カテゴリー: F1スペインGP

  • F1スペインGP フリー走行2回目 結果・タイムシート:角田裕毅は8番手

    F1スペインGP フリー走行2回目 結果・タイムシート:角田裕毅は8番手

    F1スペインGP フリー走行2回目の結果・タイムシート。9月11日(金)にマドリンクで2026年のF1世界選手権 第14戦 スペイングランプリのフリープラクティス2が行われた。

    トップタイムを記録したはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)。2番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手にルイス・ハミルトン(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(レーシングブルズ)は8番手。アストンマーティン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが17番手、ランス・ストロールが20番手だった。

    ■ アントネッリが最速 フェラーリ勢が0.15秒以内
    フリー走行2回目はアンドレア・キミ・アントネッリが1分33秒662でトップ。シャルル・ルクレールが0.113秒差、ルイス・ハミルトンが0.149秒差で続き、メルセデスとフェラーリが上位3台を占めた。FP1最速だったジョージ・ラッセルは0.337秒差の5番手となった。

    ■ リンドブラッド4番手もクラッシュで赤旗
    レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドは1分33秒890を記録して4番手につけたが、終盤にターン13でリアを失ってバリアにクラッシュ。マシンの前後をヒットさせ、セッションは赤旗中断となった。本人は自力でマシンを降りている。

    ■ 角田裕毅は8番手 リンドブラッドとの差は0.868秒
    角田裕毅は1分34秒758で8番手。チームメイトのリンドブラッドからは0.868秒差、トップのアントネッリからは1.096秒差だった。途中には低速走行していたハミルトンに進路を妨げられてアタックを断念する場面もあったが、24周を走行して初日のデータを積み重ねた。

    ■ ノリスはギアボックス問題でわずか2周
    ランド・ノリスは序盤にギアボックスの異常を訴えてピットへ戻り、マクラーレンはギアボックス交換を決断。作業はセッション終了までに間に合わず、ノリスはわずか2周でタイムを記録できなかった。初開催のマドリンクで貴重な走行時間を大幅に失う結果となった。

    ■ フェルスタッペン6番手 ステアリングの重さを訴える
    マックス・フェルスタッペンは一時トップタイムを記録したものの、トラックリミット違反で抹消。最終的には1分34秒063で6番手となった。終盤には「ステアリングが突然重くなった」と無線で訴えており、レッドブル・レーシングにとって確認が必要な材料となった。

    ■ ローソンもウォールに接触 レッドブル勢に不安定さ
    リアム・ローソンは10番手。リンドブラッドがクラッシュしたのと近い時間帯にリアを失い、フロントとリアのタイヤをウォールに当てる場面があった。大きなダメージは避けたが、ペースを上げるにつれてマシンが神経質になる様子がみられた。

    ■ アストンマーティン・ホンダは苦戦 アロンソ3.118秒差
    アストンマーティン・ホンダはフェルナンド・アロンソが17番手でトップから3.118秒差、ランス・ストロールが20番手で3.611秒差と下位に沈んだ。アロンソはFP1後のスタート練習で発生したクラッチトラブルの修復に時間を要し、走行開始が遅れた。ストロールも終盤にマシントラブルを抱え、スロー走行でピットへ戻っている。

    ■ 高温と交通が大きな課題に
    路面温度はセッション序盤に53度まで上昇し、タイヤのオーバーヒートが各車の課題となった。また、ブラインドコーナーの多いマドリンクではトラフィックも頻発。角田がハミルトンに引っかかったほか、アロンソやルクレールも他車に妨げられ、予選ではさらに深刻な問題になる可能性が浮上した。

    ■ 初開催マドリンクでセットアップの最適解はまだ見えず
    初開催のF1スペインGPだけに、各チームともマドリンクでのセットアップを模索している段階だ。特にソフトタイヤではリアの安定性とタイヤ温度管理が難しく、リンドブラッドのクラッシュを含めて限界付近での挙動の厳しさが表面化した。土曜日のFP3では予選に向けてさらにセットアップを詰めることになる。

    スペイングランプリ

    F1スペインGP フリー走行2回目 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム タイム GAP LAP
    1 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1分33秒662   24
    2 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1分33秒775 0.113 26
    3 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1分33秒811 0.149 23
    4 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1分33秒890 0.228 15
    5 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1分33秒999 0.337 25
    6 3 マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング 1分34秒063 0.401 22
    7 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン 1分34秒200 0.538 24
    8 22 角田裕毅 レーシングブルズ 1分34秒758 1.096 26
    9 31 エステバン・オコン ハース 1分34秒867 1.205 26
    10 30 リアム・ローソン レッドブル・レーシング 1分34秒938 1.276 21
    11 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ 1分34秒959 1.297 21
    12 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1分35秒060 1.398 22
    13 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1分35秒170 1.508 25
    14 87 オリバー・ベアマン ハース 1分35秒203 1.541 26
    15 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 1分35秒886 2.224 22
    16 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ 1分36秒291 2.629 25
    17 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 1分36秒780 3.118 16
    18 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 1分36秒936 3.274 22
    19 11 セルジオ・ペレス キャデラック 1分37秒195 3.533 24
    20 18 ランス・ストロール アストンマーティン 1分37秒273 3.611 20
    21 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 1分37秒727 4.065 24
    22 1 ランド・ノリス マクラーレン タイムなし   2
  • アービッド・リンドブラッド F1スペインGPのFP2でクラッシュ 赤旗の原因に

    アービッド・リンドブラッド F1スペインGPのFP2でクラッシュ 赤旗の原因に

    アービッド・リンドブラッドが、2026年F1第14戦スペインGPのフリー走行2回目(FP2)でクラッシュを喫し、セッションは赤旗中断となった。

    レーシングブルズのリンドブラッドはターン13への進入でマシンのリアを失い、そのまま横向きになってバリアへ衝突。マシンはフロントとリアの両方を激しくヒットしたが、リンドブラッド自身は自力でマシンを降り、無事な様子を見せている。

