カテゴリー: 角田裕毅

  • 角田裕毅 F1シート喪失時のヘルムート・マルコを回想「彼もかなり落胆していた」

    角田裕毅 F1シート喪失時のヘルムート・マルコを回想「彼もかなり落胆していた」

    角田裕毅が、2025年限りでF1のレギュラーシートを失うことをヘルムート・マルコから直接告げられた当時を振り返った。長年にわたって自身のキャリアを支えてきたマルコも、その決定に「かなり落胆していた」という。

    2021年にアルファタウリからF1デビューを果たした角田裕毅にとって、マルコは単なるレッドブルのモータースポーツアドバイザーではない。17歳の頃から自身を見いだし、レッドブル・ジュニアチーム、そしてF1へと導いた人物だった。

    マルコ本人から告げられたF1シート喪失
    角田裕毅は2025年、開幕時にはレーシングブルズから参戦していたが、リアム・ローソンがわずか2戦でレッドブル・レーシングのシートを失ったことで、第3戦からその後任として昇格した。

    しかし、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして苦戦を強いられ、レッドブルで獲得したポイントは30点にとどまった。シーズン終了後、チームは2026年にアイザック・ハジャーを昇格させることを決定。角田はレギュラーシートを失うことになった。

    『Beyond The Grid』で角田裕毅は、その決定をマルコ本人から直接伝えられたと明かした。

    「今でもその瞬間を覚えています。僕に直接伝えたのはヘルムートでした」

    「ヘルムートは僕をF1に連れてきてくれた人ですし、その前にレッドブルのジュニアプログラムにも入れてくれた人です。17歳の頃からずっと一緒でした」

    レッドブルの若手育成を長年率いてきたマルコと角田の関係は、F1に昇格する以前から続いていた。それだけに、レギュラーシート喪失を告げる場面では、マルコ自身にも複雑な感情があったという。

    「そのとき、彼もかなり落胆していたのを覚えています。そして、それを伝えられたとき、僕自身はそこまで大きな落胆とか、打ちのめされたような感覚はありませんでした」

    「2025年はこれまで以上に戦った」
    もちろん、角田裕毅にとってF1シートを失うことが何でもなかったわけではない。ただ、その結末はある程度予想していたという。

    「もちろん、翌年にレースをできないことには落胆していましたし、かなり悲しかったです。でも、予想していなかったわけではありませんでした。なぜなのかは分からないですけど、何となく……」

    角田は2025年を、自身のキャリアの中でも特に厳しく戦ったシーズンだったと振り返る。

    「本当に懸命に戦いました。2025年は、それまで以上に戦ったと思います。今振り返っても、それほど後悔はありません。すべてを出し切りました」

    「もちろん、カタールで聞かされた結果は僕が望んでいたものではありません。でも、本当にすべてを出し切ったので、それが結果なのであれば、受け入れなければならないと思いました」

    角田にとって重要だったのは、結果そのものだけではなく、自分にできることをやり切ったという感覚だった。レッドブルではフェルスタッペンとの差に苦しみ、厳しい評価にもさらされたが、それでも2025年を振り返って大きな後悔はないと語っている。

    角田裕毅(レッドブル・レーシング)

    ハース移籍の可能性も実現せず
    角田裕毅は2026年もF1に残ることを望み、ハースから関心を寄せられていた。しかし当時、レッドブル側が翌年のドライバーラインアップをまだ確定させていなかったこともあり、移籍は実現しなかった。

    結果として角田は2026年をレッドブル・レーシングのリザーブドライバーとしてスタートした。

    それでも、F1への道が完全に閉ざされたわけではなかった。夏休み中に手首を負傷したアイザック・ハジャーが欠場したことでドライバーの入れ替えが発生し、リアム・ローソンがレッドブル・レーシングへ移動。角田はレーシングブルズからF1復帰を果たした。

    ザントフォールト、モンツァ、マドリンクでのF1スペインGPと3戦に出場し、再びグリッド上で自身の力を示す機会を得た。

    2027年のF1シート獲得を目指す角田裕毅
    一度はレギュラーシートを失った角田裕毅だが、F1でのキャリアを終える考えはない。

    2026年の代役参戦を経て、現在は2027年のレギュラーシート獲得を目指している。レッドブル陣営での今後だけでなく、他チームの候補としても名前が取り沙汰されており、キャデラックのシートをめぐる動向でも候補のひとりとして報じられている。

    17歳の頃から自身を支え、F1への道を開いたマルコから告げられた2025年末のシート喪失。角田裕毅にとって厳しい瞬間だったことは間違いないが、「すべてを出し切った」と振り返るその経験を経て、現在は再びF1のレギュラーシートを取り戻すことに照準を合わせている。

  • 角田裕毅 レッドブルF1時代の最大の過ち「フェルスタッペンのセットアップを模倣」

    角田裕毅 レッドブルF1時代の最大の過ち「フェルスタッペンのセットアップを模倣」

    角田裕毅は、2025年にレッドブル・レーシングで苦戦した原因を振り返り、マックス・フェルスタッペンのマシンセットアップを再現しようとしたことが「最大の過ちだった」と明かした。

    リアム・ローソンに代わってレッドブルのシートを手にした角田裕毅だったが、RB21への適応には最後まで苦しんだ。本人によれば、それまで自分のドライビングスタイルを変えようと考えたことはほとんどなかったものの、フェルスタッペンと同じチームで走ったことで初めてその考えが揺らいだという。

    フェルスタッペンに近づこうとして犯した「最大の過ち」
    角田裕毅は『Beyond The Grid』で、自身のドライビングに対する考え方について語った。

    「正直に言えば、僕は自分のドライビングスタイルを変えないくらいのエゴを持っています。ドライビングについて自分が何をしているのかは分かっていますし、自分自身を信じています」

