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  • 角田裕毅 F1イタリアGPは処分なしで10位確定「再スタートやり直しの原因ではない」

    角田裕毅 F1イタリアGPは処分なしで10位確定「再スタートやり直しの原因ではない」

    角田裕毅が2026年F1イタリアGP決勝の再スタート時にグリッド上で取った行動について、FIA(国際自動車連盟)のスチュワードは審議の結果、「これ以上の措置なし(No further action)」とする裁定を下した。

    シャルル・ルクレールのクラッシュによる赤旗中断後、スタンディングスタートに向けて各車がグリッドに戻った際、角田裕毅は当初グリッドの左側へ向かっていたが、自身が間違ったグリッド位置に向かっていることに気づき、方向を変えて正しいグリッドボックスにマシンを停止させた。

    その後、レースコントロールの判断でスタート手順が中止され、エクストラフォーメーションラップが実施された。

    この一件について角田裕毅にはFIA F1レギュレーション第B5.9.4条違反の疑いがかけられたが、スチュワードは映像やオンボード映像、関係者の証言を検証。角田裕毅がエクストラフォーメーションラップの「原因」だったとは認められないと結論づけた。

    角田裕毅は正しいグリッドボックス内に停止
    FIAの裁定文によると、22号車の角田裕毅はグリッドへ向かう際、当初はグリッドの左側へ進んでいた。しかし、自分が間違ったグリッド位置へ向かっていることに気づき、進行方向を変更。正しいグリッドボックスへマシンを移動させ、ボックス内の正しい位置に停止した。

    スチュワードは複数のカメラ映像によって、この事実を確認したとしている。

    その一方で、レースディレクターは角田裕毅のマシンがグリッドボックスへ接近する際の動きを見て、安全上の判断からエクストラフォーメーションラップを実施することを決定した。

    レースディレクターは証言の中で、グリッドへ向かう22号車の挙動を踏まえ、「その位置にマシンがいる状態でレースをスタートさせることに不安があった」と説明した。

    レーシングブルズ「角田裕毅はフォルススタートの位置ではなかった」
    これに対してレーシングブルズ側は、角田裕毅のマシンは規則上、フォルススタート(false start)に該当する位置にはなかったと主張した。

    チームは第B5.1.1c条を根拠として、フロントタイヤの接地面がグリッドボックスの前方および側方のラインから外れていなかったことを指摘した。

    また、ドライバーズミーティングでは、スタート時のトラックリミットはピットウォールであるとレースディレクターから説明されていたという。角田裕毅のマシンは右を向いていたものの、スタート位置から動き出すためには少なくとも4メートルのスペースがあり、他のドライバーが22号車の位置によって影響を受ける状況でもなかったとチームは説明した。

    さらにレーシングブルズは、角田裕毅自身がエクストラフォーメーションラップの「原因」ではなく、レースコントロールからチームまたはドライバーに対し、22号車がその原因と判断されているとの連絡も一切なかったと主張した。

    スチュワードは、これらの主張をすべて認めた。

    「スチュワードは上記の点に同意し、エクストラフォーメーションラップは22号車のドライバーによって直接引き起こされたものではなく、レースディレクターによる状況判断の結果だったと考える」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    本来はピットレーンスタートと10秒ストップ&ゴーの可能性
    今回の審議が複雑になった理由は、第B5.9.4条の規定にある。

    同条では、エクストラフォーメーションラップの原因となったドライバーが、そのラップ終了時にピットレーンへ入り、そこからスタートしなければならないと定められている。そして、それを行わなかった場合に初めて、10秒ストップ&ゴーペナルティが義務的に科される。

    つまり、ペナルティそのものは「エクストラフォーメーションラップを発生させたこと」に対して科されるものではなく、「その原因となったドライバーがピットレーンへ入らず、そこからスタートしなかったこと」に対して科される。

    しかし今回、レーシングブルズにも角田裕毅にも、自分たちがエクストラフォーメーションラップの原因とみなされているという通知はなかった。

    スチュワードはここを重要な問題として指摘した。

    「ピットレーンへ入り、そこからスタートするという要件を遵守するためには、ドライバーは自分がエクストラフォーメーションラップの原因であることを知る必要がある」

    過去には、フォトグラファーの位置など外的要因によってエクストラフォーメーションラップが実施されたケースもあり、単に追加のフォーメーションラップが指示されたからといって、ドライバー側が自分を原因だと判断することはできないという考えだ。

    FIAの連絡手順にも問題を指摘
    スチュワードは、角田裕毅が規則に従って自身のグリッドボックス内に停止していたことから、レーシングブルズには角田裕毅へピットレーンに入るよう指示する理由がなかったと判断した。

    「エクストラフォーメーションラップをドライバーが直接引き起こしたかどうかにかかわらず、チームとドライバーは自分たちがその原因とみなされていることを認識していなかった」

    「したがって、このケースでストップ&ゴーペナルティを科すことはできないと判断し、これ以上の措置を取らないことを決定した」

    一方、スチュワードはレースディレクターについて、安全を優先して誠実に判断したことも明記。エクストラフォーメーションラップを命じたこと自体を問題視してはいない。

    そのうえでFIAに対し、今後はエクストラフォーメーションラップの原因と判断されたチームとドライバーへ、その事実を伝える手続きを導入することを検討すべきだと提言した。これによって、対象となったドライバーが第B5.9.4条に従い、ピットレーンからスタートできるようにする必要があるとしている。

    結果として角田裕毅にペナルティは科されず、今回のエクストラフォーメーションラップは角田裕毅の直接的な行為によって発生したものではなく、レースディレクターが安全上の観点から状況を評価した結果だった、というのがFIAスチュワードの最終判断となった。

  • F1ポイントランキング イタリアGP終了時:アントネッリが首位拡大

    F1ポイントランキング イタリアGP終了時:アントネッリが首位拡大

    2026年F1第13戦イタリアGPを終え、ドライバーズおよびコンストラクターズのポイントランキングが更新された。ドライバーズ選手権では、モンツァで優勝を飾ったアンドレア・キミ・アントネッリが267ポイントまで伸ばし、ランキング首位をさらに固めた。

    イタリアGPではアントネッリが19番グリッドから大逆転で優勝し、ジョージ・ラッセルが2位に入り、メルセデスが1-2フィニッシュを達成。マックス・フェルスタッペンが3位、ランド・ノリスが4位、オスカー・ピアストリが5位となった。

