投稿者: dbcheck

  • ミハエル・シューマッハ フェラーリF1加入時にアレジとベルガー放出を要求か

    ミハエル・シューマッハ フェラーリF1加入時にアレジとベルガー放出を要求か

    ミハエル・シューマッハが1996年にフェラーリへ加入した際、当時のレギュラードライバーだったジャン・アレジとゲルハルト・ベルガーの残留を認めないことを契約条件としていたと、アレジ本人が明かした。

    シューマッハはベネトンで1994年、1995年とF1ワールドチャンピオンを連覇した後、低迷からの脱却を目指していたフェラーリへ移籍した。

    その舞台裏についてアレジは、シューマッハがチームメイトの選択を含め、チームの仕事の進め方に大きな権限を持つ契約を結んでいたと振り返っている。

    シューマッハ加入をトッドに直接確認
    1995年当時、フェラーリではシューマッハ獲得の噂が広がっていた。しかし、アレジによれば、当時チーム代表だったジャン・トッドから本人への説明はなかったという。

    『High Performance Podcast』で当時について質問されたアレジは、シューマッハ加入の噂を知った際、トッドに直接確認したと明かした。

    「僕は彼のところへ行って、直接聞いた。でも彼は『違う』と言ったんだ。その後、本当のことを知って、僕たちの関係はあまり良くなくなった」

    当時のフェラーリは長くタイトルから遠ざかっていた。1995年はアレジとベルガーが合わせて14回のリタイアを喫し、ドライバーズランキングではアレジが5位、ベルガーが6位。アレジはカナダGPで自身唯一のF1勝利を挙げたものの、マシンの競争力と信頼性には依然として課題が残っていた。

    一方、シューマッハはベネトンで2年連続のタイトルを獲得。フェラーリにとって、王者の加入はチーム再建を加速させる大きな転換点となった。

    ミハエル・シューマッハ(スクーデリア・フェラーリ)

    「僕たちに残留の可能性はなかった」
    アレジによれば、シューマッハがフェラーリからのオファーを受け入れた段階で、自身とベルガーがチームを離れることは事実上決まっていたという。

    「それはミハエル・シューマッハの希望だった。彼がフェラーリに加入するオファーを受け入れたとき、その点は完全に明確だった」

    さらにアレジは、シューマッハに与えられていた権限について説明した。

    「彼の立場では、チームメイトを選ぶことも、仕事の進め方を選ぶこともできた。当時はスペアカーもあったからね。すべてが彼を中心に決められることになっていて、僕たちに残るチャンスはなかった」

    「『ミハエルが来るなら、君たちは残るのか?』という話ではなかったんだ」

    ポッドキャストのホストを務めるF1ジャーナリストのトム・クラークソンが、「つまり、ミハエルが来れば、あなたは出ていくということですね」と確認すると、アレジはその理由を明確にした。

    「そうだ。それがミハエルの契約に入っていたからだ」

    これはアレジ本人による証言であり、シューマッハの契約書そのものが公開されて確認されたものではない。ただし、アレジの説明では、少なくとも当時のフェラーリ内部ではシューマッハ加入と既存ドライバー2人の退団が一体のものとして扱われていたことになる。

    アレジとベルガーはそろってベネトンへ
    結果として1996年、シューマッハはフェラーリへ移籍し、そのチームメイトにはエディ・アーバインが起用された。一方のアレジとベルガーは、シューマッハが離れたベネトンへそろって移籍した。

    フェラーリ加入直後から、シューマッハはチームの改革で中心的な役割を担った。非常に熱心にテストや開発へ取り組み、ジャン・トッド、ロス・ブラウン、ロリー・バーンらとともに、後にF1史上屈指の成功を収める体制を築いていった。

    ただし、その成果がすぐにタイトルへ結びついたわけではない。1996年と1997年はウィリアムズ、1998年と1999年はマクラーレンがドライバーズタイトルを獲得。シューマッハとフェラーリが頂点に立つまでには数年を要した。

    2000年、シューマッハは日本GPで勝利し、フェラーリに1979年のジョディ・シェクター以来となるドライバーズタイトルをもたらした。その後も2004年まで5年連続でワールドチャンピオンに輝き、フェラーリ黄金時代を築いた。

    アレジの証言は、その歴史的な成功へ向けた改革の出発点で、フェラーリがシューマッハを絶対的な中心に据えるために大きな体制変更を行っていたことを改めて示すものだ。シューマッハの加入は単なるドライバー交代ではなく、チームそのものの方向性を変える決断だったと言える。

  • トト・ヴォルフ 9歳の息子ジャックがカート選手権首位「一番大切なのは楽しむこと」

    トト・ヴォルフ 9歳の息子ジャックがカート選手権首位「一番大切なのは楽しむこと」

    メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフが、9歳の息子ジャック・ヴォルフのカート活動について語った。ジャックはイタリアで行われたレースで勝利を挙げ、IAMEカーティングシリーズのランキング首位に浮上。シーズン最終戦を前にタイトル争いをリードしている。

    F1チームを率いる立場である一方、父親として息子のレースを見守るヴォルフは、勝利を求める気持ちと、9歳の子どもにモータースポーツを楽しませることのバランスを取る難しさを明かした。

    9歳のジャック・ヴォルフがIAME選手権首位
    ジャック・ヴォルフはIAMEカーティングシリーズに参戦しており、最近のレースで優勝。シーズン最終戦を前にチャンピオンシップのトップに立った。

    サーキットで取材に応じたトト・ヴォルフは、ジュニアカートとF1には共通する部分が多いと語った。

    「すべてはここから始まる。F1は基本的に、これをステロイドで強化したようなものだ。同じようなレースだし、子どもたちが走っているのを見るのは本当に素晴らしい経験だ」

    イベントで親子そろってインタビューを受けた際、ジャックはチャンピオンシップを争うことにプレッシャーを感じているかと尋ねられ、シンプルに「うん」と答えた。

    「親として感情的になるのは当然」
    息子の言葉を受け、ヴォルフは若いレーサーに健全な環境を用意しながら、自身の感情をコントロールすることの難しさについて説明した。

    「適切なバランスを見つけることが重要だ。もちろん親として感情的に関わることになるし、それは完全に普通のことだ」

    「でも、彼はまだ9歳だ。ほかにも本当に小さな子どもたちがたくさんいる。だから正しいバランスを取らなければならないし、我々もそうしようとしている。時には間違えることもある」

