ルイス・ハミルトンは、2026年F1オランダGP決勝でフェラーリの戦略判断に苛立ちを募らせた。チームメイトのシャルル・ルクレールの背後でタイムを失った際には無線で不満をあらわにし、レース後にはそのロスが3位を逃す原因になったと主張した。
ハミルトンは最終的に4位でフィニッシュ。終盤にはメルセデスのジョージ・ラッセルを追い詰めながら表彰台には届かなかった。
レース中には「僕をモルモットにしているの?」と戦略を疑問視する場面もあり、チェッカー後までフェラーリの判断に対する不満は収まらなかった。
ルクレールに追いつき「僕の方が速い」
スタートでルクレールに先行を許したハミルトンだったが、タイヤに大きなオフセットがあったレース中盤にチームメイトとの差を縮め、42周目にはその背後に到達した。
ハミルトンは無線でフェラーリに状況を訴えた。
「僕の方がシャルルより速い。僕のタイヤの方がいい」
レースエンジニアのカルロ・サンティからは「了解」と返答があったものの、フェラーリはすぐには2台の順位を入れ替えなかった。
翌周、ハミルトンはさらに苛立ちを強めた。
「僕たちはただタイムを失っている!」
フェラーリはルクレールにピットインを指示したものの、ルクレールはその周にはステイアウト。ハミルトンはさらに1周、チームメイトの後方を走ることになった。
ルクレールがピットに入り、ようやく前が開くと、ハミルトンは皮肉を込めて無線で言った。
「素晴らしいタイムの無駄だったね。よくやったよ」
「僕をモルモットにしているの?」
ハミルトンの不満はそれだけでは終わらなかった。その後、より新しいタイヤを履くアンドレア・キミ・アントネッリとランド・ノリスに対してトラックポジションを失うと、フェラーリの戦略に再び疑問を投げかけた。
バーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された場面では、ピットインするのかを確認しながらチームに問いかけた。
「僕をモルモットにしているの? どうなっているんだ? いつまで僕を走らせるつもり?」
フェラーリはその翌周にハミルトンをピットインさせ、ルクレールとのダブルスタックを実施。これによって両者が再びコース上で直接ポジションを争う展開は避けられた。

「僕は勝つためにここにいる」
レース後、ハミルトンは無線での苛立ちについて質問されると、現在のF1ではわずかな判断の違いが結果を左右することを強調した。
その際に引き合いに出したのがメルセデスだった。メルセデスは終盤、ラッセルとアントネッリの順位を入れ替えるチームオーダーを出し、ドライバーたちはすぐにそれを実行していた。
「そうだね、僕は勝ちたい。勝つためにここにいるんだ」
「前を見ていて、メルセデスの2人には指示が出て、それが決まったらすぐに実行されるのを見ると難しいよ」
ハミルトンにとって問題だったのは、単にルクレールに順位を譲ってもらえなかったことだけではない。表彰台を争う僅差のレースで、フェラーリが判断を下すまでに時間を要したこと自体が大きなタイムロスになったと考えていた。
「不運じゃない。タイムを失ったことが3位を犠牲にした」
終盤、ハミルトンは3位を走るラッセルを追い詰めたものの、最後までオーバーテイクには至らず4位でチェッカー。ルクレールが5位で続いた。
レース後、サンティが無線で「ありがとう、ルイス。ラッセルに関しては少し不運だった」と声をかけると、ハミルトンはすぐにその見方を否定した。
「不運だったんじゃない! 僕たちはもっと早い段階でタイムを失った。それで3位を失ったんだ」
ハミルトンにとって、オランダGPで逃した表彰台は単なる不運ではなかった。ルクレールの後方で費やした数周と戦略判断の遅れによるタイムロスが、最後にラッセルを攻略するチャンスを小さくしたという認識だ。
4位という結果を残したハミルトンだが、「勝つためにここにいる」と語る7度のF1ワールドチャンピオンにとって、表彰台を左右しかねない戦略判断でタイムを失ったことは受け入れがたいものだった。

