    角田裕毅は10位でフィニッシュし、2026年シーズン初となる1ポイントを獲得した。

    アントネッリが267ポイント 首位をさらに強固に
    ドライバーズランキング首位はアントネッリで267ポイント。前戦終了時の242ポイントから25ポイントを加え、ランキングトップの座を守った。

    2位ラッセルは201ポイント。前戦終了時の183ポイントから18ポイントを加えたものの、優勝したアントネッリとの差は59ポイントから66ポイントへと広がった。

    3位はルイス・ハミルトンの191ポイント。前戦終了時はラッセルと同じ183ポイントだったが、イタリアGPでは8ポイントの加算にとどまり、ラッセルに8ポイント差をつけられた。

    4位ランド・ノリスは171ポイント。前戦の159ポイントから12ポイントを加えた。5位シャルル・ルクレールは155ポイントのまま。イタリアGPではクラッシュによるリタイアでノーポイントに終わったため、ノリスとの差は4ポイントから16ポイントに拡大した。

    フェルスタッペンが127ポイント ルクレールとの差を縮める
    イタリアGPで3位表彰台を獲得したマックス・フェルスタッペンは、前戦終了時の112ポイントから15ポイントを加えて127ポイント。ランキング6位を維持した。

    5位ルクレールがノーポイントに終わったことで、その差は43ポイントから28ポイントまで縮小した。

    7位オスカー・ピアストリは116ポイント、8位アイザック・ハジャーは71ポイント、9位リアム・ローソンは51ポイント、10位ピエール・ガスリーは41ポイントとなっている。

    角田裕毅が1ポイント獲得 ランキング20位
    レーシングブルズからF1復帰2戦目を迎えた角田裕毅は、15番グリッドから10位まで順位を上げてチェッカー。今季初となる1ポイントを獲得した。

    これにより角田裕毅は1ポイントでドライバーズランキング20位。ランキング順位では依然として下位に位置するものの、復帰後2戦目で早くもポイントを持ち帰った。

    2026年F1 ドライバーズランキング
    1.アンドレア・キミ・アントネッリ 267ポイント
    2.ジョージ・ラッセル 201ポイント
    3.ルイス・ハミルトン 191ポイント
    4.ランド・ノリス 171ポイント
    5.シャルル・ルクレール 155ポイント
    6.マックス・フェルスタッペン 127ポイント
    7.オスカー・ピアストリ 116ポイント
    8.アイザック・ハジャー 71ポイント
    9.リアム・ローソン 51ポイント
    10.ピエール・ガスリー 41ポイント
    11.アービッド・リンドブラッド 29ポイント
    12.フランコ・コラピント 21ポイント
    13.オリバー・ベアマン 18ポイント
    14.ガブリエル・ボルトレト 10ポイント
    15.ニコ・ヒュルケンベルグ 6ポイント
    16.カルロス・サインツJr. 6ポイント
    17.アレクサンダー・アルボン 5ポイント
    18.エステバン・オコン 3ポイント
    19.フェルナンド・アロンソ 3ポイント
    20.角田裕毅 1ポイント
    21.ランス・ストロール 0ポイント
    22.バルテリ・ボッタス 0ポイント
    23.セルジオ・ペレス 0ポイント

    2026年のF1世界選手権 イタリアグランプリ

    メルセデス468ポイント 1-2で首位固め
    コンストラクターズランキングでは、メルセデスが468ポイントで首位をキープした。前戦終了時の425ポイントから43ポイントを加算。イタリアGPではアントネッリが優勝、ラッセルが2位に入り、1-2フィニッシュで大量得点を持ち帰った。

    2位フェラーリは346ポイント。前戦終了時の338ポイントから8ポイントを加えたものの、メルセデスとの差は87ポイントから122ポイントまで拡大した。

    3位マクラーレンは287ポイント。ノリスとピアストリがポイントを加え、前戦の263ポイントから24ポイントを上積みした。4位レッドブルは204ポイントとなり、フェルスタッペンの3位などによって前戦の186ポイントから18ポイントを加えた。

    レーシングブルズ75ポイントで5位
    レーシングブルズは75ポイントでコンストラクターズランキング5位。イタリアGPではアービッド・リンドブラッドと角田裕毅がポイントを獲得し、前戦終了時から得点を伸ばした。

    6位は62ポイントのアルピーヌ、7位ハースは21ポイント、8位アウディは16ポイント、9位ウィリアムズは11ポイントとなっている。

    アストンマーティン・ホンダは3ポイントで10位。イタリアGPではフェルナンド・アロンソとランス・ストロールがともにリタイアとなり、ポイントを追加できなかった。11位キャデラックは0ポイントとなっている。

    メルセデスはモンツァでの1-2フィニッシュによってコンストラクターズ選手権でもリードを拡大。ドライバーズ選手権ではアントネッリが267ポイントでラッセルに66ポイント差をつけ、メルセデス勢がランキング1位と2位を占めている。

    2026年F1 コンストラクターズランキング
    1.メルセデス 468ポイント
    2.フェラーリ 346ポイント
    3.マクラーレン 287ポイント
    4.レッドブル 204ポイント
    5.レーシングブルズ 75ポイント
    6.アルピーヌ 62ポイント
    7.ハース 21ポイント
    8.アウディ 16ポイント
    9.ウィリアムズ 11ポイント
    10.アストンマーティン 3ポイント
    11.キャデラック 0ポイント

  • F1イタリアGP決勝 詳報:アントネッリ19番手から大逆転で母国優勝 角田裕毅10位

    F1イタリアGP決勝 詳報:アントネッリ19番手から大逆転で母国優勝 角田裕毅10位

    2026年F1第13戦イタリアGPの決勝が9月6日(日)、モンツァ・サーキットで行われ、メルセデスのキミ・アントネッリが19番グリッドから大逆転で優勝。ジョージ・ラッセルとの激しいチームメイト対決を制し、母国イタリアで歴史的な勝利を飾った。

    2位にはラッセル、3位にはマックス・フェルスタッペンが入り、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリが4、5位。ルイス・ハミルトンは6位まで挽回した。角田裕毅は10位でフィニッシュし、F1復帰後初ポイントを獲得した。

    スタート直後から波乱 ラッセルがガスリーを攻略
    ポールポジションからスタートしたピエール・ガスリーに対し、フロントローのラッセルが序盤からプレッシャーをかけた。2周目の第1シケインでラッセルがガスリーを抜き、トップへ浮上した。

