カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • リアム・ローソン レッドブルF1代役で高評価「フェルスタッペンに予選0.1秒差」

    リアム・ローソン レッドブルF1代役で高評価「フェルスタッペンに予選0.1秒差」

    リアム・ローソンは、2026年F1オランダGPで負傷したアイザック・ハジャーの代役として急きょレッドブル・レーシングから出場。ほとんど準備時間がないなかでRB22への適応を進め、決勝7位という結果を残した。

    レーシングブルズのVCARB 03とレッドブルのRB22は同じパワーユニットを搭載しているものの、ローソンによれば、それ以外は「すべてが違う」マシンだった。

    しかもスプリントフォーマットのため走行時間は限られ、事前準備はミルトン・キーンズのシミュレーターでのわずか1日。

    それでも予選ではマックス・フェルスタッペンから約0.1秒差まで迫り、レッドブル首脳陣から高い評価を受けた。

    急きょ決まったレッドブル復帰と厳しい条件
    ローソンにとって、オランダGPは最初から難しい週末になることが予想されていた。

    レッドブルRB22と、普段ドライブしているレーシングブルズVCARB 03は同じパワーユニットを使用している。しかし、マシンの特性は大きく異なる。ローソンに与えられた準備期間は、ミルトン・キーンズのシミュレーターで過ごした1日だけだった。

    さらに舞台はフェルスタッペンの母国ザントフォールト。比較対象となるのは4度のF1ワールドチャンピオンであり、ローソン自身にとっても、2025年開幕時にわずか2戦で終了したレッドブルでの挑戦を経て、再びそのマシンをドライブする機会だった。

    その状況を考えれば、決勝7位はローソンに期待できる最大限に近い結果だった。オランダGPではレッドブル自体がトップ4チームのなかで後方に位置しており、上位6台との純粋なペース差も存在していた。

    メキース代表も評価「リアムはいい仕事をした」
    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、ローソンのパフォーマンスを高く評価した。

    「リアムはマシンに乗り込んで、いい仕事をした」とメキースは日曜日の夜に語った。

    「違うチーム、違うマシンに突然乗って、このようなレースに臨むのは決して簡単ではない。それでも彼はいい仕事をした。昨日の予選ではマックスからわずか0.1秒差だった。そして今日は、ペースという意味で獲得可能だったポイントを7位という形で持ち帰った」

    スプリント週末だったため、ローソンがマシンを理解するために使える通常のフリー走行は金曜日のFP1だけだった。

    それでもスプリント予選ではSQ1を6番手で通過。SQ2では11番手となり、スプリントも同じ11位でフィニッシュした。

    その走行からさらにRB22への理解を深め、通常予選ではQ1を14番手、Q2を8番手で突破。Q3でも8番手となり、7番手フェルスタッペンのすぐ後ろから決勝をスタートすることになった。

    「短い時間で積み上げるのはとても難しかった」
    ローソンは予選後、限られた時間でRB22に適応する難しさを振り返った。

    「短い時間のなかで積み上げていくのは、とても難しかった」

    「でも、もちろん週末を通して改善し続けることが目標だった。予選までには、僕がマシンに慣れるために、みんなが本当にいい仕事をしてくれたと思う。可能な限り快適に乗れる状態にはなった」

    「僕自身としても、マシンから引き出せるものはほぼすべて引き出せたと思う」

    ローソンは、当初からフェルスタッペンとの差を可能な限り縮め、そのドライビングから学ぶことを目標にしていたという。

    「ドライバーなら、みんな自分自身に対する強い自信を持っている。当然だと思う」

    「だから、この週末にはあまり多くを期待せずに入ったけど、可能な限り準備はしてきた。今年のマシンの速さがどのくらいなのかは分かっていたから、とにかくマックスにできるだけ近づいて、彼がやっていることから学ぼうとしていた」

    「正直、最初から僕たちが予想していたより少し近かったかもしれない。でも、大事なのは毎回きちんと実行して、それぞれのラップをまとめることだった」

    スプリント予選では、セッション間でライバルとの相対的なパフォーマンスが大きく変化したことにも戸惑った。

    「SQ1は難しかった。僕たちは速かったけど、自分では特別なことをした感覚はなかった。それからSQ2に行って、自分としてはもっといいラップを走ったと思ったのに、他のみんなと比べるとかなり遅かった」

    「だから、その部分はまだ完全には理解できていない。でも、今日はうまくまとめられたと思う」

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    RB22とVCARB 03「PU以外はすべて違う」
    ローソンは、同じレッドブル系の2チームであっても、RB22とVCARB 03のドライビング感覚にはほとんど共通点がないと説明する。

    「正直、一番分かりやすく説明するなら、パワーユニット以外はすべてが違う」

    「ステアリングから感じるものとマシンの動き方、コーナーでのバランス、もちろん高速コーナーでのグリップも違う。本当にすべてが違う」

    それでもローソンは、2025年シーズン序盤にレッドブルをドライブしたときより、今回の方が対応しやすかったと感じている。

    昨年はオーストラリアGPと中国GPという厳しい2戦を終えた後、レーシングブルズへ戻ることになった。

    「正直、昨年一番大きかったのは、僕が走ったことのないサーキットが2つだったことだ」

    「そのうえで、すでにかなり運転するのが難しいマシンを学ばなければならなかった。今年のマシンは、おそらくそれほど運転するのが難しいわけではない。あるいは限界まで持っていくこと自体は、それほど難しくないと思う」

    「だから今回は、それ以外のすべてをまとめることの方が重要だった。タイヤの準備、マシンのバランスを正しく合わせること、そして実際にどういう動きをするマシンなのかに慣れることだ。昨年は、単純に限界まで持っていくこと自体がとても難しいマシンだった」

    フェルスタッペンと1周目からホイール・トゥ・ホイール
    日曜日の決勝はスタート前の雨によって難しいコンディションとなった。

    ローソンはクリーンにスタートを決め、序盤の数コーナーではチームメイトのフェルスタッペンとホイール・トゥ・ホイールの攻防を展開。最終的にはフェルスタッペンが前に出た。

    しかし、最終バンクコーナーでフェルスタッペンが濡れた路面に足を取られてコントロールを失い、バリアにクラッシュ。直後を走っていたローソンも回避を強いられた。

    「もうどうしようもなかった」

    「ラップ前半は完全にドライだったのに、最後の2コーナーは完全に濡れていた。これだけのパワーがあって、スリックタイヤを履いていれば、当然ああいうことは本当に簡単に起こってしまう」