    この日のレースでも、ジャックにとって簡単ではない時間があったという。しかし、ヴォルフはそうした経験そのものが将来につながると考えている。

    「難しい瞬間はある。今日も彼にはいくつか難しい場面があった。でも最後にはすべてがまとまった。小さな失敗の一つひとつが、将来に向けた学びになる」

    ジュニアカートの親へ「時間を与えてあげて」
    競争の激しいジュニアカートの世界で子どもを支える親たちにどのようなアドバイスを送るかと尋ねられると、ヴォルフは結果を急がせないことの重要性を強調した。

    「とにかく時間を与えてあげることだ。まだ本当に小さいんだから、カートを楽しませてあげてほしい。それが一番大切なことだ」

    ジャックの活躍と親子のインタビューはSNSでも話題となった。ファンからは将来のF1進出を期待する声も上がり、「いつかF1でフェルナンド・アロンソとレースをしているかもしれない」と冗談交じりに将来を予想するコメントも寄せられている。

    父トトはメルセデスF1を率い、母スージー・ヴォルフもレーシングドライバーとして活躍した経歴を持つ。まだ9歳のジャックにとってF1は遠い未来の話だが、まずはカートを楽しむことを最優先にしながら、そのキャリアを歩み始めている。

  • コラピント 実はウィリアムズ所属のまま? アルピーヌF1へはローン移籍説

    コラピント 実はウィリアムズ所属のまま? アルピーヌF1へはローン移籍説

    フランコ・コラピントに、2027年のウィリアムズ復帰説が浮上している。カルロス・サインツJr.の去就が不透明となるなか、コラピントとウィリアムズの契約上のつながりが現在も残っている可能性が指摘されている。

    コラピントは2024年にウィリアムズからF1デビューし、その後アルピーヌへ移った。しかし、当時の移籍は完全な契約解除ではなく、ウィリアムズからの長期的な「ローン」という形だったと報じられており、条件次第では古巣復帰への道が開かれる可能性がある。

    サインツJr.の2027年去就がウィリアムズの焦点に
    ウィリアムズの2027年ドライバーラインアップを巡っては、サインツJr.の将来が大きな焦点となっている。

    サインツJr.はハンガリーGP後、2027年にどこでレースをするのかについて、まだ決断を下していないことを示唆した。ウィリアムズとは長期契約を結んでいるものの、契約2年目終了時に行使できる離脱条項が含まれているとされる。

    サインツJr.は上位チームへの復帰を望んでいるとされ、マックス・フェルスタッペンがレッドブル・レーシングを離れる場合には、その後任候補となる可能性も取り沙汰されている。一方で、現実的な選択肢としてアルピーヌやアストンマーティンへの移籍も報じられている。

    なかでもアルピーヌへの関心が強いとの情報がある。サインツJr.は2017年から2018年にかけ、当時ルノーとして参戦していたエンストンのチームでドライブした経験を持つ。

    アルピーヌではピエール・ガスリーが契約下にあり、今季のチーム獲得ポイントの約70%を稼いでいる。そのため、サインツJr.が加入する場合、現在のもうひとつのシートを担うコラピントが押し出される可能性が高い。

    ベルギーGPでボウルズと会食
    しかし、コラピントがアルピーヌのシートを失ったとしても、それがF1からの離脱を意味するとは限らない。

    F1 Oversteerによると、ベルギーGPの週末にはコラピントがウィリアムズのチーム代表ジェイムス・ボウルズと夕食をともにする姿が目撃された。かつてコラピントをF1へ昇格させた人物との会食だっただけに、将来的な復帰との関連が注目されている。

    コラピントはウィリアムズ・ドライバー・アカデミー出身で、2023年1月に育成プログラムへ加入した。2024年シーズン終盤にはローガン・サージェントに代わってF1へ昇格し、9戦に出場して5ポイントを獲得した。

    ただし、ウィリアムズはすでに2025年からサインツJr.を起用する契約を結んでいたため、翌シーズンにコラピントのレギュラーシートを確保することはできなかった。

    その後、コラピントはアルピーヌのリザーブドライバーとなり、ジャック・ドゥーハンに代わって再びシーズン途中からF1のレギュラーシートを獲得した。

    「今もウィリアムズと何らかの契約がある」
    コラピントのアルピーヌ移籍を巡っては当時、ウィリアムズが5年間の契約でコラピントを貸し出したとの報道があった。

    Viaplayのコメンテーター、ネルソン・ファルケンブルグは『Nailing the Apex』で、現在もコラピントとウィリアムズの間には契約上の関係が残っていると聞いていると語った。

    「僕はフランコが今も、ある意味ではウィリアムズ・ファミリーの一員だと思っている」

    「何らかの形で、彼はまだウィリアムズと契約している。それなら筋が通る。自分たちのアカデミーに対する信頼の表れでもある」

    この情報が正しければ、サインツJr.がウィリアムズを離れた場合、チームがコラピントを事実上「呼び戻す」ことも選択肢になり得る。ただし、5年間とされる期間が満了する前に復帰させる場合、アルピーヌとの契約条件によっては金銭的な負担が発生する可能性もある。

    重要なのは、コラピントが完全にウィリアムズとの関係を断ってアルピーヌへ移籍したと確認されているわけではない点だ。現時点で契約の詳細は公表されておらず、「現在もウィリアムズと契約している」という情報もファルケンブルグの証言に基づくものである。

    アルピーヌではガスリーに20対9
    コラピントのウィリアムズ時代は鮮烈なスタートを切った一方、2024年終盤にはクラッシュが相次ぎ、チームのスペアパーツ不足を深刻化させたことも評価を下げる要因となった。

    アルピーヌへ移った昨季はポイントを獲得できなかったが、当時のアルピーヌはグリッドで最も競争力の低いチームだった。2026年は改善の兆しを見せており、マイアミGPで7位、カナダGPで6位と2戦連続で上位入賞を果たしている。

    それでも、ガスリーとの今季の直接対決では20対9と後れを取っている。アルピーヌが2027年にドライバー変更へ動けば、コラピントの立場が不安定になるのは避けられない。

    一方で、ウィリアムズにとってコラピントは未知のドライバーではない。自らのアカデミーで育成し、F1デビューの機会を与え、実際のレースで能力と弱点の双方を把握している存在だ。

    サインツJr.が残留すれば復帰の可能性は限られるが、離脱条項を行使して他チームへ移籍した場合には状況が一変する。アルピーヌでシートを失う可能性のあるコラピントと、後任を必要とするウィリアムズという構図が成立すれば、古巣復帰は現実的な選択肢のひとつとなりそうだ。

