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  • F1スペインGP ピレリ総括:予想以上のデグラデーション「ハードが決勝の鍵」

    F1スペインGP ピレリ総括:予想以上のデグラデーション「ハードが決勝の鍵」

    2026年F1第14戦スペインGPの初日走行を終え、ピレリは新設マドリンクで予想以上のタイヤデグラデーションが確認されたと報告した。特に左側のフロントとリアにはグレイニングが発生し、決勝ではハードタイヤが重要な選択肢になるとの見方を示している。

    金曜日は路面温度がFP2開始時に51度まで上昇し、気温も32度に達した。路面自体は非常にスムーズながらグリップレベルが高く、ピレリによれば今季ここまででも最高水準。高いグリップと高温、そしてマシンのスライドが組み合わさることで、タイヤの摩耗とデグラデーションが想定以上に進む状況となった。

    ミディアムが全周回の58%を占める
    初日に最も多く使用されたのはC3ミディアムで、全周回数の58%を占めた。オリバー・ベアマンは1セットのC3で最多となる23周を走行した。

    C4ソフトではシャルル・ルクレールが1セットで17周を走行し、同コンパウンドでの最長スティントを記録した。一方、C2ハードを使用したのはFP1のガブリエル・ボルトレトとFP2のニコ・ヒュルケンベルグのみ。ヒュルケンベルグは1分35秒746を記録し、ハードでの初日最速タイムを残した。

    FP2ではキミ・アントネッリがC4ソフトで1分33秒662をマークして初日総合トップ。シャルル・ルクレールが0.113秒差の2番手、ルイス・ハミルトンが1分33秒811で3番手に続いた。

    また、アントネッリはミディアムでも1分33秒926を記録しており、これが初日のC3最速タイムとなった。ピレリによると、ミディアムとソフトの性能差は平均約0.5秒で、事前の予想よりも小さかったという。

    左右両輪ではなく左側タイヤにグレイニング
    ピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベッラは、新サーキットで初めて実走データを収集できたことの重要性を強調する一方、FP2でアービッド・リンドブラッドのクラッシュによる赤旗が出たことで、決勝に向けたロングランのデータ収集が制限されたと説明した。

    「今日は完全に新しいサーキットで、我々と各チームが初めて実走データを収集できたという意味で、特に重要な一日だった」

    「残念ながらFP2の中盤に出た赤旗によってロングランの周回数と長さの両方が減り、決勝という観点では得られた情報が限られることになった」

    タイヤの状態については、左側の前後輪でグレイニングが確認されたという。

    「フロントとリアの左タイヤの両方でグレイニングが見られ、場合によってはかなり顕著だった。特にスライドしやすいマシンでは、それが摩耗を加速させる要因になっていた」

    「スティントを通じて、どのチームがより効果的にタイヤを管理できているのかという点でも、すでに違いが見え始めている」

    スペイングランプリ タイヤ

    高グリップの滑らかな路面がグレイニングを誘発
    マドリンクの路面について、ベッラは走行開始直後から予想以上に高いグリップが得られていたと説明する。

    「路面コンディションは最初から非常に良く、グリップレベルは今季ここまでで最も高い部類だった。高いグリップと非常に滑らかな路面の組み合わせによってグレイニングが発生しやすくなった」

    もっとも、走行によって路面がラバーインしていけば状況は改善するとみられており、その傾向は金曜日の段階ですでに確認されたという。

    「サーキットのコンディションが進化していけば、グレイニングは多少軽減されるはずだ。その傾向は一日を通してすでに確認できていた」

    決勝ではC2ハードが重要な選択肢
    初日のデータを踏まえ、ピレリが特に注目しているのがC2ハードだ。事前予測を上回るデグラデーションに加え、週末を通じて高温が続く予報となっているため、決勝では重要性が高まると分析している。

    「デグラデーションのレベルが当初の予想より高く、今後数日間も高温が続くと予想されていることを考えれば、ハードタイヤは決勝に向けて最も重要な選択肢になる」

    一方、土曜日の予選ではソフトタイヤをいかに早く機能させるかがポイントになる。高い路面温度によって熱による性能低下が早く始まる可能性があり、アタックラップを重ねるよりも最初のフライングラップを最大限に生かすことが求められる。

    「予選では熱によるデグラデーションが始まる前に、最初のフライングラップを最大限に生かすことが非常に重要になる。同時にトラフィックを慎重に管理する必要があり、それがこのサーキットでは決定的な要素になる可能性がある」

    マドリンクでは初日から高いグリップと予想以上のデグラデーションという特徴が浮かび上がった。路面の進化によってグレイニングがどこまで改善するかに加え、決勝でC2ハードをどう組み込むかが各チームの戦略を左右することになりそうだ。

  • F1スペインGP初日 全ドライバーコメント:角田裕毅はFP2で8番手

    F1スペインGP初日 全ドライバーコメント:角田裕毅はFP2で8番手

    2026年F1第14戦スペインGPの金曜フリー走行では、初開催のマドリンクで各チームがセットアップ確認とタイヤ評価を進めた。FP2ではアンドレア・キミ・アントネッリがトップタイムを記録し、フェラーリ勢やアービッド・リンドブラッド、ジョージ・ラッセルらが続いた。

    新コースらしく路面進化やタイヤのグレイニング、オーバーテイクの難しさを指摘する声が多く、予選の重要性を強調するドライバーも目立った。

    一方で、ランド・ノリスはギアボックス問題でFP2をほぼ走れず、角田裕毅もFP1のパワーステアリング問題で走行時間を失うなど、土曜日に向けて課題を残したドライバーもいる。

    1番手:アントネッリ(メルセデス)
    「マドリードでの初日の走行を終えたけど、走っていて本当にクールなサーキットだ。ドライバーにとって本当に大きなチャレンジで、高速コーナーが多く、壁もすぐ近くにある。ライン取りでは非常に正確さが必要だし、ブレーキングもうまくやらなければならない。ブレーキを踏みながら曲がる場所が多いので、ロックアップもしやすい。楽しいチャレンジだし、僕は楽しんでいる。初日は良い一日になったけど、週末の残りに向けてまだやるべきことはたくさんある。日曜日はタイヤをいたわるのが難しくなりそうだし、オーバーテイクもかなり難しいと思う。だからこそ、明日の午前中に行う1周の作業がさらに重要になる。今夜はそこに集中しつつ、日曜日に向けて良いレースカーに仕上げられるようにも取り組んでいく」