    その後方ではフェラーリ勢が早くも波乱に巻き込まれた。1周目、第1シケインを並んで立ち上がったシャルル・ルクレールとハミルトンが接近。ハミルトンはアウト側へ押し出されるような形でグラベルにタイヤを落とし、大きく順位を下げた。ハミルトンは無線でルクレールに「押し出された」と訴えたが、この一件はレーシングインシデントとしてそれ以上の調査は行われなかった。

    ハミルトンは一時10番手付近まで後退。ホームレースで上位進出を狙っていたフェラーリにとって、厳しい立ち上がりとなった。

    ルクレールがパラボリカで大クラッシュ 赤旗中断
    フェラーリの悪夢はさらに続いた。2周目終盤、ルクレールが高速右コーナーのパラボリカで突然リアを失い、単独でタイヤバリアへ激しくクラッシュした。

    ルクレールにけがはなかったものの、SF-26は大破し、バリアにも大きな損傷が発生。レースは赤旗中断となり、修復作業のため約30分にわたって止められた。

    赤旗時点でラッセルがトップ、ガスリーが2番手。序盤からポジションを上げていたアントネッリは、19番グリッドからすでに12番手まで浮上していた。

    赤旗中はタイヤ交換が認められるため、各チームの戦略も大きくリセットされた。


    再スタート前に角田裕毅のスタート手順で仕切り直し
    レースはスタンディングスタートで再開されることになったが、グリッド整列時に角田裕毅のスタート手順を巡る問題が発生。スタートは一度中止され、エクストラフォーメーションラップが行われた。

    角田裕毅についてはスタート手順違反の疑いでレース後の審議対象となった。

    再スタート後はラッセル、ガスリー、フェルスタッペンを中心に激しい上位争いが展開され、その後方からアントネッリが猛烈な勢いで順位を上げていった。

    ハミルトンが挽回 ガスリーは徐々に後退
    1周目のアクシデントで順位を落としたハミルトンは、再スタート後に反撃を開始。10周目にはガスリーを抜き、再び上位争いへ戻った。

    ピアストリ、アントネッリも相次いでガスリーを攻略。予選で衝撃的なポールポジションを獲得したアルピーヌは、決勝ではトップ勢のレースペースについていくことができず、徐々に順位を落としていった。

    フェルスタッペンが首位浮上 アントネッリは13周で3番手
    12周目、フェルスタッペンがメインストレートでラッセルに接近し、第1シケインでオーバーテイク。レッドブルをトップへ押し上げた。

    しかし、レースの主役になりつつあったのはアントネッリだった。19番手スタートから次々と前車を攻略し、13周目には早くも3番手まで浮上。わずか13周で16台を抜き、チームメイトのラッセルの背後まで迫った。

    ラッセルはハード、アントネッリはミディアムと異なるタイヤを履いており、このタイヤ差が後半の戦略にも大きく影響することになった。

    ラッセルが首位奪還 アントネッリもフェルスタッペンを攻略
    15周目、ラッセルがクルバ・グランデでフェルスタッペンに接近し、第2シケインでオーバーテイク。再びトップに立った。

    その直後、アントネッリもフェルスタッペンを攻略して2番手へ浮上。16周目の時点でメルセデス勢が1-2体制を築いた。フェルスタッペンは無線でリアアクスルに問題があると訴えていた。

    19番手からスタートしたアントネッリは、レース序盤だけで一気に優勝争いへ加わることになった。

    メルセデス同士が激突 ラッセルとアントネッリが首位を奪い合う
    レース中盤は、タイトルを争うラッセルとアントネッリによるメルセデス同士の直接対決となった。

    22周目、ラッセルが第1シケインでアントネッリを抜いてトップへ浮上。しかしラッセルがワイドになると、アントネッリが切り返し、第2シケインで首位を奪い返した。

    23周目にはラッセルが再び第1シケインで前へ。2人は何度もポジションを入れ替えながら激しく争った。

    メルセデスは24周目、2台にバトルを止めて後続との差を広げるよう指示。翌周にはアントネッリにラッセルの後方を維持し、フェルスタッペンとの差を築いた後に順位を入れ替える方針を伝えた。

    アントネッリは指示に従って一旦ラッセルの後方に収まったものの、タイトルを争う2人だけに緊張感の高い展開が続いた。


    アストンマーティン・ホンダは2台リタイア
    27周目までにフェルナンド・アロンソがマシンダメージの疑いによってリタイア。ピットへ戻ってレースを終えた。

    さらに28周目、ランス・ストロールも油圧系トラブルの疑いでマシンを停止。アストンマーティン・ホンダは2台ともチェッカーを受けることができなかった。

    ストロールがコース脇にマシンを止めたことでVSC(バーチャル・セーフティカー)が導入され、このタイミングが優勝争いを大きく動かすことになる。

    VSCでアントネッリが新品ミディアム ラッセルはステイアウト
    VSC導入を見たメルセデスは、アントネッリをすぐにピットへ呼び込んだ。アントネッリは新品のミディアムタイヤへ交換。フェルスタッペンも同時にピットインした。

    一方、トップのラッセルはステイアウトを選択。長く使ったハードタイヤでトラックポジションを守る戦略を採った。

    アントネッリは6番手でコースへ復帰。ラッセルには大きな位置的アドバンテージがあったが、アントネッリには圧倒的に新しいタイヤという武器が残された。

    ここから、レースは「トラックポジションのラッセル対フレッシュタイヤのアントネッリ」という構図へ変化した。

    アントネッリが猛烈な追撃 次々と前車を攻略
    VSC解除後、アントネッリは新品ミディアムの性能を生かして猛追を開始した。

    ガスリーを抜いて5番手に上がると、続いてノリスも攻略。ファステストラップを記録しながら前との差を削り、さらにハミルトン、ピアストリも突破した。

    37周目にはピアストリを抜いて2番手へ浮上。この時点でトップのラッセルとの差は8.9秒だったが、アントネッリは1周ごとに大幅に差を縮めていった。

    一方、フェルスタッペンも後半にペースを取り戻し、ハミルトン、ピアストリを攻略。43周目には3番手へ浮上した。

    ラッセルのハードが限界 アントネッリが急接近
    40周を超えると、ラッセルのハードタイヤは明らかに厳しくなり始めた。

    45周目にはアントネッリとの差が3.9秒まで縮まり、46周目には2.8秒。47周目には2秒を切った。

    ラッセルはチームから「リスクを取らずに持ち帰れ」と指示される一方、アントネッリは毎周数コンマずつ差を詰め続けた。

    48周目には1秒以内に入り、オーバーテイクモードも使用可能な状態に。勝負は完全に射程圏内へ入った。

    アントネッリがグラベルへ飛び出すも再び追撃
    49周目、アントネッリはラッセルを抜こうとメインストレートで仕掛けた。

    しかし、アタックの途中でラインを外し、グラベルへ飛び出す痛恨のミス。それでもマシンを止めることなく脱出し、2番手を維持した。

    一度は勝機を失ったかに見えたが、アントネッリはタイヤについた汚れをすぐに落とし、再びラッセルの背後へ接近した。

    残り3周で逆転 26回目のオーバーテイクで首位へ
    50周目、アントネッリは再びラッセルを攻め、アスカリでついにオーバーテイク。レース26回目の追い抜きで首位に立った。

