カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • レッドブルF1代表メキースがフェルスタッペン「年俸8000万ドル」説を否定

    レッドブルF1代表メキースがフェルスタッペン「年俸8000万ドル」説を否定

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースが、マックス・フェルスタッペンの新契約をめぐって浮上した「年俸8000万ドル(約127億円)」との噂に反応した。2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグから直接その金額をぶつけられたメキースは、笑顔を見せながら否定している。

    レッドブルはF1オランダGPを前に、フェルスタッペンとの契約を2年間延長し、少なくとも2030年末までチームに残留することを発表した。

    近年はマクラーレンやメルセデスへの移籍が盛んに取り沙汰されてきたが、今回の長期契約によって将来をめぐる憶測にはひとまず終止符が打たれた。

    ロズベルグが「年俸8000万ドル」説をメキースに直撃
    フェルスタッペンの新契約について、レッドブルから給与などの金銭的条件は公表されていない。ただし、28歳のオランダ人ドライバーが今回の契約延長に伴って昇給したとみられている。

    オランダGPの週末、Sky Sports F1のインタビューでロズベルグは、自身が耳にしたというフェルスタッペンの新たな年俸についてメキースに直接質問した。

    「ローラン、マックス陣営から聞いた話では、彼が残留を決めた理由のひとつは、あなたがチームを引き継いでからのやり方を本当に気に入っているからだそうだ。あなたが作っているカルチャーや、チームを前進させている方法を評価していると。そこはおめでとうと言いたい」

    そう切り出したロズベルグは、続けて核心に踏み込んだ。

    「でも、これも聞かなければならない。僕が聞いているのは年俸8000万ドル(約127億円)だ。本当なのか? その数字に近いのか? かなり大きな金額だよね」

    これに対し、メキースは笑顔を浮かべながら答えた。

    「その2つの話は、どちらも正しくない」

    ローラン・メキース(レッドブル・レーシング)

    残留の決め手は「2000人への信頼」
    メキースは、フェルスタッペンが契約延長を決断した背景について、自身の存在や巨額の報酬ではなく、レッドブルで働く約2000人のスタッフに対する信頼が大きかったと説明した。

    「本当に重要なのは、マックスがミルトンキーンズにいる2000人のスタッフを信頼しているということだ。シャシー側も、PU側も含めてね。彼は我々のスタッフに何ができるのかを知っている。そして将来に向けて、我々を信頼することを選んでくれた」

    「だから我々は、その信頼に応えようとしている。彼は我々にとって、単に世界で最も速いドライバーというだけの存在ではない。できるだけ早く、彼に速いマシンを用意できるようにしたい」

    メキースは2025年7月にクリスチャン・ホーナーが退任した後、レッドブル・レーシングのチーム代表を引き継いだ。ロズベルグはメキース就任後のチーム文化もフェルスタッペンの残留を後押ししたとの情報を示したが、メキース自身はその見方についても否定し、組織全体への信頼を強調した形だ。

    フェルスタッペン「このチームでキャリアを終えるのが目標」
    新契約へのサインに際し、フェルスタッペン自身もレッドブルへの長期的な思いを語っている。

    「僕はずっと言ってきたし、ディートリッヒ(マテシッツ)がまだ生きていたころから言っていた。僕の目標は、このチームでキャリアを終えることだ。それに近づいていると思う」

    「もちろん、まだこれから何年もある。でも、それが今も目標だ」

    フェルスタッペンにとって契約延長発表後のホームレースは残念な結末となった。F1オランダGP決勝ではオープニングラップ終盤に大クラッシュを喫し、レースを早々にリタイアしている。

    それでも、2030年末まで続く新契約によって、レッドブルとフェルスタッペンの関係はさらに長期的なものとなった。年俸8000万ドル(約127億円)という具体的な数字についてメキースは否定したが、チームがフェルスタッペンを「世界で最も速いドライバー以上の存在」と位置づけ、その信頼に速いマシンで応えることを最優先としている姿勢は明確だ。

  • 岩佐歩夢 レッドブルF1のRB22で117周 2027年タイヤ3種類をテスト

    岩佐歩夢 レッドブルF1のRB22で117周 2027年タイヤ3種類をテスト

    ピレリは、2027年F1シーズンに向けたタイヤ開発テストの2日目をムジェロ・サーキットで実施した。岩佐歩夢がレッドブル・レーシングのRB22で117周を走行し、この日参加した3人のドライバーで唯一、C1、C2、C3の全3種類のコンパウンドをテストした。

    2日目には岩佐歩夢のほか、マクラーレンのランド・ノリス、アウディのニコ・ヒュルケンベルグが参加。2027年用ラインナップのなかでも最もハード側となる3種類のコンパウンド開発に重点が置かれた。

    岩佐歩夢がRB22でC1、C2、C3をすべてテスト
    岩佐歩夢はレッドブル・レーシングのRB22をドライブし、午前中を中心にC1とC2の評価に取り組んだ。午後には複数のC3プロトタイプを比較するスクリーニング走行を実施。この日、3種類すべてのコンパウンドを試したのは岩佐歩夢だけだった。