    2番手:ルクレール(フェラーリ)
    「今日はマドリードのサーキットを走れて興奮した。チャレンジングな市街地コースで、僕は普段こういうタイプのコースが好きだけど、ここも例外ではない。完全に新しいサーキットで、まだそれほどラバーが乗っていないことを考えると、すでにかなりグリップがあったことには少し驚いた。それでも、週末を通して路面はかなり進化していくと思う。今日はできるだけ多くの周回をこなし、可能な限り多くのデータを集めて、コースを理解し、予選に備えることが目標だった。ここではオーバーテイクがとても難しいので、予選がおそらく週末の重要な瞬間になる。明日どんな結果を持ち帰れるか楽しみにしている」

    3番手:ハミルトン(フェラーリ)
    「走っていて楽しいコースだし、FP1は僕たちにとって良いスタートになった。ただ、一日が進むにつれてマシンを適切なウインドウに入れるのが少し難しくなったので、特にバランスについていくつか確認すべきことがある。全員にとって新しいサーキットだし、今日は有益なデータをたくさん集めることができたので、今夜それを詳しく見ていく。間違いなくポジティブな部分もあるし、明日の予選に向けて一歩前進できるよう取り組んでいく」

    4番手:リンドブラッド(レーシングブルズ)
    「ここマドリードでの初日はポジティブだった。今年は金曜日に新しいコースを覚えることにかなり慣れてきたので、僕にとって完全に新しい経験という感じではなかった。一日を通して良い速さを示せたし、FP2では走ったすべてのラップで速かった。クラッシュでセッションを終えることになったのは気分のいいものではなかった。外から見るとかなり大きく見えたと思うけど、幸い衝撃はそれほど大きくなく、僕自身はまったく問題ない。マシンにはダメージがあるので、今夜余計な作業をすることになるチームには申し訳なく思っている。実力で4番手に入れたのは素晴らしい結果だし、明日に向けて良い位置につけている。今夜はいったん気持ちをリセットして、今日学んだことを予選に生かすことに集中する」

    5番手:ラッセル(メルセデス)
    「今日は初めてマドリンクを走ったけど、とても楽しかった。新しいサーキットを初めて走るのはいつでも楽しい経験だし、ここは特にチャレンジングなので、攻略していくのが面白い。FP1では良いスタートを切れて、最初からマシンは強かった。FP2に向けてセットアップを変更したけど、それでマシンが良くなったかは分からないので、今夜は元に戻す可能性もある。今日のより大きな疑問はタイヤデグラデーションだ。FP1では非常に大きく、FP2では多少改善したものの、長いターン12がタイヤに大きな負荷をかけるので、日曜日には管理が難しくなる。それは今週末の戦いに加わるために、しっかり対処しなければならない部分だ。週末の残りを楽しみにしている。FP2のロングランではオーバーテイクが本当に難しかったので、予選は非常に重要になる。1周のペースは悪くなかったけど、ここの路面は滑らかなので、最初のラップからタイヤを機能させるのは必ずしも簡単ではなかった。今夜と明日のFP3でそこに取り組んで、ポールポジション争いに加われればと思う」

    6番手:フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
    「今日の2セッションはどちらもそれほど悪くなかった。僕たちは常にもう少しペースを見つけようとしているし、タイヤについてもっと理解しようとしている。特に新しいコースでは、すべてが自信を積み上げていく作業になるけど、ラップを重ねるごとにペースを上げられている感触はあった。細かく調整し、取り組み、改善できる部分は常にあるし、それを今夜やっていく。明日は1周のペースとロングランでタイヤがどう機能するかを見ていくけど、何が起きてもおかしくない。クリーンなセッションになって、必要なものを得られることを願っている」

    7番手:ピアストリ(マクラーレン)
    「全体としては堅実な一日だった。学ぶことがたくさんあったし、新しいコースを走ると、すべてを把握するのはいつも少し難しくなる。リズムに乗れば走っていてかなり楽しいコースだけど、グレイニングがかなり出ているので、タイヤマネジメントは難しくなりそうだ。FP2では少し差を縮められた感触があって、それはポジティブな一歩だったけど、まだペースが足りないので、今夜はもっとタイムを見つけるために懸命に取り組む。最大のチャレンジは、こういう市街地コースでマシンから最大限のパフォーマンスを引き出すことだ。明日はもう少し一貫性を見つけて、マシンからさらにタイムを引き出せるようになればいい。何ができるか見てみよう」

    8番手:角田裕毅(レーシングブルズ)
    「今日は最もスムーズな一日ではありませんでしたが、新しいコースは本当に楽しめましたし、走っていてすごく楽しいです。ここでは自信が重要なので、FP1で走行時間を失ったのは理想的ではありませんでしたし、FP2でも少しトラフィックがあって難しくなりました。それでも全体的にはマシンに良い感触があります。セッションごとにペースを築けていますし、今は明日の予選に向けてすべてをまとめることに集中しています」

    9番手:オコン(ハース)
    「ポジティブなのは、新しいアップグレードの感触をモンツァよりもはるかにはっきり得られていることだ。ここはコーナーがずっと多く、グリップに制限される区間も多い。そして今のところ2台の間で不安定さも出ていない。それはかなりポジティブなので、しっかり分析する必要がある。このままプッシュし続ける。とても良い一日だったので、この流れを続けなければならない。このコースはあらゆる面で非常にチャレンジングだけど、とても楽しいし、走っていて最高だ」

    10番手:ローソン(レッドブル・レーシング)
    「僕たち全員にとってマドリンクはかなり違ったコースで、長年何度も走ってきたサーキットと比べると、慣れるまでにずっと時間がかかる。とてもエキサイティングなコースで、多くの場所が非常に速く、高いコミットメントが求められる。FP1はとにかく徐々にペースを上げていくことが中心だった。これまでほとんど走られていない路面だから、僕たちが周回を重ねてラバーを乗せることでコースはどんどん速くなる。でもFP2を終えた時点でも、まだ確実にタイムを見つけられると思う。週末を通しての主な目標は、プラクティスでできるだけ多くの周回をこなし、予選への準備を整えることだ。だから、コースに慣れていく中で少しマージンを残していたと思うけど、今のところすべて問題なく感じている。今夜さらに調整して、明日は予選に向けてもっと強い走りをしたい」