    ターン13で突然リアを失いバリアへ
    初開催となるマドリンクで行われたFP2は、高い路面温度のなかで各ドライバーがセットアップとタイヤ評価を進めていた。

    リンドブラッドはセッション前半から速さを見せ、一時4番手につけるなどレーシングブルズの好調ぶりを印象づけていた。

    しかし、その後ターン13に差しかかったところでマシンのリアが突然滑り出した。リンドブラッドはコントロールを取り戻すことができず、横向きのままバリアへ。フロントとリアの双方をヒットし、コース上にストップしたことで赤旗が提示された。

    クラッシュ直後、チームは無線で状態を確認した。

    「大丈夫か、アービッド?」

    リンドブラッドはすぐに応答した。

    「うん。本当にごめん。かなり早い段階でリアを失った」

    事故の映像では、ターンイン直後にリアが大きく流れ、そのままスライドしている様子が確認できる。リンドブラッドは自力でコクピットを降りており、身体面に大きな問題はないとみられる。

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    好調レーシングブルズに痛いクラッシュ
    レーシングブルズはFP1から慎重なセットアップで走行距離を確保していたが、チーム代表のアラン・パーメインはFP2に向けて大きくタイムを伸ばせる余地があると話していた。

    実際、FP2ではリンドブラッドが上位につけ、マシンの競争力を示していた。一方、チームメイトの角田裕毅も走行を続けていたが、アタック中に低速走行していたルイス・ハミルトンに遭遇してラップを中断する場面があった。

    初開催のマドリンクは、壁が近く、ブラインドコーナーも多い。F2やF3では金曜日までに多数のクラッシュが発生しており、F1でもついに大きなアクシデントが起きる形となった。

    リンドブラッドのマシンは前後にダメージを負っており、レーシングブルズにとっては土曜日のFP3と予選を前に修復作業が大きな課題となる。F1初開催のスペインGPで速さを見せていただけに、今回のクラッシュはチームにとって痛い出来事となった。

  • フェルナンド・アロンソ 2027年F1去就は急がず「後任候補が夏にローレンスを訪問」

    フェルナンド・アロンソ 2027年F1去就は急がず「後任候補が夏にローレンスを訪問」

    フェルナンド・アロンソは、2027年の去就について決断を急いでいないことを明かし、F1ドライバーとしてアストンマーティンに残るだけでなく、別の役割でチームを支える可能性も選択肢に入れていると語った。

    2026年F1第14戦スペインGPを前にマドリードで行われたFIA記者会見で、アロンソは2027年の計画について「すぐには決まらない」と回答。

    来季以降のF1レギュレーションがドライビングにどのような影響を与えるのかを見極めたうえで、自身とアストンマーティンにとって最善の道を判断する考えを示した。

    2027年の決断は「すぐではない」
    2027年の将来について、いつニュースを聞くことができるのかと質問されたアロンソは、簡潔に答えた。

    「すぐではない」

    なぜ決断を遅らせるのかと聞かれると、「その方がいいと思うから」と冗談めかして返した。

    さらに、アストンマーティン側が契約延長を急いでいるのではないかとの質問も飛んだ。2027年に向けて他チームでは有力ドライバーの契約が固まりつつあるが、アロンソはチームとの間に焦りはないと説明した。

    「もちろん話はしている。でも、そういうドライバーたちは夏にローレンスのところを訪れていたからね。だから、急いではいない」

    アロンソが言及したローレンスとは、アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールを指す。

    「ステアリングを握るか別の役割か」
    アロンソにとって判断材料のひとつとなるのが、2027年に向けたF1のレギュレーションだという。

    「前にも言ったように、来年のルールがレースやドライビングの面に影響を与えるのかどうかを理解することが重要だと思う」

    「何度も言っているけど、今のマシンは運転していて最高に楽しいマシンではない。でも、来年は正しい方向への一歩になると思う。そう願っている」

    そしてアロンソは、2027年もF1ドライバーとしてレースを続けることだけが選択肢ではないことを明言した。

    「同時に、来年に向けて自分にとって何がベストなプログラムなのかを考えて、チームと話し合う必要がある」

    「ステアリングを握るのか、それとも別の役割なのか。どこで僕が最もチームを助けられるのか。それを一緒に決めることが一番重要になる」

    現在45歳のアロンソは、2026年もアストンマーティンでF1参戦を続けているが、その先についてはドライバーとしての現役続行だけにこだわらず、アストンマーティンとの関係そのものをどのような形で継続するかを検討していることになる。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    2027年F1規則には依然として懸念
    アロンソは、2027年に予定されているレギュレーション変更について、現在よりもドライバーがマシンの限界を引き出せる方向に進むことを期待している。

    一方で、電気エネルギーの回生とバッテリー管理がドライビングを左右するという根本的な問題は残るとの見方も示した。

    「正しい方向への一歩だと思う。それで十分なのかは分からない」

    「マシンは常に、高速コーナーやストレートの終わりでバッテリーを充電することがラップタイム的には有利になる。こういうパワーユニットでは、ラップのどこかでバッテリーを充電しなければならないからね」

    「そして、それをするのは楽しさという意味では一番問題になる場所、高速コーナーやストレートの終わりになる。つまり、ドライバーがマシンの限界を攻めることとは逆の方向になる」

    それでもアロンソは、2027年に向けて規則がさらに修正される可能性に期待している。

    「それでも、来年のルールがもう一度調整されることにはまだ期待している。これが最終版ではないと思っている」

    アストンマーティンでWEC参戦も選択肢
    さらに記者会見では、2027年にF1ではなく、アストンマーティンとともにFIA世界耐久選手権(WEC)など別カテゴリーへ参戦する可能性についても質問された。

    「アストンマーティンとF1以外のシリーズ、例えばWECに参戦するプログラムは2027年の選択肢になり得るか」と問われたアロンソの答えは明確だった。

    「そうだ」

    アロンソは過去にWECへ参戦し、ル・マン24時間レースを2度制しているだけに、F1後のキャリアとして耐久レースへ戻ることは現実的な選択肢のひとつとなる。

    ただし、現時点で2027年の計画について具体的な決定が下されたわけではない。アロンソ自身も「すぐではない」と強調しており、まずはF1のレギュレーションがどの方向へ進み、ドライバーがどこまでパフォーマンスに影響を与えられるマシンになるのかを見極める構えだ。

    F1で現役を続けるのか、アストンマーティンで別の役割を担うのか、それともWECを含む別カテゴリーへ活動の場を移すのか。アロンソの2027年は、単純なF1引退か現役続行かという二択ではなく、アストンマーティンとのプロジェクトの中で自身が「最もチームを助けられる」道を選ぶことになりそうだ。

