2026年F1イタリアGP終了後のF1公式「パワーランキング」が発表され、19番グリッドから劇的な逆転優勝を飾ったキミ・アントネッリが満点の10.0でトップに立った。
レーシングブルズからF1復帰2戦目を迎えた角田裕毅もトップ10入り。15番グリッドから10位まで順位を上げて今季初ポイントを獲得した走りについて、F1公式は「来季のドライバー市場に再び加わる可能性がある」と評価し、2027年に向けた角田の将来にも言及した。

週末を前にパワーユニット交換によるペナルティを受け、19番グリッドからのスタートを余儀なくされたアントネッリ。当初はドライバーズランキング首位としてダメージを最小限に抑えることが目標になると思われていた。
しかし、メルセデスのアントネッリは次々と前車を攻略し、レース半分を迎える前にはチームメイトのジョージ・ラッセルと首位を争うまでに浮上。バーチャル・セーフティカー(VSC)中にピットインすると、より新しいタイヤを生かしてポジションを取り戻しながらラッセルとの差を急速に縮めた。
そして残り4周でタイトル争いのライバルを抜き去り、母国ファンの前で優勝。イタリア人ドライバーとして60年ぶりとなるF1イタリアGP制覇を成し遂げた。F1公式の審査員は「歴史に残るドライブ」と絶賛し、満点の10.0を与えた。

日曜日のアントネッリの勝利が今季最高のパフォーマンスだったとすれば、その前日にピエール・ガスリーが披露した予選での走りも、それに大きく劣るものではなかった。
アルピーヌとガスリーはメルセデス製パワーユニットの性能を最大限に引き出し、アタックラップを完璧にまとめた。ガスリーはQ1でトップタイムを記録すると、重要なQ3でも最速タイムを叩き出し、自身初のF1ポールポジションを獲得した。
53周の決勝で首位を守り続けるのは現実的に困難だったが、最終的に7位でフィニッシュ。それでも上位勢に次ぐ「ベスト・オブ・ザ・レスト」の座を確保した。

メルセデス勢のアントネッリとラッセルに対してストレートスピードで劣っていたものの、マックス・フェルスタッペンは両者を苦しめる存在となった。
レッドブル・レーシングのフェルスタッペンは5番手から序盤に2番手まで浮上し、その後トップに立って3周にわたってレースをリードした。
最終的にはラッセルとアントネッリに抜かれたものの、しばらくはメルセデス勢についていき、アントネッリと同様にVSC中にピットイン。そこから再び順位を上げて3位でチェッカーを受け、直近4戦で3度目となる表彰台を獲得した。

レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドは、今回も目立たないながら堅実な仕事をやってのけた。
9番グリッドからスタートし、シャルル・ルクレールのクラッシュやフランコ・コラピントのコースオフもあって順位を上げ、8位でフィニッシュ。貴重なポイントをチームにもたらした。
これでリンドブラッドは直近8戦のうち7戦でポイントを獲得。レーシングブルズがコンストラクターズランキングでアルピーヌを上回るうえでも重要な役割を果たしている。

ラッセルは、チームメイトのアントネッリがグリッド降格ペナルティを受けることから、ドライバーズランキングで59ポイントあった差を縮める絶好のチャンスとしてモンツァに乗り込んだ。
予選では最終アタックでフェルスタッペンの影響を多少受け、わずかな差でポールポジションを逃したものの、決勝では首位に浮上。アントネッリとの間で激しいトップ争いを繰り広げた。
しかし、バッテリーマネジメントやスリップストリームの効果もあり、アントネッリを引き離すことはできなかった。さらにハードタイヤを装着していたため、ミディアムを履いていたアントネッリのようにVSCでピットインする選択肢も現実的ではなかった。
大きなミスのない堅実な週末だったが、最終的にはアントネッリに敗れ、タイトル争いではさらに厳しい一撃を受ける結果となった。

ザントフォールトではチームメイトのランド・ノリスに及ばず苦戦したオスカー・ピアストリだったが、モンツァでは本来の調子を取り戻した。
予選では3番手タイムを記録したものの、Q2の第1シケインでリアム・ローソンを妨害したとして3グリッド降格ペナルティを受けた。
それでも決勝では順位を上げ、前半には4位を巡ってルイス・ハミルトンとバトル。フェラーリを攻略すると、終盤にはチームメイトのノリスとの直接対決となり、最終ラップで先行を許して5位となった。

2連勝を飾ってモンツァに乗り込んだランド・ノリスだったが、メルセデス製パワーユニットを搭載するマクラーレンは優勝争いに加わるだけのパフォーマンスを発揮できなかった。
ノリス自身も予選最後のアタックをまとめ切れず、8番グリッドからスタート。決勝ではスリップストリームの列の中で走る時間が長くなった。
それでもガスリーやハミルトンを攻略し、終盤にはピアストリとの激しいバトルを展開。最終ラップのアスカリ・シケインへのアプローチでチームメイトを抜き、4位まで挽回した。

ガブリエル・ボルトレトとアウディにとって、あと一歩が届かない週末となった。
予選ではわずか0.001秒差でQ3進出を逃したが、アントネッリのグリッド降格によって決勝はトップ10圏内からスタートした。
しかし決勝ではレーシングブルズやアルピーヌに対抗するだけのペースがわずかに足りず、ポイント圏内まで7秒差でフィニッシュした。

レーシングブルズでF1復帰を果たしてからわずか2戦目となった角田裕毅は、15番グリッドから順位を上げ、10位でフィニッシュしてポイントを獲得した。
F1公式はこのパフォーマンスについて、角田が「来季のドライバー市場に再び加わる可能性がある」と指摘。2027年のF1レギュラーシート獲得を目指す角田にとって、復帰後早い段階で結果を残したことを評価した。
角田は次戦F1スペインGPでもレーシングブルズから出場することが決定している。負傷したアイザック・ハジャーに代わってリアム・ローソンが引き続きレッドブル・レーシングをドライブするため、角田にも再びチャンスが与えられる。

メルセデス製パワーユニットを搭載しているものの、ウィリアムズはモンツァで苦戦することを事前に予想しており、実際に厳しい週末となった。
それでもカルロス・サインツJr.は13位まで順位を上げ、ローソンのレッドブルやアップグレードを投入した2台のハースを上回った。ポイント獲得には届かなかったものの、10位から16秒差まで迫る堅実なレースを見せた。
トップ10入りを逃したドライバー
今回のパワーランキングで惜しくもトップ10入りを逃したのは、フランコ・コラピントとオリバー・ベアマンだった。
コラピントは一時3番手まで浮上しながらコースオフで後退したものの、アルピーヌを9位に導いた。ベアマンはアップグレードが投入されたハースを駆り、15位でレースを終えている。
アントネッリの歴史的な逆転優勝が最大のハイライトとなったF1イタリアGPだが、角田にとってもレーシングブルズ復帰2戦目でポイントを獲得し、F1公式パワーランキングで9位に選ばれた意味は小さくない。
2027年のレギュラーシートはまだ決まっていないものの、F1公式がドライバーマーケットへの「再浮上」にまで言及したことは、角田が短期間で自身の評価を取り戻しつつあることを示すものとなった。次戦F1スペインGPは、その流れをさらに強められるかを占う重要な一戦となる。