  • オリバー・ベアマン F1離れた新ビジネス モナコで自転車ショップ&カフェ開業

    オリバー・ベアマン F1離れた新ビジネス モナコで自転車ショップ&カフェ開業

    ハースF1チームのオリバー・ベアマンが、モナコ近郊で友人たちと自転車ショップ兼カフェをオープンしたことを明かした。F1ドライバーとしてのトレーニングをきっかけに深めてきたサイクリングへの情熱を、21歳にして新たなビジネスへと発展させている。

    2026年のF1シーズンに向けたトレーニングにも自転車を積極的に取り入れてきたベアマン。今回の店は単なる投資ではなく、自ら運営にも関わる「パッションプロジェクト」だという。

    サイクリストが多く集まるモナコ周辺の山岳エリアという立地を生かし、自転車だけでなくコーヒーや自家製ケーキを楽しめる拠点を目指している。

    モナコの山に自転車ショップをオープン
    オリバー・ベアマンはF1公式ポッドキャスト『Beyond The Grid』に出演し、友人たちと始めた新たな事業について語った。

    「何人かの友人と一緒に自転車ショップをやっているんだ。モナコの上のほうにショップをオープンした。サイクリングがすごく盛んなエリアなんだ。本当にクールだし、今のところすごくうまくいっていて、みんな喜んでいるよ」

    モナコ周辺は海岸線から山岳地帯まで変化に富んだ道路が広がり、多くのプロスポーツ選手がトレーニングに利用する環境でもある。モナコに住むベアマン自身も、日常的に周辺の山道へ自転車で走りに出ている。

    その仲間には、ウィリアムズのカルロス・サインツJr.や、ツール・ド・フランス5勝を誇るタデイ・ポガチャルもいるという。

    「ビジネスというより情熱から始めたプロジェクト」
    ベアマンにとって今回のショップは、F1とは別の収入源を作ることだけが目的ではない。仲間たちと共通するサイクリングへの情熱が出発点になっている。

    「僕たち全員にとって、どちらかというと情熱から始めたプロジェクトなんだ。みんな本当にサイクリングが好きだし、ショップをどう運営するかについて自分たちの意見を反映できるのもいいところだね」

    F1ドライバーにとってサイクリングは、心肺機能や持久力を鍛えながら身体への衝撃を比較的抑えられるトレーニングのひとつだ。ベアマンも2026年シーズンに向けたフィジカル作りの中で自転車に乗る機会を増やし、それが今回の事業につながった。

    ショップにはカフェも併設され、山岳ルートを走るサイクリストが途中で立ち寄れる場所になっている。

    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)

    自家製バナナブレッドとケーキにもこだわり
    自転車だけではなく、カフェで提供するメニューにもベアマンたち自身のこだわりが反映されている。

    「僕たちオリジナルのバナナブレッドがあるし、ケーキも自分たちのものなんだ。だからいいよね。楽しいよ」

    特にサイクリストにとって重要なコーヒーには力を入れている。ただし、ベアマン本人は意外にもコーヒー好きではないという。

    「一番大事なのはそこだね。僕たちはおいしいコーヒーに力を入れている。でも僕自身はコーヒーがそんなに好きじゃないんだ」

    「ただ、コーヒーがものすごく重要だということは分かっているし、サイクリストはコーヒーにすごくこだわるんだ。それは僕が学んだことのひとつだね!」

    一方、自信を持って勧められるのがスイーツだ。

    「僕が好きなのはケーキだね。うちにはおいしいケーキがある。それは誇りに思っているよ」

    2026年F1では18ポイントでランキング13位
    新たなビジネスをスタートさせた一方、ベアマンの2026年F1シーズンは浮き沈みのある展開となっている。

    開幕戦オーストラリアGPと第2戦中国GPで合計17ポイントを獲得して好スタートを切り、カナダGPでも1ポイントを追加した。しかし、日本GP、モナコGP、スペインGPではリタイアを喫し、直近4戦ではトップ10圏外でのフィニッシュが続いている。

    ここまで18ポイントを獲得し、ドライバーズランキングでは13位につけている。

    F1という極めて競争の激しい世界で戦いながら、自身のトレーニングから生まれたサイクリングへの情熱を仲間たちとの事業へ発展させたベアマン。モナコの山道を走るサイクリストにとって、21歳のF1ドライバーが携わるショップ兼カフェは新たな立ち寄りスポットとなりそうだ。

  • 希少なマツダ767Bがラグナ・セカで炎上 モントレー本戦欠場も「必ず復元する」

    希少なマツダ767Bがラグナ・セカで炎上 モントレー本戦欠場も「必ず復元する」

    1989年型マツダ767Bの1台が、米国カリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで行われた「ロレックス・モントレー・モータースポーツ・プレリユニオン」で火災に見舞われた。車両はNo.203として走行予定だった個人所有のシャシーNo.003で、幸い負傷者はいなかった。

    火災は8月9日にパドックのピット区画で発生。マツダを象徴するグリーンとオレンジのカラーリングをまとった4ローターのグループCプロトタイプから炎が上がる映像が公開され、スタッフが消火活動にあたった。

    車両は8月12~15日に開催されるロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオンへの出場を取りやめるが、所有チームは復元する方針を明らかにしている。

    歴史的なマツダ767Bがパドックで炎上
    火災に見舞われたのは、複数回のスポーツカー王者であるアンソニー・マッキントッシュが所有するマツダ767B、シャシーNo.003だ。イベントではNo.203をつけ、ブレンドン・リーチがドライバーとして登録されていた。

    No.203は、1981~1991年のIMSA GTPおよびFIAグループCマシンを対象とした「ハーレイ・ヘイウッド」クラスに出場する予定だった。

    現場を撮影した映像では、ピット区画に停められていた767Bから炎と煙が上がり、スタッフが直ちに消火にあたる様子が確認できる。

    火災の詳しい原因や車両の損傷状況については現時点で明らかにされていない。所有チーム側も、これ以上の詳細について当面公表しないとしている。

    「No.203は再び歌う」復元を表明
    Ghost Riders Quad Racing & McIntoshは火災後、SNSを通じて声明を発表。人的被害がなかったことを報告するとともに、767Bを再び復元する意向を示した。

