角田裕毅は、2027年のF1レギュラーシート獲得に向けて進めていた他チームとの話し合いについて、レーシングブルズから実戦復帰したことで「いったん保留になっている」と明かした。
前戦オランダGPでアイザック・ハジャーの代役として急きょF1復帰を果たした角田裕毅は、F1イタリアGPでも引き続きレーシングブルズをドライブ。2027年のF1復帰を最優先に掲げるなか、他チームから接触があったことをすでに認めていたが、実戦復帰によって状況に変化が生じている。
他チームとの話し合いは実戦復帰で一時保留
角田裕毅はこれまで、2027年のF1シートを巡って他チームから電話があったことを明かしている。具体的なチーム名は伏せているものの、「お互いを知ったり、状況がどうなっているのかを確認したり」という段階の話し合いが行われていた。
イタリアGPを前に改めて自身の将来について尋ねられた角田裕毅は、ここ数週間で接触があったことを認めたうえで、現在の状況を説明した。
「はい、ここ数週間で何度か電話をもらいました。でも、今のところ具体的なものはありません」
「今は、今回起きたことと僕がレースに戻ったことによって、話はいったん保留になっています」
前戦オランダGPから突然レースに復帰したことで、角田裕毅を取り巻く状況は大きく変わった。交渉が終了したわけではなく、レーシングブルズで与えられた実戦機会が、今後の去就を左右する新たな材料となっている。
イタリアGP出場は直前まで確定せず
角田裕毅のイタリアGP出場は、早い段階から確定していたわけではなかった。ハジャーの状態が確認されるなか、角田裕毅はどちらの状況にも対応できるよう、出場決定前日にはシミュレーターで準備を進めていたという。
「前日はシミュレーターに乗って、どちらになっても準備できるようにしていました。午後早くまでは確定していなくて、そのときに正式に『オーケー、裕毅が走る』と言われました」
「とてもうれしいです。僕はイタリアとは特別なつながりがあります」
ザントフォールトに続く2戦連続の実戦となったが、モンツァでは2026年F1マシンのエネルギーマネジメントという異なる課題に直面することになった。
モンツァはエネルギーマネジメントが大きな課題
高速区間の多いモンツァでは、ザントフォールトとはエネルギーの使い方が大きく異なる。角田裕毅は、2026年F1レギュレーション下では特に難しいサーキットになると説明していた。
「ザントフォールトはエネルギーを管理するうえでは最も簡単なサーキットのひとつでしたし、ある程度はスムーズにマシンへ適応できました。でも、ここはエネルギー供給がない状態では最も難しいサーキットです」
「まったく違いますし、このレギュレーションがどれだけ複雑なのかが分かります。エネルギーマネジメントとブレーキング時の回生について、かなり練習する必要があります」
さらに、コースへ出る段階からエネルギーの使い方を考えなければならない点も、モンツァ特有の難しさとして挙げていた。
「ザントフォールトでは、アウトラップやフォーメーションラップで何かをする必要はありませんでした。エネルギーは十分に充電されていて、フィニッシュラインを通過すれば準備が整っていました」
「でも、ここモンツァではフォーメーションラップの段階からエネルギーの供給について考えて、プッシュラップに向けたラップのどこでブーストを使うのかまで考えなければなりません。レースが一番大きなチャレンジになると思います」

「第二の故郷」イタリアで流れを変えたい
角田裕毅にとってイタリアは特別な場所だが、モンツァでのF1戦績にはこれまで恵まれていない。イタリアGPを前に、今回のチャンスを生かして流れを変えたいと語っていた。
「プレッシャーはありません。でも、ここではいい結果を出したいです。僕はこのサーキットで一度もいい結果を残せていません」
「4、5年の間に3回リタイアしていますし、2回はスタートすらできませんでした! 何が起きるか分かりません!」
「今回のチャンスで運が僕の方に向いてくれることを願っています。ここは僕にとって第二の故郷のような場所です。イタリアもイタリアの人たちも大好きですし、いい結果を残せればと思っています」
2027年のF1シートを巡る話し合いはいったん保留となったものの、角田裕毅にとって現在の実戦復帰そのものが将来に向けた重要なアピールの機会となっている。レーシングブルズでの走りが、今後の交渉を再び動かす材料になる可能性もある。
