レーシングブルズの最高技術責任者(CTO)を務めるティム・ゴスが、2026年F1イタリアGPの予選を総括した。アービッド・リンドブラッドが6戦連続でQ3進出を果たして10番手を獲得した一方、角田裕毅は17番手でQ1敗退。ゴスは「複雑な感情が入り交じる一日だった」と振り返った。
レーシングブルズのVCARB-03はモンツァで競争力を示しており、リンドブラッドはFP3でも上位につけた。
しかし、角田裕毅はFP3でソフトタイヤによるクリーンな走行をまとめられず、さらに予選前には燃料漏れへの対応が必要となった。Q1では1分23秒755にとどまり、Q2進出ラインまで0.139秒届かなかった。
「今日は複雑な感情が入り交じる一日だった」
ゴスは、マシン自体には十分な速さがあったと説明。モンツァ特有の高速レイアウトに合わせ、ストレートでのドラッグを抑えながら、中高速コーナーで空力性能を引き出すことを目指してセットアップを進めたという。
「今日はVCARBにとって複雑な感情が入り交じる一日だった。マシンは力強く、中高速域で究極の空力プラットフォームを引き出すことと、ストレートでのドラッグ低減を維持することの最適な妥協点を見つけるため、セットアップを細かく調整してきた」
モンツァでは単純なマシンの速さだけでなく、予選でいかにトウを利用するかも重要になる。さらにアウトラップではタイヤを適切な作動領域に入れながら、アタックに向けてパワーユニットのバッテリーを準備しなければならない。
「予選は、アウトラップでのタイヤの準備とパワーユニットのバッテリーレベルの準備を両立させながら、前のマシンから強力なトウを得るという、非常に複雑な作業になった」
角田裕毅「相反する要求を正しいウインドウに入れられなかった」
その複雑な条件をうまくまとめられなかったのが角田裕毅だった。
ゴスは角田裕毅だけの問題とはせず、「together(ともに)」という表現を使い、チームとして必要な条件を揃えられなかったことを認めている。
「裕毅のQ1は計画通りにはいかなかった。我々は一緒になって、これらの相反する要求のすべてを正しいウインドウに入れることができなかった」
「エネルギーのマネジメントという点では、モンツァはザントフォールトとはまったく異なるコースだ。適応しなければならないことが多かったと言っていい」
角田裕毅自身も予選後、アウトラップの準備に加えてパワーユニットとタイヤを適切なウインドウに入れることが難しかったと説明。また、ストレートだけで0.5秒以上を失っていたとして、「自分でコントロールできることは最大限やった」と語っている。

リンドブラッドは6戦連続Q3進出
一方、リンドブラッドはQ1とQ2を突破し、6戦連続となるQ3進出を果たした。
「アービッドは最初の2つのセッションを余裕を持って突破し、今回もQ3の最終シュートアウトまで進んだ」
Q3は僅差の争いとなり、リンドブラッドは1分22秒286で10番手。本人は最後のアタックで約0.1秒を失ったと説明しており、完璧にまとめていれば8番手が可能だったと考えている。
ゴスも、あとわずかなタイムを引き出すことができれば、さらに1つか2つ順位を上げられたとの見方を示した。
「非常に接近したセッションになったが、我々はフロントを走るチームと直接競い合う位置にいた。すべてを完璧にまとめることができていれば、さらに1つか2つ順位を上げるために必要な数百分の1秒を見つけられたと感じている」
「それでも、再びトップ10からスタートできることには満足しているし、明日はポイントを争える強いポジションにいるはずだ」
角田裕毅のQ1敗退という悔しい結果がある一方、リンドブラッドは6戦連続でQ3に進出。ゴスの言葉通り、レーシングブルズにとって明暗が分かれる予選となったが、VCARB-03そのものはモンツァでもポイントを争えるだけの競争力を示した。
