F1イタリアGPで角田裕毅にペナルティを科さなかったスチュワードの裁定をめぐり、アウディが上訴する意向を示した。これを受け、レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインが反応している。
上訴が正式に進めば、レーシングブルズはFIA国際控訴裁判所で角田とチームの立場を守ることになる。
パーメインは、最近にも別の案件でパリで行われた審理に出席したばかり。それだけに、再びパリへ向かう可能性について冗談交じりに語った。
「まず、パリで一晩過ごすのはいつだっていいものだ。短期間で2回目になるのもね」
「もちろん、我々はそこへ行って、チームと裕毅を守るつもりだ」
一方で、現時点ではFIAから正式な通知は届いていないという。
「まだ進行中の案件なので、それ以上のことについてはあまり話せない。実際のところ、まだ正式な案件にすらなっていないと思う。我々はFIAから通知さえ受け取っていないからね」
「ただ、手続きは進むだろうし、おそらく10月下旬のどこかで我々はパリへ向かうことになると思う」
角田裕毅のスタート手順をアウディが問題視
今回の上訴の対象となっているのは、モンツァで行われたF1イタリアGP決勝の再スタート前に起きた出来事だ。
シャルル・ルクレールのクラッシュによる赤旗中断後、14番グリッドから再スタートする予定だった角田は、グリッドへ向かう際にいったん本来とは異なる側へ進入。その後、進路を修正して自身のグリッドボックスに停止したが、マシンはピットウォール側を向くように斜めになっていた。
これを受け、レースディレクターのルイ・マルケスは再スタートを中止し、追加のフォーメーションラップを指示した。
F1スポーティングレギュレーション第B5.9.4条では、追加フォーメーションラップを引き起こしたと判断されたドライバーは通常、ピットレーンへ入り、そこからレースを再開しなければならない。
しかし、スチュワードは角田のマシンが自身のグリッドボックス内に収まっていたと判断した。
さらに、レーシングブルズには角田が追加フォーメーションラップの原因とみなされているとの通知がなかった。そのため、チーム側には角田をピットレーンへ入れるよう指示する理由がなかったとしている。
スチュワードは、追加フォーメーションラップについても角田が直接引き起こしたものではなく、レースディレクターの判断によって実施されたものと解釈。角田に対して「追加措置なし」と裁定した。
これに異議を唱えたのがアウディだ。
「我々は、追加フォーメーションラップを引き起こしたドライバーにピットレーンへ入り、そこからレースを再開することを義務づけている第B5.9.4条の適用について懸念を提起した」
「スチュワードは追加措置なしとの決定を下したため、我々は上訴する意向を通知した」

角田裕毅の1ポイントにも影響する可能性
アウディが上訴に動いた背景には、選手権ポイントもある。
角田はイタリアGPを10位でフィニッシュして1ポイントを獲得。一方、アウディのガブリエル・ボルトレトは角田から約7秒遅れの11位だった。
そのため、上訴によって裁定が覆り、角田にレース結果へ影響するペナルティが科された場合、ボルトレトが10位へ繰り上がって1ポイントを手にする可能性がある。
パーメインが「短期間で2回目」と語ったのは、レーシングブルズが最近、F1モナコGPでピエール・ガスリーに科されたペナルティをめぐるFIA国際控訴裁判所の審理にも関わっていたためだ。
その審理は8月下旬にパリで行われ、判断はイタリアGP週末の9月3日に公表された。
それから間もなく、今度は角田をめぐる案件で再びパリへ向かう可能性が浮上したことになる。
アウディの上訴が正式に進めば、争点となるのは、追加フォーメーションラップが角田によって「引き起こされた」とみなされるのか、それとも当初のスチュワードの裁定通り、レースディレクターの判断によって実施されたものと解釈されるのかという点だ。
レーシングブルズは角田を擁護する構えを明確にしており、パーメインが見込む10月下旬の審理に向けて、両者の主張が改めて争われることになりそうだ。
