カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • レッドブルF1 ランビアーゼ後任を発表 トム・マッカローが2027年加入

    レッドブルF1 ランビアーゼ後任を発表 トム・マッカローが2027年加入

    レッドブル・レーシングは、2027年からトム・マッカローがチームに加入し、コンペティションディレクターに就任することを発表した。アストンマーティンで長年にわたりF1の現場を支えてきた経験豊富なエンジニアを迎え、マクラーレンへの移籍が決まっているジャンピエロ・ランビアーゼの後任とする。

    50歳のマッカローは2027年シーズン開幕から新たな役職に就く。レッドブル・レーシングでは近年、黄金期を支えた主要スタッフの離脱が相次いでおり、今回の人事は技術・レース運営組織の再構築に向けた重要な一手となる。

    レッドブルがマッカロー加入を正式発表
    レッドブル・レーシングはマッカローの加入について声明を発表した。

    「2027年初頭にトムをチームに迎えられることをうれしく思う。この役職において、彼の豊富な経験と専門知識を生かせることを楽しみにしている」

    マッカローはF1で豊富な経験を持つ。シルバーストンを拠点とするチームに10年以上在籍し、フォース・インディア、レーシング・ポイント、そしてアストンマーティンへとチームが変遷するなかで、主にトラックサイドのパフォーマンス部門を担当してきた。

    しかし、2025年シーズン序盤に行われたアストンマーティンの経営・技術組織再編に伴い、F1チームの第一線から外れた。その後は、アストンマーティンの高性能技術事業を担うアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズでパフォーマンスディレクターを務めていた。

    レッドブルは、マッカローが持つ長年のトラックサイド経験とF1チーム運営への深い理解を評価し、今後の組織で重要な役割を託すことを決めた。

    ランビアーゼはマクラーレン移籍へ
    マッカローは事実上、ジャンピエロ・ランビアーゼが担ってきたレースエンジニアリング部門の責任を引き継ぐことになる。

    ランビアーゼは2024年10月にコンペティションディレクターへ昇格しながら、マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアも引き続き担当してきた。フェルスタッペンとの無線で知られる存在である一方、レッドブルのレース運営全体でも重要なポジションを担っている。

    そのランビアーゼは、遅くとも2028年までにマクラーレンへ移籍する予定となっている。ただし、実際の加入時期が前倒しされる可能性も残されている。

    マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは今年5月、将来的に直接のライバルへ移ることが決まっているスタッフを長期間チームに残すことの難しさを認めていた。

    「我々はこの世界がどういうものか分かっている。ある時点では、ライバルチームへ行くと分かっている人間を抱えていることが、おそらく居心地の悪い状況になるだろう」

    一方でブラウンは、他チームへの移籍を望むスタッフを無理に引き留める考えもないとしている。

    「私の基本的な考え方としては、誰かが去りたいのであれば、適切な形で進めるべきだ。ただ、もう私のチームにいたくないという人について、他のチームにスタッフを盗まれたと考えるタイプではない」

    「ドライバーでもスポンサーでも同じだ。失うこともあれば、彼らが別のものに興味を持つこともある」

    契約は2028年まで 前倒し移籍の可能性も
    ランビアーゼとレッドブルとの現在の契約は2028年まで残っており、現時点ではそれがマクラーレン加入時期を決める基準となっている。

    ブラウンはランビアーゼの加入時期について次のように説明している。

    「2028年まで契約がある。それが必要なのであれば、我々は待つ。もっと早く何かできるのであれば、もちろん興味はある。ただ、現時点では全員が2026年に集中していると思う」

    レッドブルにとっては、ランビアーゼがいつ実際にチームを離れるのかも今後の焦点となる。マッカローが2027年初頭から加入することで、少なくとも一定期間は両者が同じ組織に在籍する可能性があり、引き継ぎを含めた体制構築を進める余地が生まれる。

    ジャンピエロ・ランビアーゼ(レッドブル・レーシング)

    黄金期の主要スタッフ流出が続くレッドブル
    マッカローの招聘は、レッドブルが進めている組織刷新の一環でもある。

    近年のレッドブルでは、長年にわたってチームの成功を支えてきた主要人物が相次いで組織を離れており、ランビアーゼもその流れに加わることになる。新たな技術レギュレーションの下で競争力を維持するうえで、マシンそのものの開発だけでなく、レース週末を運営する技術組織の再構築も重要な課題となっている。

    その点でマッカローは、ランビアーゼとは異なるキャリアを持つ。ひとつのシルバーストン拠点の組織でフォース・インディアからレーシング・ポイント、アストンマーティンへと変化する過程を経験し、限られたリソースで戦った時代から大規模投資による拡張期までを知る人物だ。

    特にトラックサイドでのパフォーマンス管理に長く携わってきた経験は、レース運営と技術部門を結ぶポジションを担ううえで大きな強みとなる。

    2027年加入でランビアーゼ後の体制構築へ
    今回の人事は、F1のトップチーム間で激しさを増す人材獲得競争を象徴する動きでもある。新レギュレーション時代ではマシンやパワーユニットだけでなく、それらを最大限に機能させる技術者と組織力が競争力を左右する。

    レッドブルにとって重要なのは、ランビアーゼの離脱による影響を最小限に抑えながら、マッカローを中心とした新たなレース運営体制を構築することになる。

    マッカローが正式に仕事を始めるのは2027年。それまでランビアーゼはレッドブルで職務を続ける予定であり、一方のマクラーレンは2028年まで待つのか、それとも早期移籍に向けた合意を取り付けるのかという判断を迫られる。

    黄金期を築いたスタッフが徐々に入れ替わるなか、経験豊富なマッカローの招聘は、レッドブルが次の時代を見据えて進める組織再編の重要なピースとなる。

  • レッドブルF1 モンツァのガレージにローソンの「30」 ハジャー欠場なら代役か

    レッドブルF1 モンツァのガレージにローソンの「30」 ハジャー欠場なら代役か

    レッドブル・レーシングがF1イタリアGPに向けて準備を進めるモンツァのガレージで、リアム・ローソンのカーナンバー「30」が確認され、アイザック・ハジャーが欠場した場合の代役起用に備えているのではないかと注目を集めている。

    手首を骨折したハジャーのイタリアGP出場については、直前まで回復状態を見極めたうえで最終判断される見通しだ。

    前戦オランダGPではローソンがハジャーに代わってレッドブル・レーシングから出場して7位に入り、その影響でリザーブドライバーの角田裕毅がレーシングブルズからF1復帰を果たした。

    モンツァのレッドブル・ガレージ奥にローソンの「30」
    ハジャーはF1のサマーブレイク中、トレーニングの一環として行っていたボクシングで手首を骨折。オランダGPを欠場したものの、その後は順調に回復しており、イタリアGPでの復帰を目指している。

    PlanetF1のトーマス・マーハーによると、レッドブル・レーシングは今週末のドライバーラインナップについて水曜日まで待って最終決定する予定だという。

    ハジャーがレース出場に必要な状態まで回復するかをぎりぎりまで見極めることになり、仮に出場許可が下りたとしても、完全なコンディションに戻っているとは限らない。イタリアGPは次戦スペインGPとの連戦の初戦でもあり、チームとしては慎重な判断が求められる。