    「昨日のモントレー・モータースポーツ・プレリユニオンで、マツダ767B #203がパドックで火災に見舞われた。何よりも重要なのは、誰も負傷しなかったことだ。そのことに心から感謝している」

    「このマシンはチームのすべてのメンバーにとって、そして歴史にとって特別な存在だ。リユニオンの残りのイベントには出場しないが、このマシンの物語は終わっていない。#203はもう一度復元され、再びその歌声を響かせる」

    767Bに搭載されるのは、マツダがグループC時代に開発した4ローターのロータリーエンジンだ。その独特の高周波サウンドは、現在もヒストリック・レーシングイベントで大きな人気を集めている。

    ル・マン制覇へつながったマツダのグループCマシン
    767Bは、マツダが1989年のスポーツカー世界選手権やル・マン24時間レースなどに投入したプロトタイプで、後の787、そして1991年のル・マン24時間レースを制した787Bへと続く重要なモデルである。

    今回火災に遭ったシャシーNo.003はマツダ所有車ではなく、マッキントッシュが所有する個体で、これまでも世界各地のヒストリック・レーシングイベントに参加してきた。

    一方、今回のロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオンには、マツダが所有する767Bと787も参加する予定とされている。

    なお、原文ではシャシーNo.001の767Bについて「1991年のル・マン24時間レースで優勝したマシン」と読める記述があるが、1991年のル・マン総合優勝車はマツダ787B(No.55)であり、767Bではない。767Bはそのル・マン制覇へとつながるマツダのロータリー・プロトタイプ開発史における重要な一台である。

    人的被害がなかったことは不幸中の幸いだった。No.203の767Bは今回のモントレーで走ることはできなくなったものの、チームが宣言した「再び歌う」という言葉通り、4ローターのサウンドが再びサーキットに響く日が待たれる。

  • FIAが次世代F1マシンで「80kg軽量化」目標 2031年レギュレーションで大幅刷新へ

    FIAが次世代F1マシンで「80kg軽量化」目標 2031年レギュレーションで大幅刷新へ

    2026年に導入されたF1の新テクニカルレギュレーションでは、マシンの小型・軽量化を掲げた「ニンブルカー・コンセプト」が大きな柱となった。最低重量は前年から32kg減の768kgとなり、ホイールベースも20cm短縮、全幅も10cm狭められている。

    一方、FIAはこれを最終到達点とは考えていない。FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスは、2031年を軸に検討されている次世代レギュレーションで、現在よりさらに約80kg軽いF1マシンを実現することを目標に掲げた。

    2026年F1は「ニンブルカー」への第一歩
    2026年F1では、パワーユニットとエネルギーマネジメントをめぐる議論がシーズン序盤から大きな注目を集めてきた。そのためシャシー規則の変化は比較的目立たなかったが、FIAは新世代マシンについて一定の成果が得られていると評価している。

    最低重量は2025年の800kgから768kgへ32kg軽量化。ホイールベースは20cm短くなり、車幅も10cm縮小された。さらにダウンフォースも大幅に削減され、ドライバーがステアリング操作でマシンと格闘する場面が増えている。

    トンバジスは、Autosportを含む一部メディアに対し、2026年規則が前進だったかと問われ、次のように語った。

    「おそらくそうだと思う。ただし、仕事が終わったと考えるべきではない。マシン同士は以前より接近して走れるようになったと思う」

    FIAの分析では、先行車が生み出す乱気流、いわゆるダーティエアによる影響は、前世代規則が導入された2022年シーズン序盤と同程度まで抑えられているという。

    2022年規則の失敗から学んだFIA
    2022年に導入されたグラウンドエフェクト規則も、当初はマシン同士が接近して走りやすくすることを目的としていた。しかし開発競争が進むにつれ、各チームが生み出した空力ソリューションによって後方への乱気流が悪化し、その効果は徐々に失われていった。

    FIAはその経験を2026年規則に反映したとトンバジスは説明する。

    「2022年選手権の開幕時と似たレベルにあると思うが、今年の方が少し堅牢だと思っている」

    「各チームがさまざまな空力ソリューションを導入しているが、今のところコンセプトそのものを壊すようなものは見つかっていない。以前の規則では、コンセプトを大きく損なうものがいくつか存在していた」

    具体的には、前世代マシンのフロントウイング・エンドプレート、フロアエッジ、フロントタイヤ周辺に配置された空力パーツが問題だったという。

    「そうしたものによってウェイクの特性が大幅に悪化した。我々はそこから学んだ。今回は同じような問題が存在しないことを願っている」

    「祖母でも運転できるマシン」にはしたくない
    トンバジスが2026年規則のもうひとつの成果として挙げるのが、マシンを操る難しさだ。

    ダウンフォースが減少したことで、ドライバーは以前よりマシンを積極的にコントロールする必要がある。FIAは、それを世界最高峰のカテゴリーにふさわしい特徴だと捉えている。

    「ドライバーにとって依然としてかなり難しいマシンだ。それは良いことだと思う。誰でも運転できるようなマシンではない」

    「空力規則の一部は、コーナーを通じてマシンのあらゆる部分をチームが完璧に対処できない方向にしている。そのため、ドライバーにはいくつかの課題が残されている」

    そしてトンバジスは、F1マシンに求める難易度についてユーモアを交えて表現した。

    「世界最高の22人のドライバーがいるのだから、僕の祖母でも簡単に運転できるようなマシンであるべきではないと思う」

    一方で、ドライバーの身体にかかる負担については改善されている。

    前世代のグラウンドエフェクトカーは、大きなダウンフォースを得るために極端に低い車高と硬いサスペンション設定を必要とした。2026年マシンではライドハイトがやや高くなり、その問題が緩和されている。

    「ライドハイトも少し上げているので、昨年ほど身体的に過酷ではなくなった」

    国際自動車連盟 フォーミュラ1カー

    2031年F1で「さらに80kg軽く」
    それでもFIAが目指すマシン像は、現在よりはるかに軽く、コンパクトなものだ。

    現行レギュレーションのサイクル中に大幅な変更を行うことは難しいため、焦点となるのは次世代規則だ。現在は2031年の導入が基本線となっているが、関係者の十分な合意が得られれば2030年への前倒しも検討されている。

    トンバジスは次世代F1マシンについて具体的な数値目標を示した。

    「マシンは少し軽く、少し小さくなり、ドライバーからも評価されている。ただ、これが僕の望んでいる最終地点かと言えば、違う」

    「将来的には、さらに80kg軽くしたい。そして、もう少し短く、もう少し小さくしたい」

    現在の最低重量768kgから単純に80kgを削減すれば、688kgという水準になる。実際の次世代最低重量がその数字になると決まったわけではないが、FIAが目指している軽量化の規模が非常に大きいことを示している。