    「だから、相手がどれだけ競争力があって速いドライバーだったとしても、他のドライバーに合わせて自分のドライビングスタイルを変えようとしたことはありませんでした」

    しかし、相手がフェルスタッペンとなると状況は違った。

    「もちろん、マックスの場合はまったく別です。彼はワールドチャンピオンですし、多くのことを証明しています。僕も彼のドライビングから今でも多くのことを学んでいます」

    「それでも、僕のドライビングの基本的な部分は変わりません。ただ、たぶんレースを始めてから初めて、自分のドライビングスタイルを変えて、マックスに似たことをやってみようと考えました」

    角田裕毅は、データ上ではフェルスタッペンとのドライビングそのものに極端な違いがあるようには見えなかったという。そのため、より大きな問題として目を向けたのがマシンのセットアップだった。

    「僕の視点では、データだけを見れば、ドライビングにものすごく大きな違いがあるようには見えませんでした」

    「僕が一番やってしまったこと、そして今になって考えると昨年最大の過ちだったと思うのは、彼がやっているセットアップを再現しようとしたことです」

    オーバーステアに苦しみながらさらに敏感な方向へ
    フェルスタッペンは、方向転換に対して非常に敏感なマシン特性を好むことで知られている。角田裕毅は、自分のマシンですでに強いオーバーステアを感じていたにもかかわらず、フェルスタッペンに近いセットアップを選択することがあったと振り返る。

    「自分のマシンがマックスのマシンよりもかなり強いオーバーステアだと感じているときでさえ、理論的には方向転換に対してさらに敏感にすればマシンを悪化させると分かっているのに、そのセットアップを選ぶ傾向がありました」

    「すでにオーバーステアに苦しんでいたにもかかわらずです」

    フェルスタッペンの速さを理解しようとするあまり、自分自身が必要としていたセットアップとは異なる方向へマシンを進めてしまったというのが、角田裕毅が現在下している分析だ。

    角田裕毅 レッドブル・レーシング

    「最後まで何のクルマを運転しているのか分からなかった」
    さらに角田裕毅は、レッドブルで経験した問題について、2025年シーズンが終了した後も完全には理解できていないと明かした。

    「普通なら、自分が運転しているマシンについて、どんな特性なのかを理解することができます」

    「でも、アブダビが終わった後でさえ、自分が何のクルマを運転していたのか分からないような感覚でした。何が問題だったのか、何が原因でこのマシンについて学んだり、慣れたりすることにあれほど苦労したのか、今でも理解できていません」

    角田裕毅によれば、常に自信を失っていたわけではない。それでも週末によって突然マシンへの信頼感がなくなることがあり、その理由を突き止めることができなかったという。

    「自信はあると感じていました。でも、いくつかのレースでは、なぜかその自信を失ってしまいました」

    「正直に言って、今でもあのマシンについて理解できていません」

    2025年限りでレッドブルのレギュラーシートを失った角田裕毅は、2026年にはリザーブドライバーを務め、その後アイザック・ハジャーの負傷に伴うドライバー変更によってレーシングブルズからザントフォールト、モンツァ、F1スペインGPの3戦に出場した。

    2027年のF1グリッド復帰を目指す角田裕毅にとって、フェルスタッペンのセットアップを追いかけ、自分に合った方向性を見失った2025年の経験は、今後のマシン作りやドライビングに生かすべき大きな教訓となっている。

  • 角田裕毅 レッドブルF1時代の苦悩を告白「人生を楽しめていなかった」

    角田裕毅 レッドブルF1時代の苦悩を告白「人生を楽しめていなかった」

    角田裕毅は、2025年にレッドブル・レーシングでマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めた時期を振り返り、キャリアで最も厳しい1年だったと明かした。シーズン後半にはレースを離れても疲労が抜けず、「人生を楽しめていない」と感じるほど精神的に追い込まれていたという。

    2026年にレーシングブルズからF1復帰を果たした角田裕毅は、その経験を乗り越えたことで、現在はプレッシャーの大きな状況でも以前より落ち着いて対処できるようになったと語っている。

    「2025年は間違いなくキャリアで最も厳しい年でした」
    レッドブルのセカンドシートは長年、ドライバーにとって難しいポジションとなってきた。ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス、リアム・ローソンはいずれもフェルスタッペンと同じチームで苦戦を経験した。

    2025年序盤にはローソンがわずか2戦でシートを失い、代わって角田裕毅がレッドブルへ昇格した。しかし、角田はそれまでRB21をドライブした経験がなく、シーズン途中から厳しい状況に飛び込むことになった。

    角田はシーズンを通じて苦戦し、ドライバーズランキング17位で終了。一方、フェルスタッペンはタイトル争いを最終盤まで続け、わずか2ポイント差でランキング2位となった。

    『Beyond The Grid』のポッドキャストで、角田はフェルスタッペンとの差を縮めようと取り組み続けた当時について語った。

    「間違いなく、2025年は僕のキャリアで最も厳しい年でしたし、本当に多くのことを学びました」

    「僕はおいしいものを食べたりすれば、レースとレースの間で気持ちをリセットできるタイプなんです。でも、特にシーズン後半になると、本当に苦しくなってきました。なぜか家に帰っても、すごく疲れ切っているように感じていました」

    好きなことをしても「エネルギーが戻ってこなかった」
    それまでの角田であれば、好きな食事をしたり、自分が楽しめることをしたりすることで気持ちを切り替えられていた。しかし、2025年後半には、それまで通用していた方法でも回復できなくなったという。

