこにフェラーリの改善も加わって、キミが少しずつ集団のなかへ戻ってしまうことだ」

    ロズベルグは、自身が2016年にF1ワールドチャンピオンを獲得した際にも似た経験をしたと振り返った。

    「これは私がタイトルを獲得した年に経験した状況と似ている。私は少しずつ勢いを失い始め、ドライビングも以前ほどうまくいかなくなった。最後の4レースでは、徐々に集団のなかへ戻っていった」

    「メキシコでもそうだった。予選では最後の瞬間まで苦しんでいた。Q3では最後の最後まで6番手だった」

    「それらのレースでは、どこかの時点で毎回2番手ではなく3番手になっていたし、そこにはマックス・フェルスタッペンがいて、毎レースのように私に襲いかかってきた」

    「だから、もし彼がほんの少しでも集団のなかへ戻るようになれば、リスクは高まる。そうなると、その状況に対して徐々にパニックが大きくなっていくんだ」

    アントネッリは2026年シーズン、圧倒的なスピードを武器にF1タイトル争いをリードしている。ロズベルグはその才能をカート時代から高く評価する一方、初のワールドチャンピオン獲得に向けた終盤戦では、ライバルの追い上げとプレッシャーへの対応が重要になるとみている。

  • マックス・フェルスタッペン F1王座迫るアントネッリに助言「考えすぎるな」

    マックス・フェルスタッペン F1王座迫るアントネッリに助言「考えすぎるな」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年のF1ドライバーズ選手権で首位を独走するキミ・アントネッリに対し、「ストレスを感じすぎる必要はない」とアドバイスした。現在のアントネッリについて「絶好調だ」と評価し、今やっていることをそのまま続ければいいと語った。

    20歳のアントネッリは今季ここまで8勝を挙げ、メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセルに81ポイント差をつけてランキング首位に立っている。

    8勝は、ラッセルがF1通算166戦で記録している7勝をすでに上回る数字だ。フェラーリのルイス・ハミルトンには101ポイント差をつけている。

    フェルスタッペン「キミは今やっていることを続ければいい」
    自身初のF1ワールドチャンピオン獲得へ近づいているアントネッリに何かアドバイスはあるかと尋ねられたフェルスタッペンは、若きイタリア人の現在の戦い方を高く評価した。

    「キミは今やっていることをそのまま続ければいい。素晴らしいし、本当にうまくいっている。あまりストレスを感じすぎる必要はないし、実際に彼がそうしているとも思わない」

    「彼はただ結果を出し続けている。自信もあるし、どんどん経験を積んでいる」

    「まだ若いし、キャリアも本当に始まったばかりだけど、今は絶好調だ。すべてがうまく機能している」

    フェルスタッペンは、タイトルを意識するあまり、それまで機能していたアプローチを変える必要はないと考えている。

    「だから、物事を複雑に考えすぎる必要はない。実際、彼はそうしていない。周囲には彼に何が必要なのかを理解している優秀な人たちがたくさんいる。だから、すべてがうまくいっている」

    マックス・フェルスタッペンとアンドレア・キミ・アントネッリ

    ヴォルフ「4度の王者と比較すべきではない」
    フェルスタッペンの発言は、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが繰り返してきた考えとも重なる。ヴォルフは、まだF1参戦2年目のアントネッリをフェルスタッペンのような実績ある王者と比較し、過度な期待を背負わせることに慎重な姿勢を示している。

    「4度のワールドチャンピオンと、F1参戦2年目で、まだ勝利数も一桁のドライバーを比較することはできない。それに、キミに過度なプレッシャーをかけるべきではない」

    またヴォルフは、タイトル争いの先頭に立ちながらアントネッリが冷静さを保っている理由として、その若さと生まれ持った気質を挙げた。

    「20歳という若さは彼にとって大きな助けになっている。このスポーツであと20年走ることだってできるし、これから非常に多くのチャンスがある」

    「彼は我々の期待も、自分自身の期待もはるかに上回っている。ただ流れに乗っているんだ。そこには遺伝的な要素もあると思う。生まれつき冷静な人間なのか、そうではないのかということだ」

    昨年の経験から「プレッシャーを受け入れる」
    アントネッリ自身も、F1でタイトルを争う重圧との向き合い方について語っている。

    ルーキーだった2025年には、ヨーロッパラウンドで苦しい時期を経験した。その経験を踏まえ、今季はプレッシャーから逃れようとするのではなく、受け入れることを意識しているという。

    「できる限りプレッシャーを受け入れるようにしている。昨年のヨーロッパラウンドのように、プレッシャーに自分を壊されたくないからだ」

    8勝を挙げてランキング首位を走るアントネッリに対し、4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンが伝えたのは、タイトルを意識して何かを変えるのではなく、現在のアプローチを貫くことだった。残るシーズンでアントネッリが重圧をどうコントロールするかも、初タイトル獲得に向けた焦点となる。

  • キミ・アントネッリ F1スペインGP勝利を呼んだメルセデスの「秘密の暗号」

    キミ・アントネッリ F1スペインGP勝利を呼んだメルセデスの「秘密の暗号」

    F1スペインGPでアンドレア・キミ・アントネッリが挙げた勝利の裏には、メルセデスがVirtual Safety Car(VSC)の発動を見越して使った「秘密の暗号」があった。わずか1秒ほどの時間を稼ぐための事前準備とドライバーの対応が、マドリンクでの勝敗を左右した。

