カテゴリー: アウディ

  • アウディF1 外部投資家の受け入れに前向きも「チームの支配権は維持する」

    アウディF1 外部投資家の受け入れに前向きも「チームの支配権は維持する」

    アウディは、F1プロジェクトへの外部投資家からの関心が高まるなか、さらなる資本受け入れに門戸を開いている。ただし、チームの主導権を手放す考えはない。

    フォルクスワーゲン・グループ全体でコスト削減が進められるなか、アウディのF1参戦計画の財務面にも関心が集まっている。しかし、アウディCEOのゲルノート・デルナーはF1スペインGPが行われたマドリンクで、プロジェクトには十分な資金基盤があり、計画を変更する理由はないと強調した。

    アウディF1は2030年までに損益分岐点へ
    アウディは2026年からワークスチームとしてF1に参戦している。フォルクスワーゲン・グループが幅広いコスト削減策を進めていることから、F1プログラムへの影響も注目されている。

    デルナーは、F1参戦に向けた財務計画は十分な準備を経て構築されたものだと説明した。

    「我々はF1参戦に向けて非常に綿密な準備を行い、強固な資金基盤とパートナーを備えたプロジェクトを構築した」

    さらに、現在のビジネスプランは予定通り進んでいるとして、方針転換の必要性を否定した。

    「我々のビジネスプランでは、2030年までに損益分岐点に到達する。我々は計画を堅持しており、何かを変更する理由はない」

    新たな投資家に門戸も「チームの支配権は維持する」
    アウディF1にはすでに大規模な外部資本が入っている。カタールの政府系ファンドは、アウディがワークスチームとして正式参戦する以前に、チームの約3分の1とされる少数株式を取得した。

    そして現在、ほかの投資家からも関心が寄せられているという。デルナーは追加の資本受け入れを否定しなかった一方、アウディがチームの支配権を維持することは明確にした。

    「ほかの潜在的なパートナーからも多くの関心が寄せられている。しかし、我々は常にチームの支配権を維持する」

    その理由について、デルナーはF1特有の意思決定の速さを挙げた。

    「F1チームを民主的なマネジメントスタイルで運営することはできるかもしれない。しかし、それでは決して十分な速さで動けない」

    「パートナーには我々を信頼してもらい、レーシングチームの運営そのものは我々に任せてもらう必要がある」

    アウディ F1

    V8エンジン復活でもアウディF1参戦に影響なし
    アウディは市販車事業で電動化を重要な柱に据えている。一方、F1では2030~2031年以降の将来的なパワーユニット規則をめぐり、V8エンジンを軸とする方向性も議論されている。

    こうした動きがアウディの電動化戦略と矛盾する可能性について問われたデルナーは、その見方を否定した。

    「いや、そこまでの問題だとは考えていない」

    ただし、アウディにとって譲れない条件がひとつある。それが持続可能燃料の継続使用だ。

    「燃料は引き続き持続可能なものでなければならない。それは我々にとって重要だ。そこは我々にとってレッドラインになる。ただし、それ自体は議論の対象にはなっていない」

    つまり、将来的にF1がV8エンジンへ移行したとしても、持続可能燃料という基本原則が維持される限り、それだけでアウディの参戦方針が揺らぐことはないという立場だ。

    ヒュルケンベルグとボルトレトのコンビを高く評価
    スポーツ面では、デルナーはニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトのドライバーラインアップにも満足している。

    特にヒュルケンベルグについては、そのパフォーマンスや中期的な将来をめぐる憶測もあるが、デルナーは明確な支持を示した。

    「我々はヒュルケンベルグとボルトレトの両方に非常に満足している。2人ともアウディF1チームのために同じ方向を向いて取り組んでいる」

    また、ドイツメーカーであるアウディにとって、ヒュルケンベルグがドイツ人であることにも一定の意味があると認めた。

    「ニコがドイツ人であることは、アウディ社内において特別な価値を持っている」

    ただし、国籍がドライバー選考を左右するわけではないと付け加えた。

    「もちろん、それによってパフォーマンスがチーム編成を決める基準であるという原則が変わることはない。それでも、我々は2人をチーム全体を引き上げてくれる素晴らしいコンビだと考えている」

    ドイツGP復活を希望もアウディによる資金援助は否定
    アウディは、F1カレンダーへのドイツGP復活についても前向きな姿勢を示している。ただし、レース開催のためにメーカー自身が資金を拠出する計画はない。

    「我々が財政的に参加する計画はない」

    「自動車メーカーとして我々にできるのは、チームを参戦させることで貢献することだ。しかし、そのようなイベントを実現するためには、ほかの関係者が動き、構築していかなければならない」

    フォルクスワーゲン・グループを取り巻くコスト削減圧力が続くなかでも、アウディはF1プロジェクトを長期的な事業として位置づけている。外部資本のさらなる受け入れには柔軟な姿勢を示す一方、チーム運営の主導権、持続可能燃料、そしてパフォーマンスを軸とするドライバー選考という基本方針については明確な一線を引いている。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ 40歳以降もF1継続へ「ストップウォッチは嘘をつかない」

    ニコ・ヒュルケンベルグ 40歳以降もF1継続へ「ストップウォッチは嘘をつかない」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、F1キャリアを終える時期について期限を設けていない。2027年もアウディで戦い、そのシーズン中に40歳を迎えるドイツ人ドライバーは、自身のパフォーマンスとモチベーションだけが今後を決める基準になると考えている。

    高齢になってもF1グリッドに立ち続けるフェルナンド・アロンソのように、ヒュルケンベルグも今後さらに数シーズンにわたって現役を続ける可能性がある。ただし、何歳まで走るという具体的な目標を設定するつもりはないという。

