2026年F1第14戦スペインGPのフリー走行2回目(FP2)が9月11日(金)、マドリードの新サーキット「マドリンク」で行われ、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が1分33秒662でトップタイムを記録した。
2番手には0.113秒差でシャルル・ルクレール、3番手には0.149秒差でルイス・ハミルトンとフェラーリ勢が続いた。レーシングブルズはアービッド・リンドブラッドが4番手につけたものの、ターン13でクラッシュ。角田裕毅はトップから1.096秒差の8番手で初日の走行を終えた。
FP2開始 アロンソはクラッチ問題で出遅れ
FP2開始時の路面温度は53度。FP1と同様にミディアムタイヤを選ぶドライバーが多く、ニコ・ヒュルケンベルグだけがハードタイヤで走行を開始した。
一方、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はすぐにはコースへ出なかった。FP1終了後のスタート練習でクラッチに問題が発生し、修復作業が続いていたためだ。
新設されたマドリンクでは、FP1からトラフィックが大きな問題となっていた。ブラインドコーナーが多く、低速走行中のマシンが後方から迫るアタック車両を確認しにくい。予選では妨害によるグリッド降格につながる可能性もあり、各チームにとって交通整理も重要な課題となった。
フェラーリが序盤をリード ノリスにギアボックストラブル
序盤はルクレールがトップに立ち、ハミルトンが0.035秒差で続いた。FP1を制したジョージ・ラッセル(メルセデス)は約0.4秒差につけた。
しかし、ランド・ノリス(マクラーレン)はほとんど走れないままピットへ戻った。
ノリスは無線でギアボックスに異常があることを訴え、マクラーレンはマシンをガレージ内でジャッキアップ。チームはその後、ギアボックス交換が必要だと説明した。
「ランドのマシンに問題を確認し、ギアボックス交換が必要になった。セッション終了までに再びコースへ戻せるよう作業しているが、時間は非常に厳しい」
結局、作業は間に合わず、ノリスはアウトラップとインラップのわずか2周でFP2を終えることになった。初開催のマドリンクでコース習熟が重要なだけに、大きな走行機会の損失となった。

アントネッリが浮上 フェルスタッペンの首位タイムは抹消
セッション開始から13分ほどでアントネッリがルクレールをわずか0.001秒上回ってトップに浮上。ラッセルも3番手につけ、FP1に続いてメルセデス勢が速さを示した。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)も一時トップタイムを記録したが、トラックリミット違反によってタイムを抹消された。
ハミルトンはターン17でコースを外れるなどフロントの挙動に苦しみ、「フロントエンドに本当に苦労している」と無線で訴えた。
路面は徐々にラバーが乗って改善していったものの、各車とも限界を探るなかでミスが目立ち始めた。
アロンソがようやくコースイン ソフトで予選シミュレーション
開始から約25分、クラッチトラブルの修復を終えたアロンソがようやくミディアムタイヤでコースインした。
そのころ、多くのドライバーはソフトタイヤへ履き替え、予選を想定したアタックを開始。ルクレールが1分33秒台へ入れてトップに立ったが、すぐにアントネッリがそれを上回った。
アントネッリは1分33秒662をマーク。ハミルトンも好タイムを記録したものの0.149秒届かず、その後ルクレールが1分33秒775まで縮めて2番手に入った。
角田裕毅はハミルトンに阻まれアタック中断
レーシングブルズもFP1から大きくペースを上げた。チーム代表のアラン・パーメインはFP1後、走行距離を確保するため車高などを安全側に設定していたと説明しており、FP2ではパフォーマンスを引き上げる方向へセットアップを進めていた。
リンドブラッドはソフトタイヤで4番手まで浮上。一方、角田裕毅はアタック中に低速走行していたハミルトンに追いつき、ラップを断念した。
ハミルトンはすぐに手を挙げて謝罪。角田はその後、1分34秒758までタイムを伸ばし、最終的に8番手につけた。
リンドブラッドがターン13でクラッシュ 赤旗中断
残り約22分、大きなアクシデントが発生した。
4番手につけていたリンドブラッドがターン13への進入でリアを失い、横向きになったままバリアへクラッシュ。マシンはフロントとリアの両方をヒットし、セッションは赤旗となった。
リンドブラッドは無線で「みんな、ごめん」と謝罪した後、自力でマシンを降りた。身体に問題がある様子はなかった。
F1 TVのジョリオン・パーマーは、ソフトタイヤでリアのグリップが限界を迎えていたと分析。「リンドブラッドはプッシュしていたが、またソフトタイヤが音を上げた。リアタイヤが悲鳴を上げている」と語った。
リンドブラッドにとって今季最大級のミスとなり、レーシングブルズは夜間にマシンの修復作業を強いられることになった。
Noo, Arvid!
