ラファエル・カマラ ハースF1テストでベアマン超え「唯一の障壁はトヨタ」

ラファエル・カマラ ハースF1テストでベアマン超え「唯一の障壁はトヨタ」

ラファエル・カマラが、2027年のF1シート獲得に向けて大きく前進している。ハースがポルティマオで実施したTPC(旧型車テスト)で、現役ドライバーのオリバー・ベアマンが設定した基準タイムを上回ったという。

フェラーリ・ドライバー・アカデミーに所属する21歳のカマラは、8月末にポルトガルのアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われたハースの3日間のテストに参加。レオナルド・フォルナローリ、平川亮とともに評価を受け、ベアマンが比較対象として走行した。

ベアマンを上回ったカマラ
ブラジル人F1ジャーナリストのジュリアン・セラソリによると、カマラは単にベアマンのペースに迫っただけではなく、最終的にそのタイムを上回ったという。

「ラファ・カマラはハースのテストでベアマンのペースに並んだだけではありません。実際にベアマンより速かったんです」

セラソリは自身のポッドキャスト『In the F1 Paddock with Ju Cerasoli』でそう説明した。

「私が聞いた表現をそのまま使うと、『まるでもう1段ギアを持っているようだった』ということでした。テストにはさまざまな項目がありましたが、そのすべてで非常に良かったそうです」

テスト終盤には、各ドライバーがほぼ同じ条件で3周のアタックを行う比較プログラムが組まれたという。

「最後に各ドライバーが3周の速いラップを走りました。基本的には同じ条件です。そのとき、ラファはベアマンより速かったんです。ベアマンは基準を作るためにこのテストに参加していました」

カマラのパフォーマンスについては、ブラジルのgeもベアマンが記録した基準タイムを上回ったと報道。さらにフォルナローリに約0.2秒、平川に0.3秒以上の差をつけたと伝えられている。

今回使用されたのは2025年型のVF-25であり、ベアマンにとっては前年のF1シーズンを戦った経験のあるマシンだった。一方、カマラにとってハースでのテストは初めてで、ポルティマオでの走行経験もなかった。

それでも純粋な速さだけでなく、マシンへの適応力やエンジニアへのフィードバックでも高い評価を得たとされている。

2027年ハースF1シート争いで急浮上
ハースは2027年のドライバーラインナップをまだ確定していない。

オリバー・ベアマンは残留する可能性が高い一方、エステバン・オコンの将来は不透明となっており、そのシートを巡って複数の候補が争っている。

カマラはその有力候補のひとりだ。現在F2に参戦しており、ランキングでは首位ニコラ・ツォロフと11ポイント差の2位につけている。

さらにフェラーリ側もカマラのF1昇格を強く後押ししている。

フェラーリのフレデリック・バスール代表は以前、カマラについて、単なる資金面だけでなく旧型F1マシンを使ったテストなどにも多額の投資を行い、F1昇格に向けた準備を進めていることを明かしている。

今回のハースでのテスト結果によって、その評価はさらに高まったようだ。

「シートは彼のもの。ただしリスクはトヨタ」
しかし、セラソリによれば、カマラが2027年のハースF1シートを獲得するうえで、まだひとつ大きな障壁が残されている。

それがトヨタだ。

ハースはフェラーリからパワーユニットやギアボックスなどの供給を受ける一方、トヨタとも技術提携を結んでいる。今回のTPCプログラムを拡大できた背景にも、トヨタとの協力関係がある。

そのため、すでにベアマンというフェラーリ育成出身のドライバーを起用しているハースが、さらにフェラーリ育成のカマラを加入させることに対して、トヨタ側がどのような判断を下すかがポイントになるという。

「シートは彼のものです。ただし、リスクはトヨタです」

セラソリはそう説明した。

「彼らが『ちょっと待ってくれ。フェラーリのドライバーを2人乗せるのか? 我々のスポンサーシップやパートナーシップについて分かっているのか? それなら見直さなければならない』と言う可能性があります」

トヨタが支援する平川亮も今回のテストに参加しており、ハースのリザーブドライバーを務めている。

一方、フォルナローリにはマクラーレンの支援がある。つまり、2027年のシート争いは単純なラップタイムだけでなく、フェラーリ、トヨタ、マクラーレンとハースの関係も絡む複雑な構図となっている。

ラファエル・カマラ ハースF1チーム トヨタ

カマラは「できることをすべてやった」
それでも、カマラ自身がコントロールできる部分については、ほぼ最高の結果を残したとセラソリは評価する。

「ラファはテストで素晴らしいパフォーマンスを見せましたし、非常に優れたスポンサーのパッケージも持っています。だからハースに対して、自分を可能な限り最高のポジションに置いています。彼にこれ以上できることはありません」

「パドックで多くの人と話しましたが、彼からシートを奪う可能性があるとすれば、トヨタとフォルナローリを巡る動きです。あのテストの後、彼の評価は非常に、非常に、非常に高くなりました。ただ、状況はより複雑になっています」

ハースが最終的に純粋なパフォーマンスをどこまで重視し、フェラーリとトヨタという2つの重要なパートナーとの関係をどう整理するのか。

少なくともポルティマオでカマラは、現役のベアマンを基準とした直接比較で自らの速さを示した。2027年のF1デビューに向け、コース上でできるアピールを終えたカマラにとって、残された最大の不確定要素はハースとトヨタの判断になりそうだ。