    ローソン自身は慎重に最終コーナーへ進入していたという。

    「僕は本当にかなりアクセルを戻していた。正直、どのくらいグリップがあるのかまったく自信がなかったからだ」

    「マックスはおそらく僕に近づいてオーバーテイクを狙おうとしていて、それでコントロールを失ったんだと思う」

    決勝7位「前のグループと戦える速さはなかった」
    赤旗後の再スタートを7番手で迎えたローソンは、そのポジションを維持した。

    上位6台と中団グループの間で単独走行する形となり、黄旗中の違反によって10秒ペナルティを受けたものの、最終順位には影響せず7位でフィニッシュした。

    「レースについては、もっと改善できるところがあると思うし、それについては振り返ってみる」

    「でも順位という意味では、前のグループと戦えるだけの速さはなかったと思う。それは昨日の時点でも分かっていた。予選でも僕たち2台は彼らの後ろだったからね」

    「でも、いい週末だった。昨日の予選でマシンからすべてを引き出せたのはよかった。短い時間でこのマシンを理解するのは大変だったけど、楽しめたよ」

    2025年にはわずか2戦で終わったレッドブルでの挑戦。それから約1年半を経て突然巡ってきた今回の代役出場で、ローソンは限られた準備時間にもかかわらずフェルスタッペンに予選で約0.1秒差まで迫り、決勝ではチームが獲得可能だった7位を確保した。RB22への素早い適応と安定した仕事ぶりを示した週末となった。

  • 角田裕毅 2027年F1シートへ他チームに猛アピール「僕に電話してください!」

    角田裕毅 2027年F1シートへ他チームに猛アピール「僕に電話してください!」

    角田裕毅が、2027年のF1シート獲得に向けて強烈なアピールを送った。レーシングブルズから1戦限りでF1復帰を果たした角田裕毅は、自身の実力をパドックに示せたとの手応えを口にし、まだ来季のラインナップを決めていないチームに「僕に電話してください!」と冗談交じりに売り込んだ。

    2026年はF1のレギュラーシートを失い、レッドブル・レーシングのリザーブドライバーとして過ごしてきた角田裕毅。

    2026年をレッドブル・レーシングのリザーブドライバーとして過ごしてきた角田裕毅にとって、オランダGPは昨年12月のアブダビGP以来となるF1実戦だった。慣れないVCARB-03を駆りながらセッションを重ねるごとにペースを上げ、決勝ではポイント獲得まであと一歩の11位。1戦限りのチャンスを、自身を再びF1パドックのレーダーに載せる機会へと変えた。

    2025年の苦境から再びF1のレーダーへ
    角田裕毅は2025年、レッドブルでやや悲惨ともいえるシーズンを経験した。その状況を考えれば、再びF1のレースシートへ戻る道が開けるとは想像しにくかった。

    しかし、慣れないVCARB-03で堅実なパフォーマンスを見せたオランダGPは、角田裕毅にとって各チームへの名刺代わりとなった。

    現在F1のレギュラーシートを持たないドライバーの中でも、角田裕毅は最も経験豊富かつ有力な候補の一人だ。ザントフォールトでの走りは、その事実をF1パドックにあらためて印象づけるものとなった。

    レッドブル陣営にはF2選手権をリードするニコラ・ツォロフをはじめとした若手が次のチャンスを待っており、角田裕毅が同陣営で再びレギュラーシートを得る道は容易ではない。

    一方、レッドブル以外に目を向ければ、ザントフォールトで走る前よりも可能性は広がったと考えられる。

    F1以外では、これまで長年にわたって築いてきたHondaとの強いつながりを背景に、将来的にインディカーへ向かう可能性もある。それでも今回のオランダGPで角田裕毅が明確にしたのは、F1のレギュラーシートを再び手にしたいという意思だった。

    TPCとRB22シミュレーターで実戦感覚を維持
    昨年12月のアブダビGPを最後にF1レースから離れていた角田裕毅だが、この8カ月間を何もせずに過ごしていたわけではない。

    レッドブルの旧型車を使用したTPC(Testing of Previous Car)で実車を走らせることで感覚を維持するとともに、ミルトン・キーンズのシミュレーターでは現行マシンのRB22を数多くドライブしてきた。

    このシミュレーター作業は単にコースを走る感覚を維持するだけではなく、2026年のFordパワーユニットをどのように使うかについて理解を深める機会にもなった。

    一方、レーシングブルズのVCARB-03については事情が違った。

    オランダGPへの出場決定が直前だったため、角田裕毅がVCARB-03をシミュレーターで初めて試せたのはレース週の水曜日。それでも、この事前走行によって実際にザントフォールトでマシンに乗り込む前に最低限の準備を整えることができた。

    わずか1時間のフリー走行を終えると、すぐにスプリント予選へ突入。SQ1を13番手で通過し、SQ2では12番手となった。

    この時点でチームメイトのアービッド・リンドブラッドとの差は0.360秒。初めて実車で走らせるVCARB-03であることを考えれば、悪くないスタートだった。

    「最後の数ミリ秒を追い求める感覚が恋しかった」
    スプリントで24周を走った経験も大きかった。決勝を想定した各種手順やエネルギーデプロイメントなど、レッドブルとは異なるシステムを実戦のなかで学ぶことができた。

    「本当に、本当に役に立ちました。特に決勝に向けて、レース前にあれを経験できたのは良かったです」

    角田裕毅はスプリントについて語った。

    「すべての手順やデプロイメントのマネジメントがかなり違います。だから決勝に向けて重要だったと思いますし、24周のすべてのラップで学ぶことができました。それを予選でも証明できたと思います」

    土曜日の予選では、その適応がタイムにも表れた。

    Q1を8番手で突破し、Q2では12番手。リンドブラッドとの差はスプリント予選の0.360秒からわずか0.102秒まで縮まった。

    「正直、本当にうれしいです。この予選はすごく楽しめました」

    「昨日のスプリント予選も悪くはなかったですけど、まだ限界がどこにあるのか分かっていませんでした。僕にとってはまだ新しいマシンでしたから」

    「でも今回はちゃんとした予選という感じで、マシンをもっと信頼してコーナーに飛び込んでいくことができました。まだ4セッション目くらいですし、もっと改善できるところがたくさんあるのも分かっています」