    スペイングランプリ

    11番手:ガスリー(アルピーヌ)
    「新しいサーキットに来て、初めてスピードを上げて走るのはいつでも良いチャレンジだ。正直、このコースは本当に気に入った。とてもエキサイティングで高速だし、ラップを重ねるたびに本物のアドレナリンを感じる。壁がかなり速く迫ってくるので、ライン取りは非常に正確でなければならないし、ラップ全体を通してコーナーにしっかりコミットする必要がある。僕たちの一日について言えば、もう少し良くできたと思うし、改善できる部分がいくつかある。明日に向けてまだ確実にペースを見つけられるし、それができればトップ10争いに加われるはずだ」

    12番手:ヒュルケンベルグ(アウディ)
    「完全に新しいサーキットでの興味深い初日だった。学ぶことも探ることもたくさんあったし、間違いなくユニークなコースだ。信じられないほど速く、まるでジェットコースターのようで、ミスできる余地もほとんどないから、ラップ全体を通して気を抜けない。たくさんの情報を集めることができたので、今は今夜すべてを詳しく確認し、何を学んだのかを理解して、それをさらに改善するためにどう生かせるかを見ることが重要だ」

    13番手:ボルトレト(アウディ)
    「ようやくマドリンクを初めて実際に走る感触を得られてよかった。全体として僕たちにとってポジティブな一日だった。2つのセッションを通して多くを学べたけど、マシンからもう少しペースを引き出すために、今夜まだやるべきことがある。それが明日の主な仕事になる。引き続き取り組んでいくし、楽しみにしている」

    14番手:ベアマン(ハース)
    「マドリンクでの興味深い初日だった。クールなコースで走っていて楽しいし、僕にはバクーとジェッダを組み合わせたように感じる。FP1は少し難しかったけど、マシンにいくつか変更を加えてFP2では大きく前進できたので、進歩にはかなり満足している。今はモンツァで感じていたのと同じような感触をマシンから得られているので、明日何ができるか楽しみにしている」

    15番手:コラピント(アルピーヌ)
    「マドリンクは間違いなくエキサイティングな新しいコースだ。ここに向けてシミュレーターでかなり長い時間をかけて準備してきたので、今日初めて実際に走ることができてとても楽しかった。間違いなく興味深いコースで、全体的にとても速く、すべてをうまく噛み合わせる必要がある。僕たちの一日について言えば、FP1はコースを学びながら段階的にペースを上げていくことが中心だった。いつものようにFP2では低燃料と高燃料の両方を少し走り、週末の残りに向けて学ぶための考え方やデータを得た。改善点を見つける必要があるので、これからチームやエンジニアと時間をかけて、セットアップをどの方向に進めるべきかを探っていく」

    16番手:サインツJr.(ウィリアムズ)
    「マドリードでの金曜日が終わった。比較的スムーズな一日で、問題もインシデントもなく、セットアップを試すことができた良い2セッションだった。コースは壮観だ。マシンに乗っていると気持ちが高ぶるタイプのコースのひとつで、控えめに言っても慌ただしい感じだけど、本当に楽しんでいる。残念ながら、このサーキットでは僕たちは競争力があるようには見えない。それでも可能な限り強い週末にまとめるためにベストを尽くして、何ができるか見てみる」

    17番手:アロンソ(アストンマーティン)
    「今日は新しいコースに慣れることと、マシンのセットアップを最適化する作業が中心だった。残念ながらFP1の最後にクラッチの問題が起きて、それによってFP2のスタートが少し遅れた。明日の予選ではトラフィックとバッテリーマネジメントの両方があって、すべてを正しくまとめるのは難しくなるだろうけど、できる限りすべてをうまく実行していく」

    18番手:アルボン(ウィリアムズ)
    「今日はかなりチャレンジングだった。いろいろなタイプのコーナーがあるので、タイヤにはかなり厳しかった。デプロイメントにも苦しんで、ラップごとに感触がかなり違ったので、マシンとのリズムを完全につかめないままだった。シミュレーターとの相関はそれほど大きく外れていなかったので、それはポジティブだけど、チームとしてかなりやるべきことがある。もっと予選重視の週末になると思っていたけど、ピットレーンが非常に長いことを考えると、レースペースと戦略も考慮しなければならない要素になりそうだ」

    19番手:ペレス(キャデラック)
    「本当にクールなコースだし、素晴らしい会場だ。マドリードでレースができることが本当にうれしいし、ここはヨーロッパでも最高のレースのひとつになっていくと確信している。今夜はマシンのセットアップについてやるべきことがあるけど、全体として良い一日だったし、ロングランでも貴重なデータを集めることができた」

    20番手:ストロール(アストンマーティン)
    ※F1公式「What the teams said – Friday in Spain」にはランス・ストロール本人のコメントは掲載されていない。

    21番手:ボッタス(キャデラック)
    「マドリンクでの生産的な初日だった。全員にとって新しいサーキットで、僕たちは常に学んでいる。タイトな区間と流れるような区間があってユニークだし、良いチャレンジになっている。今日は2つの良いセッションを完了できたけど、バランスを正しく整えてタイヤから最大限を引き出すためには、まだやるべきことがたくさんある。それでも全体としては良い第一歩だったし、今夜エンジニアたちとデータを分析するためのデブリーフを楽しみにしている」

    22番手:ノリス(マクラーレン)
    「難しい一日だった。午前中に周回を重ねられたのは良かったし、そこでマシンに必要ないくつかの変更点を特定できた。ただ、最終的にはギアボックスの問題によってFP2では進歩させる機会を得られなかった。新しいサーキットに来る時はいつでも走行時間が非常に重要だから、FP2を失ったことで明らかに後手に回っている。今夜はFP1のデータ、オスカーのマシン、そして周囲のチームのデータを見ながら懸命に作業して、FP3でできる限り多くのことを学べるようにする。それ以外では、ここマドリードで最初のラップを走れたのは良かった。興味深いサーキットだし、明日の予選を前にさらに周回できることを楽しみにしている」