    「普段なら、自分の好きなものを食べたり、好きなことをしたりすればリセットできて、またエネルギーが戻ってくるんです。でも、そのエネルギーが戻ってくる感じがまったくありませんでした。それでもレースは次から次へと続いていきました」

    「本当に浮き沈みが激しくて、ある時、自分自身で『人生をあまり楽しめていないな』と気づいたんです。今の状況を楽しめていないというか、おそらくF1をドライブすること自体も、最初の3年間ほど楽しめていませんでした」

    そこで角田は、レース以外の時間に自分自身の状態を改善する方法を探し始めた。

    「本当に厳しい時期でした。それでレース以外のところで、この問題をどう解決すればいいのか、自分に何ができるのかを考えました」

    「振り返ってみて、食事とかそういうもの以外に、自分を幸せにしてくれるものは何だろうって考えたんです。普段なら友達なんですけど、僕の友達はほとんど日本にいます。それで『そうか、自分は日本から離れているんだ』と改めて気づきました」

    「そんなことは、おそらくF3に参戦した最初の年以降、一度も考えたことがありませんでした」

    角田裕毅(レッドブル・レーシング)

    心理面でもサポート「自分自身を見つめる機会になった」
    自分だけで解決するのは簡単ではなく、角田は心理面を含め、周囲からさまざまなサポートを受けたという。

    「これは厳しい、自分自身で解決しなければならない問題だと思いました。心理面のサポートやトレーナーなど、いろいろなところからかなり助けてもらいました」

    「ただ、シーズン後半はレーススケジュールもかなり忙しかったので、本当に大変な時期でした。でも同時に、あの1年は、それまでのどの年よりも自分自身を深く見つめる機会を与えてくれたと思っています」

    2025年限りで角田はレギュラーシートを失った。2026年はアイザック・ハジャーがレッドブルへ昇格し、アービッド・リンドブラッドがレーシングブルズからF1デビュー。角田は両チームのリザーブドライバーとなった。

    しかし、夏休み中にハジャーが左手首を負傷。ローソンがレッドブルで代役を務めることになり、空いたレーシングブルズのシートに角田が復帰した。

    ザントフォールトから直近3戦に出場した角田は、2025年の苦しい経験によって、自分は以前より強いドライバーになったと感じている。

    F1復帰ではプレッシャーを感じず「むしろ心地よかった」
    角田にとって今回の復帰も決して簡単な状況ではなかった。初めて乗るVCARB-03でいきなり実戦に臨み、レーシングブルズはコンストラクターズランキング5位を争っている。結果を求められる環境だった。

    それでも、2025年に経験したプレッシャーと比べれば、落ち着いて受け止めることができたという。

    「2025年ほどのプレッシャーや苦しさ、難しい時間を、これから経験することがあるのかは分かりません」

    「だから、今まで大きなチャレンジがあっても、なぜかそういうプレッシャーのかかる瞬間を楽しめるようになっていますし、すごく心地よく感じています」

    「一度もドライブしたことのないマシンにいきなり乗って、スプリント予選のフォーマットで、しかもレーシングブルズはすごく調子が良くてコンストラクターズランキング5位にいます。レースで失敗するわけにはいかないし、ポイントを獲りたいという状況でした」

    「でも、なぜか『大丈夫だ』という感覚でした。そこまで大きなプレッシャーは感じませんでした」

    そして、今後のキャリアで2025年より厳しい時期が訪れると思うかと問われると、角田は端的に答えた。

    「そうは思いません」

    レッドブルで結果を求め続け、F1を楽しむ感覚さえ失いかけた2025年。その経験は角田裕毅に大きな負担を与えた一方、自分自身と向き合い、プレッシャーへの対処法を身につける転機にもなった。現在のレーシングブルズでの復帰戦を落ち着いて戦えている背景には、キャリアで最も厳しかった1年を乗り越えた経験がある。

  • レーシングブルズF1 角田裕毅巡るアウディの上訴に反応「チームと裕毅を守る」

    レーシングブルズF1 角田裕毅巡るアウディの上訴に反応「チームと裕毅を守る」

    F1イタリアGPで角田裕毅にペナルティを科さなかったスチュワードの裁定をめぐり、アウディが上訴する意向を示した。これを受け、レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインが反応している。

    上訴が正式に進めば、レーシングブルズはFIA国際控訴裁判所で角田とチームの立場を守ることになる。

    パーメインは、最近にも別の案件でパリで行われた審理に出席したばかり。それだけに、再びパリへ向かう可能性について冗談交じりに語った。

    「まず、パリで一晩過ごすのはいつだっていいものだ。短期間で2回目になるのもね」

    「もちろん、我々はそこへ行って、チームと裕毅を守るつもりだ」

    一方で、現時点ではFIAから正式な通知は届いていないという。

    「まだ進行中の案件なので、それ以上のことについてはあまり話せない。実際のところ、まだ正式な案件にすらなっていないと思う。我々はFIAから通知さえ受け取っていないからね」

    「ただ、手続きは進むだろうし、おそらく10月下旬のどこかで我々はパリへ向かうことになると思う」

    角田裕毅のスタート手順をアウディが問題視
    今回の上訴の対象となっているのは、モンツァで行われたF1イタリアGP決勝の再スタート前に起きた出来事だ。

    シャルル・ルクレールのクラッシュによる赤旗中断後、14番グリッドから再スタートする予定だった角田は、グリッドへ向かう際にいったん本来とは異なる側へ進入。その後、進路を修正して自身のグリッドボックスに停止したが、マシンはピットウォール側を向くように斜めになっていた。