    アントネッリの勝利にはVSCという幸運が味方したことは間違いない。しかし、単純にタイミングに恵まれただけではなかった。

    メルセデスはランス・ストロールのマシンがストップした直後からVSCの可能性を予測し、アントネッリに通常以上にペースを落とさせていた。

    VSC発動前にアントネッリが稼いだ「1秒」
    決定的な場面は14周目だった。レースエンジニアから黄旗について知らされたアントネッリは、ターン18からターン20にかけて意図的にペースを落とし、VSCが発動された場合に備えた。

    13周目と比較すると、アントネッリはターン19を29km/h低い速度で通過。ストロールのマシンが止まっていたターン20のブレーキングポイントにも24km/h低い速度で到達しており、かなり早い段階でアクセルを戻していた。

    同じ黄旗区間でマックス・フェルスタッペンは、ターン19をアントネッリより15km/h速く通過。ターン20のブレーキングポイントでも18km/h速く、アクセルを戻したタイミングもアントネッリより遅かった。

    さらにアントネッリは、黄旗区間を抜けてグリーンフラッグが提示された後も、すぐには加速しなかった。

    メルセデスのピットウォールでは、正式なVSC発動前からレースがニュートラル化される可能性が高いと判断していた。その情報をレースエンジニアのピーター・ボニントン、通称“ボノ”がアントネッリへ伝えていた。

    メルセデスが使った「秘密の暗号」
    メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、チームがこうした状況に備えてドライバーとの間にコードを設定していることを明かした。

    「レース中にセーフティカーが出た場合、ピットに入る可能性があることをドライバーに知らせるため、我々は秘密のコードを使っている」

    「ただ、他のチームにそのコードが何を意味するのか知られないようにしている。そのため、毎週変更している」

    今回も、そのコードが重要な役割を果たした。

    「黄旗が出て、ボノがそれを確認した。キミは実際に少しペースを落とし、さらに1秒ほど稼いだ。おそらく……それがなくてもピットには入れたと思う。ただ、その1秒によって可能になった」

    「彼のオンボードを見れば分かるが、キミにとってピットに入るのは決して簡単ではなかった。そして彼が自分のピットボックスに止まろうとしているまさにその瞬間、タイヤが運ばれてきていた。あの短い時間の中で実行するのは難しいピットストップだった」

    アントネッリはVSCが発動された時点ですでにピット入口のすぐ近くまで来ていた。

    仮に事前に稼いだ約1秒がなかったとしても、白線を越える直前でピットへ飛び込めた可能性はある。しかし、そのわずかな余裕によってアントネッリには判断する時間が生まれ、同時にメルセデス側もピットストップの準備を整えることができた。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    わずか50秒でドライバーとピットが連動
    黄旗が提示されてからVSCが正式に発動されるまでは35秒。そしてVSC発動からアントネッリがメルセデスのピットボックスに到着するまでは、さらに15秒しかなかった。

    しかも、チームがしなければならなかったのはアントネッリをピットへ呼び込むことだけではない。

    交換用タイヤを用意し、メカニックを配置する必要があり、さらにメルセデスはアントネッリだけでなくジョージ・ラッセルもピットインさせることを決断していた。メカニックにも早い段階で準備の指示が出されていたことになる。

    ショブリンは、こうした状況を想定した準備は決勝日の朝から行われていたと説明する。

    「日曜の朝は、どんなインシデントが起きても対応できるようにすることに集中していた。レースの各段階でVSCやセーフティカーが出た場合に何をするのか、それを確実に把握しておく。これは普通のことで、すべてのチームが同じようにやっている」

    ただし、事前に戦略を決めていても、実際にその状況が訪れた際に迷いが生じることはあるという。

    「計画があったとしても、『本当にこれをやるのか?』というような議論が生じる状況はある」

    「今回良かったのは、きちんと計画があったことだ。キミは自分がVSCのウインドウに入っていることを分かっていた。そしてインシデントが起きると、ボノがすぐにそれを確認した」

    追い抜きが極めて難しいマドリンクでは、このVSCを利用したピットストップがレースの流れを大きく変えた。アントネッリはミディアムからハードへ交換して実質的な首位に浮上し、そのままF1スペインGP優勝につなげた。

    VSCという偶然の要素だけでなく、その発動を予測したピットウォール、暗号を理解して即座にペースを調整したアントネッリ、そして短時間でタイヤを準備したメカニックまで、メルセデスの一連の連携が勝利を引き寄せる重要な要素となった。

  • メルセデスF1代表 アントネッリの攻撃性に苦笑「この白髪は彼のせい」

    メルセデスF1代表 アントネッリの攻撃性に苦笑「この白髪は彼のせい」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、2026年F1タイトル争いで大きなリードを築くアンドレア・キミ・アントネッリについて、その速さを生み出している攻撃性に苦笑しつつ、シーズン終盤には予想外の出来事によって状況が一変する可能性があると警戒している。

    F1スペインGPで今季8勝目を挙げたアントネッリは、ランキング2位のチームメイト、ジョージ・ラッセルに81ポイント差をつけて首位に立っている。

    それでもヴォルフは、タイトルが決まったかのように考えることを避け、「ブラックスワン」のような予測困難な事態を念頭に置く必要があると語った。

    「白線を越えるな」と何度も念押し
    アントネッリはF1スペインGP終盤、十分なリードを築いていたにもかかわらずプッシュを続け、エンジニアのピーター・ボニントンに無線でウォールに接触した可能性を伝え、マシンにダメージがないか確認を求めた。