  • ルイス・ハミルトンに「本当に危険」と批判 F1スペインGPで相次ぐ妨害

    ルイス・ハミルトンに「本当に危険」と批判 F1スペインGPで相次ぐ妨害

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1スペインGPのフリー走行1回目(FP1)で複数のドライバーのアタックを妨げる形となり、アービッド・リンドブラッドやカルロス・サインツJr.から「危険」と厳しい批判を受けた。

    初開催となるマドリンクで行われたFP1で、フェラーリのハミルトンは4番手。一方、セッション中にはシャルル・ルクレール、リンドブラッド、ニコ・ヒュルケンベルグ、サインツJr.との間で相次いでトラフィックを巡る場面が発生した。

    ルクレールのアタックを妨害
    最初に問題となったのはチームメイトのルクレールとの場面だった。

    ハミルトンが前方にいたことでルクレールはアタックを断念。ただし、ルクレールは無線でハミルトンを強く非難することはなかった。

    「気をつけよう。えっと……ルイスは僕が来ていることを知らなかったと思う」

    フェラーリの2人は、わずか5日前のF1イタリアGPで接触。モンツァで生じた緊張については、その後に直接話し合って解消したとハミルトンが明かしていた。


    リンドブラッド「本当に危険だ」
    さらにハミルトンは、レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドのアタックにも影響を与えた。

    リンドブラッドが高速ラップを走っていた際、モニュメンタル(La Monumental)の出口で、低速走行していたハミルトンとキミ・アントネッリが並走する形となった。

    行き場を失ったリンドブラッドはアタックを中断し、無線で怒りをあらわにした。

    「またこの2人かよ! 何をやっているのか分からない。高速コーナーでこんなことをするなんて、本当に馬鹿げている!」

    さらにリンドブラッドは続けた。

    「本当に危険だ。これでもう2回目だ」

    ヒュルケンベルグも「ひどい」
    その後、ハミルトンはアウディのニコ・ヒュルケンベルグの走行にも影響を与えた。

    ヒュルケンベルグは無線で短く不満を口にした。

    「これはひどいな」

    一方、ハミルトン自身もモニュメンタル(La Monumental)でエステバン・オコンのハースに行く手を阻まれる場面があり、片手を上げて苛立ちを示した。

    サインツJr.「何の労力もいらないのに」
    そしてセッション終盤には、ウィリアムズのカルロス・サインツJr.との間でも危険な場面が発生した。

    ターン12の途中でハミルトンがサインツJr.を先に行かせようとしたことに対し、サインツJr.は無線で強い不満を示した。

    「ルイスがターン12の途中で僕を前に行かせた。また同じだ。本当に危険だ」

    「あと2メートル左に寄るだけなのに、何の労力もいらない。まったく何の労力もね」

    初開催のマドリンクでは、各ドライバーがコース特性やトラフィックの処理方法を探りながら走行している。特に高速区間では低速車との速度差が大きくなりやすく、FP1ではハミルトンを中心に複数のニアミスが発生する形となった。

    ハミルトン自身は4番手でFP1を終えたものの、初走行となったF1スペインGPのマドリンクでは、ラップタイム以上にトラフィックでの振る舞いが注目を集めるセッションとなった。

  • F1スペインGP FP1詳報:ラッセル最速 角田裕毅はパワステ故障で18番手

    F1スペインGP FP1詳報:ラッセル最速 角田裕毅はパワステ故障で18番手

    2026年F1第14戦スペインGPのフリー走行1回目(FP1)が9月11日(金)、マドリードの新設サーキット「マドリンク」で行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が1分34秒077でトップタイムを記録した。2番手にはアンドレア・キミ・アントネッリが続き、メルセデスが1-2で初セッションを終えた。

    レーシングブルズの角田裕毅は、ソフトタイヤでのアタックに入ろうとしたところでパワーステアリングのトラブルが発生。16周の走行にとどまり、最終的に18番手となった。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは7番手だった。

    マドリンク初のF1公式セッションがスタート
    現地時間13時30分、マドリンクで史上初となるF1公式セッションがスタートした。ピットレーンには開始前から列ができ、エステバン・オコンとオリバー・ベアマンのハース勢を先頭に各車が続々とコースへ向かった。

    ラッセル、フェルナンド・アロンソ、地元マドリード出身のカルロス・サインツJr.も早々に走行を開始。初開催のコースとあって、各ドライバーはまずレーシングラインやバンプ、縁石、ウォールとの距離を確認しながら慎重に周回を重ねた。

    ピレリが持ち込んだタイヤはC2のハード、C3のミディアム、C4のソフト。走行開始時点ですでに路面温度は48度に達しており、大半のドライバーがミディアムを選択した。ガブリエル・ボルトレトだけが序盤にハードタイヤを使用した。

    序盤から急速な路面進化 各車が慎重に限界探る
    開始6分を過ぎると各車のタイムが出始め、マックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、アントネッリらが次々にタイムシート上位へ浮上した。

    新しい路面には走行を重ねるごとにラバーが乗り、タイムは急速に短縮していった。ウィリアムズのジェームス・ボウルズ代表も、このコースではセッションごとに数秒単位で路面状況が変化する可能性があると指摘していた。

    一方、ニコ・ヒュルケンベルグは序盤の約10分をガレージで過ごし、他のドライバーより遅れてコースインした。

    フェラーリがミディアムで好感触 トラフィック問題も浮上
    セッション序盤からフェラーリ勢はミディアムタイヤで好ペースを示し、ルイス・ハミルトンが一時トップに立ち、ルクレールも僅差で続いた。

    ただし、同時にトラフィックの問題も早くから浮上した。マドリンクにはブラインドの進入区間が多く、後方から来るマシンを認識しづらい場面がある。

    F1 TVのジョリオン・パーマーは、予選ではインピーディングが大きな問題になる可能性を指摘。チームからドライバーへの情報伝達が極めて重要になると分析した。

    その後、ルクレールがハミルトンに接近し、危うく追突しかける場面もあった。ルクレールは無線で「彼は僕が来ていることを知らなかったと思う」と伝え、チーム側に注意を促した。