    これを受け、レースディレクターのルイ・マルケスは再スタートを中止し、追加のフォーメーションラップを指示した。

    F1スポーティングレギュレーション第B5.9.4条では、追加フォーメーションラップを引き起こしたと判断されたドライバーは通常、ピットレーンへ入り、そこからレースを再開しなければならない。

    しかし、スチュワードは角田のマシンが自身のグリッドボックス内に収まっていたと判断した。

    さらに、レーシングブルズには角田が追加フォーメーションラップの原因とみなされているとの通知がなかった。そのため、チーム側には角田をピットレーンへ入れるよう指示する理由がなかったとしている。

    スチュワードは、追加フォーメーションラップについても角田が直接引き起こしたものではなく、レースディレクターの判断によって実施されたものと解釈。角田に対して「追加措置なし」と裁定した。

    これに異議を唱えたのがアウディだ。

    「我々は、追加フォーメーションラップを引き起こしたドライバーにピットレーンへ入り、そこからレースを再開することを義務づけている第B5.9.4条の適用について懸念を提起した」

    「スチュワードは追加措置なしとの決定を下したため、我々は上訴する意向を通知した」

    ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

    角田裕毅の1ポイントにも影響する可能性
    アウディが上訴に動いた背景には、選手権ポイントもある。

    角田はイタリアGPを10位でフィニッシュして1ポイントを獲得。一方、アウディのガブリエル・ボルトレトは角田から約7秒遅れの11位だった。

    そのため、上訴によって裁定が覆り、角田にレース結果へ影響するペナルティが科された場合、ボルトレトが10位へ繰り上がって1ポイントを手にする可能性がある。

    パーメインが「短期間で2回目」と語ったのは、レーシングブルズが最近、F1モナコGPでピエール・ガスリーに科されたペナルティをめぐるFIA国際控訴裁判所の審理にも関わっていたためだ。

    その審理は8月下旬にパリで行われ、判断はイタリアGP週末の9月3日に公表された。

    それから間もなく、今度は角田をめぐる案件で再びパリへ向かう可能性が浮上したことになる。

    アウディの上訴が正式に進めば、争点となるのは、追加フォーメーションラップが角田によって「引き起こされた」とみなされるのか、それとも当初のスチュワードの裁定通り、レースディレクターの判断によって実施されたものと解釈されるのかという点だ。

    レーシングブルズは角田を擁護する構えを明確にしており、パーメインが見込む10月下旬の審理に向けて、両者の主張が改めて争われることになりそうだ。

  • レーシングブルズF1はローソン帰還を待望? クロフト「角田裕毅より高く評価」

    レーシングブルズF1はローソン帰還を待望? クロフト「角田裕毅より高く評価」

    レーシングブルズは、アイザック・ハジャーの代役としてレッドブル・レーシングに昇格しているリアム・ローソンの復帰を望んでいるようだ。Sky Sports F1の実況を務めるデビッド・クロフトがF1スペインGPの中継で、チーム内では角田裕毅よりもローソンを高く評価しているとの見方を明かした。

    ハジャーが左手首の負傷によって欠場したことで、ローソンはザントフォールト、モンツァ、マドリードの3戦でレッドブルから参戦。

    その穴を埋める形でリザーブドライバーだった角田裕毅がレーシングブルズに復帰している。

    クロフト「レーシングブルズはローソンをファエンツァに戻したがっている」
    F1スペインGP決勝のSky Sports F1中継で、クロフトはローソンの今後について言及。ハジャーが次戦F1アゼルバイジャンGPで復帰すれば、ローソンもレーシングブルズに戻るとの見通しを示した。

    「これは当面のところ、リアム・ローソンにとってレッドブルでの3戦目にして最後のレースになると思う」

    「彼はレッドブルで素晴らしい仕事をしている。ただ、レーシングブルズとしては間違いなく、彼に一刻も早くファエンツァへ戻ってきてもらいたいと思っている」

    そしてクロフトは、その背景にあるレーシングブルズ側のドライバー評価にも踏み込んだ。

    「角田裕毅には最大限の敬意を払うが、彼らはリアムの方が優れたドライバーだと感じている」

    クロフトの発言は、ローソン不在となったレーシングブルズが、コンストラクターズ選手権5位を争ううえで早期復帰を望んでいるという文脈で語られたものだ。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    ブランドルはレーシングブルズのマシン特性を指摘
    一方、解説を務めるマーティン・ブランドルは、ドライバーだけでなくレッドブルとレーシングブルズのマシン特性の違いにも目を向けた。

    「レーシングブルズの方が、より素直なマシンなのではないかと思うことがある」

    「レッドブルほど速いとは思わないが、ドライブするうえでは少し寛容なマシンに見える。見たり、聞いたり、観察したりしていて受ける印象にすぎないけどね」

    ローソンは2026年シーズンをレーシングブルズでスタートし、アービッド・リンドブラッドとともにチームのポイント獲得を担ってきた。その後、ハジャーの負傷によって一時的にレッドブルへ移り、マックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めている。

    一方の角田は、2026年にレッドブルのリザーブドライバーとなった後、ローソンの昇格を受けてF1オランダGPからレーシングブルズのレースシートに復帰。F1イタリアGPでは10位に入り、復帰後初ポイントを獲得した。

    マドリードではスタート直後にカルロス・サインツJr.と接触。VCARB 03のフロアにダメージを負い、角田によれば1周あたり少なくとも0.5秒を失う状態となったことも響き、ポイント圏外でレースを終えた。

