メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、2026年F1イタリアGP予選でジョージ・ラッセルがポールポジションを逃した一因として、Q3最後のアタック直前にマックス・フェルスタッペンとの間で起きた駆け引きを挙げた。
ラッセルは1分21秒846を記録して2番手。最後に驚異的なラップをまとめたアルピーヌのピエール・ガスリーにわずか0.060秒差で逆転され、ポールポジションを逃した。
ヴォルフは、ラッセルの最終アタックがフェルスタッペンの動きによって妥協を強いられたと考えている。
ヴォルフ「最終的にそれがポールを失わせた」
予選前にはポールポジションの有力候補とみられていたラッセルだが、Q3最後のアタックでは自己ベストを更新できなかった。
何か問題があったのかとSky Sports F1に問われたヴォルフは、フェルスタッペンとの位置取りが影響したと説明した。
「そうだ。最後のランでラップを始めようとしたとき、ジョージはマックスにやられてしまったと思う」
「単純に距離が近すぎた。それによって最終的にラップタイムが損なわれ、それがポールポジションを失わせた」
ラッセル自身も、最終アタックを開始する際にフェルスタッペンとの間隔が近くなりすぎたと振り返っている。
「すべて順調に見えていた。でもパラボリカに入るところで、マックスが急に強くブレーキを踏んだ。先頭で走りたくなかったんだ」
「結果論だけど、こういうことをしようとしない方がよかったかもしれない。でも2番手はいいスタート位置だ」
モンツァではスリップストリームの効果が大きいため、予選では各ドライバーが前を走ることを避けようとする駆け引きが発生する。ラッセルとフェルスタッペンも最終アタックを前に位置関係を探る形となり、その結果としてラッセルは十分な間隔を確保できないままアタックに入ることになった。

ガスリーのストレートスピードを警戒
それでもラッセルは決勝をフロントロウの2番手からスタートする。さらに、タイトル争いの直接のライバルでありメルセデスのチームメイトでもあるアンドレア・キミ・アントネッリは、パワーユニット交換によるペナルティで後方からのスタートとなる。
ラッセルにとっては59ポイントの差を縮める大きなチャンスとなるが、ヴォルフはポールポジションを獲得したガスリーを含め、周囲のライバルを軽視できないと語った。
「誰のことも真剣に考えなければならない」
「彼らはストレートで非常に速い。かなりドラッグを減らしてきていて、1周のラップでは、それが必要なものだったことが証明された」
「レースはまったく別物だ。どうなるか見てみよう」
ガスリーにとってモンツァは、2020年にF1初優勝を飾った思い出深い舞台でもある。今回はアルピーヌで自身初のポールポジションを獲得し、再び番狂わせを起こす可能性を残している。
アントネッリの表彰台浮上には慎重
一方、後方からスタートするアントネッリが決勝で表彰台まで挽回できる可能性について、ヴォルフは現実的には厳しいとの見方を示した。
「それを求めるのは少し酷だと思う」
「ある程度の後方集団を抜けていくと、そこから非常に難しくなるのが分かる。パフォーマンスの差がとても小さいからだ」
「まったく違う戦略を採って、多少ギャンブルを仕掛けるのでなければ、表彰台まで行くのは難しいと思う」
メルセデスにとって、ラッセルの2番手は決勝に向けて十分に勝利を狙える位置だ。一方でヴォルフには、わずか0.060秒差だっただけに、フェルスタッペンとの最終アタック前の駆け引きがなければポールポジションを獲得できたという悔しさが残った。