    岩佐歩夢は合計117周、614kmを走行。ベストタイムは1分23秒414を記録した。

    一方、ランド・ノリスは一日を通してC2の開発に専念した。午前中に複数のプロトタイプを評価し、午後にはそのなかから有望と判断された仕様をさらに詳しく比較した。

    ノリスは115周、603kmを走行し、ベストタイムは1分21秒899だった。

    ニコ・ヒュルケンベルグはC2とC3を組み合わせたプログラムを担当。3人で最多となる121周、635kmを走り、1分24秒012のベストタイムを記録した。

    岩佐歩夢(レッドブル・レーシング)

    2日間で2948kmを走破
    ムジェロで行われた今回のテストは2日間の日程で実施され、初日にはマクラーレンのオスカー・ピアストリとレッドブル・レーシングのリアム・ローソンが走行した。

    5人のドライバーによる2日間の総走行距離は2948kmに達した。2日目は路面温度が最高52度まで上昇するコンディションとなり、2027年に向けたドライタイヤ開発のための貴重なデータが収集された。

    ピレリによる次回のドライタイヤ開発テストは9月15日と16日にイモラで予定されており、フェラーリとレーシングブルズが参加する。

    岩佐歩夢にとっては、RB22で117周を走り込み、2027年F1タイヤのハード側3種類すべてを評価する重要な役割を担ったテストとなった。

  • レッドブルF1に痛手 第2回ADUOでも対象外 2026年PU追加開発不可

    レッドブルF1に痛手 第2回ADUOでも対象外 2026年PU追加開発不可

    FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1シーズンに導入されたADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発・アップグレード機会)の第2評価期間の結果を公表した。第1期間で最も高い性能を持つパワーユニット(PU)と判定されたレッドブル・フォード・パワートレインズには、第2期間でも追加のホモロゲーション枠は与えられなかった。

    これにより、レッドブルは2026年シーズン終了までADUOを利用したPUアップグレードを行うことができない。

    一方、第1期間の評価で基準となるレッドブルから一定以上の性能差があると判定されたメルセデス、フェラーリ、アウディ、ホンダには、すでに追加開発の機会が認められている。

    第2回ADUOでは全メーカーに追加枠なし
    FIAは水曜日、2026年のADUOについて、第1期間と第2期間の評価結果を正式に発表した。

    第1期間はカナダGP終了後、第2期間はハンガリーGP終了後に評価が締め切られた。

    そのなかでFIAは、第2期間について「いずれのパワーユニットメーカーにも追加のホモロゲーションは付与されなかった」と明らかにした。

    つまり、第1期間で追加開発の対象外だったレッドブル・フォード・パワートレインズにとって、第2期間は新たな開発機会を得るチャンスとはならなかった。

    ADUOは、2026年から始まった新しいPUレギュレーションの下でメーカー間の性能差が大きくなった場合、後れを取ったメーカーに追加の開発機会を与えるために導入された制度だ。

    評価基準となる最上位メーカーとの性能差に応じて、追加ホモロゲーションやダイナモテスト、コストキャップ面での追加枠が認められる。

    レッドブルが「最強PU」と正式認定
    FIAの今回の発表によって、第1期間の評価でレッドブル・フォード・パワートレインズが最も高い性能を持つPUと判定されていたことも正式に確認された。

    これは2026年シーズン序盤のF1パドックで広く共有されていた認識とは異なるものだった。

    開幕からのパフォーマンスを受け、メルセデスが最も競争力の高いPUを持っているとの見方が強かったが、FIAの分析ではレッドブルが基準となった。

    メルセデスはレッドブルに対して2〜4%の性能差があるカテゴリーに分類され、2026年に1回、2027年に2回の追加ホモロゲーションが認められた。さらにコストキャップとダイナモテストについても追加枠を得る。

    一方、フェラーリ、アウディ、ホンダはいずれも4%を超える性能差があると判定されたため、2026年と2027年にそれぞれ2回の追加アップグレード機会が認められている。

    レッドブルはFIAの評価に反発
    レッドブル側は、第1期間で自社PUが最高性能と評価されたことに疑問を呈してきた。

    チーム代表のローラン・メキースは、レッドブル・フォード・パワートレインズがライバルをリードしていることを示す「データポイントはひとつもない」と主張し、FIAに事実関係の再検討を求めていた。

    モナコGP後にこの評価が明らかになった際には、その後数週間以内にFIAから正式な発表が行われるとみられていたものの、公表は見送られていた。

    今回、FIAが第1期間と第2期間の結果をまとめて発表したことで、少なくともADUOの評価上ではレッドブルが基準メーカーであることが正式に確定したことになる。

    そして第2期間でも追加ホモロゲーションが認められなかったことで、レッドブルは少なくとも2026年中、ADUOによる追加アップグレードの恩恵を受けることができない。