    「今回可能だったことから、さらに大きな一歩を踏み出す。それが目標だ。今回の変更も悪いステップではないが、『これで仕事は終わった。目標を達成した』と言っているわけではない」

    「将来は軽量化でもう一段階進みたい。重量についても大幅なステップを踏みたい」

    F1マシンの重量増加にようやく歯止め
    近年のF1では、安全装備の強化やハイブリッドシステムの大型化などによってマシン重量が増加を続けてきた。

    2000年代初頭のF1マシンはドライバー込みでも600kg前後だったが、その後はハイブリッド化や大型化に伴って重量が増加。2025年には最低重量が800kgに達していた。

    2026年規則による768kgへの削減は、その長期的な流れを反転させたという意味でも重要だとトンバジスは考えている。

    「F1マシンが軽くなったのは、おそらく2000年以来初めてだと思う。少なくともそれくらい前、もしかするともっと前かもしれない」

    2026年規則はFIAが理想とするF1マシンへの完成形ではなく、あくまで第一段階という位置付けだ。次世代規則では約80kgという大幅な軽量化に加え、さらなる全長短縮と小型化も視野に入る。パワーユニット規則とともに、2030年代のF1ではマシンそのものの姿が再び大きく変わる可能性がある。

  • フォース・インディア「ピンク化」の舞台裏 サフナウアーが明かす契約前の賭け

    フォース・インディア「ピンク化」の舞台裏 サフナウアーが明かす契約前の賭け

    フォース・インディアが2017年に採用し、F1で強烈な存在感を放ったピンクのカラーリング。その誕生の裏には、契約書へのサインもスポンサー料の入金もない段階でマシンをピンクに塗るという、当時のチーム代表オトマー・サフナウアーによる大胆な決断があった。

    しかも、BWT(Best Water Technology)が当初ピンクに染めようとしていたのはフォース・インディアではなくメルセデスだった。

    メルセデスが「シルバーアロー」の伝統を理由に拒否したことで、トト・ヴォルフからフォース・インディアへ話が持ち込まれ、F1を代表するカラーリングのひとつが生まれることになった。

    BWTが選んだ「ピンク」 展示会で生まれたブランド戦略
    2017年シーズン開幕を前に、シルバーストンを拠点とするフォース・インディアは、それまで使用してきたインド国旗をイメージしたカラーリングを捨て、鮮やかなピンクへと大きく姿を変えた。

    その背景にあったのが、新たなスポンサーとなったBWTだった。

    BWTの最高経営責任者アンドレアス・ヴァイセンバッハーがピンクに着目したきっかけは、フランクフルトで開催された展示会だったという。会場を歩くと、企業ブースには似たようなブルーのロゴがあふれていた。

    そこでヴァイセンバッハーは、競合他社との差別化を図り、一目でブランドを認識してもらうにはピンクが効果的だと考えた。

    その発想はやがてF1にも持ち込まれることになる。

    最初のターゲットはメルセデス「我々はピンクアローではない」
    BWTが最初に接触したのは、当時F1を席巻していたメルセデスだった。

    しかし、メルセデスにとってシルバーは単なるカラーリングではない。「シルバーアロー」として長い歴史を持つブランドそのものだった。

    サフナウアーは『High Performance Racing』ポッドキャストで、当時のやり取りを振り返った。

    「メルセデスの取締役会は『我々はシルバーアローであって、ピンクアローではない』と言っていた。ピンクアローにするという話も出ていたが、最終的にメルセデスは断った」

    BWTからすれば、F1でピンクのマシンを走らせるという構想が一度は頓挫したことになる。

    だが、そこで両者をつないだ人物がいた。メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフだった。

    トト・ヴォルフがフォース・インディアを紹介
    BWTがF1そのものから撤退してしまうのを避けるため、ヴォルフは別の選択肢を提案した。それがフォース・インディアだった。

    「トトは『そのままF1から離れるのではなく、オトマーと話してみたらどうだ。彼ならきっとやってくれる』と言ったんだ」

    当時のフォース・インディアは、メルセデスほどカラーリングに厳格なブランド上の制約を抱えておらず、スポンサーの要望に柔軟に対応できるチームだった。

    サフナウアーによれば、ヴォルフはこの“仲介”について紹介料を要求することもなかった。ただし、感謝の意味を込めて食事をごちそうしたという。

    こうしてBWTとフォース・インディアの交渉が始まった。

    しかし、本当の問題はここからだった。

    フォース・インディア

    契約書なし 入金なし それでもマシンをピンクに
    2017年F1開幕戦オーストラリアGPが迫るなか、サフナウアーには時間がなかった。

    BWTとの交渉を始めてから約2週間。マシンをメルボルンへ送り出すためには、カラーリングを決断しなければならないタイミングを迎えていた。

    ところが、この段階で正式な契約は締結されていなかった。それどころか、BWTからフォース・インディアにはスポンサー料が一切支払われていなかったという。

    「アンドレアスと話し始めてから2週間ほどで決断しなければならなかった。まだ契約書にはサインしていなかったし、彼からは一銭も受け取っていなかった。それでも、メルボルンに向けてマシンをピンクに塗るかどうかを決める必要があった」

    これはフォース・インディアにとって小さな判断ではなかった。

    当時のチームオーナー、ビジェイ・マリヤが大切にしていたインド国旗をモチーフとするカラーリングを捨て、スポンサーのために全面的なピンクへ変更する。そのスポンサーから、まだ金銭を受け取っていない状況だった。

    「金を払わなかったらマリヤは喜ばない」
    サフナウアーは最終的にBWTを信用することを選んだ。

    「そこで私は賭けに出た。彼を信用することにしたんだ。もしピンクのマシンで現地へ行って、それで彼らがお金を払わなかったら、ビジェイ・マリヤは決して喜ばないだろうと思っていた」

    「インド国旗のカラーリングを捨ててマシンをピンクにしたのに、お金が入ってこない。それでは困るからね。でも、アンドレアスは約束を守って支払ってくれた。あのピンクのマシンは、そこから始まったんだ」

