マックス・フェルスタッペン F1のV8復活を2030年まで待つ覚悟「受け入れる」

マックス・フェルスタッペン F1のV8復活を2030年まで待つ覚悟「受け入れる」

マックス・フェルスタッペンは、F1とFIAとの協議を経て、将来的なV8エンジン復活を見据えながら、現行パワーユニット(PU)規則を受け入れる姿勢を示した。現在の2026年型PUには依然として満足していないものの、2027年と2028年に予定される変更、さらに2030年を視野に入れた次世代エンジン構想を踏まえ、「待つ用意がある」と語っている。

2026年に導入された新PU規則をめぐっては、フェルスタッペンはシーズン前から厳しい批判を続けてきた。

一方でF1とFIAも電動側への依存度を抑える方向で規則を段階的に修正する方針を固めており、その先にはV8エンジン復活という大きな選択肢も浮上している。

2026年型PUを「素晴らしいとは言えない」と評価
2026年のF1では、内燃エンジン(ICE)と電動側の出力比率が大きく変化した。2025年まではおおむねICEが80%、電動側が20%だったのに対し、新規則では両者の比重が大幅に接近した。

このコンセプトにフェルスタッペンは早い段階から疑問を呈していた。プレシーズンテストでは新世代マシンを「アンチ・レーシング」と表現し、「ステロイドを使ったフォーミュラEのようだ」とまで評している。

特に問題視してきたのが、電気エネルギーのマネジメントがドライビングやレースそのものに与える影響だ。サーキットによってはエネルギーの使い方がパフォーマンスを大きく左右し、従来のF1とは異なる走らせ方を要求される。

当時は、状況次第ではF1から早期に退く可能性まで示唆していたフェルスタッペンだが、その後レッドブル・レーシングとの契約を2030年末まで延長した。

そして現在は、現行規則に対する不満そのものは変わっていないものの、その先に予定されている改善を含めて受け止めようとしている。

「僕は今の状況を受け入れている。もちろん、個人的には満足していない」

フェルスタッペンは現在のPU規則についてそう語った。

「でも同時に、F1やFIAと話し合ってきたなかで、来年とその翌年に向けて少しずつ改善しようとしている。それに僕が契約した年まで考えれば、V8が復活する可能性への扉も開かれている。だから僕はそれを受け入れるつもりだ。ただ、現時点で素晴らしいかと言われれば、そうではない」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

2027年と2028年にICEの比重を段階的に拡大
フェルスタッペンが「少しずつ改善」と表現した背景には、すでに決まっているPU規則の変更がある。

2027年にはICEの最大出力が現行の420kWから450kWへ引き上げられ、ICEと電動側の出力配分も見直される。さらに2028年にはICE側の比重を一段と高め、出力配分を60対40まで変更する方向となっている。

つまり2026年規則をそのまま維持するのではなく、F1とFIAは段階的にICEへの依存度を高めることで、現在表面化している問題への対応を進める。

フェルスタッペン自身も、F1およびFIAとの協議に参加しながら、こうした方向性について意見を交わしてきた。

「僕は今でもレースが大好きだ。今もF1マシンであることに変わりはないし、サーキットによって良いところもあれば、そうではないところもある。そして、いくつかの部分について改善できることは間違いなく分かっている」

「だから、これから数年かけて少しずつ良くなっていくことを願っている」

2030年のV8復活が長期契約の先に
その先にあるのがV8エンジンの復活だ。

FIA会長モハメド・ベン・スレイエムは、2030年を次世代PU導入のターゲットとしており、V8エンジンをF1に復活させる構想を推進している。実現すれば、2013年以来のV8復活となる。

フェルスタッペンがレッドブル・レーシングと新たに結んだ契約も2030年末までとなっている。このため、現在の契約期間は次世代PUへの移行が想定される時期と重なる。

今回の発言で重要なのは、フェルスタッペンが単純に現行PUへの批判を撤回したわけではない点だ。「個人的には満足していない」「現時点では素晴らしくない」という評価は変えていない。

その一方で、F1とFIAとの直接的な話し合いを通じて、2027年、2028年と段階的に改善し、その先にV8復活の可能性を残すロードマップであれば受け入れられるという姿勢に変化している。

そしてV8が実際に2030年から復活することになれば、フェルスタッペンが2030年代もF1でレースを続ける可能性も出てくる。

現行PUへの不満から将来の引退まで口にしていたフェルスタッペンにとって、V8復活への「開かれた扉」は、F1に残り続けるうえで無視できない要素となっている。