アンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1スペインGPの決勝でタイヤデグラデーションが大きな鍵になると警戒している。フリー走行のロングランでは早い段階でプッシュすると急激にタイヤが落ちる傾向が確認されており、「最初の10周はおばあちゃん運転になる」と冗談を交えてタイヤ管理の重要性を語った。
メルセデスのアントネッリはマドリンクで行われた予選で1分31秒835を記録。Q3最後のアタックで一時トップに立ったものの、ランド・ノリスにわずか0.011秒上回られ、2番グリッドから初開催のF1スペインGP決勝を迎える。
「最初の10周はおばあちゃん運転」
アントネッリが決勝に向けて最大の課題に挙げたのがタイヤデグラデーションだ。
「最大のチャレンジは明日だと思う。デグラデーションがかなり大きそうだからね」
決勝でタイヤをどのように持たせる必要があるかと聞かれると、アントネッリは笑いを誘う表現で答えた。
「たぶん最初の10周は“おばあちゃん運転”になると思う。でも、どうなるか見てみよう」
「ロングランでは、早くプッシュしすぎるとデグラデーションがどれだけ急激になるか分かった。もちろん、明日レースを始めてみたらデグラデーションがずっと小さい可能性もある。だから、その場で判断する必要がある」
メルセデスの公式コメントでも、アントネッリは決勝について「全員にとって大きなチャレンジになる」と予想している。
「明日は未知の部分がたくさんあって、全員にとって大きなチャレンジになる。タイヤのマネジメントが鍵になると思う」
2ストップか3ストップか ハードも未知数
タイヤ戦略についても不確定要素は多い。特にハードタイヤについては十分なデータがなく、どれだけ長いスティントを走れるかはまだ明確になっていない。
「ハードがどういうタイヤなのか、どれくらい耐えられるのかはまだよく分かっていない。明日は2ストップになるかもしれないし、3ストップになるかもしれない」
重要になるのは、特にレース序盤の第1スティントだという。
「できるだけタイムを失わないようにしながら、特に第1スティントではタイヤをできる限りマネジメントすることが重要になる」
マドリンクでは高い路面温度もタイヤを扱う難しさを増している。予選でもアントネッリは、アウトラップからプッシュラップ終了までタイヤを適切なウインドウに維持することに苦労した。
「とても激しい予選だった。路面がかなり熱かったから、タイヤとのバランスを正しく合わせるのが難しかった」
「アウトラップでの準備を正しく行うのも難しかったし、そのうえでプッシュラップ全体を通してタイヤを正しいウインドウに保たなければならなかった」
オーバーテイクも難しいマドリンク
タイヤを温存する必要がある一方で、マドリンクではオーバーテイクが難しいという別の問題もある。
アントネッリはフリー走行でウィリアムズの後方を走った際、追い抜くまでに2周を要した経験を明かした。
「プラクティスではウィリアムズの後ろで2周もかかって、かなり苦労してようやく抜けた。本当に難しい」
「もともとデグラデーションが大きいのに、後ろを走るとさらにスライドが増えて、もっと難しくなる」
ペースが近いマシンをコース上で抜くのは簡単ではなく、タイヤの使い方や戦略によってチャンスを作る必要があると考えている。
「前のマシンにプレッシャーをかけて、ミスをさせるか、よりタイヤを消耗させる。そして戦略を使うしかない。同じくらいのペースなら、オーバーテイクするのは難しい」

2番グリッドからノリスを狙う
それだけに、2番グリッドから迎えるスタートは重要になる。
「スタートは間違いなくすごく重要だし、ターン1までの走りも重要になる」
予選直後のインタビューでは、ポールシッターのノリスをスタートでかわすことへの期待も口にした。
「いいスタートができればいいね。そこで前に出られればと思っている」
「勝つチャンスが来れば、それを取りにいく。それがなければ、自分たちにできる最高のレースをして、どうなるか見てみよう」
メルセデスの公式コメントでも「オーバーテイクは難しくなると思うけど、ランドにプレッシャーをかけて、勝利を争うために何ができるか見てみたい」と語った。
アントネッリは予選Q3最後のアタックでポールを取ったと思ったというほどの手応えを得ていたが、最後にノリスが0.011秒上回った。
「こういう形で終わったのは少しほろ苦い。ポールを取ったと思ったからね。でもランドが奪っていった」
それでも2番グリッドは、オーバーテイクが難しいと予想されるマドリンクでは絶好の位置だ。スタートでノリスに仕掛けつつ、序盤は“おばあちゃん運転”でタイヤを守るという相反する要求をどう両立するか。高いデグラデーションと未知のハードタイヤを巡る戦略が、アントネッリの勝利争いを左右することになりそうだ。