    そして、久々にF1の予選を全力で攻める感覚を味わった喜びを口にした。

    「正直、この感覚が恋しかったです。最後の数ミリ秒、最後のコンマ数秒を追い求めるような感覚です。本当にすごく楽しんでいます」

    「セッションごとにどんどん近づいています。もう1セッション、もう1ラウンドあればと思いますけどね。でも、まだ決勝というもう1セッションがありますし、ポイントにも近いので楽しみです」

    角田裕毅 F1

    決勝では最後までポイント争い
    決勝では、角田裕毅と元チームメイトで友人でもあるピエール・ガスリーが長時間にわたってポイント圏を争った。

    最終的にはガスリーが10位で最後の1ポイントを獲得し、角田裕毅は11位。惜しくもポイントには届かなかった。

    それでも、8カ月近くF1レースから離れ、初めて乗るマシンで臨んだ週末としては大きな手応えが残った。

    「正直、自分が予想していたよりも速く進歩できたと思います」

    「昨年のアブダビ以来、8カ月の間に4回しか走っていませんでした。それを考えれば、かなりうまくできたと思います」

    リザーブ期間中も自身を実戦に対応できる状態に保ってくれたレッドブルへの感謝も口にした。

    「レッドブルには感謝しています。シミュレーターなどを通して、かなりいい状態を保たせてくれました」

    「全体的に本当に楽しめましたし、自分にできる限り100%を出せたと思います。かなりうまくやれたと思います」

    一方で、急きょ異なるチームのマシンをドライブする難しさについては「ほとんどすべて」がチャレンジだったと振り返る。

    「デプロイメントやボタン、すべてについて学ぶことがたくさんありました。手順も全部違います」

    「今回のレースはデグラデーションの面でも難しかったです。デグラデーションの特性がかなり違っていたので、それに適応するのは大変でした」

    それでもレーシングブルズのサポートによって、短期間でパフォーマンスを引き出すことができた。

    「正直、チームが本当にたくさんサポートしてくれて、できるだけ速く走れるようにしてくれました」

    「もちろんポイントを獲れなかったのは残念です。でも、最後の数周までトップ8、トップ9あたりと戦えたことを考えれば、受け入れられる結果だと思います」

    「パドックに自分が何をできるか示せた」
    角田裕毅にとって今回のオランダGPで最も重要だったのは、2026年のF1マシンでも自分が何をできるのかを各チームに直接見せられたことだった。

    「自分に何ができるかは分かっています」

    「そして、たった1レース、数セッションだけでしたけど、パドックのほとんどの人たちに、自分に何ができるのかをかなり示せたと思います」

    「ポイントに近いところで戦うことができました。もちろん結果としてはポイントを獲れた方が良かったですけど、そのために自分ができることはすべてやったと思います」

    レースに出場する機会を得たこと自体にも大きな意味があった。

    「こういう機会がある方が、何の機会もなくて、このレギュレーションで自分に何ができるのかをパドックに見せられないより、間違いなくいいです」

    「だから全体的にポジティブだったと思いますし、自分が見せたパフォーマンスもポジティブだったと思います」

    2027年へ「僕に電話してください!」
    そして角田裕毅は、2027年のF1シートをまだ確定させていないチームに向けて、自らを売り込んだ。

    「ここからは僕のマネージャーと、まだ来年のラインナップを決めていない他のチーム次第です。僕を起用したいと思ってくれるかどうかですね。でも、僕をチームに加えるべきだと思います!」

    さらに別の取材では、同じ質問に冗談を交えながら、よりストレートなメッセージを送った。

    「僕に電話してください!」

    角田裕毅が2027年のF1レギュラーシートを手にできる可能性は、依然として限られている。しかし、ザントフォールトに来る前と後では、その立場は確実に変わった。

    1戦限りの復帰でセッションを重ねるたびにVCARB-03への理解を深め、レギュラードライバーとの差を縮め、決勝では最後までポイントを争った。角田裕毅は与えられたわずかなチャンスを使って、自分が今もF1で戦えるドライバーであることをパドックに示した。

    あとは、その走りと「僕に電話してください!」というメッセージに応えるチームが現れるかどうかだ。

  • リアム・ローソン レッドブルF1で7位入賞「このマシンならもっと上を狙いたかった」

    リアム・ローソン レッドブルF1で7位入賞「このマシンならもっと上を狙いたかった」

    リアム・ローソンは、2026年F1オランダGP決勝を7位でフィニッシュ。レッドブル・レーシングでの代役参戦をポイント獲得という結果で締めくくったものの、「このマシンならもっと上でフィニッシュしたかった」と、満足しきれない思いを口にした。

    アイザック・ハジャーに代わってレッドブルのRB22をドライブしたローソンは、8番グリッドからスタート。序盤にマックス・フェルスタッペンがクラッシュでリタイアしたことで、チーム唯一の生き残りとなった。

    イエローフラッグ違反によるペナルティもあり、上位勢のペースには届かなかったものの、最終的に7位でポイントを持ち帰った。

    「予想以上に厳しいレースだった」
    「正直、かなり孤独なレースだった。今日は前の連中のペースについていくのに苦労した」

    ローソンはレース後、そう振り返った。

    「昨日の時点で、僕たち2人とも上位勢の後ろにいたし、予選自体は悪くなかったと思っている。自分としては、マシンから出せるものはすべて引き出せたと思っていたから、難しいレースになることは分かっていた」

    「ただ、ここまで厳しくなるとは思っていなかった。本当に前の連中のペースについていくのに苦労した。でも、そこから学べることはある。振り返って、自分にもっと何ができたのかを理解したい」

    レッドブルのRB22は週末を通じて上位勢と勝利を争えるだけのペースを示せず、フェルスタッペンもクラッシュ前から苦しい展開を強いられていた。

    それでもローソンは、慣れないマシンでの一戦でポイントを獲得。チーム公式コメントでは、限られた準備時間のなかで可能な限りの結果を引き出せたとの手応えを語っている。

    「ポイントを獲得できたことはうれしい。ザントフォールトのようにマシンへの大きな自信が必要なサーキットでは、難しい週末になることは分かっていた。でも、自分たちにできることはすべて引き出せたと思う」