    レッドブル・レーシンフ

    FIA「分析結果には高い信頼性がある」
    ただしFIAは、各メーカーの具体的な性能指数については公表しない方針を示している。

    FIAは声明で「この情報の機密性を考慮し、パワーユニットの性能指数測定に関するこれ以上の詳細は公表されない」と説明した。

    FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスは、ADUOの評価について次のように語った。

    「FIAはADUOのレビュー過程の一環として、徹底的かつ包括的な分析を行った」

    「第2期間の結果を公表するにあたり、データの質を踏まえれば、その分析は極めて堅牢なものであり、我々の結論には非常に高い信頼性があると確信している」

    一方で、PUメーカーの技術情報をどこまで公開できるかには限界があると説明する。

    「結果の詳細を公表するにあたっては、チームとパワーユニットメーカーの機密性、そして知的財産を尊重しなければならない」

    また、ADUOが導入初年度の制度であることから、将来的に仕組みが変更される可能性も認めた。

    「今年はADUOの初年度なので、当然ながら、すべてのPUメーカーと協議しながら今後発展させていく可能性のある領域も存在する」

    第3回評価が残っていてもレッドブルは救済対象外
    2026年シーズンのADUO評価はこれで終了ではない。第3評価期間はメキシコシティGP終了後に設定されており、そこで再び各メーカーのPU性能が評価される。

    ただし、レッドブル・フォード・パワートレインズにとって、第3期間は2026年中の追加アップグレードを獲得する機会にはならない。

    ADUOの規則では、シーズン最初の2回の評価期間のいずれでも追加開発機会を与えられなかったPUメーカーは、そのシーズン最後の評価期間で新たにADUOの対象になることはできない。

    レッドブルは第1期間で最も高い性能を持つPUと判定され、ADUOを付与されなかった。さらに第2期間でも追加ホモロゲーションは認められなかったため、この条件に該当する。

    つまり、第3期間の評価で勢力図が変化し、仮にレッドブルがライバルメーカーに対して性能面で後れを取る結果になったとしても、それを理由として2026年中の追加ホモロゲーションを新たに獲得することはできない。

    一方、第1期間の評価ですでにADUOの対象となったメルセデス、フェラーリ、アウディ、ホンダには追加開発の機会が認められている。

    初の自社開発F1パワーユニットを投入したレッドブルにとって、第1、第2期間でADUOを獲得できなかったことで、2026年中に同制度を利用してPUを追加アップグレードする道は閉ざされたことになる。

  • レッドブルF1 2027年タイヤテストでローソンがRB22で116周 2日目は岩佐歩夢

    レッドブルF1 2027年タイヤテストでローソンがRB22で116周 2日目は岩佐歩夢

    ピレリは8月26日、ムジェロ・サーキットで2027年F1シーズンに向けたタイヤ開発テストの初日を実施した。マクラーレンとレッドブル・レーシングが参加し、すでに仕様が確定している2027年用タイヤの構造をベースに、C1、C2、C3のコンパウンド候補を評価した。

    レッドブルではリアム・ローソンがRB22をドライブして116周、マクラーレンではオスカー・ピアストリがMCL40で93周を走行。

    ピレリは短いスクリーニング走行からロングランまで幅広いプログラムをこなし、2027年に使用するコンパウンドの最終選定に向けてデータを収集した。

    2027年タイヤは構造確定 コンパウンド選定が焦点
    ピレリは数週間前に2027年用F1タイヤの構造を確定しており、現在の開発作業は主にコンパウンドの評価と選定へと移っている。

    ムジェロで行われた2日間のテストにはC1、C2、C3の3種類が持ち込まれた。ピレリにとって今回の走行は、それぞれの候補について性能や耐久性、デグラデーションなどを比較し、来季に向けたラインアップを絞り込むための重要な機会となる。

    初日は路面温度が最大55度に達する暑いコンディションとなり、異なる走行距離で各コンパウンドの特性を確認することができた。

    ローソンはC3を集中評価 116周608kmを走破
    レッドブル・レーシングではリアム・ローソンがRB22を担当した。

    ローソンのプログラムはC3を中心に組まれ、まず異なる仕様を比較するため、それぞれ8周のスクリーニングランを実施。午後には走行距離を延ばし、午前中の評価で好印象だった候補を検証するためのロングスティントに取り組んだ。

    ローソンはこの日、参加した2人の中で最多となる116周を走破。総走行距離は608kmに達した。

    ベストタイムは1分22秒297だった。

    今回ローソンが起用されたことは、レッドブルにとって実戦面でも意味を持つ。手首を負傷したアイザック・ハジャーがF1イタリアGPまでに復帰できない場合、ローソンが引き続き代役を務める可能性があるためだ。ムジェロでRB22を長時間走らせることは、そうした状況に備える意味でも有益な機会となった。

    ピアストリはC1 C2 C3を比較 最速タイムを記録
    マクラーレンではオスカー・ピアストリがMCL40をドライブし、ピレリが用意したC1、C2、C3のすべてをテストした。

    ピアストリは主にショートスティントによる比較作業を進め、その後、テスト終盤にはそれぞれ14周のランを2回実施。短距離での性能だけでなく、走行を重ねた際の挙動についてもデータを収集した。

    走行周回数は93周、総走行距離は488km。ベストタイムは1分21秒358で、ローソンを0.939秒上回り、この日の最速タイムとなった。

    ただし、今回のテストは各チームが同一条件で速さを競うものではなく、装着したタイヤの仕様や走行プログラムも異なる。ラップタイムそのものよりも、ピレリが各候補から得た比較データが重要となる。