    ヴォルフによれば、こうした限界まで攻め続ける姿勢はアントネッリにとって珍しいものではないという。

    「ちょうど彼の父親とその話をしていたんだが、それがキミなんだ」

    「我々は彼に、白線を越えてはいけないと何度も頭に叩き込まなければならなかった。2024年のモンツァのFP1でも、白線を越えてクラッシュしたからね」

    「私は彼に『マシンから外が見えていないのか? トラックリミットが分かるように、もっと高い位置から見えるようにする必要があるのか?』と言ったんだ」

    「それについては一緒に笑った。そして今回のスペインGPでも、残り6周かそのくらいのところで『マシンをチェックしてくれ。ウォールに擦った』と言ってきた」

    アントネッリの大胆なドライビングは、チーム代表にとって気が気ではない部分もある。

    「この白髪は彼のせいだよ。でも、おそらく彼はそういうドライバーなんだろうし、それが彼をあれほど速くしている理由なのかもしれない」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    81ポイント差でもタイトルを意識せず
    アントネッリはF1スペインGP終了時点で267ポイントを獲得し、201ポイントのラッセルに81ポイント差をつけている。

    20歳のアントネッリが2026年のF1ワールドチャンピオンに輝けば、セバスチャン・ベッテルが2010年に記録した史上最年少F1王者の記録を3年以上更新することになる。

    しかし、ヴォルフによれば、本人はタイトル争いをほとんど意識していない。

    「もちろん、彼はそれについて考えていない。この子には物事を切り分ける能力がある。普段は若者として過ごし、マシンに乗れば成熟したレーシングドライバーになる」

    「だからキミが『チャンピオンシップのことは考えていない』と言うなら、本当に考えていないんだ」

    ヴォルフが警戒する「ブラックスワン」
    一方でヴォルフは、現在のポイント差だけを見てタイトル獲得を当然視することには慎重な姿勢を示した。

    そこで持ち出したのが「ブラックスワン」という言葉だ。一般的には、事前にはほとんど予測できず、発生すると大きな影響を及ぼす出来事を意味する。

    「ブラックスワンのような出来事はある。それは起こり得る。そして最後になって、失う可能性などないと思っていたものを失うことだってある」

    アントネッリは今季、速さだけでなく安定した結果を積み重ねてポイントリードを拡大してきた。一方で、限界まで攻め続ける姿勢はヴォルフを悩ませる要素でもあり、その攻撃性こそが20歳の速さを支えている可能性もある。

    残る2026年F1シーズンでメルセデスに求められるのは、アントネッリの持ち味を損なうことなく、不測の事態による大量失点を避けることになる。

  • キミ・アントネッリ F1初タイトルへ81点リード ロズベルグ「いずれ恐怖を感じる」

    キミ・アントネッリ F1初タイトルへ81点リード ロズベルグ「いずれ恐怖を感じる」

    メルセデスF1のアンドレア・キミ・アントネッリが2026年のF1タイトル争いをリードするなか、2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグは、シーズン終盤に向けてこれまでとは異なる心理的なプレッシャーに直面すると予想した。

    第14戦F1スペインGP終了時点で、アントネッリはチームメイトのジョージ・ラッセルに81ポイント差をつけてドライバーズランキング首位に立っている。

    ロズベルグは20歳のアントネッリが見せる安定感と成熟ぶりを高く評価する一方、自身が初タイトルを獲得した2016年の経験を振り返り、タイトルが現実味を帯びるほど「失うことへの恐怖」が大きくなると語った。

    ロズベルグが経験したタイトル争い終盤の「恐怖」
    マドリンクで行われたF1スペインGP後、Sky Sports F1でアントネッリについて語ったロズベルグは、現在の落ち着いた走りがシーズン最後まで簡単に続くとは考えていない。

    「僕たちはみんな人間だ。彼だって超人じゃない」

    「僕は本当に恐怖を感じていて、まともにドライブすることさえ難しくなっていた。シーズンの終わりに近づけば近づくほど、レースに勝ったり、ポールポジションを獲ったりすることができなくなっていった」

    ロズベルグは2016年、メルセデスでルイス・ハミルトンとの激しいタイトル争いを制し、最終戦アブダビGPで自身唯一となるF1ワールドチャンピオンを獲得した。その経験から、タイトルが手の届くところまで近づいたときに生じる心理状態を説明した。

    「くだらないミスだったり、簡単に起こり得る何かだったりで、自分の夢を失ってしまうんじゃないかという恐怖で頭がいっぱいになった」

    「どこかの時点で、彼も少しはそれを感じることになると思う。でも、ここまでの彼がどれほど安定していて、成熟しているかは信じられないほどだ。トトでさえ驚いている」

    アントネッリは前年のルーキーシーズンに見せていた速さに、2026年は安定感を加えている。特に直近ではF1イタリアGPとスペインGPで勝利し、タイトル争いで大きなリードを築いている。

    シュタイナー「アントネッリはフェラーリにいるべき」
    一方、元ハースF1代表のギュンター・シュタイナーは、イタリア人であるアントネッリが母国でさらに大きな支持を得るには、フェラーリで走ることが理想的だとの持論を展開した。

    「フェラーリは国民的なチームで、みんなが応援している。そして、イタリア人ドライバーがいなくなっていたところに、この若者が現れた」

    「イタリア人がモンツァで勝つのは60年ぶりだった。それだけ長い時間が経てば、勝つという感覚さえ忘れてしまう」

    アントネッリはメルセデスのドライバーであり、フェラーリにとっては直接的なライバルでもある。その状況がイタリア国内での人気という面では複雑に作用しているとシュタイナーは考えている。