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)

    フェルスタッペンのクラッシュ「かなり怖い瞬間だった」
    ローソンの目の前では、オープニングラップにフェルスタッペンが大クラッシュを喫した。雨で濡れた路面で白線に乗ったフェルスタッペンはコントロールを失い、バリアに激突。レースは赤旗中断となった。

    「マックスに起きたことは残念だった。あの場所は信じられないくらい滑りやすくて、スリックタイヤでは本当に簡単にマシンを失ってしまう状態だった」

    「僕はすぐ後ろにいたから、かなり怖い瞬間だった。彼が無事で本当によかった」

    7位にも満足せず「このマシンならもっと上に」
    ローソンは週末全体について、特に予選でRB22のポテンシャルを引き出せたことには一定の満足感を示した。一方で、決勝7位という結果だけで満足するつもりはない。

    「昨日についてはかなり満足している。予選でマシンから引き出せるものは引き出せたと思う」

    「今日の7位はまずまずの結果だけど、こういうマシンに乗っているなら、やっぱりもっと上でフィニッシュしたい」

    「まったく新しいマシンにいきなり乗るのは簡単なことではない。でも、チームは僕が快適に走れるようにいい仕事をしてくれた。この機会を与えてもらえたことに感謝している」

    急きょレッドブルのRB22を任されたローソンにとって、7位入賞は堅実な結果となった。ただし本人が求めていたのは、単にポイントを持ち帰ることではなかった。上位勢との差を肌で感じたオランダGPは、レッドブルのマシンを経験する貴重な機会であると同時に、ローソン自身に新たな課題を残す一戦となった。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGP大クラッシュを説明「不意を突かれた」

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP大クラッシュを説明「不意を突かれた」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1オランダGP決勝で喫した大クラッシュについて、路面に現れ始めたドライラインを見てアクセルを踏んだ直後、マシンの挙動が急激に変化してコントロールを失ったと説明した。

    ザントフォールトで行われる最後のF1オランダGPは、地元の大観衆が見守るなか、フェルスタッペンにとってわずか1周で終了した。高速でバリアに激突したマシンはコース上へ跳ね返されたが、後続車とのさらなる事故は幸いにも避けられた。

    最終コーナーでドライラインを見て加速
    決勝前に降った雨によって、スタート時のザントフォールトにはまだ濡れている場所が残っていた。

    7番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、序盤から激しい攻防に巻き込まれた。スタートではルイス・ハミルトンとの争いで芝生側へ押し出され、その後はレッドブルで代役参戦していたリアム・ローソンを抑えながら走行していた。

    しかし、オープニングラップの最終コーナーで状況が一変する。

    バンクのついた高速コーナーでフェルスタッペンのRB22はイン側の縁石付近から姿勢を乱し、そのままアウト側のバリアへ激しく衝突。マシンはスピンしながらコース上へ戻り、タイヤのひとつが外れた状態で停止した。

    フェルスタッペンは、自らの判断ミスだったことを認めている。

    「もちろん、あのコーナーはまだかなり濡れていた。でも、コーナーを通過しているときに、あるところから少しドライラインが見えてきたんだ」

    「そこからはまた加速できると思った。でも、突然ものすごく挙動が変わって、不意を突かれた。それだけだ」

    「修正しようとしたけど、できなかった。それでウォールに当たった」

    クラッシュ後、フェルスタッペンのマシンは後続車が接近するコース上へと跳ね返されている。

    「正直、もっとひどいことになっていてもおかしくなかった。後ろにはたくさんのマシンがいたからね。でも幸い、そこはすべてうまくいった」

    激しい衝撃もフェルスタッペンは無事
    高速でのクラッシュだったものの、フェルスタッペン自身に大きな問題はなかった。

    事故後、身体の状態を聞かれると「大丈夫だ」と答え、衝突の角度も最悪のものではなかったとの認識を示した。

    「たぶん、SAFERバリアには当たっていたと思う」

    「それに、横方向から当たるより、もう少し正面方向からの衝撃の方が実際にはいいと思う。そういう意味ではすべて大丈夫だ」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    最後の母国GPは「残念なペースと残念な終わり方」
    フェルスタッペンにとって今回の一戦は特別な意味を持っていた。ザントフォールトでのオランダGPは2026年限りでF1カレンダーから姿を消すため、これが当面最後の母国レースとなる。

    だが、レッドブルは週末を通してマクラーレン、メルセデス、フェラーリに対して苦戦。フェルスタッペン自身も体調不良を抱えながら走り、予選では7番手にとどまっていた。

    最後の母国GPをクラッシュで終えた心境について、フェルスタッペンは簡潔に振り返った。

    「今週末はもちろん残念だった。ペースも残念だったし、週末の終わり方も残念だった。それですべてをまとめられると思う」

    レッドブルは「平均すれば4番手」
    さらにフェルスタッペンは、今回のザントフォールトでの苦戦が単発のものではなく、2026年シーズンにおけるレッドブルの現在地を表しているとの見方を示した。

    「シーズン全体を平均して見れば、僕たちは4番目に速いチームだった。だから、今週末はそれが本当によく表れていたと思う」

    「間違いなく少し遅れている。もちろん、もっと近づきたい。モンツァでは近づけるかもしれないけど、それは分からない」

    そして、シーズン終盤が近づくなか、レッドブルの視線はすでに2027年型マシンにも向き始めているという。

    「シーズン終盤に近づいているし、来年のことも見なければならない」

    「マシンには、かなり大きなパフォーマンスを見つけるためには来年にならないと変更できない部分がいくつかあると思う。だから、このマシンでできることをすべて最大限に引き出していく」

    「もちろん、シーズン終盤はそれほど簡単にはならない。でも、できる限りベストを尽くすよ」

    ザントフォールト最後のF1オランダGPは、フェルスタッペンにとって望んでいた形とは正反対の結末となった。だが、自らのミスを認めると同時に、レッドブルが現在抱える根本的なパフォーマンス不足にも目を向け、残るシーズンと2027年に向けて立て直しを図ることになる。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGP決勝1周目に大クラッシュ 赤旗中断

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP決勝1周目に大クラッシュ 赤旗中断

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が、2026年F1オランダGP決勝の1周目にクラッシュ。最終コーナーでマシンのコントロールを失い、激しくバリアに衝突したことでレースは赤旗中断となった。