    岩佐歩夢

    2日目はランド・ノリスと岩佐歩夢 アウディも参加
    ムジェロでのピレリF1タイヤテストは27日も継続され、参加ドライバーが交代する。

    マクラーレンでは現F1ワールドチャンピオンで、直近の2戦を連勝しているランド・ノリスがMCL40を担当する。

    レッドブル・レーシングではリアム・ローソンに代わって岩佐歩夢がRB22をドライブする予定だ。

    さらに2日目からはアウディもテストに加わる。R26を担当するのはニコ・ヒュルケンベルグ。前戦F1オランダGPでは8位に入り、アウディにポイントを持ち帰っている。

    ピレリはマクラーレン、レッドブル、アウディの3チームから得られるデータを比較しながら、2027年F1シーズンに投入するコンパウンドの最終決定に向けた作業を進めていく。

  • FIAがF1新PUのADUO結果発表 レッドブルが基準 ホンダら3社は4%超の差

    FIAがF1新PUのADUO結果発表 レッドブルが基準 ホンダら3社は4%超の差

    FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1で導入されたADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発・アップグレード機会)制度について、最初の2回の公式評価結果を発表した。

    レッドブル・パワートレインズのパワーユニット(PU)が基準となり、メルセデス、フェラーリ、アウディ、ホンダには性能差に応じた追加開発の機会が与えられる。

    なかでもフェラーリ、アウディ、ホンダは基準から4%を超える差があると判定され、2026年と2027年にそれぞれ2回ずつの追加アップグレードが認められる。これはADUO制度で認められる最大の開発機会となる。

    レッドブル・パワートレインズがADUOの基準PUに
    ADUOは、F1が新しいパワーユニット規則を導入した2026年から採用された制度である。新規則では内燃エンジンと電動部分の出力比率が大きく変更され、各メーカー間に生じる性能差を一定の範囲内に収めるため、後れを取ったメーカーに追加の開発機会を与える仕組みが設けられた。

    FIAは今回、最初の2回の公式レビューの結果を明らかにし、レッドブル・パワートレインズが現在の基準となるPUを持っていると判定した。

    レッドブルにとって2026年は、自社製パワーユニットでF1に参戦する最初のシーズンである。それにもかかわらず、FIAによるADUOの評価では他メーカーが追うベンチマークとなった。

    ただしFIAは、各PUメーカーの性能をどのような具体的な指標によって比較し、差を算出しているのかについて詳細を公表していない。

    メルセデスは2%超の差で追加アップグレード1回
    メルセデスは、基準となるレッドブル・パワートレインズに対して2%を超える差があると判定された。

    これによりメルセデスには、2026年に1回、2027年にも1回の追加アップグレードを実施する機会が与えられる。

    さらにADUOでは、性能差に応じて開発費とベンチテスト時間についても追加枠が設けられている。

    メルセデスにはコストキャップ上の追加枠として300万ドルが認められ、さらに70時間の追加ベンチテストが許可される。

    ホンダF1 エンジン ADUO

    フェラーリ、アウディ、ホンダは4%超 最大限の追加開発
    一方、フェラーリ、アウディ、ホンダについては、いずれもレッドブル・パワートレインズの基準から4%を超える差があるとFIAが判断した。

    その結果、3メーカーには2026年に2回、2027年にも2回の追加アップグレードが認められる。これはADUO制度で許可される最大回数となる。

    性能差が大きくなるにつれて、コストキャップとベンチテスト時間の追加枠も段階的に拡大する。

    基準から4~6%の差がある場合は465万ドルと100時間、6~8%では635万ドルと150時間、8~10%では800万ドルと190時間の追加ベンチテストが認められる。

    ただしFIAは今回、フェラーリ、アウディ、ホンダの3メーカーが、それぞれこのスケールのどこに位置しているのかについては明らかにしていない。

    したがって現時点で公式に確認できるのは、3メーカーすべてがレッドブル・パワートレインズに対して「4%超」の差があると判定され、2026年と2027年に最大2回ずつの追加アップグレードを認められたという点までとなる。

    2026年最後のADUO評価はオランダGPからメキシコシティGP
    2026年に行われる最後のADUO評価期間は、第12戦オランダGPから第18戦メキシコシティGPまでが対象となる。

    この期間のデータをもとに再び各メーカーのPU性能が評価され、その結果が今後の追加開発機会に反映されることになる。

    2026年からF1のPUメーカーとして本格参入したレッドブル・パワートレインズが最初のADUO評価でベンチマークとなる一方、メルセデスには1回、フェラーリ、アウディ、ホンダには最大となる2回の追加アップグレードが認められた。新PU規則初年度の勢力図が、ADUOによる追加開発を通じて今後どこまで変化するのかも注目される。

    国際自動車連盟 F1 ADUO

  • アイザック・ハジャー F1オランダGPで人生初の欠場「学べることは常にある」

    アイザック・ハジャー F1オランダGPで人生初の欠場「学べることは常にある」

    レッドブル・レーシングのアイザック・ハジャーは、手首の負傷により2026年F1オランダGPを欠場したことについて、7歳でレースを始めて以来、負傷を理由にレースウイークを欠場したのは初めてだったと明かした。

    当初は負傷を抱えたままザントフォールトで出場する意向だったハジャーだが、医療チームからの助言に加え、MotoGPで大きな負傷と復帰を経験してきたマルク・マルケスにも相談。最終的にリスクを避けるため欠場を決断した。