    40歳を迎える2027年もアウディF1で参戦
    ニコ・ヒュルケンベルグは先月39歳の誕生日を迎えた。現在のF1グリッドでは、フェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンに次いで3番目に年齢が高いドライバーである。

    2027年もアウディでF1参戦を続ける予定で、そのシーズン中に40歳を迎えることになるが、ヒュルケンベルグは現役引退について年齢による制限を設けていない。

    Mundo Deportivoから、アロンソのように45歳までキャリアを続ける可能性について尋ねられたヒュルケンベルグは、最終的には自分のパフォーマンスレベル次第だと説明した。

    「本当にすごいことだと思う」

    ヒュルケンベルグはアロンソのF1での長いキャリアについてそう語り、2度のF1ワールドチャンピオンが現在も高い競争力を維持していることにも言及した。

    「彼は今でも非常に高いパフォーマンスを発揮している。モータースポーツのいいところは、ストップウォッチは決して嘘をつかないということだ」

    ヒュルケンベルグにとって、期待される結果を出し続け、最高峰で戦う意欲を維持できている限り、年齢そのものは決定的な要素ではない。

    「そうだね! ストップウォッチが自分にとっていい数字を示している限り、この仕事をすることに幸せを感じ、モチベーションを持ち続けている限りはね。なぜなら、このレベルのパフォーマンスに到達して、必要なことをすべてやり遂げるには、多くの努力とものすごいエネルギーが必要だからだ」

    ただし、そうした状況がいつ変化するのかについては、自分自身にも分からないと認めた。

    「それが続いている限り、僕は喜んで続ける。でも、いつそれが変わるのかは分からない」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)

    過去のF1マシンを過度に懐かしまず
    ヒュルケンベルグは、自身のキャリア初期にドライブしていたF1マシンについても質問を受けた。以前の世代のマシンは現在より小さく、軽量で、エンジンサウンドも大きかった。

    しかし、ヒュルケンベルグはそうした過去のマシンへのノスタルジーについて冷静な見方を示し、ドライバーは最終的に与えられたマシンに適応していくものだと語った。

    「どんなマシンにも慣れるものだ」

    「常に適応していくことは、このカテゴリーに本質的に備わっている現実なんだ。それが僕たちの現実だ。ドライバーとしては、単純に適応して、自分たちに与えられたものに慣れていく。そして、毎年この仕事をすることができるのは世界でたった22人しかいないということを、決して忘れてはいけない」

    ヒュルケンベルグはまた、過去の世代のF1マシンに対する記憶は、時間の経過とともに美化されがちだとも指摘する。

    「僕たちは少し理想化する傾向もあると思う。当時はオーバーテイクが本当にひどかった。似たようなものに戻ることが現実的だとは思わない」

    「それに、まず安全面を考えれば、さまざまな装置が必要になり、その分の重量も必要になる。F1でそれを手放したいと思う人はいない」

    近年のF1マシンは大型化と重量増加が進み、過去の軽量なマシンを懐かしむ声も少なくない。一方、ヒュルケンベルグは安全性を維持しながら過去と同じ方向へ戻ることは現実的ではないとの考えを示した。

    「だから、あのマシンが戻ってくることを夢見ても意味はない。ただ、F1がようやく少しずつ重量を減らす方向へ進み始めたことは確かだ」

    2027年に40歳を迎えるヒュルケンベルグだが、現時点でF1引退の期限を決める考えはない。ストップウォッチが競争力を証明し、自身のモチベーションが続く限り、年齢にかかわらずアウディでF1キャリアを続けていく構えだ。

  • レーシングブルズF1 角田裕毅巡るアウディの上訴に反応「チームと裕毅を守る」

    レーシングブルズF1 角田裕毅巡るアウディの上訴に反応「チームと裕毅を守る」

    F1イタリアGPで角田裕毅にペナルティを科さなかったスチュワードの裁定をめぐり、アウディが上訴する意向を示した。これを受け、レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインが反応している。

    上訴が正式に進めば、レーシングブルズはFIA国際控訴裁判所で角田とチームの立場を守ることになる。

    パーメインは、最近にも別の案件でパリで行われた審理に出席したばかり。それだけに、再びパリへ向かう可能性について冗談交じりに語った。

    「まず、パリで一晩過ごすのはいつだっていいものだ。短期間で2回目になるのもね」

    「もちろん、我々はそこへ行って、チームと裕毅を守るつもりだ」

    一方で、現時点ではFIAから正式な通知は届いていないという。

    「まだ進行中の案件なので、それ以上のことについてはあまり話せない。実際のところ、まだ正式な案件にすらなっていないと思う。我々はFIAから通知さえ受け取っていないからね」

    「ただ、手続きは進むだろうし、おそらく10月下旬のどこかで我々はパリへ向かうことになると思う」

    角田裕毅のスタート手順をアウディが問題視
    今回の上訴の対象となっているのは、モンツァで行われたF1イタリアGP決勝の再スタート前に起きた出来事だ。

    シャルル・ルクレールのクラッシュによる赤旗中断後、14番グリッドから再スタートする予定だった角田は、グリッドへ向かう際にいったん本来とは異なる側へ進入。その後、進路を修正して自身のグリッドボックスに停止したが、マシンはピットウォール側を向くように斜めになっていた。

    これを受け、レースディレクターのルイ・マルケスは再スタートを中止し、追加のフォーメーションラップを指示した。

    F1スポーティングレギュレーション第B5.9.4条では、追加フォーメーションラップを引き起こしたと判断されたドライバーは通常、ピットレーンへ入り、そこからレースを再開しなければならない。

    しかし、スチュワードは角田のマシンが自身のグリッドボックス内に収まっていたと判断した。

    さらに、レーシングブルズには角田が追加フォーメーションラップの原因とみなされているとの通知がなかった。そのため、チーム側には角田をピットレーンへ入れるよう指示する理由がなかったとしている。