    路面温度50度超 タイヤに厳しいコンディション
    セッションが中盤に差しかかると路面温度は50度を超えた。特に左フロントタイヤには目に見える摩耗が現れ始め、熱によるデグラデーションが大きなテーマとなった。

    F2の走行を見ていたアレックス・ブランドルも、モニュメンタル(La Monumental)を通過した後はタイヤが十分に回復せず、1周を通してタイヤを保つことが難しいと分析していた。

    レッドブル・レーシング代表のローラン・メキースも、タイヤを最大の課題に挙げた。

    「ドライバーズサーキットだが、非常に難しい。ウォールもタイヤもあり、あらゆる種類のコーナーがある」

    「まずリストの最上位に来るのはタイヤだ。すぐにオーバーヒートするし、誰もがグレイニングを警戒している。完璧なセットアップを持っているチームはいないと思う。我々も2台で異なるものを試している」

    ソフト投入と同時に角田裕毅にパワーステアリング問題
    残り30分を切ると、メルセデス、レッドブル、レーシングブルズ勢などがソフトタイヤへ移行。各車が本格的なアタックに入り始めた。

    角田もソフトタイヤを装着してコースへ出たが、アタックに入ろうとしたところでパワーステアリングが正常に機能していないことを無線で報告した。

    「このパワーステアリングに問題がある。……まだ問題があるか? ああ、問題がある、問題がある。ボックス、ボックス」

    角田はソフトでのアタックを断念してピットへ戻った。マドリンクは22のコーナーを持つだけに、パワーステアリングの不具合は走行継続が難しいトラブルだった。

    この時点ではミディアムで記録したタイムで12番手につけていたが、他車がソフトでタイムを更新するなか、徐々に順位を落としていった。

    ラッセルがソフトで一気にペースアップ
    残り18分になると、ラッセルがソフトタイヤで1分34秒077を記録。ここまでトップだったハミルトンのタイムを一気に上回った。

    ラッセルにとってはソフトで最初の完全なクリアラップとなり、一気にペースを引き上げた形だった。

    ノリスやピアストリもソフトでアタックに入ったが、各車ともトラフィックやタイヤのピークを合わせる難しさがあり、全員が完全なラップをまとめられたわけではなかった。

    ピアストリ車にも問題 ガレージで修復作業
    終盤に入ると、オスカー・ピアストリが足元付近で何かが動いていると無線で報告した。

    当初はコックピット内の異物の可能性も考えられたが、実際には何らかのパーツが破損または緩んでいた模様で、ピアストリはガレージに戻った。

    マクラーレンのメカニックはマシン周辺に集まり、短時間での修復を試みたが、その後の走行時間は限られた。

    アロンソがターン8でウォールに接触
    終盤にはアロンソがターン8でウォールに接触した。

    ただし、タイヤ側が衝撃を受け止めたことで大きなダメージにはつながらず、そのまま走行を継続。マドリンクでF1マシンが本格的にウォールへ接触した最初の場面のひとつとなった。

    一方で、他のドライバーにもロックアップやランオフへのコースオフが見られた。アントネッリやヒュルケンベルグはターン13でコースを外れ、まだ埃の多いランオフエリアに入ったことでタイヤを再びクリーンにする必要があった。


    終盤はトラフィック多発 ハミルトンに不満の声
    残り数分になると、コース上ではさらにトラフィックが増えた。

    ハミルトンはヒュルケンベルグの走行を妨げ、アウディのドイツ人ドライバーが無線で不満を表明。さらにサインツJr.も、ハミルトンのコース上での位置取りに苛立ちを示した。

    フェラーリはミディアムタイヤでは強いペースを見せたが、ハミルトンとルクレールはいずれもソフトで完全なアタックをまとめられず、ロックアップやトラフィックによってタイムを取りこぼした。

    角田裕毅はそのまま走行終了 リンドブラッドとの差は1.906秒
    角田のパワーステアリング問題はセッション中に解消されず、そのまま走行終了となった。

    角田は16周を走行して1分36秒939。チームメイトのリンドブラッドは27周を走行して1分35秒033を記録し、両者の差は1.906秒だった。

    ただし、リンドブラッドがソフトタイヤで本格的なアタックを行えたのに対し、角田はソフトではアウトラップとインラップだけにとどまっており、このタイム差をそのまま両者のパフォーマンス差と見ることはできない。

    新しいレーシングブルズのマシンへの習熟を進めている角田にとって、初開催のマドリンクで走行時間を失ったことはFP2に向けて痛手となった。

    スペイングランプリ

    チェッカー ラッセル最速でメルセデスが1-2
    チェッカーフラッグが振られ、マドリンクでの最初のF1公式セッションが終了した。

    ラッセルが1分34秒077でトップ。アントネッリが0.286秒差で続き、メルセデスが1-2となった。ルクレールが3番手、ハミルトンが4番手、フェルスタッペンが5番手だった。

    レーシングブルズではリンドブラッドが7番手、角田は18番手。アストンマーティン・ホンダはアロンソが15番手、ランス・ストロールが19番手となった。

    アロンソのタイムはトップのラッセルから2.396秒差、ストロールは3.177秒差。事前にはマドリンクがパッケージに適しているとの期待も示されていたが、少なくともFP1のタイムシートでは下位に沈んだ。

    ただし、初開催のコースだけに各チームともまだセットアップを探っている段階で、路面の進化も非常に大きい。タイヤの熱劣化、トラフィック、ウォールとの距離という複数の要素が、今後のFP2、予選、決勝に向けた大きなテーマとして浮かび上がった。

  • F1スペインGP フリー走行1回目 結果・タイムシート:角田裕毅18番手

    F1スペインGP フリー走行1回目 結果・タイムシート:角田裕毅18番手

    F1スペインGP フリー走行1回目の結果・タイムシート。9月11日(金)にマドリンクで2026年のF1世界選手権 第14戦 スペイングランプリのフリープラクティス1が行われた。

    トップタイムを記録したはジョージ・ラッセル(メルセデス)。2番手にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(レーシングブルズ)は18番手。アストンマーティン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが15番手、ランス・ストロールが19番手だった。