    母国ザントフォールトで7番グリッドからスタートしたフェルスタッペンにとって、まさかの展開となった。大きな衝撃を伴うクラッシュだったが、フェルスタッペンは直後に無線で自身が無事であることを伝え、その後メディカルカーで現場を離れた。

    1周目の最終コーナーでフェルスタッペンがクラッシュ
    事故が起きたのはスタート直後の1周目。雨の影響で路面の一部に濡れた箇所が残る難しいコンディションのなか、フェルスタッペンは最終コーナーでイン側のラインを通過しようとした。

    その際、タイヤが白線に乗ったところでリアのグリップを失い、マシンはスピン。そのままバリアへ激しく衝突した。

    F1公式ライブでは、事故が表示された時点ですでに先頭が2周目に入っていたため「LAP 2/72」となっていたが、後方を走っていたフェルスタッペン自身は1周目の最終コーナーを走行していた。

    クラッシュ直後、フェルスタッペンはチーム無線で無事を報告。事故の衝撃が大きかったこともあり、その後はメディカルカーに乗って現場を離れた。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    赤旗提示で全車がピットレーンへ
    フェルスタッペンのクラッシュを受けて赤旗が提示され、各車はピットレーンへ戻った。タイミングモニター上では3周目に入った段階でレースが中断された形となった。

    フェルスタッペンのマシンはコース脇から撤去され、安全確認とバリアのチェックが進められることになった。

    ザントフォールトで最後の開催となるF1オランダGPで、地元の大声援を受けていたフェルスタッペンがスタート直後に戦列を離れるという衝撃的な展開となった。

    ボルトレトもスピン 角田裕毅は11番手に浮上
    フェルスタッペンの事故とほぼ同じタイミングでは、ガブリエル・ボルトレトも別の場所でスピン。ボルトレトは大きく順位を落としたものの、マシンをコースへ戻すことに成功し、赤旗が提示された時点でもレースに残っている。

    一方、12番グリッドからスタートした角田裕毅(レーシングブルズ)は11番手に浮上。ポイント圏の10番手フランコ・コラピントまであと1ポジションという位置で、赤旗後の再スタートを迎えることになった。

    スタート直後から濡れた部分が残る難しいコンディションとなった2026年F1オランダGP。母国での最後のオランダGPを迎えたフェルスタッペンが1周目でクラッシュするという、波乱の幕開けとなった。

  • リアム・ローソン レッドブルF1でマシンの違いに驚き「身体的にかなりキツい」

    リアム・ローソン レッドブルF1でマシンの違いに驚き「身体的にかなりキツい」

    リアム・ローソンは、2026年F1オランダGPでレッドブル・レーシングのRB22をドライブするなか、レーシングブルズのVCARB 03では今季一度も経験していなかった身体的な厳しさに直面していると明かした。

    アイザック・ハジャーの負傷により、今週末限定でレッドブルに復帰したローソン。スプリント予選では11番手にとどまったものの、土曜日の予選ではQ3進出を果たして8番手を獲得。

    7番手のマックス・フェルスタッペンとはわずか0.115秒差まで迫った。一方で、RB22特有のステアリングフィールやコーナーへの入り方に適応するだけでなく、身体面でも想定以上の負担を強いられているという。

    予選Q3のオンボード映像では、高速の右コーナーであるターン8に進入する際、ローソンが頭を左側のヘッドレストに預けるような場面も確認された。ローソンによれば、これはRB22をドライブする際の首への負担に対応するためだった。

    「正直、エルゴノミクス的に違うポジション、違うシートに座っていることが大きいと思う。クルマに乗っているだけでも、身体的にはかなり苦労している」

    「クレイジーだよ。自分のクルマでは今年ずっと、こんなことで苦労したことはなかったからね」

    レーシングブルズでシーズンを戦ってきたローソンにとって、RB22は同じパワーユニットを搭載していても、ドライバーが受ける感覚は大きく異なるという。ダウンフォース量の違いも身体的な負担を増している可能性がある。

    「もちろん、こっちの方が少しダウンフォースが大きいから、それも助けにはなっていないのかもしれない。すべてが違う。同じなのは基本的にパワーユニットくらいで、コーナーへの入り方も違う」

    最大の違いはステアリングフィール
    なかでも、ローソンがRB22への適応で最も大きな違いとして挙げたのがステアリングだった。

    「正直、一番違うのはステアリングだ。ステアリングの感触がかなり違う。どれくらいステアリングを切り込むかというところも含めてね」

    「僕にとっては、それを理解することが今週末で一番大きな課題だった」

    その難しさは、金曜日のスプリント予選でも表れていた。ローソンはSQ1で6番手につけ、フェルスタッペンを上回る滑り出しを見せたものの、SQ2では11番手に後退。「Q2で何が起きたのかまったく分からない」と無線で訴えていた。

    当時、Sky Sports F1でオンボード映像を分析していた元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンは、ローソンがRB22のアンダーステアと格闘していることを指摘していた。

    「彼にはかなりのアンダーステアがあった。オンボードを見るたびに、それが確認できた。クルマを曲げるために、本当に格闘しなければならなかった」

    デビッドソンは、RB22を熟知するフェルスタッペンとの比較についても、ローソンにとって極めて難しい条件だったと評価した。

    「フェルスタッペンは当然ながらクルマを限界まで絞り上げ、さらに多くを引き出して魔法を使うことができる」

    「でも、自分が一度も走らせたことのないクルマに突然乗って、このサーキットでフェルスタッペンから0.4秒差だったとしたら、僕ならかなり満足すると思う」

    スプリント予選の段階ではフェルスタッペンとの差が約0.4秒あったローソンだが、その後の予選では差を0.115秒まで縮めた。限られた走行時間のなかで、RB22への理解を着実に深めていることがうかがえる。

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    予選ではフェルスタッペンに0.115秒差
    今回のオランダGPでローソンがRB22を実車で走らせる機会を得たのは、金曜日のフリー走行が初めてだった。事前のシミュレーター走行もわずか1セッション。スプリントフォーマットのためフリー走行は1回しかなく、その直後から競争力を求められる厳しい状況だった。

