マルク・マルケス アイザック・ハジャーにF1欠場助言「悪化させれば人生が変わる」

マルク・マルケス アイザック・ハジャーにF1欠場助言「悪化させれば人生が変わる」

MotoGP王者のマルク・マルケスが、負傷によってF1オランダGPを欠場したレッドブル・レーシングのアイザック・ハジャーから相談を受け、レース出場を無理に強行しないよう助言していたことを明かした。

ハジャーはトレーニングの一環として行っていたボクシングで手首を負傷。小さな骨折が判明し、ザントフォールトでのオランダGPを欠場した。

自身も度重なる大けがと長期離脱を経験してきたマルケスは、「1レースを欠場しても人生は変わらない。でも、早く復帰してけがを悪化させれば人生が変わる」と伝えたという。

ハジャーがマルケスに相談 負傷したままF1出場すべきか
ハジャーはオランダGPを前に手首を負傷したものの、当初はレース出場の可能性を探っていた。

しかし、ザントフォールトの週末にはフランスメディアが、ハジャーが最終的な判断を下す前にマルケスへ助言を求めたと報じていた。

マルケスは8月27日、MotoGPアラゴンGPを前にMotoGP公式サイトの取材に応じ、実際にハジャーから連絡があったことを認めた。

「ハジャーから連絡が来た」

「もちろん僕は医者ではない。でも、アドバイスが欲しかったんだ。ライダーにとって、今回はドライバーだけど、こういう判断はものすごく難しい。自分では『もしかしたらいけるかもしれない』と感じることがあるからね」

「でも、『分かった。このレースは欠場して、次のレースに向けてもっといい状態を作ろう』と受け入れるのは難しい」

ハジャーは最終的にオランダGPからの欠場を決断。代役としてリアム・ローソンがレッドブルに乗り、レーシングブルズでは角田裕毅がF1復帰を果たした。

「1レース欠場しても人生は変わらない」自身の経験から警告
マルケスの言葉に重みがあるのは、自身が負傷を抱えたまま早期復帰を試み、その後長期間にわたって苦しんだ経験を持つからだ。

マルケスは2020年のMotoGPスペインGPで右上腕骨を骨折。当初は早期復帰を目指したものの、その後状態が悪化し、最終的には約2年間で右腕に4度の大きな手術を受けることになった。

2020年シーズンは事実上すべてのレースを欠場。競技人生そのものを左右する大けがとなった。

マルケスは、その経験こそがハジャーに伝えたかった最大の教訓だったと説明する。

「僕が言ったのはそれだけだ。過去の経験から学んだ。1レースを欠場したからといって、人生が変わることはない」

「でも、早すぎる段階で走って、けがを悪化させてしまえば、人生が変わる可能性がある」

「僕自身、ヘレスで負傷してから人生は大きく変わった。だから、その経験からアイザックにアドバイスしようとしただけだ」

アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

ハジャーの決断を支持「長いキャリアが待っている」
マルケスは、オランダGPを欠場したハジャーの判断について「正しかった」と評価した。

「彼は正しい決断をしたと思う。彼にはこれから長いキャリアが待っているからね」

ハジャーは手首に小さな骨折を負ったものの、現時点では次戦イタリアGPでの復帰が見込まれている。

1戦の出場を優先するのではなく、完全な回復に近づけてから復帰する。その判断を後押ししたのが、負傷によって競技人生を大きく変えられた経験を持つマルケスだった。

マルケスは近年、自身の負傷経験を生かして他のライダーにも助言を送っており、2025年に相次ぐ負傷に苦しんだホルヘ・マルティンにも同様に自身の経験を伝えている。

F1とMotoGPというカテゴリーの違いはあっても、トップレベルの選手がけがを抱えながら競技復帰を判断する難しさは共通する。ハジャーにとって今回の欠場は苦しい決断だったが、マルケスは自身のキャリアを通じて得た教訓から、将来を優先する選択を強く勧めた。