    一方、レースウイークを初めて外側から見ることで、普段とは異なる視点から学ぶ機会にもなったという。

    マルク・マルケスともボイスメッセージを交換
    ハジャーはフランス紙『L’Equipe』のインタビューで、医療チームからさまざまな助言を受ける一方、実際に重大な負傷を経験したレーサーの意見を聞くことも重要だと考えたと説明した。

    「ケガをしたあと、医療チームからたくさんのアドバイスを受けた。でも、僕にとっては同じような経験をしたライダーの意見を聞くことが重要だった」

    そこでハジャーが意見を求めたのが、MotoGPで幾度も負傷と復帰を経験してきたマルク・マルケスだった。

    「ボイスメッセージをやり取りした」

    「彼からは、こういう状況なら大きなリスクを避けるために、その週末は欠場した方がいいと言われた」

    インタビュー時、ハジャーは負傷した手首に軽いブレースを装着していた。

    7歳からレースを続けて初めての負傷欠場
    21歳のハジャーにとって、負傷を理由にレースウイークを欠場するのは今回が初めてだった。それだけに、自分が走らずにレースを外から見守るという状況には強い違和感があったという。

    「僕は7歳からレースをしている。今は21歳だけど、ケガが理由でレースウイークを欠場したことは一度もなかった」

    「参加せずに外から見ているのは本当に変な感じだった。でも、仕方ない」

    それでもハジャーはオランダGPの週末を通じてレッドブルに帯同。コックピットから離れてチームやレースウイーク全体の動きを観察したことで、普段とは異なる視点を得ることができたと振り返った。

    「学べることは常にある」外から見て得た新たな視点
    ハジャーは、実際にマシンをドライブしているレースウイークでは、自分自身が直面している問題の解決に集中するあまり、周囲の情報を十分に拾えない場合があると説明した。

    「実際に参加せずにレースウイークを追うのは今回が初めてだったけど、それはそれで興味深かった」

    「学べることは常にある。レースウイークでは普段、特定の問題を解決することに集中していて、自分が『トンネルの中』にいるような感覚になる。だから、役に立つかもしれない情報を見逃してしまうこともある」

    負傷したハジャーに代わり、ザントフォールトではリアム・ローソンがレッドブルから出場し、決勝を7位でフィニッシュした。

    7歳でレースを始めてから初めて負傷による欠場を経験したハジャー。走れないことへの違和感を抱えながらも、普段は得られない視点からF1のレースウイークを観察し、その時間を新たな学びの機会に変えた。現在は次戦イタリアGPが行われるモンツァでの復帰を目指している。

  • 角田裕毅 インディカー移籍報道 F1を最優先も「2年間ガレージにいる気はない」

    角田裕毅 インディカー移籍報道 F1を最優先も「2年間ガレージにいる気はない」

    角田裕毅が、2027年に向けてインディカーへの転向を模索しているとの報道について言及した。自身のマネジメント側の動きについては関与していないとしながら、最優先の目標はあくまでF1で走り続け、成功を収めることだと強調している。

    一方で、F1のシートを待つために長期間レースから離れる考えもない。2027年のF1シートを確保できなかった場合には他カテゴリーを検討する可能性を認め、現役ドライバーとしてレースを続けることへの強い意欲を示した。

    8カ月ぶりのF1復帰で存在感
    角田裕毅は2025年シーズン限りでレッドブル・レーシングのレースシートを失い、2026年はリザーブドライバーを務めてきた。

    しかし、アイザック・ハジャーが負傷したことで、先週末のF1オランダGPでは急きょドライバーラインアップが変更された。リアム・ローソンがハジャーの代役としてレッドブル・レーシングに昇格し、角田裕毅はレーシングブルズからアービッド・リンドブラッドとともに出場した。

    角田裕毅にとっては2025年最終戦以来となるF1レースへの復帰だった。ザントフォールトでは短い準備期間ながらマシンへの適応を進め、決勝では11位。ポイント獲得にはあと一歩届かなかったものの、久々の実戦でF1復帰へのアピールを果たした。

    インディカーの約半数のチームと接触との報道
    そうしたなか、アメリカの『Racer』は、角田裕毅のマネジメントチームが2027年に向けてインディカー参戦の可能性を探っていると報じた。

    報道によれば、角田裕毅のマネジメント側は2027年にどのような選択肢があるのかを確認するため、インディカーに参戦するチームのほぼ半数と話をしたという。

    F1で2027年のレギュラーシートを確保できる保証がない状況だけに、将来に備えて選択肢を広げているとみられている。

    ただし、角田裕毅本人はそうした交渉について、自分が直接関与する仕事ではないとの姿勢を示している。

    「そういうことを見るのは僕の仕事ではないです」と角田裕毅はRacingNews365を含む一部メディアに語った。

    「そこは完全にマネージャーに任せていますし、僕の仕事は速く走ることです」

    「僕の気持ちは常にF1にある」
    角田裕毅は、インディカー移籍の可能性そのものを完全に否定したわけではない。ただ、現在の自身の目標がF1にあることについては明確にしている。

    「僕の気持ちは常にF1にあります。僕の一番の目標は、ずっとF1で走って、そこで成功することです。それは何があっても変わりません」

    2026年はレッドブル・レーシングのリザーブとしてF1に残っているものの、レースに出場する機会は限られている。オランダGPで久々に実戦復帰した角田裕毅にとって、レースから長期間離れ続けることも望む選択肢ではない。