  • フェルナンド・アロンソ F1スペインGP初日「直線速度不足で追い抜きはほぼ不可能」

    フェルナンド・アロンソ F1スペインGP初日「直線速度不足で追い抜きはほぼ不可能」

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1スペインGP初日のフリー走行を終え、アストンマーティンの直線スピード不足から、決勝でのオーバーテイクは「ほぼ不可能」になるとの厳しい見通しを示した。

    母国スペインで迎えたマドリンク初走行で、アロンソはFP1を15番手、FP2を17番手で終了。FP1終盤に発生したクラッチトラブルによってFP2の走行開始が遅れ、予定していたプログラムを十分に消化できなかった。

    さらにホンダ製パワーユニットについても、ラップ終盤のエネルギーマネジメントに改善すべき点があると指摘した。

    クラッチ問題でFP2のプログラムに遅れ
    アロンソはFP1で1分36秒473を記録して15番手。セッション終了後のスタート練習中にクラッチの問題が発生し、修復作業の影響でFP2への出走が遅れた。

    「残念ながらFP1の最後、スタート練習をしているときに問題が起きた。それでFP2のプログラムが少し遅れてしまった」

    「ロングランとショートランのタイミングが他のみんなとずれてしまった。理想的なFP2ではなかったし、プログラムとしても少し遅れている」

    FP2では最終的に16周を走行し、1分36秒780で17番手。ソフトタイヤでのアタックではトラフィックにも遭遇し、自己ベストを更新していたラップを断念する場面もあった。

    ただし、アロンソはトラフィックだけを原因とは考えていない。

    「トラフィックの中では難しかったけど、タイミングがずれていたのは僕たちのミスだ。だから明日はもっと良くなると思う」

    ホンダPUはラップ終盤のエネルギー管理が課題
    予選に向けてアロンソが挙げたもうひとつのポイントが、タイヤ温度とバッテリーの充電状態だ。

    マドリンクではラップをまとめるために、タイヤを適切な作動温度に入れるだけでなく、長い全開区間に備えて電気エネルギーを管理する必要がある。

    「タイヤ温度と、ラップ終盤でのバッテリーの充電状態をうまく合わせる必要がある。最後の数コーナーで少し違うドライビングをすると、ホンダのパワーユニットではかなり敏感に反応するように感じる」

    「まだ発見していることがいくつかあるし、そこは確実に修正する必要がある」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    「僕たちにとって追い抜きはほぼ不可能」
    初開催のマドリンクについて、アロンソは決勝でのオーバーテイクが容易ではないと予想。特にアストンマーティンにとっては、直線でのパフォーマンス不足が大きなハンディになるとみている。

    「追い抜きは難しくなると思う。そして僕たちにとっては、ストレートでの不足があるから、ほぼ不可能だ。だから予選が重要になる」

    一方、ウォールが近い新コースだけに、セーフティカーや赤旗などによってレース展開が大きく動く可能性もある。

    「ウォールがこれだけ近ければ、セーフティカーや赤旗が出る可能性もある。集中して、チェッカーフラッグまで走り切り、自分たちのレースをする必要がある」

    「予選がどんな結果になったとしても、日曜日に完璧なレース運びができれば、まだチャンスはあると思う。それが僕たちの目標だ」

    FP2で十分な走行時間を確保できず、マシンとパワーユニットの最適化にも課題を残したアロンソ。それでも、追い抜きが難しいと予想されるマドリンクでは予選順位の価値が高い一方、決勝ではアクシデントやセーフティカーがチャンスを生む可能性もある。まずは予選でAMR26のポテンシャルを最大限に引き出し、決勝では確実にチェッカーまで走り切る――それが、アロンソが母国スペインで掲げる現実的な目標だ。

  • アービッド・リンドブラッド F1スペインGP初日クラッシュ「限界を少し超えた」

    アービッド・リンドブラッド F1スペインGP初日クラッシュ「限界を少し超えた」

    アービッド・リンドブラッドは、2026年F1スペインGP初日のフリー走行2回目(FP2)で4番手タイムを記録する速さを見せた一方、ターン13でクラッシュを喫した。本人は「少しやりすぎた」とミスを認めながらも、実力で4番手につけたペースに大きな手応えを示した。

    初開催となるマドリンクでレーシングブルズは好調なスタートを切り、リンドブラッドはFP1を7番手、FP2を4番手で終えた。FP2ではトップからわずか0.2秒差につけていたが、セッション後半にターン13でリアを失ってバリアに激突。この日唯一の赤旗を引き起こした。

    ターン13でクラッシュ「少しやりすぎた」
    リンドブラッドはクラッシュについて、初開催のマドリンクで限界を探るなかで犯したミスだったと説明した。

    「結局のところ、簡単なコースではない。全員が限界を探してプッシュしているし、僕たち全員にとって新しいコースだからね」

    「ちょっとミスをして、ターン13で少しやりすぎた。それは残念だった。今夜は余計な作業を増やしてしまったから、メカニックとチームには申し訳なく思っている」

    クラッシュではフロア、フロントウイング、リアウイング、サスペンションなどにダメージを負ったが、リンドブラッド自身に怪我はなかった。

    「大丈夫だ。何ともないよ。外から見るとかなりひどそうだったけど、実際には衝撃はそれほど強くなかった。モンツァでのシャルル(ルクレール)の方がずっと派手だったよ」

    マシンについても「かなりダメージはあるけど、修復できないようなものではない」と語っている。

    トップから0.2秒「実力でP4だった」
    クラッシュはあったものの、リンドブラッドが強調したのは、それまでに示していたレーシングブルズの速さだった。

    「全体を見れば、いい一日だったと思う。僕たちはとても速かった。実力でP4だったし、トップからわずか0.2秒だった。それは本当に力強い結果だ」

    「僕は限界まで走っていたし、いい仕事ができていたと思う。それについては満足している」

    FP2を途中で終えたことでロングランはできなかったが、赤旗によってライバル勢も十分な周回を重ねられなかったため、その影響は限定的だと考えている。

    「僕はロングランをまったくできなかった。でも、他のみんなもちゃんとしたロングランはできていない。最後に4周か5周くらい走った人はいると思うけど、十分なロングランではない」

    「だから失ったものはそれほど大きくないと思う。日曜日に向けて、誰もまだ十分な理解を得られているわけではないからね」

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    予選へ自信「マシンは速い」
    リンドブラッドは、追い抜きが容易ではないと予想されるマドリンクでは予選が特に重要になると考えている。その点でFP2の速さは大きな自信になった。