    ■ メルセデスが初走行のマドリンクで1-2
    F1スペインGPのフリー走行1回目では、ジョージ・ラッセルが1分34秒077でトップタイムを記録した。チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリが0.286秒差の2番手に続き、メルセデスが初開催のマドリンクでいきなり1-2を形成。路面が急速に改善していく難しいコンディションのなか、タイトルを争う2人が順調なスタートを切った。

    ■ フェラーリが3-4番手 マクラーレンを上回る滑り出し
    シャルル・ルクレールがトップから0.459秒差の3番手、ルイス・ハミルトンが0.543秒差の4番手につけた。フェラーリ勢は序盤からミディアムタイヤでも速さを見せ、ハミルトンは一時トップに立った。一方、マクラーレンはランド・ノリスが6番手、オスカー・ピアストリが8番手。ピアストリ車には足元付近で部品が動いているような問題が発生し、終盤はガレージで作業が行われた。

    ■ フェルスタッペンは5番手 レッドブルはトップから0.6秒差
    マックス・フェルスタッペンは1分34秒703で5番手。ラッセルとの差は0.626秒だった。リアム・ローソンは1.462秒差の10番手。縁石への対応が課題とされるRB22にとってマドリンクとの相性は未知数だったが、フェルスタッペンは上位圏につけて最初の60分を終えた。

    ■ 角田裕毅はパワーステアリング故障で18番手 リンドブラッドと1.906秒差
    レーシングブルズの角田裕毅は1分36秒939で18番手。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは1分35秒033で7番手に入り、その差は1.906秒となった。ただし角田はソフトタイヤで本格的なアタックに入る段階でパワーステアリングのトラブルが発生。アウトラップとインラップにとどまり、その後コースへ戻れなかった。走行周回数も角田の16周に対してリンドブラッドは27周であり、単純なタイム比較が難しいセッションとなった。

    ■ アストンマーティン・ホンダは苦戦 トップから2.396秒差
    アストンマーティン・ホンダ勢はフェルナンド・アロンソが1分36秒473で15番手、ランス・ストロールが1分37秒254で19番手。最上位のアロンソでもトップのラッセルから2.396秒差、ストロールは3.177秒差となった。アロンソはターン8でウォールに接触したものの、タイヤが衝撃を受け止め、大きなダメージなく走行を続けた。

    ■ 路面温度50度超 タイヤの熱負荷が大きな焦点
    セッション中の路面温度は50度を超え、特に左フロントタイヤには目に見える摩耗が確認された。F2の走行でもモニュメンタル(La Monumental)を通過した後にタイヤが回復しにくい傾向が指摘されており、ソフトタイヤも連続したプッシュラップには厳しい様子を見せた。決勝が1ストップになるのか2ストップになるのかを含め、タイヤマネジメントが週末の重要なテーマになりそうだ。

    ■ 初開催らしい大幅な路面進化 タイムは序盤から急速に向上
    全ドライバーにとって実質的に初めてとなるマドリンクでは、走行開始から路面にラバーが乗るにつれてタイムが急速に向上した。ウィリアムズのジェームス・ボウルズ代表も、セッションごとに「数秒単位」で路面状況が変化する可能性を指摘。FP1では大きな赤旗こそ発生しなかったが、各車はウォールとの距離を確認しながら慎重にペースを上げた。

    ■ ブラインド区間とトラフィックが予選の大きな懸念
    コース上ではトラフィックによる問題も相次いだ。ハミルトンがニコ・ヒュルケンベルグの走行を妨げる場面があり、終盤にはカルロス・サインツJr.もフェラーリの位置取りに不満を示した。ブラインドで進入するコーナーが多く、F1 TVのジョリオン・パーマーは予選でのインピーディングが大きな問題になる可能性を指摘している。初開催のマドリンクでは、純粋な速さだけでなくコース上の位置取りとチームからの情報伝達も重要になりそうだ。

    スペインGP マドリンク

    F1スペインGP フリー走行1回目 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム タイム GAP LAP
    1 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1分34秒077   27
    2 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1分34秒363 0.286 26
    3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1分34秒536 0.459 27
    4 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1分34秒620 0.543 26
    5 3 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1分34秒703 0.626 24
    6 1 ランド・ノリス マクラーレン 1分34秒947 0.870 26
    7 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1分35秒033 0.956 27
    8 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン 1分35秒148 1.071 21
    9 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1分35秒529 1.452 25
    10 30 リアム・ローソン レッドブル 1分35秒539 1.462 25
    11 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1分35秒652 1.575 27
    12 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ 1分35秒757 1.680 22
    13 31 エステバン・オコン ハース 1分35秒834 1.757 24
    14 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 1分35秒933 1.856 23
    15 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 1分36秒473 2.396 26
    16 87 オリバー・ベアマン ハース 1分36秒757 2.680 23
    17 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ 1分36秒870 2.793 29
    18 22 角田裕毅 レーシングブルズ 1分36秒939 2.862 16
    19 18 ランス・ストロール アストンマーティン 1分37秒254 3.177 25
    20 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 1分37秒591 3.514 24
    21 11 セルジオ・ペレス キャデラック 1分38秒150 4.073 26
    22 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 1分38秒818 4.741 25
  • 角田裕毅 F1スペインGP FP1でパワステトラブル 走行中断

    角田裕毅 F1スペインGP FP1でパワステトラブル 走行中断

    角田裕毅は、2026年F1第14戦スペインGPのフリー走行1回目(FP1)でパワーステアリングのトラブルに見舞われ、走行を中断した。

    初開催となるマドリンクで重要な走行時間を失う形となった。角田裕毅は無線でパワーステアリングに問題があることを訴えてピットへ戻り、その後、セッション中にコースへ復帰するのは難しいとの情報が伝えられた。

    角田裕毅が無線でパワーステアリングの異常を報告
    走行中、角田裕毅はチーム無線でステアリング系の異常を報告した。

    「パワーステアリングに問題がある」

    エンジニアから「今もまだ問題はある?」と確認されると、角田裕毅は症状が続いていることを伝え、ピットへ戻る判断を下した。

    「うん、問題がある。問題がある。ピットに入ろう。ボックス、ボックス」

    角田裕毅はミディアムタイヤで走行した後、ソフトタイヤを装着したものの、アウトラップとインラップをこなしただけで本格的なアタックには入れなかった。

    この時点で角田裕毅は12番手。現地からは、パワーステアリングの問題によってFP1中に再びコースへ出る可能性は低いと伝えられた。

    初開催マドリンクで痛い走行時間のロス
    今回のトラブルが角田裕毅にとって痛いのは、マドリンクがF1初開催のサーキットであることに加え、現在もレーシングブルズのマシンへの理解を深めている段階にあるためだ。