    そうしたなか、F1フォトグラファーのキム・イルマンがモンツァで撮影したレッドブル・レーシングのガレージの写真をInstagramに投稿。ハジャー側のスペースが通常どおり準備されている様子を紹介した。

    「これは今日のモンツァ・サーキットにあるレッドブルのガレージだ。ハジャーの名前と写真がガレージに掲げられている。ただし、チームは彼が今週末のレースを走るかどうかについて、骨折した手首の回復に最大限の時間を与えるため、最後の瞬間まで決断を下さない」

    実際、ガレージ前方にはハジャーの名前と写真が掲示されており、一見すればハジャーの復帰を前提として準備が進められているように見える。

    しかし、投稿された写真を詳しく確認したファンから「ハジャー側のガレージの奥に30と書かれている」との指摘が寄せられた。「30」はローソンのカーナンバーであり、ハジャーが出場できなかった場合に備えてローソンの代役起用を想定しているのではないかとの見方が広がった。この指摘には200件を超える「いいね」が集まり、ファンの関心を呼んでいる。

    もっとも、ガレージの表示が実際のドライバーラインナップを示しているとは限らない。「こうしたガレージの名前はすぐに変更できる」「オランダGPでも同じだった。かなり前から準備されている」と指摘するファンもいる。

    サーキット側のスタッフが通常のドライバーラインナップに基づいてガレージ前方の表示を設営し、必要になった場合には短時間で変更できるようになっている可能性もある。そのため、ローソンの「30」が残されていることだけで代役起用の準備が進められていると断定することはできない。

    それでも、ハジャーの出場がまだ正式に決まっていないタイミングでローソンの「30」が確認されたことで、ファンの間では万一に備えたものではないかとの憶測を呼んでいる。


    ハジャー「腫れはない。モンツァには期待している」
    ハジャー自身はオランダGP期間中、レッドブルが公開した舞台裏映像のなかで回復が順調に進んでいることを明かしている。

    「腫れはありません。それはいい兆候です。回復も早いですし、毎日少しずつ動かせる範囲が広がっています。モンツァには期待しています」

    ハジャーの負傷は手術を必要とするものではないとみられている。

    2023年にはダニエル・リカルドがオランダGPでクラッシュして手を骨折し、手術を受けたことで5戦を欠場。当時アルファタウリのリザーブを務めていたローソンが代役としてF1デビューし、複数戦にわたって出場する機会を得た。

    今回のハジャーの負傷はリカルドのケースほど深刻ではないとみられるものの、レッドブル・レーシングとしてはイタリアGPを走り切れる状態にあるかを慎重に判断する必要がある。

    ハジャーが予定どおり復帰できれば、ローソンは通常の役割に戻ることになる。一方、出場が見送られれば、オランダGPで7位に入ったローソンが再びレッドブル・レーシングをドライブする可能性が高く、その場合は角田裕毅が引き続きレーシングブルズを担当することになる。

    モンツァのガレージで確認された「30」が単なる設営上の名残なのか、それともハジャーの欠場に備えた準備なのか。現段階では推測の域を出ず、最終的な答えはハジャーの手首の状態を確認したうえで下されるレッドブル・レーシングの決断を待つことになる。

  • 角田裕毅も続けるか F1で逆境から評価を取り戻した7人の復活劇

    角田裕毅も続けるか F1で逆境から評価を取り戻した7人の復活劇

    2026年F1オランダGPでレーシングブルズから電撃復帰を果たした角田裕毅は、決勝11位という結果以上に、その走りによって再び自身の存在をパドックに印象づけた。

    2025年限りでレッドブル・レーシングのレギュラーシートを失い、2026年はテスト兼リザーブドライバーとして過ごしてきた角田裕毅。しかし、アイザック・ハジャーの負傷によってリアム・ローソンがレッドブル・レーシングに招集されると、その空席を埋める形でレーシングブルズのマシンをドライブする機会が巡ってきた。

    「今日はできることをすべてやりましたし、本当に楽しめました」

    決勝でポイントまであと一歩の11位に終わった角田裕毅は、レース後にそう振り返った。

    この一戦だけで2027年のF1レギュラー復帰につながるかはまだ分からない。それでもF1の歴史を振り返れば、代役出場や復帰戦、あるいは厳しい状況で見せた一度の鮮烈なパフォーマンスが、その後のキャリアを大きく変えた例は少なくない。

    F1公式サイトは、角田裕毅のザントフォールトでの復帰をきっかけに、逆境から評価を取り戻した代表的なドライバーたちを紹介している。

    角田裕毅も続けるか ニコ・ヒュルケンベルグのケース

    ■ ニコ・ヒュルケンベルグ 代役出場からF1復帰への道を切り開く
    2026年オランダGPで角田裕毅より数ポジション前の8位でフィニッシュしたニコ・ヒュルケンベルグは、まさに代役出場によってF1キャリアを再生させた代表例だ。

    ヒュルケンベルグは2019年末にルノーのシートを失い、2020年はF1のレギュラーシートを持っていなかった。

    しかし、その2020年にレーシングポイントのセルジオ・ペレスとランス・ストロールが相次いで新型コロナウイルスに感染したことで、ヒュルケンベルグに代役出場の機会が巡ってきた。

    最初のシルバーストンではマシントラブルにより決勝をスタートできなかったものの、翌週に同じサーキットで行われた70周年記念GPではメルセデス勢に続く予選3番手を獲得。決勝でも7位に入った。

    さらにニュルブルクリンクでは急きょ招集されながら、最後尾から8位まで追い上げる走りを披露した。

    こうしたパフォーマンスを受け、レーシングポイントは2021年にヒュルケンベルグを正式なリザーブドライバーに起用。その後、2022年にも2戦で代役出場を果たし、F1パドックで存在感を維持し続けた。

    そして2023年、ハースからF1フル参戦に復帰。さらにザウバーを経てアウディへ移籍し、2026年まで第一線で活躍を続けている。

    代役として結果を残し続けたことが、事実上ヒュルケンベルグのF1キャリアをもう一度つなぎ直したと言える。

    ■ カルロス・サインツJr. 虫垂炎手術から2週間後に優勝
    カルロス・サインツJr.はF1から離脱した経験こそないものの、2024年シーズンを極めて特殊な状況で迎えていた。

    開幕前、ルイス・ハミルトンが2025年からフェラーリへ加入することが電撃発表され、サインツJr.はシーズンが始まる前から年末でチームを去ることが決まっていた。

    さらに第2戦サウジアラビアGPでは虫垂炎に見舞われ、手術を受けたため欠場。当時F2に参戦していたオリバー・ベアマンが代役を務めた。

    それでもサインツJr.は、わずか2週間後のオーストラリアGPで復帰した。

    予選では2番手を獲得し、決勝ではフェラーリを勝利へと導いた。

    手術直後とは思えないそのパフォーマンスは、サインツJr.の能力を改めて証明するものとなった。

    すでにフェラーリ離脱が決まっていたことで2025年のシートを探す立場に置かれていたサインツJr.だが、その後は複数チームから獲得候補として注目を集め、最終的にウィリアムズへの移籍を決断した。