    「マシンは速い。ここでは予選が一番重要だし、その部分ではいいペースを示せた。だからかなり満足している」

    「もちろん、どんな市街地コースでもそうだけど、明日はグリップがさらに上がっていく。そこについていく必要がある。今夜はリセットして、起きたことを頭から切り離して、今日得たいい学びだけを持っていきたい」

    レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインも、クラッシュを除けば初日の内容を高く評価した。

    「FP2でのアービッドのクラッシュを除けば、チームにとって素晴らしい一日だった。マシンは速く、FP1からFP2に向けて施した変更によってペースも大きく改善した」

    「明日の予選に向けて我々には強力なパッケージがあり、2台ともQ3を狙えると自信を持っている」

    リンドブラッドはFP1で1分35秒033の7番手、FP2では1分33秒890で4番手。クラッシュによってレーシングブルズのメカニックには修復作業が待つことになったが、初開催のマドリンクで予選に向けた1周の速さは十分に示した。

  • リアム・ローソン F1スペインGP初日に手応え「少しマージンを残した」

    リアム・ローソン F1スペインGP初日に手応え「少しマージンを残した」

    リアム・ローソンは、2026年F1第14戦スペインGPの金曜フリー走行をFP1、FP2ともに10番手で終えた。初開催となるマドリンクで慎重に限界を探りながら走行を重ね、「まだタイムを縮められる」と土曜日に向けて手応えを語った。

    レッドブル・レーシングは金曜日、シミュレーターでの予想以上にバンピーな路面やメカニカルグリップ、タイヤのグレイニングへの対応に取り組んだ。

    ローソンはFP2終盤にマシンの問題でピットに戻ったものの、チームは問題を解決。ロングランでは競争力のあるペースも確認している。

    初マドリンクで「少しマージンを残した」
    ローソンはFP1で26周を走行し、1分35秒539で10番手。トップのジョージ・ラッセルから1.462秒差だった。FP2ではさらに21周を重ね、1分34秒938までタイムを縮めて再び10番手。首位キミ・アントネッリとの差は1.276秒だった。

    全ドライバーにとって未知のマドリンクだけに、ローソンは金曜日の段階では限界を追求するよりも、周回を重ねながらコースへの理解と自信を深めることを優先した。

    「僕たち全員にとって、マドリンクはこれまで何年も走ってきたサーキットとはかなり違っていて、慣れるまでにずっと時間がかかる」

    「コースはすごくエキサイティングだ。多くの場所でかなり高速だし、高いコミットメントが求められる。FP1はとにかく徐々にペースを上げていくことがすべてだった」

    走行開始時には路面にラバーがほとんど乗っておらず、セッションが進むにつれてコンディションも大きく変化した。

    「これまでほとんど走られていないコースだから、僕たちがたくさん周回してラバーを乗せていくことで、どんどん速くなっていく。でもFP2を終えた段階でも、間違いなくまだタイムを縮められると思う」

    「今週末の主な目標は、プラクティスでできるだけ多くの周回をこなして、予選に備えることだと思う」

    「だから、コースに慣れていくなかで少しマージンを残していた部分もある。でも、ここまではすべて問題ない感触だ。今夜さらに調整して、明日は予選に向けてもっと強い走りができるようにしたい」

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)

    FP2終盤にマシントラブルもチームが解決
    FP2終盤にはローソンのRB22に問題が発生し、予定より早くピットへ戻る場面があった。ただし、レッドブルはセッション中に問題を解決している。

    テクニカルディレクターのピエール・ワシェは、FP1からFP2にかけてマシンに大幅なセットアップ変更を施したことを明かした。

    「かなりスムーズなセッションだった。マシンを改善する必要があると分かっている、通常の金曜日だ。FP2ではFP1より少し良くなった」

    「セッション間で多くの変更を行ったし、FP3に向けてもさらにいくつかの変更を試していくことになると思う。マシンのセットアップについて、やるべきことはたくさんある」

    一方、実際のマドリンクは事前のシミュレーションとは異なる部分もあったという。

    「メカニカルグリップとライドは想定していたより難しく、タイヤのグレイニングも予想以上だった。それに、コースもシミュレーターで考えていたよりバンピーだったので、いくつか課題がある」

    「ここにはさまざまなタイプのコーナーがあるので、エンジニアリングの観点では興味深い。ただ、オーバーテイクは難しそうだ」

    「リアムのマシンには終盤にいくつか問題があったが、解決することができた。ロングランはかなり競争力があり、タイヤマネジメントもかなり良かったので、ポジティブな部分はある。ただ、まだ十分に速くないことは分かっているので、やるべきことは多い」

    フェルスタッペンとの差を詰められるか
    チームメイトのマックス・フェルスタッペンはFP1を5番手、FP2を6番手で終えた。FP2では1分34秒063を記録し、ローソンとの差は0.875秒だった。

    ローソン自身は、まだマージンを残していると説明しており、土曜日はFP3でさらにマシンとコースへの理解を深めたうえで予選に臨む。

    レッドブルとしても一発の速さには改善の余地が残る一方、ロングランとタイヤマネジメントには一定の手応えを得た。初開催のマドリンクで金曜日を2セッション連続10番手でまとめたローソンが、予選に向けてどこまでペースを引き上げられるかが焦点となる。

  • マックス・フェルスタッペン F1スペインGP初日「市街地コースは好きじゃない」

    マックス・フェルスタッペン F1スペインGP初日「市街地コースは好きじゃない」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1第14戦スペインGP初日のフリー走行を6番手で終えた。初めて走ったマドリンクについて完成度を評価する一方、「僕は市街地コースのファンじゃない」と率直に語った。

    レッドブル・レーシングのフェルスタッペンはFP1で5番手、FP2では1分34秒063を記録してトップから0.401秒差の6番手。現状を「だいたい今の僕たちの位置」と受け止め、予選に向けて一発のペース改善を課題に挙げた。

    マドリンクを評価も「市街地コースは好きじゃない」
    公道区間と専用コース区間を組み合わせたマドリンクを2セッション走ったフェルスタッペンは、新コースへの感想を尋ねられると自身の好みを隠さなかった。