    角田裕毅はシミュレーターでのマドリンクの走行周回数も一部のドライバーより少ないとされ、FP1では可能な限り多くの実走データを集めることが重要だった。

    しかし、パワーステアリングの問題によってソフトタイヤでの本格的な走行に移ることができず、貴重なセッション時間を失うことになった。

    F1スペインGPは未知のマドリンクを舞台にした初開催だけに、FP1での周回数は通常以上に大きな意味を持つ。角田裕毅にとっては、パワーステアリングの問題を早急に解消し、以降のセッションで失った走行時間を取り戻すことが重要になる。

  • F1スペインGP マドリンク解説:最高速340km/h モニュメンタルなど全22コーナー

    F1スペインGP マドリンク解説:最高速340km/h モニュメンタルなど全22コーナー

    2026年F1第14戦スペインGPが、マドリードに新設されたマドリンクで開催される。F1初開催となる全長5.414kmのコースは22のコーナーを備え、市街地区間と常設区間を組み合わせたハイブリッド型サーキットだ。

    予想最高速度は340km/h。最大24%のバンク角を持つ「モニュメンタル(La Monumental)」をはじめ、長いストレート、ブラインドコーナー、壁が迫るテクニカルセクションなど、性格の異なる区間が1周に凝縮されている。

    マドリンクの基本データ
    マドリンクは1周5.414kmで、コーナー数は22。決勝は57周で争われ、レース距離は308.399kmとなる。

    F1がマドリンクを走るのは今回が初めてとなるため、ラップレコードはまだ存在しない。コースはIFEMA Madridとバルデベバス周辺の公道と、新たに建設された常設区間を組み合わせて構成されている。

    ・コース全長:5.414km
    ・コーナー数:22
    ・決勝周回数:57周
    ・決勝距離:308.399km
    ・ラップレコード:なし
    ・予想最高速度:340km/h

    ターン1まではわずか200m 最長ストレートへ続く高速区間
    スタート/フィニッシュラインからターン1までは約200mしかない。スタート直後に右コーナーへ飛び込み、その後ターン3を通過すると、マドリンクで最も長いストレートへと入る。

    ここからマシンは一気に加速し、最高速域から強いブレーキングが要求される区間へと突入する。その先では高低差も加わり、ターン8には先が見えにくいブラインドのエイペックスが待ち受ける。

    ブレーキングポイントや路面のグリップ、実際の高低差など、シミュレーターだけでは完全に把握できない要素も多い。ドライバーにとって金曜日のFP1では、できるだけ早くコースの特徴をつかむことが重要になる。

    最大24%のバンク「モニュメンタル(La Monumental)」
    市街地区間を終えると、マドリンクは常設コース部分へと移行する。シケインを抜けた先に待っているのが、このサーキットを象徴するモニュメンタル(La Monumental)だ。

    全長約550mに及ぶこのバンクコーナーは最大24%の勾配を持つ。複数のレーシングラインを選択できるよう設計されており、異なるラインを使ったサイド・バイ・サイドのバトルも期待されている。

    周辺には約4万5000人の観客が入る予定で、マドリンク最大の観戦ポイントのひとつとなる。

    モニュメンタルを抜けると、再び全開で駆け抜ける高速コーナーが続く。しかし、その先ではコースの性格が大きく変化する。

    ラップ終盤は壁が迫るテクニカルセクション
    高速区間を抜けた後は壁が次第に近づき、ツイスティでテクニカルなセクションへと入っていく。

    ここでは高速区間とは異なり、正確なマシンコントロールが重要になる。壁との距離が近いため、わずかなミスが接触につながる可能性もある。

    そして最後に待っているのがタイトなターン22だ。この最終コーナーを立ち上がるとスタート/フィニッシュストレートへ戻るため、単独走行でのラップタイムだけでなく、レースでの追い抜きにも重要なポイントとなる。

    マドリンク F1 スペイングランプリ

    ストレートモードは2区間
    マドリンクには、2026年F1マシンの可動式エアロダイナミクスを使用するストレートモード区間が2カ所設定されている。

    ストレートモードではリアウイング上部のエレメントが開くと同時に、フロントウイング上部のエレメントも動く。これによって空気抵抗を減らし、ストレートで効率よく最高速度まで加速できるようになる。

    従来のDRSとは異なり、前走車とのタイム差によって使用できるかどうかが決まるシステムではない。ドライコンディションでは、指定された区間で毎周使用される。

    マドリンクで指定されているのは、スタート/フィニッシュストレートとターン3からターン4までの2区間だ。

    特にターン3から先はマドリンク最長のストレートとなるため、ストレートスピードやエネルギーマネジメントが重要になる。

    オーバーテイクモードの検知ポイントはターン22手前
    追い抜きを支援するオーバーテイクモードについては、1周につき1カ所の検知ポイントが設けられている。

    オーバーテイクモードは従来のDRSに代わる追い抜き支援システムで、追加の電気エネルギーを活用することで、ドライバーがより高い速度を長く維持できるようにする。

    指定された検知ポイントで前走車との差が1秒以内であれば、次のラップでオーバーテイクモードを使用することができる。

    マドリンクのオーバーテイク検知ポイントは、最終コーナーであるターン22への進入直前に設定されている。作動ラインはターン22出口にあり、そこからスタート/フィニッシュストレートへ向けてオーバーテイクモードを利用できる。

    そのため、ターン22までに前走車との差を1秒以内に保つだけでなく、最終コーナーをできるだけ接近した状態で立ち上がることが、ホームストレートでの追い抜きにつながる重要なポイントとなりそうだ。

    マドリードでのF1開催は初めてではない
    マドリンクでF1が開催されるのは今回が初めてだが、マドリードでスペインGPが行われるのは初めてではない。

    マドリード中心部から北へ約30km離れたハラマ・サーキットでは、1968年にF1スペインGPが開催された。

    当時はバルセロナのモンジュイック・サーキットと交互に開催され、スペインが国際的なモータースポーツの舞台として存在感を高める役割を担った。

    その後、モンジュイックで発生した死亡事故を受け、1976年から1979年まではハラマがスペインGPの開催地となり、1981年にもレースが行われた。ジェームス・ハントやマリオ・アンドレッティらがハラマで勝利を挙げている。