    厳しい状況に置かれた直後に勝利という最大級の結果を残したことで、自らの市場価値を再確認させたレースだった。

    角田裕毅も続けるか アラン・プロストのケース

    ■ アラン・プロスト 1年休養から復帰初戦で勝利
    フェラーリとの関係悪化によって一度F1を離れながら、復帰後すぐに頂点へ戻ったドライバーがアラン・プロストだ。

    マクラーレンからフェラーリへ移籍したプロストは、1990年にアイルトン・セナとタイトルを争ったものの、鈴鹿での接触によって王座を逃した。

    1991年になるとフェラーリの競争力が低下し、プロストはチームを公然と批判するようになる。

    両者の関係は急速に悪化し、当時3度のF1ワールドチャンピオンだったプロストはシーズン終了を待たずにフェラーリを解雇された。

    1992年に競争力のあるシートを確保する時間は残されておらず、プロストは1年間F1を休養することになった。

    しかし、「教授」と呼ばれたプロストのキャリアはそこで終わらなかった。

    1993年にウィリアムズからF1へ復帰すると、開幕戦南アフリカGPでポールポジションを獲得。そのまま復帰初戦を勝利で飾った。

    その後もシーズンを通じてさらに6勝を挙げ、通算4度目のF1ワールドチャンピオンを獲得した。

    1年間レースから離れていたドライバーが復帰直後からタイトルを獲得した例は、F1史でも特筆すべきカムバックのひとつである。

    ■ ミカ・サロ シューマッハの代役で評価を一変
    ミカ・サロもまた、代役出場をきっかけにF1キャリアを再構築したドライバーだ。

    1994年終盤にロータスからF1デビューしたサロは、その後ティレルやアロウズで戦ったものの、1999年にはレギュラーシートを失った。

    だが、BARのリカルド・ゾンタが負傷したことで3戦の代役出場を担当すると、その後さらに大きなチャンスが訪れる。

    フェラーリのミハエル・シューマッハがシルバーストンでの事故で脚を骨折し、サロがその代役として起用された。

    フェラーリでの初戦オーストリアGPは9位だったが、次戦ドイツGPでは4番グリッドからスタートし、一時はレースをリードした。

    最終的にはF1タイトルを争っていたチームメイトのエディ・アーバインを前に出し、自身は2位でフィニッシュ。これがサロにとって初表彰台であり、F1キャリア最高位となった。

    その後モンツァでも表彰台を獲得し、フェラーリのコンストラクターズタイトル獲得に貢献した。

    サロの走りはザウバーにも評価され、2000年には再びF1のレギュラーシートを手にした。

    シューマッハという絶対的エースの代役という大きなプレッシャーの中で結果を残したことが、サロのキャリアを再び動かした。

    ■ バルテリ・ボッタス 苦悩の2018年から「ボッタス2.0」へ
    バルテリ・ボッタスの場合、F1のシートを失ったわけではなかった。しかし2018年シーズンは、そのキャリアの中でも特に厳しい1年となった。

    2017年にメルセデスへ加入しF1初勝利を挙げたボッタスだったが、2018年は未勝利に終わり、ドライバーズ選手権でも5位まで後退した。

    一方、チームメイトのルイス・ハミルトンはタイトルを獲得。ボッタスは後に、この時期に精神的に非常に厳しい状態に陥り、F1を辞めることまで考えたと明かしている。

    それでも冬の間に立て直しを図り、2019年開幕戦オーストラリアGPで強烈な反撃を見せた。

    予選ではハミルトンに次ぐ2番手だったが、スタート直後に首位を奪取。そのまま約20秒もの大差を築いて圧勝した。

    チェッカー後、ボッタスは無線で前年に向けられた批判への強烈なメッセージを発した。

    後に本人は、それが「前年からたまっていたフラストレーションが全部出たものだった」と振り返っている。

    「ボッタス2.0」と呼ばれるようになった2019年は4勝を挙げ、ドライバーズ選手権2位。ボッタスにとってF1キャリア最高のシーズンとなった。

    ■ ケビン・マグヌッセン 1年離脱から復帰初戦5位
    ケビン・マグヌッセンも、突然巡ってきた復帰のチャンスを最大限に生かした。

    2017年から2020年までハースで戦ったマグヌッセンだったが、チームが2021年にニキータ・マゼピンとミック・シューマッハというルーキー2人を起用したことでF1のシートを失った。

    その後はスポーツカーなど別カテゴリーへ活動の場を移していた。

    ところが2022年開幕直前、ハースはマゼピンとの契約を解除。その後任としてマグヌッセンを呼び戻した。

    F1から1年以上離れていたにもかかわらず、復帰戦となったバーレーンGPで予選7番手を獲得すると、決勝では5位に入った。

    当時ハース代表だったギュンター・シュタイナーは、その走りを強烈な言葉で「バイキングのカムバック」と表現した。

    同年のサンパウロGPではさらに驚きのポールポジションを獲得。マグヌッセンとハースの関係は2024年末まで続いた。

    F1を一度離れたドライバーが、ほぼ準備期間なしで復帰し、初戦からトップ5に入ったインパクトは大きかった。

    角田裕毅も続けるか セルジオ・ペレスのケース

    ■ セルジオ・ペレス シート喪失決定後にF1初優勝
    セルジオ・ペレスの2020年サクヒールGPも、1レースによってキャリアの流れが大きく変わった象徴的な例だ。

    2011年にザウバーからF1デビューしたペレスは、マクラーレンを経てフォース・インディアへ加入。その後チームがレーシングポイントへと姿を変えてからも長年残留していた。

    しかし、2021年からチームがアストンマーティンへ改称するのを前に、4度のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルの加入が決定。契約を残していたペレスはシートを失うことになった。

    それでもペレスはシーズン終盤に結果で自らをアピールした。

    トルコGPで2位に入ると、その2戦後のサクヒールGPではさらに劇的なレースを演じる。

    1周目の接触によって最後尾まで後退したものの、そこから猛烈な追い上げを開始。最終的にはF1初優勝を達成した。

    メキシコ人ドライバーのF1勝利は、1970年のペドロ・ロドリゲス以来だった。

    すでに翌年のシートを失うことが決まっていた時期に挙げたこの勝利は、ペレスの評価を決定的に高めた。

    その後レッドブル・レーシングが2021年のドライバーとしてペレスを起用。そこから4シーズンにわたってチャンピオンチームの一員として戦うことになった。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    ■ 角田裕毅も「一度のチャンス」でF1復帰への流れを変えられるか
    ヒュルケンベルグ、サロ、マグヌッセンのように代役出場を足掛かりにシートを取り戻したケースもあれば、プロストのように休養後すぐ勝利してタイトルまで獲得した例もある。

    サインツJr.やボッタス、ペレスも、キャリア上の厳しい局面で鮮烈なパフォーマンスを見せることで自身の価値を改めて証明した。

    角田裕毅が2026年オランダGPで置かれていた状況も、それらと重なる部分がある。

    レッドブル・レーシングのシートを失った後もF1を離れず、リザーブとしてチャンスを待ち続けた。そして突然訪れたレーシングブルズでの復帰戦で、短い準備期間ながら決勝まで戦い抜いた。