    「もちろん自分たちのチームに勝ってほしい。でも、別のチームにいるこの若者もイタリア人で、しかもかなり速い」

    「彼はもっと多くのファンに支持されるに値すると思う。やっていることは並外れているし、フェラーリにいるべきだ。そうなれば理想的な世界だね」

    ロズベルグはマドリンクにも注文「サインツJr.も批判されるべき」
    ロズベルグはF1スペインGPの舞台となった新設マドリンクについても言及した。決勝でオーバーテイクが極めて難しかったことを問題視し、コース設計のアンバサダーを務めたカルロス・サインツJr.にも一定の責任があるとの見方を示した。

    「カルロス・サインツはアンバサダーだった。だから、カルロス・サインツも批判しなければならない」

    「来年に向けてコースレイアウトを見直して、少なくともひとつはきちんとしたオーバーテイクのチャンスを作る必要がある。このサーキットではそれが必要だ。とにかく追い抜くのが難しすぎる」

    具体例として挙げたのが、マクラーレンのオスカー・ピアストリとアルピーヌのフランコ・コラピントの攻防だった。

    「かなり衝撃的だった。例えばピアストリとコラピントだ。ピアストリは新品タイヤだったのに抜けなかった。あれだけペースが速かったのにだ。それくらい追い抜きが難しい」

    ドライバーの意見をコース設計に反映すべき
    ロズベルグは、新しいF1サーキットを設計する際には、完成後にドライバーから意見を聞くプロセスが重要だと主張した。

    「サーキット全体の設計ができた段階で、ドライバーのところへ行って意見を聞くべきだと思う」

    「ただ、今回については、その段階でドライバーに言われなければ分からないようなことだったとも思わない。僕たちはここへ来て、コースを見た瞬間に『これは追い抜くのがかなり難しくなる』と言っていた。だから、その点について何か対策をしておくべきだったと思う」

    マドリンク側が今後のレイアウト変更に前向きな姿勢を示している点については評価した。

    「彼らは今後変更を加えることについて非常にオープンだ。変更する準備ができている。ここは常設サーキットではないからね」

    「だから、その変更のひとつによって、可能であればオーバーテイクのチャンスが改善されることを願っている」

    アントネッリはF1参戦2年目にしてタイトル争いの先頭に立ち、イタリアGPとスペインGPでの勝利によってその存在感をさらに高めた。ただし、ロズベルグが自身のタイトル獲得経験から指摘するように、残りのシーズンでは速さだけでなく、初のF1ワールドチャンピオンが現実味を帯びるなかで生じるプレッシャーへの対応も大きなテーマとなっていく。

  • アントネッリのF1スペインGP優勝にモウリーニョ驚嘆「こんな若者見たことがない」

    アントネッリのF1スペインGP優勝にモウリーニョ驚嘆「こんな若者見たことがない」

    ジョゼ・モウリーニョが、F1スペインGPで優勝したメルセデスのキミ・アントネッリを絶賛した。マドリンクで一緒にレースを観戦した元F1ドライバーのジャン・アレジによれば、モウリーニョは20歳のアントネッリの走りに強い衝撃を受けていたという。

    レアル・マドリードの監督を務めるモウリーニョは、初開催となったマドリンクでのF1スペインGPを現地観戦。以前からF1への関心を公言しており、2025年のF1イギリスGPではマックス・フェルスタッペンにポールポジション賞を手渡していた。

    モウリーニョ「こんな若者は見たことがない」
    元フェラーリF1ドライバーのジャン・アレジは、スペインGP後に『Corriere della Sera』へ寄稿したコラムで、モウリーニョとともにレースを観戦したことを明かした。

    「私はジョゼ・モウリーニョと一緒にレースを見ていた。彼は何度も『こんな若者は今まで見たことがない』と言っていた」

    アレジは、数多くのトップレベルの選手を率いてきたモウリーニョから出た言葉であることに大きな意味があると感じている。

    「数多くの並外れた才能を扱ってきた監督から出た言葉なのだから、非常に重みのある評価だと思う」

    アントネッリはF1スペインGPで優勝し、ドライバーズランキング首位の座をさらに強固なものとした。そのパフォーマンスは、異なるスポーツの世界で数々のスター選手を見てきたモウリーニョにも強烈な印象を残したようだ。

    スペインGP前からアントネッリを高く評価
    実際、モウリーニョがアントネッリを称賛したのは決勝後が初めてではない。

    スペインGPを前に行われたラ・リーガのラージョ・バジェカーノ戦に向けた記者会見で、モウリーニョはF1について質問され、週末を前にすでにアントネッリの活躍に言及していた。

    「みんな私にとても親切にしてくれて、あちこちに招待してくれるから、発言には気をつけないといけないね」

    フェラーリについては「赤はいつだって赤だ」と語った一方、メルセデスでタイトル争いをリードするアントネッリについても高く評価した。

    「この若者がメルセデスでやっていることは、本当に信じられない」

    そのアントネッリがスペインGPで実際に勝利を飾り、モウリーニョは現地でその走りを目撃することになった。

    ジョゼ・モウリーニョ

    フェルナンド・アロンソとも親交
    モウリーニョは、アストンマーティン・ホンダのフェルナンド・アロンソとも親交があることを明かしている。

    「フェルナンドとも友人なんだ。彼の人柄が本当に好きだ。彼は最高のドライバーのひとりだ」

    一方で、現在のアロンソが置かれている状況についてはマシン側の競争力を問題視した。

    「でも、勝てるマシンもポイントを獲れるマシンもない。彼にはいつも良くないマシンが与えられている」

    初開催のF1スペインGPにはモウリーニョだけでなく、レアル・マドリードの関係者も多数訪れた。サーキットの入口からほど近い場所にクラブのトレーニング施設があることもあり、週末のパドックではサッカー界との交流が目立った。

