リアム・ローソンが、レーシングブルズと同じレッドブル・パワートレインズ製パワーユニット(PU)を搭載するレッドブルRB22で、パワーデリバリーの違いに苦戦していたことが明らかになった。
ローソンは2026年F1イタリアGPで、負傷したアイザック・ハジャーの代役としてレッドブル・レーシングから出場。レーシングブルズのVCARB-03で使い慣れているはずのPUだったが、RB22ではその出力特性を理解することが難しく、それが自身を「最も妨げている」と訴えていたという。
同じレッドブルPUでもRB22では異なる感触
2026年からレッドブル・レーシングとレーシングブルズは、ともにレッドブル・パワートレインズ製PUを搭載している。
ローソンはレーシングブルズでVCARB-03をドライブしてきただけに、レッドブルのPUそのものには十分な経験がある。通常であれば、代役として別チームのマシンに乗り換える際にも、少なくともエンジン側の特性については一定の知識を持っていることになる。
しかし、実際にRB22を走らせると、その感触はVCARB-03と同じではなかった。
F1イタリアGPのFP1でローソンの無線を聞いていたF1TVのアレックス・ブランドルは、中継では放送されなかった興味深いやり取りがあったことを明かしている。
「リアム・ローソンについて話そうと思って来たんだけど、彼は不安定さの問題を抱えている。それに加えて、現時点でレッドブルのパワーデリバリーを理解できないとも言っている。彼が自分を最も妨げているものとして挙げているのは、そこだ」
つまり、ローソンが苦戦していたのは単純なPUの性能不足ではなく、アクセル操作に対してどのようにパワーが立ち上がるのかというドライバビリティの部分だった。
レーシングブルズで経験済みのPUが「最大の足かせ」に
この証言が興味深いのは、ローソンがレッドブル・パワートレインズ製PUを初めて経験したドライバーではないという点にある。
レーシングブルズも同じPUを使用しており、ローソンはVCARB-03でその特性を十分に経験してきた。それにもかかわらず、RB22に乗り換えるとパワーデリバリーを「理解できない」と感じていた。
同じPUを搭載していても、実際のドライバビリティはマシンごとに同一になるわけではない。エネルギーマネジメントやスロットルマッピング、ギアリング、シャシー側の特性などが組み合わさることで、ドライバーがアクセルペダルから受け取る感覚には違いが生じる。
ローソンはFP1でRB22について「不安定だ」とも繰り返し訴えていた。アレックス・ジャックは当時のF1TV中継で「彼は無線でマシンが『不安定だ』と言っている。そしてFP1を通して、ずっと同じことを言い続けている」と伝えている。
それでもローソンはFP1を4番手で終えたが、ベストタイムはソフトのC5タイヤで記録したものだった。トップタイムのシャルル・ルクレールはミディアムのC4タイヤを使用しており、順位ほど順調なセッションではなかったことが無線からもうかがえる。

RB22特有の扱いにくさを示すローソンの証言
レッドブル・パワートレインズは2026年の新レギュレーション導入に合わせて初の自社製F1パワーユニットを投入。FIAのADUO評価では、そのICE(内燃エンジン)は高い性能を示している。
一方で、絶対的なエンジン性能とドライバーが感じる扱いやすさは別の問題だ。
レーシングブルズで同じPUを経験してきたローソンが、RB22に乗った途端にパワーデリバリーへの戸惑いを訴えたことは、その違いを浮き彫りにするものだった。
ローソンにとってレッドブルへの乗り換えは、単に同じPUを搭載した別のシャシーに乗るというほど単純なものではなかった。使い慣れたはずのレッドブル製PUでさえRB22では異なる振る舞いを見せ、その特性を理解すること自体が課題になっていた。