    11位という数字だけを見れば華々しい結果ではない。しかしF1で次のシートをつかむために重要なのは、与えられた機会の中で何を示したかでもある。

    過去の「復活劇」が証明しているように、わずか1戦の走りがドライバーの将来を変えることはある。

    ザントフォールトで再びF1マシンに乗った角田裕毅にとっても、この一戦が本格的なグリッド復帰へ向けた最初の一歩になる可能性は十分に残されている。

  • レッドブルF1 リアム・ローソン再起用で現場の本音「みんな彼が大好き」

    レッドブルF1 リアム・ローソン再起用で現場の本音「みんな彼が大好き」

    リアム・ローソンは、2026年F1オランダGPで負傷したアイザック・ハジャーの代役としてレッドブル・レーシングから参戦し、短期間でRB22に適応してポイントを獲得した。その舞台裏では、かつて同チームで戦ったニュージーランド人ドライバーの復帰をスタッフも歓迎していたという。

    オランダGPでローソンのナンバーワンメカニックを務めたルーク・ヒースは、レッドブルの公式コンテンツ『Behind The Charge』で、ローソンとの再共働について「僕たちはみんなリアムが大好き」と語った。

    2025年にわずか2戦でレッドブルのシートを失ったローソンにとって今回は特別な状況だったが、現場では過去を引きずるような雰囲気はなかったようだ。

    ハジャー負傷で急きょレッドブル復帰
    ローソンのレッドブル復帰は、ハジャーが手首の負傷によってオランダGPを欠場したことで実現した。レースウイーク開始の数日前には代役起用が決まり、ローソンは実車に乗る前にRB22でのシミュレーターセッションを行い、準備を進めることができた。

    それでも、異なるチームとマシンに急きょ適応することは簡単ではない。ローソンは2025年にもレッドブルからF1に参戦したものの、わずか2戦でレーシングブルズへ戻されている。その経験から、今回の復帰では精神面でのプレッシャーも注目された。

    しかし、レッドブルのガレージ側にとってローソンを迎え入れることに大きな違和感はなかったという。

    「僕たちはみんなリアムとデックが大好き」
    オランダGPでローソンのナンバーワンメカニックを担当したヒースは、ローソンだけでなく、パフォーマンスコーチのデック・フォーリーも含めてチームから親しまれていると説明した。

    「僕たちはみんなリアムとデックが大好きだから、うれしいよ」

    「もちろん、マシンへの組み込みに関する細かな作業や舞台裏でやらなければならないことはいろいろある。でも、僕たちはリアムと仕事をするのが本当に好きなんだ。アイザックもリアムも本当にいい人たちだし、すごく感じのいい若者だよ」

    ヒースによれば、ドライバー交代に伴う技術的な準備こそ必要だったものの、実際の仕事の進め方という意味では大きな変化はなかった。

    「実際には何も大きく変わっていない。もちろん2人ともVCARBから上がってきているからね。2人が似たタイプのドライバーだとは言わないけど、どういう手順で進めるのかは分かっている。だから問題ないと思っていたよ」

    ローソンはレーシングブルズでレッドブル系チームの仕事の進め方を熟知しており、それが急な代役参戦でもスムーズに適応できた要因のひとつだった。

    予選ではフェルスタッペンに0.115秒差
    ローソンはその期待にコース上でも応えた。オランダGP予選ではQ3に進出して8番手を獲得。チームメイトのマックス・フェルスタッペンとの差はわずか0.115秒だった。

    決勝ではスタート直後からフェルスタッペンとポジションを争う積極的な走りを披露。その後もレースを戦い抜き、フェルスタッペンがターン14でクラッシュしてリタイアしたなか、ローソンはレッドブルにとってこの日の唯一のポイントを持ち帰った。

    短期間でマシンを乗り換えたことを考えれば、ローソンの適応力を示す週末となった。

    リアム・ローソン (レッドブル・レーシング)

    メキース代表も「非常に素早く適応してくれた」
    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースも、ローソンの仕事ぶりを高く評価した。

    「リアムについて言えば、あるチームから別のチームへ移ってすぐに走るのは決して簡単なことではない。そして今日、彼は我々が獲得できるポイントをしっかり持ち帰ってくれた」

    特にメキースが評価したのが予選でのパフォーマンスだった。

    「昨日の予選でも非常にいい仕事をして、マックスにかなり近いところまで来ていた。これほど短期間でチームに適応してくれたことに感謝している」

    2025年の苦い経験を経て示した適応力
    ローソンにとって今回のレッドブル復帰は、単なる代役参戦以上の意味を持つ週末でもあった。

    2025年にはレッドブルのレギュラードライバーとしてシーズンをスタートしながら、わずか2戦でシートを失った。それからレーシングブルズで経験を積み、約1年半後に再びレッドブルのマシンを任されたローソンは、限られた準備時間でフェルスタッペンに迫る予選タイムを記録し、決勝ではチームにポイントをもたらした。

    そして今回明らかになったのは、そのパフォーマンスだけではない。レッドブルの現場スタッフからも「一緒に仕事をするのが本当に好き」と評されており、チームへの溶け込みやすさもローソンの強みとなっている。

    2027年のF1シートを巡る判断が注目されるなか、オランダGPでの代役参戦は、ローソンが速さと適応力、そしてチームとの良好な関係を改めて示す機会となった。

  • リアム・ローソン レッドブルF1 RB22の根本的問題を実感「とにかくグリップがない」

    リアム・ローソン レッドブルF1 RB22の根本的問題を実感「とにかくグリップがない」

    2026年F1オランダGPでレッドブル・レーシングから代役参戦したリアム・ローソンは、RB22が抱えるグリップとトラクション不足をレース中に繰り返し訴えた。

    マックス・フェルスタッペンがシーズンを通じて指摘してきたマシンバランスの問題を、ローソンも72周の決勝を通じて実感することになった。無線では低速域を中心にフロントとリアの双方でグリップを失う症状を詳細に報告しており、単なるセットアップではなく、RB22が抱える根本的な弱点が浮き彫りになった。

    ローソンが訴え続けたRB22のグリップ不足
    オランダGPでは、手首を負傷したアイザック・ハジャーに代わってローソンがレッドブル・レーシングのRB22をドライブした。

    フェルスタッペンは以前から2026年型マシンについて、コーナーの進入から出口までバランスが一定せず、ドライバーが自信を持って攻められないことを問題視していた。

    オランダGPのスプリント後にもフェルスタッペンは「マシンバランスが最大の問題だ」と説明している。

    「コーナー全体を通じて一貫性がない。でも、それは今シーズンずっとそうだった」

    さらに、問題は単に扱いにくいというだけではないと語った。

    「今はマシンが抱えている根本的な問題によって、単純に制限されていると思う。それを解決する必要がある」

    「全般的に、いいバランスがなければコーナーを本当に攻めることができない。それにトラクションもなければ、コーナーからきちんと立ち上がれない。そうしたすべてがタイムを失う原因になる」

    その言葉を裏付けるように、ローソンも決勝の比較的早い段階からRB22の挙動に苦しんだ。

    10周目には「低速でまったくグリップがない」と報告。翌11周目には問題の内訳について「主にフロントだけど、コーナー出口ではリアのグリップもすでにかなり悪い」と伝えている。