    クロフトの発言がレーシングブルズ内部から直接得た情報に基づくものかまでは明らかにされていない。それでも、ローソンの復帰をチームが強く望んでいるとの見方とともに、角田との評価の違いにまで言及したことは注目される。

    ハジャーが予定通りアゼルバイジャンGPで復帰すれば、レッドブルとレーシングブルズのラインアップも本来の形に戻る可能性がある。角田にとってマドリードまでの3戦は突然巡ってきたF1復帰の機会だったが、その間のパフォーマンスが2027年のシート争いでどのように評価されるのかも焦点となる。

  • 角田裕毅 F1スペインGPでのサインツとの接触ダメージで「少なくとも0.5秒失った」

    角田裕毅 F1スペインGPでのサインツとの接触ダメージで「少なくとも0.5秒失った」

    レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインは、2026年F1スペインGP決勝で14位に終わった角田裕毅について、1周目のカルロス・サインツJr.との接触によるマシンダメージで「少なくとも0.5秒」を失っていたと明かした。

    角田裕毅はスタート直後のターン1でサインツJr.のウィリアムズと接触。マシンに大きなダメージを負った状態でレースを続けることになり、オーバーテイクが難しいマドリンクで挽回することができなかった。

    パーメイン「少なくとも0.5秒を失っていた」
    アラン・パーメインは、角田裕毅のレースについて、結果を大きく左右したのは1周目の接触だったと説明した。

    「裕毅のレースは1周目にカルロス・サインツJr.と接触したことで損なわれた。マシンにダメージを負い、それによって少なくとも0.5秒を失っていた」

    「その結果、全体として厳しいレースになった」

    角田裕毅自身も、ターン1での接触によってレースがほぼ決まってしまったとの認識を示している。

    「今日はまったく簡単ではありませんでした。ターン1でサインツと接触してかなりのダメージを負ってしまい、僕のレースはそこでほぼ終わってしまいました。ペースへの影響もかなり大きかったです」

    「ダメージを考えれば、ペース自体はそれほど悪くなかったと思います。ただ、スタートでいくつかポジションを失いましたし、ここはオーバーテイクがとても難しいので、それを取り戻すチャンスはあまりありませんでした」

    それでも角田裕毅は、復帰後のレースを最後まで走り切ったことを前向きに捉えている。

    「自分にできることはすべてやりましたし、またマシンに戻ってレースできたことを本当に楽しめました。今週末もチャンスを与えてくれたチームに心から感謝しています」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    一方、チームメイトのアービッド・リンドブラッドは9位でフィニッシュし、レーシングブルズに2ポイントを持ち帰った。パーメインはチーム全体のパフォーマンスについては手応えを示している。

    「今日はアービッドがポイントを獲得して、かなり良い一日になった。ペースがあることには自信を持てる」

    初開催となったマドリンクについても「マドリードは素晴らしいサーキットだ。今後何年にもわたって、さらに人気が高まっていくと思う」と評価した。

    角田裕毅にとっては結果だけを見れば14位という厳しいF1スペインGPとなったが、パーメインが明かした「少なくとも0.5秒」という損失は、本来のペースを評価するうえで重要な要素となる。接触によるダメージを抱えながら走り切っただけに、次戦アゼルバイジャンGPではクリーンな状態でどこまでパフォーマンスを発揮できるかが焦点となる。

  • 角田裕毅 F1スペインGP決勝「ターン1でサインツに接触されてほぼ終わった」

    角田裕毅 F1スペインGP決勝「ターン1でサインツに接触されてほぼ終わった」

    角田裕毅は、2026年F1第14戦スペインGPの決勝を15番グリッドからスタートし、14位でフィニッシュした。オープニングラップのターン1でカルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)と接触してマシンに大きなダメージを負い、「レースはそこでほとんど終わっていた」と厳しい一戦を振り返った。

    レーシングブルズで3戦目を迎えた角田裕毅は、ダメージを抱えながらもペース自体はそれほど悪くなかったと評価。

    しかし、序盤に失ったポジションをオーバーテイクが難しいマドリンクで取り戻すことはできなかった。また、FP1から抱えていた問題を週末を通して解決できず、むしろ悪化していった感触があったことも明かした。

    「レースはターン1でほとんど終わっていた」
    角田裕毅のレースを大きく左右したのはスタート直後だった。ターン1で後方からサインツJr.と接触し、マシンに大きなダメージを負った。

    「今日はまったく簡単ではありませんでした。ターン1でサインツに接触されて大きなダメージを負い、僕のレースはそこでほとんど終わっていました。そのダメージがペースに与えた影響はかなり大きかったです」

    それでも角田は、損傷したマシンでのペースについて一定の手応えがあったと語る。

    「ダメージを考えれば、ペースはそれほど悪くなかったと思います。ただ、スタートでいくつかポジションを失ってしまいました。特にここはオーバーテイクがとても難しいので、それを取り戻すチャンスはあまりありませんでした」

    角田は15番手から14位まで順位を上げてチェッカー。トップから1周遅れとなり、ポイント圏には届かなかった。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは10番グリッドから9位に入り、レーシングブルズにポイントをもたらした。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) スペイングランプリ

    FP1から抱えた問題「週末を通して悪化していった」
    決勝後のインタビューで角田は、ターン1の接触だけでなく、マドリンクでの週末を通してマシンに問題を抱えていたことも明かした。

    「全体的に、このレースウイークはまったく簡単ではありませんでした。FP1から抱えていた問題を解決することができなかったと思います」

    問題はセッションを重ねても改善せず、角田自身の感触ではむしろ悪化していったという。

    「おそらく僕にとっては、その問題が週末を通してどんどん悪化していきました。そこは振り返って確認しなければならない部分です。でも、レースについては僕にできることはありませんでした」