    19番グリッドからスタートし、一度は終盤にグラベルへ飛び出しながらも、アントネッリは遂にトップへ到達した。

    ラッセルは44周以上を走ったハードタイヤで反撃を試みたものの、フレッシュタイヤを履くアントネッリとの差を埋めることはできなかった。

    アントネッリは残り周回をコントロールし、そのままトップでチェッカーを受けた。

    アントネッリが今季7勝目 1966年以来のイタリア人勝者
    アントネッリは19番グリッドから大逆転を成し遂げ、2026年シーズン7勝目を獲得。母国イタリアGPで劇的な勝利を飾った。

    イタリア人ドライバーがイタリアGPを制するのは、1966年のルドビコ・スカルフィオッティ以来60年ぶり。モンツァの大観衆の前で、アントネッリは歴史に残るP19からP1へのカムバックを完成させた。

    タイトル争いでも大きな意味を持つ勝利となった。今回、アントネッリはPU交換ペナルティで19番手スタートとなり、ラッセルにとっては選手権ポイント差を縮める絶好の機会だった。

    しかし結果は正反対となり、アントネッリが優勝、ラッセルが2位。両者のポイント差は59点から66点へと拡大した。

    フェルスタッペン3位 ノリスがマクラーレン対決制す
    フェルスタッペンは序盤に一時トップへ立ち、リア周辺の問題を訴えながらも最後まで粘って3位表彰台を獲得した。

    その後方ではマクラーレンのノリスとピアストリが終盤まで接戦を展開。最終的にはノリスが4位、ピアストリが5位となった。

    ハミルトンは1周目の後退から6位まで挽回。フェラーリはルクレールが序盤にクラッシュしたため、ホームレースで表彰台を逃す厳しい結果となった。

    ポールポジションからスタートしたガスリーは7位。レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドが8位、アルピーヌのフランコ・コラピントが9位に入った。

    角田裕毅が10位 F1復帰後初ポイント
    角田裕毅は10位でフィニッシュし、最後の1ポイントを獲得した。

    レーシングブルズから代役としてF1復帰して以降では初のポイント獲得となり、モンツァで貴重なトップ10フィニッシュを記録した。

    一方、アストンマーティン・ホンダはアロンソとストロールがともにリタイア。ルクレールを含め3台がチェッカーを受けることができなかった。

    波乱の赤旗、メルセデス同士の首位争い、VSCによる戦略分岐、そして終盤の逆転。2026年F1イタリアGPは、19番手から26回ものオーバーテイクを重ねたアントネッリが母国で歴史的な勝利をつかむ劇的な一戦となった。

    イタリアグランプリ

    66点差に拡大 ラッセルには痛恨の敗戦
    今回の結果は、ドライバーズ選手権にも大きな意味を持つものとなった。アントネッリはイタリアGP前までラッセルに59点差をつけていたが、19番手スタートという不利な状況にもかかわらず優勝。2位に終わったラッセルとの差を66点へと広げた。

    ラッセルにとっては、アントネッリがPU交換ペナルティを受けたモンツァは大量にポイント差を縮める絶好の機会だった。それだけに、逆に後方から追い上げてきたタイトル争いのライバルに敗れたダメージは大きい。

    現在ラッセルはランキング2位を維持しているものの、3位ハミルトンとの差は10点。一方でアントネッリの66点リードは、仮に2戦連続でノーポイントに終わったとしても、ラッセルが2連勝した場合になお16点の余裕が残る計算となる。

    「Kimi」の大合唱 モンツァが歓喜に包まれる
    チェッカー後のモンツァは、地元イタリア人ドライバーの歴史的勝利に沸いた。

    表彰台の下には大勢のファンが集まり、イタリア国旗が振られる中、トリコローレのスモーク、紙吹雪、花火がサーキットを彩った。アントネッリがイタリア国旗を掲げると、スタンドとコース上からは「Kimi」の大合唱が起こった。

    表彰台に姿を見せた20歳のアントネッリは感極まった表情を浮かべ、イタリア国歌では胸に手を当てて歌った。1966年以来60年ぶりとなるイタリア人によるイタリアGP制覇。19番手からの大逆転という内容も含め、モンツァの歴史に残る一日となった。

  • F1イタリアGP 決勝 結果・タイムシート:アントネッリ優勝 角田裕毅10位入賞

    F1イタリアGP 決勝 結果・タイムシート:アントネッリ優勝 角田裕毅10位入賞

    F1イタリアGP 決勝の結果・タイムシート。9月6日(日)にモンツァ・サーキットで2026年のF1世界選手権 第13戦 イタリアグランプリの決勝レースが行われた。

    優勝はアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)。2位にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。角田裕毅(レーシングブルズ)は10位入賞。アストンマーティン・ホンダは、フェルナンド・アロンソ、ランス・ストロールともにリタイアだった。

    ■ アントネッリが19番手から大逆転で母国初優勝
    パワーユニット交換によるグリッド降格で19番手からスタートしたアンドレア・キミ・アントネッリが、驚異的な追い上げを披露した。序盤から次々と順位を上げ、赤旗後には12番手まで浮上。その後もオーバーテイクを重ね、終盤はチームメイトのジョージ・ラッセルを猛追した。49周目には一度グラベルへ飛び出す場面もあったが、50周目のアスカリで首位を奪取。イタリア人として1966年以来となるモンツァでの母国優勝を成し遂げた。

    ■ メルセデス同士が激しい首位争い
    レース中盤の主役となったのがラッセルとアントネッリによるメルセデス同士のバトルだった。アントネッリが18周目に首位へ浮上すると、20周目以降は何度も順位を入れ替える接近戦に発展。チームは一時、フェルスタッペンとの差を広げるために戦いを止めるよう指示したが、最終的には異なるタイヤ戦略で勝負を分ける形となった。終盤にフレッシュなミディアムを履いたアントネッリが追いつき、ラッセルを逆転した。