    16周目には、より具体的にトラクション不足を訴えた。

    「低速でのトラクションが本当に悪い」

    18周目には「とにかくスロットルを踏めない」と報告した。

    これはフェルスタッペンが指摘していた、コーナー出口でトラクションを得られず加速に移れないというRB22の問題と重なる。

    タイヤが劣化すると前後ともにグリップを失う
    ローソンの無線からは、RB22の問題がリアだけに限定されたものではなかったことも分かる。

    19周目には高速域について「このスティントの終盤では高速が少し不安定になっている」と報告。ただし、この時点ではタイヤの状態が極端に悪化していることも原因として挙げていた。

    さらに43周目には、マシン全体のグリップ不足を訴えている。

    「とにかくものすごく滑っている。正直、フロントもリアもだ」

    54周目にも「低速だけなんだ。そこで本当に多くのグリップを失っている」と伝えた。

    そして56周目には、タイヤ交換直後とスティントが進んだ後でマシンの状態が大きく変化することを説明した。

    「僕の場合、タイヤを履いて最初の数周はグリップがある。でも、その後は特に低速でまったくグリップがなくなる」

    「4輪すべてのグリップだ。一番ひどいのはトラクションだけど、スティントが進むにつれてフロントも失っている」

    ローソンの説明を整理すると、RB22は新品タイヤでは一定のグリップを発揮するものの、タイヤの状態が変化すると低速域を中心に前後双方のグリップが急速に不足し、特にコーナー出口のトラクションが大きな制約になっていたことになる。

    フェルスタッペンが「一貫性がない」と表現してきたマシン特性を、ローソンもレースディスタンスの中で確認する形となった。

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)

    フェルスタッペンと直接バトル「Really nice」
    ローソンは決勝スタート直後、チームメイトとなったフェルスタッペンを相手に積極的なバトルを展開した。

    オープニングラップの数コーナーではフェルスタッペンに仕掛け、進路を閉じられた際には無線で「Really nice(実にいいね)」と皮肉とも受け取れる言葉を発している。

    そのフェルスタッペンは1周目終盤にクラッシュしてリタイア。ローソンはレッドブル・レーシングにとって唯一の生き残りとなった。

    また、ローソンはフォーメーションラップの段階で最終コーナーについて「完全に濡れている」とチームに報告していた。結果的に、この難しいコンディションがフェルスタッペンのクラッシュにつながることになった。

    レース中には別の意味でローソンの代役参戦を象徴するやり取りもあった。

    普段はレーシングブルズをドライブしているため、チームはピットインの際に間違えて元のチームのピットへ向かわないよう、繰り返し「レッドブルのボックス」に止まることを確認していた。

    フェルスタッペン離脱後に7位フィニッシュ
    ローソンは最終的に7位でフィニッシュし、レッドブル・レーシングにポイントを持ち帰った。

    黄旗違反による10秒ペナルティを受けたことで、最終的には前を走ったシャルル・ルクレールから47秒差でのフィニッシュとなったものの、フェルスタッペンが序盤でリタイアした状況でRB22から現実的に引き出せる結果を残した。

    一方、オランダGPでローソンが残した無線は、レッドブルの現在地を示す重要な材料にもなった。

    低速域でのフロントグリップ不足、コーナー出口でのリアグリップとトラクション不足、タイヤのスティントが進むにつれて悪化する4輪全体のグリップ、そして高速域での不安定さ。ローソンが訴えた症状の多くは、フェルスタッペンが2026年シーズンを通じて問題視してきたRB22の特性と一致している。

    異なるドライバーが同じマシンで同様の問題を指摘したことは、レッドブルが抱える課題がドライビングスタイルだけでは説明できないことを示す材料となる。

    ローソンが次戦イタリアGPでもレッドブル・レーシングをドライブするかはまだ決まっていない。手首を骨折したハジャーはモンツァでの復帰を目指しており、その回復状況次第でローソンの起用が判断されることになる。

  • アイザック・ハジャー F1イタリアGP復帰に前進「腫れはない」水曜日に最終判断

    アイザック・ハジャー F1イタリアGP復帰に前進「腫れはない」水曜日に最終判断

    手首の負傷によりF1オランダGPを欠場したアイザック・ハジャーは、次戦イタリアGPでの復帰に向けて順調に回復していることを明かした。患部の腫れはすでになく、日に日に可動域も広がっているという。

    レッドブル・レーシングは、9月4~6日にモンツァで開催されるイタリアGPへのハジャーの出場について、負傷の回復状況と実際にF1マシンをドライブできる状態にあるかを確認したうえで、水曜日に最終判断を下す予定だ。

    ハジャーは夏休み中、トレーニングの一環として行っていたボクシングで手首を負傷。小さな骨折が確認され、ザントフォールトで行われたオランダGPへの出場を断念した。

    ただし、ハジャーはレースウイーク中もチームに帯同し、ガレージからセッションを見守った。レッドブルが公開したオランダGPの舞台裏映像では、これが自身にとって初めて経験する本格的な負傷だと説明している。

    「実際、これが僕の人生で初めてのケガなんだ。これまでの人生でも、キャリアでも、本当に初めてだ」

    ドライバーとしてレースに出場できず、ガレージから見守る状況には強いフラストレーションを感じたという。

    「ベンチにいるのは変な感じだし、僕自身にとってもチームにとっても、うれしいことではない。もちろん、僕はすべてのラップでそこにいたい」

    「腫れはない」モンツァ復帰へ回復進む
    一方、ハジャーが明かした現在の手首の状態には明るい材料がある。固定具を装着した患部を示しながら、腫れがなくなり、可動域も日々改善していると説明した。

    「腫れていないんだ。それはすごくポジティブだし、いい兆候だ。実際、かなり早く治っている」

    「毎日少しずつ動かせる範囲が広がっている。モンツァに行けることを願っているよ」

    F1マシンの運転では、ステアリング操作だけでなく、縁石から伝わる衝撃や高速コーナーでの負荷などが手首にかかる。日常生活で痛みがなくなったとしても、それだけでレース出場が可能とは判断できない。

    そのため、レッドブルは回復状況を引き続き確認し、水曜日にイタリアGP出場の可否を最終決定する。

    欠場した週末も「学べることはある」
    ハジャーにとって、オランダGPはF1のレースウイークに参加しながらマシンをドライブしない初めての経験となった。

    普段は自身のマシンで発生している問題への対応に集中するため、ガレージ全体で交わされている情報の一部を見落とすこともあるという。今回は外からチームの仕事を見ることで、通常とは異なる視点を得られたと語った。

    「実際に参加せずにレースウイークを過ごすのは初めてだったけど、それはそれで興味深かった」

    「夏休み明けだから、ここに来てF1のリズムに戻れたのはよかった。学べることはいつだってある」

    「普段のレースウイークでは、特定の問題を解決することに集中していて、トンネルの中にいるような感覚になる。だから、ときには役立つかもしれない情報を見落としてしまうこともあるんだ」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    ハジャー欠場ならローソンと角田裕毅が再び代役
    ハジャーがイタリアGPに出場できない場合、レッドブルはオランダGPと同じドライバー交代を行う見通しだ。

    ザントフォールトでは、レーシングブルズのリアム・ローソンがハジャーに代わってレッドブル・レーシングに入り、マックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めた。そして、空いたレーシングブルズのシートには角田裕毅が起用された。