    それでも予選ではQ3まで進出し、1分11秒733で8番手。フェルスタッペンは1分11秒618で7番手となり、両者の差は0.115秒だった。

    ローソンはレーシングブルズのVCARB 03を開幕前テストから約7カ月にわたって走らせており、その感覚が身体にも染み付いている。そこからシートポジション、ステアリングフィール、ダウンフォース特性、コーナー進入時の挙動まで異なるRB22へ突然乗り換えることは、単純に速さだけでは測れない適応を要求する。

    金曜日には強いアンダーステアに苦しみ、土曜日には首への身体的な負担も明らかになった。それでもローソンはセッションを重ねるごとにRB22への適応を進め、最終的にはフェルスタッペンのすぐ後ろとなる8番グリッドを確保した。

    決勝では、身体的な負担を抱えながらRB22をレースディスタンスで走らせることになる。予選で急速に縮めたフェルスタッペンとの差とともに、慣れないマシンで長距離をどう乗り切るかもローソンにとって大きな試金石となる。

  • 角田裕毅ら代役好走でフェルスタッペン持論「現行F1マシンは限界を見つけやすい」

    角田裕毅ら代役好走でフェルスタッペン持論「現行F1マシンは限界を見つけやすい」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1第12戦オランダGPで急きょマシンを乗り換えた角田裕毅とリアム・ローソンが予選でレギュラードライバーに迫ったことについて、現行マシンの特性を示すひとつの例だとの見方を示した。

    なかでも角田裕毅は、2026年型F1マシンでの実走経験がない状態でレーシングブルズVCARB-03に乗り込み、予選Q2ではチームメイトのアービッド・リンドブラッドからわずか0.102秒差。

    レッドブルRB22を初めてドライブしたローソンもQ3でフェルスタッペンから0.115秒差につけており、フェルスタッペンはこうした僅差が2026年F1マシンの特徴と無関係ではないと考えている。

    角田裕毅は実走経験なしでリンドブラッドから0.102秒差
    オランダGPでは、負傷したアイザック・ハジャーに代わってローソンがレッドブル・レーシングに昇格。そのローソンが空けたレーシングブルズのシートに角田裕毅が入るという異例のドライバー変更が行われた。

    角田裕毅にとって条件は決して簡単なものではなかった。今季はレッドブルのリザーブを務めており、2026年型F1マシンを実際に走らせるのは今回が初めて。事前準備もVCARB-03を使ったシミュレーターでの1日だけだった。

    それでも予選ではQ2まで進出。最終的に12番手となり、Q3に進んだリンドブラッドとの差を0.102秒に抑えた。

    一方のローソンは、レッドブル・フォードのパワーユニット自体はレーシングブルズで使い慣れているものの、RB22を走らせるのはザントフォールトが初めてだった。それでもQ1ではフェルスタッペンから0.102秒差、Q3でも0.115秒差まで迫った。

    ドライバーによる差が以前より小さくなっているのではないかと問われたフェルスタッペンは、特に予選ではそうした傾向があるとの考えを示した。

    「特に予選では、今のマシンの方が限界を見つけるのはかなり簡単だと思う」

    「バッテリーが少なくなっている場所もかなりあって、そうなるとすべてをまとめること自体が少し簡単になる。今週末は以前のマシンと比べて、それがかなりよく表れていたと思う。僕にとっては驚きではない」

    2026年のF1では、パワーユニットにおける電動エネルギーの重要性が大幅に高まった。ドライバーは単純にコーナーを限界まで攻めるだけでなく、ラップ全体でエネルギーをどう使うかという制約の中で走る必要がある。

    フェルスタッペンは、こうした特性によって予選でドライバーが生み出せるタイム差が以前より小さくなっている可能性を指摘する。

    「シーズンを通してすでに見えている。みんないつも0.1秒とか0.2秒の中にいる」

    「かなり悪い予選になっても0.3秒くらいだ。いつも差は小さい」

    フェルスタッペンとの差も縮小した2026年
    ローソンのザントフォールトでの予選セッションを見ると、フェルスタッペンとの差はSQ1で0.165秒速く、SQ2では0.374秒遅れ。通常予選ではQ1が0.102秒、Q2が0.427秒、Q3が0.115秒の遅れだった。

    2回の予選セッションを平均すると、その差は約0.245秒。これは2026年シーズンにハジャーがフェルスタッペンにつけられている平均約0.232秒と近い数字だ。

    さらにチームメイト間の予選タイム差を前年と比較すると、新規参戦のキャデラックを除く10チーム中6チームで差が縮小している。

    2025年にはレッドブルでフェルスタッペンと角田裕毅の平均差が0.735秒に達していたのに対し、2026年に最も大きなチームメイト間の差はフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの約0.303秒となっている。

    ただし、これだけで2026年型マシンが「簡単」になったと断定することはできない。

    ハジャー自身が今季高いパフォーマンスを見せていることに加え、ローソンもレーシングブルズで好調なシーズンを送っている。ドライバー自身の成長やマシンとの相性もあり、チームメイト間の差の縮小をレギュレーション変更だけに結びつけることはできない。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    ステラは反論「今年の方がさらに難しい」
    一方、マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、フェルスタッペンとは異なる見方を示している。

    「このマシンは、少なくとも我々の2人のドライバーからは運転が難しいマシンだと分類されている。他のドライバーについては分からない」

    2026年型マシンは前年までと比較してダウンフォースが少なく、タイヤも小型化された。さらにパワーユニットのエネルギーマネジメントが加わり、ドライバーが対処しなければならない要素が増えているとステラは説明する。

    特にシーズン序盤には、ストレートでデプロイメントの状態が突然変化し、それによってブレーキングポイントまで狂うケースがあったという。

    「高速コーナーで早くアクセルを踏んだことで、その後のデプロイメントを失うこともある。だから今年のマシンを難しくしている要素はいくつもあった」

    パワーユニット関連についてはシーズンが進むにつれてドライバーとエンジニア双方の理解が深まり、対応できるようになってきた。それでも限界で走る際の一貫性には依然として影響が残っているという。

    さらにステラが強調したのが、グリップの予測しにくさだ。

    「以前の世代のマシンには、はるかに大きな空力荷重があり、タイヤからもずっと多くのグリップがあった」

    「ドライバーにとっては、すべてがはるかに速く起きるという意味で難しかったが、通常は対処すべきことがひとつだったので、その意味では簡単だった」

    「今はグリップの一貫性という点で、いつ何が起きてもおかしくない。風に対する感度もあり、ハンガリーでもここでも、それが予選で誰もクリーンなラップをまとめられなかった大きな理由になった」