    レッドブル・レーシングが公開した映像では、マックス・フェルスタッペンがヤン・ディオマンデ、ブラヒム・ディアス、セルヒオ・ラモスらと会話し、記念撮影に応じる様子も紹介された。

    サッカー界で数多くのトップ選手を指導してきたモウリーニョに「こんな若者は見たことがない」と言わせたアントネッリ。F1スペインGPでの勝利は、モータースポーツの枠を超えて強烈な印象を与えるものとなった。

  • キミ・アントネッリ F1スペインGP優勝も「僕たちは勝利に値しなかった」

    キミ・アントネッリ F1スペインGP優勝も「僕たちは勝利に値しなかった」

    メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1スペインGPで今季8勝目を挙げたものの、「今日は僕たちは勝利に値しなかった」と振り返り、本来ならランド・ノリスが勝つべきレースだったとの考えを示した。

    マドリンクで初開催されたF1スペインGPで2番グリッドからスタートしたアントネッリは、序盤にノリスと首位を争った後、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングを生かして首位に浮上。最終的にマックス・フェルスタッペンを抑え、2戦連続となる勝利を手にした。

    「ランドが勝利に値した」
    しかし、チェッカー後のアントネッリは、勝利を手放しでは喜ばなかった。

    「勝てたのはもちろんうれしい。でも、今日はそれほど気分がいい勝利ではない。ランドが勝利に値したと思うからだ」

    ノリスはポールポジションからレースをリードし、アントネッリとのギャップを築いていた。しかし、VSCが導入された時点ですでにピット入口を通過しており、その恩恵を受けることができなかった。

    一方、アントネッリはVSC導入直後にピットへ入り、ハードタイヤへ交換。通常より大幅に少ないタイムロスでタイヤ交換を済ませ、実質的な首位に立った。

    「VSCが出た瞬間にピットへ飛び込んで、少ないロスでハードに交換し、実質的な首位に立つことができた。だから、おそらく僕たちは勝利に値しなかったと思う。でも、もちろんこの結果は受け取る」

    それでも、純粋なレースペースについては手応えを感じている。

    「それ以外では、とても強いレースだった。特に最後のハードでは本当にいいペースがあった。これからもプッシュし続けないといけない」

    「本来なら2位か3位」スタートの攻防を反省
    FIAのレース後記者会見でも、アントネッリは自身の勝利を冷静に評価した。

    「現実的に、正直に言えば、今日は僕たちは勝利に値しなかった。ランドが勝つべきレースだったと思う」

    「僕たちの結果は、おそらく2位、あるいは3位だったと思う。スタートで僕が十分にいい仕事をできなかった。少しアグレッシブになりすぎて、自分を悪いポジションに追い込んでしまった。間違いなく改善しなければならない部分がある」

    スタート直後、アントネッリはノリスに対して積極的に仕掛けた。しかし、シケインをカットする形となり、その後の攻防でも再びコースをショートカットすることになった。

    「仕掛けてみたけど、当然ランドだって簡単に抜かせてくれるわけではない。彼はやるべきことをやった」

    「2つ目のシケインでは行けるかもしれないと思ったけど、接触するにはリスクが高すぎると感じた。それで諦めることにした」

    無理にターンインしていれば、レースそのものを失う可能性もあったという。

    「もし僕がターンインしていたら、ランドと接触して、おそらくウォールに行って道路を塞いでいたと思う。間違いなくいい結果にはならなかった」

    この一連の攻防によってアントネッリは難しい位置に置かれ、フェルスタッペンにも先行を許した。

    「その後は少し厄介なポジションになって、マックスにターン7のアウト側から抜かれた。見直すべきところは間違いなくあるけど、それでもチームとしては素晴らしい仕事だった」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(スペイングランプリ)

    フェルスタッペンの順位返上にも「少し混乱した」
    アントネッリは、序盤にフェルスタッペンからポジションを返された場面についても説明した。

    フェルスタッペンはルイス・ハミルトンとの攻防でコース外へ出たことを受け、レッドブルからポジションを戻すよう指示された。その過程でアントネッリも再びフェルスタッペンの前に出ることになった。

    「少し混乱した。マックスが僕をコース外から抜いたとは思っていなかったからだ。普通に抜かれたと思っていた」

    「その後、彼がルイスにポジションを返さなければならないと聞いた。ルイスにはブレーキの問題も出ていたから、特にマックスにとっては少し変な状況だったと思う」

    ハミルトンはその後、ブレーキシステムのトラブルによってリタイア。アントネッリにとっては、序盤の順位変動からVSCまで、複数の展開が自身に有利に働いたレースでもあった。