    急きょレッドブルのマシンに乗ることになったローソンは、短期間で環境に適応。決勝では7位に入り、6ポイントを獲得した。

    レッドブル・レーシング代表のローラン・メキースも、ほとんど準備期間がない状況でマシンを乗り換えたローソンの仕事を高く評価している。

    このため、ハジャーがモンツァに間に合わなければ、ローソンが再びレッドブル・レーシングへ移り、角田裕毅がレーシングブルズをドライブする体制を継続できる。

    ただし、レッドブルにとって第一の選択肢はハジャーの復帰だ。本人も「モンツァに行けることを願っている」と前向きな姿勢を示しており、患部の腫れがなくなったことも回復が進んでいることを示す材料となっている。

    最終的な焦点は、回復した手首がF1マシンを限界で走らせる負荷に耐えられるかどうかにある。ハジャーのイタリアGP出場については、水曜日に判断が下される。

  • マックス・フェルスタッペン F1のV8復活を2030年まで待つ覚悟「受け入れる」

    マックス・フェルスタッペン F1のV8復活を2030年まで待つ覚悟「受け入れる」

    マックス・フェルスタッペンは、F1とFIAとの協議を経て、将来的なV8エンジン復活を見据えながら、現行パワーユニット(PU)規則を受け入れる姿勢を示した。現在の2026年型PUには依然として満足していないものの、2027年と2028年に予定される変更、さらに2030年を視野に入れた次世代エンジン構想を踏まえ、「待つ用意がある」と語っている。

    2026年に導入された新PU規則をめぐっては、フェルスタッペンはシーズン前から厳しい批判を続けてきた。

    一方でF1とFIAも電動側への依存度を抑える方向で規則を段階的に修正する方針を固めており、その先にはV8エンジン復活という大きな選択肢も浮上している。

    2026年型PUを「素晴らしいとは言えない」と評価
    2026年のF1では、内燃エンジン(ICE)と電動側の出力比率が大きく変化した。2025年まではおおむねICEが80%、電動側が20%だったのに対し、新規則では両者の比重が大幅に接近した。

    このコンセプトにフェルスタッペンは早い段階から疑問を呈していた。プレシーズンテストでは新世代マシンを「アンチ・レーシング」と表現し、「ステロイドを使ったフォーミュラEのようだ」とまで評している。

    特に問題視してきたのが、電気エネルギーのマネジメントがドライビングやレースそのものに与える影響だ。サーキットによってはエネルギーの使い方がパフォーマンスを大きく左右し、従来のF1とは異なる走らせ方を要求される。

    当時は、状況次第ではF1から早期に退く可能性まで示唆していたフェルスタッペンだが、その後レッドブル・レーシングとの契約を2030年末まで延長した。

    そして現在は、現行規則に対する不満そのものは変わっていないものの、その先に予定されている改善を含めて受け止めようとしている。

    「僕は今の状況を受け入れている。もちろん、個人的には満足していない」

    フェルスタッペンは現在のPU規則についてそう語った。

    「でも同時に、F1やFIAと話し合ってきたなかで、来年とその翌年に向けて少しずつ改善しようとしている。それに僕が契約した年まで考えれば、V8が復活する可能性への扉も開かれている。だから僕はそれを受け入れるつもりだ。ただ、現時点で素晴らしいかと言われれば、そうではない」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    2027年と2028年にICEの比重を段階的に拡大
    フェルスタッペンが「少しずつ改善」と表現した背景には、すでに決まっているPU規則の変更がある。

    2027年にはICEの最大出力が現行の420kWから450kWへ引き上げられ、ICEと電動側の出力配分も見直される。さらに2028年にはICE側の比重を一段と高め、出力配分を60対40まで変更する方向となっている。

    つまり2026年規則をそのまま維持するのではなく、F1とFIAは段階的にICEへの依存度を高めることで、現在表面化している問題への対応を進める。

    フェルスタッペン自身も、F1およびFIAとの協議に参加しながら、こうした方向性について意見を交わしてきた。

    「僕は今でもレースが大好きだ。今もF1マシンであることに変わりはないし、サーキットによって良いところもあれば、そうではないところもある。そして、いくつかの部分について改善できることは間違いなく分かっている」

    「だから、これから数年かけて少しずつ良くなっていくことを願っている」

    2030年のV8復活が長期契約の先に
    その先にあるのがV8エンジンの復活だ。

    FIA会長モハメド・ベン・スレイエムは、2030年を次世代PU導入のターゲットとしており、V8エンジンをF1に復活させる構想を推進している。実現すれば、2013年以来のV8復活となる。

    フェルスタッペンがレッドブル・レーシングと新たに結んだ契約も2030年末までとなっている。このため、現在の契約期間は次世代PUへの移行が想定される時期と重なる。

    今回の発言で重要なのは、フェルスタッペンが単純に現行PUへの批判を撤回したわけではない点だ。「個人的には満足していない」「現時点では素晴らしくない」という評価は変えていない。

    その一方で、F1とFIAとの直接的な話し合いを通じて、2027年、2028年と段階的に改善し、その先にV8復活の可能性を残すロードマップであれば受け入れられるという姿勢に変化している。

    そしてV8が実際に2030年から復活することになれば、フェルスタッペンが2030年代もF1でレースを続ける可能性も出てくる。

    現行PUへの不満から将来の引退まで口にしていたフェルスタッペンにとって、V8復活への「開かれた扉」は、F1に残り続けるうえで無視できない要素となっている。

  • レッドブルF1 ローソンのイタリアGP起用で新プラン ハジャーはFP1で負傷確認へ

    レッドブルF1 ローソンのイタリアGP起用で新プラン ハジャーはFP1で負傷確認へ

    レッドブル・レーシングは、アイザック・ハジャーの手首の負傷をめぐり、F1イタリアGPでリアム・ローソンを再び起用する可能性を残している。

    ハジャーがモンツァで復帰した場合でも、金曜フリー走行1回目(FP1)で状態を確認し、継続が難しければFP2からローソンに交代するというプランが検討されているという。

    この場合、ローソンが所属するレーシングブルズには代役が必要になる。具体的なドライバーは報じられていないものの、オランダGPでは同じ状況で角田裕毅がレーシングブルズに復帰しており、再び起用される可能性が考えられる。

    ハジャーはサマーブレイク最終週、通常のトレーニングの一環として行っていたボクシングで手首を負傷し、小さな骨折を負ったとみられている。オランダGPを欠場したことでローソンが急きょレッドブルに復帰し、決勝7位という結果を残したが、9月4~6日に開催されるイタリアGPまでにハジャーが完全に回復する保証はない。

    ハジャーに「可能な限り長く」回復の時間
    The New Zealand Heraldの報道によれば、レッドブルはハジャーに対し、イタリアGP出場の可否を判断するまで「可能な限り長く」時間を与える方針だという。

    ハジャーはオランダGPでも出走自体は可能だったとされるが、MotoGPのマルク・マルケスからアドバイスを受けたうえで、大事を取って欠場を選択した。レッドブルとしても、無理に復帰させて負傷を悪化させることは避けたい考えだ。

    現時点では、ローソンはモンツァでレーシングブルズに戻ることが基本線となっている。しかし、ハジャーの回復状況次第では、再びレッドブルのRB22をドライブする可能性がある。

