リアム・ローソンは、2026年F1オランダGPで負傷したアイザック・ハジャーの代役として急きょレッドブル・レーシングから出場。ほとんど準備時間がないなかでRB22への適応を進め、決勝7位という結果を残した。
レーシングブルズのVCARB 03とレッドブルのRB22は同じパワーユニットを搭載しているものの、ローソンによれば、それ以外は「すべてが違う」マシンだった。
しかもスプリントフォーマットのため走行時間は限られ、事前準備はミルトン・キーンズのシミュレーターでのわずか1日。
それでも予選ではマックス・フェルスタッペンから約0.1秒差まで迫り、レッドブル首脳陣から高い評価を受けた。
急きょ決まったレッドブル復帰と厳しい条件
ローソンにとって、オランダGPは最初から難しい週末になることが予想されていた。
レッドブルRB22と、普段ドライブしているレーシングブルズVCARB 03は同じパワーユニットを使用している。しかし、マシンの特性は大きく異なる。ローソンに与えられた準備期間は、ミルトン・キーンズのシミュレーターで過ごした1日だけだった。
さらに舞台はフェルスタッペンの母国ザントフォールト。比較対象となるのは4度のF1ワールドチャンピオンであり、ローソン自身にとっても、2025年開幕時にわずか2戦で終了したレッドブルでの挑戦を経て、再びそのマシンをドライブする機会だった。
その状況を考えれば、決勝7位はローソンに期待できる最大限に近い結果だった。オランダGPではレッドブル自体がトップ4チームのなかで後方に位置しており、上位6台との純粋なペース差も存在していた。
メキース代表も評価「リアムはいい仕事をした」
レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、ローソンのパフォーマンスを高く評価した。
「リアムはマシンに乗り込んで、いい仕事をした」とメキースは日曜日の夜に語った。
「違うチーム、違うマシンに突然乗って、このようなレースに臨むのは決して簡単ではない。それでも彼はいい仕事をした。昨日の予選ではマックスからわずか0.1秒差だった。そして今日は、ペースという意味で獲得可能だったポイントを7位という形で持ち帰った」
スプリント週末だったため、ローソンがマシンを理解するために使える通常のフリー走行は金曜日のFP1だけだった。
それでもスプリント予選ではSQ1を6番手で通過。SQ2では11番手となり、スプリントも同じ11位でフィニッシュした。
その走行からさらにRB22への理解を深め、通常予選ではQ1を14番手、Q2を8番手で突破。Q3でも8番手となり、7番手フェルスタッペンのすぐ後ろから決勝をスタートすることになった。
「短い時間で積み上げるのはとても難しかった」
ローソンは予選後、限られた時間でRB22に適応する難しさを振り返った。
「短い時間のなかで積み上げていくのは、とても難しかった」
「でも、もちろん週末を通して改善し続けることが目標だった。予選までには、僕がマシンに慣れるために、みんなが本当にいい仕事をしてくれたと思う。可能な限り快適に乗れる状態にはなった」
「僕自身としても、マシンから引き出せるものはほぼすべて引き出せたと思う」
ローソンは、当初からフェルスタッペンとの差を可能な限り縮め、そのドライビングから学ぶことを目標にしていたという。
「ドライバーなら、みんな自分自身に対する強い自信を持っている。当然だと思う」
「だから、この週末にはあまり多くを期待せずに入ったけど、可能な限り準備はしてきた。今年のマシンの速さがどのくらいなのかは分かっていたから、とにかくマックスにできるだけ近づいて、彼がやっていることから学ぼうとしていた」
「正直、最初から僕たちが予想していたより少し近かったかもしれない。でも、大事なのは毎回きちんと実行して、それぞれのラップをまとめることだった」
スプリント予選では、セッション間でライバルとの相対的なパフォーマンスが大きく変化したことにも戸惑った。
「SQ1は難しかった。僕たちは速かったけど、自分では特別なことをした感覚はなかった。それからSQ2に行って、自分としてはもっといいラップを走ったと思ったのに、他のみんなと比べるとかなり遅かった」
「だから、その部分はまだ完全には理解できていない。でも、今日はうまくまとめられたと思う」

RB22とVCARB 03「PU以外はすべて違う」
ローソンは、同じレッドブル系の2チームであっても、RB22とVCARB 03のドライビング感覚にはほとんど共通点がないと説明する。
「正直、一番分かりやすく説明するなら、パワーユニット以外はすべてが違う」
「ステアリングから感じるものとマシンの動き方、コーナーでのバランス、もちろん高速コーナーでのグリップも違う。本当にすべてが違う」
それでもローソンは、2025年シーズン序盤にレッドブルをドライブしたときより、今回の方が対応しやすかったと感じている。
昨年はオーストラリアGPと中国GPという厳しい2戦を終えた後、レーシングブルズへ戻ることになった。
「正直、昨年一番大きかったのは、僕が走ったことのないサーキットが2つだったことだ」
「そのうえで、すでにかなり運転するのが難しいマシンを学ばなければならなかった。今年のマシンは、おそらくそれほど運転するのが難しいわけではない。あるいは限界まで持っていくこと自体は、それほど難しくないと思う」
「だから今回は、それ以外のすべてをまとめることの方が重要だった。タイヤの準備、マシンのバランスを正しく合わせること、そして実際にどういう動きをするマシンなのかに慣れることだ。昨年は、単純に限界まで持っていくこと自体がとても難しいマシンだった」
フェルスタッペンと1周目からホイール・トゥ・ホイール
日曜日の決勝はスタート前の雨によって難しいコンディションとなった。
ローソンはクリーンにスタートを決め、序盤の数コーナーではチームメイトのフェルスタッペンとホイール・トゥ・ホイールの攻防を展開。最終的にはフェルスタッペンが前に出た。
しかし、最終バンクコーナーでフェルスタッペンが濡れた路面に足を取られてコントロールを失い、バリアにクラッシュ。直後を走っていたローソンも回避を強いられた。
「もうどうしようもなかった」
「ラップ前半は完全にドライだったのに、最後の2コーナーは完全に濡れていた。これだけのパワーがあって、スリックタイヤを履いていれば、当然ああいうことは本当に簡単に起こってしまう」
ローソン自身は慎重に最終コーナーへ進入していたという。
「僕は本当にかなりアクセルを戻していた。正直、どのくらいグリップがあるのかまったく自信がなかったからだ」
「マックスはおそらく僕に近づいてオーバーテイクを狙おうとしていて、それでコントロールを失ったんだと思う」
決勝7位「前のグループと戦える速さはなかった」
赤旗後の再スタートを7番手で迎えたローソンは、そのポジションを維持した。
上位6台と中団グループの間で単独走行する形となり、黄旗中の違反によって10秒ペナルティを受けたものの、最終順位には影響せず7位でフィニッシュした。
「レースについては、もっと改善できるところがあると思うし、それについては振り返ってみる」
「でも順位という意味では、前のグループと戦えるだけの速さはなかったと思う。それは昨日の時点でも分かっていた。予選でも僕たち2台は彼らの後ろだったからね」
「でも、いい週末だった。昨日の予選でマシンからすべてを引き出せたのはよかった。短い時間でこのマシンを理解するのは大変だったけど、楽しめたよ」
2025年にはわずか2戦で終わったレッドブルでの挑戦。それから約1年半を経て突然巡ってきた今回の代役出場で、ローソンは限られた準備時間にもかかわらずフェルスタッペンに予選で約0.1秒差まで迫り、決勝ではチームが獲得可能だった7位を確保した。RB22への素早い適応と安定した仕事ぶりを示した週末となった。


