    角田は予選でもQ2で15番手にとどまり、10番手まで進出したリンドブラッドとは0.880秒差がついていた。FP1から続いた問題を解消できないまま決勝を迎え、さらにスタート直後の接触によるダメージが加わったことで、厳しいレースを強いられた。

    「すべてを出し切った」チームにも感謝
    結果には結びつかなかったものの、角田は最後までできる限りのことをしたと強調。再びF1マシンでレースを戦えることへの喜びと、レーシングブルズへの感謝を口にした。

    「自分にできることはすべて出し切りましたし、またマシンに乗ってレースできたことを本当に楽しみました。今週末もまたチャンスを与えてくれたチームには本当に感謝しています」

    モンツァで10位に入り今季初ポイントを獲得した角田裕毅だったが、マドリンクでは2戦連続の入賞とはならなかった。スペインGPはターン1の接触による大きなダメージに加え、FP1から解決できなかった問題も残る週末となった。

  • 角田裕毅 F1スペインGP新コースを解説「縁石を使ってマシンを回す」

    角田裕毅 F1スペインGP新コースを解説「縁石を使ってマシンを回す」

    角田裕毅は、2026年F1スペインGPの金曜フリー走行を終え、新設されたマドリンクをスカイパッドで詳細に解説した。高速コーナーや縁石を積極的に使えるレイアウトを「サウジみたい」と表現し、「間違いなく楽しんでいる」と好印象を語った。

    一方で、ターン13のブレーキングでは路面のバンプがマシンを不安定にさせ、終盤の高速区間ではわずかなフロントタイヤのロックアップがその後のグリップにも影響すると説明。

    FP2でトップ10に入った角田だが、赤旗やトラフィックでアタックをまとめ切れなかったとして、予選に向けて「改善できる場所はたくさんある」と手応えを示した。

    「カート時代みたい」縁石を積極的に使えるマドリンク
    FP2終了後、角田裕毅はSky Sports F1のスカイパッドに登場。元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンとともに自身のオンボード映像を確認しながら、マドリンクでの1周を振り返った。

    「間違いなく楽しい一日でした。新しいコースですし、ここの特徴は縁石をかなり使えることですね」

    デビッドソンが、縁石を避けるのではなく積極的に使ってマシンを回頭させていることを指摘すると、角田もその感覚を楽しんでいると説明した。

    「カート時代に戻ったような感じです。縁石にアグレッシブに乗って、それを使ってマシンを回していく。すごくいい感覚です」

    マドリンクには完全な直線ではないものの、長時間フルスロットルとなる高速区間がある。その先のブレーキングについて、角田は難しさをこう説明した。

    「少し複合的な区間になっていて、ここのブレーキングはかなり難しいです。曲がりながらブレーキングするのでフロントをロックしやすい。でも、できる限りプッシュしたいですし、ここでも縁石をかなり使えます」

    ブラインドの高速区間「サウジみたい」
    さらに角田が難所として挙げたのが、上り勾配の先に待つブラインドコーナーだ。

    「完全にブラインドです。エイペックスを越えてからようやく分かるような感じです。通常なら50mのボードを目印にします」

    そこから壁が迫る高速区間へと続き、出口ではマシンがスナップする場面もあった。それでも角田は、このセクションを気に入っているという。

    「楽しいですよ。高速コーナーで、ここはサウジみたいな感じです。すごくいいですね。ただ、少しバンピーです」

    ラ・モニュメンタル(La Monumental)の速度に驚き
    角田が特に印象を受けたのが、ターン12のバンクコーナー、ラ・モニュメンタル(La Monumental)だった。

    「今日かなり驚いたのは、このバンクでどれだけスピードを維持できるかということです。本当にかなりの速度で走れます」

    一方、ここではエネルギーデプロイメントもラップの組み立てを左右する。

    「少しデプロイメントに制限されていましたけど、もっと使えるなら、ここは簡単にさらに速く走れると思います」

    デビッドソンからバッテリーのエネルギーをどこで使うかについて尋ねられると、角田はターン12とターン13の間でドライバー自身が配分を調整していると明かした。

    「バランスですね。ターン12の進入でもっとプッシュしたければ、ターン13に向けて使えるデプロイメントは少なくなります。どの部分で使いたいかによります」

    「ターン13に向けてデプロイメントを使いたいなら、ターン12では少しセーブする必要があります」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) マドリング

    リンドブラッドがクラッシュしたターン13「僕も苦戦した」
    FP2ではチームメイトのアービッド・リンドブラッドがターン13でリアを失い、バリアにクラッシュ。この事故によって赤旗が出された。

    角田自身も、このコーナーには難しさを感じていたという。

    「ここは難しいです。簡単ではないですし、僕も苦戦していました。すべては自信ですね。それにブレーキング中に小さなバンプがあって、それがマシンをかなり不安定にすることがあります」

    「アービッドとも話しましたけど、あのバンプが少し不安定さを生み出していると思います」

    小さなロックアップでも「その後のグリップに影響する」
    ターン16から17にかけても、ステアリングを切りながら減速する難しいブレーキングが待ち受ける。

    角田によれば、ここでは目に見えないほど小さなタイヤロックでも、その後のコーナーに影響を及ぼすという。

    「ほんの小さな、わずかなロックアップでもタイヤ温度に影響します。それによってフロントのグリップ性能も変わります」

    「見た目では大きなロックアップに見えなくても、その後のコーナーでグリップレベルに影響します。もちろんブレーキングを手前で終わらせすぎたくはないですけど、オーバーシュートしすぎるのも避けたい。フロントタイヤの温度が上がりすぎてしまいますから」