    さらにレッドブルは、ハジャーが一度復帰した場合に備えた別のプランも用意しているという。

    FP1でハジャーが走行 継続困難ならローソンに交代
    報道によると、レッドブルが想定する「最悪のケース」では、ハジャーをまずイタリアGPのFP1に出走させ、実際にF1マシンを運転した際に手首がどこまで耐えられるかを確認する。

    そこでハジャーが週末を続行するのは難しいと判断した場合、FP2からローソンをレーシングブルズからレッドブルへ移すというものだ。

    ただし、FP1終了後にローソンを別チームへ移して出走させるには、FIAの承認が必要になると報じられている。そのためレッドブルは、このシナリオを緊急時の選択肢として準備しつつ、まずはハジャーが問題なく復帰できることを期待している。

    ハジャーの手首をめぐっては、復帰を急いで再び痛めた場合、2026年シーズンの残りを欠場する可能性まで懸念されているという。モンツァでの走行は、単に痛みに耐えられるかではなく、その後のレースを含めて悪化するリスクがないかを見極める重要なテストになる。

    ローソン移籍ならレーシングブルズは角田裕毅が候補
    もうひとつの焦点は、ローソンが週末途中にレッドブルへ移った場合、レーシングブルズの空いたシートを誰が埋めるのかという点だ。

    The New Zealand Heraldの報道では、ローソンに代わってレーシングブルズを走るドライバーまでは明らかにされていない。しかし、その場合の有力な選択肢となるのが角田裕毅だ。

    オランダGPでも、ハジャーの欠場によってローソンがレッドブルへ移ったことでレーシングブルズのシートが空き、角田裕毅が代役としてF1レースに電撃復帰した。今回も同じ構図になれば、再び角田裕毅がレーシングブルズをドライブする可能性がある。

    つまり、ハジャーがFP1を走ったものの継続できなかった場合、FP2以降はレッドブルがマックス・フェルスタッペンとローソン、レーシングブルズが角田裕毅とアービッド・リンドブラッドという布陣になることも考えられる。

    ただし、これは現時点で正式に発表されたプランではない。まずハジャーの状態を確認したうえで、週末途中にローソンをレッドブルへ移すことについてFIAの承認を得る必要があり、それに伴うレーシングブルズ側のドライバー変更についても調整が必要になる。

    ローソンはオランダGPで7位 予選ではフェルスタッペンに0.115秒差
    一方、ローソンにとってオランダGPでの代役出場は、自身の評価を高める結果となった。

    ローソンは急きょレッドブルに呼び戻され、RB22をドライブ。決勝では7位でフィニッシュした。マシンの現在の競争力を考慮すれば、現実的に狙える上位に近い結果だった。

    予選Q3ではフェルスタッペンとの差をわずか0.115秒に抑えた。

    しかもローソンがRB22への適応に使えたのは、シミュレーターでの1セッションと実車でのFP1だけだった。スプリント・フォーマットだったため準備時間は極めて限られており、スプリント予選ではSQ1からSQ2にかけて変化したコンディションへの対応に苦戦した。

    スプリントでもレーシングブルズのリンドブラッドを攻略できなかったが、突然の招集と準備時間を考えれば、その後の予選と決勝で示したパフォーマンスは評価できるものだった。

    角田裕毅ではなくローソンを選んだレッドブル
    オランダGPの代役起用では、レッドブルのリザーブドライバーを務める角田裕毅ではなく、レーシングブルズでレースに出場しているローソンが選ばれた点も注目された。

    ローソンは2025年に2戦だけレッドブルで走った経験を持つ。その後レーシングブルズへ戻ったものの、ハジャー欠場時には再びトップチームから声がかかった。

    オランダGPで7位を獲得したことで、その判断にも結果で応えた形だ。

    一方、ハジャーがオランダGPを無理に走らず欠場できたことは、レッドブル内での立場が安定していることの表れとも受け取れる。チームは1戦の結果を優先して負傷を悪化させるのではなく、今後を見据えて回復を優先させた。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    イタリアGPがローソンと角田裕毅の再出番につながる可能性
    現段階でレッドブルが望んでいるのは、ハジャーがイタリアGPで通常通り復帰し、週末を最後まで走り切ることだ。

    しかし、モンツァでFP1を走った段階で手首に問題が生じれば、ローソンが再びRB22に乗る可能性が浮上する。そしてローソンがレッドブルへ移れば、オランダGPと同様に角田裕毅がレーシングブルズへ戻るという玉突きのドライバー変更が再び起きる可能性もある。

    オランダGPでは限られた準備時間ながら決勝7位まで持ち込んだローソン。ハジャーの回復次第では、ザントフォールトでの一度限りとされたレッドブル復帰がモンツァでも続き、それが角田裕毅にとっても再びF1レースを戦うチャンスにつながる可能性がある。

  • マルク・マルケス アイザック・ハジャーにF1欠場助言「悪化させれば人生が変わる」

    マルク・マルケス アイザック・ハジャーにF1欠場助言「悪化させれば人生が変わる」

    MotoGP王者のマルク・マルケスが、負傷によってF1オランダGPを欠場したレッドブル・レーシングのアイザック・ハジャーから相談を受け、レース出場を無理に強行しないよう助言していたことを明かした。

    ハジャーはトレーニングの一環として行っていたボクシングで手首を負傷。小さな骨折が判明し、ザントフォールトでのオランダGPを欠場した。

    自身も度重なる大けがと長期離脱を経験してきたマルケスは、「1レースを欠場しても人生は変わらない。でも、早く復帰してけがを悪化させれば人生が変わる」と伝えたという。

    ハジャーがマルケスに相談 負傷したままF1出場すべきか
    ハジャーはオランダGPを前に手首を負傷したものの、当初はレース出場の可能性を探っていた。

    しかし、ザントフォールトの週末にはフランスメディアが、ハジャーが最終的な判断を下す前にマルケスへ助言を求めたと報じていた。

    マルケスは8月27日、MotoGPアラゴンGPを前にMotoGP公式サイトの取材に応じ、実際にハジャーから連絡があったことを認めた。

    「ハジャーから連絡が来た」

    「もちろん僕は医者ではない。でも、アドバイスが欲しかったんだ。ライダーにとって、今回はドライバーだけど、こういう判断はものすごく難しい。自分では『もしかしたらいけるかもしれない』と感じることがあるからね」

    「でも、『分かった。このレースは欠場して、次のレースに向けてもっといい状態を作ろう』と受け入れるのは難しい」

    ハジャーは最終的にオランダGPからの欠場を決断。代役としてリアム・ローソンがレッドブルに乗り、レーシングブルズでは角田裕毅がF1復帰を果たした。

    「1レース欠場しても人生は変わらない」自身の経験から警告
    マルケスの言葉に重みがあるのは、自身が負傷を抱えたまま早期復帰を試み、その後長期間にわたって苦しんだ経験を持つからだ。

    マルケスは2020年のMotoGPスペインGPで右上腕骨を骨折。当初は早期復帰を目指したものの、その後状態が悪化し、最終的には約2年間で右腕に4度の大きな手術を受けることになった。