    ■ ルクレールが序盤に高速クラッシュ 赤旗中断
    フェラーリのシャルル・ルクレールは序盤、フェルスタッペンとの争いでポジションを失った後、パラボリカ立ち上がりでリアを滑らせてコントロールを失い、バリアにクラッシュした。他車との接触ではなく単独でのアクシデントで、マシンは大きなダメージを受けた。最初はセーフティカーが導入されたが、バリア修復が必要となったため赤旗に切り替えられ、レース展開が大きく変わった。

    ■ フェルスタッペンが復調して3位表彰台
    予選でリアアクスルの問題を訴えていたマックス・フェルスタッペンは、決勝でも序盤に同様の症状を無線で報告した。それでもレースペースは力強く、ハミルトン、ノリス、ピアストリらを相手に順位を上げた。終盤には一度ピアストリに抜き返されたものの再び3番手を奪還し、優勝争いには届かなかったが表彰台を確保した。

    ■ 角田裕毅が10位で貴重な1ポイント
    レーシングブルズの角田裕毅はハードタイヤを選択して長い第1スティントを狙った。レース中盤以降はトップ10圏内を走行し、44周目にはポイント獲得の可能性が伝えられる位置をキープ。最終的に10位でチェッカーを受け、復帰2戦目となるイタリアGPで1ポイントを持ち帰った。

    ■ アストンマーティン・ホンダが2台リタイア
    アストンマーティン・ホンダにとっては厳しいレースとなった。フェルナンド・アロンソはパワーユニット交換によりピットレーンからスタートしたものの、レース途中にマシンダメージでリタイア。さらにランス・ストロールも28周目にマシンを止めるよう指示され、このストップによってVSCが導入された。結果的に2台ともチェッカーまでたどり着けなかった。

    ■ VSCがアントネッリの逆転戦略を後押し
    28周目にストロールがマシンを止めたことでVSCが導入されると、メルセデスは絶好のタイミングでアントネッリをピットへ呼び込んだ。アントネッリは新品ミディアムに交換し、ラッセルはハードで首位に残留。トラックポジションを取るラッセルと、フレッシュタイヤで追い上げるアントネッリという構図が完成し、これが終盤の大逆転につながった。フェルスタッペンも同じVSCでピットインしている。

    ■ マクラーレン勢は4位と5位 優勝争いに絡めず
    マクラーレンはオスカー・ピアストリとランド・ノリスが上位を走ったものの、メルセデスとフェルスタッペンのペースには届かなかった。ピアストリは終盤に一時フェルスタッペンから3番手を奪ったが、その後に抜き返される。ノリスも終盤にチームメイトへ接近し、51周目には芝生にはみ出しながら仕掛ける場面があったが、最終的にノリス4位、ピアストリ5位でレースを終えた。

    イタリアグランプリ

    F1イタリアGP 決勝 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム GAP INT POS PIT
    1 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス ― ― ↑ 18 2
    2 63 ジョージ・ラッセル メルセデス +3.857 +3.857 - 0 1
    3 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル +14.718 +10.861 ↑ 2 2
    4 4 ランド・ノリス マクラーレン +19.056 +4.338 ↑ 4 1
    5 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン +19.253 +0.197 ↑ 1 1
    6 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ +24.655 +5.402 ↓ 2 1
    7 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ +27.351 +2.696 ↓ 6 1
    8 17 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ +45.136 +17.785 ↑ 1 1
    9 43 フランコ・コラピント アルピーヌ +47.353 +2.217 ↓ 2 1
    10 22 角田裕毅 レーシングブルズ +58.187 +10.834 ↑ 5 1
    11 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ +65.187 +7.000 ↓ 1 1
    12 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ +66.187 +1.000 - 0 2
    13 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ +74.117 +7.930 - 0 2
    14 30 リアム・ローソン レッドブル +75.609 +1.492 ↑ 8 2
    15 87 オリバー・ベアマン ハース +78.958 +3.349 ↓ 4 1
    16 31 エステバン・オコン ハース 1L +14.791 ↓ 2 2
    17 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 1L +13.677 ↑ 3 2
    18 11 セルジオ・ペレス キャデラック 1L +53.104 ↓ 1 2
    19 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 2L +26.835 ↓ 3 2
    DNF 18 ランス・ストロール アストンマーティン STOP ― ↓ 2 1
    DNF 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン RETIRED ― - 0 2
    DNF 16 シャルル・ルクレール フェラーリ RETIRED ― ↓ 19 0
  • アストンマーティン・ホンダF1 トラブルでイタリアGPを2台リタイア

    アストンマーティン・ホンダF1 トラブルでイタリアGPを2台リタイア

    アストンマーティン・ホンダは、2026年F1イタリアGP決勝でフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの2台がリタイアする厳しいレースとなった。

    アロンソはマシンにダメージが発生した疑いからレースを終え、その後、ストロールも油圧系の問題が疑われるトラブルによってマシンを止めた。これによりアストンマーティン・ホンダは2台ともチェッカーを受けることなくイタリアGPを終えることになった。

    アロンソはマシンダメージの疑いでリタイア
    アロンソはパルクフェルメ下でパワーユニット(PU)コンポーネントを交換したため、モンツァでの決勝をピットレーンからスタートした。

    後方から追い上げるレースとなったアロンソだったが、レース中盤を迎える前に戦列を離れることになった。

    アストンマーティンはアロンソについて「マシンにダメージがある疑いがあるため、フェルナンドのマシンをリタイアさせた」と発表した。

    F1公式のライブタイミングでも27周目の時点でアロンソがダメージによってリタイアしたことが伝えられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ストロールは油圧系トラブルの疑い
    さらにアストンマーティンをトラブルが襲った。ストロールは28周目にチームからマシンを止めるよう指示を受け、コース上にストップ。この影響でバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。

    チームはその後、「油圧系の問題が疑われるため、ランスはイタリアGPをリタイアした」と説明した。

    アロンソに続いてストロールもレースを終えたことで、アストンマーティン・ホンダはモンツァでダブルリタイアとなった。

    今週末のアストンマーティンは予選から苦戦を強いられており、アロンソはPU交換によってピットレーンスタートを選択。決勝でも2台にそれぞれ異なる問題が発生し、ポイント獲得の可能性を残すことなくレースを終える厳しい結果となった。

    なお、チームはいずれのトラブルについても現時点では「疑い」としており、アロンソのマシンダメージの詳細や、ストロールに発生した油圧系トラブルの原因については今後の調査で明らかになるとみられる。

