2026年F1第14戦スペインGPの初日走行を終え、ピレリは新設マドリンクで予想以上のタイヤデグラデーションが確認されたと報告した。特に左側のフロントとリアにはグレイニングが発生し、決勝ではハードタイヤが重要な選択肢になるとの見方を示している。
金曜日は路面温度がFP2開始時に51度まで上昇し、気温も32度に達した。路面自体は非常にスムーズながらグリップレベルが高く、ピレリによれば今季ここまででも最高水準。高いグリップと高温、そしてマシンのスライドが組み合わさることで、タイヤの摩耗とデグラデーションが想定以上に進む状況となった。
ミディアムが全周回の58%を占める
初日に最も多く使用されたのはC3ミディアムで、全周回数の58%を占めた。オリバー・ベアマンは1セットのC3で最多となる23周を走行した。
C4ソフトではシャルル・ルクレールが1セットで17周を走行し、同コンパウンドでの最長スティントを記録した。一方、C2ハードを使用したのはFP1のガブリエル・ボルトレトとFP2のニコ・ヒュルケンベルグのみ。ヒュルケンベルグは1分35秒746を記録し、ハードでの初日最速タイムを残した。
FP2ではキミ・アントネッリがC4ソフトで1分33秒662をマークして初日総合トップ。シャルル・ルクレールが0.113秒差の2番手、ルイス・ハミルトンが1分33秒811で3番手に続いた。
また、アントネッリはミディアムでも1分33秒926を記録しており、これが初日のC3最速タイムとなった。ピレリによると、ミディアムとソフトの性能差は平均約0.5秒で、事前の予想よりも小さかったという。
左右両輪ではなく左側タイヤにグレイニング
ピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベッラは、新サーキットで初めて実走データを収集できたことの重要性を強調する一方、FP2でアービッド・リンドブラッドのクラッシュによる赤旗が出たことで、決勝に向けたロングランのデータ収集が制限されたと説明した。
「今日は完全に新しいサーキットで、我々と各チームが初めて実走データを収集できたという意味で、特に重要な一日だった」
「残念ながらFP2の中盤に出た赤旗によってロングランの周回数と長さの両方が減り、決勝という観点では得られた情報が限られることになった」
タイヤの状態については、左側の前後輪でグレイニングが確認されたという。
「フロントとリアの左タイヤの両方でグレイニングが見られ、場合によってはかなり顕著だった。特にスライドしやすいマシンでは、それが摩耗を加速させる要因になっていた」
「スティントを通じて、どのチームがより効果的にタイヤを管理できているのかという点でも、すでに違いが見え始めている」

高グリップの滑らかな路面がグレイニングを誘発
マドリンクの路面について、ベッラは走行開始直後から予想以上に高いグリップが得られていたと説明する。
「路面コンディションは最初から非常に良く、グリップレベルは今季ここまでで最も高い部類だった。高いグリップと非常に滑らかな路面の組み合わせによってグレイニングが発生しやすくなった」
もっとも、走行によって路面がラバーインしていけば状況は改善するとみられており、その傾向は金曜日の段階ですでに確認されたという。
「サーキットのコンディションが進化していけば、グレイニングは多少軽減されるはずだ。その傾向は一日を通してすでに確認できていた」
決勝ではC2ハードが重要な選択肢
初日のデータを踏まえ、ピレリが特に注目しているのがC2ハードだ。事前予測を上回るデグラデーションに加え、週末を通じて高温が続く予報となっているため、決勝では重要性が高まると分析している。
「デグラデーションのレベルが当初の予想より高く、今後数日間も高温が続くと予想されていることを考えれば、ハードタイヤは決勝に向けて最も重要な選択肢になる」
一方、土曜日の予選ではソフトタイヤをいかに早く機能させるかがポイントになる。高い路面温度によって熱による性能低下が早く始まる可能性があり、アタックラップを重ねるよりも最初のフライングラップを最大限に生かすことが求められる。
「予選では熱によるデグラデーションが始まる前に、最初のフライングラップを最大限に生かすことが非常に重要になる。同時にトラフィックを慎重に管理する必要があり、それがこのサーキットでは決定的な要素になる可能性がある」
マドリンクでは初日から高いグリップと予想以上のデグラデーションという特徴が浮かび上がった。路面の進化によってグレイニングがどこまで改善するかに加え、決勝でC2ハードをどう組み込むかが各チームの戦略を左右することになりそうだ。



