    フェルスタッペンが示した「ドライバーの技量による差が出にくくなった」という考えについても、ステラは慎重だ。

    「僕には何とも言えない。他のチームについてコメントすれば不正確になる」

    「ただ、マクラーレンで理解していることに限って言えば、今年の方がさらに難しいと思う」

    「2025年まではスピードと、物事が起きる速さに慣れる必要があった。でも今年はマシンが大きくスライドするので、どんな問題が起きても適応できるようにしなければならない」

    フェルスタッペンが指摘する「限界への到達しやすさ」と、ステラが語る「限界で安定して走らせる難しさ」は、必ずしも完全に矛盾するものではない。2026年F1では一発のタイム差を生み出す余地が小さくなる一方、その小さな差を安定して引き出すためにドライバーが対処すべき要素は増えている可能性がある。

    その議論を象徴するのが、今回の角田裕毅とローソンだった。特に角田裕毅が2026年型マシンでの実走経験がないままリンドブラッドから0.102秒差まで迫ったことは、フェルスタッペンが唱える「予選で限界を見つけやすくなった」という見方を考えるうえで、興味深い実例となった。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGP予選7番手「クルマに根本的な問題」

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP予選7番手「クルマに根本的な問題」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1オランダGPの予選を7番手で終え、レッドブル・レーシングのRB22にはセットアップ変更だけでは解決できない「根本的な問題」があるとの認識を示した。また、今週末はインフルエンザのような症状に見舞われ、普段よりエネルギーがない状態で母国グランプリを戦っていることも明かした。

    フェルスタッペンはQ3で1分11秒618を記録したものの、ポールポジションを獲得したランド・ノリスには0.455秒届かなかった。

    前日のスプリント予選と比較すればトップとの差はわずかに縮まったが、本人はRB22が抱えるバランス面の制約にほとんど変化はなかったと説明している。

    「残念ながら、クルマはそれほど変わらなかった。昨日と同じようなバランス面での制約があった。正直、それ以上はあまり残っていなかった」

    「何かを出し切れずに終わったという感覚はまったくない。ただ、自分が望んでいる位置ではない」

    スプリント終了後、レッドブルは予選に向けてマシンに大幅な変更を施した。しかし、その効果はほとんど感じられなかったという。

    「スプリントの後にクルマをかなり変更したけど、どれも違いを生まなかった」

    フェルスタッペンが最大の問題として挙げるのが、コーナーを通じて安定しないマシンバランスだ。そして、それはザントフォールトだけで突然発生した問題ではない。

    「クルマのバランスが最大の問題だ。コーナー全体を通して一貫していない。でも、それはシーズンを通してずっとそうだった。サーキットによって少し悪くなるところがあるというだけだ」

    ザントフォールトは、そのRB22の弱点が特に表れやすいレイアウトだという。

    「路面による場合もあるけど、サーキットのレイアウトにも左右される。ここが僕たちにとってベストなレイアウトではないことは間違いない。でも、それに取り組んでいく必要がある」

    「どのサーキットなら少し良くなるかを予想することはできるけど、僕たちはこの問題をできるだけ消していかなければならない」

    レッドブルはセットアップ面でさまざまなアプローチを試してきた。それでも状況が大きく変化しなかったことから、フェルスタッペンは問題がより根本的な領域にあると考えている。

    「今は単純に、クルマのいくつかの根本的な問題によって制限されていると思う。それを解決する必要がある」

    「このサーキットには高速コーナーもあるけど、そこでも不足している。全体的にバランスが良くなければ、本当の意味でコーナーを攻めることができない」

    「それにトラクションもなければ、コーナーからうまく立ち上がれない。そのすべてでタイムを失っている」

    予選直後のインタビューでも、フェルスタッペンはこうした問題の一部について、今季中ではなく2027年に向けて改善する必要があるとの考えを示した。

    「クルマにはいくつか根本的な部分があると思う。それについては、できれば来年に向けて修正できればと思っている」

    「それ以外については、もちろんもう少しパフォーマンスを見つけようとしていくことになる。でも、これからの数戦でどうなるか見てみよう」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    インフルエンザのような症状「普段ほどエネルギーがない」
    さらにフェルスタッペンは、母国GPの週末を万全の体調ではない状態で過ごしていることも明らかにした。

    「もっと調子がよかったことはあるよ。少しインフルエンザみたいな感じで、普段ほどエネルギーがないんだ」

    ただし、体調がドライビングそのものに影響しているとは考えていない。

    「いや、そうは思わない。クルマに乗ってしまえば、実際には大丈夫だと思う」

    2026年限りでF1開催を終えるザントフォールトだけに、フェルスタッペンにとっては最後の母国GPとなる。それでも現在はファンからの声援を楽しむ一方で、まず体を休めたいというのが率直なところだ。

    「もちろん、グランドスタンドにいるファンのみんなのことは今でも楽しんでいる。でも、それ以外では、とにかく少し眠れるのを楽しみにしているよ」

    「普通なら7位が最大限」
    決勝についてもフェルスタッペンは厳しい見通しを示しており、雨などによる混乱がなければ、7位が現実的な最大値になると考えている。

    「明日に向けては、自分たちに何ができるのか現実的に考える必要があると思う。少しペースが足りていないからね。自分たちのレースをしっかりマネジメントして、どうなるか見ていくしかない。もう少しパフォーマンスを引き出せればと思っている」

    2021年にF1カレンダーへ復帰したオランダGPで、フェルスタッペンはこれまで3勝を挙げてきた。今回が最後の開催となることについては「間違いなくひとつの時代の終わりだ」と語った。

    「自分の母国レースがあって、そこで何度か勝つことができたのはとても特別なことだ。もちろん、なくなってしまうのは残念だけど、その一方で素晴らしい瞬間や思い出をたくさん与えてくれた」

    最後のザントフォールトで有終の美を飾ることは、現状のRB22の競争力を考えれば容易ではない。

    「僕は勝ったときしか本当に満足しない。でも、明日はそれがとても難しいだろうね。今シーズンを通して僕たちは少し遅すぎたし、それがザントフォールトで突然変わるわけではない」