    「でも、2年間ずっとガレージにいるつもりもないです。僕はレースもしたいです」

    この言葉からは、F1残留を最優先としながらも、レースに出場できない状態を無期限に受け入れるつもりはないという角田裕毅の考えがうかがえる。

    2027年F1シートがなければ他カテゴリーも検討
    角田裕毅は、2027年のF1シートを確保できなかった場合には、他カテゴリーへ目を向ける必要があることも認めた。

    「もし何か可能性が出てきたり、来年のシートを見つけられなかったりしたら、そのときは他のカテゴリーを探さなければならないと思います」

    それでも、F1への挑戦を諦めるタイミングを現時点で設定するつもりはない。

    「でも、来年実際にどこかでコースを走るその瞬間までは、僕の気持ちはずっとF1にあります」

    角田裕毅にとって最優先事項は2027年のF1レギュラーシート獲得であり、その姿勢に変わりはない。一方で、レースから長期間離れることを避けるため、マネジメント側がインディカーを含む別カテゴリーの可能性を探ることについても扉は閉ざしていない。

    オランダGPで久々にF1のグリッドへ戻った角田裕毅は、F1で走り続けることを最後まで追求しながら、ドライバーとしてレースを続けるための現実的な選択肢も視野に入れている。

  • リアム・ローソン レッドブルF1の“不文律”破りフェルスタッペンに真っ向勝負

    リアム・ローソン レッドブルF1の“不文律”破りフェルスタッペンに真っ向勝負

    リアム・ローソンは、F1オランダGPの決勝スタート直後にチームメイトのマックス・フェルスタッペンへ果敢に仕掛けた。その姿勢について、元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは「最大限の敬意」を示している。

    アイザック・ハジャーの負傷によりレッドブル・レーシングから1戦限りで出場したローソンは、4列目でフェルスタッペンのひとつ後方からスタート。

    序盤から4度のF1ワールドチャンピオンに対して遠慮することなく勝負を挑み、レッドブル内にあるとされる“不文律”を意に介さないような走りを見せた。

    ローソンがフェルスタッペンに真っ向勝負
    スタート直後、フェルスタッペンはルイス・ハミルトンとの接触によって2輪を芝生に落とし、ローソンはその隙を突いて接近した。

    ローソンはターン3でフェルスタッペンのアウト側にマシンを並べ、大胆なオーバーテイクを試みた。しかし、フェルスタッペンも簡単にはポジションを譲らず、ローソンの進路を封じた。

    レッドブルではフェルスタッペンが明確なエースとして位置づけられており、チームメイトが必要以上に激しくレースを仕掛けないという“不文律”があるとみられている。それでも、ローソンは1戦限りのチームメイトを相手に躊躇しなかった。

    F1TVで解説を務めたジョリオン・パーマーは、その場面を見ながらローソンらしい積極性を称賛した。

    「ローソンがチャンスを狙っている。なんてことだ、ターン3のアウト側からマックス・フェルスタッペンを抜こうとしている! 無理だ!」

    「ローソンには最大限の敬意を払うよ。彼は仕掛けることを決してためらわないよね。その日だけのチームメイトに対して大技が決まるか試していた。まあ、長くは続かなかったけどね」

    フェルスタッペンはその後、オープニングラップ終盤にクラッシュしてリタイア。結果としてローソンがレッドブルの上位フィニッシュへの期待を背負うことになった。

    リアム・ローソン vs マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    クルサード「自分の役割を思い出した」
    一方、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、ローソンが最終的にはフェルスタッペンとの直接対決から引いたことに注目した。

    チャンネル4のハイライト番組でクルサードは、ローソンが途中で自分がレッドブルに1戦限りで起用された立場であることを思い出したように見えたと語った。

    「彼は1戦限りのチャンスだということを忘れているね。フェルスタッペンと少し接触して、それから『ああ、チームメイトだった。ちゃんと後ろについていかないと』という感じになった」

    ローソンにとって今回のオランダGPは、単なる代役参戦以上の意味を持つ一戦だった。ハジャーの負傷によって巡ってきた機会は、今後のレッドブルでの立場を再びアピールする重要なチャンスでもあった。

    それだけに、チームの絶対的エースであるフェルスタッペンとの接触によって両者がレースを失うような事態は避ける必要があった。

    チャンドック「フェルスタッペンが誰がボスか示した」
    Sky Sports F1の解説者カルン・チャンドックも、ターン3での攻防を分析。フェルスタッペンがローソンに対し、レッドブルでの力関係を明確に示した場面だったと指摘した。

    「最初のコーナーを立ち上がるところでは、接触する寸前まで近づいていた。そして次のいくつかのコーナーでもリアムは彼についていった。ターン3ではアウト側から仕掛けようとしている」

    「そこでフェルスタッペンは『いやいや、僕が示してやる』という感じで、少しステアリングを開いた。接触したとき、彼はリアム・ローソンに対して、このチームのボスが誰なのかをかなり明確に示した」

    それでもローソンはすぐには諦めず、可能性を探り続けたという。

    「リアムはそのまま勝負しようとしたけど、最終的には『分かった。ここではリスクを取り除いて後ろにいよう』と判断したんだ」

    1戦限りの代役で7位フィニッシュ
    フェルスタッペンとの本格的な接触事故は、ローソンにとって最悪の結果になりかねなかった。ハジャーの負傷によって突然巡ってきたレッドブル復帰の機会は、自身の将来を左右する重要なアピールの場でもあったからだ。