  • 角田裕毅 F1イタリアGP再スタートで位置間違え エクストラフォーメーションラップ

    角田裕毅 F1イタリアGP再スタートで位置間違え エクストラフォーメーションラップ

    2026年F1イタリアGP決勝は、シャルル・ルクレールのクラッシュによる赤旗中断後の再スタートで、角田裕毅がグリッド上の位置を間違えたことによりスタート手順が中止され、エクストラフォーメーションラップが行われる展開となった。

    モンツァで行われた第13戦イタリアGPは、序盤にルクレールが最終コーナーでクラッシュ。レースは赤旗中断となり、その後スタンディングスタートによる再開に向けて各車がグリッドに整列した。

    角田裕毅がグリッド位置を間違える
    再スタート直前、通常のスタートシグナルではなく、スタート中止を示すアボートライトが点灯。各車はスタートせず、もう1周のフォーメーションラップを行うことになった。

    原因となったのは角田裕毅だった。

    リプレイ映像では、角田裕毅がグリッドに戻ってきた際にマシンを左側へ寄せた後、自身が停止すべきグリッドボックスが右側だったことに気付く様子が確認された。しかし、その時点では正しい位置へ移動することができず、グリッドボックス内の所定の位置にマシンを収めることができなかった。

    F1公式も「角田裕毅がグリッドボックス内の正しい位置についていない」と伝え、これによってスタート手順は中止。全車がエクストラフォーメーションラップへ向かった。

    追加の1周がタイヤ戦略にも影響
    エクストラフォーメーションラップは、再スタートに向けた各車のタイヤにも影響を与えることになった。

    赤旗中断前にミディアムタイヤを履いていたドライバーはハードタイヤへ変更。一方、ルイス・ハミルトンやマックス・フェルスタッペンらはソフトからミディアムへ変更しており、追加された1周によってタイヤをさらに温める機会を得ることになった。

    角田裕毅のグリッド位置の間違いによって再スタートは一度仕切り直され、2026年F1イタリアGPはエクストラフォーメーションラップを経て再開された。

    角田裕毅はミディアムで10番手まで浮上
    それでも角田裕毅は再スタート時の出来事を引きずることなく、ミディアムタイヤで積極的にポジションを上げていった。

    9周目には10番手まで浮上してポイント圏内へ進出。さらに前を走るハースのオリバー・ベアマンの背後に迫り、オーバーテイクの機会をうかがう展開となった。

    F1公式ライブテキストも「再スタート時の一件は忘れ、角田は彼が最も得意とすることをやっている――積極的に戦っている」とその走りを評価。「10番手まで上がり、ベアマンの背後にぴったりついている。レーシングブルズにはここでまずまずのペースがある」と伝えた。

    再スタート時には思わぬミスがあった角田裕毅だが、その後はミディアムタイヤで挽回し、ポイント獲得を狙える位置まで順位を上げた。

    FIAがスタート手順違反をレース後に審議
    一方、FIAスチュワードは角田裕毅の一件について、スタート手順違反(Starting Procedure Infringement)の疑いでレース後に審議すると発表した。

    FIAは現地時間15時41分47秒、「22号車(TSU)に関するインシデントはレース後に審議される。スタート手順違反」と通知した。

    審議対象となったのは、赤旗中断後の再スタートに向けてグリッドに整列した際の角田裕毅の停止位置だ。グリッドボックス内の正しい位置にマシンを停止できなかったことでスタート手順が中止され、エクストラフォーメーションラップが行われた。

    現時点でペナルティが科されるかどうかは決まっておらず、レース終了後にスチュワードが判断を下すことになる。

  • シャルル・ルクレール F1イタリアGPで高速クラッシュ 赤旗中断

    シャルル・ルクレール F1イタリアGPで高速クラッシュ 赤旗中断

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、2026年F1イタリアGP決勝の序盤に高速クラッシュを喫してリタイア。地元モンツァでのフェラーリにとって痛恨の展開となり、レースは赤旗中断となった。

    ソフトタイヤでスタートしたルクレールは、スタート直後から積極的にポジションを争い、一時はピエール・ガスリーをかわして2番手に浮上。しかしガスリーに抜き返された後、マックス・フェルスタッペンとの攻防を繰り広げ、その直後に最終コーナーのパラボリカでコントロールを失った。

    パラボリカ立ち上がりでリアを失いバリアへ
    ルクレールは高速のパラボリカを立ち上がる際、通常よりわずかにワイドなラインを通った。そこでアクセルを踏み込んだ瞬間にリアタイヤが大きく滑り、マシンが不安定な状態となった。

    ルクレールはカウンターステアを当てて立て直そうとしたものの、揺り戻しによってマシンは反対方向へ振られ、そのまま高速でタイヤバリアにクラッシュした。

    F1 TVで解説を務める元F1ドライバーのデビッド・クルサードは事故について「ルクレールはほんの少しワイドに出て、そこでパワーをかけたことでリアが滑った。そして修正した際の揺り戻しでタイヤバリアに向かってしまった」と分析した。

    リプレイでは他車との接触は確認されておらず、単独でのクラッシュだった。衝撃は大きかったものの、ルクレールは自力でマシンを降りている。

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ) イタリアグランプリ

    セーフティカーから赤旗に変更
    事故発生直後にはセーフティカーが導入されたが、バリアの修復が必要と判断されたため、その後レースは赤旗中断となった。

    ルクレールはコース脇で座り込み、落胆した様子を見せた。母国フェラーリにとってシーズン屈指の重要な一戦となるモンツァで、序盤から表彰台争いに加わっていただけに悔やまれるリタイアとなった。

    レースはジョージ・ラッセルが首位。ポールポジションからスタートしたガスリーが2番手、フェルスタッペンが3番手につけた状態で赤旗となった。

  • レーシングブルズF1首脳 イタリアGP予選「角田裕毅のQ1は計画通りにいかなかった」

    レーシングブルズF1首脳 イタリアGP予選「角田裕毅のQ1は計画通りにいかなかった」

    レーシングブルズの最高技術責任者(CTO)を務めるティム・ゴスが、2026年F1イタリアGPの予選を総括した。アービッド・リンドブラッドが6戦連続でQ3進出を果たして10番手を獲得した一方、角田裕毅は17番手でQ1敗退。ゴスは「複雑な感情が入り交じる一日だった」と振り返った。

    レーシングブルズのVCARB-03はモンツァで競争力を示しており、リンドブラッドはFP3でも上位につけた。

    しかし、角田裕毅はFP3でソフトタイヤによるクリーンな走行をまとめられず、さらに予選前には燃料漏れへの対応が必要となった。Q1では1分23秒755にとどまり、Q2進出ラインまで0.139秒届かなかった。