    「だから今日の勝利は、さっき言ったように素晴らしいものだけど、僕が望んでいた勝ち方ではない」

    予想を下回ったタイヤデグラデーション
    レース前にはマドリンクで高いタイヤデグラデーションが予想されていたが、実際には想定ほど激しくなかった。

    アントネッリは、路面にラバーが乗っていったことに加え、ハードタイヤが特にグレイニングに対して強かったことを理由に挙げた。

    「デグラデーションはかなり低かった。もちろん多少はあったけど、予想よりずっと低かった。路面にラバーが乗っていったこともあって、1ストップが可能になった」

    「最後にはタイヤはかなり終わっていたけど、このコースはオーバーテイクが難しい。だからタイヤを持たせながら、そのまま最後まで走ることができる」

    シャルル・ルクレールがハードタイヤで約50周に及ぶロングスティントを敢行しながら、一定のペースを維持したことも、その耐久性を示していた。

    「シャルルもハードでほぼ50周走って、それでもまずまずのペースを維持していた。予想外だったけど、一番大きかったのはハードタイヤが特にグレイニングに対して強かったことだと思う」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    81ポイント差にも「タイトルを考えながら走りたくない」
    アントネッリは今回の勝利で今季8勝目を記録。13戦連続で少なくとも1周をリードし、ドライバーズランキングでは2位に対するリードを81ポイントまで広げた。

    それでも、20歳のアントネッリはタイトルを意識して守りに入る考えを否定した。

    「それこそ僕がやりたくないことだ。1レースずつプッシュして、結果を出し続けて、最後まで楽しみたい。そして毎レース、自分のベストを尽くす。そのうえで年末にどこにいるかを見るだけだ」

    「もちろん大きなリードはある。でも何が起こるかは分からない。だから何にでも対応できるようにして、得られるすべてのチャンスを最大限に生かしていかないといけない」

    記者会見では、すでにF1ワールドチャンピオン経験者であるフェルスタッペンとノリスにも、若きランキングリーダーへのアドバイスを求める質問が飛んだ。

    アントネッリはすかさず「彼らは逆転を願っていると思うけどね」と冗談を飛ばしたが、フェルスタッペンは「キミは今やっていることを続ければいい」と高く評価した。

    ノリスも「80ポイント以上リードしているのは、彼が信じられないほどいい仕事をしているからだ」と称え、「20歳になったばかりで、恐ろしいほどいい仕事をしている」とそのパフォーマンスを評価した。

    好調でも父親が「地に足をつけてくれる」
    圧倒的なリードを築く中で、どう冷静さを保っているのか。アントネッリは家族とチームの存在が大きいと語った。

    「本当にいい人たちが周りにいるのは幸運だと思う。素晴らしいチームが支えてくれているし、家族もいる。特に父は僕を地に足をつけさせてくれる存在だ」

    「僕が少し道を外れそうになっていると感じたら、遠慮なく叱ってくれるし、ちゃんと地に足をつけるように言ってくれる。いい人たちが周りにいることは間違いなく大きな助けになっている」

    自身としては、タイトル争いを必要以上に意識することなく、これまでと同じ姿勢を貫くつもりだ。

    「僕は毎レース、自分のベストを尽くそうとしているだけだ。マシンに乗ったらできるだけ速く走る。そして年末にどこにいるかを見る」

    「物事を複雑に考えすぎたり、チャンピオンシップや結果を心配しながら走ったりしたくない。ただ走って、自分のベストを尽くすだけだ」

    VSCという幸運を最大限に生かしてマドリンク初代ウイナーとなったアントネッリ。それでも本人は勝利そのものより、自身のスタートでの判断や改善点に目を向けている。81ポイントという大きなリードを築いたタイトル争いでも姿勢を変えず、次戦アゼルバイジャンGPに向けて「バクーではもっと良くなりたい」とさらなる改善を誓った。

  • キミ・アントネッリ F1スペインGP決勝を警戒「最初の10周はおばあちゃん運転」

    キミ・アントネッリ F1スペインGP決勝を警戒「最初の10周はおばあちゃん運転」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1スペインGPの決勝でタイヤデグラデーションが大きな鍵になると警戒している。フリー走行のロングランでは早い段階でプッシュすると急激にタイヤが落ちる傾向が確認されており、「最初の10周はおばあちゃん運転になる」と冗談を交えてタイヤ管理の重要性を語った。

    メルセデスのアントネッリはマドリンクで行われた予選で1分31秒835を記録。Q3最後のアタックで一時トップに立ったものの、ランド・ノリスにわずか0.011秒上回られ、2番グリッドから初開催のF1スペインGP決勝を迎える。

    「最初の10周はおばあちゃん運転」
    アントネッリが決勝に向けて最大の課題に挙げたのがタイヤデグラデーションだ。

    「最大のチャレンジは明日だと思う。デグラデーションがかなり大きそうだからね」

    決勝でタイヤをどのように持たせる必要があるかと聞かれると、アントネッリは笑いを誘う表現で答えた。

    「たぶん最初の10周は“おばあちゃん運転”になると思う。でも、どうなるか見てみよう」

    「ロングランでは、早くプッシュしすぎるとデグラデーションがどれだけ急激になるか分かった。もちろん、明日レースを始めてみたらデグラデーションがずっと小さい可能性もある。だから、その場で判断する必要がある」

    メルセデスの公式コメントでも、アントネッリは決勝について「全員にとって大きなチャレンジになる」と予想している。

    「明日は未知の部分がたくさんあって、全員にとって大きなチャレンジになる。タイヤのマネジメントが鍵になると思う」

    2ストップか3ストップか ハードも未知数
    タイヤ戦略についても不確定要素は多い。特にハードタイヤについては十分なデータがなく、どれだけ長いスティントを走れるかはまだ明確になっていない。