    2020年シーズンは事実上すべてのレースを欠場。競技人生そのものを左右する大けがとなった。

    マルケスは、その経験こそがハジャーに伝えたかった最大の教訓だったと説明する。

    「僕が言ったのはそれだけだ。過去の経験から学んだ。1レースを欠場したからといって、人生が変わることはない」

    「でも、早すぎる段階で走って、けがを悪化させてしまえば、人生が変わる可能性がある」

    「僕自身、ヘレスで負傷してから人生は大きく変わった。だから、その経験からアイザックにアドバイスしようとしただけだ」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    ハジャーの決断を支持「長いキャリアが待っている」
    マルケスは、オランダGPを欠場したハジャーの判断について「正しかった」と評価した。

    「彼は正しい決断をしたと思う。彼にはこれから長いキャリアが待っているからね」

    ハジャーは手首に小さな骨折を負ったものの、現時点では次戦イタリアGPでの復帰が見込まれている。

    1戦の出場を優先するのではなく、完全な回復に近づけてから復帰する。その判断を後押ししたのが、負傷によって競技人生を大きく変えられた経験を持つマルケスだった。

    マルケスは近年、自身の負傷経験を生かして他のライダーにも助言を送っており、2025年に相次ぐ負傷に苦しんだホルヘ・マルティンにも同様に自身の経験を伝えている。

    F1とMotoGPというカテゴリーの違いはあっても、トップレベルの選手がけがを抱えながら競技復帰を判断する難しさは共通する。ハジャーにとって今回の欠場は苦しい決断だったが、マルケスは自身のキャリアを通じて得た教訓から、将来を優先する選択を強く勧めた。

  • リアム・ローソン 2027年F1シートはレッドブル本社が決断 チーム側に決定権なし

    リアム・ローソン 2027年F1シートはレッドブル本社が決断 チーム側に決定権なし

    リアム・ローソンの2027年F1シートを巡る決定は、レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインやレッドブル・レーシング代表ローラン・メキースだけでは完結しないようだ。最終的な判断は、レッドブル本社の経営レベルに委ねられると報じられている。

    F1オランダGPで負傷したアイザック・ハジャーの代役としてレッドブル・レーシングに復帰したローソンは、難しい状況で7位に入り、自身の価値をあらためて証明した。

    しかし、その好走とは別に、2027年にレーシングブルズのシートを維持できるかどうかについては、F2でタイトル争いをリードするニコラ・ツォロフの存在もあり、依然として不透明な状況にある。

    ローソンの将来はレッドブル本社が最終判断へ
    レーシングブルズはNew Zealand Heraldに対し、2027年のドライバーラインアップについてまだ決定していないと説明している。ルーキーのアービッド・リンドブラッドは残留する可能性が高い一方、レッドブルはツォロフを可能な限り長く評価したい考えだという。

    レーシングブルズCEOのピーター・バイエルはオランダGPで、最終的な判断をパーメインが下すことを示唆していた。しかし、同紙によれば、実際の決定権はさらに上層部にある。

    ローソンの去就を最終的に判断するとされるのが、レッドブルのマネージングディレクターを務めるオリバー・ミンツラフだ。ミンツラフはレッドブルのオーナーシップと、F1を含む同社のスポーツ事業を結ぶ重要な立場にある。

    つまり、レーシングブルズ内部だけでなく、メキースを含むF1チーム側の判断を超えて、レッドブル本社がローソンの将来を決める構図になる。

    2025年の降格を擁護したミンツラフ
    ミンツラフは2025年、ローソンをわずか2戦でレッドブル・レーシングからレーシングブルズへ降格させた決定について、その正当性を強調していた。

    「正しい措置だった。F1はハイパフォーマンススポーツであり、彼のパフォーマンスは求められるレベルに達していなかった。リアムをあのマシンに乗せ続けることは間違いだった」

    「ますます大きくなるプレッシャーも、彼のためにはならなかっただろう。最終的には彼も理解し、受け入れた。彼がレーシングブルズに戻ってきてくれたことをうれしく思っている」

    そのミンツラフが再びローソンのキャリアを左右する判断を下す立場にあるということになる。

    一方、レッドブルを取り巻く環境は当時から変化した。若手を積極的に昇格させる一方、結果が伴わなければ素早く交代させることは長年レッドブルの特徴だったが、クリスチャン・ホーナーとヘルムート・マルコがチームを去ったことで、以前ほど容赦のないドライバー運用ではなくなる可能性も指摘されている。

    メキース自身も過去にレッドブルがセカンドドライバーを十分にサポートできなかったケースがあったことを認めており、2025年のローソンについても、本人の能力だけで評価すべきではないとの見方につながっている。

    オリバー・ミンツラフ(レッドブル)

    オランダGPで示した適応力
    ローソンにとってオランダGPでのレッドブル復帰は、2027年の将来を左右する重要な機会となった。

    ハジャーの負傷を受けて急きょRB22をドライブすることになったローソンは、レーシングブルズのVCARB 03とは性格の異なるマシンに短期間で適応。予選ではマックス・フェルスタッペンに約0.1秒差まで迫り、決勝では7位でフィニッシュした。

    マシンのペースを考えれば現実的に狙えるほぼ最大限の結果であり、ローソンにとっては直近8戦で7度目のポイント獲得となった。2025年序盤にレッドブルから降格した当時とは異なり、現在は安定して結果を残せるドライバーであることを示している。

    同時に、ローソンにはもうひとつの戦いがある。レッドブル・レーシングへの将来的な復帰をアピールするだけでなく、まず2027年のレーシングブルズのシートを確保しなければならない。

    F2首位ツォロフがシート争いのライバル
    その最大のライバルとなる可能性があるのが、レッドブル・ジュニアのニコラ・ツォロフだ。

    ツォロフはF2選手権をリードしており、2027年のF1昇格候補として存在感を強めている。若手をF1へ送り込むことを育成プログラムの柱としてきたレッドブルにとって、ツォロフが十分な結果を残せば昇格を検討するのは自然な流れでもある。

    リンドブラッドの立場が比較的安泰とみられているため、仮にツォロフを昇格させる場合、ローソンのシートが対象になる可能性がある。

    ただし、ローソンは今季のF1で結果を積み重ねており、さらにオランダGPでは急きょレッドブルに呼び戻されながら即座に対応した。実績と経験を持つローソンを外して新人を起用することになれば、その判断には大きな注目が集まることになる。

    他チームへの移籍先も限定的
    ローソンにとって問題なのは、仮にレッドブルのF1プログラムから外れた場合、他チームの選択肢も限られていることだ。

    ウィリアムズは2027年に向けてドライバー2人との契約を更新。アストンマーティンはフェルナンド・アロンソの残留を優先しており、アウディも現在のラインアップに満足していることを明らかにしている。

    現時点でシートが動く余地を残しているのはアルピーヌ、ハース、キャデラックなどに限られるが、それぞれ現職ドライバーが残留する可能性もある。

    だからこそ、レーシングブルズのシート確保はローソンのF1キャリアにとって極めて重要になる。

    2025年にはわずか2戦でレッドブルから降格させられたローソンだが、その後はレーシングブルズで着実に結果を積み上げ、オランダGPでは再びレッドブルのマシンに乗って7位という結果を残した。それでも2027年のシートは保証されておらず、最終判断を握るのは現場のパーメインやメキースではなく、レッドブル本社のミンツラフになるとみられている。