    スチュワードは、追加フォーメーションラップについても角田が直接引き起こしたものではなく、レースディレクターの判断によって実施されたものと解釈。角田に対して「追加措置なし」と裁定した。

    これに異議を唱えたのがアウディだ。

    「我々は、追加フォーメーションラップを引き起こしたドライバーにピットレーンへ入り、そこからレースを再開することを義務づけている第B5.9.4条の適用について懸念を提起した」

    「スチュワードは追加措置なしとの決定を下したため、我々は上訴する意向を通知した」

    ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

    角田裕毅の1ポイントにも影響する可能性
    アウディが上訴に動いた背景には、選手権ポイントもある。

    角田はイタリアGPを10位でフィニッシュして1ポイントを獲得。一方、アウディのガブリエル・ボルトレトは角田から約7秒遅れの11位だった。

    そのため、上訴によって裁定が覆り、角田にレース結果へ影響するペナルティが科された場合、ボルトレトが10位へ繰り上がって1ポイントを手にする可能性がある。

    パーメインが「短期間で2回目」と語ったのは、レーシングブルズが最近、F1モナコGPでピエール・ガスリーに科されたペナルティをめぐるFIA国際控訴裁判所の審理にも関わっていたためだ。

    その審理は8月下旬にパリで行われ、判断はイタリアGP週末の9月3日に公表された。

    それから間もなく、今度は角田をめぐる案件で再びパリへ向かう可能性が浮上したことになる。

    アウディの上訴が正式に進めば、争点となるのは、追加フォーメーションラップが角田によって「引き起こされた」とみなされるのか、それとも当初のスチュワードの裁定通り、レースディレクターの判断によって実施されたものと解釈されるのかという点だ。

    レーシングブルズは角田を擁護する構えを明確にしており、パーメインが見込む10月下旬の審理に向けて、両者の主張が改めて争われることになりそうだ。

  • アウディF1育成フレディ・スレーター 2027年F2昇格 インヴィクタ加入が決定

    アウディF1育成フレディ・スレーター 2027年F2昇格 インヴィクタ加入が決定

    アウディのドライバー育成プログラムに所属するフレディ・スレーターが、2027年にFIA F2へ昇格することが決定した。インヴィクタ・レーシングから参戦し、F1へのステップアップを目指してキャリアを進める。

    18歳のイギリス人ドライバーであるスレーターは、2026年にトライデントからFIA F3に参戦。ルーキーながら最終戦までタイトルを争い、ウーゴ・ウゴチュクウに次ぐランキング2位でシーズンを終えた。

    2027年は近年F2で圧倒的な実績を残しているインヴィクタに加入し、新たな挑戦に臨む。

    F3ルーキーイヤーでランキング2位
    スレーターは2026年シーズンを前に、アウディ・ドライバー・デベロップメント・プログラムの最初の契約ドライバーとして発表された。

    同年はトライデントからFIA F3にステップアップすると、早い段階からトップグループに定着。シーズンを通してタイトル争いに加わり、最終戦マドリードまでチャンピオン獲得の可能性を残した。

    最終的にはウゴチュクウにタイトルを譲ったものの、フィーチャーレース1勝、ポールポジション3回、表彰台8回を記録し、ルーキーシーズンをランキング2位で終えた。

    2027年に所属するインヴィクタは、近年のF2で高い競争力を示しているチームだ。2024年と2025年には2年連続でドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得している。

    スレーターはF2のポストシーズンテストで初めてインヴィクタと本格的に作業し、2027年シーズンに向けた準備を開始する。

    アウディF1 フレディ・スレーター FIA フォーミュラ2選手権

    アラン・マクニッシュ「F2昇格は自然な次のステップ」
    アウディ・ドライバー・デベロップメント・プログラムのディレクターを務めるアラン・マクニッシュは、スレーターのF2昇格について、育成過程における重要なステップだと説明した。

    「F2への昇格はフレディにとって自然な次のステップであり、ドライバーとしての成長における重要な新しい段階だ」

    「彼は素晴らしいF3シーズンを送り、最終戦までタイトルを争った。シーズンを通してスピード、レースクラフト、そして成長を示してくれた」

    「我々はフレディが今シーズン成し遂げたこと、そしてその過程で見せた成長を非常に誇りに思っている。インヴィクタ・レーシングは近年素晴らしい実績を残しており、彼らと一緒に仕事ができることをうれしく思う」

    「彼にとって理想的な環境だと考えているし、2027年にこの新たな挑戦に臨む彼をサポートしていくことを楽しみにしている」

    フレディ・スレーター「まだ学ぶべきことはたくさんある」
    スレーター自身も、F3での経験を土台としてF2でさらに成長していきたいと語った。

    「来年、インヴィクタ・レーシングとともにF2へステップアップできることに本当に興奮している。今シーズンのF3では多くのことを学んだし、1年を通してドライバーとしても人間としても成長できたと感じている」

    「インヴィクタはF2で素晴らしい実績を持っている。チームと仕事を始め、一緒にシーズンへ向けた準備を進めるのが待ちきれない」

    「アウディ・ドライバー・デベロップメント・プログラムから引き続きサポートしてもらえることにも、とても感謝している。まだ学ぶべきことはたくさんあるし、この新しい挑戦を本当に楽しみにしている」

    インヴィクタ「次の挑戦への準備はできている」
    インヴィクタ・レーシングのCEO兼チーム代表を務めるジェームス・ロビンソンも、F3初年度からタイトル争いを演じたスレーターのパフォーマンスを高く評価している。

    「2027年にフレディをインヴィクタ・レーシングへ迎えられることをうれしく思う。FIA F3参戦初年度でランキング2位になるのは素晴らしい成果だ。特に、このカテゴリーの競争レベルを考えればなおさらだ」