    「でも、最後にもう一度ここを楽しもうと思っている」

  • リアム・ローソン F1オランダGP予選でフェルスタッペンと0.115秒差「まだ学んでいる」

    リアム・ローソン F1オランダGP予選でフェルスタッペンと0.115秒差「まだ学んでいる」

    リアム・ローソンは、2026年F1オランダGPの予選で8番手を獲得。急きょレッドブル・レーシングに復帰した週末でQ3進出を果たし、チームメイトのマックス・フェルスタッペンに0.115秒差まで迫った。

    アイザック・ハジャーの負傷に伴い、ローソンは今大会でレーシングブルズからレッドブル・レーシングへと移籍。スプリント予選ではQ2敗退の11番手だったが、土曜日の予選ではセッションを通じて改善を重ね、Q3進出を果たした。

    ローソンはQ3で1分11秒733を記録。7番手のフェルスタッペンがマークした1分11秒618との差はわずか0.115秒だった。

    「昨日から改善できたし、すべてをうまくまとめることができた。予選であそこまで行けたのはよかった」

    ローソンは予選後にそう振り返った。

    「全体的には、もちろんクルマからもう少し引き出したかった。でも現時点で僕にとって唯一の基準はマックスだし、週末を通して彼との差を縮めようとしてきた」

    「正直、いいラップができたと思う。だから全体的には満足している」

    レッドブルでの予選8番手は、ローソンにとって大きな一歩となった。2025年序盤にレッドブルで戦った際には予選で苦戦したが、今回は限られた準備時間のなかでQ3まで進出。フェルスタッペンとの差もコンマ1秒あまりにとどめた。

    チームの公式コメントでも、ローソンは「ここまでは難しい週末だったけど、自分がどう適応できているかには満足しているし、予選はポジティブなセッションだった」と語っている。

    「短い時間のなかで適応しなければならないことがたくさんあるけど、チームは僕ができるだけ快適にクルマに乗れるよう素晴らしい仕事をしてくれた。みんなが注いでくれた努力には感謝している」

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    一方、土曜日に行われたスプリントでは11番グリッドからスタートし、そのまま11位でフィニッシュ。ザントフォールトではオーバーテイクが難しく、順位を上げることはできなかった。

    「スプリントはいい勉強になった。オーバーテイクが難しかったから、スタートした位置でフィニッシュするのがおそらく今日の最大限だったと思う」

    ローソン自身、まだレッドブルのマシンを完全に理解できているわけではないと認めている。

    「まだこのクルマを学んでいるところだし、今日のレースはかなり難しかった。でも見直せるデータが少しあるから、それが助けになると思う」

    決勝については、まず8番手のポジションを維持することを最低限の目標に掲げ、そのうえでチャンスがあればさらに上位を狙う考えだ。

    「少なくとも今いる位置をキープできれば、本当にいい結果だと思う。でも、チャンスがあるなら前に進みたい」

    「明日は厳しくなると思うけど、目標はポジションを守ってポイントを争い、さらに学び続けることだ。現時点ではマックスが明らかに僕にとって一番の基準だし、これだけ近いところにいられるのはいいことだと思う。ただ、まだ縮められるタイムはあるし、決勝に向けてクルマからもう少しペースを引き出したい」

    急きょレッドブルへ戻り、まだマシンへの適応を進めている段階ながら予選8番手につけたローソン。決勝ではフェルスタッペンのすぐ後ろからスタートし、今季のレッドブルで初ポイント獲得を目指す。

  • リアム・ローソン F1オランダGPスプリント11位「すべて噛み合えばマシンは速い」

    リアム・ローソン F1オランダGPスプリント11位「すべて噛み合えばマシンは速い」

    リアム・ローソンは、2026年F1第12戦オランダGPのスプリントを11位で終えた。

    アイザック・ハジャーの代役としてレッドブル・レーシングをドライブするローソンは、オーバーテイクの難しさを実感する一方、「すべてをうまく噛み合わせれば、マシンはとてもいい」と午後の予選に向けて手応えを示した。

    ハジャーがトレーニング中に負った手首の負傷によってオランダGPを欠場することになり、ローソンは今季序盤以来となるレッドブル・レーシングでのF1参戦となった。

    金曜日のスプリント予選では11番手。SQ3進出には届かなかったものの、チームはその後データを分析し、土曜日のスプリントでは11番グリッドから24周のレースに臨んだ。

    11番手から順位を上げられず
    ローソンはスタートで11番手をキープ。その前方ではレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドが10番手を走行し、ポイント圏内の8番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、9番手ガブリエル・ボルトレト(アウディ)を追う展開となった。

    しかし、ザントフォールトではスプリントを通じてオーバーテイクが少なく、ローソンも前方のリンドブラッドを攻略することができなかった。

    結局、ガスリーが8位で最後の1ポイントを獲得し、ボルトレトが9位、リンドブラッドが10位、ローソンが11位という順でチェッカーを受けた。

    「すべて噛み合えばマシンはとてもいい」
    スプリント後、前日のスプリント予選が思うような結果にならなかった理由を理解できたかと質問されたローソンは、チームがすでにデータを振り返ったことを明かした。

    「もちろん昨日のうちに見直した」

    そのうえで、レッドブルのマシンそのものには十分なポテンシャルがあると強調した。

    「すべてをうまく噛み合わせることができれば、マシンはとてもいいし、いいパフォーマンスを発揮できる」

    課題は、そのポテンシャルを午後に行われる予選で確実に引き出すことだという。

    「でも、午後の予選ではそれをやらなければならない」

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    「明日に向けてもっと上位で予選を終えたい」
    スプリントから得た最大の教訓について、ローソンはザントフォールトでのオーバーテイクの難しさを挙げた。

    「レースでは、とにかくオーバーテイクするのが難しかった」

    実際、24周のスプリントでは上位を含めて順位変動が少なく、スタート時のポジションが最終結果を大きく左右した。

    「だからこそ、明日に向けてもっと上位で予選を終える必要がある」

    スプリント予選11番手、スプリント11位と結果には結びつかなかったものの、レッドブルのマシンには速さがあるとの感触を得ているローソン。日曜日の決勝でポジションを上げるためにも、まずは午後の予選でマシンのポテンシャルを引き出すことが重要になる。