    「僕は市街地コースのファンじゃないから、それはこれからも変わらない。スパみたいなサーキットを走る方がいつだって好きだ」

    ただし、マドリンクの出来そのものには好印象を抱いている。

    「彼らがここに造り上げたものを見ると、本当にいい仕事をしたと思う。ただ、僕が市街地コースのファンじゃないというだけだ」

    6番手は「だいたい今の僕たちの位置」
    金曜日はメルセデスやフェラーリのペースに届かなかった。FP2ではステアリングに違和感を訴える場面もあったが、セッション後には問題は解消したと説明している。

    「僕たちとしては、だいたい今の位置だと思う。バランスについてもう少し取り組んで、一発でもう少し引き出せるようにする必要がある」

    初開催のコースだけに、走行を重ねながら限界を探る作業も続いた。フェルスタッペンは周回ごとにペースを上げ、自信を積み重ねることができたという。

    ロングランではタイヤの理解を深めることにも重点を置いた。レッドブル側もタイヤマネジメントには一定の手応えを得ている一方、一発の速さには改善の余地が残っている。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    予選へ「もう少しパフォーマンスを見つけたい」
    土曜日はFP3でセットアップをさらに詰めたうえで、初開催のマドリンクで最初の予選に臨む。

    「クリーンなセッションの方が助けになる。でも、マシンからもう少しパフォーマンスを見つけられるか見てみよう」

    初日の6番手を現状の実力として受け止めるフェルスタッペンにとって、最大の課題は一発のペースだ。マドリンクへの習熟を進めながらマシンバランスを整え、予選までにトップ勢との差をどこまで縮められるかが焦点となる。

  • セルジオ・ペレス 13分間で2度のピットレーン速度違反 キャデラックF1に罰金

    セルジオ・ペレス 13分間で2度のピットレーン速度違反 キャデラックF1に罰金

    セルジオ・ペレスは、2026年F1スペインGPのフリー走行1回目(FP1)で、わずか13分間に2度のピットレーン速度違反を犯し、キャデラックに合計1700ユーロの罰金が科された。

    初開催のマドリンクで慌ただしいスタートを切ったペレスだが、その後はロングランを含めてデータを収集。FP1、FP2ともにチームメイトのバルテリ・ボッタスを上回り、初日の走行には手応えを示した。

    13分間で2度のピットレーン速度違反
    マドリンクのピットレーン制限速度は80km/h。60分間のFP1が始まってわずか3分、ペレスは86.7km/hを記録し、6.7km/hの速度超過でキャデラックに700ユーロの罰金が科された。

    さらに13分後、今度は96.7km/hでピットレーンを走行。制限速度を16.7km/h上回り、追加で1000ユーロの罰金が科された。

    これにより、キャデラックへの罰金は合計1700ユーロとなった。

    電子系の問題も「明確な方向性をつかめた」
    ペレスはFP1序盤にステアリングホイールを交換。走行後には、電子系やマシンバランスに問題を抱えていたことを明かした。

    「ところどころで電子系の問題があった。バランスにも問題があったし、何度かロックアップもした。でも、狙っているウインドウから大きく外れているわけではない」

    「明確な方向性をつかめたし、ロングランについてもしっかり読み取ることができた。だから、週末を最大化するには良い位置にいると思う」

    ペレスはFP1を1分38秒150の21番手、FP2を1分37秒195の19番手で終了。ボッタスはそれぞれ22番手、21番手で、ペレスが両セッションで先行した。

    キャデラックは2台とも十分な周回数を確保したものの、セットアップやタイヤの使い方には改善の余地を残している。ボッタスは特にリアグリップに苦戦した。

    セルジオ・ペレス(キャデラックF1チーム)

    初開催マドリンクを高評価
    初めてF1マシンで走ったマドリンクについて、ペレスは好印象を示した。

    「素晴らしい場所だ。本当にいい会場だし、走っていてすごくクールだ。ファンも素晴らしいし、ここに来られて本当にうれしい」

    ペレスはマドリードでの新たなF1イベントについて「ヨーロッパで最高のレースのひとつになっていくと確信している」と期待を寄せた。

    「予選も決勝もカオスになる」
    過去の実走データがない新設サーキットだけに、ペレスは土曜日以降も予測不能な展開になるとみている。

    「明日の予選はカオスになるだろうし、日曜日のレースもかなりカオスになると思う。まだいろいろなことが起こり得る」

    「チームとしては、完璧な週末を遂行できるようにしなければならない」

    13分間で2度の速度違反を犯す慌ただしい幕開けとなったものの、ペレスはロングランから改善への方向性を確認した。キャデラックは初日のデータを基にセットアップを詰め、混乱も予想される予選と決勝でチャンスを狙う。

  • ホンダF1 ストロール車のバッテリーに異常データ「HRC Sakuraで詳しく解析」

    ホンダF1 ストロール車のバッテリーに異常データ「HRC Sakuraで詳しく解析」

    ホンダF1は、2026年F1第14戦スペインGP初日の走行を終え、ランス・ストロールのマシンに搭載されていたバッテリーについて、通常とは異なるデータが確認されたことを明らかにした。

    初開催となるマドリンクでは金曜日にFP1とFP2が行われ、ホンダはアストンマーティンとともに新コースで初めて実走データを収集。路面状況の変化に対応しながらパワーユニットのセッティング最適化を進めた。

    ストロールはFP2終盤にバッテリー異常
    FP2終盤、ストロールはチームからペースを落としてガレージへ戻るよう指示を受けた。セッション後、Honda F1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、その原因がバッテリーに関するものだったことを説明した。

    「今日のフリー走行は、マドリンクで初めて走行する重要なセッションとなりました。路面状況の変化を踏まえながらパワーユニットのセッティングを最適化し、多くのデータを収集することができました。明日に向けて、今夜さらに分析を進めます」

    「FP2終盤には、ストロール選手のバッテリーに通常とは異なるデータを確認したため、ガレージへ戻しました。このバッテリーはさらなる調査のため、HRC Sakuraにて詳しく解析を行います」

    ホンダは現時点で具体的な異常の内容には言及しておらず、対象となったバッテリーをHRC Sakuraで詳細に解析する方針だ。

    ホンダ・レーシング / 本田技研工業

    初のマドリンクでPUセッティングを最適化
    ホンダにとっても、マドリンクを実際にF1マシンで走行するのは今回が初めてとなった。事前のシミュレーションデータに実走データを加え、変化の大きい新品路面に合わせながらパワーユニットの設定を詰めていく一日となった。