    「1勝、3回のポールポジション、8回の表彰台というシーズンを通した結果は、彼が示してきた速さと安定感を物語っている」

    「フレディは次の挑戦に進む準備ができていることを証明した。彼がF2への次のステップを踏み出す手助けができることを、とても楽しみにしている」

    急速に駆け上がるジュニアカテゴリー
    スレーターは2022年に四輪レースへ転向し、ジネッタ・ジュニア・ウインター・シリーズで史上最年少チャンピオンとなった。翌2023年にはジネッタ・ジュニア選手権を制している。

    2024年にはイタリアF4とUAE F4の両タイトルを獲得。2025年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権でチャンピオンに輝き、フォーミュラ・リージョナル・ミドルイースト選手権でもランキング2位となった。

    そして2026年はFIA F3でランキング2位。2027年にはF1直下のFIA F2へと進むことになる。

    F2参戦中もアウディ・ドライバー・デベロップメント・プログラムからコース内外で継続的な支援を受ける。アウディF1の育成ドライバーとして、スレーターにとって2027年はF1への道を占う重要なシーズンとなる。

  • アウディF1 角田裕毅のイタリアGP無罰裁定を正式上訴 1ポイント巡る争い

    アウディF1 角田裕毅のイタリアGP無罰裁定を正式上訴 1ポイント巡る争い

    アウディF1チームは、2026年F1イタリアGPで角田裕毅にペナルティを科さなかったFIAスチュワードの裁定について、正式に上訴を提出したことを明らかにした。

    モンツァでは、赤旗後の再スタートを前に角田裕毅のグリッドへの進入と停車姿勢を受けて追加のフォーメーションラップが実施された。角田はスタート手順違反の可能性について審議されたものの、スチュワードは「これ以上の措置は取らない」と判断。角田は10位でフィニッシュし、今季初ポイントとなる1ポイントを獲得した。

    アウディが96時間以内に正式上訴
    アウディはレース後、FIAスポーティングレギュレーション第B5.9.4条の適用について異議を唱え、まず上訴の意思を通知していた。

    この手続きによって与えられた96時間の猶予期間内に、アウディは正式に上訴するかどうかを検討。その結果、チームは実際に上訴手続きを進めることを決断した。

    アウディF1チームは声明で正式な上訴提出を認めた。

    「イタリアGP後、チームは第B5.9.4条の適用について懸念を提起した。この規則では、追加のフォーメーションラップを引き起こしたドライバーはピットレーンに入り、そこからレースを再開することが義務づけられている」

    「規則で定められた96時間以内に上訴を提出したことを確認できる。現在、この件はFIAの上訴手続きの対象となっているため、現段階ではこれ以上のコメントは差し控える」

    争点となっている第B5.9.4条では、追加のフォーメーションラップを引き起こし、その追加フォーメーションラップに参加できるドライバーについて、ラップ終了時にピットレーンへ入り、ピットレーン出口からスタートしなければならないと規定されている。

    角田裕毅は正しいグリッド枠内に停止
    問題が起きたのは、シャルル・ルクレールのクラッシュによる赤旗後の再スタートだった。

    14番グリッドからスタートする角田裕毅は、グリッドへ向かう際に当初反対側へ進入しかけた後、進路を修正。最終的には指定された14番グリッドの枠内にマシンを停止させたものの、マシンはピットウォール側へ向いた斜めの状態になっていた。

    レースディレクターのルイ・マルケスは、この状態のままスタートさせることに不安があるとしてスタートを中止し、追加のフォーメーションラップを指示した。

    そのため、角田が追加フォーメーションラップを「引き起こしたドライバー」に該当するのかが争点となった。

    レース後に審議したスチュワードは、角田のマシンがグリッド枠内に正しく収まっており、他のドライバーにも影響を与えていなかったことなどを考慮した。

    さらにマルケス自身が、追加フォーメーションラップは角田の違反によって自動的に必要になったものではなく、マシンの進入時の動きを見た自身の判断だったと説明した。

    スチュワードはこれを踏まえ、追加フォーメーションラップは「22号車のドライバーによって直接引き起こされたものではなく、レースディレクターによる状況判断の結果だった」と結論づけた。

    レーシングブルズにも角田にも通知なし
    もうひとつ重要なポイントとなったのが、レースコントロールからレーシングブルズにも角田裕毅にも、追加フォーメーションラップの原因が22号車であるとの通知がなかったことだ。

    第B5.9.4条に従うのであれば、原因となったドライバーは追加フォーメーションラップ終了時にピットへ入り、ピットレーンからスタートする必要がある。

    しかしスチュワードは、その義務を履行するためには、ドライバー側が自分が追加フォーメーションラップの原因だと認識している必要があると指摘した。

    レーシングブルズ側は、過去にはフォトグラファーの位置など、ドライバーとは無関係の外的要因によって追加フォーメーションラップが実施されたケースもあると主張した。

    今回、チームにもドライバーにも原因が角田であるとのメッセージは送られていなかった。

    さらに角田のマシン自体は指定されたグリッド枠内に収まっていたため、スチュワードはレーシングブルズに角田をピットレーンへ向かわせる理由はなかったと判断。最終的にペナルティを科さないことを決定した。

    アウディ F1 角田裕毅

    アウディは規則を「明確」と主張
    一方、アウディ側はこの解釈に異議を唱えている。

    アウディは、レースディレクターが角田のマシンの状態を理由にスタートを中止して追加フォーメーションラップを指示した以上、第B5.9.4条に照らせば角田がその原因になったと考えるべきだとの立場だ。

    つまり、レーシングブルズや角田に原因であることが通知されていたかどうかとは別に、角田は追加フォーメーションラップ終了時にピットレーンへ入り、そこから再スタートする必要があったという主張になる。