This is what happened to the Racing Bulls driver as he headed for the barriers in FP2 #F1 #SpanishGP pic.twitter.com/AX0iPShqc9
— Formula 1 (@F1) September 11, 2026
ローソンもウォール接触 レッドブル勢にもトラブル
リンドブラッドのクラッシュとほぼ同じ時間帯には、リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)もリアを失い、フロントとリアのタイヤをウォールに接触させていた。
幸い大きなダメージには至らなかったものの、ローソンは無線でリアを失ったことを報告した。
さらにフェルスタッペンも終盤に「ステアリングが突然重くなった」と訴えた。最終順位はフェルスタッペンが6番手、ローソンが10番手となったが、レッドブルには確認すべき問題が残った。
再開後もトラフィック続出 アロンソは皮肉なサムズアップ
リンドブラッドのマシン撤去とバリア修復が完了し、セッションは残り約13分で再開された。
各車が一斉にピットを離れたことで、再びトラフィックが深刻化。モニュメンタル(La Monumental)ではアロンソが他車に進路を妨げられ、皮肉を込めたサムズアップを見せた。
ルクレールもセルジオ・ペレスに引っかかり、オスカー・ピアストリはターン7でブレーキングポイントを外してランオフエリアへ直進した。
この日はFP1から繰り返しトラフィック問題が起きており、土曜日の予選ではアウトラップとアタックラップの車両をどう整理するかが大きな焦点となりそうだ。
ストロールにも終盤トラブル アストンマーティン・ホンダは下位
終了直前にはランス・ストロール(アストンマーティン)にも問題が発生した。
チームは「ランス、問題がある。マシンをスローダウンさせる必要がある」と無線で指示。ストロールはペースを落としてピットへ戻った。
アストンマーティン・ホンダはアロンソが1分36秒780で17番手、トップから3.118秒差。ストロールは1分37秒273で20番手、3.611秒差だった。
アロンソはクラッチ問題でセッション前半を失い、ストロールも終盤にトラブルを抱えたため、両車とも完全なプログラムを消化することはできなかった。

アントネッリがトップで終了 フェラーリ2台が追走
最終的にアントネッリの1分33秒662を上回るドライバーは現れず、メルセデスがFP1のラッセルに続いて2セッション連続でトップに立った。
2番手ルクレールは0.113秒差、3番手ハミルトンは0.149秒差。フェラーリは速さを見せた一方、2台ともロックアップやコースオフが目立ち、メルセデスよりもマシンを扱いにくそうな様子だった。
クラッシュしたリンドブラッドは、それでも0.228秒差の4番手。ラッセルが5番手、フェルスタッペンが6番手、ピアストリが7番手となった。
角田は8番手。チームメイトのリンドブラッドとの差は0.868秒だった。レーシングブルズは2台ともトップ10に入り速さを示したが、一方でリンドブラッドのクラッシュによって明暗が分かれた。
9番手にはハースのエステバン・オコンが入り、アップデートを投入したVF-26の好感触を示した。ローソンが10番手、ピエール・ガスリーが11番手、フランコ・コラピントは15番手となった。
初日の2セッションではメルセデスがいずれも最速となったものの、フェラーリとの差は小さい。さらにレーシングブルズも一発の速さを示しており、土曜日のFP3と予選に向けて各チームがどこまでセットアップを詰められるかが焦点となる。