    高速シケインは「ラップタイムを大きく稼げる」
    終盤のターン18から19は、FIA F2でもクラッシュが発生した高速セクションだ。

    「ここは徐々に自信を積み上げていきたい場所です。壁もかなり近いですけど、僕はこの部分が好きです」

    「短いセクターですけど、同時にグリップに制限される場所でもあります。ここではかなりラップタイムを稼げますし、大きな差をつけることもできます。すべては自信ですね」

    角田はマドリンク全体について、「すごくチャレンジングで、少しスケッチーなコースですけど、間違いなく楽しんでいますし、たくさん学んでいます」と語った。

    赤旗とトラフィックでアタックを妥協
    FP2の自身のラップについて、角田はまだ改善の余地が大きいと分析している。

    「改善できる場所はたくさんあります。このランは赤旗とトラフィックによって妥協を強いられました」

    「もちろん完璧なラップを目指していますし、それを予選でできれば最高です。すべてのコーナーに数ミリ秒だったり、数十分の一秒だったり、まだ稼げるところがあります。それが明日に向けた宿題ですね」

    FP1ではパワーステアリングの問題によって走行時間を失った角田だが、FP2ではトップ10に入り、新コースで着実にペースを引き上げた。赤旗とトラフィックによってまだ1周を完全にはまとめ切れておらず、土曜日の予選ではマドリンクへの理解をどこまでラップタイムにつなげられるかが焦点となる。

  • 角田裕毅の速さを巡りラッセルがフェルスタッペンに異論「ドライバーは今も重要」

    角田裕毅の速さを巡りラッセルがフェルスタッペンに異論「ドライバーは今も重要」

    角田裕毅が2026年型F1マシンに乗り換えてすぐに競争力を示したことを巡り、ジョージ・ラッセルがマックス・フェルスタッペンとは異なる見解を示した。フェルスタッペンは角田裕毅やリアム・ローソンの即適応を、現行マシンではドライバーが生み出せる差が小さくなったことの一例として挙げている。

    一方、ラッセルはドライバーの重要性そのものが低下したとは考えていない。

    2026年のF1ではマシンに求められるドライビングが変化しており、それぞれの適応度によってドライバー間の力関係が大きく変わっているとの見方を示した。

    角田裕毅の即適応をフェルスタッペンが2026年F1の特徴として指摘
    フェルスタッペンは最近、2026年型F1マシンについて、ドライバーの操作に対する反応が以前より「鈍感(numb)」になっているとの考えを明らかにした。

    その具体例として名前を挙げたのが、角田裕毅とリアム・ローソンだった。

    角田裕毅は2026年シーズンをレッドブル・レーシングのリザーブドライバーとして迎えたが、夏休み中に左手首を負傷したアイザック・ハジャーの欠場に伴うドライバー変更を受け、F1オランダGPからレーシングブルズのVCARB 03で実戦に復帰した。

    そして復帰2戦目となったF1イタリアGPでは10位でフィニッシュ。今季初ポイントを獲得し、短期間で2026年型マシンに適応してみせた。

    同じタイミングでレーシングブルズからレッドブル・レーシングに移ったローソンも、RB22ですぐに速さを発揮。F1オランダGPの予選ではフェルスタッペンとの差をわずか0.115秒に抑えた。

    フェルスタッペンは、この2人のパフォーマンスについて次のように語っている。

    「角田を見てみればいい。彼はマシンに飛び乗った。それまで一度もそのマシンを運転したことがなかったのに、すぐ競争力を発揮した」

    「リアムもレーシングブルズからレッドブルに移って、すぐに競争力を発揮した。こういうマシンはドライバーの入力に対して鈍感だからだ」

    もちろん、フェルスタッペンは角田裕毅やローソンの能力を否定しているわけではない。

    「もちろん、それでもいいラップを走らなければならないし、攻めなければならない。最速のドライバーは常に最終的には上に来る」

    そのうえで、現行マシンではドライバーが自らの技術によって生み出せる差が限定されているとの考えを示している。

    ラッセルは「ドライバーの重要性は低下していない」と反論
    しかし、メルセデスのラッセルは、2022年から2025年までのグラウンドエフェクト時代と比べてドライバーの重要性が低下したという見方には同意していない。

    ドライバーが結果に与える影響が以前より小さくなったと思うかと尋ねられたラッセルは、Mundo Deportivoに次のように答えた。

    「いや、そうは思わない」

    「以前と同じように、コーナーを速く走ることが常に一番重要だ」

    ただし、ラッセルも2026年型F1マシンが前世代とは大きく異なり、それによってドライバー間の力関係に変化が起きていること自体は認めている。

    「イエスでもあり、ノーでもあると思う。今シーズンは奇妙なんだ」

    その例としてラッセルが最初に挙げたのが、マクラーレンのオスカー・ピアストリとランド・ノリスだ。

    「ピアストリを見てみれば、昨年はチャンピオンシップ優勝に近かった。でも今シーズンはノリスから大きく遅れている」

    さらにフェラーリのシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの関係にも言及した。

    「あるいはルクレールだ。昨年は明らかにルイスより前にいて、それ以前のシーズンでも常にチームメイトより前にいた。でも今シーズンはルイス(ハミルトン)の後ろにいる」

    角田裕毅について語ったジョージ・ラッセル

    フェルスタッペンとローソンの接近も「適応」の一例
    ラッセルはさらに、フェルスタッペン自身も2026年の変化を示す例だと指摘する。

    「フェルスタッペンでさえ、ハジャーやローソンに対して以前のようなアドバンテージを築けていない」

    「ザントフォールトではローソンが彼にかなり近かったし、ハジャーもフェルスタッペンにかなり近かった」

    ただし、この現象についてラッセルが導き出した結論は、フェルスタッペンとは異なる。

    フェルスタッペンがローソンや角田裕毅の即適応を「ドライバーが差を生み出せる範囲が狭まった」ことの表れと捉えるのに対し、ラッセルは2026年型マシンが要求するドライビングそのものが変化したことを重視している。