    アウディは、この規則の文言は明確であると考えており、今回の上訴を通じて今後同様のケースが発生した場合の規則適用について明確化することも求めている。

    ボルトレト「正しいことは正しい」
    今回の上訴結果によって直接利益を得る可能性があるのが、アウディのガブリエル・ボルトレトだ。

    イタリアGPで角田裕毅は10位、ボルトレトは11位でフィニッシュした。角田の結果に十分なペナルティが加算されて順位が逆転すれば、ボルトレトが10位に繰り上がり、1ポイントを獲得することになる。

    F1スペインGPを前にマドリードでアウディの上訴について質問されたボルトレトは、規則は明確だとの考えを示した。

    「ルールとしてはかなり明確だと思う。ドライバーが追加のフォーメーションラップを引き起こした場合、そのドライバーはピットレーンからスタートしなければならない。でも、あのケースで裕毅はそうしなかった」

    「だから、それがアウディが上訴している理由だと思う。僕たちは結果について上訴している。僕たちにとっては、順位が上がれば1ポイントになるからね。すべてのポイントが重要だし、結局のところ、正しいことは正しいと思う」

    今季11位が多すぎるのではないかと冗談交じりに問われると、ボルトレトは「ちょっと多すぎるね。僕が望んでいるよりも多いよ」と答えた。

    角田裕毅にとってイタリアGPの10位は、レーシングブルズ復帰2戦目で手にした今季初ポイントだった。一方、11位だったアウディにとっては、わずか1つの順位が選手権ポイントを左右する。

    上訴の焦点は、追加フォーメーションラップを実施する直接の判断を下したのがレースディレクターであっても、その判断のきっかけとなったドライバーを第B5.9.4条上の「原因」とみなすのかという点にある。FIAの上訴手続きによる結論次第では、角田のイタリアGPでの10位と今季初ポイントにも影響が及ぶ可能性がある。

  • アウディF1 2戦連続最速ピットストップの裏に元レッドブル“フェルスタッペン担当”

    アウディF1 2戦連続最速ピットストップの裏に元レッドブル“フェルスタッペン担当”

    アウディF1がピットストップで目覚ましい進歩を遂げている。オランダGPとイタリアGPでは2戦連続でレース最速のピットストップを記録。その改善を支えている人物として、レーシングディレクターのアラン・マクニッシュは、元レッドブルのリー・スティーブンソンの存在を挙げた。

    スティーブンソンはレッドブルで長年にわたって経験を積み、マックス・フェルスタッペンのチーフメカニックまで務めた人物だ。

    現在はアウディのチームマネージャーに昇格し、ガレージ内のオペレーション構築で重要な役割を担っている。

    レッドブルでフェルスタッペンを支えたスティーブンソン
    リー・スティーブンソンはレッドブルの組織内でキャリアを重ね、最終的にはフェルスタッペン担当のチーフメカニックを務めた。

    その後、ザウバーがアウディの2026年F1参戦に向けて準備を進めるなかでチームに加入。現在はチームマネージャーへと昇格している。

    これはレッドブルでジョナサン・ウィートリーが担っていたものに近い役割だ。ウィートリーの在籍時代、レッドブルのピットクルーはF1でも屈指の存在として知られ、ピットストップの世界記録も保持していた。その記録は2023年F1カタールGPでマクラーレンがランド・ノリスを1.80秒で送り出すまで破られなかった。

    アウディの現在の姿は、わずか数年前とは大きく異なる。

    2024年にはホイールナットに関連する技術的な問題を抱え、ピットストップで大幅にタイムを失うケースがあった。しかし、現在ではオランダGPとイタリアGPで2戦続けてレース最速のピットストップを記録するまでに改善している。

    「同じメンバーが非常に安定して結果を出している」
    マクニッシュは、当時の問題について人的なミスではなく、技術的な要因が大きかったと説明する。

    「技術的な問題だった。実際、それは2024年のことで、当時は技術的な問題だった」

    そのうえで、ピット作業の改善は昨年末から今年初めにかけて継続的に進めてきた取り組みの成果だと語った。

    「この部分については、昨年末から今年初めにかけて本格的に取り組んできた。チームという意味では、昨年我々のところに来たリーが、何をする必要があるのかをよく理解していた」

    「結局のところ、そこにいるのはほぼ同じメンバーだ。そして今では非常にうまく、安定して仕事をしている」

    マクニッシュが特に評価しているのは、単発で速いピットストップを記録しているだけではない点だ。

    「ザントフォールトでも最速だった。それに、私の立場から見て重要なのは、必ずしもひとつのストップだけではないということだ」

    「複数回のストップがあるときも、すべてのストップがいい。だから、そこでチームは非常にうまく機能している」

    アウディ F1

    僅差の中団争いではピット作業も大きな武器
    現在のF1では中団勢のパフォーマンス差が非常に小さく、わずかなピットストップの差が順位を左右する可能性がある。

    マクニッシュは、だからこそピットクルーの改善がアウディにとって重要な武器になると強調した。

    「我々にとっても重要なことだ。レースでは得られるアドバンテージをすべて引き出さなければならない」

    「中団では大きな差があるわけではない。彼らは間違いなく、ドライバーがレースからより多くのものを引き出すための機会を提供してくれている」

    一方で、マクニッシュは、レッドブルで培われたスティーブンソンのノウハウをアウディが単純に持ち込んだわけではないとも説明する。

    「彼の強みをそのまま受け継いだとは言わない。我々自身で発展させてきたものだと思う」

    「ただ、結局のところ、リーがチームに加わった理由のひとつは、ガレージ内のチームを作り上げることだった」

    そして、その成果はピットストップのタイムだけではなく、ガレージ全体の仕事ぶりにも表れているという。

    「彼と、そこにいるチームは非常にいい仕事をしていると思う。今の彼らを見れば、ピットストップだけでなく、マシンに対するすべての作業の進め方が分かる。本当にいい光景だ」