    アストンマーティンはFP2でフェルナンド・アロンソが17番手、ストロールが20番手。アロンソもFP1終了後のスタート練習で発生したクラッチの問題によってFP2序盤の走行を失っており、チームにとっては必ずしも順調な金曜日とはならなかった。

    さらにストロールにも終盤にバッテリー関連の異常が確認されたことで、ホンダは収集したデータの分析と並行して原因究明を進める。

    スペインGPでは土曜日にFP3と予選が行われる。ホンダとアストンマーティンにとっては、初日に得たマドリンクの実走データを生かしたパワーユニットとマシンの最適化に加え、ストロール車で確認されたバッテリー異常への対応も重要な作業となる。

  • 角田裕毅 F1スペインGP初日「セッションごとにペースを築いてきている」

    角田裕毅 F1スペインGP初日「セッションごとにペースを築いてきている」

    角田裕毅は、2026年F1第14戦スペインGPの初日を振り返り、FP1でパワーステアリングのトラブルに見舞われながらも、FP2では8番手まで順位を上げたことに手応えを示した。

    初開催となるマドリンクで十分な走行時間を確保できなかった角田だが、「マシンの感触はいい」とコメント。レーシングブルズもFP1からFP2にかけてマシンを大きく改善できたとしており、土曜日の予選では2台そろってQ3進出を目標に掲げている。

    FP1はパワーステアリング問題で18番手
    角田にとってスペインGPの週末は、決して順調なスタートではなかった。

    FP1ではパワーステアリングに問題が発生し、セッション途中でピットへ戻ることを余儀なくされた。ソフトタイヤではアウトラップとインラップだけに終わり、アタックラップを記録できないまま走行時間を大きく失った。

    角田のFP1ベストは1分36秒939で18番手。一方、チームメイトのアービッド・リンドブラッドは1分35秒033で7番手につけ、初開催のマドリンクでレーシングブルズの速さを示していた。

    FP2で8番手に浮上 トラフィックにも遭遇
    FP2では角田も本格的にソフトタイヤでのアタックを行い、1分34秒758をマーク。トップのアンドレア・キミ・アントネッリから1.096秒差の8番手に入った。

    アタック中には低速走行していたルイス・ハミルトンに追いつき、ラップを断念する場面もあった。ハミルトンは角田に気づくと手を挙げて謝罪しており、角田自身もFP2ではトラフィックによって走行が難しくなったと振り返っている。

    それでもFP1で失った走行時間を考えれば、トップ10まで順位を上げたFP2は前向きな内容となった。

    「今日は一番クリーンな一日ではありませんでしたが、新しいコースは本当に楽しめました。走っていてすごく楽しいです」

    「ここでは自信が重要なので、FP1で走行時間を失ったのは理想的ではありませんでした。それにFP2では少しトラフィックもあって、より難しくなりました」

    「全体としては、マシンの感触はいいです。セッションごとにペースを築いてきていますし、今は明日の予選ですべてをまとめることに集中しています」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    レーシングブルズはFP2で大幅改善
    レーシングブルズはFP1からFP2に向けてセットアップを変更し、パフォーマンスを大きく向上させた。

    リンドブラッドはFP2で1分33秒890を記録し、アントネッリから0.228秒差の4番手。さらにタイムを伸ばそうとしたところでターン13の進入でリアを失い、バリアにクラッシュして赤旗の原因となったものの、本人に怪我はなかった。

    チーム代表のアラン・パーメインは、クラッシュを除けば非常に満足できる初日だったと評価した。

    「FP2でのアービッドのクラッシュを除けば、チームにとって素晴らしい一日だった。マシンは速いし、FP1からFP2にかけて施した変更によってペースは本当に改善した」

    「ここのコースも非常に印象的だ。興味深いサーキットを作り上げるために、多くの時間と努力が費やされたことがよく分かる」

    「明日の予選に向けて強力なパッケージがある。2台ともQ3進出を狙えると自信を持っている」

    FP1ではトラブルによって出遅れながらも、FP2で8番手まで挽回した角田。チームメイトが4番手につけたことでレーシングブルズのマドリンクとの相性の良さも見えており、角田にとって予選では初日の走行不足を補いながら、マシンのポテンシャルをどこまで引き出せるかが焦点となる。

  • F1スペインGP FP2詳報:アントネッリ最速 リンドブラッド4番手 角田裕毅8番手

    F1スペインGP FP2詳報:アントネッリ最速 リンドブラッド4番手 角田裕毅8番手

    2026年F1第14戦スペインGPのフリー走行2回目(FP2)が9月11日(金)、マドリードの新サーキット「マドリンク」で行われ、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が1分33秒662でトップタイムを記録した。

    2番手には0.113秒差でシャルル・ルクレール、3番手には0.149秒差でルイス・ハミルトンとフェラーリ勢が続いた。レーシングブルズはアービッド・リンドブラッドが4番手につけたものの、ターン13でクラッシュ。角田裕毅はトップから1.096秒差の8番手で初日の走行を終えた。

    FP2開始 アロンソはクラッチ問題で出遅れ
    FP2開始時の路面温度は53度。FP1と同様にミディアムタイヤを選ぶドライバーが多く、ニコ・ヒュルケンベルグだけがハードタイヤで走行を開始した。

    一方、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はすぐにはコースへ出なかった。FP1終了後のスタート練習でクラッチに問題が発生し、修復作業が続いていたためだ。

    新設されたマドリンクでは、FP1からトラフィックが大きな問題となっていた。ブラインドコーナーが多く、低速走行中のマシンが後方から迫るアタック車両を確認しにくい。予選では妨害によるグリッド降格につながる可能性もあり、各チームにとって交通整理も重要な課題となった。

    フェラーリが序盤をリード ノリスにギアボックストラブル
    序盤はルクレールがトップに立ち、ハミルトンが0.035秒差で続いた。FP1を制したジョージ・ラッセル(メルセデス)は約0.4秒差につけた。