    その後、スペインGPはしばらくF1カレンダーから姿を消し、復活後はヘレス、そしてバルセロナが開催地として選ばれた。

    そして2026年、マドリンクの登場によってマドリードは再びF1世界選手権の舞台となる。

    F1 スペインGP マドリンク

    最高速340km/h マドリンクを知る5つのポイント
    F1公式サイトは、初開催となるマドリンクに関する5つのポイントを紹介している。

    まず、マドリンクはIFEMA Madridとバルデベバス周辺の公道と専用に建設された区間を組み合わせたハイブリッド型サーキットであること。

    マドリード出身のカルロス・サインツJr.にとっては、初めて本当の意味でのホームレースとなる。サインツJr.はマドリンクのサーキットアンバサダーも務めている。

    F1マシンの最高速度は約340km/hに達すると予想されている。

    最大のランドマークであるモニュメンタル(La Monumental)は全長約550mで、最大24%のバンクを備える。周辺では約4万5000人の観客がF1マシンの走りを見守ることになる。

    そしてマドリンクは、2023年にF1カレンダーへ加わったラスベガス以来となる新規デビューサーキットとなる。

    FP1で初めて明らかになるマドリンクの実像
    F3による走行やシミュレーターでの準備は行われているものの、F1ドライバーが実際にマドリンクを走るのは9月11日(金)のFP1が初めてとなる。

    最長ストレートで予想される340km/hの最高速、ブラインドとなるターン8、最大24%のバンクを持つモニュメンタル(La Monumental)、そして壁が迫る終盤のテクニカルセクション。さらにストレートモードとオーバーテイクモードをどこまで効果的に生かせるかも、レースを左右する要素になる。

    高速と低速、市街地と常設区間という異なる要素を全22コーナーに詰め込んだマドリンク。その本当の難しさとF1マシンでの攻略法が、初開催のF1スペインGPでいよいよ明らかになる。

  • ホンダF1 初開催マドリンクのバンクを警戒「潤滑システムへの挑戦」

    ホンダF1 初開催マドリンクのバンクを警戒「潤滑システムへの挑戦」

    ホンダは、2026年F1スペインGPで初開催を迎えるマドリンクにおいて、特徴的なバンクコーナー「モニュメンタル(La Monumental)」がパワーユニット(PU)の潤滑システムにとって大きなチャレンジになると警戒している。

    ホンダ・レーシング(HRC)でトラックサイドオペレーションを統括する折原伸太郎は、現地で実際にコースを確認。

    横方向だけでなく垂直方向にも大きなGが加わるモニュメンタルでは、まず安全マージンを確保した設定から走行を開始し、実走データを確認しながら予選に向けて段階的に限界を引き上げる方針を明らかにした。

    モニュメンタルを現地確認「かなり厳しく興味深い」
    マドリードに新設されたマドリンクは全長5.416km、22のコーナーで構成される。そのなかでも最大の特徴となるのが、約550mにわたって続くバンクコーナーのモニュメンタル(La Monumental)だ。

    最大24%のバンクを持つこの区間では、通常のコーナリングによる横方向のGだけでなく、バンクによって垂直方向にも特殊な荷重が加わる。

    折原伸太郎はスペインGPを前に実際にマドリンクを歩き、モニュメンタルを確認した。

    「昨日、サーキットを下見して、このバンクコーナーも確認しました。かなり厳しく、興味深い区間です」

    そしてホンダのPUという観点から、特に注意しなければならないポイントとして潤滑システムを挙げた。

    「パワーユニットに関して最も興味深いポイントは、おそらく潤滑システムです」

    「このコーナーでは横方向だけでなく垂直方向にもGを受けます。そのため、潤滑システムにとっては本当のチャレンジになります」

    ホンダPUは安全マージンを確保して走行開始
    F1のパワーユニットは、激しい加減速やコーナリングによって大きなGを受ける環境でも、各部へ安定してオイルを供給し続けなければならない。

    特にマドリンクは今回がF1初開催であり、実際のF1マシンがモニュメンタルを走った際にどのような負荷が発生するのかについて、過去のグランプリから得られた実走データは存在しない。

    そのためホンダは、金曜日の走行開始時点から限界を狙うのではなく、潤滑システムに一定の安全マージンを持たせる。

    「そのため、最初は潤滑について慎重な設定から始めて、状況を評価することになると思います」

    重要になるのは、FP1とFP2で実際にPUに加わる負荷を確認することだ。

    シミュレーションによる事前準備は行われているものの、実際の路面状況やマシンの挙動を含めたデータを収集し、その結果を基に設定を最適化していく。

    「そこから予選に向けて、段階的にそのマージンを減らしていきます」

    つまりホンダは、安全側の設定からスタートし、実走によってモニュメンタルでの負荷を確認。そのデータに問題がないことを確かめながら、予選に向けてPUをより攻めた領域へ近づけていくことになる。

    ホンダ・レーシング

    モンツァではホンダとのドライバビリティ改善に手応え
    ホンダとアストンマーティンは、純粋な出力だけではなく、ドライバーがパワーを扱いやすくするためのドライバビリティについても改善を続けている。

    アストンマーティンのマイク・クラックは、前戦F1イタリアGPのモンツァで、この領域に明確な進歩があったと評価した。

    「モンツァで踏み出したステップには満足している。以前にも言ったが、ドライバビリティは非常に重要なテーマだ。エンジンだけではないし、シャシーだけでもない。本当に両方を組み合わせたものだ」

    クラックによれば、ドライバビリティにはPUの特性だけでなく、シフトダウンやブレーキング、タイヤの状態、コーナーへの進入速度など、さまざまな要素が絡み合う。

    「シフトダウン、ブレーキ、タイヤの状態、どのくらいの速度で進入するのかなど、多くの要素が関係している。ただ、モンツァで我々が一緒に踏み出したステップには本当に満足している」