    2024年にはピット作業の技術的トラブルに苦しんでいたチームが、アウディF1として迎えた2026年には2戦連続で最速ピットストップを記録するまでになった。フェルスタッペンをガレージから支えてきたスティーブンソンの経験と、既存スタッフを生かしたチーム作りが、僅差の中団争いでアウディの新たな強みになりつつある。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ リアム・ローソンの走りを批判「押し出すのが彼の十八番」

    ニコ・ヒュルケンベルグ リアム・ローソンの走りを批判「押し出すのが彼の十八番」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、2026年F1イタリアGPで接触したリアム・ローソンのドライビングを批判し、並びかけた相手をコース外へ押し出そうとするのは「彼の十八番」だと語った。

    レース再開後、ヒュルケンベルグとローソンはターン4でバトルを展開。ヒュルケンベルグがコース外へ押し出される形となり、この一件はスチュワードの審議対象となった。ローソンには黒白旗が提示されたものの、それ以上のペナルティは科されなかった。

    一方、ローソンは接触によってフロントウイングにダメージを負い、交換のためにピットインを余儀なくされた。この修復で約30秒を失い、最終的には14位。ヒュルケンベルグは12位でチェッカーを受けた。

    「クルマ1台分のスペースを残そうとしない」
    レース後、ローソンとの一件について尋ねられたヒュルケンベルグは、相手を外側へ追いやるような走りは今回に限ったことではないとの見方を示した。

    「リアム? そうだね、彼はとにかく相手を押し出すのが好きなんだ」

    「誰かが横に並ぶと、いつも押し出そうとする。クルマ1台分のスペースを残そうとは本当にしない。それが彼の十八番だね。別に悪感情があるわけじゃない。ただ、ちょっと厄介なんだ」

    ヒュルケンベルグはローソン個人に対する「悪感情はない」としながらも、今回のケースについてはスチュワードがより厳しく判断すべきだったと考えている。

    ニコ・ヒュルケンベルグ vs リアム・ローソン

    スチュワードの判断にも疑問「真剣に扱うべきだと話していた」
    ローソンに黒白旗が提示されただけで、それ以上の措置が取られなかったことについて、ヒュルケンベルグはドライバーズブリーフィングでの話し合いを引き合いに出した。

    「外から映像を見てみる必要はあるけど、ブリーフィングでは、こういうことは真剣に扱うべきだと話していた」

    「特にあのスピードだからね。クルマの中では、その瞬間はちょっと危ないと感じた」

    高速域での攻防だっただけに、ヒュルケンベルグは単なる激しいバトルとして片付けるべきではないと主張した。ローソン自身も接触によるフロントウイング交換で大きくタイムを失ったが、ヒュルケンベルグにとっては、結果以上に相手へ十分なスペースを残さないドライビングそのものが問題だったようだ。

  • アウディF1 角田裕毅の処分なしに異議 FIA裁定に上訴の意向を通知

    アウディF1 角田裕毅の処分なしに異議 FIA裁定に上訴の意向を通知

    アウディF1チームは、2026年F1イタリアGPの再スタート手順を巡り、角田裕毅を処分なしとしたFIA(国際自動車連盟)スチュワードの決定について、上訴する意向を正式に通知した。

    角田裕毅は赤旗後の再スタートでグリッドへの停止位置を巡って審議対象となったものの、スチュワードは「追加フォーメーションラップを引き起こしたとは認められない」と判断し、追加措置なし(No Further Action)としていた。

    しかし、角田裕毅が10位で獲得した1ポイントによって直接的な影響を受けたアウディが、この裁定に異議を唱えた。

    角田裕毅のグリッド位置を巡る審議
    シャルル・ルクレールのクラッシュによる赤旗中断後、レースはスタンディングスタートで再開される予定だった。

    14番グリッドからスタートする予定だった角田裕毅は、当初15番グリッドの方向へ進入したものの、その後右側へ修正。最終的には14番グリッドにマシンを停止させた。

    マシンはピットウォール側にわずかに角度がついた状態だったが、フロントタイヤの接地面はグリッドボックス前端のラインを越えておらず、いわゆるフォルススタート(false start)の位置にはなかった。

    しかし、レースディレクターのルイ・マルケスは、その状態でレースをスタートさせることに懸念を抱き、スタート手順を中止して追加のフォーメーションラップを実施した。

    その後、角田裕毅にはFIA F1レギュレーションの第B5.9.4条に違反した疑いがあるとして審議が行われた。

    同条では、ドライバーが追加のフォーメーションラップを発生させ、そのラップを走行できる場合、ラップ終了時にピットレーンへ入り、ピットレーン最後尾からスタートしなければならないと規定されている。

    FIAは「角田裕毅が原因ではない」と判断
    レーシングブルズ側は、角田裕毅のマシンがフォルススタートに該当する位置にはなく、他のドライバーにも影響を与えていなかったと主張。また、追加フォーメーションラップの「原因」が角田裕毅だったとは言えず、チーム側にも角田裕毅が原因だとの通知はなかったと説明した。

    スチュワードはこの主張を認め、追加フォーメーションラップについて「レースディレクターによる状況の評価の結果として生じた」と判断した。

    つまり、角田裕毅の停止位置そのものが規則上スタートできない状態だったため追加ラップが必要になったのではなく、レースディレクターが安全を期してスタートを中止したという整理だ。

