ルイス・ハミルトン 2026年F1前半戦を自己評価「平均より少し上」

ルイス・ハミルトン 2026年F1前半戦を自己評価「平均より少し上」

ルイス・ハミルトンは、フェラーリで復活を印象づけている2026年F1シーズン前半戦について、自身のパフォーマンスを「平均より少し上」と控えめに評価した。

2025年はフェラーリ移籍初年度でグランプリ表彰台を一度も獲得できなかったハミルトンだが、2026年は状況が一変。第9戦スペインGPでは移籍後31戦目にしてフェラーリでのグランプリ初勝利を挙げ、さらに4度の表彰台を獲得している。

それでも7度のF1ワールドチャンピオンは、ここまでの出来に高い点数をつけようとはしていない。

フェラーリ2年目で取り戻した自信
ハミルトンにとって、フェラーリでの最初のシーズンとなった2025年は厳しいものだった。中国GPのスプリントでは勝利を挙げたものの、グランプリでは一度も表彰台に立てず、20年に及ぶF1キャリアで初めて表彰台なしのシーズンを経験した。

メルセデスからフェラーリへの移籍に伴う仕事の進め方や環境の変化への適応に加え、ハミルトンはグラウンドエフェクト世代のマシンと自身のドライビングスタイルとの相性にも苦しんだ。

その経験を踏まえ、ハミルトンは2025年を通じてフェラーリのチームワークを「最適化」する必要性を訴え、2026年に向けてチームとの連携を深めてきた。

その成果はSF-26で明確に表れている。2026年のハミルトンはマシンへの自信を取り戻し、オーバーテイクでも積極性を見せ、限界までマシンをプッシュできるようになった。

最大の成果となったのがスペインGPだ。ハミルトンはバルセロナで力強い走りを披露し、フェラーリ加入後初となるグランプリ優勝を達成した。

さらに4度の表彰台を獲得し、今季ここまで一度も6位以下でフィニッシュしていない。リタイアもなく、その安定感によってフェラーリのチームメイトであるシャルル・ルクレール、そしてメルセデスのジョージ・ラッセルをドライバーズランキングで上回っている。

好成績でも自己評価は「平均より少し上」
それでもハミルトン自身は、2026年前半戦のパフォーマンスを高く評価しているわけではない。

ここまでの自分のシーズンを採点するよう求められたハミルトンは、簡潔にこう答えた。

「平均より少し上、くらいかな」

スペインGPで勝利し、安定して上位フィニッシュを続けている実績を考えれば、意外なほど控えめな自己評価だ。

現在ハミルトンは、メルセデスで自身の後任となったランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリから50ポイント差につけている。シーズン後半の展開次第では、史上最多となる8度目のF1ワールドタイトルを争う可能性も残されている。

しかし、ハミルトンはタイトル争いを意識して先を見過ぎることはないという。

ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

8度目のタイトルより「1レースずつ」
「僕は1レースずつ考えている。毎週末、どうすれば最大限の結果を引き出せるのかを考えているだけだから、基本的に10レース先のことを考えたりはしていない」

フェラーリが今季、メルセデスと争える速さを何度も示しているなかでも、ハミルトンの視線は目の前のレースに向けられている。

また、2026年にはF1のテクニカルレギュレーションが大幅に変更されたが、新世代マシンへの対応についても、自分だけが特別な変更を強いられたとは感じていない。

「特定の誰かにとって、よりやりがいのあるものになったとは思わない」

「僕たちは全員、何らかの調整をしなければならなかった。でも、これまでのどの世代のマシンと比べても、僕が他のドライバー以上に大きな調整をしなければならなかったとは感じていない」

2025年にはグラウンドエフェクトカーへの適応に苦しんだハミルトンだが、2026年の新規則は必ずしも自身に有利に働いたわけではなく、他のドライバーと同じように新しいマシンへ適応した結果だという認識だ。

復活を遂げても変わらないハミルトンの基準
フェラーリ加入初年度の苦戦から一転し、2026年は優勝と安定した上位フィニッシュによってタイトル争いに踏みとどまっているハミルトン。それでも本人の自己評価は「平均より少し上」にとどまる。

スペインGPでフェラーリ初勝利を達成しても、目標を8度目のタイトルに置いて先を見据えるのではなく、目の前の週末で最大限の結果を引き出すことに集中する。その姿勢は、2025年の苦しいシーズンを経て再び競争力を取り戻した現在も変わっていない。

シーズンはまだ半分を残している。首位アントネッリとの50ポイント差を縮め、フェラーリで初のF1タイトル争いを本格化させられるか。ハミルトンにとって後半戦は、自ら「平均より少し上」と評した前半戦を、さらに上の評価へ変える機会となる。