アストンマーティンF1 AMR26Bに残る「隠れた弱点」ニューウェイが軽量化を推進

アストンマーティンF1 AMR26Bに残る「隠れた弱点」ニューウェイが軽量化を推進

アストンマーティンF1は、AMR26Bのさらなる性能向上に向けて「重量」という課題に取り組んでいる。ハンガリーGPで投入された大幅改良型は空力面で前進し、ホンダもパワーユニットの性能向上を進めているが、マシンは依然としてF1の最低重量に達していないという。

アストンマーティンのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、チームがモンツァとバクーでAMR26Bの軽量化を進め、最低重量まで引き下げることを短期的な目標としていると明かした。

エイドリアン・ニューウェイ率いる技術陣にとって、空力開発やホンダF1パワーユニットの改善とは別の領域でラップタイムを削る重要な取り組みとなる。

AMR26Bで状況が一変したアストンマーティン
2026年F1シーズン序盤、アストンマーティンは厳しい状況に置かれていた。新レギュレーションが導入された最初の10戦では、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールが他チームと競り合うことさえ難しいレースが続いた。

しかし、ハンガリーGPでAMR26Bと呼ばれる大幅改良型を投入し、さらにオランダGPでもアップデートを加えたことで状況は変化した。

ザントフォールトではアロンソが18番グリッドから9位まで挽回してポイントを獲得。アストンマーティンが中団で戦えるだけの競争力を取り戻しつつあることを示した。

そのパフォーマンス向上には空力面の進歩に加え、オランダGPで投入されたホンダF1パワーユニットの新仕様も一定の役割を果たした。ただし、パワー面での向上が確認された一方、新仕様ではドライバビリティに新たな課題も生じた。

ホンダF1新PUはブレーキングとシフトダウンが課題
次戦イタリアGPに向けた課題のひとつが、ホンダF1パワーユニットのドライバビリティ改善だ。

オランダGPでは、特にブレーキングからシフトダウンにかけての挙動が安定せず、ドライバーがマシンの性能を最大限に引き出すうえで障害となった。

デ・ラ・ロサは、改善すべきポイントについて次のように説明している。

「新しいエンジンについては、ドライバビリティを改善しなければならない。特にブレーキングとシフトダウンの部分だ」

この領域ではホンダ側の改善が重要になる。一方、アストンマーティン側ではAMR26Bそのものについて、空力アップデートとは異なる性能向上策が進められている。それがマシンの軽量化だ。

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

AMR26Bは依然として最低重量に到達せず
デ・ラ・ロサによれば、AMR26Bはシーズン開幕時から抱えていた重量超過を完全には解消できておらず、現在も規定の最低重量より重い状態にある。

「もうひとつ取り組んでいるのがマシンの軽量化だ。今後2戦、モンツァとバクーで最低重量の限界まで持っていくことを目指している。まだそこには到達していない。ウィリアムズも同じだ。これが短期的な目標になる」

F1マシンでは最低重量を上回る余分な重量は、そのままパフォーマンス上の不利につながる。空力アップデートの場合、新しいパーツによってダウンフォースを増やしてもドラッグやマシンバランスなど別の領域に影響を及ぼす可能性がある。

これに対して軽量化は、マシンの基本性能を底上げする手段となる。余分な重量を削減できれば、加速やブレーキング、コーナリングなど幅広い領域で恩恵を得られるためだ。

モンツァからバクーにかけて段階的に軽量化
アストンマーティンは、まずイタリアGPが行われるモンツァで軽量化の第1段階を進め、その後のバクーで最低重量への到達を目指す方針だという。その間に開催されるマドリードGPでは、この点に関する新たな変更は予定されていないとされる。

AMR26Bの開発では、ニューウェイを中心に空力性能の改善が進められてきた。同時にホンダはパワーユニットの出力とドライバビリティ改善に取り組んでいる。そして、そこに軽量化という第3の開発軸が加わることになる。

アストンマーティンにとって当面の課題は明確だ。ホンダF1パワーユニットではブレーキングやシフトダウン時のドライバビリティを改善し、シャシー側ではAMR26Bを最低重量まで近づける。モンツァとバクーは、ハンガリーから始まった復調をさらに確かなものにできるかを測る重要な2戦となる。