    「今日は複雑な感情が入り交じる一日だった」
    ゴスは、マシン自体には十分な速さがあったと説明。モンツァ特有の高速レイアウトに合わせ、ストレートでのドラッグを抑えながら、中高速コーナーで空力性能を引き出すことを目指してセットアップを進めたという。

    「今日はVCARBにとって複雑な感情が入り交じる一日だった。マシンは力強く、中高速域で究極の空力プラットフォームを引き出すことと、ストレートでのドラッグ低減を維持することの最適な妥協点を見つけるため、セットアップを細かく調整してきた」

    モンツァでは単純なマシンの速さだけでなく、予選でいかにトウを利用するかも重要になる。さらにアウトラップではタイヤを適切な作動領域に入れながら、アタックに向けてパワーユニットのバッテリーを準備しなければならない。

    「予選は、アウトラップでのタイヤの準備とパワーユニットのバッテリーレベルの準備を両立させながら、前のマシンから強力なトウを得るという、非常に複雑な作業になった」

    角田裕毅「相反する要求を正しいウインドウに入れられなかった」
    その複雑な条件をうまくまとめられなかったのが角田裕毅だった。

    ゴスは角田裕毅だけの問題とはせず、「together(ともに)」という表現を使い、チームとして必要な条件を揃えられなかったことを認めている。

    「裕毅のQ1は計画通りにはいかなかった。我々は一緒になって、これらの相反する要求のすべてを正しいウインドウに入れることができなかった」

    「エネルギーのマネジメントという点では、モンツァはザントフォールトとはまったく異なるコースだ。適応しなければならないことが多かったと言っていい」

    角田裕毅自身も予選後、アウトラップの準備に加えてパワーユニットとタイヤを適切なウインドウに入れることが難しかったと説明。また、ストレートだけで0.5秒以上を失っていたとして、「自分でコントロールできることは最大限やった」と語っている。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    リンドブラッドは6戦連続Q3進出
    一方、リンドブラッドはQ1とQ2を突破し、6戦連続となるQ3進出を果たした。

    「アービッドは最初の2つのセッションを余裕を持って突破し、今回もQ3の最終シュートアウトまで進んだ」

    Q3は僅差の争いとなり、リンドブラッドは1分22秒286で10番手。本人は最後のアタックで約0.1秒を失ったと説明しており、完璧にまとめていれば8番手が可能だったと考えている。

    ゴスも、あとわずかなタイムを引き出すことができれば、さらに1つか2つ順位を上げられたとの見方を示した。

    「非常に接近したセッションになったが、我々はフロントを走るチームと直接競い合う位置にいた。すべてを完璧にまとめることができていれば、さらに1つか2つ順位を上げるために必要な数百分の1秒を見つけられたと感じている」

    「それでも、再びトップ10からスタートできることには満足しているし、明日はポイントを争える強いポジションにいるはずだ」

    角田裕毅のQ1敗退という悔しい結果がある一方、リンドブラッドは6戦連続でQ3に進出。ゴスの言葉通り、レーシングブルズにとって明暗が分かれる予選となったが、VCARB-03そのものはモンツァでもポイントを争えるだけの競争力を示した。

  • アストンマーティン・ホンダF1 モンツァで苦戦「今のパッケージには合わない」

    アストンマーティン・ホンダF1 モンツァで苦戦「今のパッケージには合わない」

    アストンマーティン・ホンダは、2026年F1第13戦イタリアGPの予選で厳しい結果に終わった。フェルナンド・アロンソが21番手、ランス・ストロールが22番手となり、マイク・クラックはモンツァの高速特性が「今の我々のパッケージには合っていない」と認めた。

    アップデート投入後はパフォーマンス向上を示してきたアストンマーティン・ホンダだが、長いストレートと高速区間が特徴のモンツァではその勢いを維持できなかった。

    特にストレートでのペース不足が大きな弱点となり、2台ともQ1敗退を喫した。

    マイク・クラック「高速サーキットの特性が今のパッケージには合っていない」
    アストンマーティンのチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは、現在のマシンがモンツァの特性に適していないことが予選結果に表れたと説明した。

    「モンツァでは厳しい土曜日になった。この高速サーキットの特性は、現時点の我々のパッケージには合っていない」

    アストンマーティンはQ1を通じて、アロンソとストロールの双方にスリップストリームを利用させることでタイムを稼ごうとした。しかし、それでもQ2進出に必要なペースには届かなかった。

    「Q1を通して両方のマシンでトウを得ようとしたが、単純にQ2へ進出するだけのペースがなかった」

    アロンソは1分25秒150で21番手。Q1終盤にはマシンに問題が発生し、ガレージにとどまったことで新品タイヤを使った最後のアタックを行うことができなかった。

    「現在、Q1終盤にガレージから出られなくなったマシンの問題を調査している。新品タイヤを使う機会を逃したことで予選が早く終わってしまい、ラップタイムを更新するチャンスがなかった」とアロンソは説明した。

    「僕たちがライバルより後ろにいることは分かっている。特にストレートでペースが不足していて、それがこのサーキットを非常に厳しいものにしている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ストロールも1分25秒222で22番手に終わり、「今日の結果は予想していた通りだった。このコースが本当に大きなチャレンジになることは最初から分かっていた。ここで必要になるパワーが不足している。明日のレースも僕たちにとって難しいものになるだろう」と語った。

    クラックも決勝で状況が劇的に変化するとは考えていない。それでも、自分たちがコントロールできる部分を最大限に生かし、レース展開によって生まれるチャンスを逃さないことが重要だと強調した。

    「明日も同じようなチャレンジになるだろう。だからこそ、我々がコントロールできることを最大限に生かし、巡ってくるあらゆるチャンスをつかんでいく」

    予選では最後列を占めたアストンマーティン・ホンダだが、パワーユニット交換によるグリッド降格を受けるドライバーがいるため、決勝では順位を繰り上げてスタートする。ストレートでの弱点を抱えるモンツァで、チームは難しい条件の中からレースで得られる機会を最大限に生かすことを目指す。

  • 2026年F1イタリアGP 決勝:持ちタイヤ数&タイヤ戦略予想

    2026年F1イタリアGP 決勝:持ちタイヤ数&タイヤ戦略予想

    2026年F1イタリアGP決勝は、タイヤのデグラデーションが非常に小さいことから、基本的には1ストップ戦略が主流になると予想されている。ただし、ミディアム、ハード、ソフトのどの組み合わせも成立する可能性があり、単純な「最速戦略」だけでは勝負を読み切れないレースとなりそうだ。