    さらにスチュワードは、レーシングブルズには角田裕毅をピットレーンに入れて、そこからスタートさせるよう指示すべき理由はなかったと結論づけた。

    その結果、角田裕毅にストップ&ゴーペナルティを科す根拠はないとして「追加措置なし」とされた。

    アウディ vs 角田裕毅

    アウディがFIAの判断に異議
    だが、アウディは第B5.9.4条の適用について異議を唱え、スチュワードの決定に対して上訴する意向を通知した。

    「イタリアGP後、我々は追加フォーメーションラップを引き起こしたドライバーに対し、ピットレーンに入り、そこからレースを再開することを求める第B5.9.4条の適用について懸念を提起した」

    アウディは声明でそう説明した。

    「スチュワードは追加措置なしとの決定を下し、我々は上訴する意向を通知した。この件は現在FIAの上訴手続きの対象となっているため、現段階でこれ以上のコメントは控える」

    上訴意向の通知によって、アウディには正式に上訴を進めるか、それとも取り下げるかを決定するための96時間が与えられる。

    裁定が覆ればボルトレトが10位に浮上
    アウディにとって、この上訴の結果はポイントに直結する。

    角田裕毅はイタリアGPを10位でフィニッシュし、レーシングブルズ復帰後初となる1ポイントを獲得した。

    一方、仮に角田裕毅にレース中に消化されなかったストップ&ゴーペナルティが適用される場合、F1のスポーティングレギュレーションに基づいて30秒のタイムペナルティへと換算される。

    その場合、角田裕毅は10位から15位へ降格し、11位だったアウディのガブリエル・ボルトレトが10位へ繰り上がって1ポイントを獲得することになる。

    アウディは現在コンストラクターズ選手権8位につけており、ポイント獲得の可能性があるだけに、第B5.9.4条の解釈を巡るFIAの判断に異議を申し立てた格好だ。

    一方、現時点で正式な結果は変更されておらず、角田裕毅の10位とレーシングブルズの1ポイントは維持されている。今後はアウディが期限内に正式な上訴へ進むかどうか、そして進んだ場合にFIAの裁定が維持されるかが焦点となる。

  • ガブリエル・ボルトレト F1イタリアGPで入賞に自信「ポイントを争える」

    ガブリエル・ボルトレト F1イタリアGPで入賞に自信「ポイントを争える」

    ガブリエル・ボルトレトは、2026年F1イタリアGPの予選でわずか0.001秒差でQ3進出を逃したものの、決勝ではポイントを争えるだけの競争力があると自信を示した。

    アウディのボルトレトは予選Q2で11番手。Q3進出最後の枠となる10番手ルイス・ハミルトン(フェラーリ)との差は、わずか0.001秒だった。それでも、グリッド降格ペナルティを受けるキミ・アントネッリの影響により、決勝は10番グリッドからスタートする。

    「これ以上できることはほとんどなかった」
    モンツァでは前を走るマシンから得られるスリップストリームが重要な要素となったが、ボルトレトは自身のアウディからほぼ最大限のパフォーマンスを引き出せたと振り返った。

    「ラップでもう少しだけ足りなかったと思う。全体としてはいいラップだったし、あそこで僕にできることはそれほど残っていなかったと思う」

    「ターン8だけはリアが動いてしまう瞬間があって、そこで少し失った。でも、ああいうふうにマシンを限界までプッシュしていれば起こり得ることだ」

    アウディはここまで4戦連続でポイントを獲得しており、ボルトレトとニコ・ヒュルケンベルグがそれぞれ結果を残してきた。モンツァはアウディにとって容易なサーキットとは考えられていなかったが、予選でも中団上位を争える速さを示した。

    ガブリエル・ボルトレト(アウディF1)

    決勝は「ポイントを争える」
    10番グリッドからスタートするボルトレトは、53周の決勝でもポイント獲得が十分に可能だと考えている。

    「ポイントを争えると思う。でも、もちろん簡単ではない。周りには速いマシンもいるし、僕たちはベストを尽くさなければならない」

    「でも、今週末ここまではとても満足している。チームはいつものように素晴らしい仕事をしてくれている。僕たちが難しいと思っていたサーキットでも、まだとても競争力がある。それは、僕たちがそこに到達するためにどれだけ努力しているかの証明だと思う」

    一方、チームメイトのヒュルケンベルグは13番手でQ2敗退。決勝については、メルセデスやフェラーリのパワーユニットを搭載するマシンに対するストレートスピード不足を懸念している。

    「明日は簡単にはならないと思う」

    「トップスピードを比較すると、僕たちは少し足りていない。レースコンディションでは当然それが難しい要素になる。でも、ベストを尽くして何ができるか見てみるよ」

    予選ではQ3進出を1000分の1秒差で逃したボルトレトだが、ペナルティによる繰り上がりでポイント圏内の10番グリッドを確保した。4戦連続入賞中のアウディにとって、モンツァでもその流れを継続できるかが注目される。

  • アウディF1 R26を大幅刷新へ バクーで「完全に異なる」マシン

    アウディF1 R26を大幅刷新へ バクーで「完全に異なる」マシン

    アウディF1は、2026年型マシン「R26」の開発を継続し、アゼルバイジャンGPで大規模な空力アップデートを投入する。チーム内部からは、バクーではマシンが「完全に異なる」外観になるとの声も出ている。

    すでに開発リソースの多くは2027年型マシンへ移行しているが、現在4戦連続でポイントを獲得しているアウディは、R26でつかみ始めた技術的な方向性をさらに追求する方針だ。その前段階として、今週末のF1イタリアGPでは約24週間をかけて準備したギア比の変更も導入する。

    7戦連続ノーポイントから4戦連続入賞へ
    アウディの2026年シーズンは序盤から順調だったわけではない。7戦連続でノーポイントに終わる厳しい時期を経験したが、その後は4戦連続でポイントを獲得。R26の競争力は徐々に改善している。