    「このマシンが違うのは明らかだ。これは言い訳ではない。現実なんだ。だから変化しなければならない」

    ラッセルはその違いを、テニスのコートに例えて説明した。

    「僕はいつもテニスに例えている。選手が違うサーフェスでプレーするようなものだ」

    「昨年がハードコートでプレーするようなものだったとすれば、今年はクレーコートでプレーしているようなものだと言える」

    「基本的な考え方は同じだけど、物事は違う」

    角田裕毅の速さは「マシンが簡単」だからなのか
    ラッセル自身にとっては、2022年から2025年まで使用された前世代のF1マシンの方が、自身のドライビングスタイルに自然に合っていたという。

    「昨シーズン、前世代のマシンでは僕は自然に走れていた。すべてがすごく簡単に感じられた」

    2026年にはその状況が変化した。

    一方、ハミルトンはグラウンドエフェクト時代に苦しんだブレーキングやコーナー進入で以前のようなアプローチを取りやすくなり、今季は競争力を取り戻している。ピアストリとノリス、ルクレールとハミルトンの関係にも変化が生じている。

    フェルスタッペンについても、単純にドライバーの能力だけで現在の状況を説明することは難しい。レッドブルのRB22はコーナー進入から出口にかけてのバランスに課題を抱えており、フェルスタッペン自身もその特性について繰り返し言及している。

    そう考えれば、角田裕毅がレーシングブルズ復帰後すぐに一定のパフォーマンスを発揮したことも、「2026年型F1マシンは誰でも簡単に限界まで走らせられる」という一つの説明だけで片付けることはできない。

    角田裕毅とローソンが短期間で競争力を示したという現象について、フェルスタッペンはドライバー入力によって生み出せる差が小さくなったことの証拠と捉えている。一方のラッセルは、ドライバーの重要性は変わらず、2026年型マシンへの適応によってそれぞれの力関係が変化していると考えている。

    同じ事実を見ながら異なる結論にたどり着いた両者の主張は、角田裕毅の復帰後のパフォーマンスが、2026年F1でドライバーがどこまで差を生み出せるのかという議論のひとつの材料になっていることを示している。

  • 角田裕毅 F1スペインGP予選で苦戦「新品タイヤよりユーズドの方がよかった」

    角田裕毅 F1スペインGP予選で苦戦「新品タイヤよりユーズドの方がよかった」

    角田裕毅は、2026年F1第14戦スペインGPの予選を15番手で終え、新品タイヤを投入しても期待していたグリップ向上を感じられなかったことを明かした。「何かがうまく噛み合わなかった」と語り、前日からペースを失った原因を突き止める必要があると説明した。

    レーシングブルズのチームメイト、アービッド・リンドブラッドは10番手でQ3進出を果たした一方、角田裕毅はQ2最後のアタックでも十分なタイムを引き出せず15番手。両者には0.880秒の差がついた。

    オーバーテイクが難しいと予想されるマドリンクだけに、角田にとって厳しい予選結果となった。

    「昨日と比べてペースが足りなかった」
    Q2で何が起きたのかと問われた角田裕毅は、明確な原因はまだ分からないとしながらも、まずペース不足を挙げた。

    「分かりません。単純にペースが足りませんでした。特に昨日と比べて、今日はペースがありませんでした」

    金曜日からの変化に加え、角田が特に違和感を覚えたのがタイヤだった。通常であれば新品タイヤを投入することでグリップが増し、ラップタイムの向上につながる。しかし、今回はユーズドタイヤの方がむしろ感触がよかったという。

    「なぜか新品タイヤよりユーズドタイヤの方が感触がよかったです。新品タイヤに替えても、タイヤから得られるはずのグリップ向上をあまり感じられなくて、何かがうまく噛み合いませんでした」

    「とにかくペースが足りなかったので、その原因を突き止めないといけません」

    オーバーテイクが難しいマドリンクで15番手
    初開催のマドリンクでは、週末を通じてオーバーテイクの難しさがひとつの焦点となっている。そのため、グリッドポジションを決める予選の重要性は高く、角田も15番手という結果へのフラストレーションを隠さなかった。

    「フラストレーションはあります。ここはオーバーテイクのチャンスがかなり限られていると思うので、予選はかなり重要です」

    それでも、角田はまだ決勝で実際にレースが行われていないことを強調。新コースだけに何が起きるか分からないとして、可能性を捨ててはいない。

    「でも、まだレースをしたわけではないので、何が起きるかは分かりません。かなり大きくグリップを失っていたので、そこは大きかったです」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    決勝の目標は「ポイントを獲得します」
    前戦F1イタリアGPでは10位に入り、今季初ポイントを獲得した角田裕毅。マドリードでは15番グリッドから再び入賞圏を目指すことになる。

    決勝に向けた考えを尋ねられると、角田はシンプルに目標を口にした。

    「ベストを尽くして、ポイントを獲得します」

    新品タイヤで本来得られるはずのグリップ向上を感じられず、チームメイトから0.880秒離された角田裕毅。レーシングブルズは予選から決勝までの間にペース低下の原因を分析し、オーバーテイクが難しいとされるマドリンクで15番手からの挽回を狙う。