    ポールポジションからスタートするのはアルピーヌのピエール・ガスリー。予選Q1で最速、Q2で4番手、そしてQ3ではジョージ・ラッセルを0.060秒差で退け、自身F1初のポールポジションを獲得した。

    アルピーヌにとって近年ほとんどなかった優勝争いのチャンスだけに、スタートタイヤとピットストップのタイミングが極めて重要になる。

    最速はミディアム→ハードの1ストップ
    ピレリのシミュレーションで理論上最速とされているのは、ミディアムでスタートし、ハードへ交換する1ストップ戦略だ。

    最適なピットウインドウは24~30周目。53周で争われるモンツァではオーソドックスな組み立てだが、今回の特徴は、他の1ストップ戦略とのタイム差が非常に小さいことにある。

    フリー走行で確認されたタイヤのデグラデーションは非常に低く、フロントタイヤにわずかなグレイニングの兆候はあったものの、十分にコントロールできる範囲だった。

    そのため、3種類のコンパウンドから2種類を選び、どの順番で使用してもレースを成立させられる可能性が高い。

    ミディアム→ハードが基準ではあるものの、それ以外の戦略も総レースタイムでは数秒以内に収まると予測されている。つまり、タイヤそのものよりも、それぞれのマシンがどのコンパウンドを得意としているかが重要になる。

    イタリアグランプリ タイヤ戦略

    ソフトスタートは序盤のポジション争いで武器
    ソフト→ハードの場合、想定されるピットウインドウは19~25周目。ミディアム→ソフトなら30~36周目、ソフト→ミディアムなら22~28周目となる。

    いずれも十分に現実的な戦略だ。

    特に注目されるのがソフトスタート。今週末のモンツァではオーバーテイクが必ずしも容易ではなく、スタート直後と序盤にソフトのグリップを使って順位を守る、あるいはポジションを上げるメリットは大きい。

    ポールのガスリーにとっても、長いホームストレートから第1シケインへ向かうスタートは大きな関門となる。後方にはラッセルをはじめ強力なライバルが並ぶだけに、序盤のトラックポジションを重視するならソフトは魅力的な選択肢となる。

    一方でリスクもある。早い段階でセーフティカーが導入されれば、多くのマシンが一斉にピットへ向かう可能性があり、その後をハードで長く走らなければならなくなる。

    ハード自体の耐久性が問題になるというより、長いハードスティントの終盤に再びセーフティカーが入った場合、より新しいタイヤを履いたライバルに対して不利になる可能性がある。

    イタリアグランプリ タイヤ差

    コンパウンド間の差は小さい
    ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキによれば、ハードとミディアムのラップタイム差は約0.2秒、ミディアムとソフトでは約0.5~0.6秒と見積もられている。

    ただし、決勝ではタイヤマネジメントが必要になるため、その理論上の差がそのまま表れるとは考えられていない。

    「コンパウンド間のラップタイム差は、ハードとミディアムで0.2秒、ミディアムとソフトでは0.5~0.6秒です。ただし、マネジメントを考えれば、レース中にそれが本当の意味で差になるとは思っていません。だからこそ、すべての戦略が接近しているのです」

    戦略ごとの期待値が接近していることで、ピットウォールは事前に決めたプランだけではなく、ライバルの動きやセーフティカー、トラフィックを見ながら判断する必要がある。

    昨年はミディアム勢がピットストップを大幅に先送り
    昨年のF1イタリアGPも基本戦略はミディアム→ハードの1ストップで、当初の想定ピットウインドウは22~28周目だった。

    しかし、上位勢はなかなかピットストップを決断しなかった。

    首位を走っていたマックス・フェルスタッペンがハードへ交換したのは37周目。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリはさらにステイアウトし、セーフティカーによる“安いピットストップ”の可能性を狙った。

    最終的にフェルスタッペンがセーフティカーウインドウまで迫ったことで、ノリスは45周目、ピアストリは46周目にピットイン。残り数周をソフトで走った。

    完走したドライバーで2ストップを選択した者はおらず、ミディアムスタートが主流だった。一方、14番グリッドからスタートしたアレックス・アルボンはハード→ミディアムで7位、19番グリッドからスタートしたアイザック・ハジャーも同じ戦略で10位に入り、後方スタートでは逆方向の戦略も機能することを示した。

    イタリアグランプリ 持ちタイヤ

    後方スタート勢にはハード→ソフトという選択肢
    後方グリッドからスタートするドライバーにとっては、ハード→ソフトも有力な選択肢になる。

    この場合、理論上の最適なピットウインドウは32~38周目。ハードで第1スティントを長く引っ張り、終盤にソフトへ交換して攻撃する形だ。

    さらに後方スタートでは、必ずしも理論上の最適周回でピットへ入る必要はない。ハードで可能な限り走り続け、終盤のセーフティカーを待つというギャンブルも成立する。

    通常の展開ならピレリはハードスタートを本命とはみていないが、後方から順位を上げるには、前方のマシンと異なる戦略を採用すること自体に意味がある。

    気温33度 路面温度は約55度の酷暑
    決勝日のモンツァは厳しい暑さになる見込みで、気温は33度、路面温度は約55度まで上昇すると予想されている。

    通常ならタイヤの熱劣化が懸念される条件だが、今週末の走行では高温による深刻なデグラデーションは確認されていない。

    つまり、暑さそのものによって2ストップが必要になる可能性は現時点では低く、依然として1ストップが基本線となる。

    ガスリーは「速さ」よりトラックポジションを守れるか
    戦略の自由度が高い今回のF1イタリアGPでは、ポールスタートのガスリーにとって、必ずしも理論上最速のミディアム→ハードを選ぶことが正解とは限らない。

    後方のマシンが異なるタイヤを選択すれば、スタート直後のグリップ差、アンダーカットとオーバーカット、セーフティカーのタイミングによって優位性は簡単に変化する。

    特にモンツァではピットストップによってトラックポジションを失えば、速いマシンでも前車を抜くために時間を費やす可能性がある。一方、デグラデーションが小さいため、第1スティントを延ばしてセーフティカーを待つ戦略も成立しやすい。

    最速とされるミディアム→ハードを軸に、ソフトの序盤性能を取るのか、ハードで長く引っ張るのか。各戦略の差がわずかだからこそ、2026年F1イタリアGPはタイヤ選択そのものよりも、レース展開に対していつ戦略を切り替えるかが勝負を左右することになりそうだ。