    モンツァでアストンマーティンの絶対的な競争力が高かったわけではないこともクラックは認めている。それでも、壁が近く、ドライバーが自信を持って限界へ近づかなければならないマドリンクでは、扱いやすさの改善には大きな意味があるという。

    「モンツァでのパフォーマンスが素晴らしかったわけではない。それは明らかだ。ただ、このようなサーキットでは、それを手にしていることはいいことだ。自信につながるからだ」

    「壁がこれほど近いところでプッシュするには自信が必要だ。だから、これはいいステップだった」

    ドライバビリティ改善に終わりはない
    一方でクラックは、ホンダとのドライバビリティ改善が完成したわけではないことも強調する。

    折原伸太郎にも同意を求めながら、シーズンを通して継続してきた改善作業を今後も進めていく考えを示した。

    「伸太郎も私に同意すると思うが、ドライバビリティが十分に良くなるということは決してない。常に改善できる」

    「我々はシーズンを通してやってきたように、これからもそこに取り組んでいく。ただ、我々がこのステップを踏み出せたことには満足している」

    初開催のマドリンクでは、シミュレーションだけでは完全に把握できない要素が数多く残されている。なかでもモニュメンタル(La Monumental)は、最大24%のバンクと長い旋回時間によって、ホンダPUにこれまでとは異なる負荷を与える可能性がある。

    ホンダはまず安全マージンを確保してFP1をスタートし、実際に発生する横方向と垂直方向のG、それによる潤滑システムへの影響を確認する。そのデータを基に一歩ずつマージンを削り、予選で最大限のパフォーマンスを引き出すことを目指す。

    モンツァで手応えを得たドライバビリティの改善とともに、未知のモニュメンタルへの対応は、ホンダとアストンマーティンにとって初開催F1スペインGPの重要な技術テーマとなる。

  • リアム・ローソン レッドブルF1復帰2戦を自己評価「最大限を引き出せた」

    リアム・ローソン レッドブルF1復帰2戦を自己評価「最大限を引き出せた」

    リアム・ローソンは、レッドブル・レーシングに復帰してからのF1直近2戦について、与えられたマシンから「最大限を引き出せた」と自己評価した。

    アイザック・ハジャーの左手首負傷を受け、ザントフォールトでレッドブルに呼び戻されたローソン。2025年シーズン序盤に短期間所属した後、レーシングブルズへ戻ってから1年以上を経て、再びマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めている。今週末のスペインGPでは3戦連続でRB22をドライブする。

    レッドブル復帰後の2戦に手応え
    レッドブル復帰後の2戦は対照的な結果となったが、ローソンはそれぞれの状況でマシンから引き出せるものを最大限に引き出したと感じている。

    マドリードで、最近のパフォーマンスは「レッドブルでもう一度チャンスを得るに値するのか」と疑問視していた人々への回答になったと思うかと質問されたローソンは、誰かに何かを証明しようという意識はないと語った。

    「そうかもしれない。でも正直、それについてはあまり考えていない。かなり昔のことだし、少なくとも僕にはずいぶん前のことのように感じる」

    「それに、当時は僕のF1キャリアのかなり早い段階だった。昨シーズン、特に後半戦は力強かったし、今年もすごくポジティブなシーズンになっている」

    「だから、人々は好きなように評価すると思う。でも結局のところ、どんなマシンをドライブしていても、僕はそこから最大限を引き出そうとする」

    「そして、この2戦ではそれができたと感じている」

    ローソンはザントフォールトでレッドブル復帰直後から存在感を示した。予選ではQ3進出を果たして8番手を獲得し、決勝では7位でフィニッシュした。

    一方、続くモンツァでのイタリアGPは、はるかに難しい週末となった。予選では14番手だったが、その後パワーユニットを交換したことで決勝はピットレーンからのスタートとなった。

    それでも序盤に11番手まで順位を上げたものの、ニコ・ヒュルケンベルグとの接触でフロントウイングを損傷。交換のため再びピットに入ることを余儀なくされ、大幅なタイムロスを喫した。

    最終的には14位でチェッカーを受けたが、ローソンは純粋なペースではなく、この接触がレースを大きく損なった要因だったと捉えている。

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)

    初開催マドリンクは「まず周回を重ねる」
    ハジャーが引き続き左手首の負傷からの回復を優先することになったため、ローソンには今週末、初開催となるスペインGPでもRB22をドライブする機会が与えられた。

    舞台となるマドリンクはF1にとって未知のサーキットであり、ローソンは金曜日のフリー走行では、すぐに細かなセットアップ作業へ踏み込むよりも、まずコースへの理解を深めることが重要になると考えている。

    「最初のラップは、アウトラップからすべてを少しずつ積み上げていくことになる。でも、とにかくコースを覚えることが大事だ」

    「週末序盤のモナコみたいな感じで、徐々にペースを上げていって、すべてのラップをきちんと走ることが重要だと思う。こういうコースでは、できるだけ多くの時間をコース上で過ごしたい」

    既存のサーキットであれば、ドライバーもチームも過去のデータや経験を持っているため、フリー走行を別の作業に振り分ける余裕がある。しかし、未知の要素が多いマドリンクでは、予選までに可能な限り多くの周回を重ねることに大きな価値があるという。

    「それに対して、ここでは本当に周回を重ねることが重要になる。予選までにできる限りの準備をしておく必要がある」

    レッドブルとレーシングブルズは「まったく違うチーム」
    今回のスペインGPは、ローソンにとってレッドブルでの環境に再び適応していく過程でもある。F1キャリアの大部分をレーシングブルズで過ごしてきただけに、同じレッドブル傘下であっても、両チームの日々の仕事の進め方には大きな違いがあるという。

    「違うよ。本当に大きく違う。背後にある名前が同じだとしても、完全に別々のチームだからね」

    「それぞれのチームに独自の仕事の進め方があって、どちらにもそれぞれのやり方がある。本当にかなり違うし、僕も間違いなくそれに慣れている途中だ」

    2025年序盤の短いレッドブル在籍を経てレーシングブルズへ戻り、再びトップチームでチャンスを得たローソン。本人は過去の評価を覆すことを意識してはいないものの、ザントフォールトとモンツァの2戦では、自身にできる仕事を最大限に遂行できたとの手応えを得ている。初開催のマドリンクでは、3戦連続となるレッドブルでその流れをつなげられるかが注目される。