    結果として、サフナウアーの賭けは成功した。

    BWTは約束通りスポンサー料を支払い、フォース・インディアは2017年から鮮烈なピンクのマシンをF1に投入した。

    フォース・インディアからレーシングポイントへ受け継がれたピンク
    ピンクのフォース・インディアは、瞬く間にグリッドでもっとも識別しやすいマシンのひとつとなった。

    チームがその後レーシングポイントへと姿を変えてからもBWTとの関係は続き、ピンクはチームを象徴するカラーとして定着。さらにレーシングポイントがアストンマーティンへ移行した後も、BWTのスポンサー活動を通じてその名残を見ることができた。

    いまではF1ファンにとって当たり前のように記憶されている「ピンクのフォース・インディア」だが、そのスタート地点には正式契約すら存在しなかった。

    メルセデスが「ピンクアロー」を拒否し、ヴォルフがBWTをフォース・インディアへ紹介。そしてサフナウアーがスポンサー料の入金を待たずにマシンをピンクへ変更する決断を下した。

    もしBWTが約束を守らなければ、フォース・インディアは象徴的なインド国旗カラーを失っただけでなく、スポンサー収入まで得られない事態になっていた。F1史に残るピンクのカラーリングは、そんなサフナウアーの大胆な「賭け」から誕生したものだった。

  • キャデラックF1の2027年シート ラファエル・カマラとニコラ・ツォロフが競合か

    キャデラックF1の2027年シート ラファエル・カマラとニコラ・ツォロフが競合か

    フェラーリが育成ドライバーのラファエル・カマラを2027年にF1デビューさせるため、キャデラックとの交渉を開始したと報じられている。この動きは、ニコラ・ツォロフをキャデラックに送り込む可能性を模索しているレッドブルの計画にも影響を及ぼしそうだ。

    2026年F2では、レッドブル育成のツォロフとフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)のカマラがタイトル争いを展開している。

    夏休み時点でツォロフが167ポイントで首位に立ち、ガブリエレ・ミニが147ポイント、カマラが145ポイントで続く。F2で争う2人が、2027年のF1シートをめぐっても直接競合する可能性が浮上している。

    ローソン好調でツォロフのレーシングブルズ昇格に難題
    レッドブルにとって、19歳のツォロフを2027年にF1へ昇格させる最も単純な方法は、レーシングブルズのシートを与えることだ。これまでも同チームは、レッドブルの若手ドライバーをトップチームへ送り出すための育成の場として機能してきた。

    しかし、2026年はリアム・ローソンが好調なパフォーマンスを続けており、状況が複雑になっている。ローソンはレーシングブルズの事実上のチームリーダーとして存在感を高め、シーズン前半には安定してポイントを獲得。現在のパフォーマンスを考えれば、2027年もシートを維持するだけの十分な理由がある。

    そのため、レッドブルがローソンを残しながらツォロフをF1に昇格させる選択肢として浮上したのが、キャデラックへの期限付き移籍だ。

    ツォロフを2027年にキャデラックへ貸し出し、F1で経験を積ませたうえで将来的にレッドブル陣営へ戻すという構想が取り沙汰されている。実現すれば、ローソンのレーシングブルズ残留とツォロフのF1昇格を両立できる。

    フェラーリもカマラの2027年F1デビューを模索
    ところが、ここにフェラーリが割って入る可能性が出てきた。

    Last Word On Sportsによると、フェラーリは当初、2027年にカマラをハースへ期限付きで送り込むことを想定していたという。実現すれば、FDA出身のオリバー・ベアマンとカマラというラインアップになる可能性があった。

    しかし、ハースはマクラーレンのリザーブドライバーを務めるレオナルド・フォルナローリの起用に傾いているとされ、フェラーリはカマラの新たな受け入れ先を探す必要に迫られている。

    そこで候補として浮上したのがキャデラックだ。

    報道によれば、フェラーリはカマラを2027年にキャデラックへ貸し出す可能性について初期交渉を開始したという。カマラのマネジメント陣も、2027年のF1シート確保に向けて複数のF1チームと「積極的に」話し合っていることを認めており、キャデラックが有力候補のひとつとみられている。

    カマラとツォロフがキャデラックの同じシートを争う可能性
    キャデラックの2027年ドライバーラインアップをめぐっては、複数の選択肢が取り沙汰されている。

    テストドライバーのコルトン・ハータをF1デビューさせる案がある一方、ツォロフやカマラを他チームから期限付きで受け入れる可能性もある。また、セルジオ・ペレスが2027年にカルロス・サインツJr.の後任としてウィリアムズへ移籍する可能性について話し合いを行ったとの情報もあり、キャデラックに空席が生じるシナリオも注目されている。

    仮にキャデラックがカマラとツォロフのどちらかを選ぶことになれば、フェラーリが有利な立場に立つ可能性がある。

    キャデラックは2026年のF1参戦開始からフェラーリ製パワーユニットを使用しており、少なくとも2028年まで供給を受ける契約となっている。その後はゼネラルモーターズ(GM)が独自のワークスPUを投入することを目指している。

    ハースと同様、現在のキャデラックはフェラーリのPUカスタマーであり、両者にはすでに技術的な関係が存在する。

    フェラーリとの関係強化もカマラ起用のメリット
    キャデラックがカマラを起用すれば、単に有望な若手ドライバーを確保するだけでなく、フェラーリとの技術面およびスポーツ面での関係をさらに強化できるとの見方もある。

    21歳のカマラは2025年にF3へ参戦すると、ルーキーイヤーでタイトルを獲得。2026年にはF2へ昇格し、初年度からタイトル争いに加わっている。フェラーリが将来を期待する若手のひとりであり、F1昇格に向けた次のステップが注目されている。

    一方のツォロフも2026年F2でランキング首位に立っており、レッドブル育成プログラムの次期F1候補として評価を高めている。

    こうして2026年のF2タイトルを争うツォロフとカマラが、2027年にはキャデラックのF1シートをめぐって再び競う構図が生まれる可能性がある。

    レッドブルにとってツォロフのキャデラック移籍は、好調なローソンをレーシングブルズに残しながら若手をF1へ送り込める有力な解決策だった。しかし、フェラーリがカマラの受け入れ先として同じキャデラックとの交渉に動いたことで、2027年の若手ドライバー市場はさらに複雑な展開を迎えようとしている。