    前戦オランダGPでもポイントを獲得し、単発の好結果ではなく、パフォーマンスそのものが上向いていることを示した。

    アウディのコンペティションディレクターを務めるアラン・マクニッシュは「ザントフォールトでは良いペースを示し、4戦連続でポイントを持ち帰ることができた。これは常に励みになることだが、もちろん、まだ改善できる領域はある」と語った。

    ただし、モンツァはザントフォールトとは性格が大きく異なる。長いストレートと低ダウンフォースが特徴の高速サーキットであり、現在のR26が抱える弱点が表面化する可能性もある。

    「モンツァは、サーキットそのものにも、その周囲にも多くの歴史があり、いつ行っても特別な場所だ」

    「今週末はこれまでとは異なる挑戦になる。最近続いているポイント獲得を維持するのが難しいコースになる可能性もある。それでも我々は実行力に集中し、手元にあるものから最大限を引き出して、今季最後の欧州連戦を良い形でスタートさせたい」

    イタリアGPで24週間かけたギア比変更を投入
    アウディはモンツァに向けて、R26のトランスミッションにも重要な変更を加える。

    シーズン序盤の実戦データを分析した結果、エンジニアは1速が短すぎる一方で、8速が長すぎることを確認した。そこでギア比を変更し、パワーユニットの特性と各サーキットの要求に、より適した状態へと修正する。

    この変更には約24週間の開発期間を要した。F1の技術規則では、一定の条件下でシーズン中にギア比を変更する機会が認められており、アウディはその制度を利用する。

    ギア比だけでなく、スタート性能もシーズン序盤から改善対象となってきた。スペインGPで小型ターボチャージャーを投入したことで一定の進歩を果たしたものの、クラッチについてはハードウェアと電子制御の両面で、なお改善の余地が残されている。

    モンツァで導入する変更は、単純な最高速対策だけではない。パワーユニットの出力特性をより効率的に利用するためのものであり、アウディがR26全体のパッケージを細部から見直していることを示すアップデートでもある。

    バクーでR26に大規模空力アップデート
    さらに大きな変化が予定されているのが、その後のアゼルバイジャンGPだ。

    アウディはすでに開発リソースの大部分を2027年型マシンへ振り向けているものの、R26の開発を完全に打ち切ってはいない。バクーには、これまでのアップデートを大きく上回る規模の空力パッケージを投入する計画だ。

    チーム内部の情報では、その変更によってR26は「完全に異なる」外観になる可能性があるという。

    具体的な変更箇所は明らかになっていないが、外観そのものが大きく変わるほどの規模とされていることから、単独のウイングやフロア部品を更新するだけではなく、複数の空力コンポーネントを連動させたパッケージになるとみられる。

    このアップデートが重要なのは、単に2026年シーズンの成績を改善するためだけではない。

    アウディはF1参戦初年度となる今季、序盤に苦戦しながらも開発を続け、直近では4戦連続入賞まで競争力を引き上げてきた。そこで得られた空力開発の方向性やマシンへの理解は、規則が変更される2027年型マシンの開発にもつながる。

    アウディ F1

    ヒュルケンベルグ「正しい方向に進んでいる」
    ニコ・ヒュルケンベルグも、最近の結果以上にチームの進歩そのものを評価している。

    「ザントフォールトの日曜日も、僕たちにとって満足できる形で終わった。またポイントを獲得できたし、それ以上に重要なのは、チームとして正しい方向に進んでいることを確認できたことだ。次のレースでも、この実行レベルを維持することが目標になる」

    一方で、中団争いは依然として極めて僅差だ。小さなミスやセットアップの違いだけで、ポイント圏内から大きく順位を落とす可能性がある。

    「モンツァに戻るのはいつだってうれしい。多くの情熱的なティフォシがいる、本当の意味でのクラシックサーキットのひとつだし、F1マシンを走らせるのが本当に楽しい場所だ」

    「中団は相変わらず信じられないほど接近している。だから、もう一度クリーンな週末をまとめて、それでどこまで行けるかを見てみたい」

    ボルトレトもR26のペースに手応え
    ガブリエル・ボルトレトも、オランダGPでは結果以上にR26のパフォーマンスに手応えを感じていた。

    「日曜日のザントフォールトは混乱したスタートもあって、望んでいた結果ではなかった。でも、マシンには快適さを感じていたし、良いペースもあった。それは休み明けのレースとして明らかにポジティブだった」

    ボルトレトにとってモンツァは個人的にも特別な場所だ。ジュニアカテゴリー時代にはイタリアを拠点として活動し、モンツァでも好成績を残してきた。

    「モンツァは僕にとっていつも特別な意味を持つ週末だ。ジュニアカテゴリーでレースをしていた間はずっとイタリアに住んでいたし、ここ数年はここで良い結果も残している」

    「何より『スピードの殿堂』でレースをするのは、いつだって楽しみにせずにはいられない。最近のレースでは僕たちは競争力を発揮できているので、今週末もその勢いを維持して、良い結果を残せればと思っている」

    モンツァからバクーへ R26開発は次の段階に
    7戦連続ノーポイントという状況から4戦連続入賞まで盛り返したアウディにとって、イタリアGPからアゼルバイジャンGPにかけては、R26の開発がさらに一段進む重要な局面となる。

    まずモンツァでギア比を変更し、パワーユニットとトランスミッションの使い方を最適化する。そしてバクーでは、マシンの外観が「完全に異なる」と表現されるほどの大規模空力パッケージを投入する。

    2027年型マシンの開発を優先しながらも、アウディは2026年型R26をまだ完成形とは考えていない。直近4戦で示した上昇傾向が本物なのか。そしてバクーの大型アップデートによって中団争いの勢力図をさらに動かせるのか。アウディF1の参戦初年度は、ここから新たな開発段階に入る。