    「ハードがどういうタイヤなのか、どれくらい耐えられるのかはまだよく分かっていない。明日は2ストップになるかもしれないし、3ストップになるかもしれない」

    重要になるのは、特にレース序盤の第1スティントだという。

    「できるだけタイムを失わないようにしながら、特に第1スティントではタイヤをできる限りマネジメントすることが重要になる」

    マドリンクでは高い路面温度もタイヤを扱う難しさを増している。予選でもアントネッリは、アウトラップからプッシュラップ終了までタイヤを適切なウインドウに維持することに苦労した。

    「とても激しい予選だった。路面がかなり熱かったから、タイヤとのバランスを正しく合わせるのが難しかった」

    「アウトラップでの準備を正しく行うのも難しかったし、そのうえでプッシュラップ全体を通してタイヤを正しいウインドウに保たなければならなかった」

    オーバーテイクも難しいマドリンク
    タイヤを温存する必要がある一方で、マドリンクではオーバーテイクが難しいという別の問題もある。

    アントネッリはフリー走行でウィリアムズの後方を走った際、追い抜くまでに2周を要した経験を明かした。

    「プラクティスではウィリアムズの後ろで2周もかかって、かなり苦労してようやく抜けた。本当に難しい」

    「もともとデグラデーションが大きいのに、後ろを走るとさらにスライドが増えて、もっと難しくなる」

    ペースが近いマシンをコース上で抜くのは簡単ではなく、タイヤの使い方や戦略によってチャンスを作る必要があると考えている。

    「前のマシンにプレッシャーをかけて、ミスをさせるか、よりタイヤを消耗させる。そして戦略を使うしかない。同じくらいのペースなら、オーバーテイクするのは難しい」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    2番グリッドからノリスを狙う
    それだけに、2番グリッドから迎えるスタートは重要になる。

    「スタートは間違いなくすごく重要だし、ターン1までの走りも重要になる」

    予選直後のインタビューでは、ポールシッターのノリスをスタートでかわすことへの期待も口にした。

    「いいスタートができればいいね。そこで前に出られればと思っている」

    「勝つチャンスが来れば、それを取りにいく。それがなければ、自分たちにできる最高のレースをして、どうなるか見てみよう」

    メルセデスの公式コメントでも「オーバーテイクは難しくなると思うけど、ランドにプレッシャーをかけて、勝利を争うために何ができるか見てみたい」と語った。

    アントネッリは予選Q3最後のアタックでポールを取ったと思ったというほどの手応えを得ていたが、最後にノリスが0.011秒上回った。

    「こういう形で終わったのは少しほろ苦い。ポールを取ったと思ったからね。でもランドが奪っていった」

    それでも2番グリッドは、オーバーテイクが難しいと予想されるマドリンクでは絶好の位置だ。スタートでノリスに仕掛けつつ、序盤は“おばあちゃん運転”でタイヤを守るという相反する要求をどう両立するか。高いデグラデーションと未知のハードタイヤを巡る戦略が、アントネッリの勝利争いを左右することになりそうだ。

  • ジョージ・ラッセル F1タイトル争いで現実直視「アントネッリは僕よりいい仕事」

    ジョージ・ラッセル F1タイトル争いで現実直視「アントネッリは僕よりいい仕事」

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1ドライバーズ選手権でチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリに66ポイント差をつけられている現状について、「今年は僕よりいい仕事をしている」と率直に認めた。

    メルセデスのタイトル争いでは、開幕戦で圧倒的な強さを見せたラッセルに対し、その後アントネッリがグランプリ5勝を挙げる快進撃を披露。

    フェラーリやマクラーレンも勝利を挙げるなか、アントネッリは着実にリードを広げてきた。ラッセルは逆転の可能性を捨ててはいないものの、自分には「運も必要」だと現実的に状況を捉えている。

    「彼は首位に立つにふさわしい」
    現在、アントネッリはラッセルに66ポイント差をつけてドライバーズ選手権をリードしており、史上最年少F1ワールドチャンピオン獲得に向けて有利な位置につけている。

    ラッセルは、残されたレースでこの差を逆転することが簡単ではないと認め、チームメイトの今季のパフォーマンスを高く評価した。

    「現実離れしたことを考えるつもりはない。実際のところ、今年はチームメイトの方が僕よりいい仕事をしている」

    「彼には不運もあったけど、それでも選手権をリードするにふさわしいし、今のところ、このポジションにいるだけの仕事をしている」

    そのうえでラッセルは、タイトルだけを意識するのではなく、残された一戦一戦で最大限の結果を狙っていくと説明した。

    「僕としては、一戦ずつ取り組んで、できるだけ多くのレースで勝つことを目指すだけだ」

    「このチャンピオンシップで勝ちたいなら、僕にはある程度の運も必要になる。それが今の状況だ。僕たちが置かれている立場については、かなり現実的に考えている」

    モンツァでアントネッリとの直接対決に敗北
    ラッセルにとって大きな痛手となったのが、前戦F1イタリアGPだった。

    アントネッリは19番グリッドから猛烈な追い上げを見せ、レース中にはラッセルと何度もホイール・トゥ・ホイールの攻防を展開。最終的にチームメイトを2番手へ退け、劇的な優勝を飾った。

    モンツァでの敗戦をどのように受け止めたのかと尋ねられたラッセルは、今季はそうした結果を消化する経験を十分に積んできたと語った。

    「今年は物事を受け止める練習をかなりしてきたよ。僕自身はいい状態だし、どの週末からもポジティブなものを持ち帰っている」

    「もちろん、モンツァでは勝ちたかったし、キミとのあのバトルを最後まで続けたかった」

    それでも、アントネッリの現在の勢いについて言い訳をすることはなかった。

    「実際のところ、彼は今、本当に素晴らしい仕事をしている。それについては彼を評価しなければならない」

    「僕自身もいくつかいい改善ができているし、この流れを続けて、また彼に戦いを挑みたい。それが今の僕のメンタリティだ」

    ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    初開催マドリンクで反撃へ
    ラッセルにとって次の反撃の機会となるのが、今週末にマドリンクで初開催されるF1スペインGPだ。