  • フェルナンド・アロンソ ニューウェイとの意見対立を告白「データが議論に勝った」

    フェルナンド・アロンソ ニューウェイとの意見対立を告白「データが議論に勝った」

    アストンマーティンF1のフェルナンド・アロンソが、エイドリアン・ニューウェイとマシンの問題点をめぐって意見が食い違っていたことを明かした。ドライバーが感じていたAMR26の弱点と、ファクトリーで示されるデータとの間にはズレがあり、シーズン序盤にはチーム内部で議論が交わされていたという。

    ニューウェイは以前、アロンソとランス・ストロールに対して十分な時間を割き、開発方針を説明できていなかったとして公に謝罪していた。

    しかしアロンソによれば、問題は単純なコミュニケーション不足ではなく、マシンの問題をどのように捉えるかという、より技術的な部分にあった。

    ニューウェイが認めたドライバーとのコミュニケーション不足
    ニューウェイは数週間前、AMR26の開発を進める過程で、ドライバーへの情報共有が十分ではなかったと認めていた。

    「人は自分の話を聞いてもらえていないと感じれば、大きなフラストレーションを抱く。それは人間として自然な反応だ。だから、フェルナンドとランスに十分な時間を割き、アップグレードで何を達成しようとしているのか、そして来季に向けて何をしようとしているのかを説明してこなかったことについては、私に全面的に責任がある」

    一方、アロンソはその後、ストロールとともに開幕戦オーストラリアGPの時点からチームの開発計画を把握していたと説明。シミュレーターを使用するため何度もファクトリーを訪れており、チームの計画やパフォーマンスについて「常に情報を共有してもらっていた」と語っている。

    では、ニューウェイはなぜ公の場で謝罪する必要があると感じたのか。アロンソの今回の説明から、その背景がより明確になった。

    AMR26の弱点をめぐり「異なる意見があった」
    アロンソによると、シーズン序盤にはAMR26の問題点をめぐり、ドライバーの感覚とデータが必ずしも一致していなかったという。

    「エイドリアンのコメントは、どちらかというと過去のことを指していたんだと思う。実際、以前はレース週末にマシンのフィーリングや弱点について、時々違う意見を持っていた」

    アロンソとストロールは、実際にコース上でライバルと戦うなかでAMR26の問題を感じ取っていた。しかし、ファクトリーに戻ってデータを分析すると、別の結論が示されることもあったという。

    「他のマシンと戦っているときに僕たちがステアリングを握って感じていたことと、ファクトリーに戻ってデータを確認したときに見えてくるものが違うことがあった。空力に問題が見つかって、それがマシンを僕たちが感じていたものとは違う方向へ導いていたのかもしれない」

    「そうした議論では、データの方が勝ったのかもしれない」

    ドライバーの体感よりもシミュレーションや解析結果が優先される場面があり、それがニューウェイの後の謝罪につながった可能性をアロンソは示唆している。

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ニューウェイもAMR26の問題を見誤った
    AMR26をめぐっては、シーズン序盤にニューウェイ自身も問題の所在について現在とは異なる見方を示していた。

    当初、ニューウェイはアストンマーティンのシャシーと空力にはグリッドのトップ5を狙えるポテンシャルがあると考え、パフォーマンス不足の大きな要因としてホンダのパワーユニットを挙げていた。

    しかし、その後に分析と開発が進むにつれて、AMR26には空力面を含めた車体側にも改善すべき領域が存在することが明らかになった。アロンソの今回の発言は、ドライバーが実際のコース上で感じ取っていた問題と、当初チーム側がデータから導き出していた評価との間にギャップが存在していたことを示すものでもある。

    それでもアロンソは、ニューウェイがデータだけを絶対視するエンジニアではないと強調する。

    「データは絶対的な真実ではない」
    アロンソは、F1マシンの挙動を理解するには、データとドライバーのフィードバックを組み合わせることが重要だと語った。

    「エイドリアンは両方の意見を聞くタイプのデザイナーだと思う。もちろんデータも見るけど、ドライバーのフィーリングにも耳を傾ける」

    「F1はものすごく複雑で、ダイナミックなスポーツだ。状況は毎周変わる。同じ燃料搭載量で走ることはないし、タイヤのデグラデーションも同じではない。風の状況も違うし、他のマシンを追っているのか、それとも単独で走っているのかによっても変わる」

    こうした条件の変化がマシンバランスに大きな影響を与える以上、数値だけですべてを判断することはできないというのがアロンソの考えだ。

    「マシンのバランスに影響を与える要素はたくさんある。だから、データは絶対的な真実ではない。両方を組み合わせる必要があると思う」

    「ニューウェイには世界最高の経験がある」
    意見の食い違いがあったことを認めながらも、アロンソはニューウェイへの信頼が揺らいでいないことを強調した。

    「エイドリアンには、マシンの設計と開発において世界最高の経験がある。僕たちは正しい方向に進んでいると思う」

    2026年からホンダのワークスパワーユニットを搭載し、新たな体制でシーズンを迎えたアストンマーティンだが、序盤は期待した競争力を発揮できず、AMR26の問題究明には時間を要した。

    その過程では、ドライバーの感覚とファクトリーのデータが異なる答えを示し、アロンソとニューウェイの間にも意見の相違が生まれた。しかし、その議論を経たことで問題への理解は深まりつつある。アロンソはデータとドライバー双方の声を取り入れるニューウェイの姿勢を評価し、アストンマーティンが現在は「正しい方向」に進んでいるとの手応えを示している。

  • リアム・ローソン レーシングブルズF1の躍進に自信「強力なパッケージがある」

    リアム・ローソン レーシングブルズF1の躍進に自信「強力なパッケージがある」

    レーシングブルズのリアム・ローソンは、2026年F1シーズン前半戦でチームが予想以上の競争力を発揮したことに手応えを示した。開幕当初はVCARB 03の難しさから「自信はなかった」と振り返る一方、早い段階で開発の方向性を確立し、マシンから最大限のパフォーマンスを引き出せるようになったと語っている。

    ローソンは11戦中8戦でポイントを獲得し、ドライバーズランキングではトップ4チームの8人に続く9位につけている。

    レーシングブルズもコンストラクターズランキング5位まで浮上しており、ファエンツァを拠点とするチームにとって過去最高となる年間順位が現実的な目標になりつつある。

    開幕前は「どれほど強いのか分からなかった」
    シーズンが始まる前、ローソン自身もレーシングブルズがここまで競争力を発揮できるとは確信していなかったという。特に新レギュレーションが導入された2026年は、VCARB 03の特性を理解することから始めなければならなかった。