    それでもローソンはスタート直後から守りに入ることなく、フェルスタッペンを相手にオーバーテイクを狙った。パーマーが評価したのも、まさにその攻撃的な姿勢だった。

    最終的にローソンは7位でフィニッシュ。急きょ決まった1戦限りのレッドブル復帰でポイントを獲得し、フェルスタッペンにも臆することなく仕掛ける積極性と、必要な場面ではリスクを抑える判断力の両方を示す週末となった。

  • マックス・フェルスタッペン 100人抜きに挑戦 世界最大級のカートレース開催

    マックス・フェルスタッペン 100人抜きに挑戦 世界最大級のカートレース開催

    マックス・フェルスタッペンが、F1マシンをカートに乗り換え、100人のライバル全員をオーバーテイクする前代未聞のチャレンジに挑む。9月16日にシルバーストン・サーキットで「Max vs 100」と題した世界最大級のカートレースが開催される。

    4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンは最後尾からスタートし、レッドブルのアスリートや著名人、コンテンツクリエイター、一般ファンなど世界各地から集まった100人を相手に、全員を抜くことを目指す。

    イベントはDisney+で世界に向けてライブ配信される。

    フェルスタッペンがカートの原点へ
    フェルスタッペンにとってカートは、F1へとつながるレーシングキャリアの原点だ。

    4歳でカートを始め、7歳から選手権に参戦。ベルギーとオランダで実績を積み、その後は世界選手権やヨーロッパ選手権で数々のタイトルを獲得した。特に2013年にはカート界で圧倒的なシーズンを送り、その後フォーミュラカーへとステップアップ。2015年にはF1デビューを果たした。

    今回の「Max vs 100」では、その原点であるカートに戻り、通常のレースとは大きく異なる条件で自らの技術を試すことになる。

    「カートでは、スタート、ディフェンス、オーバーテイクといったすべての基本を学ぶ」

    フェルスタッペンはそう語る。

    「もちろん、僕は人生の長い期間をカートに費やしてきたから、戻ってくるのはいつだって楽しい」

    「重要なのはカートのグリップを理解することだ。何年もカートをやってきたから、かなり自然に感覚を取り戻せると思う。目の前で繰り広げられる大混乱を見るのを楽しみにしているよ」

    最後尾から100人全員をオーバーテイク
    今回フェルスタッペンに課されるミッションは単純明快だ。101台が並ぶグリッドの最後尾からスタートし、自分より前にいる100人すべてをオーバーテイクする。

    対戦相手はプロのレーシングドライバーだけで構成されるわけではない。レッドブルのアスリート、著名人、コンテンツクリエイターやパーソナリティ、さらに世界各地から招待された一般ファンなど、多彩な100人が参加する。

    参加者には、ウルトラランナーのアルダ・サーチ、バスケットボールのシューティングスペシャリストとして知られるクリス“リーサル・シューター”マシューズ、英国のフリースタイル・マウンテンバイクライダー、マット・ジョーンズらレッドブルのアスリートも含まれる。

    通常はF1でグリッド前方からスタートすることの多いフェルスタッペンだが、今回は100台のカートが行く手を阻む。純粋な速さだけでなく、トラフィックを読み、どこで仕掛けるかを瞬時に判断する能力が試される。

    101台のためにシルバーストンに専用コース
    100人対フェルスタッペンという異例のレースを実現するため、シルバーストンには今回のイベント専用レイアウトが用意された。

    コース設計を担当したのは、レースディレクターを務めるフランス人レーシングドライバーのデビッド・テリエン。カートデザイナーとしても知られ、ユース時代にはカートの世界チャンピオンに輝いた経歴を持つ。

    「101人のドライバーが同時に走るためのコースを作るなんて、これまで行われたことも、見たこともない。だから、とてもエキサイティングだ」

    テリエンは語った。

    「マックス・フェルスタッペンが全員を追いかけてくるとなれば、参加するドライバー全員にとって一生に一度の経験になると思う」

    「マックスがトラフィックの先を見ながら、どこでオーバーテイクできるのかを準備し、計画する。そのスキルをすべて見ることができるだろう。前を走るドライバーたちを逃がしたくないわけだから、可能な限り速いスピードでトラフィックを抜けていくことになる」

    レース本番に先立ち、シルバーストンではテリエンとテストドライバーのセバスチャン・ジョブによってコースのテストも実施された。

    マックス・フェルスタッペン

    50台でも「かなり難しかった」
    Oracle Red Bull Sim Racingに所属し、iRacingの世界選手権を2度制したシムレーサーのセバスチャン・ジョブは、テストを通じて100台を抜く難しさを実感したという。

    「100台をオーバーテイクするのは、ものすごく難しいと思う」

    「今日は50台でやったけど、それでも決められた時間内に抜いていくのは大きなチャレンジだった。彼には本当に大仕事が待っているよ」

    101台ものカートが同じコースを走るだけに、フェルスタッペンが圧倒的な速さを持っていたとしても、前方の集団をどう攻略するかによって結果は大きく左右されることになる。