    過去のデータが存在しない新しいサーキットだけに、勢力図が通常とは異なる可能性もある。ラッセルは特に高速コーナーとアグレッシブな縁石を警戒し、ドライバーが自信を持って限界へ近づいていくことが重要になると考えている。

    「F1にいる全員のレベルはものすごく高い。ここは自信が必要になるサーキットだ」

    「かなりチャレンジングだし、高速コーナーがたくさんあって、縁石もアグレッシブだ。間違いなく特別な経験になると思う。とにかくウォールに当てないようにして、少しずつペースを上げていくことだね」

    一方で、タイトル争いを考えれば慎重になりすぎることもできない。

    「すべてのレースがチャンスだ。このサーキットは今季でも特にリスクの高いサーキットのひとつだと思う」

    「すべてを懸けてポールポジションと勝利を狙いたい気持ちはある。でも、このレースへのアプローチとしては、いつも通り自分たちの仕事をするだけだ」

    アントネッリの実力と現在の優位を認めたラッセルだが、タイトル争いから降りるつもりはない。66ポイントという大きな差を逆転するには運も必要だと認識しながら、まずは初開催のマドリンクで勝利を取り戻し、チームメイトへの反撃を開始することを目指す。

  • セバスチャン・ベッテル F1最年少王者記録更新へ進むアントネッリに「喜んで譲る」

    セバスチャン・ベッテル F1最年少王者記録更新へ進むアントネッリに「喜んで譲る」

    セバスチャン・ベッテルは、自身が16年間にわたって保持しているF1最年少ワールドチャンピオン記録を、キミ・アントネッリが更新する可能性について「喜んで彼に譲る」と語った。

    2026年のF1世界選手権でランキング首位を独走するアントネッリは、前戦イタリアGPで19番グリッドから歴史的な逆転優勝を飾り、今季7勝目を獲得。ランキング2位のジョージ・ラッセルに66ポイント差をつけており、20歳での初タイトル獲得に向けて大きく前進している。

    ベッテルが16年間保持するF1最年少王者記録
    現在のF1最年少ワールドチャンピオン記録を持つのはベッテルだ。

    1987年7月3日生まれのベッテルは、レッドブル・レーシング時代の2010年11月14日に初のF1ワールドチャンピオンを獲得。当時の年齢は23歳4カ月11日だった。

    2006年8月25日生まれのアントネッリは、2026年8月に20歳になったばかり。今季中にタイトルを獲得すれば、ベッテルの記録を3年以上も更新することになる。

    仮に2026年のタイトル争いが最終戦まで持ち越されたとしても、12月6日の時点でアントネッリは20歳3カ月12日。ベッテルが保持する記録を大幅に塗り替えることになる。

    イタリアGP終了時点でアントネッリはラッセルに66ポイント差をつけており、残り最大10戦という状況で大きなリードを築いている。

    「記録は破られるためにある」
    16年間守ってきた記録を失うことについて、ベッテルに複雑な思いはないようだ。

    アントネッリに記録を更新されることをほろ苦く感じるかと尋ねられたベッテルは「いや」と否定した。

    「彼のためにとても嬉しく思うよ。彼は信じられないような一年を過ごしているし、『記録は破られるためにある』という昔からの言葉もある」

    「彼には、それを成し遂げるための年月がまだたくさん残されている」

    2022年限りでF1を引退したベッテルは、現在は一人のファンとしてタイトル争いを見守っていると説明。一方で、アントネッリだけが抜け出すのではなく、ライバルたちが再び争いに加わる展開も期待しているという。

    「僕はこのスポーツが大好きだから、観客として見ていてとてもエキサイティングだ。他のみんなにも追いついて、もっと争いに加わってほしいと思っている」

    「でも、僕はある意味では独立した立場だから、彼らのことを素直に喜べる。そこに到達するために、どれだけ多くの仕事が必要なのかを知っているからね」

    「そして、最終的に誰が勝ったとしても、その人がタイトルにふさわしいと思う」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    F1史上最年少ワールドチャンピオン記録
    現在のF1史上最年少ワールドチャンピオン記録は以下の通り。

    1位 セバスチャン・ベッテル(2010年)23歳4カ月11日
    2位 ルイス・ハミルトン(2008年)23歳9カ月26日
    3位 フェルナンド・アロンソ(2005年)24歳1カ月27日
    4位 マックス・フェルスタッペン(2021年)24歳2カ月12日
    5位 セバスチャン・ベッテル(2011年)24歳3カ月6日
    6位 マックス・フェルスタッペン(2022年)25歳0カ月9日
    7位 フェルナンド・アロンソ(2006年)25歳2カ月23日
    8位 セバスチャン・ベッテル(2012年)25歳4カ月22日
    9位 エマーソン・フィッティパルディ(1972年)25歳8カ月29日
    10位 ミハエル・シューマッハ(1994年)25歳10カ月10日

    アントネッリが2026年に初のF1ワールドチャンピオンに輝けば、このランキングのトップに20歳という圧倒的な若さで名前を刻むことになる。16年間にわたって破られていないベッテルの記録が更新される日は近づいているが、当のベッテルは、その瞬間を歓迎する構えだ。