    しかし、ランド・ノリス(マクラーレン)はほとんど走れないままピットへ戻った。

    ノリスは無線でギアボックスに異常があることを訴え、マクラーレンはマシンをガレージ内でジャッキアップ。チームはその後、ギアボックス交換が必要だと説明した。

    「ランドのマシンに問題を確認し、ギアボックス交換が必要になった。セッション終了までに再びコースへ戻せるよう作業しているが、時間は非常に厳しい」

    結局、作業は間に合わず、ノリスはアウトラップとインラップのわずか2周でFP2を終えることになった。初開催のマドリンクでコース習熟が重要なだけに、大きな走行機会の損失となった。

    スペイングランプリ ランド・ノリス

    アントネッリが浮上 フェルスタッペンの首位タイムは抹消
    セッション開始から13分ほどでアントネッリがルクレールをわずか0.001秒上回ってトップに浮上。ラッセルも3番手につけ、FP1に続いてメルセデス勢が速さを示した。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)も一時トップタイムを記録したが、トラックリミット違反によってタイムを抹消された。

    ハミルトンはターン17でコースを外れるなどフロントの挙動に苦しみ、「フロントエンドに本当に苦労している」と無線で訴えた。

    路面は徐々にラバーが乗って改善していったものの、各車とも限界を探るなかでミスが目立ち始めた。

    アロンソがようやくコースイン ソフトで予選シミュレーション
    開始から約25分、クラッチトラブルの修復を終えたアロンソがようやくミディアムタイヤでコースインした。

    そのころ、多くのドライバーはソフトタイヤへ履き替え、予選を想定したアタックを開始。ルクレールが1分33秒台へ入れてトップに立ったが、すぐにアントネッリがそれを上回った。

    アントネッリは1分33秒662をマーク。ハミルトンも好タイムを記録したものの0.149秒届かず、その後ルクレールが1分33秒775まで縮めて2番手に入った。

    角田裕毅はハミルトンに阻まれアタック中断
    レーシングブルズもFP1から大きくペースを上げた。チーム代表のアラン・パーメインはFP1後、走行距離を確保するため車高などを安全側に設定していたと説明しており、FP2ではパフォーマンスを引き上げる方向へセットアップを進めていた。

    リンドブラッドはソフトタイヤで4番手まで浮上。一方、角田裕毅はアタック中に低速走行していたハミルトンに追いつき、ラップを断念した。

    ハミルトンはすぐに手を挙げて謝罪。角田はその後、1分34秒758までタイムを伸ばし、最終的に8番手につけた。

    リンドブラッドがターン13でクラッシュ 赤旗中断
    残り約22分、大きなアクシデントが発生した。

    4番手につけていたリンドブラッドがターン13への進入でリアを失い、横向きになったままバリアへクラッシュ。マシンはフロントとリアの両方をヒットし、セッションは赤旗となった。

    リンドブラッドは無線で「みんな、ごめん」と謝罪した後、自力でマシンを降りた。身体に問題がある様子はなかった。

    F1 TVのジョリオン・パーマーは、ソフトタイヤでリアのグリップが限界を迎えていたと分析。「リンドブラッドはプッシュしていたが、またソフトタイヤが音を上げた。リアタイヤが悲鳴を上げている」と語った。

    リンドブラッドにとって今季最大級のミスとなり、レーシングブルズは夜間にマシンの修復作業を強いられることになった。


    ローソンもウォール接触 レッドブル勢にもトラブル
    リンドブラッドのクラッシュとほぼ同じ時間帯には、リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)もリアを失い、フロントとリアのタイヤをウォールに接触させていた。

    幸い大きなダメージには至らなかったものの、ローソンは無線でリアを失ったことを報告した。

    さらにフェルスタッペンも終盤に「ステアリングが突然重くなった」と訴えた。最終順位はフェルスタッペンが6番手、ローソンが10番手となったが、レッドブルには確認すべき問題が残った。

    再開後もトラフィック続出 アロンソは皮肉なサムズアップ
    リンドブラッドのマシン撤去とバリア修復が完了し、セッションは残り約13分で再開された。

    各車が一斉にピットを離れたことで、再びトラフィックが深刻化。モニュメンタル(La Monumental)ではアロンソが他車に進路を妨げられ、皮肉を込めたサムズアップを見せた。

    ルクレールもセルジオ・ペレスに引っかかり、オスカー・ピアストリはターン7でブレーキングポイントを外してランオフエリアへ直進した。

    この日はFP1から繰り返しトラフィック問題が起きており、土曜日の予選ではアウトラップとアタックラップの車両をどう整理するかが大きな焦点となりそうだ。

    ストロールにも終盤トラブル アストンマーティン・ホンダは下位
    終了直前にはランス・ストロール(アストンマーティン)にも問題が発生した。

    チームは「ランス、問題がある。マシンをスローダウンさせる必要がある」と無線で指示。ストロールはペースを落としてピットへ戻った。

    アストンマーティン・ホンダはアロンソが1分36秒780で17番手、トップから3.118秒差。ストロールは1分37秒273で20番手、3.611秒差だった。

    アロンソはクラッチ問題でセッション前半を失い、ストロールも終盤にトラブルを抱えたため、両車とも完全なプログラムを消化することはできなかった。

    スペイングランプリ アンドレア・キミ・アントネッリ

    アントネッリがトップで終了 フェラーリ2台が追走
    最終的にアントネッリの1分33秒662を上回るドライバーは現れず、メルセデスがFP1のラッセルに続いて2セッション連続でトップに立った。

    2番手ルクレールは0.113秒差、3番手ハミルトンは0.149秒差。フェラーリは速さを見せた一方、2台ともロックアップやコースオフが目立ち、メルセデスよりもマシンを扱いにくそうな様子だった。

    クラッシュしたリンドブラッドは、それでも0.228秒差の4番手。ラッセルが5番手、フェルスタッペンが6番手、ピアストリが7番手となった。

    角田は8番手。チームメイトのリンドブラッドとの差は0.868秒だった。レーシングブルズは2台ともトップ10に入り速さを示したが、一方でリンドブラッドのクラッシュによって明暗が分かれた。

    9番手にはハースのエステバン・オコンが入り、アップデートを投入したVF-26の好感触を示した。ローソンが10番手、ピエール・ガスリーが11番手、フランコ・コラピントは15番手となった。

    初日の2セッションではメルセデスがいずれも最速となったものの、フェラーリとの差は小さい。さらにレーシングブルズも一発の速さを示しており、土曜日のFP3と予選に向けて各チームがどこまでセットアップを詰められるかが焦点となる。