    レース中にフェルスタッペンと参加者が直接会話
    「Max vs 100」では、レースそのものだけでなく、視聴者が戦いを追いやすくするための演出も導入される。

    ゲームをイメージしたグラフィックや映画のようなドローン映像に加え、ライブのレースデータや各種情報を画面上に表示。フェルスタッペンが100人のうち何人を抜いたのかなど、チャレンジの進行をリアルタイムで追える構成となる。

    さらにユニークな仕掛けとして、フェルスタッペンはレース中にライバルたちと直接コミュニケーションを取ることができる。100台を追い抜こうとするフェルスタッペンと、それを阻止しようとする参加者の会話も、レースの見どころのひとつになりそうだ。

    「Max vs 100」は9月16日にシルバーストンで開催され、Disney+で世界に向けてライブ配信される予定。配信地域は国や地域によって異なる。

    F1で数々の勝利と記録を築いてきたフェルスタッペンが、レーシングキャリアの原点であるカートに戻り、101台の大集団の最後尾から100人全員を抜くことができるのか。通常のレースとはまったく異なる条件で、4度のF1王者のオーバーテイク能力が試される。

  • アイザック・ハジャー 2027年レッドブルF1シート安泰 メキース「期待に応えている」

    アイザック・ハジャー 2027年レッドブルF1シート安泰 メキース「期待に応えている」

    アイザック・ハジャーの2027年レッドブル・レーシングのF1シートについて、チーム代表のローラン・メキースが揺るぎない信頼を示した。オランダGPでは負傷欠場したハジャーに代わってリアム・ローソンと角田裕毅がそれぞれ短期間でマシンに適応したが、それによってハジャーの立場が脅かされることはないという。

    メキースはハジャーについて、2026年シーズン前半のパフォーマンスが「素晴らしかった」と評価。

    単発的な速さだけでなく、毎戦のようにスピードを示し続ける一貫性と、マックス・フェルスタッペンからも積極的に学ぼうとする姿勢を高く買っている。

    ローソンと角田裕毅の好走でもハジャーの立場は変わらず
    ハジャーはオランダGPを手首の骨折によって欠場した。これに伴い、レッドブル・レーシングではローソンが代役を務め、レーシングブルズでは角田裕毅がF1レースシートに復帰。いずれも限られた準備期間のなかで高い適応力を示した。

    特にローソンはレッドブルRB22を短期間で乗りこなし、予選ではフェルスタッペンに迫るタイムを記録。一方、角田裕毅もレーシングブルズで安定した週末を送り、決勝ではポイント圏目前の11位でフィニッシュした。

    こうした結果から、ハジャーの2027年の立場にも影響するのではないかとの見方が生まれたが、メキースはL’Equipeの取材に対し、その可能性を事実上否定している。

    手首の骨折について聞かれたメキースは「すぐに忘れるような小さな出来事だ」と説明した。

    「彼は我々の期待に応えている。シーズン前半は素晴らしかった」

    メキースが評価する「スポンジのような吸収力」
    メキースが特に高く評価しているのが、ハジャーの学習能力である。単にマシンを速く走らせるだけではなく、チームやフェルスタッペンから得られる情報を積極的に吸収し、それを自らのパフォーマンス向上につなげているという。

    「彼はスポンジのような存在で、自分を向上させるために吸収できるものをすべて吸収している。チームからも、マックスからも、自分を改善するために得られるものをすべて探し求めている」

    「あるレースでサプライズを起こしたり、ある1日だけ信じられないほど速かったりするドライバーはたくさんいる。しかし、アイザックはすべてのレースで自分の速さを示すことができている」

    レッドブルにとって、この「毎戦速い」という点には大きな意味がある。近年、フェルスタッペンのチームメイトを務めたドライバーたちは、レッドブルのマシンへの適応や安定したパフォーマンスに苦しむケースが続いてきたためだ。

    ローラン・メキース(レッドブル・レーシング)

    レッドブルも認める「セカンドシート」の難しさ
    メキース自身、レッドブル側にもこれまで改善すべき点があったことを認めている。

    「我々も、このセカンドシートについて常にすべてを完璧にやってきたわけではないことは理解している」

    そのうえで、ハジャーがフェルスタッペンとの比較を単純な勝ち負けとして捉えていない点も強みだと語った。

    「しかし、アイザックはそれを競争だとは考えていない。マックスが前にいようが後ろにいようが、彼はどうすればもっと良くできるのかを見る」

    フェルスタッペンというF1屈指の基準点を同じチーム内に持ちながら、それに圧倒されたり、必要以上に結果を追い求めたりするのではなく、自身を改善する材料として活用しているという評価だ。

    2027年について「関係を終える理由はない」
    ハジャーの将来について直接尋ねられたメキースは、現在のパートナーシップを終わらせる「理由はない」と明言した。

    オランダGPでローソンと角田裕毅がそれぞれ存在感を示したことは、レッドブル陣営にドライバー層の厚さを印象づける結果となった。しかし、それは現時点でハジャーの評価を引き下げる材料にはなっていない。

    レッドブルがハジャーに求めているのは、フェルスタッペンを一度上回るような瞬間的な結果ではなく、シーズンを通じて安定した速さを示しながら成長を続けることだ。メキースの発言を見る限り、ハジャーはその期待に十分応えており、2027年のレッドブルF1シートも引き続き強固なものとなっている。