    「正直に言えば、年初の時点では僕たちにもよく分かっていなかったと思う。かなり不確かな感覚で、どれくらい強くなれるのか分からなかった」

    「年初はマシンが難しかったので、シーズンがどうなるのかについて僕はまったく自信がなかった。ただ、新しいレギュレーションをしっかり理解して、そこからどう最大限を引き出すかということに集中していた」

    しかし、チームはVCARB 03への理解を急速に深めていった。

    「そこから僕たちはかなり早い段階でマシンから多くのパフォーマンスを引き出せるようになった。それが本当にうまく機能した」

    その成果は早くも中国GPで表れ、ローソンは7位入賞を果たした。この結果をきっかけにチームは勢いを増し、シーズンが進むにつれてランキング5位まで浮上した。

    開発の方向性を早期に確立「すべてがうまく機能した」
    ローソンは、シーズン序盤に正しい開発方向を見つけられたことが現在の好調につながっていると考えている。

    「とても重要だったと思う。かなり早い段階で良い方向性を見つけることができたし、それ以降に開発して製造してきたものは、どれも本当にうまく機能している」

    「もちろん、誰だって良い結果を出すのは好きだし、それによってチームのモチベーションも非常に高い状態に保たれていると思う」

    レーシングブルズはその後も安定してトップ10争いに加わった。ローソン自身、特定の1戦だけが突出していたというより、週末を通して着実にパフォーマンスを高めることが好結果につながっていると説明する。

    「とても良いレースはいくつかあった。モナコは本当に力強かったし、オーストリアも素晴らしかった。シルバーストンも良かった」

    「でも正直なところ、どの週末もかなり似ていた。週末が進むにつれて僕たちは強くなっていって、そのたびにマシンから引き出せるものをすべて引き出せたと感じている」

    好結果よりも苦戦した週末から学ぶ
    ローソンにとって、むしろ印象に残っているのは思うような結果を残せなかったレースだという。

    「かなりクリーンなレースができているので、逆に目立つのはうまくいかなかったレースかもしれない。それが少ないというのは良いことだけど、当然ながら、そういう週末から一番多くを学ばなければならない」

    具体的に挙げたのがマイアミGPとベルギーGPだった。

    「マイアミでは週末を通して全体的にペースが足りなかった。それからスパも、特に僕のガレージ側では難しい週末だった」

    「そういうレースを深く分析して、もっと理解しなければならない」

    一方、モナコGPとイギリスGPでは今季自己最高となる6位を獲得。トップチームとの差も縮まっている。

    「トップのドライバーたちからそれほど離れていなかった。数レース前まではものすごく遠かったからね。だから、間違いなく大きく改善している」

    速さはもう「驚きではない」
    シーズン序盤こそVCARB 03のポテンシャルはローソンにとって驚きだった。しかし、好結果を繰り返すにつれて、その競争力を当然のように発揮できる状態へと変わってきたという。

    「最初にパフォーマンスを見つけ始めたころは、たぶん驚きの方が大きかった。でも、それ以降は正直、それほど驚くことではなくなった」

    「みんなが本当に良い仕事をしているし、マシンに何が必要なのかをしっかり理解できている。ドライバーとしても、週末を重ねるたびにマシンからすべてを引き出す方法をより理解できるようになっている」

    「それができれば、僕たちには強力なパッケージがあることが分かっている。だからもう驚きではない。必ずそうなると期待しているわけではないけど、自分たちに実現できることだとは分かっている」

    「今年は何度もそれを実現してきたし、これからも繰り返していきたい」

    リンドブラッドとの共通認識もチームを後押し
    ローソンだけでなく、チームメイトのアービッド・リンドブラッドもVCARB 03で好パフォーマンスを見せている。レーシングブルズは直近6戦のうち5戦でダブル入賞を達成している。

    「正直、チームは本当に良い流れに乗っていると思う。アービッドはもちろんとても速いし、僕たちはかなり似ている」

    「マシンについて感じていることも、おそらく僕と似ている。それもチームが進む方向性を決めるうえで助けになっていると思うし、すごく良い状態だと思う」

    ローソン自身も、これまでのF1キャリアで現在が最も快適に戦えていると認める。

    「そうだね。当然、経験を積めば積むほどそうなっていくものだと思う。でも今年は結果も良くなっているし、それによって良い流れに乗っていると感じられる」

    リアム・ローソン(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    安定感を生んだ経験「レースは1コーナーでは決まらない」
    今季のローソンは速さだけでなく安定感も高まっている。その背景には、レース以外の部分で積み重ねてきた経験があるという。

    「それは表に見えないところで取り組んできた成長だと思う。個人的には経験が増えたこともあるし、レースは長くて、最初のコーナーで勝負が決まるわけではないということも理解するようになった」

    「いろいろなことが今の安定感につながっていると思う」

    夏休みについては、過密な前半戦を終えたチームにとって必要な時間だとしながらも、好調なだけに早くレースへ戻りたい気持ちもある。

    「みんなにとって休むのは良いことだと思う。この時期はかなり忙しかったからね」

    「でも当然、僕はレースが好きだし、特にうまくいっているときはなおさらだ。休み明けには楽しみなレースがいくつもあるし、そこに飛び込んでいくのが待ちきれない」

    目標はレーシングブルズを「中団トップ」に
    後半戦に向けてローソンが掲げる個人的な目標は、具体的なランキング順位ではない。可能な限り多くの週末でポイントを獲得し、VCARB 03の能力を最大限に引き出すことだ。

    「個人的な目標としては、できるだけ多くの週末でポイントを獲得して、マシンから引き出せるものをすべて引き出すこと。それで年末にどの順位にいるかは、その結果として決まるものだと思う」

    「大切なのは、自分にできることをすべてやったと分かっていることだ」

    中団争いでは、レースごとの勢力図の変化が大きいため、特定の順位を目標にすることには意味がないとも考えている。

    「具体的に何位を狙っているというものはない。F1でそういう期待を持つのはすごく難しい。特に中団にいるとね」

    「でも、僕たちが中団でベストのチームになれるなら、ドライバーとしても自分たちの仕事を果たしたと言えると思う」

    開幕時にはVCARB 03の難しさからシーズンへの自信を持てなかったローソンだが、11戦を終えた現在、その評価は大きく変わった。開発の方向性、ドライバー同士のフィードバック、週末を通じたマシン理解が噛み合い、レーシングブルズは中団トップを争う存在へと成長。ランキング5位を守り切れるかが、後半戦の大きな焦点となる。