マックス・フェルスタッペンは、2026年F1第14戦スペインGPで初開催を迎えるマドリンクについて、レッドブルのシミュレーターで走行した印象を明かし、「大きなクラッシュ」が起きる可能性があると警告した。
マドリード市街地に新設されたマドリンクは、壁が迫る高速区間を含む難易度の高いレイアウトが特徴だ。フェルスタッペンは、その性格をF1屈指の高速市街地コースであるジェッダに例え、1周を完璧にまとめることは非常に難しいと語っている。
シミュレーターでも「非常に難しい」
フェルスタッペンは自身のシミュレーターだけでなく、レッドブルのF1シミュレーターでもマドリンクを走行しており、すでに新コースの特徴を確認している。
「自宅でも走ったし、F1のシミュレーターにも入っている」
「ものすごく難しくなると思う。簡単なコースではない。何周か続けて走っても、ラインを通過したときに『よし、完璧なラップだった』と言うのはいつも難しい」
マドリンクは完全な新設コースであり、F1ドライバーの大半にとって実車での経験がない状態で週末を迎える。初開催という条件に加え、壁に囲まれた区間では小さなミスが即座に大きな代償につながる可能性がある。
フェルスタッペンが特に懸念しているのが、速度の高いコーナーと壁との距離だ。
「本当に難しい。それに、場所によっては大きなクラッシュが起きやすいようにも感じる」
「ある意味ではジェッダを少し思い出す。高速コーナーがあって、壁がすごく近いんだ」
サウジアラビアGPの舞台であるジェッダ市街地コースも、高速コーナーが連続する一方でランオフエリアが限られ、コースのすぐ近くに壁が迫ることで知られる。フェルスタッペンは、マドリンクにもそれに近い緊張感があると感じている。

F3テストでは2日間で赤旗19回
フェルスタッペンの警告を裏付けるように、F1に先立ってマドリンクで行われたFIA F3のテストでは、2日間で計19回の赤旗が提示された。
そのうち11回はバリアへの接触が原因で、10人のドライバーが壁にヒット。ターン3やターン5~7、ターン17など複数の場所で事故が発生しており、特定のコーナーだけではなく、コースのさまざまな場所にリスクが存在することが浮き彫りとなった。
特にターン7はブラインドの頂点を越えて右へ向きを変える難しい区間となっており、出口側には壁が迫る。また、ターン17周辺も壁に囲まれた90度コーナーが続くセクションへの入口となり、F3テストでは複数のアクシデントが確認された。
もちろん、F3で赤旗が相次いだことが、そのままF1でも同じ状況になることを意味するわけではない。それでも、フェルスタッペンがシミュレーター上で感じた難しさと、実際のF3テストで起きた出来事は、新コースがミスに厳しい性格を持っていることを示している。
初開催ならではの未知数も
さらにF1各チームにとって難題となるのが、実戦データがほとんど存在しないことだ。
フェラーリは7月にマドリンクでフィルミングデーを実施しているものの、走行距離や使用できるタイヤには制約があり、通常のテストとは性格が異なる。F1フィールドの多くはシミュレーションを頼りに金曜日のフリー走行を迎え、路面のグリップやタイヤの挙動、セットアップの方向性を短時間で見極めなければならない。
フェルスタッペンにとっても、シミュレーターでの準備と実際のコースを走ることは別物だ。壁が迫る高速区間では、金曜日から限界を探る必要がある一方、わずかなミスがマシンの損傷やセッション中断につながるリスクもある。
2026年F1スペインGPでは、純粋な速さだけでなく、新しいマドリンクにどれだけ早く適応できるかが重要になる。フェルスタッペンが「ジェッダに似ている」と評した高速コーナーと壁の組み合わせが、初開催の週末でどのようなドラマを生むのか注目される。
