マックス・フェルスタッペンは、2026年F1スペインGP決勝で2位表彰台を獲得した。レッドブル・レーシングにとってマドリンクは決して最も競争力のある週末ではなかったが、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングを生かして順位を上げ、終盤にはランド・ノリスの猛追を抑え切った。
3番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、序盤からアンドレア・キミ・アントネッリやルイス・ハミルトンと激しいポジション争いを展開。
最終的には優勝したアントネッリに続く2位でチェッカーを受け、「予想していた以上の素晴らしい結果」と週末を振り返った。
「予想していた以上の結果」
フェルスタッペンはレース後、2位という結果への満足感を示した。
「僕たちにとって素晴らしい結果だと思う。正直、レース前にはここまでの結果は予想していなかった」
「もちろんVSCのタイミングでは少しラッキーだった。でも、そういうこともレースの一部だ。今日はそれを最大限に生かすことができた」
予選では3番手を獲得していたものの、ロングランでマクラーレンやメルセデスと互角に戦えるかについては確信を持てていなかった。
それでも決勝では、序盤から表彰台圏内でレースを進めた。
スタート直後から激しいポジション争い
フェルスタッペンはスタート直後、ポールポジションのノリスと2番手アントネッリの後方からターン1へ向かった。
アントネッリがノリスへの攻撃でシケインをショートカットするなど、上位勢は序盤から激しい攻防を展開。フェルスタッペンもその混戦に加わった。
一時はアントネッリを抜いて前に出たものの、その後に順位を戻す場面もあった。
「スタートはかなり忙しかった。みんながポジションを争っていたし、いろいろなことが起きていた」
「僕としては、できるだけクリーンに走って、自分たちのレースをすることが重要だった」
レースが落ち着くと、フェルスタッペンはタイヤを管理しながら上位争いを続けた。しかし純粋なペースでは、先頭を走るノリスが優位に立っていた。

VSCがレースを大きく動かす
転機となったのは、ランス・ストロールがマシントラブルでコース脇にストップしたことで導入されたVSCだった。
ノリスはVSCが発動する直前にピット入口を通過していた一方、アントネッリとフェルスタッペンはタイムロスを抑えながらピットストップを行うことができた。
「僕たちはちょうどいいタイミングでピットに入ることができた。もちろん、それはラッキーだった」
「VSCではそういうことが起こる。過去には僕もそれで得をしたこともあれば、損をしたこともある。今回は僕たちにとってうまくいった」
このピットストップによってフェルスタッペンはノリスの前に出て、2位争いで大きなアドバンテージを手にした。
一方で、VSCの恩恵を受けられなかったノリスは後方から追い上げる展開となった。
ルクレールの後ろでタイムを失う
VSC後のフェルスタッペンにとって大きな問題となったのが、シャルル・ルクレールだった。
フェラーリはルクレールをハードタイヤで長く走らせる戦略を採用。フェルスタッペンはその後方でペースを抑えられる形となり、後方のノリスが急速にギャップを縮めてきた。
「シャルルの後ろではかなりタイムを失った。ここでは追い抜くのが簡単ではないし、近づくとさらに難しくなる」
ノリスは新品のハードタイヤで強烈なペースを発揮し、10秒以上あった差を一気に縮めた。
ルクレールがピットに入った後、フェルスタッペンは前方が開けたものの、その時点ではノリスがすでに背後まで迫っていた。
ノリスの猛追を最後まで抑え切る
終盤はフェルスタッペンとノリスによる2位争いとなった。
純粋なペースではノリスの方が速く、フェルスタッペンはほぼレース終了までプレッシャーを受け続けた。
「ランドはかなり速かった。特にハードタイヤでは僕たちより速かったと思う」
それでもフェルスタッペンはミスを見せず、ノリスに決定的なオーバーテイクの機会を与えなかった。
マドリンクでは前を走るマシンを抜くことが難しく、フェルスタッペンはコース上でのポジショニングを最大限に利用した。
「ここではマシンを真ん中に置いておけば、かなりうまくいく」
「もちろん簡単ではなかった。ランドはずっと近くにいたし、ミスをすればすぐにチャンスを与えることになる。でも、最後までポジションを守ることができた」
ノリスもレース後、フェルスタッペンについて「彼はほとんどミスをしなかった」と評価している。

「僕たちにはまだ改善が必要」
2位という結果には満足したフェルスタッペンだが、レッドブルの純粋なパフォーマンスについては冷静だった。
マドリンクでは予選からマクラーレンやメルセデスが強さを見せており、決勝でもノリスのレースペースはフェルスタッペンを上回っていた。
「結果としてはとても良かった。でも、純粋なペースを見れば、まだ僕たちには改善しなければならないところがある」
「こういう週末でも表彰台に上がって、多くのポイントを獲得できることは重要だ」
フェルスタッペンにとって、勝利を争えるだけの速さがない週末に最大限のポイントを持ち帰ることも、長いF1シーズンでは重要になる。
「こういう日には最大限を取ることが重要」
マドリンクで最速だったのはノリスだった。優勝したアントネッリ自身もレース後、「今日はランドが勝利に値した」と認めている。
フェルスタッペンもVSCによって有利になったことを隠そうとはしなかった。それでも、与えられたチャンスを生かし、最後までノリスを抑えて2位を守り切ったことには価値がある。
「こういう日には、得られるものを最大限に取ることが重要だ」
「僕たちは今日、それをできたと思う。2位は僕たちにとって素晴らしい結果だ」
純粋な速さだけを見れば、レッドブルにとって勝利を狙えるレースではなかった。それでもフェルスタッペンはVSCで生まれたチャンスを逃さず、最後にはより速いノリスからポジションを守り抜いた。
予想以上の2位。それは運だけで手にした結果ではなく、苦しい週末でもチャンスを最大限に結果へ変えるフェルスタッペンらしいレースでもあった。
